JP2004010521A - 含フッ素不飽和化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な含フッ素不飽和化合物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】R[OCF2(CH2)nCH=CH2]pで表される含フッ素不飽和化合物。R[OCF2COOM]pで表されるカルボン酸金属塩とX(CH2)nCH=CH2で表されるハロゲン化不飽和化合物とを反応させる前記含フッ素不飽和化合物の製造方法(ただし、RはP価有機基、nは1〜11の整数、pは1〜4の整数、Mは金属原子、Xはハロゲン原子を示す。)。
【選択図】なし
【解決手段】R[OCF2(CH2)nCH=CH2]pで表される含フッ素不飽和化合物。R[OCF2COOM]pで表されるカルボン酸金属塩とX(CH2)nCH=CH2で表されるハロゲン化不飽和化合物とを反応させる前記含フッ素不飽和化合物の製造方法(ただし、RはP価有機基、nは1〜11の整数、pは1〜4の整数、Mは金属原子、Xはハロゲン原子を示す。)。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は含フッ素不飽和化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
末端部分に−CH=CH2を有する含フッ素化合物としては、Rf(CF2CF2)rCH2CH=CH2(Rfはポリフルオロアルキル基を示す。)があり、該含フッ素化合物の製造方法には、以下の方法がある。
RfIとCF2=CF2をテロメリゼーション反応によりRf(CF2CF2)rI(rは1以上の整数。)としたものを、エチレンに付加してRf(CF2CF2)rCH2CH2Iとし、さらにCH3COOCH2CH=CH2に付加してRf(CF2CF2)rCH2CHICH2OCOCH3として、亜鉛を用いてRf(CF2CF2)rCH2CH=CH2とする方法。
【0003】
しかし、テロメリゼーション反応によりRf(CF2CF2)rIを製造すると、炭素数(すなわち前記化学式におけるr)に分布を有する化合物が生成するため、該化合物から誘導されたRf(CF2CF2)rCH2CH=CH2も、炭素数に分布を有する含フッ素化合物となる。よって、末端部分に−CH=CH2を有し、かつ、特定の炭素数を有する含フッ素化合物を得るためには、反応後に分離を行う必要がある。
【0004】
一方、出発物質が[−O(CF2)2COOM]のような[−CF2CF2−]の連鎖を有する化合物では、脱炭酸して生成した[−O(CF2)2M]から[MF]が速やかに脱離して[−OCF=CF2]が生成しやすいため、末端部分に−CH=CH2を有する含フッ素化合物は得られにくい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記テロメリゼーション反応における炭素数分布の難点および上記[−OCF=CF2]副生の難点を解消するためには、[−OCF2−]構造を採用することが重要であり、それに基づいて末端部分に−CH=CH2を有する新規化合物を見出した。すなわち、本発明は、新規な含フッ素不飽和化合物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下式1で表される含フッ素不飽和化合物(以下、化合物1とも記す。)を提供する。また本発明は、下式2で表されるカルボン酸金属塩(化合物2)と下式3で表されるハロゲン化不飽和化合物(化合物3)とを反応させることを特徴とする化合物1の製造方法を提供する。
R[OCF2(CH2)nCH=CH2]p・・・式1
R[OCF2COOM]p・・・式2
X(CH2)nCH=CH2・・・式3
ただし、式1、式2、式3における記号は、以下の意味を示す。
R:p価有機基。
M:金属原子。
p:1〜4の整数。
X:ハロゲン原子。
n:1〜11の整数。
【0007】
【発明の実施の形態】
化合物1において、Rは1、2、3または4価の有機基である。Rとしては、1価または2価の有機基が好ましく、特に1価有機基が好ましい。また、Rは直鎖構造でもよく、分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよい。
【0008】
Rとしては、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が好ましく、特にハロゲン化炭化水素基が好ましい。ハロゲン化炭化水素基としては、フッ素化炭化水素基が好ましく、特に炭化水素基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であるペルフルオロ炭化水素基が好ましく、とりわけエーテル性酸素原子を含むペルフルオロ炭化水素基が好ましい。
【0009】
化合物1において、pは1または2が好ましく、特に1が好ましい。また、化合物1において、nは1〜6が好ましく、特に1〜3が好ましく、とりわけ1が好ましい。
【0010】
化合物1としては、合成が容易であるため、下式4で表される化合物(化合物4)または下式5で表される化合物(化合物5)が好ましい。
R1OCF2(CH2)mCH2CH=CH2・・・式4
R2[OCF2(CH2)qCH=CH2]2・・・式5
ただし、式4、式5における記号は、以下の意味を示す。
R1:炭素数1〜16のエーテル性酸素原子を有する1価含フッ素有機基。
R2:炭素数1〜16のエーテル性酸素原子を有する2価含フッ素有機基。
m、q:それぞれ独立に、1〜11の整数。
【0011】
化合物4または化合物5において、R1、R2は直鎖構造でもよく、分岐構造を有していてもよい。分岐構造を有する場合には、分岐部分が末端に存在するのが好ましく、該分岐部分は(CF3)2CF−が好ましい。
【0012】
化合物1の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
CF3OCF2CH2CH=CH2、C2F5OCF2CH2CH=CH2、C3F7OCF2CH2CH=CH2、C4F9OCF2CH2CH=CH2、C5F11OCF2CH2CH=CH2、C6F13OCF2CH2CH=CH2、C7F15OCF2CH2CH=CH2、C8F17OCF2CH2CH=CH2。
CF3O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2、CF3O(CF2)2OCF2CF2OCF2CH2CH=CH2、C2F5O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2、
C2F5O(CF2)2O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2、(CF3)2CFOCF2CH2CH=CH2、F[CF(CF3)CF2O]2CF2CH2CH=CH2、F[CF(CF3)CF2O]3CF2CH2CH=CH2。
CH2=CHCH2CF2O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2、CH2=CHCH2CF2[OCF2CF(CF3)]2O(CF2)6O[CF(CF3)CF2O]2CF2CH2CH=CH2、CH2=CHCH2CF2[OCF2CF(CF3)]2O(CF2)6O[CF(CF3)CF2O]2CF2CH2CH=CH2。
【0013】
化合物2において、Rとしては前記化合物1におけるのと同様の態様が好ましい。Mとしては、ナトリウムまたはカリウムが好ましい。pとしては、化合物1におけるのと同様に1または2が好ましく、特に1が好ましい。
【0014】
化合物2の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。以下の具体例においてMは金属原子を示す。
CF3OCF2COOM、C2F5OCF2COOM、C3F7OCF2COOM、C4F9OCF2COOM、C5F11OCF2COOM、C6F13OCF2COOM、C7F15OCF2COOM、C8F17OCF2COOM、CF3O(CF2)2OCF2COOM、CF3O(CF2)2O(CF2)2OCF2COOM、C2F5OCF2COOM、C2F5O(CF2)2OCF2COOM、C2F5O(CF2)2O(CF2)2OCF2COOM、(CF3)2CFOCF2COOM、F[CF(CF3)CF2O]2CF2COOM、F[CF(CF3)CF2O]3CF2COOM。
MOOCCF2O(CF2)2OCF2COOM、MOOCCF2[OCF2CF(CF3)]2O(CF2)6O[CF(CF3)CF2O]2CF2COOM。
【0015】
化合物2は、たとえば、以下の反応により得られる。
C2H5(OCH2CH2)2OHとFCOCFCF3OCF2CFCF3OCF2CF2CF3とを反応させて、C2H5(OCH2CH2)2OCOCFCF3OCF2CFCF3OCF2CF2CF3とし、これを直接フッ素化(Adv.Synth.Catal.2001,343,No.2)してC2F5(OCF2CF2)OCOCFCF3OCF2CFCF3OCF2CF2CF3とし、KFを用いてC2F5(OCF2CF2)OCF2COFとして、さらにNaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物と反応させる。
【0016】
化合物3において、Xは塩素原子または臭素原子が好ましい。nは前記化合物1におけるのと同様に、1〜6が好ましく、特に1〜3が好ましく、とりわけ1が好ましい。化合物3としては、ClCH2CH=CH2、BrCH2CH=CH2が好ましい。
【0017】
化合物2と化合物3との反応においては、溶媒を用いてもよい。該溶媒としては、エーテル、アミド化合物、ニトリル化合物等が好ましく、特にジエチルエーテル、グライム、ジオキサン、テトラヒドフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリル等が好ましく、とりわけ、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルが好ましい。
【0018】
溶媒の使用量は、化合物2と化合物3の合計量100質量部に対して、50〜1000質量部が好ましく、特に100〜500質量部が好ましい。
【0019】
該反応において、化合物3の使用量は、化合物2の1モルに対して1〜10倍が好ましく、特に1〜5倍が好ましい。
【0020】
また、該反応の温度は、Mの種類等により適宜選択され、100〜250℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。該反応の圧力は、特に制限はなく、反応により生じる圧力の範囲でのなりゆきの圧力が好ましい。
【0021】
【作用】
本発明において、化合物1を効率的に製造するためには、化合物2における[−OCF2COOM]の構造が重要である。すなわち、本発明においては、化合物2が、[−OCF2COOM]において脱炭酸して[−OCF2M]となり、該[−OCF2M]が化合物3と反応して[−OCF2(CH2)nCH=CH2]となると推定される。
【0022】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0023】
[例1]
内容積50mLのステンレス製の反応容器に、1,4−ジオキサンの15g、C2F5O(CF2)2OCF2COOKの5gおよびClCH2CH=CH2の3.0gを入れて密閉し、撹拌しながら180℃で4時間反応を行った。水を50mL入れて2層分離した後、有機層を蒸留して生成物であるC2F5O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2を2.3g得た。
【0024】
生成物についての測定結果を以下に示す。
IR(neat):1643,1341,1238,1199,1154,1095cm−l、
1H−NMR(CDCl3)δ:2.97〜2.76(m,2H,CH2CH=CH2),5.29〜5.42(m,2H,CH2CH=CH2),5.73〜5.92(m,1H,CH2CH=CH2)、
19F−NMR(CDCl3)δ:−80.4〜−80.7(m,2F,OCF2CH2),−86.4〜−86.5(m,3F,CF3),−87.9〜−88.4(m,6F,CF2OCF2CF2O)。
【0025】
[例2]
内容積50mLのステンレス製の反応容器に、1,4−ジオキサンの15g、KOCOCF2O(CF2)2OCF2COOKの5gおよびClCH2CH=CH2の5.8gを入れて密閉し、撹拌しながら180℃で4時間反応を行った。水を50mL入れて2層分離した後、有機層を蒸留して生成物であるCH2=CHCH2CF2O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2を2.8g得た。
【0026】
生成物についての測定結果を以下に示す。
IR(neat):1643,1341,1238,1199,1154,1095cm−l、
1H−NMR(CDCl3)δ:2.97〜2.76(m,4H,CH2CH=CH2),5.29〜5.42(m,4H,CH2CH=CH2),5.73〜5.92(m,2H,CH2CH=CH2)、
19F−NMR(CDCl3)δ:−80.4〜−80.7(m,4F,OCF2CH2),−87.9〜−88.4(m,8F,OCF2CF2O)。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な含フッ素不飽和化合物を合成できる。該含フッ素不飽和化合物は、撥水撥油剤、界面活性剤、離型剤等の各種含フッ素機能性化合物の中間体として有用である。
【0028】
たとえば、HSi(CH3)4−zClz(zは1〜3の整数。)等のケイ素化合物と反応させてR[OCF2(CF2)n(CH2)3Si(CH3)4−zClz]p(R、nは前記と同様の意味を示す。)等のシランカップリング剤を合成できる。また、分子内にHSi(CH3)O−を有するシリコーンオイル等と反応させて含フッ素シリコーンオイルを合成できる。
【0029】
本発明の含フッ素不飽和化合物は、メタロセン触媒等を用いて重合反応を行うことができ、新規な含フッ素重合体を製造できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は含フッ素不飽和化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
末端部分に−CH=CH2を有する含フッ素化合物としては、Rf(CF2CF2)rCH2CH=CH2(Rfはポリフルオロアルキル基を示す。)があり、該含フッ素化合物の製造方法には、以下の方法がある。
RfIとCF2=CF2をテロメリゼーション反応によりRf(CF2CF2)rI(rは1以上の整数。)としたものを、エチレンに付加してRf(CF2CF2)rCH2CH2Iとし、さらにCH3COOCH2CH=CH2に付加してRf(CF2CF2)rCH2CHICH2OCOCH3として、亜鉛を用いてRf(CF2CF2)rCH2CH=CH2とする方法。
【0003】
しかし、テロメリゼーション反応によりRf(CF2CF2)rIを製造すると、炭素数(すなわち前記化学式におけるr)に分布を有する化合物が生成するため、該化合物から誘導されたRf(CF2CF2)rCH2CH=CH2も、炭素数に分布を有する含フッ素化合物となる。よって、末端部分に−CH=CH2を有し、かつ、特定の炭素数を有する含フッ素化合物を得るためには、反応後に分離を行う必要がある。
【0004】
一方、出発物質が[−O(CF2)2COOM]のような[−CF2CF2−]の連鎖を有する化合物では、脱炭酸して生成した[−O(CF2)2M]から[MF]が速やかに脱離して[−OCF=CF2]が生成しやすいため、末端部分に−CH=CH2を有する含フッ素化合物は得られにくい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記テロメリゼーション反応における炭素数分布の難点および上記[−OCF=CF2]副生の難点を解消するためには、[−OCF2−]構造を採用することが重要であり、それに基づいて末端部分に−CH=CH2を有する新規化合物を見出した。すなわち、本発明は、新規な含フッ素不飽和化合物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下式1で表される含フッ素不飽和化合物(以下、化合物1とも記す。)を提供する。また本発明は、下式2で表されるカルボン酸金属塩(化合物2)と下式3で表されるハロゲン化不飽和化合物(化合物3)とを反応させることを特徴とする化合物1の製造方法を提供する。
R[OCF2(CH2)nCH=CH2]p・・・式1
R[OCF2COOM]p・・・式2
X(CH2)nCH=CH2・・・式3
ただし、式1、式2、式3における記号は、以下の意味を示す。
R:p価有機基。
M:金属原子。
p:1〜4の整数。
X:ハロゲン原子。
n:1〜11の整数。
【0007】
【発明の実施の形態】
化合物1において、Rは1、2、3または4価の有機基である。Rとしては、1価または2価の有機基が好ましく、特に1価有機基が好ましい。また、Rは直鎖構造でもよく、分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよい。
【0008】
Rとしては、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が好ましく、特にハロゲン化炭化水素基が好ましい。ハロゲン化炭化水素基としては、フッ素化炭化水素基が好ましく、特に炭化水素基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であるペルフルオロ炭化水素基が好ましく、とりわけエーテル性酸素原子を含むペルフルオロ炭化水素基が好ましい。
【0009】
化合物1において、pは1または2が好ましく、特に1が好ましい。また、化合物1において、nは1〜6が好ましく、特に1〜3が好ましく、とりわけ1が好ましい。
【0010】
化合物1としては、合成が容易であるため、下式4で表される化合物(化合物4)または下式5で表される化合物(化合物5)が好ましい。
R1OCF2(CH2)mCH2CH=CH2・・・式4
R2[OCF2(CH2)qCH=CH2]2・・・式5
ただし、式4、式5における記号は、以下の意味を示す。
R1:炭素数1〜16のエーテル性酸素原子を有する1価含フッ素有機基。
R2:炭素数1〜16のエーテル性酸素原子を有する2価含フッ素有機基。
m、q:それぞれ独立に、1〜11の整数。
【0011】
化合物4または化合物5において、R1、R2は直鎖構造でもよく、分岐構造を有していてもよい。分岐構造を有する場合には、分岐部分が末端に存在するのが好ましく、該分岐部分は(CF3)2CF−が好ましい。
【0012】
化合物1の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
CF3OCF2CH2CH=CH2、C2F5OCF2CH2CH=CH2、C3F7OCF2CH2CH=CH2、C4F9OCF2CH2CH=CH2、C5F11OCF2CH2CH=CH2、C6F13OCF2CH2CH=CH2、C7F15OCF2CH2CH=CH2、C8F17OCF2CH2CH=CH2。
CF3O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2、CF3O(CF2)2OCF2CF2OCF2CH2CH=CH2、C2F5O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2、
C2F5O(CF2)2O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2、(CF3)2CFOCF2CH2CH=CH2、F[CF(CF3)CF2O]2CF2CH2CH=CH2、F[CF(CF3)CF2O]3CF2CH2CH=CH2。
CH2=CHCH2CF2O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2、CH2=CHCH2CF2[OCF2CF(CF3)]2O(CF2)6O[CF(CF3)CF2O]2CF2CH2CH=CH2、CH2=CHCH2CF2[OCF2CF(CF3)]2O(CF2)6O[CF(CF3)CF2O]2CF2CH2CH=CH2。
【0013】
化合物2において、Rとしては前記化合物1におけるのと同様の態様が好ましい。Mとしては、ナトリウムまたはカリウムが好ましい。pとしては、化合物1におけるのと同様に1または2が好ましく、特に1が好ましい。
【0014】
化合物2の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。以下の具体例においてMは金属原子を示す。
CF3OCF2COOM、C2F5OCF2COOM、C3F7OCF2COOM、C4F9OCF2COOM、C5F11OCF2COOM、C6F13OCF2COOM、C7F15OCF2COOM、C8F17OCF2COOM、CF3O(CF2)2OCF2COOM、CF3O(CF2)2O(CF2)2OCF2COOM、C2F5OCF2COOM、C2F5O(CF2)2OCF2COOM、C2F5O(CF2)2O(CF2)2OCF2COOM、(CF3)2CFOCF2COOM、F[CF(CF3)CF2O]2CF2COOM、F[CF(CF3)CF2O]3CF2COOM。
MOOCCF2O(CF2)2OCF2COOM、MOOCCF2[OCF2CF(CF3)]2O(CF2)6O[CF(CF3)CF2O]2CF2COOM。
【0015】
化合物2は、たとえば、以下の反応により得られる。
C2H5(OCH2CH2)2OHとFCOCFCF3OCF2CFCF3OCF2CF2CF3とを反応させて、C2H5(OCH2CH2)2OCOCFCF3OCF2CFCF3OCF2CF2CF3とし、これを直接フッ素化(Adv.Synth.Catal.2001,343,No.2)してC2F5(OCF2CF2)OCOCFCF3OCF2CFCF3OCF2CF2CF3とし、KFを用いてC2F5(OCF2CF2)OCF2COFとして、さらにNaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物と反応させる。
【0016】
化合物3において、Xは塩素原子または臭素原子が好ましい。nは前記化合物1におけるのと同様に、1〜6が好ましく、特に1〜3が好ましく、とりわけ1が好ましい。化合物3としては、ClCH2CH=CH2、BrCH2CH=CH2が好ましい。
【0017】
化合物2と化合物3との反応においては、溶媒を用いてもよい。該溶媒としては、エーテル、アミド化合物、ニトリル化合物等が好ましく、特にジエチルエーテル、グライム、ジオキサン、テトラヒドフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリル等が好ましく、とりわけ、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルが好ましい。
【0018】
溶媒の使用量は、化合物2と化合物3の合計量100質量部に対して、50〜1000質量部が好ましく、特に100〜500質量部が好ましい。
【0019】
該反応において、化合物3の使用量は、化合物2の1モルに対して1〜10倍が好ましく、特に1〜5倍が好ましい。
【0020】
また、該反応の温度は、Mの種類等により適宜選択され、100〜250℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。該反応の圧力は、特に制限はなく、反応により生じる圧力の範囲でのなりゆきの圧力が好ましい。
【0021】
【作用】
本発明において、化合物1を効率的に製造するためには、化合物2における[−OCF2COOM]の構造が重要である。すなわち、本発明においては、化合物2が、[−OCF2COOM]において脱炭酸して[−OCF2M]となり、該[−OCF2M]が化合物3と反応して[−OCF2(CH2)nCH=CH2]となると推定される。
【0022】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0023】
[例1]
内容積50mLのステンレス製の反応容器に、1,4−ジオキサンの15g、C2F5O(CF2)2OCF2COOKの5gおよびClCH2CH=CH2の3.0gを入れて密閉し、撹拌しながら180℃で4時間反応を行った。水を50mL入れて2層分離した後、有機層を蒸留して生成物であるC2F5O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2を2.3g得た。
【0024】
生成物についての測定結果を以下に示す。
IR(neat):1643,1341,1238,1199,1154,1095cm−l、
1H−NMR(CDCl3)δ:2.97〜2.76(m,2H,CH2CH=CH2),5.29〜5.42(m,2H,CH2CH=CH2),5.73〜5.92(m,1H,CH2CH=CH2)、
19F−NMR(CDCl3)δ:−80.4〜−80.7(m,2F,OCF2CH2),−86.4〜−86.5(m,3F,CF3),−87.9〜−88.4(m,6F,CF2OCF2CF2O)。
【0025】
[例2]
内容積50mLのステンレス製の反応容器に、1,4−ジオキサンの15g、KOCOCF2O(CF2)2OCF2COOKの5gおよびClCH2CH=CH2の5.8gを入れて密閉し、撹拌しながら180℃で4時間反応を行った。水を50mL入れて2層分離した後、有機層を蒸留して生成物であるCH2=CHCH2CF2O(CF2)2OCF2CH2CH=CH2を2.8g得た。
【0026】
生成物についての測定結果を以下に示す。
IR(neat):1643,1341,1238,1199,1154,1095cm−l、
1H−NMR(CDCl3)δ:2.97〜2.76(m,4H,CH2CH=CH2),5.29〜5.42(m,4H,CH2CH=CH2),5.73〜5.92(m,2H,CH2CH=CH2)、
19F−NMR(CDCl3)δ:−80.4〜−80.7(m,4F,OCF2CH2),−87.9〜−88.4(m,8F,OCF2CF2O)。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な含フッ素不飽和化合物を合成できる。該含フッ素不飽和化合物は、撥水撥油剤、界面活性剤、離型剤等の各種含フッ素機能性化合物の中間体として有用である。
【0028】
たとえば、HSi(CH3)4−zClz(zは1〜3の整数。)等のケイ素化合物と反応させてR[OCF2(CF2)n(CH2)3Si(CH3)4−zClz]p(R、nは前記と同様の意味を示す。)等のシランカップリング剤を合成できる。また、分子内にHSi(CH3)O−を有するシリコーンオイル等と反応させて含フッ素シリコーンオイルを合成できる。
【0029】
本発明の含フッ素不飽和化合物は、メタロセン触媒等を用いて重合反応を行うことができ、新規な含フッ素重合体を製造できる。
Claims (2)
- 下式1で表される含フッ素不飽和化合物。
R[OCF2(CH2)nCH=CH2]p・・・式1
ただし、式1における記号は、以下の意味を示す。
R:p価有機基。
n:1〜11の整数。
p:1〜4の整数。 - 下式2で表されるカルボン酸金属塩と下式3で表されるハロゲン化不飽和化合物とを反応させることを特徴とする前記式1で表される含フッ素不飽和化合物の製造方法。
R[OCF2COOM]p・・・式2
X(CH2)nCH=CH2・・・式3
ただし、式2、式3における記号は、以下の意味を示す。
R:p価有機基。
M:金属原子。
p:1〜4の整数。
X:ハロゲン原子。
n:1〜11の整数。
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JP2002164289A JP2004010521A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 含フッ素不飽和化合物およびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024018942A1 (ja) * | 2022-07-20 | 2024-01-25 | ダイキン工業株式会社 | オレフィン変性含フッ素化合物の製造方法、及び、該化合物を含む組成物 |
-
2002
- 2002-06-05 JP JP2002164289A patent/JP2004010521A/ja active Pending
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