JP2004006588A - 可変キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で容量、容量変化の割合及びQ値が大きく、容量の微調整が可能な耐衝撃性に優れた可変キャパシタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板(31)と、該基板に支持されたキャパシタの固定電極(38)及び可動電極(39)と、前記基板に支持され且つ前記可動電極を駆動する複数の圧電アクチュエータ(36−36)と、前記固定電極と前記可動電極との間に設けられた誘電体層(37)とを備える。キャパシタと圧電アクチュエータを同一基板で支持されるように形成したため、小型である。また、キャパシタの固定電極と可動電極との間に誘電体層が介在しているため、容量と、容量変化の割合とQ値のいずれもが大きく、容量の微調整が可能で耐衝撃性に優れている。
【選択図】     図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可変キャパシタに関し、特に、MEMS(MicroelectroMechanical System)技術を用いた可変キャパシタ及びその製造方法に関する。
【0002】
可変キャパシタは、可変周波数発振器(VFO)、同調増幅器、位相シフタ、インピーダンス整合回路などを含む電気回路において重要な部品で、近年、携帯機器への搭載が増えてきている。
【0003】
また、現在使用されている可変キャパシタの1種であるバラクタダイオードに比べて、MEMS技術により作成された可変キャパシタは、損失を小さく、Q値を高くできるため、開発が急がれている。以下、図を用いて従来の技術について説明する。
【0004】
【従来の技術】
まず、図1に、Jan Y.Park,et al.,”MICROMACHINED RF MEMS TUNABLE CAPACITORS USING PIEZOELECTRIC ACTUATORS”, IEEE International Microwave Symposium, 2001に報告されている可変キャパシタの構造断面図を示す。
【0005】
この可変キャパシタは、ユニモルフ型の圧電アクチュエータ12と可動電極13とからなる可動電極用基板11と、固定電極16を設置した固定電極用基板15とを、可動電極13及び固定電極16が対向するようにソルダーバンプ14で接合した構造である。圧電アクチュエータ12を駆動することで、可動電極13と固定電極16との距離を変化させ、容量をコントロールする。
【0006】
次に、図2にCharles L. Goldsmith,et al.,”RF MEMs Variable Capacitors for Tunable Filters”, Wiley RF and Microwave Computer Aided Design, pp362−374, 1999に報告されている可変キャパシタの断面図を示す。
【0007】
基板17上に絶縁層を介して、固定電極20、更に固定電極20上に誘電体層19を、また、基板17上にスペーサ18を介して、固定電極20及び誘電体層19に対向してメンブレン状の可動電極21が配置されている。可動電極21と固定電極20との間に直流電圧を印加することで発生する静電引力により、メンブレン状の可動電極21が誘電体層19と接触する。このような平行平板の間隔を小さくするように働く静電引力Fは
【0008】
【数1】
Figure 2004006588
で表される。ここで、Sは電極の面積、dは電極の間隔、εは真空中の誘電率、εは電極間の比誘電率、Vは印加電圧である。平行平板の間に誘電体層が存在する場合は、比誘電率と間隔dとの間には次のような関係式が成り立つ。
【0009】
【数2】
Figure 2004006588
εdielectric、εairは誘電体層、空気層の比誘電率で、ddielectric,dairは誘電体層、空気層の間隔である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図1に示す従来技術は次の問題点を有する。可動電極13と固定電極16との間隔をソルダーバンプ14で制御するため、間隔を小さくすることができず、圧電アクチュエータ12の初期状態の容量は小さくなる。また、静電容量を大きくするために、圧電アクチュエータ12の変形量を大きくして、可動電極13と固定電極16との間隔を小さくしようとすると圧電アクチュエータ12のバネ性が小さくなり、携帯機器などへの搭載時に、外部からの衝撃により可動電極13と固定電極16とが接触及びショートして破損してしまうという問題がある。このため、圧電アクチュエータ12の変位を利用しても可動電極13と固定電極16とを近接できず、容量を適切に調整することができない。
【0011】
また、図2(A)、(B)に示す従来技術は次の問題点を有する。前述したように、並行平板の間に誘電体層が存在する場合、誘電体層の存在により容量は大きくできるが、間隔dが変化すると比誘電率εも変化する。このため、静電引力で並行平板の間隔を制御することは難しく、結果として可動電極21と誘電体層19との状態は、離れた状態又は接触した状態の2種の状態しか取ることはできない。即ち、容量も2種の状態しかない可変キャパシタしか形成できない。また、容量の小さな可変キャパシタを複数並列接続して、目的の容量を確保することも行なわれているが、この場合、可変キャパシタ同士を接続するための配線の配線抵抗が大きくなり、Q値(回路の損失を表す数値。Q値が大きい程、損失が小さい)が小さくなってしまう。
【0012】
従って、本発明は上記従来技術の問題点を解決し、小型で容量、容量変化の割合及びQ値が大きく、容量の微調整が可能な耐衝撃性に優れた可変キャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載のように、基板と、該基板に支持されたキャパシタの固定電極及び可動電極と、前記基板に支持され且つ前記可動電極を駆動する圧電アクチュエータと、前記固定電極と前記可動電極との間に設けられた誘電体層とを備えることを特徴とする可変キャパシタである。キャパシタと圧電アクチュエータを同一基板で支持されるように形成したため、小型である。また、キャパシタの固定電極と可動電極との間に誘電体層が介在しているため、容量と、容量変化の割合とQ値のいずれもが大きく、容量の微調整が可能で耐衝撃性に優れている。
【0014】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項2に記載のように、前記誘電体層は前記固定電極と前記可動電極のいずれか一方に支持されている。誘電体層が固定電極に支持されている構成は後述する第1、第3及び第5実施形態として例示され、誘電体層が可動電極に支持されている構成は後述する第2及び第4実施形態として例示されている。
【0015】
請求項1又は2記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項3に記載のように、前記複数の圧電アクチュエータの各々は、一対の電極とこの間に設けられた圧電素子とを含み、前記基板上の空間内に位置している。圧電アクチュエータの一構成例を特定したもので、例えば後述する図6(j)に示されている。
【0016】
請求項3記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項4に記載のように、前記複数の圧電アクチュエータの一対の電極の一方と前記可動電極とは、一体構成されている。例えば、後述する下部駆動電極33−33と可動電極39とは一体構成されている(図4参照)。
【0017】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項5に記載のように、前記誘電体層は前記固定電極に取り付けられ、且つ空気層を介して前記可動電極と対向する。後述する第1、第3及び第5実施形態はこの構成を備える。
【0018】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項6に記載のように、前記誘電体層は前記可動電極に取り付けられ、かつ空気層を介して前記固定電極と対向する。後述する第2及び第4実施形態はこの構成を備える。
【0019】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項7に記載のように、前記固定電極は前記可動電極上をブリッジする部分を有し、該部分に取り付けられた前記誘電体層は空気層を介して前記可動電極と対向する。例えば、後述する第1実施形態(図3参照)の固定電極38は、可動電極39上をブリッジする部分を具備し、ここに誘電体層37が取り付けられている。
【0020】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項8に記載のように、前記固定電極は前記可動電極上をブリッジする部分を有し、前記誘電体層は前記可動電極上に設けられ且つ空気層を介して前記固定電極と対向する。例えば、後述する第2実施形態はこの構成を備える。
【0021】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項9に記載のように、前記固定電極は前記基板上に形成された絶縁層上に形成され、前記誘電体層は前記固定電極上に設けられ、前記可動電極は空気層を介して前記誘電体層と対向する。例えば、後述する第3実施形態はこの構成を備える(図15参照)。固定電極52は絶縁層32上に形成され、誘電体層57は固定電極52上に設けられている。
【0022】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項10に記載のように、前記固定電極は前記基板上に形成された絶縁層上に形成され、前記誘電体層は前記可動電極に取り付けられ、且つ空気層を介して前記固定電極と対向する。例えば、後述する第4実施形態はこの構成を備える(図19参照)。固定電極52は絶縁層32上に形成され、誘電体層57は可動電極59に取り付けられている。
【0023】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項11に記載のように、前記固定電極は、前記基板上に設けられた絶縁層を介して前記基板に支持されている。後述する第3から第5実施形態はこの構成を備える。
【0024】
請求項1から11のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項12に記載のように、前記圧電アクチュエータはユニモルフ型である。
【0025】
請求項1から11のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項13に記載のように、前記圧電アクチュエータはバイモルフ型である。
【0026】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項14に記載のように、前記固定電極及び前記可動電極はそれぞれ、外部接続用のパッドを有し、該パッドは前記基板上に設けられた絶縁層上に位置する。例えば、後述する図13、14並びに図21、22に示される実施の形態は、他の実施の形態に比べ比較的大きな外部接続用のパッドを有している。
【0027】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項15に記載のように、前記圧電アクチュエータは一対の電極とこの間に設けられた圧電素子とを含む変形部を複数個有し、前記一対の電極はそれぞれ外部接続用のパッドを有し、該パッドは前記基板上に設けられた絶縁層上に位置する。例えば、図4の参照番号33a−33dはこのパッドに相当する。図4の電極35−35も幅広部分のパッドを有する。なお、外部接続用のパッドとは、ここに外部との接続配線が接続されるもののみならず、例えば絶縁層上に形成された引き出し電極(線)が接続されるものも含む。
【0028】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項16に記載のように、前記複数の圧電アクチュエータの各々の一対の電極のうち、一方の電極は前記可動電極を介して共通に接続された電極である。この構成は例えば、図4の電極41に相当する。
【0029】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項17に記載のように、前記複数の圧電アクチュエータの各々の一対の電極のうち、一方の電極は個々に独立した電極である。この構成は例えば、図3の電極35−35に相当する。
【0030】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項18に記載のように、前記複数の圧電アクチュエータの各々の一対の電極のうち、一方の電極は複数の共通電極で構成されている。例えば、後述する第5実施形態は2つの共通電極を用いている(パッド74を持つ電極と、パット75を持つ電極)。
【0031】
請求項1に記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項19に記載のように、前記固定電極は前記可動電極上をブリッジするブリッジ部を有し、該ブリッジ部は前記可動電極と略同一形状であって、前記誘電体層を介して前記可動電極に対向する。この構成により、ブリッジ部の長さを短くすることができ、固定電極形成時に発生する残留応力や、洗浄時に発生する水の表面張力などの影響を排除することができ、静電容量のばらつきが小さく、歩留りの高い可変キャパシタを実現することができる。また、固定電極は圧電アクチュエータをまたがないように配置することが可能になり、寄生容量も発生しない。後述する第6から第9実施形態は請求項19記載の構成を備える。
【0032】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項20に記載のように、前記固定電極は前記可動電極上をブリッジするブリッジ部を有し、該ブリッジ部は前記可動電極と略同一形状であって、前記誘電体層を介して前記可動電極に対向し、更に前記固定電極は3つ以上の支持部を有し、該支持部が前記基板上に形成された絶縁層上に設けられる。3つ以上の支持部でブリッジ部を支持しているので、請求項19に記載の構成で得られる効果はより一層顕著になる。後述する第7及び第9実施形態はこの構成を備える。
【0033】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項21に記載のように、前記固定電極は前記可動電極上をブリッジするブリッジ部を有し、該ブリッジ部は前記可動電極と略同一形状であって、前記誘電体層を介して前記可動電極に対向し、更に前記固定電極に取り付けらた前記誘電体層も前記可動電極をブリッジするように形成されている。誘電体層も可動電極をブリッジするように基板上に形成されているため、請求項19に記載の構成で得られる効果はより一層顕著になる。後述する第8及び第9実施形態はこの構成を備える。
【0034】
請求項1から21のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項22に記載のように、前記固定電極は複数の層を有し、該複数の層は引っ張り応力が発生する層と圧縮応力が発生する層とを含む。これにより、固定電極に発生する残留応力を緩和することができる。
【0035】
請求項1から22のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項23に記載のように、前記誘電体層は酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、酸化チタン、ガラス、窒化シリコンからなる群から選択されたいずれかで形成されている。
【0036】
請求項1から22のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項24に記載のように、前記可動電極は、前記誘電体層と前記固定電極との間又は前記誘電体層と前記可動電極との間に空気層が介在する状態から、前記固定電極と前記誘電体層と前記可動電極とが接した状態までの可動範囲を有する。
【0037】
請求項1から24のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項25に記載のように、前記誘電体層は前記固定電極に取り付けられ、前記誘電体層と前記固定電極はこれらを貫通する複数のホールを有する。例えば、後述する図10(j)のホール46がこれに相当する。
【0038】
請求項1から24のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項26に記載のように、前記誘電体層は前記固定電極に取り付けられ、前記可動電極はこれを貫通する複数のホールを有することを特徴とする。例えば、後述する図18(i)のホール61がこれに相当する。
【0039】
請求項1から26のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項27に記載のように、前記可変キャパシタは4つの圧電アクチュエータを備える。
【0040】
請求項1から27のいずれか一項記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項28に記載のように、前記基板は開口を有し、該開口の上に前記固定電極、前記可動電極、前記誘電体層及び前記圧電アクチュエータが設けられている。この開口とは例えば、後述する開口40である。
【0041】
請求項1記載の可変キャパシタにおいて、例えば請求項29に記載のように、前記基板は開口を有し、該開口を跨ぐように絶縁層が設けられている。例えば、第3から第5実施形態はこの構成を備える。
【0042】
また上記本発明の課題は、請求項30に記載のように、基板に支持されるキャパシタの固定電極及び可動電極を形成する工程と、前記基板に支持され且つ前記可動電極を駆動する圧電アクチュエータを形成する工程と、前記固定電極と前記可動電極との間に設けられた誘電体層を形成する工程と、前記固定電極と固定電極のいずれか一方と誘電体層との間に間隙を形成するための犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を除去する工程と、を含むことを特徴とする可変キャパシタの製造方法により達成できる。犠牲層を用いることで、前記固定電極と固定電極のいずれか一方と誘電体層との間に間隙を形成することができる。
【0043】
請求項30記載の可変キャパシタの製造方法において、例えば請求項31に記載のように、前記犠牲層を除去する工程の前に、前記犠牲層上に形成された層にエッチングホールを形成する工程を含む。
【0044】
請求項30記載の可変キャパシタの製造方法において、例えば請求項32に記載のように、前記犠牲層を形成する工程は、前記犠牲層を前記可動電極上に形成する。
【0045】
請求項30記載の可変キャパシタの製造方法において、例えば請求項33に記載のように、前記犠牲層を形成する工程は、前記犠牲層を前記誘電体層上に形成する。
【0046】
請求項30記載の可変キャパシタの製造方法において、例えば請求項34に記載のように、前記犠牲層を除去する工程の前に、前記犠牲層上に形成された前記誘電体層及び前記固定電極にエッチングホールを形成する工程を含む。
【0047】
請求項30記載の可変キャパシタの製造方法において、例えば請求項35に記載のように、前記犠牲層を除去する工程の前に、前記犠牲層上に形成された前記可動電極にエッチングホールを形成する工程を含む。
【0048】
また、請求項30から35記載の可変キャパシタの製造方法において、例えば請求項36に記載のように、前記製造方法は更に、前記基板をエッチングして少なくとも前記可動電極と圧電アクチュエータに対向する位置に開口を形成する工程を含む。
【0049】
請求項36記載の可変キャパシタの製造方法において、例えば請求項37に記載のように、前記基板はシリコンで形成され、前記基板をエッチングする工程はエッチングガスとして六フッ化硫黄(SF6)を用い、前記開口を形成するためのマスクとしてレジストを用いたディープ・リアクティブ・イオン・エッチング(DRIE)による。
【0050】
請求項30から35記載の可変キャパシタの製造方法において、例えば請求項38に記載のように、前記基板は(100)面又は(110)面を有するシリコン基板であって、前記基板を異方性エッチングして少なくとも前記可動電極と圧電アクチュエータに対向する位置に開口を形成する工程を含む。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0052】
(第1実施形態)
図3は、本発明の第1実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。基板31上に絶縁層32が設けられている。基板31はシリコンや化合物半導体なで形成され、中央部に開口40を有する。開口40は、絶縁層32にも繋がっている。キャパシタは固定電極38、可動電極39及び固定電極38に支持された誘電体層37とを含んで構成される。可動電極39は、4つの圧電アクチュエータで駆動される。なお、図3では便宜上、1つの圧電アクチュエータ36のみに参照番号を付してある。圧電アクチュエータ36は、下部駆動電極33、圧電素子34及び上部駆動電極36を含む。他の圧電アクチュエータも同様である。なお、本明細書では圧電アクチュエータ36−36をまとめて圧電アクチュエータと称する場合があり、この場合には個々の圧電アクチュエータ36−36を変形部と称する場合がある。
【0053】
図4に示すように、4つの圧電アクチュエータの下部駆動電極33、33、33及び33と可動電極39とは1つの共通電極41で形成されている。換言すれば、下部駆動電極33、33、33及び33と可動電極39とは一体的に形成されている。可動電極39を介して共通に接続された下部駆動電極33、33、33及び33のそれぞれの先端部には、パッド33a、33b、33c及び33dが形成されている。これらのパッド33a−33dは、基板31上の絶縁層32上に位置している。なお、外部接続用のパッドとは、ここに外部との接続配線が接続されるもののみならず、例えば絶縁層上に形成された引き出し電極(線)が接続されるものも含む。下部駆動電極33、33、33及び33及び可動電極39は、基板31に形成された開口40上に位置している。なお、後述する製造方法の説明で明らかにされているように、共通電極41の裏側には絶縁層が形成されている。
【0054】
下部駆動電極33、33、33及び33上には、矩形の圧電素子34、34、34及び34がそれぞれ設けられている。圧電素子34、34、34及び34は例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系の圧電材料で、駆動電界と直交する方向に伸縮する特性を持っている。矩形の圧電素子34、34、34及び34上には、個々に独立した略矩形の上部駆動電極35、35、35及び35が設けられている。後述するように、上部駆動電極35、35、35及び35と下部駆動電極33、33、33及び33との間に電圧を印加すると圧電素子34、34、34及び34が変位し、可動電極39が基板31の垂直方向に変位する。
【0055】
固定電極38は参照番号38aと38bの2ヶ所で屈曲しており、可動電極39を跨ぐように配置されている。固定電極38の両側は絶縁層32上に位置する。固定電極38の中央部内側面には、誘電体層37が設けられている。誘電体層37は、上部駆動電極35、35、35及び35が囲んで形成する空間よりも小さいサイズである。固定電極38はまっすぐな板状のものを用いてもよい。この場合には、スペーサを基板31の長手方向に2ヶ所、可動電極39を挟むように絶縁層32上に設け、このスペーサ上に固定電極を設置する。
【0056】
図6(j)は、図3のVI−VI線断面図である。なお、図5と図6は図3に示す可変キャパシタの製造方法を説明する図である。製造方法は後述する。図6(j)には、上記圧電アクチュエータ36と、下部駆動電極33、圧電素子34、上部駆動電極35で構成される圧電アクチュエータ36とが図示されている。圧電アクチュエータ36と36及び可動電極39は、基板31に形成された開口40上の空間に自立している。他の圧電アクチュエータ36と36も同様である。固定基板38に支持された誘電体層37は、4つの圧電アクチュエータ36−36で囲まれた空間内に位置し、間隙42を介して可動電極39と対向している。圧電アクチュエータ36−36を駆動することにより、可動電極39は図6(j)に示す状態から誘電体層37に接触する位置まで変位することができる。これにより、固定電極38と可動電極39との距離が変化し、容量が変化する。固定電極38と可動電極39との間に誘電体層37が介在するため、誘電率も変化し、固定電極38と可動電極39との間の容量の変化は極めて大きい。
【0057】
図7は、圧電アクチュエータ36の動作を説明するための図である。圧電アクチュエータ36は、下部駆動電極33と圧電素子34と上部駆動電極35とからなるユニモルフである。圧電素子34は、図示する矢印方向に分極されている。下部駆動電極33と上部駆動電極35との間に直流電圧Vを印加すると、片持ち梁である圧電素子34の固定電極38側が圧電定数d31方向に縮み、反対側が延びる。従って、圧電アクチュエータ36は図示するように変形する。直流電圧Vを印加する側が図4のパッド33a側の場合、圧電アクチュエータ36の反対側(可動電極39と連結している側)が持ち上がり、下部駆動電極33と一体構成の可動電極39は誘電体層37方向に変位する。他の圧電アクチュエータ36−36も同様に、可動電極39を持ち上げる。これにより、可動電極39は誘電体層37に近づく。このようにして、間隙を調整することで容量を制御できる。なお、可動電極39と誘電体層37が接触するまで、圧電アクチュエータ36−36を変形させても、これらの駆動上部電極35−35と固定電極38は接触しない。
【0058】
図7に示す構成が上記の通り動作するためには、次の条件のいずれかを満足する必要がある。下部駆動電極33と上部駆動電極35とを異なる材料で形成する(下部駆動電極33をヤング率の相対的に高い材料で形成する)。例えば、下部駆動電極33を白金を含む金属で形成し、上部駆動電極35を酸化ルテニウム(RuO)で形成する。また、下部駆動電極33と上部駆動電極35とが同じ材料の場合には、異なる厚みをもつように形成する(下部駆動電極33の方を厚く形成する)。例えば、下部駆動電極33の方を2〜5倍厚くする。更に、上記手段とは別の手段として、駆動電極とは別の層を下部駆動電極33又は上部駆動電極35に形成する(下部駆動電極33側に形成)。なお、上記手段を併用してもよい。後述するように、第1実施形態では絶縁層32上に下部駆動電極33が形成された構成を採用するとともに、下部駆動電極33を白金/タンタル(Pt/Ta)又は白金/チタン(Pt/Ti)の積層体で形成し、上部駆動電極3を酸化ルテニウムで形成している。
【0059】
なお、圧電アクチュエータ36−36はユニモルフに限定されるものではなく、図8(A)に示すパラレル接続型のバイモルフや、図8(B)に示すシリーズ接続型のバイモルフであってもよい。図8(A)、(B)において、中間電極43の上下に図示する矢印方向に分極された圧電素子341aと341bが設けられている。圧電素子341aには下部駆動電極33が設けられ、圧電素子341bには上部駆動電極35が設けられている。図示するように直流電圧Vを印加すると、バイモルフは変形する。
【0060】
図9は、本発明の効果を説明するための図である。図9(A)に示すように、誘電体層37の厚みをddielectricとし、誘電体層37と可動電極39との間に形成された空気層の厚みをdairとする。この場合、固定電極38と可動電極39との間の距離dはd=ddielectric+dairとなる。図9(B)は、可動電極39を駆動して空気層の厚みdairを変化させたときの容量C〔F〕の変化を示す図である。可動電極39と固定電極38は正方形であって、その面積を230μm×230μmとした。また、距離dをd=0.75μmとし、空気層の厚みdairをdair=0.3μmとし、dair/d=0.4とした。誘電体層37は誘電損失の小さな材料であるアルミナAl(ε=10)を用いた。図9(A)に示す可動電極39は、図4(B)に示す寸法の共通電極41で形成されたものを用いた。圧電アクチュエータ36−36は次の構成とした。上部駆動電極35−35を白金で形成し、厚みを0.5μmとした。圧電素子34−34をPZTで形成し、厚みを1.0μmとした。下部駆動電極33−33を白金で形成し、厚みを0.5μmとした。絶縁層32をSiとし、厚みを2.0μmとした。
【0061】
また、比較例として誘電体層37を取り除いた場合の容量Cの変化も測定した。図9(B)に示すように、誘電体層37を設けた可変キャパシタは初期状態(可動電極39が変位していない状態)で約1.36pF、可動電極39が誘電体層37に接した状態で約10.4pFの容量を持ち、その比は約7.6倍、増加分ΔCは約660%である。これに対し、比較例の容量変化はほとんどないことが分かる。このように、本発明の第1実施形態による可変キャパシタは、極めて大きな容量を持ち、しかも容量の可変範囲は極めて大きい。また、圧電アクチュエータ36−36の伸び縮みで可動電極39を制御するため、空気層dairの厚みを連続的に変化させることができ、容量の微調整が可能である。
【0062】
また、固定電極38、可動電極39、誘電体層37及び圧電アクチュエータ36−36が同一基板31上に形成されているため、小型で低コストである。更に、誘電体層37は固定電極38に支持されているため、可動部の質量は可動電極39の質量のみとなり、耐衝撃性に優れているという効果も奏する。加えて、誘電体層37の存在により可動電極39が固定電極38に接触してショートする危険性はなく、ショートによる可変キャパシタの破損は起きない。
【0063】
次に、図5及び図6を参照して、上記可変キャパシタの製造方法を説明する。なお、以下では圧電アクチュエータ36に着目して説明するが、他の圧電アクチュエータも同時に形成される。また、図5及び図6は図2のVI−VI線断面図である。
【0064】
まず、図5(a)に示すよう、シリコンを材料とする基板31上に、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、低応力の窒化シリコンからなる絶縁層32を形成する。
【0065】
次に、図5(b)に示すように、絶縁層32上にフォトリソグラフィー技術により、Pt/Ti(白金/チタン)の可動電極39及び下部駆動電極33を所定形状に同時形成する。Pt/Tiの厚みは例えば4500Å/500Åである。パターニングはCl(塩素/酸素)系ガスを使用したRIEで行う。勿論、同時に他の下部駆動電極33、33、33も形成される。
【0066】
そして、図5(c)に示すように、スパッタリング法、ゾルゲル法、MOCVD(Metalorganic CVD)法又はレーザーアブレーション法などにより、下部駆動電極33上に、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ビスマスなどを材料とする所定の形状の圧電素子34を形成する。パターニングはCl(塩素/酸素)系ガスを使用したRIEで行う。
【0067】
その後、図5(d)に示すように、酸化ルテニウム又は白金の上部駆動電極35を所定形状に形成した後、650から750℃の温度で熱処理を行い、図5(e)に示すように絶縁層32を所定のパターンにエッチングすることで、絶縁層32上に形成された下部駆動電極33、圧電素子34及び上部駆動電極35からなるユニモルフ型の圧電アクチュエータ36を形成する。なお、圧電アクチュエータ36は、絶縁層32、下部駆動電極33、圧電素子34及び上部駆動電極35からなると定義してもよい。なお、上記熱処理は圧電素子34を形成した後であって、上部駆動電極35を形成する前に行うことでもよい。
【0068】
そして、図6(f)、図6(g)、図6(h)に示すようにレジスト材料からなる犠牲層44、誘電体層37、固定電極38を順番に形成し、図6(i)に示すように、犠牲層44を除去し、誘電体層37と可動電極39との間に間隙42を確保する。誘電体層37の材料としては、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、酸化チタン、ガラス、窒化シリコンなどが好ましい。また、レジスト材料としてはポリイミド系のレジスト(除去はレジスト剥離液)、酸化マグネシウム(MgO)のなどの金属酸化物(除去は酢酸水溶液)、PSG(Phosphosilicate Glass)などの金属酸化物(除去はフッ酸系溶液)などがある。また、犠牲層44の厚みは例えば0.3μmである。
【0069】
最後に、図6(j)に示すように、圧電アクチュエータ36及び可動電極39下部の絶縁層32周辺の基板31を基板31側からRIE(Reactive Ion Etching)装置によりエッチングして開口40を形成することで、可動電極39及びその下部の絶縁層32が、圧電アクチュエータ36を介して基板31に支持された構造の可変キャパシタを得る。基板31がシリコンの場合、上記エッチングはディープRIEで行うことができる。この場合のエッチングガスはSF6(六フッ化硫黄)を用い、開口40を形成するためのマスクはレジストである。この場合、シリコン基板31の(100)面又は(110)面上に圧電アクチュエータなどを形成し、そのエッチングを異方性エッチングにより行う。エッチャントは例えばKOH(水酸化カリウム)であり、マスク材料はSiO、Si、Cr、Auなどで形成される。
【0070】
上記製造方法では、図5(d)で行われる圧電アクチュエータのための熱処理後に、犠牲層44や固定電極38を形成するため、犠牲層44や固定電極38の材料は、熱処理条件にとらわれずに選択できる。また、上記説明では可動電極39と圧電アクチュエータの上部駆動電極35−35とを同時に形成した例を用いて説明したが、上部駆動電極35−35のみを形成後、熱処理を行い、その後、CuやAlなどを材料とする可動電極39を形成しても良い。圧電アクチュエータのための熱処理後に可動電極39を形成するので、配線抵抗をより低くできる。
【0071】
図10は、上記製造方法の変形例である。変形例による製造方法は、犠牲層44をより効果的に除去することを特徴とする。図10(f)−図10(j)は図6(f)−図6(j)に置き換わる工程を示している。図10(f)の段階は、図5(a)−図5(e)に示す工程の次に行われる。図10(f)に示すように、可動電極39上に、レジスト材料からなる犠牲層44を形成する。
【0072】
次に、図10(g)に示すように、誘電体層37を形成した後、複数のエッチングホール45を誘電体層37に形成する。エッチングホール45の形成は例えば、誘電体層37にマスクを形成し、誘電体層37をエッチングする。例えば、エッチングホール45はマトリクス状に配列されている。各エッチングホール45は同一の大きさであってもよく、一部異なる大きさであってもよい。図10(g)に示す例では、中央部分のエッチングホール45cが周辺部分のエッチングホール45よりも大きな径を持っている。これは、中央部分の犠牲層44は主としてエッチングホール45を介して除去されるため、エッチングホール45cの開口を比較的大きくして、この部分の除去を効率的に行えるようにするためである。
【0073】
次に、図10(h)に示すように、固定電極38を形成した後、図10(g)で用いたマスクと同じパターンのマスクを用いて、固定電極38にエッチングホール45に連続するエッチングホール46を形成する。そして、図10(i)に示すように、犠牲層44を除去する。このとき、犠牲層44は矢印で示すように、側部のみならずエッチングホールを介して除去されるので、図6(i)の場合よりもより効率的にかつ効果的に犠牲層44を除去できる。
【0074】
最後に、図10(j)に示すように、圧電アクチュエータ36及び可動電極39下部の絶縁層32周辺の基板31を、RIE装置により基板31側からエッチングすることで、可動電極39及びその下部の絶縁層32が、圧電アクチュエータ36−36(より特定すれば、下部可動電極33−33)を介して基板31に支持された構造であって、固定電極38と誘電体層37を貫通するマトリクス状に配列されたホールを有する可変キャパシタが得られる。可動電極39は圧電アクチュエータ36−36を介して基板31に支持されているともいえる。
【0075】
(第2実施形態)
図11は、本発明の第2実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。また、図12は、図11のXII−XII線断面図である。
【0076】
本実施形態は、誘電体層37を可動電極39上に形成したことを特徴とする。この点以外は、上記本発明の第1実施形態と同様である。可動電極39上に誘電体層37を設けたため、第1実施形態に比べて耐衝撃性が若干劣るが、他の効果は同様である。第2実施形態の製造方法は、前述した図6(f)と(g)の処理を逆にすればよい。つまり、図6(f)で犠牲層44を形成する代わりに誘電体層37を形成し、図6(g)で誘電体層37を形成する代わりに犠牲層44を形成する。その他の製造工程は第1実施形態の製造工程と同様である。また、図10を参照して説明したエッチングホールを用いることもできる。図10(f)で犠牲層44を形成する代わりに誘電体層37を形成する。図10(g)で誘電体層37を形成する代わりに犠牲層44を形成する。図10(h)で固定電極38を形成してエッチングホール46を形成する。その他の製造工程は、第1実施形態の製造工程と同様である。
【0077】
図13は第2実施形態の変形例の斜視図、図14は平面図である。図中、前述した構成要素と同一のものには同一の参照番号を付してある。
【0078】
前述した第2実施形態では個別の上部駆動電極35−35を用いているのに対し、本実施例では共通電極48を用いている。この共通電極48は、圧電素子34−34上に形成されるアーム部と、各アーム部を連結する部分とを有する。また、共通電極48は一体形成された外部接続用のパッド49に接続されている。パッド49は、基板31上の絶縁層32上に形成されている。固定電極38をはさんでパッド49と反対側の位置には、パッド50が設けられている。パッド50も絶縁層32上に形成されている。パッド50は、可動電極39及び圧電アクチュエータ36−36の下部駆動電極33−33に接続されている。更に、固定電極38の長手方向両側には、固定電極38を外部に接続するためのパッド47が形成されている。上記構成の変形例は第2実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0079】
なお、共通電極48を第1実施形態に適用してもよい。また、パッド47、49、50を第1実施形態で用いることもできる。このような面積の大きなパッドを用いることで、外部接続をより容易に形成することができる。
【0080】
(第3実施形態)
図15は、本発明の第3実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。本実施形態は固定電極を基板側に設けたことを特徴の一つとする。なお、以下の説明では、図15とともに図17(i)を参照する。図17(i)は、図15のXVII−XVII線断面図である。なお、図17は図16とともに、本実施形態による可変キャパシタの製造方法を示す工程断面図である。
【0081】
基板31上に絶縁層32が設けられている。基板31は開口40を有し、これを跨ぐように絶縁層32が形成されている。換言すれば、絶縁層32はダイアフラム状に配置されている。この点、第1実施形態の絶縁層32とは異なる。キャパシタは固定電極52、可動電極59、及び固定電極52に支持された誘電体層57とを含む。可動電極59は、4つの圧電アクチュエータで駆動される。図17(i)には、4つの圧電アクチュエータのうち、2つの圧電アクチュエータ56と56が図示されている。なお、残りの圧電アクチュエータを56と56とする。圧電アクチュエータ56は、下部駆動電極53、圧電素子54及び上部駆動電極56を含むユニモルフ型である。同様に、図17(i)に示すように、圧電アクチュエータ56は、下部駆動電極53、圧電素子54及び上部駆動電極56を含む。下部駆動電極53は絶縁層32を介して、基板31に形成された開口40の上部に位置している。他の圧電アクチュエータ56、56及び56も同様である。
【0082】
絶縁層32上に固定電極52が設けられている。固定電極52は平坦であって、前述した固定電極38とは異なる。固定電極52上には、誘電体層57が設けられている。空気層を介して、誘電体層57と対向するように、可動電極59が設けられている。可動電極59は共通電極58の一部である。共通電極58は、上部駆動電極55、55、55及び55を含み、これらの電極は可動電極59に連通している。上部駆動電極55、55、55及び55に対向する位置に、個別の下部駆動電極53、53、53及び53が設けられている。下部駆動電極53、53、53及び53と上部駆動電極55、55、55及び55との間にはそれぞれ、圧電素子54、54、54及び54が設けられている。下部駆動電極53、53、53及び53は幅広のパッド部分が絶縁層32上に形成されている。
【0083】
本発明の第3実施形態は、前述した本発明の第1実施形態と同様に動作する。下部駆動電極53−53と上部駆動電極55−55との間に電圧をかけることで、印加する電圧の大きさに応じて圧電素子54−54はd31方向に縮む。これにともない可動電極59は固定電極52の方に移動し、可動電極59と固定電極52との間の距離が変化する。このとき、誘電体層57間が介在するため誘電率も変化し、可動電極59と固定電極52との間の静電容量は大きく変化する。
【0084】
本発明の第3実施形態による可変キャパシタは、極めて大きな容量を持ち、しかも容量の可変範囲は極めて大きい。また、圧電アクチュエータ56−56の伸び縮みで可動電極59を制御するため、前述した空気層dairの厚みを連続的に変化させることができ、容量の微調整が可能である。特に、可動電極59が誘電体層57に近づくにつれて容量の変化が大きくなり、この付近でのQ値は特に大きい。
【0085】
また、固定電極52、可動電極59、誘電体層57及び圧電アクチュエータ56−56が同一基板31上に形成されているため、小型で低コストである。更に、誘電体層57は固定電極52に支持されているため、可動部の質量は可動電極59の質量のみとなり、耐衝撃性に優れているという効果も奏する。加えて、誘電体層57の存在により可動電極59が固定電極52に接触してショートする危険性はなく、ショートによる可変キャパシタの破損は起きない。
【0086】
次に、図16及び図17を参照して、上記第3実施形態による可変キャパシタの製造方法を説明する。なお、以下では圧電アクチュエータ56に着目して説明するが、他の圧電アクチュエータも同時に形成される。また、図16及び図17は図15のXVII−XVII線断面図である。
【0087】
まず、図16(a)に示すよう、シリコンを材料とする基板31上に、窒化シリコン又は酸化シリコンの絶縁層32を形成する。次に、図16(b)及び図16(c)に示すように、絶縁層32上にフォトリソグラフィー技術により、所定の形状の固定電極52及び誘電体層57を形成する。
【0088】
そして、図16(d)に示すように、レジスト材料からなる犠牲層60を全面に形成後、図16(e)、図17(f)、図17(g)に示すように、下部駆動電極53、圧電素子54、上部駆動電極55からなるユニモルフ型の圧電アクチュエータ56を形成する。勿論、他の圧電アクチュエータ56、56及び56も同時に形成される。更に、可動電極59もこのときに形成される。
【0089】
そして、図17(h)に示すように、犠牲層60を除去し、誘電体層57と可動電極59との間に空間を確保し、圧電素子54−54の熱処理を行う。
【0090】
最後に、図17(i)に示すように、圧電アクチュエータ56−56及び可動電極59下部の絶縁層32周辺の基板31を、基板31側からRIE装置によりエッチングすることで、固定電極52及びその下部の絶縁層32を、ダイアフラム状にすることで目的の可変キャパシタを得る。
【0091】
第1の実施の形態と同様に、図示はしないが、可動電極59と誘電体層57が接触するまで、圧電アクチュエータ56−56を変形させても、これらの上部駆動電極55−55と固定電極52は接触しないように構成されている。
【0092】
図18は、上記製造方法の変形例である。変形例による製造方法は、犠牲層60をより効果的に除去することを特徴とする。図18(f)−図18(i)は図17(f)−図17(i)に置き換わる工程を示している。図18(f)の段階は、図17(a)−図17(e)に示す工程の次に行われる。図18(f)に示すように、犠牲層60上に下部駆動電極53と圧電素子54を形成する。次に、18(g)に示すように、上部駆動電極55と可動電極59を形成し、可動電極59に例えばマトリクス状に配置されたエッチングホール61を形成する。
【0093】
そして、図18(h)に示すように、犠牲層60を除去し、誘電体層57と可動電極59との間に空間を確保し、圧電素子54−54の熱処理を行う。犠牲層60の除去は、側部のみならずエッチングホール61を介しても行われるので、犠牲層60を効率的及び効果的に除去することができる。最後に、図18(i)に示すように、圧電アクチュエータ56−56及び可動電極59下部の絶縁層32周辺の基板31を、基板31側からRIE装置によりエッチングすることで、固定電極52及びその下部の絶縁層32を、ダイアフラム状にすることで目的の可変キャパシタを得る。
【0094】
(第4実施形態)
図19は、本発明の第4実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。また、図20は、図19のXX−XX線断面図である。
【0095】
本実施形態は、誘電体層57を可動電極59の内側面上に形成したことを特徴とする。この点以外は、上記本発明の第3実施形態と同様である。可動電極59上に誘電体層57を設けたため、第3実施形態に比べて耐衝撃性が若干劣るが、他の効果は同様である。第4実施形態の製造方法は、犠牲層60を先に形成し、次に誘電体層を形成するように図16及び図17の工程を変更すればよい。
【0096】
(第5実施形態)
図21は本発明の第5実施形態による可変キャパシタの分解斜視図、図22は図21に示す可変キャパシタの平面図である。図21及び図22中、前述した構成要素と同一のものには同一の参照番号を付してある。
【0097】
本実施形態は、固定電極52が基板側に位置しているタイプである。共通電極70は、可動電極59、上部駆動電極55−55及び外部接続用のパッド72、73を有する。パッド72、73は可動電極59に対して点対称(又は可動電極59の対角線上)に配置されている。4つの圧電アクチュエータの下部駆動電極はパッド74を有する共通電極と、パッド75を有する共通電極で形成されている。パッド74を有する共通電極は2つの下部駆動電極を有する。このうち一方は基板31の長手方向にまっすぐのび、途中で折り返した形状であり、他方はL字型に屈曲して基板31の短手方向にまっすぐ延びている。同様に、パッド75を有する共通電極は2つの下部駆動電極を有する。このうち一方は基板31の長手方向にまっすぐのび、途中で折り返した形状であり、他方はL字型に屈曲して基板31の短手方向にまっすぐ延びている。パッド74と75は、可動電極59の他方の対角線上に配置されている。誘電体層57は固定電極52上に設けられている。
【0098】
図21及び図22に示す可変キャパシタは、図15に示す可変キャパシタにくらべパッドが幅広なので、外部との接続をより容易に行えるという付加的効果を奏する。なお、図21及び図22の製造方法は図16、図17及び図18を変形すればよいことは当業者にとって自明であるので、ここでの説明は省略する。
【0099】
(第6実施形態)
図23は本発明の第6実施形態による可変キャパシタの分解斜視図、図24はこの可変キャパシタの平面図、及び図25は図23に示す可変キャパシタの一部を拡大した斜視図である。
【0100】
本実施形態の可変キャパシタは、基板131、4つの圧電アクチュエータ136〜136、可動電極139、誘電体層137及び固定電極138を有する。固定電極は可動電極139をブリッジする部分(以下ブリッジ部という)138aを有し、このブリッジ部138aは可動電極139と略同一形状であって、誘電体層137を介して可動電極139に対向するように設けられている。換言すれば、固定電極138のブリッジ部138aは可動電極139にのみ対向する。固定電極138の支持部138bは圧電アクチュエータ136〜136が延在する方向に対して斜めの方向に配置され、可動電極139の対応する一辺にそって設けられている。ブリッジ部138aはパッド部138c(ブリッジ部138aの支持部でもある)に対し斜めに設けられている。可動部138aは、圧電アクチュエータ136〜136のいずれもまたいでいない。
【0101】
上記構成の固定電極138を用いることで、以下の問題点を排除することができる。ブリッジ部が長く、可動電極以外の部分もブリッジするように形成されていると、固定電極形成時に発生する残留応力や、洗浄後の乾燥時の表面張力(水や溶液)などの影響を受け易い。このため、ブリッジ部は可動電極側やその反対に変形し、可動電極と固定電極との間隔を一定に保つことができなくなり、形成する静電容量の値にばらつきが多くなり、歩留りが低くなる可能性がある。特に、固定電極に残留応力として引っ張り応力が残る場合や、水の表面張力により固定電極が可動電極側に変形すると、圧電アクチュエータを形成する上部駆動電極と固定電極との間隔が小さくなり、接触してしまうことで、圧電アクチュエータ、可動電極あるいは固定電極が破損に至ることも考えられる。更には、固定電極が圧電アクチュエータ上をまたいでいると、固定電極と圧電アクチュエータの電極との間に寄生容量が発生する。
【0102】
これに対し、上記固定電極138は可動電極をまたぐブリッジ部138aの長さが短いので、ブリッジ部138aは高い強度を有する。このため、固定電極形成時に発生する残留応力や、洗浄時に発生する水の表面張力などの影響を排除することで、静電容量のばらつきが小さく、歩留りの高い可変キャパシタを実現することができる。更に、固定電極138は圧電アクチュエータ136〜136をまたがないので、寄生容量も発生しない。
【0103】
なお、第6実施形態のその他の各部は次の通り構成されている。誘電体層137はブリッジ部138aに取り付けられている。可動電極139の裏面には、基板131に形成された開口140が設けられている(図25)。圧電アクチュエータ136は、下部駆動電極133、圧電素子134、及び上部駆動電極135で形成されている。同様に、その他の圧電アクチュエータ136、136、136もそれぞれ、下部駆動電極133、133、133、圧電素子134、134、134、及び上部駆動電極135、135、135で形成されている。可動電極139と下部駆動電極133〜133とは一体に形成された共通電極である。共通電極は、基板131上の絶縁層132上に形成された外部接続用のパッド139aと139bを有する。上部駆動電極135〜135も一体に形成され、外部接続用のパッド148aを有する。
【0104】
図26は、図23〜図25に示す可変キャパシタの製造方法を説明する断面図であって、可変キャパシタの短手方向に平行に可変キャパシタを分割した場合の断面を示す。図26の(e)〜(j)は、前述した図5の(a)〜(d)に続くものである。なお、図26(e)〜(j)では、図を簡潔にするために、圧電アクチュエータの図示を省略してある。また、プロセス条件や材料など前述した製造方法で説明した事項は以下の説明では省略する。
【0105】
図26(e)では、可動電極139を絶縁層132上に形成する。絶縁層132は、パターニングで形成された溝143を有する。可動電極139は、この溝143で囲まれた絶縁層132上に形成される。
【0106】
次に、図26(f)に示すように、犠牲層144を可動電極139上に形成する。このとき、犠牲層144は溝143内にも形成される。
【0107】
次に、図26(g)に示すように、犠牲層144上に誘電体層137を形成する。
【0108】
次に、図26(h)に示すように、誘電体層137及び絶縁層132上に固定電極138を形成する。
【0109】
次に、図26(i)に示すように、基板131をエッチングして可動電極139の下に開口140を形成する。
【0110】
最後に、図26(j)に示すように、犠牲層144を取り除く。
【0111】
なお、図26(g)と(h)の工程において、図10(g)と(h)で説明した複数のエッチングホールと同様のエッチングホールを形成することが好ましい。エッチングホールを形成することで、図26(j)の工程において、犠牲層144をより効果的かつ効率的に除去することができる。
【0112】
(第7実施形態)
図27は本発明の第7実施形態による可変キャパシタの分解斜視図、図28はこの可変キャパシタの平面図、及び図29は図27に示す可変キャパシタの一部を拡大した斜視図である。図中、図23〜図25に示す構成要素と同一のものには同一の参照番号を付してある。
【0113】
本実施形態の可変キャパシタは、基板131、4つの圧電アクチュエータ136〜136、可動電極139、誘電体層137及び固定電極238を有する。固定電極238の構成が、前述した第6実施形態とは異なる。固定電極238はブリッジ部238a、支持部238b及びパッド部238c(ブリッジ部238aの支持部でもある)に加え、支持部238dと238eとを有する。ブリッジ部238aは、支持部238b、238c、238d及び238eの4箇所で、基板131上の絶縁層132上に支持されている。これらの支持部238b〜238eは、可動電極139の4つの辺に沿って配置されている。このように、固定電極238は、図23〜25に示す固定電極138に支持部238dと238eを設けた構成である。ブリッジ部238aは4箇所で支持されているので、より高い強度を得ることができる。なお、ブリッジ部238aの支持は4ヶ所に限定されるものではなく、3ヶ所や5ヶ所以上であってもよい。
【0114】
(第8実施形態)
図30は本発明の第8実施形態による可変キャパシタの分解斜視図、図31はこの可変キャパシタの一部を拡大した斜視図である。図中、図23〜図25に示す構成要素と同一のものには同一の参照番号を付してある。
【0115】
本実施形態の可変キャパシタは、基板131、4つの圧電アクチュエータ136〜136、可動電極139、誘電体層237及び固定電極138を有する。誘電体層237の構成が、前述した第6実施形態の誘電体層137とは異なる。誘電体層237は、固定電極138のブリッジ部138aと同様に可動電極139をブリッジする構成である。誘電体層237は、対向する2辺に支持部237aと237bを有する。支持部237a、237bは基板131上に設けられ、基板131上に支持されている。これにより、ブリッジ部138aの強度をより一層増すことができる。
【0116】
図32は図30〜図31に示す可変キャパシタの製造方法を説明する断面図であって、可変キャパシタの短手方向に平行に可変キャパシタを分割した場合の断面を示す。図32の(e)〜(j)は、前述した図5の(a)〜(d)に続くものである。なお、図32(e)〜(j)では、図を簡潔にするために、圧電アクチュエータの図示を省略してある。また、プロセス条件や材料などの説明において、前述した製造方法で説明した事項は以下の説明では省略する。
【0117】
図32(e)では、可動電極139を絶縁層132上に形成する。絶縁層132は、パターニングで形成された溝143を有する。可動電極139は、この溝143で囲まれた絶縁層132上に形成される。
【0118】
次に、図32(f)に示すように、犠牲層144を可動電極139上に形成する。このとき、犠牲層144は溝143内にも形成される。溝143は犠牲層144を形成しても更に開口が存在する程度の大きさである。
【0119】
次に、図32(g)に示すように、犠牲層144上に誘電体層237を形成する。誘電体層237の側部は開口143内に入り込み、絶縁層132に接している。
【0120】
次に、図32(h)に示すように、誘電体層237及び絶縁層132上に固定電極138を形成する。
【0121】
次に、図32(i)に示すように、基板131をエッチングして可動電極139の下に開口140を形成する。
【0122】
最後に、図32(j)に示すように、犠牲層144を取り除く。
【0123】
なお、図32(g)と(h)の工程において、図10(g)と(h)で説明した複数のエッチングホールと同様のエッチングホールを形成することが好ましい。エッチングホールを形成することで、図32(j)の工程において、犠牲層144をより効果的かつ効率的に除去することができる。
【0124】
(第9実施形態)
図33は本発明の第9実施形態による可変キャパシタの分解斜視図、図34はこの可変キャパシタの一部を拡大した斜視図である。図中、図27〜図29に示す構成要素と同一のものには同一の参照番号を付してある。
【0125】
本実施形態の可変キャパシタは、基板131、4つの圧電アクチュエータ136〜136、可動電極139、誘電体層237A及び固定電極238を有する。誘電体層237の構成が、前述した第7実施形態の誘電体層137及び第8実施形態の誘電体層237とは異なる。誘電体層237Aは、誘電体層237の2辺に支持部237cと237dを設けた構成である。これにより、誘電体層237Aは4ヶ所で基板131上に支持されたブリッジ構成を有する。固定電極238及び誘電体層238とも4ヶ所で基板131上に支持されているので、ブリッジ部の強度をより一層高めることができる。なお、誘電体層237Aを変形して3ヶ所や5ヶ所以上で支持する構成とすることもできる。
【0126】
(その他の実施形態)
上記各実施形態の固定電極は単層構成である。固定電極は単層構成に限定されるものではなく、複数の層で構成されるものであってもよい。薄膜は、成膜方法や成膜条件で残留応力が大きく変化する。そこで、引っ張り応力を発生する層と圧縮応力を発生する層を積層することで固定電極の残留応力を緩和し、固定電極と可動電極との間隔のばらつきを抑えることができる。
【0127】
図35は、前述した第6実施形態の固定電極138を2つの層138と138の2層で構成した可変キャパシタの製造方法を示す図である。図35(h)の工程において、2つの層138と138の2層をこの順に形成する。2つの層138と138はいずれも導体層であっても良いし、導体層と絶縁層であってもよい。一般に、Cu、Al、Ti、Cr、Mo、Ni、Au、Ptなどは引っ張り応力、SiO、Al、Ru、Taなどは圧縮応力が発生し易い。これらの引っ張り応力の膜と圧縮応力の膜を組み合わせて、適宜膜厚を変えて、固定電極全体として残留応力を緩和するように設定する。
【0128】
図35(h)の一例として、マグントロンスパッタリング装置を用いて、電極1kW、ガス圧0.64Paで、Cu(1μm)とSiO(0.3μm)を積層して、固定電極138を形成する。
【0129】
なお、3層以上で固定電極を形成してもよい。導電層が1層、残りが絶縁層など、全体として残留応力を緩和するように、適宜層の材料を選択する。
【0130】
また、たとえ固定電極が1層構成であっても、これに取り付けられる誘電体層を含めたブリッジ部全体で残留応力を緩和することもできる。例えば、図26の固定電極138をCu(引っ張り応力)で形成し、誘電体層137をAl(圧縮応力)で形成すれば、ブリッジ部全体の残留応力を緩和することができる。
【0131】
なお、図35の構成以外の各実施形態で用いられている固定電極を上記の通り残留応力緩和の観点から複数の層で形成してもよい。
【0132】
固定電極を積層構造とすることで、固定電極の膜厚を厚くすることができるため、ブリッジ部の強度を増すことが可能になり、同時に材料の選択範囲を広くすることも可能になる。更には、配線の低抵抗化にもつながり、Q値の更なる向上も可能になる。
【0133】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例を説明した。本発明は上記実施の形態や変形例に限定されるものではなく、他の様々な実施の形態や変形例を含むものである。例えば、上記実施の形態や変形例では、可動電極と誘電体層との間の間隙が狭くなるように圧電アクチュエータを駆動する構成であった。この構成とは逆に、可動電極と誘電体層との間の間隙が広くなるように(静電容量が小さくなる方向に)圧電アクチュエータを駆動する構成であってもよい。この場合には、例えば図7に示すユニモルフ型の圧電アクチュエータの変形する方向が図7の変形方向と逆になるようにすればよい。つまり、分極方向を逆にし、印加する電圧Vを逆極性とすればよい。
【0134】
また、上記第1から第9の実施形態の可変キャパシタをセラミックスなどのパッケージに収容してもよい。パッケージに設けられた外部接続端子と基板31に設けられたパッドとを、ワイヤやバンプなどの接続手段で接続する。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型で容量、容量変化の割合及びQ値が大きく、容量の微調整が可能な耐衝撃性に優れた可変キャパシタ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による可変キャパシタの断面図である。
【図2】別の従来技術による可変キャパシタの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態で用いられる共通電極の斜視図である。
【図5】図3に示す可変キャパシタの製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図6】図3に示す可変キャパシタの製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図7】ユニモルフを説明するための図である。
【図8】バイモルフを説明するための図である。
【図9】本発明の第1実施形態による可変キャパシタの効果を説明するための図である。
【図10】図3に示す可変キャパシタの別の製造方法を示す工程断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図12】図11のXII−XII線断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態の変形例による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図14】図13に示す可変キャパシタの平面図である。
【図15】本発明の第3実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図16】図13及び図14に示す可変キャパシタの製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図17】図13及び図14に示す可変キャパシタの製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図18】図13及び図14に示す可変キャパシタの別の製造方法を示す工程断面図である。
【図19】本発明の第4実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図20】図19のXX−XX線断面図である。
【図21】本発明の第5実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図22】図21に示す可変キャパシタの平面図である。
【図23】本発明の第6実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図24】図23に示す可変キャパシタの平面図である。
【図25】図23に示す可変キャパシタの一部分を拡大した斜視図である。
【図26】図23に示す可変キャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図27】本発明の第7実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図28】図27に示す可変キャパシタの平面図である。
【図29】図27に示す可変キャパシタの一部分を拡大した斜視図である。
【図30】本発明の第8実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図31】図30に示す可変キャパシタの一部分を拡大した斜視図である。
【図32】図30に示す可変キャパシタの製造方法を示す断面図である。
【図33】本発明の第9実施形態による可変キャパシタの分解斜視図である。
【図34】図33に示す可変キャパシタの一部分を拡大した斜視図である。
【図35】固定電極を複数の層で形成した実施形態に係る可変キャパシタの製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
31、131  基板
32、132  絶縁層
33−33、133−133  下部駆動電極
33a−33d  パッド
34−34、134−134  圧電素子
35−35、135−135  上部駆動電極
36−36、136−136  圧電アクチュエータ
37、137、237、237A  誘電体層
38、138、238  固定電極
39、139  可動電極
40、140  開口
41  共通電極
42  間隙
44、144  犠牲層
45、45c  エッチングホール
46  エッチングホール
47  パッド
48  共通電極
49、50  パッド
52  固定電極
53−53  下部駆動電極
54−54  圧電素子
55−55  上部駆動電極
56−56  圧電アクチュエータ
57  誘電体層
58  共通電極
59  可動電極
60  犠牲層
61  エッチングホール
70  共通電極
72、73、74、75  パッド

Claims (38)

  1. 基板と、該基板に支持されたキャパシタの固定電極及び可動電極と、前記基板に支持され且つ前記可動電極を駆動する複数の圧電アクチュエータと、前記固定電極と前記可動電極との間に設けられた誘電体層とを備えることを特徴とする可変キャパシタ。
  2. 前記誘電体層は前記固定電極と前記可動電極のいずれか一方に支持されていることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  3. 前記複数の圧電アクチュエータの各々は、一対の電極とこの間に設けられた圧電素子とを含み、前記基板上の空間内に位置していることを特徴とする請求項1又は2記載の可変キャパシタ。
  4. 前記複数の圧電アクチュエータの一対の電極の一方と前記可動電極とは、一体構成されていることを特徴とする請求項3記載の可変キャパシタ。
  5. 前記誘電体層は前記固定電極に取り付けられ、且つ空気層を介して前記可動電極と対向することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  6. 前記誘電体層は前記可動電極に取り付けられ、かつ空気層を介して前記固定電極と対向することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  7. 前記固定電極は前記可動電極上をブリッジする部分を有し、該部分に取り付けられた前記誘電体層は空気層を介して前記可動電極と対向することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  8. 前記固定電極は前記可動電極上をブリッジする部分を有し、前記誘電体層は前記可動電極上に設けられ且つ空気層を介して前記固定電極と対向することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  9. 前記固定電極は前記基板上に形成された絶縁層上に形成され、前記誘電体層は前記固定電極上に設けられ、前記可動電極は空気層を介して前記誘電体層と対向することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  10. 前記固定電極は前記基板上に形成された絶縁層上に形成され、前記誘電体層は前記可動電極に取り付けられ、且つ空気層を介して前記固定電極と対向することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  11. 前記固定電極は、前記基板上に設けられた絶縁層を介して前記基板に支持されていることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  12. 前記圧電アクチュエータはユニモルフ型であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  13. 前記圧電アクチュエータはバイモルフ型であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  14. 前記固定電極及び前記可動電極はそれぞれ、外部接続用のパッドを有し、該パッドは前記基板上に設けられた絶縁層上に位置することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  15. 前記圧電アクチュエータは一対の電極とこの間に設けられた圧電素子とを含む変形部を複数個有し、前記一対の電極はそれぞれ外部接続用のパッドを有し、該パッドは前記基板上に設けられた絶縁層上に位置することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  16. 前記複数の圧電アクチュエータの各々の一対の電極のうち、一方の電極は前記可動電極を介して共通に接続された電極であることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  17. 前記複数の圧電アクチュエータの各々の一対の電極のうち、一方の電極は個々に独立した電極であることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  18. 前記複数の圧電アクチュエータの各々の一対の電極のうち、一方の電極は複数の共通電極で構成されていることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  19. 前記固定電極は前記可動電極上をブリッジするブリッジ部を有し、該ブリッジ部は前記可動電極と略同一形状であって、前記誘電体層を介して前記可動電極に対向することを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  20. 前記固定電極は前記可動電極上をブリッジするブリッジ部を有し、該ブリッジ部は前記可動電極と略同一形状であって、前記誘電体層を介して前記可動電極に対向し、更に前記固定電極は3つ以上の支持部を有し、該支持部が前記基板上に形成された絶縁層上に設けられることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  21. 前記固定電極は前記可動電極上をブリッジするブリッジ部を有し、該ブリッジ部は前記可動電極と略同一形状であって、前記誘電体層を介して前記可動電極に対向し、更に前記固定電極に取り付けられた前記誘電体層も前記可動電極をブリッジするように形成されていることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  22. 前記固定電極は複数の層を有し、該複数の層は引っ張り応力が発生する層と圧縮応力が発生する層とを含むことを特徴とする請求項1から21のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  23. 前記誘電体層は酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、酸化チタン、ガラス、窒化シリコンからなる群から選択されたいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1から22のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  24. 前記可動電極は、前記誘電体層と前記固定電極との間又は前記誘電体層と前記可動電極との間に空気層が介在する状態から、前記固定電極と前記誘電体層と前記可動電極とが接した状態までの可動範囲を有することを特徴とする請求項1から22のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  25. 前記誘電体層は前記固定電極に取り付けられ、前記誘電体層と前記固定電極はこれらを貫通する複数のホールを有することを特徴とする請求項1から24のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  26. 前記誘電体層は前記固定電極に取り付けられ、前記可動電極はこれを貫通する複数のホールを有することを特徴とする請求項1から24のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  27. 前記可変キャパシタは4つの圧電アクチュエータを備えることを特徴とする請求項1から26のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  28. 前記基板は開口を有し、該開口の上に前記固定電極、前記可動電極、前記誘電体層及び前記圧電アクチュエータが設けられていることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項記載の可変キャパシタ。
  29. 前記基板は開口を有し、該開口を跨ぐように絶縁層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  30. 基板に支持されるキャパシタの固定電極及び可動電極を形成する工程と、前記基板に支持され且つ前記可動電極を駆動する圧電アクチュエータを形成する工程と、前記固定電極と前記可動電極との間に設けられた誘電体層を形成する工程と、前記固定電極と固定電極のいずれか一方と誘電体層との間に間隙を形成するための犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を除去する工程と、を含むことを特徴とする可変キャパシタの製造方法。
  31. 前記犠牲層を除去する工程の前に、前記犠牲層上に形成された層にエッチングホールを形成する工程を含むことを特徴とする請求項30記載の可変キャパシタの製造方法。
  32. 前記犠牲層を形成する工程は、前記犠牲層を前記可動電極上に形成することを特徴とする請求項30記載の可変キャパシタの製造方法。
  33. 前記犠牲層を形成する工程は、前記犠牲層を前記誘電体層上に形成することを特徴とする請求項30記載の可変キャパシタの製造方法。
  34. 前記犠牲層を除去する工程の前に、前記犠牲層上に形成された前記誘電体層及び前記固定電極にエッチングホールを形成する工程を含むことを特徴とする請求項30記載の可変キャパシタの製造方法。
  35. 前記犠牲層を除去する工程の前に、前記犠牲層上に形成された前記可動電極にエッチングホールを形成する工程を含むことを特徴とする請求項30記載の可変キャパシタの製造方法。
  36. 前記製造方法は更に、前記基板をエッチングして少なくとも前記可動電極と圧電アクチュエータに対向する位置に開口を形成する工程を含むことを特徴とする請求項30から35記載の可変キャパシタの製造方法。
  37. 前記基板はシリコンで形成され、前記基板をエッチングする工程はエッチングガスとして六フッ化硫黄を用い、前記開口を形成するためのマスクとしてレジストを用いたディープ・リアクティブ・イオン・エッチング(DRIE)によることを特徴とする請求項36記載の可変キャパシタの製造方法。
  38. 前記基板は(100)面又は(110)面を有するシリコン基板であって、前記基板を異方性エッチングして少なくとも前記可動電極と圧電アクチュエータに対向する位置に開口を形成する工程を含むことを特徴とする請求項30から35記載の可変キャパシタの製造方法。
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