JP3409944B2 - 強誘電体素子及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体素子及びその製造方法

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JP3409944B2
JP3409944B2 JP12695895A JP12695895A JP3409944B2 JP 3409944 B2 JP3409944 B2 JP 3409944B2 JP 12695895 A JP12695895 A JP 12695895A JP 12695895 A JP12695895 A JP 12695895A JP 3409944 B2 JP3409944 B2 JP 3409944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焦電型赤外線検出器,
圧電力学量センサおよび圧電アクチュエータ等に使用さ
れる強誘電体膜を用いた強誘電体素子及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9はJOUNAL of APPLIED PHYSICS 63
(12),1988 p5868-5872 R.TAKAYAMA et.al に提案され
た従来の強誘電体素子の構成を示す斜視断面図であり、
図において、10はMgO単結晶基板であり、11はP
tからなる下部電極、12はランタンが添加された,c
軸配向したペロブスカイト構造からなるチタン酸鉛系強
誘電体薄膜、13はNi−Crからなる上部電極であ
る。つまり、この強誘電体素子は、MgO単結晶基板1
0上に、ランタンが添加された,c軸配向したペロブス
カイト構造からなるチタン酸鉛系強誘電体薄膜12を形
成し、これを用いて焦電型赤外線センサーへとデバイス
化したものである。この強誘電体素子、すなわち、焦電
型赤外線センサーでは、強誘電体である焦電体(チタン
酸鉛系強誘電体薄膜12)が、分極処理を行わなくても
その分極方向が一方向に揃っており、これによって焦電
電流を検出することができる。しかも、分極処理したバ
ルク焼結体を用いたものに比して、約3倍の焦電特性を
得ることができる。また、MgO単結晶基板10の熱伝
導率が高いため、通常、図に示すように、焦電体(チタ
ン酸鉛系強誘電体薄膜12)の下部に位置するMgO単
結晶基板10にエッチングにより貫通孔10aを形成し
て,焦電体(チタン酸鉛系強誘電体薄膜12)から基板
10への熱伝導を防止し、これによって、センサーの高
感度化を図っている。
【0003】一方、図10はSensors and Actuators A.
35(1992)77-83, C. Ye, et.al. に提案された従来の赤
外線検出器の構成を示す断面図である。図において、2
0はSi基板、21はSiO2膜 、22はSi34膜、
23はPがドープされた多結晶シリコン膜、24はチタ
ン酸鉛系強誘電体薄膜、25は下部電極、26は上部電
極、27はエアギャップである。即ち、この赤外線検出
器は、Si基板20上に放熱用のエアギャップ27を形
成し、このエアギャップ27の上に焦電体としてのチタ
ン酸鉛系強誘電体薄膜24を形成してなるものである。
ここで、Pドープの多結晶シリコン膜23は、チタン酸
鉛系強誘電体薄膜24を形成するための下地層として使
用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の強誘電体素子は
以上のように構成されており、図9に示されたものにお
いては、前記のように、素子の高感度化のために、Mg
O単結晶基板10にエッチングにより放熱用の空洞部1
0aを形成しており、このエッチングプロセスに長時間
を要することから、製造効率が低いという問題点があっ
た。例えば、0.5mm厚のMgO単結晶基板をリン酸
でエッチングした場合、5時間程度の時間を要してい
た。また、この空洞部10aの形成時、MgO単結晶基
板10が45度にテーパー状にエッチングされるので、
基板10の全体面積に対して小さい面積の焦電体12し
か形成することができず、焦電体12の大きさに対して
デバイス全体の大きさが大きくなる、すなわち、デバイ
スの小型化が容易でないという問題点があった。また、
MgO単結晶基板の一部をエッチング除去するので、基
板の再使用は不可能であり、MgO単結晶基板10が高
価な基板であることから、コスト的にも不利であるとい
う問題点もあった。
【0005】一方、図10に示されたものは、エアギャ
ップ27により放熱を行っているので、図9に示された
もののように、基板に貫通孔を形成する必要がないの
で、素子を小型化することができる。しかしながら、焦
電体(チタン酸鉛系強誘電体薄膜24)の下地層となる
Pドープの多結晶シリコン膜23は無配向なため、焦電
体の結晶配向の制御が困難であり、また、エアギャップ
27を形成した後、焦電体(チタン酸鉛系強誘電体薄膜
24)を形成することから、焦電体を真空中で形成する
ことが困難であり、検出器の感度を十分に高めることが
できないという問題点があった。また、エアギャップ2
7の形成のためにリン珪酸ガラス(PSG)膜を形成す
る工程と、これを除去する工程が必要であるので、製造
作業が繁雑になり、製造効率が低いという問題点があっ
た。
【0006】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたものであり、低コストで放熱性に優れた小
型の強誘電体素子と,これを短時間で製造できる強誘電
体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】更に、本発明の他の目的は、高感度で低コ
ストの強誘電体素子を提供することを目的とする。更
に、この発明の他の目的は、高感度かつ低コストで,し
かも放熱性に優れた小型の強誘電体素子と,これを短時
間で製造できる強誘電体素子の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる強誘電体
素子は、基板上にその第1の領域に第1の電極層が接合
し、その第2の領域に第2の電極層が接合した強誘電体
膜が設けられてなる強誘電体素子において、前記基板表
面に金属酸化物層が形成され、当該金属酸化物層表面の
所定領域に前記強誘電体膜が島状のパターンとして形成
されており、前記基板の上層部の前記島状パターンの直
下に位置する領域に前記島状パターンよりも若干大きい
面積の空隙層が形成されていることを特徴とする。
【0009】更に本発明にかかる強誘電体素子は、基板
上にその第1の領域に第1の電極層が接合し、その第2
の領域に第2の電極層が接合した強誘電体膜が設けられ
てなる強誘電体素子において、前記基板表面に金属酸化
物層が形成され、当該金属酸化物層表面の所定領域に前
記強誘電体膜が島状のパターンとして形成されており、
前記金属酸化物層の前記島状パターンの直下に位置する
領域に当該島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層
が形成されていることを特徴とする。
【0010】更に本発明にかかる強誘電体素子は、基板
上にその第1の領域に第1の電極層が接合し、その第2
の領域に第2の電極層が接合した強誘電体膜が設けられ
てなる強誘電体素子において、前記基板表面に(10
0)面に結晶が優先配向したNaCl型結晶構造からな
る金属酸化物層が形成され、当該金属酸化物層表面に前
記強誘電体膜が形成されていることを特徴とする。
【0011】また前記構成においては、前記強誘電体膜
が前記金属酸化物層表面の所定領域に島状のパターンと
して形成されたものであり、前記基板の上層部の前記島
状パターンの直下に位置する領域に前記島状パターンよ
りも若干大きい面積の空隙層が形成されていることが好
ましい。
【0012】また前記構成においては、前記強誘電体膜
が前記金属酸化物層表面の所定領域に島状のパターンと
して形成されたものであり、前記金属酸化物層の前記島
状パターンの直下に位置する領域に当該島状パターンよ
りも若干大きい面積の空隙層が形成されていることが好
ましい。
【0013】また前記構成においては、前記強誘電体膜
が、PbxLayTizZrw3 で表され、下記の(a),
(b),(C) のいずれかの組成を有するチタン酸鉛系強誘電
体からなることが好ましい。
【0014】 (a) 0.7≦x≦1, x+y=1, 0.925≦z≦1, W=0 (b) x=1, y=0, 0.45≦z<1, z+w=1 (c) 0.75≦x<1, x+y=1, 0.5≦z<1, z+w=1 また前記構成においては、前記金属酸化物層がLiがド
−プされたNiO層であり、当該金属酸化物層が前記第
1の電極層または第2の電極層として使用されているこ
とが好ましい。
【0015】次に、本発明にかかる強誘電体素子の製造
方法は、基板上に金属酸化物層を形成し、前記金属酸化
物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順に形成
し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1の電極
層表面の所定領域のみに島状パターンを残した後、前記
金属酸化物層および第1の電極層の前記島状パターンの
周辺領域に前記基板表面にまで達するエッチング用開口
を形成し、次に前記島状パターン上に選択的に第2の電
極層を形成し、しかる後、前記エッチング用開口を通し
て前記基板に等方性エッチングを施して、前記基板の上
層部の前記島状パターンの直下に位置する領域に前記島
状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成するこ
とを特徴とする。
【0016】更に本発明にかかる強誘電体素子の製造方
法は、基板上に金属酸化物層を形成し、前記金属酸化物
層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順に形成
し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1の電極
層表面の所定領域のみに島状パターンを残した後、前記
第1の電極層の前記島状パターンの周辺領域に前記金属
酸化物層表面にまで達するエッチング用開口を形成し、
次に前記島状パターン上に選択的に第2の電極層を形成
し、しかる後、前記エッチング用開口を通して前記金属
酸化物層に等方性エッチングを施して、前記金属酸化物
層の前記島状パターンの直下に位置する領域に前記島状
パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成すること
を特徴とする。
【0017】更に本発明にかかる強誘電体素子の製造方
法は、基板上に高周波マグネトロンスパッタ法あるいは
有機金属錯体を原料ガスとして用いたプラズ励起MO−
CVD法により(100)面に結晶が優先配向したNa
Cl型結晶構造からなる金属酸化物層を形成し、前記金
属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順
に形成し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1
の電極層表面の所定領域のみに島状パターンを残した
後、前記金属酸化物層および第1の電極層の前記島状パ
ターンの周辺領域に前記基板表面にまで達するエッチン
グ用開口を形成し、次に前記島状パターン上に選択的に
第2の電極層を形成し、しかる後、前記エッチング用開
口を通して前記基板に等方性エッチングを施して、前記
基板の上層部の前記島状パターンの直下に位置する領域
に前記島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形
成することを特徴とする。
【0018】更に本発明にかかる強誘電体素子の製造方
法は、基板上に高周波マグネトロンスパッタ法あるいは
有機金属錯体を原料ガスとして用いたプラズ励起MO−
CVD法により(100)面に結晶が優先配向したNa
Cl型結晶構造からなる金属酸化物層を形成し、前記金
属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順
に形成し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1
の電極層表面の所定領域のみに島状パターンを残した
後、前記第1の電極層の前記島状パターンの周辺領域に
前記金属酸化物層表面にまで達するエッチング用開口を
形成し、次に前記島状パターン上に選択的に第2の電極
層を形成し、しかる後、前記エッチング用開口を通して
前記金属酸化物層に等方性エッチングを施して、前記金
属酸化物層の前記島状パターンの直下に位置する領域に
前記島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成
することを特徴とする。
【0019】また前記構成においては、前記強誘電体膜
のパターニング時、前記島状パターンがその中央部に貫
通孔を有するものとなるようパターニングを行うととも
に、前記エッチング用開口の形成時、前記エッチング用
開口とは別に、前記島状パターンの前記貫通孔の底部か
ら前記基板または前記金属酸化物層の表面に達するエッ
チング用開口を形成し、このエッチング用開口と前記エ
ッチング用開口の双方を通して前記等方性エッチングを
行うのが好ましい。
【0020】また前記構成においては、前記金属酸化物
層がNiO層であり、当該NiO層を酸素過剰雰囲気で
成膜するのが好ましい。
【0021】
【作用】前記した本発明の強誘電体素子の構成によれ
ば、基板上にその第1の領域に第1の電極層が接合し、
その第2の領域に第2の電極層が接合した強誘電体膜が
設けられてなる強誘電体素子において、前記基板表面に
金属酸化物層が形成され、当該金属酸化物層表面の所定
領域に前記強誘電体膜が島状のパターンとして形成され
ており、前記基板の上層部の前記島状パターンの直下に
位置する領域に前記島状パターンよりも若干大きい面積
の空隙層が形成されていることにより、前記空隙層によ
り放熱性が向上するとともに、前記空隙層が前記強誘電
体膜の島状パターンとほぼ同一の面積であることから、
基板上における素子面積が強誘電体膜パターンの面積に
ほぼ等しいものとなり、素子を小型化することができ
る。また、前記基板として低コストの材料からなるもの
を用いることにより、素子の低コスト化を図ることがで
きる。
【0022】更に前記した本発明の強誘電体素子の構成
によれば、基板上にその第1の領域に第1の電極層が接
合し、その第2の領域に第2の電極層が接合した強誘電
体膜が設けられてなる強誘電体素子において、前記基板
表面に金属酸化物層が形成され、当該金属酸化物層表面
の所定領域に前記強誘電体膜が島状のパターンとして形
成されており、前記金属酸化物層の前記島状パターンの
直下に位置する領域に当該島状パターンよりも若干大き
い面積の空隙層が形成されていることにより、前記空隙
層により放熱性が向上するとともに、前記空隙層が前記
強誘電体膜の島状パターンとほぼ同一の面積であること
から、基板上における素子面積が強誘電体膜パターンの
面積にほぼ等しいものとなり、素子を小型化することが
できる。また、前記基板として低コストの材料からなる
ものを用いることにより、素子の低コスト化を図ること
ができる。
【0023】更に前記した本発明の強誘電体素子の構成
によれば、基板上にその第1の領域に第1の電極層が接
合し、その第2の領域に第2の電極層が接合した強誘電
体膜が設けられてなる強誘電体素子において、前記基板
表面に(100)面に結晶が優先配向したNaCl型結
晶構造からなる金属酸化物層が形成され、当該金属酸化
物層表面に前記強誘電体膜が形成されていることによ
り、前記基板の構成材料に関係なく,前記金属酸化物層
と前記強誘電体膜間における格子定数の整合が図られ
て、前記強誘電体膜はその分極軸であるc軸への結晶配
向率が高いものとなる。従って、前記基板として低コス
トの材料からなるものを用いて、低コストで高感度の素
子を実現することができる。
【0024】また前記構成の好ましい例として、前記強
誘電体膜が前記金属酸化物層表面の所定領域に島状のパ
ターンとして形成されたものであり、前記基板の上層部
の前記島状パターンの直下に位置する領域に前記島状パ
ターンよりも若干大きい面積の空隙層が形成されている
と、前記空隙層により放熱性が向上するとともに、前記
空隙層が前記強誘電体膜の島状パターンとほぼ同一の面
積であることから、基板上における素子面積が強誘電体
膜パターンの面積にほぼ等しいものとなり、素子を小型
化することができる。
【0025】また前記構成の好ましい例として、前記強
誘電体膜が前記金属酸化物層表面の所定領域に島状のパ
ターンとして形成されたものであり、前記金属酸化物層
の前記島状パターンの直下に位置する領域に当該島状パ
ターンよりも若干大きい面積の空隙層が形成されている
と、前記空隙層により放熱性が向上するとともに、前記
空隙層が前記強誘電体膜の島状パターンとほぼ同一の面
積であることから、基板上における素子面積が強誘電体
膜パターンの面積にほぼ等しいものとなり、素子を小型
化することができる。
【0026】また前記構成の好ましい例として、前記強
誘電体膜がPbxLayTizZrw 3で表され、下記の
(a),(b),(C)のいずれかの組成を有するチタン酸鉛系強
誘電体からなるものであると、結晶配向性を向上させる
うえで有効である。
【0027】 (a) 0.7≦x≦1, x+y=1, 0.925≦z≦1, W=0 (b) x=1, y=0, 0.45≦z<1, z+w=1 (c) 0.75≦x<1, x+y=1, 0.5≦z<1, z+w=1 また前記構成の好ましい例として、前記金属酸化物層が
Liがド−プされたNiO層であり、当該金属酸化物層
が前記第1の電極層または第2の電極層として使用され
ていると、前記第1の電極層または第2の電極層を省略
することができ、更なる素子の小型化および低コスト化
を図るうえで有効である。
【0028】次に前記した本発明の強誘電体素子の製造
方法によれば、基板上に金属酸化物層を形成し、前記金
属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順
に形成し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1
の電極層表面の所定領域のみに島状パターンを残した
後、前記金属酸化物層および第1の電極層の前記島状パ
ターンの周辺領域に前記基板表面にまで達するエッチン
グ用開口を形成し、次に前記島状パターン上に選択的に
第2の電極層を形成し、しかる後、前記エッチング用開
口を通して前記基板に等方性エッチングを施して、前記
基板の上層部の前記島状パターンの直下に位置する領域
に前記島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形
成することにより、前記の低コスト基板を用いて構成さ
れた,放熱性に優れかつ小型の強誘電体素子を効率良く
製造することができる。
【0029】更に前記した本発明の強誘電体素子の製造
方法によれば、基板上に金属酸化物層を形成し、前記金
属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順
に形成し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1
の電極層表面の所定領域のみに島状パターンを残した
後、前記第1の電極層の前記島状パターンの周辺領域に
前記金属酸化物層表面にまで達するエッチング用開口を
形成し、次に前記島状パターン上に選択的に第2の電極
層を形成し、しかる後、前記エッチング用開口を通して
前記金属酸化物層に等方性エッチングを施して、前記金
属酸化物層の前記島状パターンの直下に位置する領域に
前記島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成
することのより、前記の低コスト基板を用いて構成され
た,放熱性に優れかつ小型の強誘電体素子を効率良く製
造することができる。また、基板にエッチングを施す必
要がないので、基板の材料選択の自由度が拡大する。
【0030】更に前記した本発明の強誘電体素子の製造
方法によれば、基板上に高周波マグネトロンスパッタ法
あるいは有機金属錯体を原料ガスとして用いたプラズ励
起MO−CVD法により(100)面に結晶が優先配向
したNaCl型結晶構造からなる金属酸化物層を形成
し、前記金属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体
膜をこの順に形成し、前記強誘電体膜をパターニングし
て前記第1の電極層表面の所定領域のみに島状パターン
を残した後、前記金属酸化物層および第1の電極層の前
記島状パターンの周辺領域に前記基板表面にまで達する
エッチング用開口を形成し、次に前記島状パターン上に
選択的に第2の電極層を形成し、しかる後、前記エッチ
ング用開口を通して前記基板に等方性エッチングを施し
て、前記基板の上層部の前記島状パターンの直下に位置
する領域に前記島状パターンよりも若干大きい面積の空
隙層を形成することにより、前記の低コスト基板を用い
て構成された,高感度かつ小型の強誘電体素子を効率良
く製造できる。
【0031】更に前記した本発明の構成によれば、基板
上に高周波マグネトロンスパッタ法あるいは有機金属錯
体を原料ガスとして用いたプラズマ励起MO−CVD法
により(100)面に結晶が優先配向したNaCl型結
晶構造からなる金属酸化物層を形成し、前記金属酸化物
層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順に形成
し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1の電極
層表面の所定領域のみに島状パターンを残した後、前記
第1の電極層の前記島状パターンの周辺領域に前記金属
酸化物層表面にまで達するエッチング用開口を形成し、
次に前記島状パターン上に選択的に第2の電極層を形成
し、しかる後、前記エッチング用開口を通して前記金属
酸化物層に等方性エッチングを施して、前記金属酸化物
層の前記島状パターンの直下に位置する領域に前記島状
パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成すること
により、前記の低コスト基板を用いて構成された高感度
かつ小型の強誘電体素子を効率良く製造できる。また、
基板にエッチングを施す必要がないので、基板の材料選
択の自由度が拡大する。
【0032】特に、前記いずれの製造方法においても、
基板にこれに貫通孔が形成されるようなエッチングを施
す必要がないので、従来に比して製造時間を大きく短縮
できる。
【0033】また前記構成の好ましい例として、前記強
誘電体膜のパターニング時、前記島状パターンがその中
央部に貫通孔を有するものとなるようパターニングを行
うとともに、前記エッチング用開口の形成時、前記エッ
チング用開口とは別に、前記島状パターンの前記貫通孔
の底部から前記基板または前記金属酸化物層の表面に達
するエッチング用開口を形成し、このエッチング用開口
と前記エッチング用開口の双方を通して前記等方性エッ
チングを行うと、エッチング時間を短縮でき、製造時間
を更に短縮できる。
【0034】また前記構成の好ましい例として、前記金
属酸化物層をNiO層とし、当該NiO層を酸素過剰雰
囲気で成膜すると、このNiO層がP型半導体層として
機能するものとなり、前記第1の電極層を形成すること
なく前記の強誘電体素子を製造することができる。従っ
て、より一層小型化した強誘電体素子をより一層短時間
で製造することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1は本発明の実施例1による基板上に2つの強誘
電体膜のパターンを所定間隔を空けて併設してなる強誘
電体素子の構成を示す断面図であり、図において、ステ
ンレス金属基板(熱膨張係数18×10-6-1、厚さ5
00μm )101表面に(100)面に優先配向したN
aCl型結晶構造からなるMgO薄膜102が配置さ
れ、MgO薄膜102表面にPt薄膜からなる下部電極
103が配置され、下部電極103の特定部分がPb
0.9La0.1Ti0.9753からなる強誘電体膜104で覆
われ、強誘電体膜104の表面にはNi−Cr薄膜から
なる上部電極108が配置されている。105はエッチ
ングホールで、空隙層110はこのエッチングホール1
05を通して形成されたものである。106,107,
109は感光性ポリイミドからなる保護用の樹脂層で、
109は上部電極108を保護する樹脂層である。ここ
で、空隙層110は動作時における強誘電体膜104か
らの熱が分散するの防止するために設けられたものであ
る。
【0036】図2,図3は上記図1に示す強誘電体素子
の製造工程を示す工程別の断面図と平面図である。これ
らの図において、図1と同一符号は同一または相当する
部分を示している。以下、これら図2,図3を参照して
図1に示す本実施例の強誘電体素子の製造工程を説明す
る。
【0037】先ずステンレス金属基板101(図3
(a))上にプラズマ励起MO−CVD成膜装置により、
下地層としての,厚み0.2μmの(100)面に 結晶
が優先配向したNaCl型結晶構造からなるMgO薄膜
102を形成する(図2(a) ,図3(b) )。図4は本工
程で使用したプラズマ励起MO−CVD成膜装置の構成
を模式的に示した図であり、図において、41は反応チ
ャンバー、42は平行に配置された2つの電極、43は
排気系、45は高周波電源、46は原料気化容器、47
はキャリヤガスボンベ、48は反応ガスボンベ、49は
基板加熱ヒータである。ここで本工程をこの図に基づい
て更に詳しく説明する。ステンレス基板101を、電極
42のアース側電極にその片側面を密着させることによ
り保持し、基板加熱ヒータ49により600℃に加熱し
た。一方、原料気化容器46にマグネシウムアセチルア
セトナート(Mg(C5722)を入れ、190℃に
保持したオイルバスを用いて加熱し、この加熱によって
気化したマグネシウムアセチルアセトナートの蒸気を、
キャリアガスボンベ47から10ml/minの流速の
キャリアガス(窒素)を用いて、反応チャンバー41内
に流し入れた。また、反応ガスボンベ48から反応ガス
として酸素ガスを12ml/minで流し、反応チャン
バー41内に吹出ノズルを介して流し入れた。このと
き、反応チャンバー41内は、その排気系43から真空
排気されることで7.90Paの真空度に保持した。か
かる状態において、電極42のRF側電極に13.56
MHzで400Wの高周波を10分間印加して、当該R
F側電極とアース側電極との間にプラズマを発生させ、
ステンレス基板101の片側表面上に下地層としての厚
み0.2μmの(100)面に結晶が優先配向したNa
Cl型結晶構造のMgO薄膜102を形成した。この成
膜中、基板101を基板回転モータによって120rp
mの速度で回転させた。
【0038】次に、上記下地層としてのMgO薄膜10
2上に厚み0.2μm のPt薄膜からなる下部電極10
3を形成する(図2(b),図3(c))。ここで、Pt薄膜
103は(100)面に結晶が優先配向したものとなる
よう形成する。この(100)面に結晶が優先配向した
NaCl型結晶構造のMgO薄膜102上への(10
0)面に結晶が優先配向したPt薄膜103の成膜は、
例えば、高周波マグネトロンスパッタ法により、スパッ
タガスとしてAr(95%)と酸素(5%)の混合ガス
を用い、基板温度を600℃、ガス圧を0.5Pa、高
周波投入パワー密度を2.5W/cm2(13.56MH
z)にした成膜条件で行われる。かかる方法では1時間
の成膜時間で厚み0.2μmの膜を得ることができる。
【0039】次に、前記Pt薄膜からなる下部電極10
3上に、厚み3μmのPb0.9La0 .1Ti0.9753から
なる強誘電体膜104を形成する(図2(c),図3
(d))。この強誘電体膜104の成膜は、例えば、高周
波マグネトロンスパッタ装置を用いて行われる。具体的
には、基板をステンレス製基板ホルダに取り付け、Pb
O,La23,TiO2 の粉末を混合したもの(粉末の
混合比は膜組成に対してPbOを20mol%過剰に加え
た。)をターゲットとして銅製皿に入れ、スパッタガス
としてAr(90%)と酸素(10%)の混合ガスを用
い、基板温度を600℃、ガス圧を0.9Pa、高周波
投入パワー密度を2.0W/cm2(13.56MHz)
にしたスパッタ成膜条件にて行われる。
【0040】図5は、前述した方法により、ステンレス
金属基板上に(100)面に結晶が優先配向したMgO
薄膜102とPt薄膜からなる下部電極103をこの順
に形成し、更にPb0.9La0.1Ti0.9753からなる強
誘電体膜を前記高周波マグネトロンスパッタ法により形
成することにより得られた試料のX線回折パターンであ
る。このX線回折パターンにより本試料のc軸配向率α
(%)を(数1)で定義して、その値を算出したとこ
ろ、c軸配向率α(%)は94%であり、Pb0. 9La
0.1Ti0.9753からなる組成の強誘電体膜は分極軸で
あるc軸方向へ、優先的に配向していた。
【0041】
【数1】
【0042】ここで、I(001)、I(100)、I
(101),I(111),I(110)は、それぞれ
(001)、(100)、(101),(111),
(110)反射の強度を示す。
【0043】次にPb0.9La0.1Ti0.9753からなる
強誘電体膜104のパターニングを行なう(図2(d),
図3(e))。このパターニングは、フッ硝酸によるケミ
カルエッチング(所用時間:10分 ),あるいはArガ
スを使用したスパッタエッチング(所用時間90分)に
より行われる。
【0044】次に、下部電極としてのPt薄膜103及
びMgO薄膜102のパターニングと,エッチングホー
ル105の形成とをスパッタエッチング(所用時間12
0分)により同時に行う(図2(e),図3(f))。
【0045】次に、下部電極としてのPt薄膜103及
びPb0.9La0.1Ti0.9753からなる強誘電体膜10
4上と,基板101の裏面全面とに感光性ポリイミドか
らなる樹脂層106,107を、スピンコートにより塗
布形成した後、樹脂層106をフォトリソ法によりPt
薄膜103及び強誘電体膜104の周囲を覆う形状にパ
ターニングし、更にこれを硬化させる(図2(f),図3
(g))。
【0046】次に、膜厚100nmのNi−Cr薄膜を
DC−スパッタリング法により形成し、これをフォトリ
ソ法によりパターンニングすることにより上部電極10
8を形成した後(図2(g),図3(h))、感光性ポリイミ
ドを成膜し、これをパターンニングして上部電極保護層
109を形成する(図2(h),図3(i))。
【0047】最後に、基板101にエッチングホール1
05を通してエッチングを施し、空隙層110を形成す
る(図2(i) )。このエッチングはエッチャントとして
30wt%の第2塩化鉄(FeCl3 )水溶液を使用し、基板
を55℃に加熱し、超音波を印加して、エッチング時間
を15〜20分にして行われる。
【0048】このように本実施例では、プラズマ励起M
O−CVD法により、ステンレス基板101上に(10
0)面に結晶が優先配向したNaCl型結晶構造からな
るMgO薄膜102を形成し、このMgO薄膜102上
に例えば高周波マグネトロンスパッタ法を用いて(10
0)面に結晶が優先配向したPt薄膜103(下部電
極)を形成し、この(100)面に結晶が優先配向した
Pt薄膜103上に例えば高周波マグネトロンスパッタ
法を用いてPb0.9La0.1Ti0.9753からなる強誘電
体膜104を形成し、このようにして得られたPb0.9
La0.1Ti0.9753 からなる強誘電体膜104を用い
て強誘電体素子を構成したので、MgO薄膜102(P
t薄膜103)とPb0.9La0.1Ti0.9753からなる
強誘電体膜104間における格子定数の整合が図られ
て、Pb0.9La0.1Ti0.9753からなる強誘電体膜1
04はその分極軸であるc軸への結晶配向率が高いもの
となり、ステンレス基板101基板を用いて高感度の強
誘電体素子を実現することができる。従って、低コスト
で高感度の強誘電体素子を得ることができる。また、従
来のように基板に基板を貫通させるようなエッチングを
施すことなく、基板101の上層部の一部分を除去する
エッチングを行うだけで、強誘電体膜104の熱を分散
(放熱)させる空隙層110を形成できるので、強誘電
体膜104の発熱による劣化が防止された,高感度な強
誘電体素子を短時間で製造できる。また、空隙層110
はエッチングホール115を介して基板の,島状にパタ
ーニングされた強誘電体膜104の面積より若干大きい
面積の領域をエッチング除去して得られたものであるた
め、素子の大きさが空隙層110によって影響されず、
強誘電体膜104のパターンの面積にほぼ等しいものと
なり、素子を小型化することができる。なお、Ni−C
r薄膜からなる上部電極108あるいは強誘電体膜10
4が、空隙層110形成のためのエッチングによってダ
メージを受けない場合は、前記電極保護層109を設け
る必要は必ずしもない。この上部電極保護層109を設
けない場合、強誘電体膜104の熱容量を低下させるこ
とができ、熱型素子における高感度化の点で有効であ
る。また、強誘電体膜104のパターニングにおいて、
強誘電体膜104をその中央部に貫通孔を有する島状パ
ターンとなるようパターニングして、エッチングホール
105を島状パターンの中央部にも形成するようにした
が、島状パターンの中央部にエッチングホール105を
必ずしも形成する必要はなく、島状パターンの周囲のM
gO薄膜102およびPt薄膜103(下部電極)に形
成したエッチングホール105のみを用いて、空隙層1
10を形成することができる。本実施例のように、島状
パターンの中央部にエッチングホール115を設ける場
合、これを設けない場合に比して、空隙層110の形成
に要するエッチング時間を短縮でき、製造効率を向上で
きる。
【0049】(実施例2)本実施例では、表1〜表4に
示すように、基板の材料,下地層の材料と成膜方法,及
び強誘電体の材料を実施例1のそれとは異なるものにし
て、図1に示した実施例1の強誘電体素子と同一構造の
強誘電体素子を形成した。基板としては、基板厚み50
0μmのステンレス金属基板の他に、厚み500μmのマ
グネシア(MgO)多 結晶基板,(100)Si単結晶基
板,およびCu金属基板を用いた。そして、これら種々
の基板に有機金属錯体を原料ガスに用いたプラズマ励起
MO−CVD法または高周波マグネトロンスパッタ法を
用いて、(100)面に結晶が優先配向したNaCl型
結晶構造からなるMgOまたはNiOからなる薄膜を形
成し、さらに、このMgOまたはNiOからなる薄誘電
体膜上にプラズマ励起MO−CVD法または高周波マグ
ネトロンスパッタ法を用いてPb0.9La0.1Ti 0.975
3 またはPbTiO3 からなる強誘電体膜を形成し
た。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】ここで、NiOからなる薄膜をプラズマ励
起MOCVD法により作製する方法を詳しく説明する。
なお、使用する装置と基本的な方法は、実施例1で説明
したプラズマ励起MOCVD法によりMgOからなる薄
膜を作製する場合のそれと同じである。図4に示したプ
ラズマ励起MO−CVD成膜装置を用い、基板加熱ヒー
タ49によって、基板101をあらかじめ 350 ℃に
加熱した。一方、原料気化容器46にニッケルアセチル
アセトナート;Ni(C57222O を入れ、これ
を160℃に保持したオイルバスを用いて加熱し、この
加熱によって気化したニッケルアセチルアセトナートの
蒸気をキャリアガスボンベ47から35ml/minの
流速のキャリアガス(窒素)を用いて、反応チャンバー
41内に流し入れた。また、反応ガスとしての酸素ガス
を反応ガスボンベ48から反応チャンバー41内に吹出
ノズルを介して流速15ml/minで流し入れた。こ
のとき、反応チャンバー41内は、その排気系43から
真空排気されることで7.90Paの真空度に保持し
た。以上の状態において、RF側電極に13.56MH
zで400Wの高周波を10分間印加することによっ
て、アース側電極との間にプラズマを発生させ、基板の
片側表面上の(100)面に優先配向したNiO薄膜を
形成した。この成膜中、基板101を基板回転モータに
よって120rpmの速度で回転させた。得られたNi
O薄膜の膜厚は0.2μmであった。
【0055】次に、MgOからなる薄膜をrfスパッタ
法で作製する方法を詳しく説明する。MgO焼結体(純
度99.9%)をターゲットとして使用し、スパッタ成
膜条件を、基板温度を600℃、スパッタガスをAr
(50%)と酸素(50%)の混合ガス、ガス圧を0.
7Pa、高周波投入パワー密度を2.5W/cm2(1
3.56MHz )、成膜時間を1時間にして、成膜し
た。膜厚は0.2μmであった。また、NiOからなる
薄膜をrfスパッタ法で作製する場合、NiO粉末(純
度99.9% )をターゲットとして使用し、スパッタ成
膜条件を、基板温度を600℃、スパッタガスをAr
(60%)と酸素(40%)の混合ガス、ガスを1.1
Pa、高周波投入パワー密度を2.5W/cm2(13.
56MHz)、成膜時間を1.5時間 にして、成膜し
た。膜厚は0.2μmであった。
【0056】次に、PbTiO3 からなる強誘電体膜を
プラズマ励起MO−CVD法で作製する方法を詳しく説
明する。図4に示したプラズマ励起MO−CVD成膜装
置にさらに気化容器を1台増設した装置を使用し、基板
加熱ヒータ49によってあらかじめ基板101を 60
0 ℃に加熱した。一方、原料気化容器46に鉛ジピバ
ロイルメタン;Pb(C111922を入れ、130℃
に保持したオイルバスを用いて加熱した。もう一方の原
料気化容器46bに、テトラ−イソ−プロピルチタナー
ト;Ti(i−C37O)4 を入れ、50℃に保持した
オイルバスを用いて加熱した。このように加熱すること
によって気化した鉛ジピバロイルメタンとテトラ−イソ
−プロピルチタナートの蒸気を、キャリアガスボンベ4
8から10ml/minの流速のキャリアガス(窒素)
を用いて、反応チャンバー41内に流し入れた。また、
反応ガスとして反応ガスボンベ49から酸素ガスを流速
40ml/minで反応チャンバー41内に吹出ノズル
を介して流し入れた。このとき、反応チャンバー41内
は、排気系43から真空排気されることにより3.90
Paの真空度に保持された。以上の状態において、RF
側電極に13.56MHzで400Wの高周波を100
分間印加することによって、アース側電極との間にプラ
ズマを発生させ、基板101の片側表面上に(100)
面に優先配向したPbTiO3 強誘電体を形成した。膜
厚は3μmであった。この成膜中、基板101を基板回
転モータによって120rpmの速度で回転させた。
【0057】なお、基板としてマグネシア多結晶基板を
用いる場合、空隙層110を形成するためのエッチング
では、10wt%のリン酸水溶液をエッチャントとして
使用し、80℃で55分間エッチングを実施した。ま
た、基板として(100)Si単結晶基板を用いる場
合、空隙層110を形成するためのエッチングでは、1
0wt%のKOH水溶液をエッチャントとして使用し
た。また、基板としてCu金属基板を用いる場合、空隙
層110を形成するためのエッチングでは、アンモニア
水をエッチャントとして使用した。
【0058】(実施例3)図6は本発明の実施例3によ
る基板上に2つの強誘電体膜のパターンを所定間隔を空
けて併設してなる強誘電体素子の構成を示す断面図であ
る。結晶化ガラス基板(熱膨張係数14×10-6-1
厚み 500μm)601表面に 厚み1.5μmの(1
00)面に優先配向したNaCl型結晶構造からなる
NiO薄膜602が配置され、NiO薄膜602表面に
Pt薄膜からなる下部電極603が配置され、下部電極
603の特定部分がPb0.9La0.1Ti0.9753からな
る強誘電体膜604で覆われ、強誘電体膜604の表面
にはNi−Cr薄膜からなる上部電極608が配置され
ている。605はエッチングホールで、空隙層610は
このエッチングホール605を通して形成されたもので
ある。606,607,609は感光性ポリイミドから
なる保護用の樹脂層で、609は上部電極608を保護
する樹脂層である。ここで、空隙層610は、NiO薄
膜602に形成されたもので、動作時における強誘電体
膜604からの熱が分散するの防止するために設けられ
たものである。
【0059】図7,図8は上記図6に示す強誘電体素子
の製造工程を示す工程別の断面図と平面図である。これ
らの図において、図6と同一符号は同一または相当する
部分を示している。以下、これらの図を用いて強誘電体
素子の製造工程について説明する。先ず、基板601上
に、下地層としての,(100)面に優先配向したNa
Cl型結晶構造からなるNiO薄膜602をプラズマ励
起MO−CVD成膜装置により形成する(図7(a),図
8(b))。ここでの成膜条件は実施例2と同様であり、
膜厚を1.5μm にした。次に、Pt薄膜からなる下部
電極603をNiO薄膜602上に形成する(図7
(b),図8(c))。このPt薄膜(603)の成膜条件
は、実施例1のそれと同様であり、(100)面に結晶
が優先配向したものとなるよう形成した。次に、Pt薄
膜からなる下部電極603上に、Pb0.9La0.1Ti
0.9753なる組成の強誘電体膜604を作製した(図7
(c),図8(d) )。この強誘電体604の成膜方法は実
施例1のそれと同様である。次に、強誘電体膜0016
04のパターンニングを行なう(図7(d),図8(e))。
このパターンングは、実施例1のそれと同様にケミカル
エッチング、あるいはスパッタエッチングにより実施し
た。またPt薄膜からなる下部電極603のパターニン
グと、エッチングホール605の形成を、実施例1のそ
れと同様に、スパッタエッチング(所用時間35分)に
より、これらを同時に行った(図7(e),図8(f))。次
に、下部電極603および強誘電体604上に感光性ポ
リイミド樹脂からなる樹脂層606を、基板裏面全面に
感光性ポリイミド樹脂からなる樹脂層607を、スピン
コートにより塗布形成した。次に、フォトリソ法により
下部電極603および強誘電体604の周囲を覆う形状
となるように樹脂層606パターニングし、更に硬化さ
せた(図7(f),図8(g))。次に、膜厚100nmのN
i−Cr薄膜からなる上部電極608をDC−スパッタ
リング法により形成し、これをフォトリソ法によりパタ
ーニングした後(図7(g),図8(h))、感光性ポリイミ
ドを成膜し、これをパターンニングして上部電極保護層
609を形成した(図7(h),図8(i))。最後に、Ni
O薄膜602にエッチングホール605介してエッチン
グを施すことにより、空隙層610を作製した(図7
(i) )。このエッチングでは、エッチャントとして10
wt%のリン酸水溶液を使用し、80℃でエッチングを
行った。
【0060】このような本実施例の強誘電体素子は、実
施例1の強誘電体素子と同様の作用,効果が得られるも
のとなるとともに、基板601にエッチングを施すこと
なく、NiO薄膜602にのみエッチングを施してNi
O薄膜602に空隙層610を形成するので、基板60
1としてエッチングが困難な材料からなる基板を使用で
き、実施例1の強誘電体素子に比して基板の材料選択の
自由度がより一層大きなものとなる。
【0061】なお、NiO薄膜602を酸素過剰雰囲気
で成膜すると、酸化によりNiOのNi2+イオンがNi
3+イオンになって,電気的中性を保つために空孔が生
じ、NiO薄膜602はP型半導体膜となる。この場
合、NiO薄膜602を電極として使用することができ
るので、下部電極603を形成することなく強誘電体素
子を得ることができ、より小型化した強誘電体素子をよ
り短い製造時間でもって製造することができる。また、
NiO薄膜602の成膜時にLiをドーピングするとN
iO薄膜602がP型半導体膜になるので、この場合も
下部電極603を形成することなく強誘電体素子を得る
ことができ、より小型化した強誘電体素子をより短い製
造時間でもって製造することができる。
【0062】(実施例4)本実施例では、表5〜表7に
示すように、基板の材料,下地層の材料と成膜方法,及
び強誘電体の材料を実施例3のそれとは異なるものにし
て、図8に示した実施例3の強誘電体素子と同一構造の
強誘電体素子を形成した。下地層及び誘電体膜の成膜条
件は実施例1または実施例2のそれと同様である。基板
601としては基板厚み500μm の結晶化ガラス基
板,ステンレス金属基板,およびアルミナ焼結体基板を
用いた。
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】なお、前記実施例1〜4では基板上に2つ
の強誘電体膜のパターンを所定間隔を空けて併設してな
るリニアアレイ強誘電体素子について説明したが、本発
明が単素子や2次元素子に適用できることは言うまでも
ない。また、前記実施例1〜4では、強誘電体膜として
Pb0.9La0.1Ti0.9753膜またはPbTiO3 膜を
用いたが、本発明ではこれらPb0.9La0.1Ti0.975
3,PbTiO3 以外の他の組成のチタン酸鉛系強誘
電体からなる強誘電体膜を使用することができる。例え
ば、一般式をPbxLayTizZrw3とした時、(a)
0.7≦x≦1,x+y=1, 0.925≦z≦1,
W=0 ,(b) x=1, y=0, 0.45≦
z<1, z+w=1 ,または(c) 0.75≦x
<1,x+y=1, 0.5≦z<1, z+w=1の
いずれかの組成を有するチタン酸鉛系強誘電体からなる
強誘電体膜を使用することができる。また、前記実施例
1〜4では、強誘電体膜としてPb0.9La0.1Ti
0.9753膜またはPbTiO 3 膜を用いたが、本発明で
は、チタン酸鉛系強誘電体以外の他の強誘電体材料(例
えば、チタン酸バリウム系強誘電体)からなる強誘電体
膜を使用することができる。また、前記実施例1〜4で
は、基板としてステンレス金属基板,結晶化ガラス基
板,単結晶シリコン基板,アルミナ(Al23)の焼結
体基板,マグネシア(MgO)多結晶基板,およびCu
金属基板を用いたが、本発明においては、その表面に
(100)面に結晶が優先配向したNaCl型結晶構造
からなる金属酸化物層を形成することができる基板であ
れば、前記基板とは異なる材料からなる基板を使用する
ことができる。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明の強誘電体素子によ
れば、基板上にその第1の領域に第1の電極層が接合
し、その第2の領域に第2の電極層が接合した強誘電体
膜が設けられてなる強誘電体素子において、前記基板表
面に金属酸化物層が形成され、当該金属酸化物層表面の
所定領域に前記強誘電体膜が島状のパターンとして形成
されており、前記基板の上層部の前記島状パターンの直
下に位置する領域に前記島状パターンよりも若干大きい
面積の空隙層が形成されているので、前記空隙層により
放熱性が向上するとともに、前記空隙層が前記強誘電体
膜の島状パターンとほぼ同一の面積であることから、基
板上における素子面積が強誘電体膜パターンの面積にほ
ぼ等しいものとなり、素子を小型化することができる。
また、前記基板として低コストの材料からなるものを用
いることにより、素子の低コスト化を図ることができ
る。
【0068】更に本発明の強誘電体素子によれば、基板
上にその第1の領域に第1の電極層が接合し、その第2
の領域に第2の電極層が接合した強誘電体膜が設けられ
てなる強誘電体素子において、前記基板表面に金属酸化
物層が形成され、当該金属酸化物層表面の所定領域に前
記強誘電体膜が島状のパターンとして形成されており、
前記金属酸化物層の前記島状パターンの直下に位置する
領域に当該島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層
が形成されているので、前記空隙層により放熱性が向上
するとともに、前記空隙層が前記強誘電体膜の島状パタ
ーンとほぼ同一の面積であることから、基板上における
素子面積が強誘電体膜パターンの面積にほぼ等しいもの
となり、素子を小型化することができる。また、前記基
板として低コストの材料からなるものを用いることによ
り、素子の低コスト化を図ることができる。
【0069】更に本発明の強誘電体素子によれば、基板
上にその第1の領域に第1の電極層が接合し、その第2
の領域に第2の電極層が接合した強誘電体膜が配設され
てなる強誘電体素子において、前記基板表面に(10
0)面に結晶が優先配向したNaCl型結晶構造からな
る金属酸化物層が形成され、当該金属酸化物層表面に前
記強誘電体膜が形成されているので、前記基板の構成材
料に関係なく,前記金属酸化物層と前記強誘電体膜間に
おける格子定数の整合が図られて、前記強誘電体膜はそ
の分極軸であるc軸への結晶配向率が高いものとなり、
前記基板として低コストの材料からなるものを用いて高
感度の素子を実現することができる。
【0070】次に、本発明の強誘電体素子の製造方法に
よれば、基板上に金属酸化物層を形成し、前記金属酸化
物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順に形成
し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1の電極
層表面の所定領域のみに島状パターンを残した後、前記
金属酸化物層および第1の電極層の前記島状パターンの
周辺領域に前記基板表面にまで達するエッチング用開口
を形成し、次に前記島状パターン上に選択的に第2の電
極層を形成し、しかる後、前記エッチング用開口を通し
て前記基板に等方性エッチングを施して、前記基板の上
層部の前記島状パターンの直下に位置する領域に前記島
状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成するの
で、前記の低コスト基板を用いて構成された,放熱性に
優れかつ小型の強誘電体素子を効率良く製造することが
できる。また、基板にこれに貫通孔が形成されるような
エッチングを施す必要がないので、従来に比して製造時
間を大きく短縮することができる。
【0071】更に本発明の強誘電体素子の製造方法によ
れば、基板上に金属酸化物層を形成し、前記金属酸化物
層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順に形成
し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1の電極
層表面の所定領域のみに島状パターンを残した後、前記
第1の電極層の前記島状パターンの周辺領域に前記金属
酸化物層表面にまで達するエッチング用開口を形成し、
次に前記島状パターン上に選択的に第2の電極層を形成
し、しかる後、前記エッチング用開口を通して前記金属
酸化物層に等方性エッチングを施して、前記金属酸化物
層の前記島状パターンの直下に位置する領域に前記島状
パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成するの
で、前記の低コスト基板を用いて構成された,放熱性に
優れかつ小型の強誘電体素子を効率良く製造することが
できる。また、基板にエッチングを施す必要がないの
で、基板の材料選択の自由度を拡大できる。また、基板
にこれに貫通孔が形成されるようなエッチングを施す必
要がないので、従来に比して製造時間を大きく短縮する
ことができる。
【0072】更に本発明の強誘電体素子の製造方法によ
れば、基板上に高周波マグネトロンスパッタ法あるいは
有機金属錯体を原料ガスとして用いたプラズ励起MO−
CVD法により(100)面に結晶が優先配向したNa
Cl型結晶構造からなる金属酸化物層を形成し、前記金
属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順
に形成し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1
の電極層表面の所定領域のみに島状パターンを残した
後、前記金属酸化物層および第1の電極層の前記島状パ
ターンの周辺領域に前記基板表面にまで達するエッチン
グ用開口を形成し、次に前記島状パターン上に選択的に
第2の電極層を形成し、しかる後、前記エッチング用開
口を通して前記基板に等方性エッチングを施して、前記
基板の上層部の前記島状パターンの直下に位置する領域
に前記島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形
成するようにしたので、前記の低コスト基板を用いて構
成された高感度かつ小型の強誘電体素子を効率良く製造
することができる。また、基板にこれに貫通孔が形成さ
れるようなエッチングを施す必要がないので、従来に比
して製造時間を大きく短縮することができる。
【0073】更に本発明の強誘電体素子の製造方法によ
れば、基板上に高周波マグネトロンスパッタ法あるいは
有機金属錯体を原料ガスとして用いたプラズマ励起MO
−CVD法により(100)面に結晶が優先配向したN
aCl型結晶構造からなる金属酸化物層を形成し、前記
金属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの
順に形成し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第
1の電極層表面の所定領域のみに島状パターンを残した
後、前記第1の電極層の前記島状パターンの周辺領域に
前記金属酸化物層表面にまで達するエッチング用開口を
形成し、次に前記島状パターン上に選択的に第2の電極
層を形成し、しかる後、前記エッチング用開口を通して
前記金属酸化物層に等方性エッチングを施して、前記金
属酸化物層の前記島状パターンの直下に位置する領域に
前記島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成
するようにしたので、前記の低コスト基板を用いて構成
された高感度かつ小型の強誘電体素子を効率良く製造す
ることができる。また、基板にエッチングを施す必要が
ないので、基板の材料選択の自由度をより一層拡げるこ
とができる。また、基板にこれに貫通孔が形成されるよ
うなエッチングを施す必要がないので、従来に比して製
造時間を大きく短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による強誘電体素子の構成を
示す断面図である。
【図2】図1の強誘電体素子の製造工程を示す工程別断
面図である。
【図3】図1の強誘電体素子の製造工程を示す工程別平
面図である。
【図4】本発明の実施例1〜4で使用したプラズマ励起
MO−CVD装置の構成を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施例1による強誘電体素子のステン
レス金属基板上に(100)面に結晶が優先配向したM
gO薄膜,Pt薄膜,及びPb0.9La0.1Ti0.975O3
からなる強誘電体膜がこの順に形成されてなる試料のX
線回折パターンである。
【図6】本発明の実施例による強誘電体素子の構成ゐ示
す断面図である。
【図7】図6の強誘電体素子の製造工程を示す工程別断
面図である。
【図8】図6の強誘電体素子の製造工程を示す工程別平
面図である。
【図9】従来の強誘電体素子の構成を示す断面斜視図で
ある。
【図10】従来の強誘電体素子(赤外線検出器)の構成
を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
41 反応チャンバー 42 電極 43 排気系 45 高周波電源 46 気化器 47 キャリアガスボンベ 48 反応ガスボンベ 49 基板加熱ヒーター 101 ステンレス金属基板 102 MgO薄膜 103 下部電極 104 Pb0.9La0.1Ti0.9753からなる強誘電体
膜 105 エッチングホール 106 樹脂層 107 樹脂層(裏面) 108 上部電極 109 上部電極用樹脂層 110 空隙層 601 結晶化ガラス基板 602 NiO膜 603 下部電極 604 Pb0.9La0.1Ti0.9753からなる強誘電体
膜 605 エッチングホール 606 樹脂層 607 樹脂層(裏面) 608 上部電極 609 上部電極保護用樹脂層 610 空隙層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23F 1/00 C23F 4/00 C 4/00 G01J 1/02 Y G01J 1/02 G01L 1/16 G01L 1/16 H01L 29/84 A H01L 21/3065 37/02 29/84 41/08 C 37/02 21/302 J 41/08 41/08 Z 41/187 41/18 101D 41/22 41/22 Z 41/24 A (72)発明者 友澤 淳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−30695(JP,A) 特開 平6−215975(JP,A) 特開 平4−368186(JP,A) 特開 平5−145123(JP,A) 特開 平8−162686(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 41/09

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にその第1の領域に第1の電極層
    が接合し、その第2の領域に第2の電極層が接合した強
    誘電体膜が設けられてなる強誘電体素子において、前記
    基板表面に金属酸化物層が形成され、当該金属酸化物層
    表面の所定領域に前記強誘電体膜が島状のパターンとし
    て形成されており、前記基板の上層部の前記島状パター
    ンの直下に位置する領域に前記島状パターンよりも若干
    大きい面積の空隙層が形成されていることを特徴とする
    強誘電体素子。
  2. 【請求項2】 基板上にその第1の領域に第1の電極層
    が接合し、その第2の領域に第2の電極層が接合した強
    誘電体膜が設けられてなる強誘電体素子において、前記
    基板表面に金属酸化物層が形成され、当該金属酸化物層
    表面の所定領域に前記強誘電体膜が島状のパターンとし
    て形成されており、前記金属酸化物層の前記島状パター
    ンの直下に位置する領域に当該島状パターンよりも若干
    大きい面積の空隙層が形成されていることを特徴とする
    強誘電体素子。
  3. 【請求項3】 基板上にその第1の領域に第1の電極層
    が接合し、その第2の領域に第2の電極層が接合した強
    誘電体膜が設けられてなる強誘電体素子において、前記
    基板表面に(100)面に結晶が優先配向したNaCl
    型結晶構造からなる金属酸化物層が形成され、当該金属
    酸化物層表面に前記強誘電体膜が形成されていることを
    特徴とする強誘電体素子。
  4. 【請求項4】 前記強誘電体膜は前記金属酸化物層表面
    の所定領域に島状のパターンとして形成されたものであ
    り、前記基板の上層部の前記島状パターンの直下に位置
    する領域に前記島状パターンよりも若干大きい面積の空
    隙層が形成されている請求項3に記載の強誘電体素子。
  5. 【請求項5】 前記強誘電体膜は前記金属酸化物層表面
    の所定領域に島状のパターンとして形成されたものであ
    り、前記金属酸化物層の前記島状パターンの直下に位置
    する領域に当該島状パターンよりも若干大きい面積の空
    隙層が形成されている請求項3に記載の強誘電体素子。
  6. 【請求項6】 前記強誘電体薄膜が、PbxLayTiz
    Zrw3 で表され、下記の(a),(b),(C)のいずれかの組
    成を有するチタン酸鉛系強誘電体 からなる請求項3に
    記載の強誘電体素子。 (a) 0.7≦x≦1, x+y=1, 0.925≦z≦1, W=0 (b) x=1, y=0, 0.45≦z<1, z+w=1 (c) 0.75≦x<1, x+y=1, 0.5≦z<1, z+w=1
  7. 【請求項7】 前記金属酸化物層がLiがド−プされた
    NiO層であり、当該金属酸化物層が前記第1の電極層
    または前記第2の電極層として使用されている請求項1
    〜3のいずれかに記載の強誘電体素子。
  8. 【請求項8】 基板上に金属酸化物層を形成し、前記金
    属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順
    に形成し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1
    の電極層表面の所定領域のみに島状パターンを残した
    後、前記金属酸化物層および第1の電極層の前記島状パ
    ターンの周辺領域に前記基板表面にまで達するエッチン
    グ用開口を形成し、次に前記島状パターン上に選択的に
    第2の電極層を形成し、しかる後、前記エッチング用開
    口を通して前記基板に等方性エッチングを施して、前記
    基板の上層部の前記島状パターンの直下に位置する領域
    に前記島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形
    成することを特徴とする強誘電体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板上に金属酸化物層を形成し、前記金
    属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体膜をこの順
    に形成し、前記強誘電体膜をパターニングして前記第1
    の電極層表面の所定領域のみに島状パターンを残した
    後、前記第1の電極層の前記島状パターンの周辺領域に
    前記金属酸化物層表面にまで達するエッチング用開口を
    形成し、次に前記島状パターン上に選択的に第2の電極
    層を形成し、しかる後、前記エッチング用開口を通して
    前記金属酸化物層に等方性エッチングを施して、前記金
    属酸化物層の前記島状パターンの直下に位置する領域に
    前記島状パターンよりも若干大きい面積の空隙層を形成
    することを特徴とする強誘電体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板上に高周波マグネトロンスパッタ
    法あるいは有機金属錯体を原料ガスとして用いたプラズ
    励起MO−CVD法により(100)面に結晶が優先配
    向したNaCl型結晶構造からなる金属酸化物層を形成
    し、前記金属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体
    膜をこの順に形成し、前記強誘電体膜をパターニングし
    て前記第1の電極層表面の所定領域のみに島状パターン
    を残した後、前記金属酸化物層および第1の電極層の前
    記島状パターンの周辺領域に前記基板表面にまで達する
    エッチング用開口を形成し、次に前記島状パターン上に
    選択的に第2の電極層を形成し、しかる後、前記エッチ
    ング用開口を通して前記基板に等方性エッチングを施し
    て、前記基板の上層部の前記島状パターンの直下に位置
    する領域に前記島状パターンよりも若干大きい面積の空
    隙層を形成することを特徴とする強誘電体素子の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 基板上に高周波マグネトロンスパッタ
    法あるいは有機金属錯体を原料ガスとして用いたプラズ
    励起MO−CVD法により(100)面に結晶が優先配
    向したNaCl型結晶構造からなる金属酸化物層を形成
    し、前記金属酸化物層上に第1の電極層および強誘電体
    膜をこの順に形成し、前記強誘電体膜をパターニングし
    て前記第1の電極層表面の所定領域のみに島状パターン
    を残した後、前記第1の電極層の前記島状パターンの周
    辺領域に前記金属酸化物層表面にまで達するエッチング
    用開口を形成し、次に前記島状パターン上に選択的に第
    2の電極層を形成し、しかる後、前記エッチング用開口
    を通して前記金属酸化物層に等方性エッチングを施し
    て、前記金属酸化物層の前記島状パターンの直下に位置
    する領域に前記島状パターンよりも若干大きい面積の空
    隙層を形成することを特徴とする強誘電体素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記強誘電体膜のパターニング時、前
    記島状パターンがその中央部に貫通孔を有するものとな
    るようパターニングを行うとともに、前記エッチング用
    開口の形成時、前記エッチング用開口とは別に、前記島
    状パターンの前記貫通孔の底部から前記基板または前記
    金属酸化物層の表面に達するエッチング用開口を形成
    し、このエッチング用開口と前記エッチング用開口の双
    方を通して前記等方性エッチングを行う請求項8〜11
    のいずれかに記載の強誘電体素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記金属酸化物層がNiO層であり、
    当該NiO層を酸素過剰雰囲気で成膜する請求項8〜1
    1のいずれかに記載の強誘電体素子の製造方法。
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