JPH0894436A - 焦電型赤外線検出器およびその製造方法 - Google Patents

焦電型赤外線検出器およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0894436A
JPH0894436A JP6227909A JP22790994A JPH0894436A JP H0894436 A JPH0894436 A JP H0894436A JP 6227909 A JP6227909 A JP 6227909A JP 22790994 A JP22790994 A JP 22790994A JP H0894436 A JPH0894436 A JP H0894436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
pyroelectric
electrode
organic insulating
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6227909A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Fujii
覚 藤井
Ryoichi Takayama
良一 高山
Shigenori Hayashi
重徳 林
Atsushi Tomosawa
淳 友澤
Takashi Deguchi
隆 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP6227909A priority Critical patent/JPH0894436A/ja
Publication of JPH0894436A publication Critical patent/JPH0894436A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Radiation Pyrometers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細加工と、低コスト化、および小型化を可
能とする、焦電型赤外線検出器およびその製造方法を供
給する。 【構成】 基板38に開孔部分を設け、その上に受光電
極35、さらに焦電体33を設け、その上に有機絶縁膜
34が形成され、引き出し電極32が有機絶縁膜34に
形成されたコンタクトホールを介して焦電体33に接続
されており、焦電体33は基板38の開孔部分より小さ
く、概ね中央に設けられており、基板38の開孔部を介
して受光電極35へ赤外線を入射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦電体薄膜を用いて赤外
線を検出する装置およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、誘電体薄膜を用いたデバイスの小
型、集積化のために、これらの薄膜のパターンニング技
術が重要な課題となっている。従来、誘電体薄膜のパタ
ーンニング方法としては、ドライエッチング法、ウエッ
トエッチング法、レーザーアシストエッチング法などが
ある。
【0003】圧電デバイスや、焦電型赤外線検出器で
は、用いられる薄膜の厚みとエッチングレートを考慮す
れば、ウエットエッチングが最適のパターン形成方法と
考えられる。例えば、S.Trolier.et.al. Proc.Sixth IE
EE Int.Symp. on Appl. of Ferroelectrics,Bethlehem,
PA.107(1986)には、PZTの焼結体基板をHClをはじめ
とする酸によりウエットエッチングによりパターンニン
グを行っている例が報告されている。
【0004】ところで、焦電型赤外線検出器をはじめ、
圧電デバイス等に使用する薄膜は、高性能化のために、
分極軸方向に配向していることが望ましい。しかし、こ
のような配向性薄膜を作製するためには基板材料が限定
される問題があった。
【0005】例えば、R.TAKAYAMA et.al, Ferroelectri
cs, 95,195(1989)には、MgO単結晶上に、c軸配向し
たペロブスカイト構造のランタンを添加したチタン酸鉛
系薄膜を形成させ、メタルマスクで薄膜をパターンニン
グし、これをポイントあるいはリニアタイプの焦電型赤
外線センサーへとデバイス化したことが報告されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、焦電体のパターンニングを強酸でウエッ
トエッチングする場合に、成膜基板であるMgO単結晶
基板にダメージを与える可能性がある。すなわち、焦電
体のエッチングレートが、MgO単結晶基板のエッチン
グレートよりも小さいために選択性がないという問題点
を有している。この結果、MgO単結晶基板がオーバー
エッチングされて、電極がこの部分で断線することがあ
る。
【0007】本発明の目的は、焦電体のパターンニング
による素子の小型化、製造歩留まりの向上が可能であ
り、かつ安価な焦電型赤外線検出器およびその製造方法
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の焦電型赤外線検出器は、基板と、受光電極
と、引き出し電極と、焦電体と有機絶縁膜とを備え、前
記基板に開孔された部分が設けられており、前記基板上
に受光電極が設けられ、前記受光電極上に焦電体が設け
られ、前記基板全面を覆うように有機絶縁膜が形成さ
れ、引き出し電極が前記有機絶縁膜に形成されたコンタ
クトホールを介して前記焦電体に接続されており、前記
焦電体の大きさが前記基板に設けられた開孔部分よりも
小さくかつ基板に設けられた開孔部分の概ね中央に設け
られており、前記基板の開孔された部分を介して受光電
極へ赤外線を入射させる。
【0009】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、基板上に受光電極と、さらにこの上に焦電体を
作製し、焦電体と受光電極を順次パターンニングをした
後、この上から前記基板全体を覆うように有機絶縁膜を
作製し、有機絶縁膜にコンタクトホールを形成し、基板
をエッチングして焦電体よりも大きい開孔部分を形成
後、引き出し電極を有機絶縁膜上に作製して焦電体と接
続することである。
【0010】さらに、本発明の焦電型赤外線検出器は、
基板と、受光電極と、引き出し電極と、焦電体と有機絶
縁膜とを備え、前記基板に開孔された部分が設けられて
おり、前記基板上に引き出し電極が設けられ、前記引き
出し電極上に焦電体が設けられ、前記基板全面を覆うよ
うに有機絶縁膜が形成され、受光電極が前記有機絶縁膜
に形成されたコンタクトホールを介して前記焦電体に接
続されており、前記焦電体の大きさが前記基板に設けら
れた開孔部分よりも小さくかつ基板に設けられた開孔部
分の概ね中央に設けられている。
【0011】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、基板上に引き出し電極と、さらにこの上に焦電
体を作製し、焦電体と引き出し電極を順次パターンニン
グをした後、この上から前記基板全体を覆うように有機
絶縁膜を作製し、有機絶縁膜にコンタクトホールを形成
し、基板をエッチングして焦電体よりも大きい開孔部分
を形成後、受光電極を樹脂膜上に作製して焦電体と接続
することである。
【0012】さらに、本発明の焦電型赤外線検出器は、
開孔部を設けた基板と、樹脂膜と、前記基板に設けられ
た開孔部より小さい焦電体と、受光電極と、引き出し電
極と、有機絶縁膜を備え、前記基板の開孔部全面を覆う
ように前記樹脂膜が接着支持され、前記樹脂膜上に受光
電極が形成され、前記受光電極上に有機絶縁膜が設けら
れており、有機絶縁膜上に焦電体が設けられており、焦
電体上に引き出し電極が設けられており、受光電極が有
機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して焦電体
に接続されており、前記焦電体が前記基板の開孔形状部
の概ね中央に設けられており、前記基板の開孔部を介し
て受光電極へ赤外線を入射させる。
【0013】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、第1基板上に引き出し電極と、さらにこの上に
焦電体を作製し、焦電体と引き出し電極を順次パターン
ニングをした後、この上から焦電体と引き出し電極を覆
うようにコンタクトホールを設けた有機絶縁膜を作製
し、受光電極を前記有機絶縁膜上に形成して焦電体と接
続させた後、前記第1基板全体を覆うように樹脂膜を有
機絶縁膜と受光電極上に作製し、樹脂膜上に第2基板で
ある開孔部を設けた基板を接着した後に、第1基板をエ
ッチングすることにより、第1基板を分離、除去する。
【0014】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、第1基板上に配向性酸化物下地膜を形成し、そ
の上に引き出し電極と、さらにこの上に焦電体を作製
し、焦電体と引き出し電極を順次パターンニングをした
後、この上から焦電体と引き出し電極を覆うようにコン
タクトホールを設けた有機絶縁膜を作製し、受光電極を
前記有機絶縁膜上に形成して焦電体と接続させた後、前
記第1基板全体を覆うように樹脂膜を有機絶縁膜と受光
電極上に作製し、樹脂膜上に第2基板である開孔部を設
けた基板を接着した後に、配向性酸化物下地膜をエッチ
ングすることにより、第1基板を分離、除去する。
【0015】さらに、本発明の焦電型赤外線検出器は、
開孔部を設けた基板と、樹脂膜と、前記基板に設けられ
た開孔部より小さい焦電体と、受光電極と引き出し電極
と、有機絶縁膜を備え、前記基板の開孔部全面を覆うよ
うに前記樹脂膜が接着支持され、前記樹脂膜上に引き出
し電極が形成され、前記引き出し電極上に有機絶縁膜が
設けられており、前記有機絶縁膜上に焦電体が設けられ
ており、焦電体上に受光電極が設けられており、引き出
し電極が有機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介
して焦電体に接続されており、前記焦電体が前記基板の
開孔形状部の概ね中央に設けられている。
【0016】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、第1基板上に受光電極と、さらにこの上に焦電
体を作製し、焦電体と受光電極を順次パターンニングを
した後、この上から焦電体と受光電極を覆うようにコン
タクトホールを設けた有機絶縁膜を作製し、引き出し電
極を前記有機絶縁膜上に形成して焦電体と接続させた
後、前記第1基板全体を覆うように樹脂膜を有機絶縁膜
と引き出し電極上に作製し、この上に第2基板である開
孔部を設けた基板を接着した後に、第1基板をエッチン
グすることにより、第1基板を分離、除去する。
【0017】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、第1基板上に配向性酸化物下地膜を形成し、そ
の上に受光電極と、さらにこの上に焦電体を作製し、焦
電体と受光電極を順次パターンニングをした後、この上
から焦電体と受光電極を覆うようにコンタクトホールを
設けた有機絶縁膜を作製し、引き出し電極を前記有機絶
縁膜上に形成して焦電体と接続させた後、前記第1基板
全体を覆うように樹脂膜を有機絶縁膜と引き出し電極上
に作製し、樹脂膜上に第2基板である開孔部を設けた基
板を接着した後に、配向性酸化物下地膜をエッチングす
ることにより、第1基板を分離、除去する。
【0018】
【作用】本発明は上記構成により、受光電極に膜厚50
0A以下の(100)面配向Pt膜を使用することによ
り、受光電極を、焦電体のウエットエッチングする際の
ストッパー層として作用することが可能である。この結
果、基板にダメージを与えることなく精度良く焦電体を
パターンニングできるため、製造歩留まりの向上およ
び、素子の小型化の点で有効である。さらに、エッチン
グのストッパー層が、受光電極を兼ねているので低コス
ト化の点でも有効である。また、この受光電極は焦電体
を分極軸方向に配向させることが可能であり、検出器の
高感度化の点でも有効である。
【0019】さらに、本発明は上記構成により、引き出
し電極に膜厚500A以上の(100)面配向Pt膜を
使用することにより、引き出し電極を、焦電体のウエッ
トエッチングする際のストッパー層として作用すること
が可能である。この結果、基板にダメージを与えること
なく精度良く焦電体をパターンニングできるため、製造
歩留まりの向上および、素子の小型化の点で有効であ
る。さらに、エッチングのストッパー層が、引き出し電
極を兼ねているので低コスト化の点でも有効である。ま
た、この引き出し電極は焦電体を分極軸方向に配向させ
ることが可能であり、検出器の高感度化の点でも有効で
ある。
【0020】また、本発明は上記構成により、第1基板
上に形成した配向性酸化物下地膜をエッチングすること
により、第1基板を分離、除去するために、エッチング
プロセス時間の短縮が可能となる点で有効である。さら
に、下地基板にかかわらず、容易に基板に対して垂直方
向に(100)面が配向したNaCl結晶構造の各種の
酸化物下地膜が得られる。従って、いろいろな材料の基
板の上に(100)面が結晶配向したMgOあるいは、
NiO薄膜を形成できる。配向性酸化物下地膜を形成す
る第1基板の選択により、製造コストを大幅に減少させ
ることが可能な点でも有効である。さらに、基板上に
(100)面配向のNaCl結晶型酸化物下地膜を形成
することにより、酸化物下地膜上に作製する焦電体との
格子定数のミスフィットとの整合を図ることが可能であ
り、焦電体の配向性が向上する。そのため、検出器の高
感度化の点でも有効である。
【0021】
【実施例】以下本発明の焦電型赤外線検出器、ならびに
その製造方法に関する一実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0022】(実施例1)図1に、本発明の一実施例の
焦電型赤外線検出器の断面図を、図2にその作製プロセ
スを示す。基板11として(100)MgO単結晶基板
を用いた。
【0023】続いて、基板11の上に、厚さ150Aの
(100)面配向したPtの受光電極12を高周波マグ
ネトロンスパッタ装置を用いて成膜した。スパッタ成膜
条件は、基板温度が400℃、スパッタガスはAr(9
5%)と酸素(5%)の混合ガスで、ガス圧は0.5P
a、高周波投入パワー密度は2.5W/cm2(13.5
6MHz)で、成膜時間は5分であった。Pt電極の厚
さが500A以上になると、赤外線、特に人体検出に最
適である波長10μm近傍の赤外線に対する反射が大き
くなり、受光電極として機能しなかった。従って、受光
電極の厚さは500A以下であることが望ましい。
【0024】さらに、受光電極12上に、Pb0.9La
0.1Ti0.9753、またはPbTiO 3なる組成の焦電体
13を形成した。その成膜方法を以下に述べる。
【0025】Pb0.9La0.1Ti0.9753の薄膜の成膜
には、高周波マグネトロンスパッタ装置を用いた。ター
ゲットは、PbO,La23,TiO2 の粉末を混合
し、銅製皿に入れて用いた。粉末の混合比は、膜組成に
対してPbOを20mol%過剰に加えた。スパッタの成膜
条件は、基板温度が600℃、スパッタガスはAr(9
0%)と酸素(10%)の混合ガスで、ガス圧は0.9
Pa、高周波投入パワー密度は2.0W/cm2(13.
56MHz)であった。膜の厚さは3μmであった。
【0026】PbTiO3の組成の焦電体13の場合、
プラズマ励起MO−CVD成膜装置により形成した。基
板加熱ヒータによってあらかじめ、(100)MgO単
結晶基板である基板11を、 450 ℃に加熱した。一
方、原料気化容器に鉛ジピバロイルメタン;Pb(C11
1922を入れ、130℃に保持したオイルバスを用
いて加熱した。別の原料気化容器にテトラ−イソ−プロ
ピルチタナート;Ti(i−C37O)4を入れ、50
℃に保持したオイルバスを用いて加熱した。このように
加熱することによって気化した鉛ジピバロイルメタンと
テトラ−イソ−プロピルチタナートの蒸気を、キャリア
ガスボンベから10ml/minの流速のキャリアガス
(窒素)を用いて、反応チャンバー内に流し入れた。ま
た、反応ガスとして反応ガスボンベから酸素ガスを40
ml/minで流し、これを途中で混ぜて反応チャンバ
ー内に吹出ノズルを介して流し入れた。このとき、反応
チャンバー内は、その排気系から真空排気されることで
3.90Paの真空度に保持した。
【0027】以上のような状態において、RF側電極に
13.56MHzで400Wの高周波を100分間印加
することによって、アース側電極との間にプラズマを発
生させ、基板11の片側表面上に(100)面に結晶配
向したPbTiO3焦電体を形成した。膜厚は3μmで
あった。この成膜中、基板11を基板回転モータによっ
て120rpmの速度で回転した。
【0028】成膜後、焦電体13を、HF−HNO3
溶液をエッチャントとしてウエットエッチングを行っ
た。エッチング時間は、5〜10分程度であった。続い
て、Pt受光電極を反応性イオンエッチング(RIE)
によりパターンニングを行った。反応ガスには、CF4
を用いた。エッチング時間は、5分程度であった。
【0029】この後、基板全面に、有機絶縁膜14とし
てポリイミド樹脂を、スピンコートにより塗布し、フォ
トリソにより焦電体13上にコンタクトホールを形成
後、硬化させた。
【0030】続いて、基板11である(100)MgO
単結晶基板をオルトリン酸水溶液にてウエットエッチン
グし、焦電体13が概ね中央部に配置されるように第一
基板に基板開孔部15を形成した。この工程は、約5時
間を要した。なお、基板の非開孔部分はレジストを塗布
してエッチングを防止した。基板開孔部分は、当方性エ
ッチングにより形成されるため、テーパー状に形成され
る。
【0031】最後に、有機絶縁膜14上に、引き出し電
極16として2000AのNi−Cr薄膜をスパッタリ
ング法により形成し、その引き回し部分をフォトリソグ
ラフィーによりパターンニングした。引き出し電極は、
コンタクトホールを介して焦電体と接続されている。な
お、赤外線は基板の開孔部を介して入射する。
【0032】従来、焦電体であるチタン酸鉛系の材料
は、パターンニングが困難であり、メタルマスクにより
パターン形成を行って、赤外線検出器を製造していた。
従って、素子の小型化が困難であり、またパターン精度
も低かった。
【0033】しかし、ウエットエッチングにより焦電体
をパターンニングすることにより、高精度で微細加工が
可能である。しかも、エッチングのストッパー層とし
て、Pt膜が設けられており、オーバーエッチングによ
る基板へのダメージが発生しない。このため、製造プロ
セスにおいて、引き出し電極の切断といった問題が発生
しない。さらに、Pt膜が(100)面配向しているた
め、焦電体が分極軸に配向させることが可能となり、検
出器の高感度化の点で有効である。また、Pt膜の厚さ
が小さいために、赤外線の受光電極としても使用可能で
ある。従って、エッチングスットパー層と受光電極を兼
用することにより、低コスト化が図れる点でも有効であ
る。さらに、基板上に受光電極および引き出し電極を形
成するために、従来例のように、基板開孔部分のテーパ
ー状壁に電極を作製する必要がない。従って、電極作製
が容易であり、かつ、断線の発生が非常に生じにくい点
でも有効である。
【0034】本実施例では、MgO基板の開孔部をエッ
チングにて作製後、引き出し電極を作製した。これは、
基板除去による焦電体の応力緩和による断線の可能性
や、エッチャントによる電極へのダメージを考慮したも
のである。しかし、有機絶縁膜の機械特性や、電極の耐
エッチャント性を検討すれば、引き出し電極の作製と基
板開孔部の作製のプロセス順序を入れ換えても問題がな
いことは明かである。
【0035】(実施例2)図3に、本発明の他の実施例
の焦電型赤外線検出器の断面図を、図4にその作製プロ
セスを示す。基板21として(100)MgO単結晶基
板を用いた。
【0036】基板21の上に、厚さ1200Aの(10
0)面配向したしPtの引き出し電極22を高周波マグ
ネトロンスパッタ装置を用いて成膜した。成膜条件は、
実施例1と同じである。成膜時間は45分であった。
【0037】さらに、引き出し電極22上に、Pb0.9
La0.1Ti0.9753、またはPbTiO3なる組成の焦
電体23を形成した。その成膜方法は実施例1と同条件
で行った。
【0038】成膜後、焦電体23を、HF−HNO3
溶液をエッチャントとしてウエットエッチングを行いパ
ターンニングを実施した。エッチング時間は、5〜10
分程度であった。続いて、Pt引き出し電極を反応性イ
オンエッチング(RIE)によりパターンニングを行っ
た。反応ガスには、CF4を用いた。
【0039】この後、基板全面に、有機絶縁膜24とし
てポリイミド樹脂を、スピンコートにより塗布し、フォ
トリソにより焦電体23上にコンタクトホールを形成
後、硬化させた。
【0040】続いて、基板21である(100)MgO
単結晶基板をオルトリン酸水溶液にてウエットエッチン
グし、焦電体23が概ね中央部に配置されるように基板
に基板開孔部25を形成した。所用時間は、約5時間で
あった。なお、基板の非開孔部分はレジストを塗布して
エッチングを防止した。基板開孔部分は、当方性エッチ
ングにより形成されるため、テーパー状に形成される。
【0041】最後に、有機絶縁膜24上に、受光電極2
6として150AのNi−Cr薄膜をスパッタリング法
により形成し、その引き回し部分をフォトリソグラフィ
ーによりパターンニングした。受光電極は、コンタクト
ホールを介して焦電体と接続されている。
【0042】従来、焦電体であるチタン酸鉛系の材料
は、パターンニングが困難であり、メタルマスクにより
パターン形成を行って、赤外線検出器を製造していた。
従って、素子の小型化が困難であり、またパターン精度
も低かった。
【0043】しかし、ウエットエッチングにより焦電体
をパターンニングすることにより、高精度で微細加工が
可能である。しかも、エッチングのストッパー層とし
て、Pt膜が設けられており、オーバーエッチングによ
る基板へのダメージが発生しない。このため、製造プロ
セスにおいて、受光電極の切断といった問題が発生しな
い。さらに、Pt膜が(100)面配向しているため、
焦電体が分極軸に配向させることが可能となり、検出器
の高感度化の点で有効である。また、エッチングスット
パー層と引き出し電極を兼用することにより、低コスト
化が図れる点でも有効である。さらに、基板上に受光電
極および引き出し電極を形成するために、従来例のよう
に、基板開孔部分のテーパー状壁に電極を作製する必要
がない。従って、電極作製が容易であり、かつ、断線の
発生が非常に生じにくい点でも有効である。
【0044】(実施例3)図5に、本発明の他の実施例
の焦電型赤外線検出器の断面図を、図6にその作製プロ
セスを示す。第1基板31として(100)面配向Mg
O単結晶基板を用いた。
【0045】第1基板31の上に、厚さ1200Aの
(100)面配向したしPtの引き出し電極32を高周
波マグネトロンスパッタ装置を用いて成膜した。成膜条
件は、実施例1と同じである。成膜時間は45分であっ
た。
【0046】さらに、引き出し電極32上に、Pb0.9
La0.1Ti0.9753、またはPbTiO3なる組成の焦
電体33を形成した。その成膜方法は実施例1と同条件
で行った。
【0047】成膜後、焦電体33を、HF−HNO3
溶液をエッチャントとしてウエットエッチングを行い、
パターンニングを実施した。エッチング時間は、5〜1
0分程度であった。続いて、Pt引き出し電極を反応性
イオンエッチング(RIE)によりパターンニングを行
った。反応ガスには、CF4を用いた。エッチング時間
は40〜45分であった。
【0048】この後、この全面に、有機絶縁膜34とし
てポリイミド樹脂を、スピンコートにより塗布し、フォ
トリソにより焦電体33上にコンタクトホールを形成
後、硬化させた。有機絶縁膜34上に、受光電極35と
して150AのNi−Cr薄膜をスパッタリング法によ
り形成し、その引き回し部分をフォトリソグラフィーに
よりパターンニングした。受光電極は、コンタクトホー
ルを介して焦電体と接続されている。続いて、第1基板
全面を覆うように、有機絶縁膜と受光電極上に樹脂膜3
6としてポリイミド樹脂をコーティングした。
【0049】次に、接着層37としてエポキシ樹脂ある
いはシリコーン樹脂を塗布し、開孔部を設けた基板であ
る第2基板38と貼合わせた後に、樹脂膜36と接着層
37を完全に接着硬化させた。続いて、第1基板31で
ある(100)MgO単結晶基板をリン酸水溶液により
エッチング除去することにより、第1基板31を樹脂膜
36から分離した。所用時間は、4〜5時間であった。
【0050】ここで、第2基板38として、Ag−Pd
導電性ペーストの配線パターンを設けたアルミナ基板を
用いた。これにより、同一基板上に焦電体と周辺回路を
実装でき、素子の小型化が図れた。
【0051】従来、焦電体であるチタン酸鉛系の材料
は、パターンニングが困難であり、メタルマスクにより
パターン形成を行い、赤外線検出器を製造していた。従
って、素子の小型化が困難であり、またパターン精度も
低かった。
【0052】しかし、ウエットエッチングにより焦電体
をパターンニングすることにより、高精度で微細加工が
可能である。しかも、エッチングのストッパー層とし
て、Pt膜が設けられており、オーバーエッチングによ
る第1基板へのダメージが発生しない。このため、製造
プロセスにおいて、引き出し電極の切断といった問題が
発生しない。さらに、Pt膜が(100)面配向してい
るため、焦電体が分極軸に配向させることが可能とな
り、検出器の高感度化の点で有効である。また、エッチ
ングスットパー層と引き出し電極を兼用することによ
り、低コスト化が図れる点でも有効である。
【0053】(実施例4)図7に、本発明の他の実施例
の焦電型赤外線検出器の断面図を、図8にその作製プロ
セスを示す。第1基板41として、ステンレス金属基板
(熱膨張係数18×10-6-1)を用いた。
【0054】第1基板41の上に(100)面に結晶配
向した、MgOまたは、NiO薄膜のNaCl型酸化物
下地膜42を、プラズマ励起MO−CVD法または、高
周波スパッタリング法により形成した。プラズマ励起M
O−CVD成膜装置は、反応チャンバー内に平行に配置
した二つの電極間に高周波によってプラズマを発生さ
せ、その中で有機金属の原料ガスを分解して第1基板上
に化学蒸着(CVD)することで薄膜を形成する装置で
ある。ここで、この第1基板は、アース側電極に片側面
が密着して保持され、基板加熱ヒータによってあらかじ
め350 ℃に加熱された状態にした。
【0055】一方、原料気化容器にマグネシウムアセチ
ルアセトナート;Mg(C5722を入れ、190℃
に保持したオイルバスを用いて加熱した。このように加
熱することによって気化したマグネシウムアセチルアセ
トナートの蒸気を、キャリアガスボンベから10ml/
minの流速のキャリアガス(窒素)を用いて、反応チ
ャンバー内に流し入れた。また、反応ガスボンベから反
応ガスとして酸素ガスを12ml/minで流し、これ
を途中で混ぜて反応チャンバー内に吹出ノズルを介して
流し入れた。このとき、反応チャンバー内は、その排気
系から真空排気されることで7.90Paの真空度に保
持した。
【0056】以上のような状態において、RF側電極に
13.56MHzで400Wの高周波を10分間印加す
ることによって、アース側電極との間にプラズマを発生
させ、第1基板の片側表面上に(100)面に結晶配向
したMgO薄膜を形成した。この成膜中、第1基板41
を基板回転モータによって120rpmの速度で回転し
た。このような方法で基板に対して垂直方向に(10
0)面に結晶配向したMgO薄膜のNaCl型酸化物下
地膜42を厚み2000オングストロームで成膜した。
【0057】プラズマ励起MO−CVD法によるNiO
下地膜の作製方法を以下に示す。基板加熱ヒータによっ
てあらかじめ 350 ℃に加熱された状態にした。一
方、原料気化容器にニッケルアセチルアセトナート;N
i(C57222Oを入れ、160℃に保持したオ
イルバスを用いて加熱した。このように加熱することに
よって気化したニッケルアセチルアセトナートの蒸気
を、キャリアガスボンベから35ml/minの流速の
キャリアガス(窒素)を用いて、反応チャンバー内に流
し入れた。また、反応ガスボンベから反応ガスとして酸
素ガスを15ml/minで流し、これを途中で混ぜて
反応チャンバー内に吹出ノズルを介して流し入れた。こ
のとき、反応チャンバー内は、7.90Paの真空度に
保持した。
【0058】以上のような状態において、RF側電極に
13.56MHzで400Wの高周波を10分間印加す
ることによって、アース側電極との間にプラズマを発生
させ、基板の片側表面上に(100)面に結晶配向した
NiO薄膜を形成した。この成膜中、第1基板41を基
板回転モータによって120rpmの速度で回転した。
【0059】このような方法で基板に対して垂直方向に
(100)面に結晶配向したNiO薄膜のNaCl型酸
化物下地膜42を厚み2000オングストロームで成膜
した。
【0060】さらに、NaCl型配向下地膜を高周波マ
グネトロンスパッタ法で作製した場合の条件を以下に示
す。
【0061】MgO作製には、MgO焼結体(純度9
9.9%)をターゲットとして使用した。スパッタの成
膜条件は、基板温度が600℃、スパッタガスはAr
(50%)と酸素(50%)の混合ガスで、ガス圧は
0.7Pa、高周波投入パワー密度は2.5W/cm
2(13.56MHz)で、成膜時間は1時間であっ
た。膜の厚さは0.2μmであった。
【0062】また、NiOの作製には、NiO粉末(純
度99.9%)を銅製皿に入れて、ターゲットとして用
いた。スパッタ成膜条件は、基板温度が600℃、スパ
ッタガスはAr(60%)と酸素(40%)の混合ガス
で、ガス圧は1.1Pa、高周波投入パワー密度は2.
5W/cm2(13.56MHz)で、成膜時間は1.5
時間であった。膜の厚さは0.2μmであった。
【0063】基板に対して垂直方向に(100)面に結
晶配向したMgOおよびNiO薄膜のNaCl型酸化物
下地膜42を形成後、その上に、厚さ1200Aの(1
00)面配向のPt引き出し電極43を作製した。成膜
方法は、実施例1と同様である。成膜時間は、45分で
あった。続いて、Pb0.9La0.1Ti0.9753、または
PbTiO3の組成を持つ焦電体44を、高周波マグネ
トロンスパッタ法により、実施例1と同様にして作製し
た。
【0064】成膜後、焦電体44を、HF−HNO3
溶液をエッチャントとしてウエットエッチングを行い、
パターンニングを実施した。エッチング時間は、5〜1
0分程度であった。続いて、Pt引き出し電極を反応性
イオンエッチング(RIE)によりパターンニングを行
った。反応ガスには、CF4を用いた。エッチング時間
は40〜45分であった。
【0065】この後、この全面に、有機絶縁膜45とし
てポリイミド樹脂を、スピンコートにより塗布し、フォ
トリソにより焦電体44上にコンタクトホールを形成
後、硬化させた。有機絶縁膜45上に、受光電極46と
して150AのNi−Cr薄膜をスパッタリング法によ
り形成し、その引き回し部分をフォトリソグラフィーに
よりパターンニングした。受光電極は、コンタクトホー
ルを介して焦電体と接続されている。続いて、第1基板
全面を覆うように、有機絶縁膜と受光電極上に樹脂膜4
7としてポリイミド樹脂をコーティングした。
【0066】次に、接着層48としてエポキシ樹脂ある
いはシリコーン樹脂を塗布し、開孔部を設けた基板であ
る第2基板49と貼合わせた後に、樹脂膜47と接着層
48を完全に接着硬化させた。続いて、NaCl型酸化
物下地膜42である(100)面配向のMgOまたはN
iO薄膜をリン酸水溶液によりエッチング分離、除去す
ることにより、第1基板41を樹脂膜47から分離し
た。NiO下地膜の場合には、硝酸セリウムアンモニウ
ム水溶液もエッチャントとして使用した。
【0067】ここで、第2基板49として、Ag−Pd
導電性ペーストの配線パターンを設けたアルミナ基板を
用いた。これにより、同一基板上に焦電体と周辺回路を
実装でき、素子の小型化が図れた。
【0068】第1基板の種類、焦電体の種類、NaCl
型酸化物下地膜の種類および作製方法について、(表
1)および(表2)にまとめた。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】MgO単結晶基板はサイドエッチングを受
け、均一なエッチングが難しく、エッチングむらや、焦
電体へのダメージにもつながっていた。しかも、MgO
単結晶基板の厚さが、通常300〜500μm程度であ
る。そのために、エッチングプロセス時間が、リン酸水
溶液を用いた場合には数時間、具体的には5時間程度を
要していた。さらにエッチングの均一性の制御が大変困
難であった。そこで発明の実施例のように、第1基板4
1の上に(100)面に結晶配向したNaCl型酸化物
下地膜42を2000オングストローム程度の厚さで形
成することにより、エッチング除去する層の厚さが減少
するので、エッチングプロセス時間が短縮できた。さら
に、プラズマ励起MO−CVDによって成膜したMg
O、およびNiO薄膜は柱状構造の多結晶薄膜であり、
MgO単結晶基板に比べてエッチングレートが非常に大
きかった。従って、本発明のようにエッチングする酸化
物下地膜42の両面が他の材料で覆われている場合で
も、側面方向からのサイドエッチングにより、容易に、
しかも所要時間の短縮化が可能である。具体的には、7
0分程度で、酸化物下地膜42をエッチングできた。ま
た、エッチングプロセス時間の短縮により、エッチング
の均一性の制御も非常に容易になった。
【0072】さらに、種々の材料の第一基板41上に配
向性酸化物薄膜を形成し、この配向性酸化物薄膜上に焦
電体を形成して焦電型赤外線検出器を作製した。第一基
板41として、アルミナの焼結体基板、ガラス基板(コ
ーニング7059)、Si(100),Si(111)
単結晶基板、セラミックガラスを用いた。第一基板41
の材料を様々に選べるため、大幅な低コスト化が可能で
ある。
【0073】(実施例5)図9に、本発明の他の実施例
の焦電型赤外線検出器の断面図を、図10にその作製プ
ロセスを示す。第1基板51として(100)MgO単
結晶基板を用いた。
【0074】第1基板51の上に、厚さ150Aの(1
00)面配向したしPtの受光電極52を高周波マグネ
トロンスパッタ装置を用いて成膜した。成膜条件は、実
施例1と同じである。成膜時間は5分であった。
【0075】さらに、受光電極52上に、Pb0.9La
0.1Ti0.9753、またはPbTiO 3なる組成の焦電体
53を形成した。その成膜方法は実施例1と同条件で行
った。
【0076】成膜後、焦電体53を、HF−HNO3
溶液をエッチャントとしてウエットエッチングを行いパ
ターンニングを実施した。エッチング時間は、5〜10
分程度であった。続いて、Pt引き出し電極を反応性イ
オンエッチング(RIE)によりパターンニングを行っ
た。反応ガスには、CF4を用いた。エッチング時間
は、5分程度であった。
【0077】この後、この全面に、有機絶縁膜54とし
てポリイミド樹脂を、スピンコートにより塗布し、フォ
トリソにより焦電体53上にコンタクトホールを形成
後、硬化させた。有機絶縁膜54上に、引き出し電極5
5として2000AのNi−Cr薄膜をスパッタリング
法により形成し、その引き回し部分をフォトリソグラフ
ィーによりパターンニングした。引き出し電極は、コン
タクトホールを介して焦電体と接続されている。続い
て、第1基板全面を覆うように、有機絶縁膜と引き出し
電極上に樹脂膜56としてポリイミド樹脂をコーティン
グした。
【0078】次に、接着層57としてエポキシ樹脂ある
いはシリコーン樹脂を塗布し、開孔部を設けた基板であ
る第2基板58と貼合わせた後に、樹脂膜56と接着層
57を完全に接着硬化させた。続いて、第1基板51で
ある(100)MgO単結晶基板をリン酸水溶液により
エッチング除去することにより、第1基板51を樹脂膜
56から分離した。所用時間は、4〜5時間であった。
【0079】ここで、第2基板58として、Ag−Pd
導電性ペーストの配線パターンを設けたアルミナ基板を
用いた。これにより、同一基板上に焦電体と周辺回路を
実装でき、素子の小型化が図れた。
【0080】従来、焦電体であるチタン酸鉛系の材料
は、パターンニングが困難であり、メタルマスクにより
パターン形成を行い、赤外線検出器を製造していた。従
って、素子の小型化が困難であり、またパターン精度も
低かった。
【0081】しかし、ウエットエッチングにより焦電体
をパターンニングすることにより、高精度で微細加工が
可能である。しかも、エッチングのストッパー層とし
て、Pt膜が設けられており、オーバーエッチングによ
る第1基板へのダメージが発生しない。このため、製造
プロセスにおいて、引き出し電極の切断といった問題が
発生しない。さらに、Pt膜が(100)面配向してい
るため、焦電体が分極軸に配向させることが可能とな
り、検出器の高感度化の点で有効である。また、エッチ
ングスットパー層と引き出し電極を兼用することによ
り、低コスト化が図れる点でも有効である。
【0082】(実施例6)図11に、本発明の他の実施
例の焦電型赤外線検出器の断面図を、図12にその作製
プロセスを示す。第1基板61として、ステンレス金属
基板(熱膨張係数18×10-6-1)を用いた。
【0083】第1基板61の上に(100)面に結晶配
向した、MgOまたは、NiO薄膜のNaCl型酸化物
下地膜62を、プラズマ励起MO−CVD法または高周
波スパッタリング法により形成した。成膜条件は実施例
4と同様に行った。
【0084】基板に対して垂直方向に(100)面に結
晶配向したMgOおよびNiO薄膜のNaCl型酸化物
下地膜62を形成後、その上に、厚さ150Aの(10
0)面配向のPtの受光電極63を作製した。成膜方法
は、実施例1と同様である。成膜時間は5分であった。
続いて、Pb0.9La0.1Ti0.9753またはPbTiO
3なる組成を持つ焦電体64を、高周波マグネトロンス
パッタ法により、実施例1と同様にして作製した。
【0085】成膜後、焦電体64を、HF−HNO3
溶液をエッチャントとしてウエットエッチングを行い、
パターンニングを実施した。エッチング時間は、5〜1
0分程度であった。続いて、Pt受光電極を反応性イオ
ンエッチング(RIE)によりパターンニングを行っ
た。反応ガスには、CF4を用いた。エッチング時間は
5分程度であった。
【0086】この後、この全面に、有機絶縁膜65とし
てポリイミド樹脂を、スピンコートにより塗布し、フォ
トリソにより焦電体64上にコンタクトホールを形成
後、硬化させた。有機絶縁膜65上に、引き出し電極6
6として2000AのNi−Cr薄膜をスパッタリング
法により形成し、その引き回し部分をフォトリソグラフ
ィーによりパターンニングした。引き出し電極は、コン
タクトホールを介して焦電体と接続されている。続い
て、第1基板全面を覆うように、有機絶縁膜と引き出し
電極上に樹脂膜67としてポリイミド樹脂をコーティン
グした。
【0087】次に、接着層68としてエポキシ樹脂ある
いはシリコーン樹脂を塗布し、開孔部を設けた基板であ
る第2基板69と貼合わせた後に、樹脂膜67と接着層
68を完全に接着硬化させた。続いて、NaCl型酸化
物下地膜62である(100)面配向のMgOまたはN
iO薄膜をリン酸水溶液によりエッチング除去すること
により、第1基板61を樹脂膜67から分離した。Ni
O下地膜の場合には、硝酸セリウムアンモニウム水溶液
もエッチャントとして使用した。
【0088】ここで、第2基板69として、Ag−Pd
導電性ペーストの配線パターンを設けたアルミナ基板を
用いた。これにより、同一基板上に焦電体と周辺回路を
実装でき、素子の小型化が図れた。
【0089】第1基板の種類、焦電体の種類、NaCl
型酸化物下地膜の種類および作製方法について(表1)
および(表2)にまとめた。
【0090】MgO単結晶基板はサイドエッチングを受
け、均一なエッチングが難しく、エッチングむらや、焦
電体へのダメージにもつながっていた。しかも、MgO
単結晶基板の厚さが、通常300〜500μm程度であ
る。そのために、エッチングプロセス時間が、リン酸水
溶液を用いた場合には数時間、具体的には5時間程度を
要していた。さらにエッチングの均一性の制御が大変困
難であった。そこで本発明の実施例のように、第1基板
61の上に(100)面に結晶配向したNaCl型酸化
物下地膜62を2000オングストローム程度の厚さで
形成することにより、エッチング除去する層の厚さが減
少するので、エッチングプロセス時間が短縮できた。さ
らに、プラズマ励起MO−CVDによって成膜したMg
O、およびNiO薄膜は柱状構造の多結晶薄膜であり、
MgO単結晶基板に比べてエッチングレートが非常に大
きかった。従って、本発明のようにエッチングする酸化
物下地膜62の両面が他の材料で覆われている場合で
も、側面方向からのサイドエッチングにより、容易に、
しかも所要時間の短縮化が可能である。具体的には、7
0分程度で、酸化物下地膜62をエッチングできた。ま
た、エッチングプロセス時間の短縮により、エッチング
の均一性の制御も非常に容易になった。
【0091】さらに、種々の材料の第一基板61上に配
向性酸化物薄膜を形成し、この配向性酸化物薄膜上に焦
電体を形成して焦電型赤外線検出器を作製した。第一基
板61として、アルミナの焼結体基板、ガラス基板(コ
ーニング7059)、Si(100),Si(111)
単結晶基板、セラミックガラスを用いた。第一基板61
の材料を様々に選べるため、大幅な低コスト化が可能で
ある。
【0092】なお、本実施例1から6において、1個の
焦電体からなる焦電型赤外線検出器について示している
が、焦電体を複数個配置した素子の作製についても同様
の効果が得られることは明らかである。また、本実施1
から6において、焦電体としてPb0.9La0.1Ti
0.9753、またはPbTiO3を用いた例を示した。し
かし、他の組成の焦電体を用いた場合にも、同様の効果
が得られることは明らかである。また、本実施例1から
6において、焦電体の形成方法として、プラズマ励起M
O−CVD法または、高周波マグネトロンスパッタ法を
用いた実施例を示したが、他の形成方法を用いた場合
も、同様の効果が得られることは明らかである。さら
に、本実施例4および6において、第1基板として、ガ
ラス基板(コーニング7059)、単結晶シリコン板で
(100)および(111)面を切り出したもの、アル
ミナ(Al23)の焼結体基板、およびステンレス金属
基板、セラミックガラス基板を用いたが、本実施例の成
膜条件でも使用可能な他の基板でも同様の効果が得られ
ることは明らかである。
【0093】
【発明の効果】以上のように本発明の焦電型赤外線検出
器は、基板と、受光電極と、引き出し電極と、焦電体と
有機絶縁膜とを備え、前記基板に開孔部分が設けられて
おり、前記基板上に受光電極が設けられ、前記受光電極
上に焦電体が設けられ、前記基板全面を覆うように有機
絶縁膜が形成され、引き出し電極が前記有機絶縁膜に形
成されたコンタクトホールを介して前記焦電体に接続さ
れており、前記焦電体の大きさが前記基板に設けられた
開孔部分よりも小さくかつ基板に設けられた開孔部分の
概ね中央に設けられており、前記基板の開孔部分を介し
て受光電極へ赤外線を入射させる。
【0094】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、基板上に受光電極と、さらにこの上に焦電体を
作製し、焦電体と受光電極を順次パターンニングをした
後、この上から前記基板全体を覆うように有機絶縁膜を
作製し、有機絶縁膜にコンタクトホールを形成し、基板
をエッチングして焦電体よりも大きい部分を除去後、引
き出し電極を有機絶縁膜上に作製して焦電体と接続する
ことである。
【0095】本発明は上記構成により、受光電極に膜厚
500A以下の(100)面配向Pt膜を使用すること
により、受光電極を、焦電体のウエットエッチングする
際のストッパー層として作用することが可能である。こ
の結果、基板にダメージを与えることなく精度良く焦電
体をパターンニングできるため、製造歩留まりの向上お
よび、素子の小型化の点で有効である。さらに、エッチ
ングのストッパー層が、受光電極を兼ねているので低コ
スト化の点でも有効である。また、この受光電極は焦電
体を分極軸方向に配向させることが可能であり、検出器
の高感度化の点でも有効である。
【0096】さらに、本発明の焦電型赤外線検出器は、
基板と、受光電極と、引き出し電極と、焦電体と有機絶
縁膜とを備え、前記基板に開孔された部分が設けられて
おり、前記基板上に引き出し電極が設けられ、前記引き
出し電極上に焦電体が設けられ、前記基板の全面を覆う
ように有機絶縁膜が形成され、受光電極が前記有機絶縁
膜に形成されたコンタクトホールを介して前記焦電体に
接続されており、前記焦電体の大きさが前記基板に設け
られた開孔部分よりも小さくかつ基板に設けられた開孔
部分の概ね中央に設けられている。
【0097】本発明の焦電型赤外線検出器の製造方法
は、基板上に引き出し電極と、さらにこの上に焦電体を
作製し、焦電体と引き出し電極を順次パターンニングを
した後、この上から前記基板全体を覆うように有機絶縁
膜を作製し、有機絶縁膜にコンタクトホールを形成し、
基板をエッチングして焦電体よりも大きい部分を除去
後、受光電極を樹脂膜上に作製して焦電体と接続するこ
とである。
【0098】本発明は上記構成により、引き出し電極に
膜厚500A以上の(100)面配向Pt膜を使用する
ことにより、引き出し電極を、焦電体のウエットエッチ
ングする際のストッパー層として作用することが可能で
ある。この結果、基板にダメージを与えることなく精度
良く焦電体をパターンニングできるため、製造歩留まり
の向上および、素子の小型化の点で有効である。さら
に、エッチングのストッパー層が、引き出し電極を兼ね
ているので低コスト化の点でも有効である。また、この
引き出し電極は焦電体を分極軸方向に配向させることが
可能であり、検出器の高感度化の点でも有効である。
【0099】さらに、本発明の焦電型赤外線検出器は、
開孔部を設けた基板と、樹脂膜と、前記基板に設けられ
た開孔部より小さい焦電体と、受光電極と、引き出し電
極と、有機絶縁膜を備え、前記基板の開孔部全面を覆う
ように前記樹脂膜が接着支持され、前記樹脂膜上に受光
電極が形成され、前記受光電極上に有機絶縁膜が設けら
れており、有機絶縁膜上に焦電体が設けられており、焦
電体上に引き出し電極が設けられており、受光電極が有
機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して焦電体
に接続されており、前記焦電体が前記基板の開孔形状部
の概ね中央に設けられており、前記基板の開孔部を介し
て受光電極へ赤外線を入射させることを特徴とする。
【0100】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、第1基板上に引き出し電極と、さらにこの上に
焦電体を作製し、焦電体と引き出し電極を順次パターン
ニングをした後、この上から焦電体と引き出し電極を覆
うようにコンタクトホールを設けた有機絶縁膜を作製
し、受光電極を前記有機絶縁膜上に形成して焦電体と接
続させた後、前記第1基板全体を覆うように樹脂膜を有
機絶縁膜と受光電極上に作製し、樹脂膜上に第2基板で
ある開孔部を設けた基板を接着した後に、第1基板をエ
ッチングすることにより、第1基板を分離、除去するこ
とを特徴とする。
【0101】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、第1基板上に配向性酸化物下地膜を形成し、そ
の上に引き出し電極と、さらにこの上に焦電体を作製
し、焦電体と引き出し電極を順次パターンニングをした
後、この上から焦電体と引き出し電極を覆うようにコン
タクトホールを設けた有機絶縁膜を作製し、受光電極を
前記有機絶縁膜上に形成して焦電体と接続させた後、前
記第1基板全体を覆うように樹脂膜を有機絶縁膜と受光
電極上に作製し、樹脂膜上に第2基板である開孔部を設
けた基板を接着した後に、配向性酸化物下地膜をエッチ
ングすることにより、第1基板を分離、除去することを
特徴とする。
【0102】さらに、本発明の焦電型赤外線検出器は、
開孔部を設けた基板と、樹脂膜と、前記基板に設けられ
た開孔部より小さい焦電体と、受光電極と引き出し電極
と、有機絶縁膜を備え、前記基板の開孔部全面を覆うよ
うに前記樹脂膜が接着支持され、前記樹脂膜上に引き出
し電極が形成され、前記引き出し電極上に有機絶縁膜が
設けられており、有機絶縁膜上に焦電体が設けられてお
り、焦電体上に受光電極が設けられており、引き出し電
極が有機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して
焦電体に接続されており、前記焦電体が前記基板の開孔
形状部の概ね中央に設けられていることを特徴とする。
【0103】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、第1基板上に受光電極と、さらにこの上に焦電
体を作製し、焦電体と受光電極を順次パターンニングを
した後、この上から焦電体と受光電極を覆うようにコン
タクトホールを設けた有機絶縁膜を作製し、引き出し電
極を前記有機絶縁膜上に形成して焦電体と接続させた
後、前記第1基板全体を覆うように樹脂膜を有機絶縁膜
と引き出し電極上に作製し、この上に第2基板である開
孔部を設けた基板を接着した後に、第1基板をエッチン
グすることにより、第1基板を分離、除去することを特
徴とする。
【0104】また、本発明の焦電型赤外線検出器の製造
方法は、第1基板上に配向性酸化物下地膜を形成し、そ
の上に受光電極と、さらにこの上に焦電体を作製し、焦
電体と受光電極を順次パターンニングをした後、この上
から焦電体と受光電極を覆うようにコンタクトホールを
設けた有機絶縁膜を作製し、引き出し電極を前記有機絶
縁膜上に形成して焦電体と接続させた後、前記第1基板
全体を覆うように樹脂膜を有機絶縁膜と引き出し電極上
に作製し、樹脂膜上に第2基板である開孔部を設けた基
板を接着した後に、配向性酸化物下地膜をエッチングす
ることにより、第1基板を分離、除去することを特徴と
する。
【0105】本発明は上記構成により、第1基板上に形
成した配向性酸化物下地膜をエッチングすることによ
り、第1基板を分離、除去するために、エッチングプロ
セス時間の短縮が可能となる点で有効である。さらに、
下地基板にかかわらず、容易に基板に対して垂直方向に
(100)面が配向したNaCl結晶構造の各種の酸化
物下地膜が得られる。従って、いろいろな材料の基板の
上に(100)面が結晶配向したMgOあるいは、Ni
O薄膜を形成できる。配向性酸化物下地膜を形成する第
1基板の選択により、製造コストを大幅に減少させるこ
とが可能な点でも有効である。さらに、基板上に(10
0)面配向のNaCl結晶型酸化物下地電極膜を形成す
ることにより、酸化物下地電極膜上に作製する焦電体と
の格子定数のミスフィットとの整合を図ることが可能で
あり、焦電体の配向性が向上する。そのため、検出器の
高感度化の点でも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の焦電型赤外線検出器の断面図
【図2】実施例1の焦電型赤外線検出器の製造プロセス
の断面図
【図3】実施例2の焦電型赤外線検出器の断面図
【図4】実施例2の焦電型赤外線検出器の製造プロセス
の断面図
【図5】実施例3の焦電型赤外線検出器の断面図
【図6】実施例3の焦電型赤外線検出器の製造プロセス
の断面図
【図7】実施例4の焦電型赤外線検出器の断面図
【図8】実施例4の焦電型赤外線検出器の製造プロセス
の断面図
【図9】実施例5の焦電型赤外線検出器の断面図
【図10】実施例5の焦電型赤外線検出器の製造プロセ
スの断面図
【図11】実施例6の焦電型赤外線検出器の断面図
【図12】実施例6の焦電型赤外線検出器の製造プロセ
スの断面図
【符号の説明】
11 基板 12 受光電極 13 焦電体 14 有機絶縁膜 15 基板開孔部 16 引き出し電極 21 基板 22 引き出し電極 23 焦電体 24 有機絶縁膜 25 基板開孔部 26 受光電極 31 第1基板 32 引き出し電極 33 焦電体 34 有機絶縁膜 35 受光電極 36 樹脂膜 37 接着層 38 第2基板 41 第1基板 42 酸化物下地膜 43 引き出し電極 44 焦電体 45 有機絶縁膜 46 受光電極 47 樹脂膜 48 接着層 49 第2基板 51 第1基板 52 受光電極 53 焦電体 54 有機絶縁膜 55 引き出し電極 56 樹脂膜 57 接着層 58 第2基板 61 第1基板 62 酸化物下地膜 63 受光電極 64 焦電体 65 有機絶縁膜 66 引き出し電極 67 樹脂膜 68 接着層 69 第2基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友澤 淳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 出口 隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、受光電極と、引き出し電極と、焦
    電体と有機絶縁膜とを備え、前記基板に開孔部分が設け
    られており、前記基板上に受光電極が設けられ、前記受
    光電極上に焦電体が設けられ、前記基板の全面を覆うよ
    うに焦電体上に有機絶縁膜が形成され、引き出し電極が
    前記有機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して
    前記焦電体に接続されており、前記焦電体の大きさが前
    記基板に設けられた開孔部分よりも小さくかつ基板に設
    けられた開孔部分の概ね中央に設けられており、前記基
    板の開孔部分を介して受光電極へ赤外線を入射させるこ
    とを特徴とする焦電型赤外線検出器。
  2. 【請求項2】基板と、受光電極と、引き出し電極と、焦
    電体と有機絶縁膜とを備え、前記基板に開孔された部分
    が設けられており、前記基板上に引き出し電極が設けら
    れ、前記引き出し電極上に焦電体が設けられ、前記基板
    の全面を覆うように焦電体上に有機絶縁膜が形成され、
    受光電極が前記有機絶縁膜に形成されたコンタクトホー
    ルを介して前記焦電体に接続されており、前記焦電体の
    大きさが前記基板に設けられた開孔部分よりも小さくか
    つ基板に設けられた開孔部分の概ね中央に設けられてい
    ることを特徴とする焦電型赤外線検出器。
  3. 【請求項3】開孔部を設けた基板と、樹脂膜と、前記基
    板に設けられた開孔部より小さい焦電体と、受光電極
    と、引き出し電極と、有機絶縁膜を備え、前記基板の開
    孔部全面を覆うように前記樹脂膜が接着支持され、前記
    樹脂膜上に受光電極が形成され、前記受光電極上に有機
    絶縁膜が設けられており、有機絶縁膜上に焦電体が設け
    られ、引き出し電極が焦電体上に設けられており、受光
    電極が有機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介し
    て焦電体に接続されており、前記焦電体が前記基板の開
    孔形状部の概ね中央に設けられており、前記基板の開孔
    部を介して受光電極へ赤外線を入射させることを特徴と
    する焦電型赤外線検出器。
  4. 【請求項4】開孔部を設けた基板と、樹脂膜と、前記基
    板に設けられた開孔部より小さい焦電体と、受光電極と
    引き出し電極と、有機絶縁膜を備え、前記基板の開孔部
    全面を覆うように前記樹脂膜が接着支持され、前記樹脂
    膜上に引き出し電極が形成され、前記引き出し電極上に
    有機絶縁膜が設けられており、有機絶縁膜上に焦電体が
    設けられ、受光電極が焦電体上に設けられており、引き
    出し電極が有機絶縁膜に形成されたコンタクトホールを
    介して焦電体に接続されており、前記焦電体が前記基板
    の開孔形状部の概ね中央に設けられていることを特徴と
    する焦電型赤外線検出器。
  5. 【請求項5】前記焦電体が、PbxLayTizZrw3
    で表され、 a)0.7≦x≦1, x+y=1, 0.925≦z
    ≦1, w=0 b)x=1, y=0,0.45≦z<1,z+w=1 c)0.75≦x<1, x+y=1, 0.5≦z<
    1,z+w=1 のいずれかの組成を有する焦電体薄膜材料であることを
    特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の焦電型赤
    外線検出器。
  6. 【請求項6】焦電体を構成する薄膜が、分極軸方向に配
    向していることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    に記載の焦電型赤外線検出器。
  7. 【請求項7】受光電極が、焦電体を構成する薄膜の分極
    軸方向への配向を可能とし、かつ、ウエットエッチング
    が困難な材料であることを特徴とする請求項1または3
    に記載の焦電型赤外線検出器。
  8. 【請求項8】受光電極が、(100)配向Pt薄膜であ
    ることを特徴とする請求項1または3に記載の焦電型赤
    外線検出器。
  9. 【請求項9】受光電極が、膜厚が500オングストロー
    ム以下の(100)配向Pt薄膜であることを特徴とす
    る請求項1または3に記載の焦電型赤外線検出器。
  10. 【請求項10】引き出し電極が、焦電体を構成する薄膜
    の分極軸方向への配向を可能とし、かつ、ウエットエッ
    チングが困難な材料であることを特徴とする請求項2ま
    たは4に記載の焦電型赤外線検出器。
  11. 【請求項11】引き出し電極が、(100)配向Pt薄
    膜であることを特徴とする請求項2または4に記載の焦
    電型赤外線検出器。
  12. 【請求項12】引き出し電極が、膜厚が500A以上の
    (100)配向Pt薄膜であることを特徴とする請求項
    2または4に記載の焦電型赤外線検出器。
  13. 【請求項13】基板上に受光電極と、さらにこの上に焦
    電体を作製し、焦電体と受光電極を順次パターンニング
    をした後、この上から前記基板全体を覆うように有機絶
    縁膜を作製し、有機絶縁膜にコンタクトホールを形成
    し、基板をエッチングして焦電体よりも大きい開孔部分
    を形成後、引き出し電極を有機絶縁膜上に作製して焦電
    体と接続することを特徴とする焦電型赤外線検出器の製
    造方法。
  14. 【請求項14】基板上に引き出し電極と、さらにこの上
    に焦電体を作製し、焦電体と引き出し電極を順次パター
    ンニングをした後、この上から前記基板全体を覆うよう
    に有機絶縁膜を作製し、有機絶縁膜にコンタクトホール
    を形成し、基板をエッチングして焦電体よりも大きい開
    孔部分を形成後、受光電極を樹脂膜上に作製して焦電体
    と接続することを特徴とする焦電型赤外線検出器の製造
    方法。
  15. 【請求項15】第1基板上に引き出し電極と、さらにこ
    の上に焦電体を作製し、焦電体と引き出し電極を順次パ
    ターンニングをした後、この上から焦電体と引き出し電
    極を覆うようにコンタクトホールを設けた有機絶縁膜を
    作製し、受光電極を前記有機絶縁膜上に形成して焦電体
    と接続させた後、前記第1基板全体を覆うように樹脂膜
    を有機絶縁膜と受光電極上に作製し、樹脂膜上に第2基
    板である開孔部を設けた基板を接着した後に、第1基板
    をエッチングすることにより、第1基板を分離、除去す
    ることを特徴とする焦電型赤外線検出器の製造方法。
  16. 【請求項16】第1基板上に配向性酸化物下地膜を形成
    し、その上に引き出し電極と、さらにこの上に焦電体を
    作製し、焦電体と引き出し電極を順次パターンニングを
    した後、この上から焦電体と引き出し電極を覆うように
    コンタクトホールを設けた有機絶縁膜を作製し、受光電
    極を前記有機絶縁膜上に形成して焦電体と接続させた
    後、前記第1基板全体を覆うように樹脂膜を有機絶縁膜
    と受光電極上に作製し、樹脂膜上に第2基板である開孔
    部を設けた基板を接着した後に、配向性酸化物下地膜を
    エッチングすることにより、第1基板を分離、除去する
    ことを特徴とする焦電型赤外線検出器の製造方法。
  17. 【請求項17】第1基板上に受光電極と、さらにこの上
    に焦電体を作製し、焦電体と受光電極を順次パターンニ
    ングをした後、この上から焦電体と受光電極を覆うよう
    にコンタクトホールを設けた有機絶縁膜を作製し、引き
    出し電極を前記有機絶縁膜上に形成して焦電体と接続さ
    せた後、前記第1基板全体を覆うように樹脂膜を有機絶
    縁膜と引き出し電極上に作製し、この上に第2基板であ
    る開孔部を設けた基板を接着した後に、第1基板をエッ
    チングすることにより、第1基板を分離、除去すること
    を特徴とする焦電型赤外線検出器の製造方法。
  18. 【請求項18】第1基板上に配向性酸化物下地膜を形成
    し、その上に受光電極と、さらにこの上に焦電体を作製
    し、焦電体と受光電極を順次パターンニングをした後、
    この上から焦電体と受光電極を覆うようにコンタクトホ
    ールを設けた有機絶縁膜を作製し、引き出し電極を前記
    有機絶縁膜上に形成して焦電体と接続させた後、前記第
    1基板全体を覆うように樹脂膜を有機絶縁膜と引き出し
    電極上に作製し、樹脂膜上に第2基板である開孔部を設
    けた基板を接着した後に、配向性酸化物下地膜をエッチ
    ングすることにより、第1基板を分離、除去することを
    特徴とする焦電型赤外線検出器の製造方法。
  19. 【請求項19】焦電体をウエットエッチングによりパタ
    ーンニングすることを特徴とする請求項13〜18のい
    ずれかに記載の焦電型赤外線検出器の製造方法。
  20. 【請求項20】基板が、焦電体を構成する薄膜の分極軸
    方向への配向を可能とし、かつ、ウエットエッチングが
    容易に可能な材料であることを特徴とする請求項13、
    または14に記載の焦電型赤外線検出器の製造方法。
  21. 【請求項21】第1基板が、焦電体を構成する薄膜の分
    極軸方向への配向を可能とし、かつ、ウエットエッチン
    グが容易に可能な材料であることを特徴とする請求項1
    5、または17に記載の焦電型赤外線検出器の製造方
    法。
  22. 【請求項22】配向性酸化物下地膜が、焦電体を構成す
    る薄膜の分極軸方向への配向を可能とし、かつ、ウエッ
    トエッチングが容易に可能な材料であることを特徴とす
    る請求項16、または18に記載の焦電型赤外線検出器
    の製造方法。
  23. 【請求項23】配向性酸化物下地膜が、NaCl型結晶
    構造であることを特微とする請求項16、または18に
    記載の焦電型赤外線検出器の製造方法。
  24. 【請求項24】配向性酸化物下地膜が、MgOであるこ
    とを特微とする請求項16、または18に記載の焦電型
    赤外線検出器の製造方法。
  25. 【請求項25】配向性酸化物下地膜が、NiOであるこ
    とを特微とする請求項16、または18に記載の焦電型
    赤外線検出器の製造方法。
  26. 【請求項26】配向性酸化物下地膜が、(100)配向
    MgOであることを特微とする請求項16、または18
    に記載の焦電型赤外線検出器の製造方法。
  27. 【請求項27】配向性酸化物下地膜が、(100)配向
    NiOであることを特微とする請求項16、または18
    に記載の焦電型赤外線検出器の製造方法。
JP6227909A 1994-09-22 1994-09-22 焦電型赤外線検出器およびその製造方法 Pending JPH0894436A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6227909A JPH0894436A (ja) 1994-09-22 1994-09-22 焦電型赤外線検出器およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6227909A JPH0894436A (ja) 1994-09-22 1994-09-22 焦電型赤外線検出器およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0894436A true JPH0894436A (ja) 1996-04-12

Family

ID=16868207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6227909A Pending JPH0894436A (ja) 1994-09-22 1994-09-22 焦電型赤外線検出器およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0894436A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101331336B1 (ko) * 2011-02-24 2013-11-19 엔지케이 인슐레이터 엘티디 초전 소자 및 그 제조 방법
US20160023466A1 (en) * 2014-07-28 2016-01-28 Ricoh Company, Ltd. Method of making piezoelectric film, method of making piezoelectric element, liquid discharge head, and image forming apparatus

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101331336B1 (ko) * 2011-02-24 2013-11-19 엔지케이 인슐레이터 엘티디 초전 소자 및 그 제조 방법
US20160023466A1 (en) * 2014-07-28 2016-01-28 Ricoh Company, Ltd. Method of making piezoelectric film, method of making piezoelectric element, liquid discharge head, and image forming apparatus
US9902153B2 (en) * 2014-07-28 2018-02-27 Ricoh Company, Ltd. Method of making a piezoelectric film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2019322B1 (en) Piezoelectric element, ink jet head, angular velocity sensor, method for manufacturing the same, and ink jet recording apparatus
US6271619B1 (en) Piezoelectric thin film device
JPS61177900A (ja) 圧電変換器およびその製造方法
JP3094753B2 (ja) 焦電型赤外線検出器およびその製造方法
US20110115338A1 (en) Methods of Fabricating a Membrane With Improved Mechanical Integrity
JP2003298131A (ja) 圧電薄膜素子およびその製造方法
JPH0894436A (ja) 焦電型赤外線検出器およびその製造方法
JP2003347613A (ja) 圧電体薄膜素子
JPH10135528A (ja) 電子部品用誘電体膜シート、その製造方法および誘電体素子
JP2001285015A (ja) 圧電共振子
JPH10200369A (ja) 圧電薄膜共振子
JPH06297720A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法
JPH11122073A (ja) 弾性表面波素子
JPH10209794A (ja) 圧電薄膜共振子
JP3409944B2 (ja) 強誘電体素子及びその製造方法
JP4422678B2 (ja) 蒸着法を用いた強誘電性単結晶膜構造物の製造方法
JP2000138401A (ja) 圧電型検出器ならびにその製造方法
JP2553559B2 (ja) 焦電型赤外線アレイセンサ
JPH07288033A (ja) 強誘電体素子およびその製造方法
WO2023176761A1 (ja) 素子、電子デバイス、電子機器及びシステム
JP2564526B2 (ja) 焦電型赤外線アレイ素子及びその製造方法
JPS63313023A (ja) 焦電型赤外線アレイセンサ及びその製造方法
JPH07286897A (ja) 焦電型赤外線素子およびその製造方法
JP2553569B2 (ja) 焦電型赤外線アレイセンサ
KR950001294B1 (ko) 박막적외선센서 제조방법