JPH07288033A - 強誘電体素子およびその製造方法 - Google Patents

強誘電体素子およびその製造方法

Info

Publication number
JPH07288033A
JPH07288033A JP7833094A JP7833094A JPH07288033A JP H07288033 A JPH07288033 A JP H07288033A JP 7833094 A JP7833094 A JP 7833094A JP 7833094 A JP7833094 A JP 7833094A JP H07288033 A JPH07288033 A JP H07288033A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ferroelectric
layer
substrate
sacrificial layer
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7833094A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Fujii
覚 藤井
Ryoichi Takayama
良一 高山
Atsushi Tomosawa
淳 友澤
Akiyuki Fujii
映志 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP7833094A priority Critical patent/JPH07288033A/ja
Publication of JPH07288033A publication Critical patent/JPH07288033A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造プロセス時間の短縮化、デバイスの小型
高感度化が可能であり、かつ安価な強誘電体素子および
その製造方法を供給する。 【構成】 基板11上に下地電極13が空隙層10を覆
って形成され、下地電極13上に強誘電体14が、強誘
電体14と下地電極13を覆うように樹脂層15が形成
され、上部電極16が樹脂層15上に形成され、空隙層
よりも面積が小さい強誘電体14が空隙層10の概ね中
央に設けられており、基板上に、犠牲層12、下地電極
13、強誘電体14、樹脂層15、上部電極16を順次
形成したのち、犠牲層12をウエットエッチング除去し
て、空隙層10を基板11と下地電極13の間に形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強誘電体薄膜を用いた、
焦電型赤外線検出器、圧電力学量センサ、圧電アクチュ
エータ等の素子およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、強誘電体薄膜の成膜方法として
は、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、ゾル−ゲル
法、などがあげられる。しかし、配向性薄膜を作製する
ためには基板材料が限定される問題があった。
【0003】例えば、JOUNAL of APPLIED PHYSICS 63
(12),1988 p5868-5872 R.TAKAYAMAet.alには、MgO
単結晶上に、c軸配向したペロブスカイト構造のランタ
ンを添加したチタン酸鉛系強誘電体薄膜を形成させ、こ
れを焦電型赤外線センサーへとデバイス化したことが報
告されている。この場合、強誘電体である焦電体は、分
極処理を行わなくても、分極方向が一方向に揃ってお
り、焦電電流が検出される。さらに、分極処理したバル
ク焼結体と比較して、約3倍の焦電特性が得られてい
る。しかし、MgO単結晶基板は熱伝導率が高い特性が
ある。従って赤外線センサの高感度化を図るためには、
焦電体の下部に位置するMgO単結晶基板をエッチング
して、焦電体から基板への熱伝導を防止している。さら
に、成膜のためにMgO単結晶基板を使用しているため
に、薄膜と外部回路を1枚の基板上に構成することはで
きない。
【0004】これに対して、素子の小型化のために、AP
PLYED PHYSICS LETTERS 59(27),p3539-3541, D.L.Polla
et.al.には、Si基板上に形成したエアギャップの上
に、焦電体を形成した赤外線検出器が報告されている。
リンケイ酸ガラスが、犠牲層として使用されている。犠
牲層のエッチャントは、フッ酸を用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら第1番目
の従来例のような構成では、焦電体の下部に位置するM
gO単結晶基板をエッチング除去するために、エッチン
グプロセスに時間を要するという問題点を有していた。
例えば、0.5mm厚のMgO単結晶基板をリン酸でエ
ッチングすると、5時間程度の時間を要した。さらに、
MgO単結晶基板は高価な基板であり、MgO単結晶基
板の一部をエッチング除去するために、基板の再使用は
不可能であり、コスト的にも不利であるという問題点も
有していた。さらに、MgO単結晶基板が45度にテー
パー状にエッチングされる。デバイス化のためには、成
膜基板に対して小さい面積しか焦電体を形成できない。
従って、焦電体面積に対してデバイス全体が大きくなる
という問題点も有していた。
【0006】また、第2番目の従来例の構成では、犠牲
層が無配向のために焦電体の結晶配向の制御が困難であ
るという問題点がある。さらに、エアギャップの形成が
焦電体形成工程の前である。従って、真空中ではエアギ
ャップ部分が安定しないために、焦電体を真空中で形成
することが困難であるという問題点がある。
【0007】本発明の目的は、製造プロセス時間の短縮
化、デバイスの小型高感度化が可能であり、かつ安価な
強誘電体素子およびその製造方法を供給することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の強誘電体素子は、基板と、空隙層と、樹脂
層と、前記空隙層よりも面積が小さい強誘電体と、前記
空隙層よりも面積が小さい強誘電体の両面に設けた上部
電極と下地電極を備え、前記基板上に、前記下地電極が
前記空隙層を覆って形成され、前記下地電極上に前記強
誘電体が形成され、前記強誘電体と前記下地電極を覆う
ように前記樹脂層が形成され、前記上部電極が前記樹脂
層上に形成され、かつ、前記強誘電体上に形成された前
記樹脂層のコンタクトホールを介して強誘電体と接続さ
れており、前記空隙層よりも面積が小さい強誘電体が前
記空隙層の概ね中央に設けられている。
【0009】また、本発明の強誘電体素子の製造方法
は、基板上に犠牲層を形成し、前記犠牲層上に下地電極
を形成し、前記下地電極上に強誘電体を形成し、前記強
誘電体上に樹脂層を形成し、前記樹脂層上に上部電極を
形成したのち、前記犠牲層をウエットエッチング除去す
ることにより、空隙層を前記基板と前記下地電極の間に
形成することである。
【0010】さらに、本発明の強誘電体素子は、基板
と、一対の強誘電体支持層と、空隙層と、樹脂層と、前
記空隙層よりも面積が小さい強誘電体と、前記空隙層よ
りも面積が小さい強誘電体の両面に設けた上部電極と下
地電極を備え、前記一対の強誘電体支持層が前記空隙層
を挟んで前記基板上に形成され、前記下地電極が前記一
対の強誘電体支持層上に前記空隙層を横切るように形成
され、前記強誘電体が前記空隙層上に位置する下地電極
部分上に形成され、前記樹脂層が前記強誘電体上に形成
され、前記強誘電体と前記下地電極を覆うように前記樹
脂層が形成され、前記上部電極が前記樹脂層上に形成さ
れ、かつ、前記強誘電体上に形成された前記樹脂層のコ
ンタクトホールを介して強誘電体と接続されており、前
記空隙層よりも面積が小さい強誘電体が前記空隙層の概
ね中央に設けられている。
【0011】また、本発明の強誘電体素子の製造方法
は、一対の強誘電体支持層を基板上に形成し、犠牲層を
前記一対の強誘電体支持層に挟まれた溝部分に形成し、
下地電極を前記一対の強誘電体支持層と前記犠牲層上に
形成し、強誘電体を前記犠牲層上に位置する下地電極部
分上に形成し、樹脂層を前記強誘電体と下地電極を覆う
ように形成し、上部電極を前記樹脂層上に形成したの
ち、前記犠牲層をウエットエッチング除去することによ
り、前記一対の強誘電体支持層に挟まれた空隙層を前記
基板と前記下地電極の間に形成することである。
【0012】
【作用】本発明は上記構成により、基板上に形成した犠
牲層をエッチングすることにより空隙層を形成し、基板
と強誘電体を熱的に分離するするために検出器の高感度
化のために有効である。また、犠牲層をエッチングする
ため、プロセス時間の短縮化が可能となる点で有効であ
る。さらに、rfマグネトロンスパッタ法、あるいは、
金属アセチルアセトナート等の有機金属錯体を原料ガス
に用いたプラズマ励起MO−CVD法によって、下地基
板にかかわらず、容易に基板に対して垂直方向に(10
0)軸が優先配向したNaCl結晶構造の各種の酸化物
犠牲層が得られる。基板上に(100)面に優先配向し
たNaCl結晶型犠牲層を形成することにより、犠牲層
上に作製する強誘電体と犠牲層の格子定数のミスフィッ
トの整合を図ることが可能であり、強誘電体の配向性が
向上する。この結果、強誘電体が、分極軸であるc軸へ
の配向率が高くなり、検出器の高感度化に効果的であ
る。そのため、前記犠牲層は、強誘電体の配向膜形成の
下地層としても使用可能であり、空隙層形成機能と配向
性薄膜作製のための下地層機能を兼ね備えている。これ
らの方法を用いると、いろいろな材料の基板の上に、
(100)面結晶配向したMgOあるいはNiO薄膜を
形成できる。従って、配向性犠牲層を形成する基板の選
択により、製造コストを大幅に減少させることが可能な
点でも有効である。
【0013】また、本発明は上記構成により、犠牲層の
みをエッチングするため、基板がテーパー状にエッチン
グされることがなく、デバイスの小型化の点でも有効で
ある。
【0014】さらに、本発明は上記構成により、空隙層
の形成が強誘電体形成過程の後であるため、真空中で強
誘電体を形成することが可能であり、高配向性強誘電体
を形成することにより検出器の高感度化の点でも有効で
ある。
【0015】
【実施例】以下本発明の強誘電体素子ならびにその製造
方法に関する一実施例について、焦電型赤外線検出器を
一実施例として、図面を参照しながら説明する。
【0016】(実施例1)図1に、本発明の一実施例の
強誘電体素子の断面図(一素子のみを部分的に図示)
を、図2にその作製プロセスの(図1のa−a’線に沿
った)断面図を、図3にその作製プロセスの平面図を示
す。基板11としてステンレス金属基板(熱膨張係数1
8×10-6-1)を用いた。
【0017】基板11の上に(100)面に優先配向し
た、MgO薄膜のNaCl型酸化物犠牲層12を、プラ
ズマ励起MO−CVD成膜装置により形成した。図4に
示すプラズマ励起MO−CVD成膜装置は、反応チャン
バー41内に平行に配置した二つの電極42間に高周波
によってプラズマを発生させ、その中で有機金属の原料
ガスを分解して基板上に化学蒸着(CVD)することで
薄膜を形成する装置である。ここで、この基板11は、
アース側電極に片側面が密着して保持され、基板加熱ヒ
ータ49によってあらかじめ350 ℃に加熱された状
態にした。
【0018】一方、原料気化容器46にマグネシウムア
セチルアセトナート;Mg(C5722を入れ、19
0℃に保持したオイルバスを用いて加熱した。このよう
に加熱することによって気化したマグネシウムアセチル
アセトナートの蒸気を、キャリアガスボンベ47から1
0ml/minの流速のキャリアガス(窒素)を用い
て、反応チャンバー41内に流し入れた。また、反応ガ
スボンベ48から反応ガスとして酸素ガスを12ml/
minで流し、これを途中で混ぜて反応チャンバー41
内に吹出ノズルを介して流し入れた。このとき、反応チ
ャンバー41内は、その排気系43から真空排気される
ことで7.90Paの真空度に保持した。
【0019】以上のような状態において、RF側電極に
13.56MHzで400Wの高周波を10分間印加す
ることによって、アース側電極との間にプラズマを発生
させ、第1基板の片側表面上に(100)面に結晶配向
したMgO薄膜を形成した。この成膜中、基板11を基
板回転モータによって120rpmの速度で回転した。
このような方法で基板に対して垂直方向に(100)面
に結晶配向したMgO薄膜のNaCl型酸化物犠牲層1
2を厚み1μmで成膜した。
【0020】続いて、犠牲層をフォトリソ法によりパタ
ーンニングをした。この後、パタンニングした犠牲層1
2上に、Pt薄膜を下地電極13として形成した。下地
電極13の形状は、犠牲層12のエッチング除去工程を
考慮した。すなわち、下地電極13の形状は、犠牲層1
2の中央部と4隅を覆う形状とした。下地電極13のパ
ターンニングは、ステンレスマスク、あるいはリフトオ
フにより行なった。また、下地電極13であるPt薄膜
は、(100)面に優先配向していることが望ましい。
これは、本発明の強誘電体の分極軸が、c軸であること
による。以下に、(100)面に優先配向したNaCl
型酸化物犠牲層12上で、(100)面に優先配向した
Pt薄膜の作製方法を述べる。
【0021】高周波マグネトロンスパッタ法により、P
t膜を作製した。スパッタ成膜条件は、基板温度が40
0℃、スパッタガスはAr(95%)と酸素(5%)の
混合ガスで、ガス圧は0.5Pa、高周波投入パワー密
度は2.5W/cm2(13.56MHz)で、成膜時間
は1時間であった。膜の厚さは0.2μmであった。
【0022】さらに、前記下地電極13の中央部上に、
Pb0.9La0.1Ti0.9753なる組成の強誘電体14を
形成した。その成膜方法を以下に述べる。
【0023】Pb0.9La0.1Ti0.9753の薄膜の成膜
には、高周波マグネトロンスパッタ装置を用いた。第1
基板は、厚さ0.2mmのステンレスマスクを用い、ス
テンレス製基板ホルダに取り付けて成膜した。ターゲッ
トは、PbO,La23,TiO2 の粉末を混合し、銅
製皿に入れて用いた。粉末の混合比は、膜組成に対して
PbOを20mol%過剰に加えた。スパッタの成膜条件
は、基板温度が600℃、スパッタガスはAr(90
%)と酸素(10%)の混合ガスで、ガス圧は0.9P
a、高周波投入パワー密度は2.0W/cm2(13.5
6MHz)であった。膜の厚さは3μmであった。
【0024】(100)面に優先配向した、MgO薄膜
であるNaCl型酸化物犠牲層12とPt下地電極13
を、上記の方法により作成し、さらにその上に、Pb
0.9La0.1Ti0.9753の成膜を、高周波マグネトロン
スパッタ法で作製した。試料のX線回折パターンを図5
に示す。
【0025】c軸配向率α(%)を(数1)で定義し、
その値を算出した。
【0026】
【数1】
【0027】ここで、I(001)、I(100)、I
(101),I(111),I(110)は、それぞれ
(001)、(100)、(101),(111),
(110)反射の強度を示す。前記試料のαは、94%
であり、強誘電体を構成する薄膜の分極軸方向へ、優先
的に配向していた。
【0028】続いてこの全面に、樹脂層15として感光
性ポリイミド樹脂を、スピンコートにより塗布した。そ
して、フォトリソ法により、犠牲層12上の下地電極部
分を覆い、かつ強誘電体14上に上部電極接合用のコン
タクトホールを備えた形状にパターンニングし、硬化さ
せた。
【0029】樹脂層15を形成後、上部電極16を、樹
脂層15(コンタクトホールを介して強誘電体14と接
続)、下地電極13と基板11上に形成した。上部電極
16は、膜厚100nmのNi−Cr薄膜を、ステンレ
スマスクを使用してスパッタリング法により形成した。
【0030】最後に、犠牲層12をエッチング除去して
空隙層10を作製した。エッチャントは、10wt%リ
ン酸水溶液を使用し、80℃に加熱した。エッチング時
間は5〜10分であった。空隙層10の形成により、強
誘電体14からの熱の分散を縮小できる。これは、検出
器の高感度化の点で有効である。
【0031】従来、MgO単結晶基板はサイドエッチン
グを受け、均一なエッチングが難しく、エッチングむら
につながっていた。強誘電体の下部に位置するMgO単
結晶基板をエッチング除去する場合には、通常MgO単
結晶基板厚さが、300〜500μm程度である。その
ために、エッチングプロセス時間が、リン酸水溶液を用
いた場合には数時間を要していた。
【0032】本発明では、基板上に形成した犠牲層をエ
ッチングすることにより、犠牲層のエッチングプロセス
時間の短縮が可能となる点で有効である。また、空隙層
の形成により、基板と強誘電体を熱的に分離するするた
めに検出器の高感度化のために有効である。さらに、犠
牲層のみをエッチングするため、基板がテーパー状にエ
ッチングされることがなく、デバイスの小型化の点でも
有効である。
【0033】また、rfマグネトロンスパッタ法、ある
いは、金属アセチルアセトナート等の有機金属錯体を原
料ガスに用いたプラズマ励起MO−CVD法によって、
下地基板にかかわらず、容易に基板に対して垂直方向に
(100)軸配向したNaCl結晶構造の各種の酸化物
下地膜が得られる。基板上に(100)面配向のNaC
l結晶型犠牲層を形成することにより、犠牲層上に作製
する強誘電体と犠牲層の格子定数のミスフィットの整合
を図ることが可能であり、強誘電体の配向性が向上す
る。この結果、強誘電体は、分極軸であるc軸への配向
率が高くなり、検出器の高感度化に効果的である。その
ため、前記犠牲層は、強誘電体の配向膜形成のための下
地層としても使用可能であり、空隙層形成機能と配向性
薄膜作製のための下地層機能を兼ね備えている点で有効
である。これらの方法を用いると、いろいろな材料の基
板の上に、(100)面結晶配向したMgOあるいはN
iO薄膜を形成できる。従って、配向性犠牲層を形成す
る基板の選択により、製造コストを大幅に減少させるこ
とが可能な点でも有効である。
【0034】(実施例2)基板の種類、犠牲層の種類お
よび犠牲層の成膜方法、強誘電体の種類が、実施例1と
異なる場合についても、検討をおこなった。表1に作製
方法をまとめた。
【0035】基板11として、ステンレス金属、アルミ
ナ焼結体基板、(100)Si単結晶基板を用いた。こ
れは、下地基板にかかわらず、容易に基板に対して垂直
方向に(100)軸配向したNaCl結晶構造の各種の
酸化物犠牲層が得られることによる。従って、基板11
の材料を様々に選べるため、大幅な低コスト化が可能な
点で有効である。
【0036】
【表1】
【0037】犠牲層として、NiOをプラズマ励起MO
CVD法で作製した場合について以下に述べる。装置及
び方法は、実施例1のプラズマ励起MOCVD法による
MgOの作成と同様である。相違点は、以下の通りであ
る。
【0038】NiO下地膜も、図4に示すプラズマ励起
MO−CVD成膜装置により形成した。基板加熱ヒータ
49によってあらかじめ 350 ℃に加熱された状態に
した。一方、原料気化容器46にニッケルアセチルアセ
トナート;Ni(C57222Oを入れ、160℃
に保持したオイルバスを用いて加熱した。このように加
熱することによって気化したニッケルアセチルアセトナ
ートの蒸気を、キャリアガスボンベ47から35ml/
minの流速のキャリアガス(窒素)を用いて、反応チ
ャンバー41内に流し入れた。また、反応ガスボンベ4
8から反応ガスとして酸素ガスを15ml/minで流
し、これを途中で混ぜて反応チャンバー41内に吹出ノ
ズルを介して流し入れた。このとき、反応チャンバー4
1内は、その排気系43から真空排気されることで7.
90Paの真空度に保持した。
【0039】以上のような状態において、RF側電極に
13.56MHzで400Wの高周波を10分間印加す
ることによって、アース側電極との間にプラズマを発生
させ、基板の片側表面上(100)面に優先配向したN
iO薄膜を形成した。この成膜中、基板11を基板回転
モータによって120rpmの速度で回転した。膜厚
は、2000オングストロームで成膜した。
【0040】次に、犠牲層12をrfスパッタ法で作製
した場合について、以下に述べる。MgO作製には、M
gO焼結体(純度99.9%)をターゲットとして使用
した。スパッタの成膜条件は、基板温度が600℃、ス
パッタガスはAr(50%)と酸素(50%)の混合ガ
スで、ガス圧は0.7Pa、高周波投入パワー密度は
2.5W/cm2(13.56MHz)で、成膜時間は1
時間であった。膜の厚さは0.2μmであった。
【0041】また、rfスパッタ法によるNiOの作製
には、NiO粉末(純度99.9%)を銅製皿に入れ
て、ターゲットとして用いた。スパッタ成膜条件は、基
板温度が600℃、スパッタガスはAr(60%)と酸
素(40%)の混合ガスで、ガス圧は1.1Pa、高周
波投入パワー密度は2.5W/cm2(13.56MH
z)で、成膜時間は1.5時間であった。膜の厚さは0.
2μmであった。
【0042】最後に、強誘電体14が、PbTiO3
組成の場合について作製法を述べる。強誘電体14は、
プラズマ励起MO−CVD成膜装置により形成した。装
置は、(図4)に示した装置に気化容器(46b;図示
せず)をさらに1台増加させた。基板加熱ヒータ49に
よってあらかじめ、基板11を、 450 ℃に加熱し
た。一方、原料気化容器46に鉛ジピバロイルメタン;
Pb(C111922を入れ、130℃に保持したオイ
ルバスを用いて加熱した。もう一方の原料気化容器46
bに、テトラ−イソ−プロピルチタナート;Ti(i−
37O)4を入れ、50℃に保持したオイルバスを用
いて加熱した。このように加熱することによって気化し
た鉛ジピバロイルメタンとテトラ−イソ−プロピルチタ
ナートの蒸気を、キャリアガスボンベ48から10ml
/minの流速のキャリアガス(窒素)を用いて、反応
チャンバー41内に流し入れた。また、反応ガスとして
反応ガスボンベ49から酸素ガスを40ml/minで
流し、これを途中で混ぜて反応チャンバー41内に吹出
ノズルを介して流し入れた。このとき、反応チャンバー
41内は、その排気系43から真空排気されることで
3.90Paの真空度に保持した。
【0043】以上のような状態において、RF側電極に
13.56MHzで400Wの高周波を100分間印加
することによって、アース側電極との間にプラズマを発
生させ、基板11の片側表面上に(100)面に優先配
向したPbTiO3強誘電体を形成した。膜厚は、3μ
mであった。この成膜中、基板11を基板回転モータに
よって120rpmの速度で回転した。
【0044】(実施例3)図6に、本実施例の強誘電体
素子の断面図(2素子のみを部分的に図示)を、図7に
その作製プロセスの(図6のa−a’線、およびb−
b’線に沿った)断面図を、図8にその作製プロセスの
平面図を示す。基板61として結晶化ガラス基板(熱膨
張係数14×10-6-1)を用いた。
【0045】最初に、基板61上に、SiO2、または
Si34を、一対の強誘電体支持層62としてスパッタ
法により形成した。なお、強誘電体支持層62のパター
ンニングは、ステンレスマスク、あるいはフォトリソ法
により行なった。
【0046】続いて、一対の強誘電体支持層62に挟ま
れた溝部分71に、(100)面に優先配向したNiO
薄膜NaCl型酸化物の犠牲層72を、プラズマ励起M
O−CVD成膜装置により形成した。作製条件は、実施
例2と同様である。なお、犠牲層72形成中は、強誘電
体支持層62表面を、ステンレスマスクあるいはレジス
トで保護した。これは、強誘電体支持層62表面に、N
iO薄膜が形成されることを防止するためである。
【0047】その後、下地電極63であるPt薄膜を、
犠牲層72と一対の強誘電体支持層62上に横切るよう
に形成した。下地電極63の成膜条件は、実施例1と同
様である。この場合も、(100)面に優先配向した下
地電極63を、(100)面に優先配向したNiO薄膜
犠牲層72上部分に形成可能であった。
【0048】続いて、(100)面に優先配向したNi
O薄膜犠牲層72上部分に形成された(100)面優先
配向した下地電極63上に、Pb0.9La0.1Ti0.975
3なる組成の強誘電体64を作製した。強誘電体64
の成膜方法は実施例1と同様である。また、強誘電体6
4のパターンニングは、ステンレスマスクにより行っ
た。
【0049】続いてこの全面に、樹脂層65として感光
性ポリイミド樹脂を、スピンコートにより塗布した。そ
して、フォトリソ法により、下地電極63を覆い、かつ
強誘電体64上に上部電極接合用のコンタクトホールを
備えた形状にパターンニングし、硬化させた。
【0050】樹脂層65を形成後、上部電極66を、樹
脂層65(コンタクトホールを介して強誘電体64と接
続)と強誘電体支持層62上に形成した。上部電極66
は、膜厚100nmのNi−Cr薄膜を、ステンレスマ
スクを使用してスパッタリング法により形成した。
【0051】最後に、犠牲層72をエッチング除去して
空隙層60を作製した。エッチャントは、10wt%リ
ン酸水溶液を使用し、80℃に加熱した。エッチング時
間は5〜10分であった。空隙層60の形成により、強
誘電体64からの熱の分散を縮小できる。これは、検出
器の高感度化の点で有効である。
【0052】従来、MgO単結晶基板はサイドエッチン
グを受け、均一なエッチングが難しく、エッチングむら
につながっていた。強誘電体の下部に位置するMgO単
結晶基板をエッチング除去する場合には、通常基板厚さ
が、300〜500μm程度である。そのために、エッ
チングプロセス時間が、リン酸水溶液を用いた場合には
数時間を要していた。
【0053】本発明では、基板上に形成した犠牲層をエ
ッチングすることにより、エッチングプロセス時間の短
縮が可能となる点で有効である。また、空隙層形成によ
り、基板と強誘電体を熱的に分離するするために検出器
の高感度化のために有効である。さらに、犠牲層のみを
エッチングするため、基板がテーパー状にエッチングさ
れることがなく、デバイスの小型化の点でも有効であ
る。
【0054】また、rfマグネトロンスパッタ法、ある
いは、金属アセチルアセトナート等の有機金属錯体を原
料ガスに用いたプラズマ励起MO−CVD法によって、
下地基板にかかわらず、容易に基板に対して垂直方向に
(100)軸配向したNaCl結晶構造の各種の酸化物
下地膜が得られる。基板上に(100)面配向のNaC
l結晶型犠牲層を形成することにより、犠牲層上に作製
する強誘電体と犠牲層の格子定数のミスフィットの整合
を図ることが可能であり、強誘電体の配向性が向上す
る。この結果、強誘電体が、分極軸であるc軸への配向
率が高くなり、検出器の高感度化に効果的である。その
ため、前記犠牲層は、強誘電体の配向膜形成のための下
地層としても使用可能であり、空隙層形成機能と配向性
薄膜作製のための下地層機能を兼ね備えている点で有効
である。これらの方法を用いると、いろいろな材料の基
板の上に、(100)面結晶配向したMgOあるいはN
iO薄膜を形成できる。従って、配向性犠牲層を形成す
る基板の選択により、製造コストを大幅に減少させるこ
とが可能な点でも有効である。
【0055】(実施例4)基板の種類、犠牲層の種類お
よび成膜方法、強誘電体の種類が、実施例3と異なる場
合についても、検討をおこなった。表2に作製方法をま
とめた。成膜条件は、実施例1および2と同様である。
【0056】基板61として、結晶化ガラス、ソーダラ
イムガラス基板(コーニング7059)、(111)S
i単結晶基板を用いた。これは、下地基板にかかわら
ず、容易に基板に対して垂直方向に(100)軸配向し
たNaCl結晶構造の各種の酸化物犠牲層が得られるこ
とによる。従って、基板61の材料を様々に選べるた
め、大幅な低コスト化が可能な点で有効である。
【0057】
【表2】
【0058】なお、本実施例1から4において、3個の
強誘電体からなるリニアアレイ強誘電体素子について図
示しているが、単素子や2次元素子の作製についても同
様の効果が得られることは明らかである。また、本実施
1から4において、強誘電体としてPb0.9La0.1Ti
0.9753、またはPbTiO3を用いた例を示した。し
かし、他の組成の強誘電体を用いた場合にも、同様の効
果が得られることは明らかである。本実施例1から4に
おいて、強誘電体の形成方法として、プラズマ励起MO
−CVD法または、高周波マグネトロンスパッタ法を用
いた実施例を示したが、他の形成方法を用いた場合も、
同様の効果が得られることは明らかである。さらに、本
実施例1から4において、基板として、ガラス基板(コ
ーニング7059)、単結晶シリコン板で(100)お
よび(111)面を切り出したもの、アルミナ(Al2
3)の焼結体基板、およびステンレス金属基板を用い
たが、本実施例の成膜条件でも使用可能な他の基板でも
同様の効果が得られることは明らかである。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明の強誘電体素子は、
基板と、空隙層と、樹脂層と、前記空隙層よりも面積が
小さい強誘電体と、前記空隙層よりも面積が小さい強誘
電体の両面に設けた上部電極と下地電極を備え、前記基
板上に、前記下地電極が前記空隙層を覆って形成され、
前記下地電極上に前記強誘電体が形成され、前記強誘電
体と前記下地電極を覆うように前記樹脂層が形成され、
前記上部電極が前記樹脂層上に形成され、前記上部電極
が、前記強誘電体上に形成された前記樹脂層のコンタク
トホールを介して強誘電体と接続されており、前記空隙
層よりも面積が小さい強誘電体が前記空隙層の概ね中央
に設けられていることを特徴としている。
【0060】また、本発明の強誘電体素子の製造方法
は、基板上に犠牲層を形成し、前記犠牲層上に下地電極
を形成し、前記下地電極上に強誘電体を形成し、前記強
誘電体上に樹脂層を形成し、前記樹脂層上に上部電極を
形成したのち、前記犠牲層をウエットエッチング除去す
ることにより、空隙層を前記基板と前記下地電極の間に
形成することである。
【0061】さらに、本発明の強誘電体素子は、基板
と、一対の強誘電体支持層と、空隙層と、樹脂層と、前
記空隙層よりも面積が小さい強誘電体と、前記空隙層よ
りも面積が小さい強誘電体の両面に設けた上部電極と下
地電極を備え、前記一対の強誘電体支持層が前記空隙層
を挟んで前記基板上に形成され、前記下地電極が前記一
対の強誘電体支持層上に前記空隙層を横切るように形成
され、前記強誘電体が前記下地電極上に形成され、前記
樹脂層が前記強誘電体上に形成され、前記強誘電体と前
記下地電極を覆うように前記樹脂層が形成され、前記上
部電極が前記樹脂層上に形成され、前記上部電極が、前
記強誘電体上に形成された前記樹脂層のコンタクトホー
ルを介して強誘電体と接続されており、前記空隙層より
も面積が小さい強誘電体が前記空隙層の概ね中央に設け
られていることを特徴としている。
【0062】また、本発明の強誘電体素子の製造方法
は、一対の強誘電体支持層を基板上に形成し、犠牲層を
前記一対の強誘電体支持層に挟まれた空隙層部分に形成
し、下地電極を前記一対の強誘電体支持層と前記犠牲層
上に形成し、強誘電体を前記犠牲層上に位置する下地電
極部分上に形成し、樹脂層を前記強誘電体と下地電極を
覆うように形成し、上部電極を前記樹脂層上に形成した
のち、前記犠牲層をウエットエッチング除去することに
より、前記一対の強誘電体支持層に挟まれた空隙層を前
記基板と前記下地電極の間に形成することを特徴として
いる。
【0063】本発明は上記構成により、基板上に形成し
た犠牲層をエッチングすることにより、基板と強誘電体
を熱的に分離するするために検出器の高感度化のために
有効である。また、犠牲層のエッチングプロセス時間の
短縮が可能となる点で有効である。さらに、rfマグネ
トロンスパッタ法、あるいは、金属アセチルアセトナー
ト等の有機金属錯体を原料ガスに用いたプラズマ励起M
O−CVD法によって、下地基板にかかわらず、容易に
基板に対して垂直方向に(100)軸配向したNaCl
結晶構造の各種の酸化物下地膜が得られる。基板上に
(100)面配向のNaCl結晶型犠牲層を形成するこ
とにより、犠牲層上に作製する強誘電体との格子定数の
ミスフィットとの整合を図ることが可能であり、強誘電
体の配向性が向上する。この結果、強誘電体は、分極軸
であるc軸への配向率が高くなり、検出器の高感度化に
効果的である。このように、前記犠牲層は、強誘電体の
配向膜形成のための下地層としても使用可能であり、空
隙層形成機能と配向性薄膜作製のための下地層機能を兼
ね備えている点で有効である。これらの方法を用いる
と、いろいろな材料の基板の上に、(100)面結晶配
向したMgOあるいはNiO薄膜を形成できる。従っ
て、配向性犠牲層を形成する基板の選択により、製造コ
ストを大幅に減少させることが可能な点でも有効であ
る。
【0064】また、本発明は上記構成により、犠牲層の
みをエッチングするため、基板がテーパー状にエッチン
グされることがなく、デバイスの小型化の点でも有効で
ある。
【0065】さらに、本発明は上記構成により、空隙層
の形成が強誘電体形成過程の後であるため、真空中で強
誘電体を形成することが可能であり、高配向性強誘電体
を形成することにより検出器の高感度化の点でも有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および2の強誘電体素子の断面図
【図2】実施例1および2の強誘電体素子の製造プロセ
スの断面図
【図3】実施例1および2の強誘電体素子の製造プロセ
スの平面図
【図4】実施例1、2、3および4に用いたプラズマ励
起MO−CVD装置の断面図
【図5】実施例1の強誘電体のX線回折パターンを示す
【図6】実施例3および4の強誘電体素子の部分断面斜
視図
【図7】実施例3および4の強誘電体素子の製造プロセ
スの断面図
【図8】実施例3および4の強誘電体素子の製造プロセ
スの平面図
【符号の説明】
10 空隙層 11 基板 12 犠牲層 13 下地電極 14 強誘電体 15 樹脂層 16 上部電極 41 反応チャンバー 42 電極 43 排気系 45 高周波電源 46 気化器 47 キャリアガスボンベ 48 反応ガスボンベ 49 基板加熱ヒーター 60 空隙層 61 基板 62 強誘電体支持層 63 下地電極 64 強誘電体 65 樹脂層 66 上部電極 71 溝部分 72 犠牲層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 映志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、空隙層と、上面から投影した面積
    が前記空隙層よりも小さい強誘電体と、前記強誘電体の
    両面に設けた上部電極と下地電極を備え、前記基板上
    に、前記下地電極が前記空隙層を覆って形成され、前記
    下地電極上に前記強誘電体が形成され、前記強誘電体が
    前記空隙層の概ね中央に設けられていることを特徴とす
    る強誘電体素子。
  2. 【請求項2】基板上に犠牲層を形成し、前記犠牲層上に
    前記下地電極を形成し、前記下地電極上に前記強誘電体
    を形成し、前記上部電極を形成したのち、前記犠牲層を
    ウエットエッチング除去することにより、空隙層を前記
    基板と前記下地電極の間に形成することを特徴とする強
    誘電体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】基板と、一対の強誘電体支持層と、空隙層
    と、樹脂層と、前記空隙層よりも面積が小さい強誘電体
    と、前記空隙層よりも面積が小さい強誘電体の両面に設
    けた上部電極と下地電極を備え、前記一対の強誘電体支
    持層が前記空隙層を挟んで前記基板上に形成され、前記
    下地電極が前記一対の強誘電体支持層上に前記空隙層を
    横切るように形成され、前記強誘電体が前記空隙層上に
    位置する前記下地電極部分上に形成され、前記樹脂層が
    前記強誘電体上に形成され、前記強誘電体と前記下地電
    極を覆うように前記樹脂層が形成され、前記上部電極が
    前記樹脂層上に形成されかつ、前記強誘電体上に形成さ
    れた前記樹脂層のコンタクトホールを介して強誘電体と
    接続されており、前記空隙層よりも面積が小さい強誘電
    体が前記空隙層の概ね中央に設けられていることを特徴
    とする強誘電体素子。
  4. 【請求項4】一対の強誘電体支持層を前記基板上に形成
    し、犠牲層を前記一対の強誘電体支持層に挟まれた溝部
    分に形成し、下地電極を前記一対の強誘電体支持層と前
    記犠牲層上に形成し、前記強誘電体を前記犠牲層上に位
    置する下地電極部分上に形成し、前記樹脂層を前記強誘
    電体と下地電極を覆うように形成し、前記上部電極を前
    記樹脂層上に形成したのち、前記犠牲層をウエットエッ
    チング除去することにより、前記一対の強誘電体支持層
    に挟まれた空隙層を前記基板と前記下地電極の間に形成
    することを特徴とする強誘電体素子の製造方法。
  5. 【請求項5】強誘電体が、PbxLayTizZrw3
    表され、 a)0.7≦x≦1, x+y=1, 0.925≦z
    ≦1, w=0 b)x=1, y=0,0.45≦z<1,z+w=1 c)0.75≦x<1, x+y=1, 0.5≦z<
    1,z+w=1 のいずれかの組成を有する強誘電体薄膜材料であること
    を特徴とする請求項1または3に記載の強誘電体素子。
  6. 【請求項6】強誘電体を構成する薄膜が、分極軸方向に
    配向していることを特徴とする請求項1または3に記載
    の強誘電体素子。
  7. 【請求項7】犠牲層が、強誘電体を構成する薄膜の分極
    軸方向への配向を可能とし、かつ、ウエットエッチング
    が容易に可能な材料であることを特徴とする請求項2ま
    たは4に記載の強誘電体素子の製造方法。
  8. 【請求項8】犠牲層が、NaCl型結晶構造であること
    を特微とする請求項2または4に記載の強誘電体素子の
    製造方法。
  9. 【請求項9】前記犠牲層が、MgOであることを特微と
    する請求項2または4に記載の強誘電体素子の製造方
    法。
  10. 【請求項10】犠牲層が、NiOであることを特微とす
    る請求項2または4に記載の強誘電体素子の製造方法。
  11. 【請求項11】犠牲層が、(100)面に優先配向した
    MgOであることを特微とする請求項2または4に記載
    の強誘電体素子の製造方法。
  12. 【請求項12】前記犠牲層が、(100)面に優先配向
    したNiOであることを特微とする請求項2または4に
    記載の強誘電体素子の製造方法。
  13. 【請求項13】犠牲層を、有機金属錯体の蒸気を原料ガ
    スとするプラズマ励起MO−CVD法により形成するこ
    とを特徴とする請求項2または4に記載の強誘電体素子
    の製造方法。
  14. 【請求項14】犠牲層を、スパッタリング法により形成
    することを特徴とする請求項2または4に記載の強誘電
    体素子の製造方法。
JP7833094A 1994-04-18 1994-04-18 強誘電体素子およびその製造方法 Pending JPH07288033A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7833094A JPH07288033A (ja) 1994-04-18 1994-04-18 強誘電体素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7833094A JPH07288033A (ja) 1994-04-18 1994-04-18 強誘電体素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07288033A true JPH07288033A (ja) 1995-10-31

Family

ID=13658966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7833094A Pending JPH07288033A (ja) 1994-04-18 1994-04-18 強誘電体素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07288033A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100671375B1 (ko) 박막 적층체, 그 박막 적층체를 이용한 전자 장치, 및액추에이터와, 액추에이터의 제조 방법
JPS61177900A (ja) 圧電変換器およびその製造方法
JP3094753B2 (ja) 焦電型赤外線検出器およびその製造方法
JP3498836B2 (ja) 圧電体素子およびその製造方法
US5866238A (en) Ferroelectric thin film device and its process
JP3586870B2 (ja) 配向性薄膜形成基板およびその作製方法
WO2004085718A1 (ja) 強誘電体膜
JP2834355B2 (ja) 強誘電体薄膜構成体の製造方法
JPWO2009072585A1 (ja) 結晶質kln膜の製造方法、半導体装置の製造方法、半導体装置
JP2003347613A (ja) 圧電体薄膜素子
JPH07288033A (ja) 強誘電体素子およびその製造方法
JP3409944B2 (ja) 強誘電体素子及びその製造方法
JPH07300397A (ja) 強誘電体薄膜素子およびその製造方法
JPH0334580A (ja) 電子部品
JPH09260516A (ja) 強誘電体薄膜被覆基板及びそれを用いたキャパシタ構造素子
JP3545850B2 (ja) 強誘電体薄膜素子
JPH04133369A (ja) 誘電体薄膜と薄膜デバイスとそれらの製造方法
JPH0894436A (ja) 焦電型赤外線検出器およびその製造方法
JP2718414B2 (ja) チタン酸鉛薄膜の製造方法
JPH07286897A (ja) 焦電型赤外線素子およびその製造方法
US20060042541A1 (en) Method for preparation of ferroelectric single crystal film structure using deposition method
JPS59121119A (ja) 強誘電体薄膜の製造方法
WO2023100266A1 (ja) 膜構造体、膜構造体の製造方法、及び膜構造体の製造装置
JP5103694B2 (ja) 圧電薄膜の製造方法
JPH06260018A (ja) 強誘電体薄膜素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050614

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051101