JPH07300397A - 強誘電体薄膜素子およびその製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜素子およびその製造方法

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JPH07300397A
JPH07300397A JP6096307A JP9630794A JPH07300397A JP H07300397 A JPH07300397 A JP H07300397A JP 6096307 A JP6096307 A JP 6096307A JP 9630794 A JP9630794 A JP 9630794A JP H07300397 A JPH07300397 A JP H07300397A
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thin film
ferroelectric thin
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intermediate layer
ferroelectric
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Application number
JP6096307A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Takayama
良一 高山
Satoru Fujii
覚 藤井
Akiyuki Fujii
映志 藤井
Atsushi Tomosawa
淳 友澤
Hideo Torii
秀雄 鳥井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下地基板にMgOやサファイアなどの単結晶
を用いることなく結晶軸を揃えることができる強誘電体
薄膜素子を実現する。 【構成】 一の強誘電体薄膜素子は、基板と該基板の上
に形成された強誘電体薄膜とからなり、前記基板の室温
から前記強誘電体薄膜の形成時の温度までの平均熱膨張
係数は70×10-7/℃以上であり、前記強誘電体薄膜
は<001>方向に強く配向している。また、他の強誘
電体薄膜素子は、基板と該基板の上に形成された強誘電
体薄膜とからなり、前記基板の室温から前記強誘電体薄
膜の形成時の温度までの平均熱膨張係数は50×10-7
/℃以下であり、前記強誘電体薄膜は<100>方向に
強く配向している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦電型赤外線検出素子、
圧電素子、電気光学素子、高誘電率材料を用いたキャパ
シタ等に用いられる強誘電体薄膜素子およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電体とは、物質自身の中に平行又は
反平行に並んだ永久双極子によって生じる自発分極が電
場がなくても存在し、該自発分極が外部電場により向き
を反転できるような性質の物質のことである。この性質
をうまく利用して、強誘電体材料は、焦電型赤外線検出
素子、圧電素子、電気光学効果を利用した光変調器、不
揮発性メモリー素子などの様々な電子部品に応用でき
る。代表的な強誘電体の材料としては、ペロブスカイト
型結晶構造の酸化物、例えば、PbTiO3 ,Pb1-x
Lax Ti1-x/4 3 (PLT),PbZrx Ti1-x
3 (PZT),BaTiO3 等が特に有名である。
【0003】ところで、強誘電体の自発分極Ps の変化
を出力として取り出す応用、例えば焦電型赤外線検出素
子や圧電素子等においては、強誘電体の自発分極Ps
一方向に揃っているときに最も大きい出力が得られる。
また、強誘電体は結晶軸の方向により物性、例えば誘電
率や音速などが異なるものが多く、その特性の大幅向上
や新規能のデバイスの実現のために結晶軸を揃える技術
が要望されている。現在、赤外線検出素子や圧電素子に
用いられる強誘電体素子は、そのほとんどが多結晶体の
磁器であり、結晶軸の配列に方向性はなく、自発分極P
s もでたらめに配列している。
【0004】近年の電子部品の小型化に伴って前記の強
誘電体素子を応用した電子部品も小型化にすることが要
求されてきており、強誘電体素子の薄膜化が進みつつあ
る。特に、エピタキシャル薄膜や配向性薄膜を有する強
誘電体薄膜素子の研究開発が盛んになってきている。
【0005】強誘電体の結晶軸は、作製時に用いる基板
の種類に大きく左右される。例えば、PbTiO3 やP
ZTは、(100)でへき開したMgO単結晶基板にお
いては<001>方向、サファイアc面においては<1
11>方向に配向することが報告されている(例えば、
J.Appl.Phys.,Vol.60,P.361
(1986))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のエピタキシャル
薄膜や配向性薄膜を有する強誘電体薄膜素子において
は、下地基板にMgOやサファイアなどの単結晶を用い
るため、強誘電体薄膜素子及び該薄膜素子を用いて作ら
れる電子部品素子が高価になってしまうという問題があ
る。
【0007】また、Si基板上に直接エピタキシャル薄
膜や配向薄膜を成長させることができないので、素子性
能の大幅な向上を目指す信号処理デバイスと強誘電体薄
膜素子との一体化を実現することができないという問題
がある。
【0008】前記に鑑み、本発明は、下地基板にMgO
やサファイアなどの単結晶を用いるとなく結晶軸を揃え
ることができる強誘電体薄膜素子を提供し、これによ
り、強誘電体薄膜素子及び該薄膜素子を応用した焦電型
赤外線検出素子、圧電素子、高誘電率材料を用いるキャ
パシタ等の電子部品の低コスト化を図ると共に、信号処
理デバイス等の素子性能の大幅な向上を図ることを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、本発明が完成する
に至った経緯を説明する。
【0010】MgOよりなる基板上にペロブスカイト型
酸化物であるPbTiO3 などの配向膜をスパッタ法に
より作製する場合、基板の温度を約600℃にする必要
がある。この600℃という基板の温度はPbTiO3
のキュリー点(490℃)よりも高いため、基板の温度
が成膜時の温度から室温に低下するに伴って、PbTi
3 の結晶構造は立方晶から正方晶に相転移する。この
とき、基板の熱膨張係数が薄膜のそれよりも大きい場
合、基板の温度が成膜時の温度から室温に低下する際に
起きる基板の収縮により薄膜は圧縮応力を受け、配向し
ようとするものと考えられる。すなわち、(100)面
でへき開したMgO単結晶上にPbTiO3 が<001
>方向に配向する要因の1つは、MgOの大きな熱膨張
係数(〜120×10-7/℃)にあると考えられる。冷
却過程において、PbTiO3 の<001>軸(熱膨張
係数:−900×10-7/℃)は急激に増大し、<10
0>軸(熱膨張係数:380×10-7/℃)は減少する
ので、MgOよりなる基板の収縮に伴って、<001>
軸が基板に垂直になるように配列した方が歪のエネルギ
ーが小さくなるからである。
【0011】これらの知見に基づき、本件発明者らは、
相転位時の結晶方位は基板の室温から成膜時までの平均
熱膨張係数(以下、単に平均熱膨張係数と称する。)の
大きさに依存すると推測した。そこで、平均熱膨張係数
が異なる各種の基板を選択し、該各種の基板上に強誘電
体薄膜を形成したところ、基板の平均熱膨脹係数の大き
さと該基板上に形成された強誘電体薄膜の配向性との間
に一定の関係があることを見出した。
【0012】請求項1又は2の発明は前記知見に基づい
てなされたものであり、請求項1の発明が講じた解決手
段は、強誘電体薄膜素子を、基板と該基板の上に形成さ
れた強誘電体薄膜とからなり、前記基板の室温から前記
強誘電体薄膜の形成時の温度までの平均熱膨張係数は7
0×10-7/℃以上であり、前記強誘電体薄膜は<00
1>方向に強く配向しているという構成とするものであ
る。
【0013】請求項2の発明が講じた解決手段は、強誘
電体薄膜素子を、基板と該基板の上に形成された強誘電
体薄膜とからなり、前記基板の室温から前記強誘電体薄
膜の形成時の温度までの平均熱膨張係数は50×10-7
/℃以下であり、前記強誘電体薄膜は<100>方向に
強く配向しているという構成とするものである。
【0014】また、基板と強誘電体薄膜との間に結晶性
の中間層を介在させると、強誘電体薄膜の結晶性・配向
性が向上する。
【0015】ところで、中間層の上にエピタキシャル薄
膜や配向性薄膜よりなる強誘電体薄膜を形成するには、
成膜時の温度における中間層の格子定数と強誘電体薄膜
の格子定数との間のミスフィットは15%以内であるこ
とが好ましい。PbTiO3,PZT,BaTiO3
どの強誘電体薄膜は、<001>方位の酸素−酸素間の
距離はおよそ4.0オングストローム前後の値を示す。
例えば、前記強誘電体薄膜の1つであるPb(Zr1-x
Tix )O3 の<001>方位の酸素−酸素間の距離は
およそ3.90から4.15オングストロームの間の値
を示し、<100>方位のMgOの酸素−酸素間の距離
は4.21オングストロームである。また、NaCl構
造のNiOの酸素−酸素間の距離は4.19オングスト
ロームであり、同じくNaCl構造のCoOの酸素−酸
素間の距離は4.26オングストロームであって、Mg
Oと同様、前記強誘電体薄膜との間のミスフィットが少
ない。
【0016】請求項3又は4の発明は、前記知見に基づ
いてなされたものであって、請求項3の発明が講じた解
決手段は、強誘電体薄膜素子を、基板と該基板の上に形
成された結晶性の中間層と該中間層の上に形成された強
誘電体薄膜とからなり、前記基板の室温から前記強誘電
体薄膜の成膜時の温度までの平均熱膨張係数は70×1
-7/℃以上であり、前記強誘電体薄膜の形成時の温度
における前記中間層の格子定数と前記強誘電体薄膜の格
子定数とのミスフィットは15%以内であり、前記強誘
電体薄膜は<001>方向に強く配向しているという構
成をするものである。
【0017】請求項4の発明が講じた解決手段は、基板
と該基板の上に形成された結晶性の中間層と該中間層の
上に形成された強誘電体薄膜とからなり、前記基板の室
温から前記強誘電体薄膜の成膜時の温度までの平均熱膨
張係数は50×10-7/℃以下であり、前記強誘電体薄
膜の形成時の温度における前記中間層の格子定数と前記
強誘電体薄膜の格子定数とのミスフィットは15%以内
であり、前記強誘電体薄膜は<100>方向に強く配向
しているという構成とするものである。
【0018】請求項5の発明は、請求項1〜4における
強誘電体薄膜を、チタン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛
系又はチタン酸バリウム系を主成分とする材料により形
成するものである。
【0019】請求項6の発明は、請求項1〜4における
強誘電体薄膜の結晶構造を正方晶に限定するものであ
る。
【0020】請求項7の発明は、請求項3又は4におけ
る中間層をNaCl型結晶構造の酸化物よりなるものに
限定するものである。
【0021】請求項8の発明は、請求項7のNaCl型
結晶構造の酸化物を(100)面に配向しているものに
限定するものである。
【0022】請求項9の発明は、請求項8のNaCl型
結晶構造の酸化物をNiO、CoO又はMgOのいずれ
かに限定するものである。
【0023】請求項10の発明が講じた解決手段は、強
誘電体薄膜素子の製造方法を、基板上に(100)面配
向のNaCl型結晶構造の酸化物よりなる中間層を形成
する第1の工程と、前記中間層の上に正方晶系のペロブ
スカイト型の強誘電体薄膜を形成する第2の工程とを備
え、前記第1の工程における基板の室温から前記強誘電
体薄膜の形成時の温度までの平均熱膨張係数は70×1
-7/℃以上であり、前記第2の工程は前記強誘電体薄
膜を<001>方向に強く配向させる工程を有している
という構成とするものである。
【0024】請求項11の発明が講じた解決手段は、強
誘電体薄膜素子の製造方法を、基板上に(100)面配
向のNaCl型結晶構造の酸化物よりなる中間層を形成
する第1の工程と、前記中間層の上に正方晶系のペロブ
スカイト型の強誘電体薄膜を形成する第2の工程とを備
え、前記第1の工程における基板の室温から前記強誘電
体薄膜の形成時の温度までの平均熱膨張係数は50×1
-7/℃以下であり、前記第2の工程は前記強誘電体薄
膜を<100>方向に強く配向させる工程を有している
という構成とするものである。
【0025】請求項12の発明は請求項10又は11に
おける第1の工程及び第2の工程をスパッタ法により行
なうものであり、請求項13の発明は請求項10又は1
1における第1の工程を有機金属錯体の蒸気を原料ガス
とするMO−CVD法により行ない第2の工程をスパッ
タ法により行なうものであり、請求項14の発明は請求
項10又は11における第1の工程をスパッタ法により
行ない第2の工程を有機金属錯体の蒸気を原料ガスとす
るMO−CVD法によって行なうものであり、請求項1
5の発明は請求項10又は11における第1の工程及び
第2の工程を有機金属錯体の蒸気を原料ガスとするMO
−CVD法により行なうものである。この場合、特に、
中間層の形成に、金属アセチルアセトナート等の有機金
属錯体を原料ガスに用いるプラズマ励起MO−CVD法
を用いると、基板に対して垂直方向に<100>軸が配
向したNaCl型の結晶構造を有する各種酸化膜を確実
に形成することができる。原料ガスとして、ニッケルア
セチルアセトナートを用いると各種材料の基板上に<1
00>軸が結晶配向したNiO薄膜を形成でき、コバル
トアセチルアセチナートを用いると各種材料の基板上に
<100>軸が結晶配向したCoO薄膜を形成でき、マ
グネシウムアセチルアセトナートを用いると各種材料の
基板上に<100>軸が結晶配向したMgO薄膜を形成
できる。
【0026】
【作用】請求項1の構成により、基板として、該基板の
室温から前記強誘電体薄膜の形成時の温度までの平均熱
膨張係数が70×10-7/℃以上のものを用いているの
で、その上に形成される強誘電体薄膜は<001>方向
に強く配向している。
【0027】請求項2の構成により、基板として、該基
板の室温から前記強誘電体薄膜の形成時の温度までの平
均熱膨張係数が50×10-7/℃以下のものを用いてい
るので、その上に形成される強誘電体薄膜は<100>
方向に強く配向している。
【0028】請求項3又は4の構成により、基板と強誘
電体薄膜との間に、強誘電体薄膜の形成時の温度におけ
る格子定数が該強誘電体薄膜の格子定数に対して15%
以内のミスフィットである中間層が介在しているので、
強誘電体薄膜は成膜性に優れている。
【0029】請求項5の構成により、強誘電体薄膜は、
チタン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系又はチタン酸バ
リウム系を主成分とする材料よりなるため、平均熱膨張
係数が70×10-7/℃以上の基板上においては<00
1>方向に強く配向し、平均熱膨張係数が50×10-7
/℃以下の基板上においては<100>方向に強く配向
する。
【0030】請求項6の構成により、強誘電体薄膜は、
その結晶構造が正方晶であるため、<001>方向又は
<100>方向に強く配向する。
【0031】請求項7の構成により、中間層がNaCl
型の結晶構造を有しているため、該中間層の上に形成さ
れる強誘電体薄膜を<001>方向又は<100>方向
に強く配向させることができる。
【0032】請求項8の構成により、中間層のNaCl
型の結晶構造は、(100)面に配向しているため、
(001)面にも配向していることになり、該中間層の
上に形成される強誘電体薄膜を<001>方向又は<1
00>方向に強く配向させることができる。
【0033】請求項9の構成により、NaCl型結晶構
造の酸化物はNiO、CoO又はMgOのいずれかであ
るため、(100)面に配向するNaCl型の結晶構造
を確実に形成することができる。
【0034】請求項10の構成により、平均熱膨張率が
70×10-7以上である基板の上に(100)面配向の
NaCl型結晶構造の酸化物よりなる中間層を形成した
後、該中間層の上に正方晶系のペロブスカイト型の強誘
電体薄膜を形成するため、<001>方向に強く配向し
た強誘電体薄膜を形成することができる。
【0035】請求項11の構成により、平均熱膨張率が
50×-7以下である基板の上に(100)面配向のNa
Cl型結晶構造の酸化物よりなる中間層を形成した後、
該中間層の上に正方晶系のペロブスカイト型の強誘電体
薄膜を形成するため、<100>方向に強く配向した強
誘電体薄膜を形成することができる。
【0036】請求項12〜15の構成により、請求項1
0又は11の中間層及び強誘電体薄膜を確実に形成する
ことができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0038】(実施例1)基板として、大きさが20m
m×20mmで、厚さが1mmである、石英ガラス基板
(平均熱膨張係数:5×10-7/℃)、(100)面を
切り出したSi基板(平均熱膨張係数:25×10-7
℃)、ガラス基板(コーニング7059,平均熱膨張係
数:46×10-7/℃)、ガラス基板(ソーダ石灰,平
均熱膨張係数:90×10-7/℃)及びステンレス金属
基板(平均熱膨張係数:180×10-7/℃)を準備し
た。尚、前記の各平均熱膨張係数は、すべて室温から強
誘電体薄膜の成膜時までの平均熱膨張係数である。
【0039】次に、これらの各種の基板上に、厚さが
0.2mmのメタルマスクを用いてPbx La1-x Ti
1-x/4 3 なる組成(0≦x≦0.25)の強誘電体薄
膜を高周波マグネトロン法により所望のパターンに成膜
した。ターゲットは、PbO,La2 3 及びTiO2
の粉末を配合したものを750℃の温度下で4時間仮焼
した後に粉砕し、さらにPbの不足を防止するために2
0mol%の過剰のPbO粉末を混合して作製した。ス
パッタの成膜条件としては、基板温度が600℃であ
り、スパッタガスはAr(90%)とO2 (10%)と
の混合ガスであり、ガス圧は0.5Paであり、高周波
投入電力は90W(13.56MHz)であった。ま
た、強誘電体薄膜の膜厚は約1μmであった。
【0040】図1において、(A),(B),(C),
(D)及び(E)は、それぞれ前記の石英ガラス基板、
Si基板、ガラス基板(コーニング7059)、ソーダ
石灰ガラス基板及びステンレス基板上に形成した強誘電
体薄膜素子のx線回折パターンを示す。各基板上に形成
した試料は、多結晶のペロブスカイト型結晶構造を示し
ているが、(001)及び(100)の反射が比較的大
きいことが分かる。また、基板の平均熱膨張係数と結晶
構造の配向性との関係について次のことが分かる。すな
わち、基板の平均熱膨張係数が大きくなるに伴って
(001)反射の強度が(100)の反射の強度よりも
大きくなり、逆に、基板の平均熱膨張係数が小さくなる
に伴って(100)の反射強度が(001)の反射強度
よりも大きくなること、(C)〜(E)の試料の観察
結果、特に(C)の試料と(D)の試料との比較から、
平均熱膨張係数が70×10-7以上になると(001)
方向に配向し、特に平均熱膨張係数が90×10-7以上
になると(001)方向に強く配向すること、及び
(A)〜(C)の試料の観察結果から、平均熱膨張係数
が50×10-7以下になると(100)方向に強く配向
することが分かる。
【0041】尚、Pbx La1-x Ti1-x/4 3 よりな
る強誘電体薄膜に代えて、PbTiO3 、PZT,Ba
TiO3 などの強誘電体薄膜を形成した場合でも同様な
結果が得られた。
【0042】(実施例2)図2は、本発明の実施例2に
係る強誘電体薄膜素子の構成を示す概略断面である。
【0043】実施例2に係る強誘電体薄膜素子4は、実
施例1と同様の各種材料よりなる基板1上に、<100
>軸に結晶配向したMgO薄膜のNaCl型酸化物より
なる中間層2が形成され、該中間層2の上にスパッタ法
により、Pbx La1-x Ti1-x/4 3 なる組成(0≦
x≦0.25)の強誘電体薄膜3が形成された構成であ
る。
【0044】以下、前記のように構成された強誘電体薄
膜素子4の製造方法について説明する。
【0045】<100>軸方位に配向したMgO薄膜の
NaCl型酸化物よりなる中間層2の形成は、実施例1
と同様の各種材料よりなる基板の表面上に、図3に示す
プラズマ励起MO−CVD成膜装置を用いて以下の方法
により行なう。
【0046】図3に示すプラズマ励起MO−CVD成膜
装置5は、真空チャンバー6の内部に互いに平行に配置
されたアース側電極7とRF側電極8との間に高周波に
よってプラズマを発生させ、該プラズマにより有機金属
の原料ガスを分解し、分解された原料ガスを基板1上に
化学蒸着することにより薄膜を形成する装置である。基
板1は、アース側電極7により一方側の面が密着状態で
保持され、基板加熱ヒータ9により予め400℃に加熱
される。
【0047】原料気化容器10にマグネシウムアセチル
アセトナート11を入れ、該マグネシウムアセチルアセ
トナート11を190℃に保持したオイルバス12によ
り加熱する。このように加熱することにより気化したマ
グネシウムアセチルアセトナート11の蒸気を、30m
l/minの流速のキャリアガス(窒素)13を用い
て、真空チャンバー6内に流し入れる。
【0048】反応ガスとして酸素ガス14を2ml/m
inで流し、途中においてキャリアガス13と酸素ガス
14とを混ぜて真空チャンバー6内に吹出ノズル15を
介して流し入れる。このとき、真空チャンバー6の内部
は、その排気口16から真空排気することにより7.9
0Paの真空度に保持する。この状態において、RF側
電極8に400Wの高周波電力を13.56MHzで1
0分間印加することによって、アース側電極7とRF側
電極8との間にプラズマを発生させ、基板1の他方側の
表面上に<100>方位に結晶配向したMgO薄膜より
なる中間層2を厚さ200nmに形成する。この成膜
中、基板1を基板回転モータ17によって120rpm
の速度で回転する。
【0049】次に、中間層2の上にPbx La1-x Ti
1-x/4 3 なる組成(0≦x≦0.25)の強誘電体薄
膜3を、実施例1と同様にして、高周波マグネトロンス
パッタ法により約1μmの膜厚に形成する。
【0050】図4において、(A),(B),(C),
(D)及び(E)は、前述の石英ガラス基板、Si基
板、ガラス基板(コーニング7059)、ソーダ石灰ガ
ラス基板及びステンレス基板上に形成された強誘電体薄
膜素子のx線回折パターンを示している。実施例2に係
る強誘電体薄膜素子はペロブスカイト結晶構造の(00
1)及び(100)の反射、並びにその高次の反射のみ
が観察された。図4に示すように、基板1の平均熱膨張
係数が大きくなるに伴って、(001)反射の強度が
(100)反射の強度よりも大きくなり、<001>軸
配向になっていることが分かる。逆に、平均熱膨張係数
の小さい基板では、<100>軸配向膜が得られること
も分かる。
【0051】プラズマ励起MO−CVD法によるNaC
l型酸化物よりなる中間層2の形成の際に、原料ガス源
として、前述のマグネシウムアセチルアセトナートの代
わりに、コバルトアセチルアセトナート又はニッケルア
セチルアセトナートを用いることにより、CoO又はN
iOの(100)面に配向した膜を種々の基板上に形成
できる。これらの中間層2の上に、Pbx La1-x Ti
1-x/4 3 なる組成の強誘電体薄膜3を形成した場合に
も、平均熱膨張係数の大きい基板1上には<001>軸
配向の薄膜が形成され、平均熱膨張係数の小さい基板1
上には<100>配向の薄膜が得られる。
【0052】尚、Pbx La1-x Ti1-x/4 3 よりな
る強誘電体薄膜3に代えて、PbTiO3 ,PZT,B
aTiO3 などの強誘電体薄膜を中間層2の上に形成し
た場合にも、同様な結果が得られた。
【0053】(実施例3)実施例3に係る強誘電体薄膜
素子4は、実施例1,2と同様の各種材料よりなる基板
1上に、<100>軸に結晶配向したMgO薄膜のNa
Cl型酸化物よりなる中間層2が形成され、該中間層2
の上にプラズマ励起MO−CVD法によりPbTiO3
よりなる強誘電体薄膜3が形成された構成である。
【0054】以下、前記のように構成された強誘電体薄
膜素子4の製造方法について説明する。
【0055】実施例2と同様に、基板1の上に、<10
0>結晶方位に配向したMgO薄膜のNaCl型酸化物
よりなる中間層2の形成した後、該中間層2の上に、図
4に示すプラズマ励起MO−CVD成膜装置を用いてP
bTiO3 の強誘電体薄膜3を形成する。
【0056】図4に示すプラズマ励起MO−CVD成膜
装置21は、真空チャンバー22内に互いに平行に配置
されたアース側電極23とRF側電極24との間に高周
波によってプラズマを発生させ、該プラズマにより有機
金属の原料ガスを分解し、分解された原料ガスを基板1
上に化学蒸着することにより薄膜を形成する装置であ
る。基板1は、アース側電極23により一方側の面が密
着状態で保持され、基板加熱ヒータ25により予め40
0℃に加熱される。
【0057】第1の原料気化容器26にマグネシウムア
セチルアセトナートを入れ、これを190℃に保持す
る。このように加熱することにより気化したマグネシウ
ムアセチルアセトナートの蒸気を、30ml/minの
流速のキャリアガス(窒素)27を用いて、真空チャン
バー22内に流し入れる。反応ガスとして酸素ガス28
を2ml/minで流し、途中においてキャリアガス2
7と酸素ガス28とを混ぜて真空チャンバー22内に吹
出ノズルから流し入れる。このとき、真空チャンバー2
2内は、真空排気系29により7.90Paの真空度に
保持する。この状態において、RF側電極24に400
Wの高周波電力を13.56MHzで10分間印加する
ことによって、RF側電極24とアース側電極23との
間にプラズマを発生させ、基板1の他方側の表面上に<
100>方位に結晶配向したMgO薄膜よりなる中間層
2を厚さ200nmに形成する。
【0058】次に、中間層2の上にPbTiO3 の強誘
電体薄膜3を形成する。すなわち、基板加熱ヒータ25
を400℃から500℃に加熱した後、第2の原料気化
容器30に鉛ジピバロイルメタネート:Pb(C1119
2 )を入れ、これを130℃に保持する。第3の原料
気化容器31に、テトライソプロピルチタネート:Ti
(i−C3 7 O)4 を入れ、これを50℃に保持す
る。このように加熱して気化した鉛ジピバロイルメタネ
ートとテトライソプロピルチタネートとの蒸気を10m
l/minの流速のキャリアガス27を用いて真空チャ
ンバー22内に流し入れる。また、反応ガスとして酸素
ガス28を40ml/minで流し、途中で酸素ガス2
8とキャリアガス27とを混ぜて真空チャンバー22内
に吹出ノズルから流し入れる。このとき、真空チャンバ
ー22内は、真空排気系29により3.90Paの真空
度に保持する。この状態において、RF側電極24に4
00Wの高周波電力を20分間印加することによって、
RF側電極24とアース側電極23との間にプラズマを
発生させ、基板1上に形成された<100>配向MgO
薄膜よりなる中間層2の上にPbTiO3 を1μmの膜
厚に成長させる。
【0059】種々の基板上に形成した強誘電体薄膜素子
のx線回折パターンは、実施例2と同様の結果が得られ
た。すなわち、実施例3に係る強誘電体薄膜素子はペロ
ブスカイト結晶構造の(001)及び(100)の反
射、並びにその高次の反射のみが観察された。また、平
均熱膨張係数が大きく基板の上には<001>軸配向の
膜が得られ、逆に、平均熱膨張係数が小さい基板の上に
は<100>軸配向の膜が得られた。実施例2と比較し
て、強誘電体薄膜3の成膜速度は3倍に向上した。
【0060】尚、基板1の上に、スパッタ法により(1
00)面が配向したNaCl型結晶構造の酸化物薄膜よ
りなる中間層2を形成し、該中間層2の上に同じスパッ
タ法により正方晶系のペロブスカイト型強誘電体薄膜を
形成する場合にも、基板1の平均熱膨張係数により、<
001>方向又は<100>方向に配向した強誘電体薄
膜を形成することができた。しかし、結晶性は基板1の
種類に依存する傾向にあった。
【0061】
【発明の効果】請求項1の発明に係る強誘電体薄膜素子
によると、基板として、該基板の室温から前記強誘電体
薄膜の形成時の温度までの平均熱膨張係数が70×10
-7/℃以上のものを用いるので、その上に形成される強
誘電体薄膜は<001>方向に強く配向している。
【0062】請求項2の発明に係る強誘電体薄膜素子に
よると、基板として、該基板の室温から前記強誘電体薄
膜の形成時の温度までの平均熱膨張係数が50×10-7
/℃以下のものを用いるので、その上に形成される強誘
電体薄膜は<100>方向に強く配向している。
【0063】このため、請求項1又は2の発明による
と、高価なMgOの単結晶よりなる基板を用いることな
く、安価な基板により、MgOの基板を用いたときと同
様の強誘電体薄膜素子を作製することができる。従っ
て、強誘電体薄膜素子及び該薄膜素子を応用した焦電型
赤外線検出素子、圧電素子、高誘電率材料を用いるキャ
パシタ等の電子部品の低コスト化を図ることができると
共に、Si基板上に直接に強誘電体薄膜を形成できるの
で素子性能が大幅に向上した一体化された信号処理デバ
イスを実現できる。
【0064】請求項3又は4の発明に係る強誘電体薄膜
素子によると、基板と強誘電体薄膜との間に、強誘電体
薄膜の形成時の温度における格子定数が該強誘電体薄膜
の格子定数に対して15%以内のミスフィットである中
間層が介在しているので、結晶性・配向性に優れた強誘
電体薄膜を形成することができる。
【0065】請求項5の発明に係る強誘電体薄膜素子に
よると、強誘電体薄膜がチタン酸鉛系、チタン酸ジルコ
ン酸鉛系又はチタン酸バリウム系を主成分とする材料よ
りなるため、平均熱膨張係数が70×10-7/℃以上の
基板上においては<001>方向に強く配向し、平均熱
膨張係数が50×10-7/℃以下の基板上においては<
100>方向に強く配向する。
【0066】請求項6の発明に係る強誘電体薄膜素子に
よると、強誘電体薄膜の結晶構造が正方晶であるため、
強誘電体薄膜を<001>方向又は<100>方向に強
く配向させることができる。
【0067】請求項7の発明に係る強誘電体薄膜素子に
よると、中間層がNaCl型の結晶構造を有しているた
め、強誘電体薄膜を<001>方向又は<100>方向
に強く配向させることができる。
【0068】請求項8の発明に係る強誘電体薄膜素子に
よると、中間層のNaCl型の結晶構造が(100)面
に配向しているため、強誘電体薄膜を<001>方向又
は<100>方向に強く配向させることができる。
【0069】請求項9の発明に係る強誘電体薄膜素子に
よると、NaCl型結晶構造の酸化物がNiO、CoO
又はMgOのいずれかであるため、(100)面に配向
するNaCl型の結晶構造を確実に形成することができ
る。
【0070】請求項10の発明に係る強誘電体薄膜素子
の製造方法によると、平均熱膨張率が70×10-7以上
である基板の上に(100)面配向のNaCl型結晶構
造の酸化物よりなる中間層を形成した後、該中間層の上
に正方晶系のペロブスカイト型の強誘電体薄膜を形成す
るため、<001>方向に強く配向した強誘電体薄膜を
形成することができる。
【0071】請求項11の発明に係る強誘電体薄膜素子
の製造方法によると、平均熱膨張率が50×-7以下であ
る基板の上に(100)面配向のNaCl型結晶構造の
酸化物よりなる中間層を形成した後、該中間層の上に正
方晶系のペロブスカイト型の強誘電体薄膜を形成するた
め、<100>方向に強く配向した強誘電体薄膜を形成
することができる。
【0072】請求項12〜15の発明に係る強誘電体薄
膜素子の製造方法によると、中間層及び強誘電体薄膜を
確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種材料よりなる基板上に形成された強誘電体
薄膜のX線回折パターンを示す図である。
【図2】本発明の実施例2に係る強誘電体薄膜素子の膜
構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施例2又は3に係る強誘電体薄膜素
子の製造方法に用いるプラズマ励起MO−CVD成膜装
置の概略断面図である。
【図4】本発明の実施例2に係る強誘電体薄膜素子にお
ける強誘電体薄膜のX線回折パターンを示す図である。
【図5】本発明の実施例2又は3に係る強誘電体薄膜素
子の製造方法に用いる他のプラズマ励起MO−CVD成
膜装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 中間層 3 強誘電体薄膜 4 強誘電体薄膜素子 5 プラズマ励起MO−CVD成膜装置 6 真空チャンバー 7 アース側電極 8 RF側電極 9 基板加熱ヒータ 10 原料気化容器 11 マグネシウムアセチルアセトナート 12 オイルバス 13 キャリアガス 14 酸素ガス 15 吹出ノズル 16 排気口 17 基板回転モータ 23 アース側電極 24 RF側電極 25 基板加熱ヒータ 26 第1の原料気化容器 30 第2の原料気化容器 31 第3の原料気化容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 37/02 41/08 (72)発明者 友澤 淳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鳥井 秀雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と該基板の上に形成された強誘電体
    薄膜とからなり、前記基板の室温から前記強誘電体薄膜
    の形成時の温度までの平均熱膨張係数は70×10-7
    ℃以上であり、前記強誘電体薄膜は<001>方向に強
    く配向していることを特徴とする強誘電体薄膜素子。
  2. 【請求項2】 基板と該基板の上に形成された強誘電体
    薄膜とからなり、前記基板の室温から前記強誘電体薄膜
    の形成時の温度までの平均熱膨張係数は50×10-7
    ℃以下であり、前記強誘電体薄膜は<100>方向に強
    く配向していることを特徴とする強誘電体薄膜素子。
  3. 【請求項3】 基板と該基板の上に形成された結晶性の
    中間層と該中間層の上に形成された強誘電体薄膜とから
    なり、前記基板の室温から前記強誘電体薄膜の成膜時の
    温度までの平均熱膨張係数は70×10-7/℃以上であ
    り、前記強誘電体薄膜の形成時の温度における前記中間
    層の格子定数と前記強誘電体薄膜の格子定数とのミスフ
    ィットは15%以内であり、前記強誘電体薄膜は<00
    1>方向に強く配向していることを特徴とする強誘電体
    薄膜素子。
  4. 【請求項4】 基板と該基板の上に形成された結晶性の
    中間層と該中間層の上に形成された強誘電体薄膜とから
    なり、前記基板の室温から前記強誘電体薄膜の成膜時の
    温度までの平均熱膨張係数は50×10-7/℃以下であ
    り、前記強誘電体薄膜の形成時の温度における前記中間
    層の格子定数と前記強誘電体薄膜の格子定数とのミスフ
    ィットは15%以内であり、前記強誘電体薄膜は<10
    0>方向に強く配向していることを特徴とする強誘電体
    薄膜素子。
  5. 【請求項5】 前記強誘電体薄膜は、チタン酸鉛系、チ
    タン酸ジルコン酸鉛系又はチタン酸バリウム系を主成分
    とする材料よりなることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の強誘電体薄膜素子。
  6. 【請求項6】 前記強誘電体薄膜の結晶構造は正方晶で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の強誘電体薄膜素子。
  7. 【請求項7】 前記中間層はNaCl型結晶構造の酸化
    物よりなることを特徴とする請求項3又は4に記載の強
    誘電体薄膜素子。
  8. 【請求項8】 前記NaCl型結晶構造の酸化物は(1
    00)面に配向していることを特徴とする請求項7に記
    載の強誘電体薄膜素子。
  9. 【請求項9】 前記NaCl型結晶構造の酸化物はNi
    O、CoO又はMgOのいずれかであることを特徴とす
    る請求項8に記載の強誘電体薄膜素子。
  10. 【請求項10】 基板上に(100)面配向のNaCl
    型結晶構造の酸化物よりなる中間層を形成する第1の工
    程と、前記中間層の上に正方晶系のペロブスカイト型の
    強誘電体薄膜を形成する第2の工程とを備え、前記第1
    の工程における基板の室温から前記強誘電体薄膜の形成
    時の温度までの平均熱膨張係数は70×10-7/℃以上
    であり、前記第2の工程は前記強誘電体薄膜を<001
    >方向に強く配向させる工程を有していることを特徴と
    する強誘電体薄膜素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 基板上に(100)面配向のNaCl
    型結晶構造の酸化物よりなる中間層を形成する第1の工
    程と、前記中間層の上に正方晶系のペロブスカイト型の
    強誘電体薄膜を形成する第2の工程とを備え、前記第1
    の工程における基板の室温から前記強誘電体薄膜の形成
    時の温度までの平均熱膨張係数は50×10-7/℃以下
    であり、前記第2の工程は前記強誘電体薄膜を<100
    >方向に強く配向させる工程を有していることを特徴と
    する強誘電体薄膜素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の工程及び第2の工程はスパ
    ッタ法により行なうことを特徴とする請求項10又は1
    1に記載の強誘電体薄膜素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 第1の工程は有機金属錯体の蒸気を原
    料ガスとするMO−CVD法により行ない、前記第2の
    工程はスパッタ法により行なうことを特徴とする請求項
    10又は11に記載の強誘電体薄膜素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の工程はスパッタ法により行
    ない、前記第2の工程は有機金属錯体の蒸気を原料ガス
    とするMO−CVD法によって行なうことを特徴とする
    請求項10又は11に記載の強誘電体薄膜素子の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記第1の工程及び第2の工程は有機
    金属錯体の蒸気を原料ガスとするMO−CVD法により
    行なうことを特徴とする請求項10又は11に記載の強
    誘電体薄膜素子の製造方法。
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