JPH0451407A - 強誘電体薄膜の製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜の製造方法

Info

Publication number
JPH0451407A
JPH0451407A JP15927390A JP15927390A JPH0451407A JP H0451407 A JPH0451407 A JP H0451407A JP 15927390 A JP15927390 A JP 15927390A JP 15927390 A JP15927390 A JP 15927390A JP H0451407 A JPH0451407 A JP H0451407A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
perovskite
film
oxide thin
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15927390A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Yamakawa
晃司 山川
Hiroshi Toyoda
啓 豊田
Kazuhide Abe
和秀 阿部
Hiroshi Tomita
富田 宏
Motomasa Imai
今井 基真
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP15927390A priority Critical patent/JPH0451407A/ja
Publication of JPH0451407A publication Critical patent/JPH0451407A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的コ (産業上の利用分野) 本発明は、ペロブスカイト型酸化物からなる強誘電体薄
膜の製造方法に関する。
(従来の技術) 強誘電体薄膜は、その強誘電特性、焦電特性、光学特性
−9から、高機能小型高集積部品である光スィッチ、光
導波路、ELデイスプレィ、焦電型赤外線センサ、SA
Wデバイス、強誘電体不揮発性メモリ等に広く応用され
ている。
強誘電体H料の代表的なものとしては、ジルコン酸鉛系
、チタン酸鉛系、チタン酸バリウム系、アルカリ酸化物
系等のペロブスカイト型酸化物が挙げられる。ペロブス
カイト型酸化物は、結晶構造がABO3で表され、この
構造は立方単位格子の中心をA原子が、隅をB原子か、
稜の中心を0原子が占めた構造を有するものである。こ
れらペロブスカイト型酸化物以外でも、タングステンブ
ロンズ型酸化物やTGS (硫酸グリシン)等が強誘電
体材料として知られているが、上記したような用途に用
いられる強誘電体月利には、成膜か容易であること等か
ら、ペロブスカイト型酸化物か圧倒的に多く使用されて
いる。
上述したようなペロブスカイト型酸化物の薄膜は、スパ
ッタ法、CVD法、イオンブレーティング法、蒸着法、
レーザアブレーション法、MOCVD法等の各種の成膜
法によって形成することが試みられており、中でもスパ
ッタ法が一般的に多用されている。
従来、ペロブスカイト型酸化物薄膜の形成方法としては
、成膜基板の温度を高温にし、直接、ペロブスカイト結
晶化膜を得る方法(以下、高温プロセスと呼ぶ)と、低
温状態の基板上に例えばアモルファス状態やパイロクロ
ア型構造(ペロブスカイト型酸化物と同組成の低温相、
前駆体)の酸化物膜を形成し、熱処理を施して結晶化さ
せことにより、ペロブスカイト型構造の結晶化膜を得る
方法(以下、低温プロセスと呼ぶ)とが採用されてきた
スパッタ法を例として説明すると、まず高温プロセスで
は、MgO基板、Pt基板(Sjウェーハ上に成膜した
もの等)、カラス基板等の成膜基板を、500℃〜70
0℃程度のペロブスカイト型酸化物の結晶化温度まで加
熱し、この加熱状態の基板上にスパッタ粒子を堆積させ
て成膜する。基板表面の温度か結晶化温度以上であるた
め、基板に付着したスパッタ粒子は、基板上で直接ペロ
ブスカイト構造に結晶化する。一方、低温プロセスでは
、同様な成膜基板の温度を室温〜400℃程度に制御し
、スパッタ粒子を堆積させて成膜する。成膜状態では、
基板表面の温度がペロブスカイト型酸化物の結晶化温度
以下であるため、アモルファスあるいは別の低温相等の
結晶構造を示す。そこで、500℃〜700℃の温度で
1時間量」1熱処理を施し、ペロブスカイト型酸化物に
結晶化させる。なお、この低温プロセスでは、ガラス等
の非晶質基板を成膜基板として用いると、ペロジスカイ
l−構造に結晶化しにくい。
(発明が解決しようとする課8) 上述した高温プロセスおよび低温プロセスがペロブスカ
イト型酸化物からなる強誘電体薄膜の代表的な成膜法で
あるが、それぞれ次に掲げるような難点かあった。
高温プロセスでは、低温プロセスと比較して基板の制約
が小さいものの、高温で成膜するために元素の再蒸発や
再スパツタ等が生じやすいという難点がある。基板にヘ
テロエピタキシャルに膜形成する場合には、基板と膜と
の界面を原子オーダーで制御する必要があるが、成膜当
初の基板表面は、高温に晒された状態にあるため、基板
表面に到達したスパッタ粒子が再蒸発や再スパツタされ
やすい状態にある。このため、基板と薄膜との界面に不
愁合層、例えば非強誘電体層が形成され、電気的特性が
劣化しやすいという問題がある。また、成膜当初の基板
との整合性がないため、ランダムに結晶成長が起こり、
ポーラスな膜になりやずいという問題もある。
一方、低温プロセスでは、低温状態の基板上に成膜する
ため、高温プロセスのような組成ズレは起こりにくいも
のの、ペロブスカイト構造への結晶化のための熱処理の
際に、クラックが生じてしまうという難点かある。これ
は、ペロブスカイト相へ結晶化する際に体積収縮か起こ
るためである。
本発明は、」一連したような従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、緻密質で強誘電特性に優れたペ
ロブスカイト型酸化物薄膜を再現性よく形成することを
可能にした強誘電体薄膜の製造方法を提供することを目
的とするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明における第1の強誘電体薄膜の製造方法は、基板
上に、結晶構造がABO3で表されるペロブスカイト型
酸化物からなる強誘電体薄膜を形成するに際し、前記基
板上に、前記ペロブスカイト型酸化物の構成元素を所定
の比率で含み、かつ非ペロブスカイト(14造の酸化物
薄膜を厚さ10nm〜500nmの範囲て形成した後、
前記酸化物薄膜に熱処理を施して、第1のペロブスカイ
ト型酸化物薄膜を形成する工程と、前記第1のペロブス
カイト型酸化物薄膜上に、直接結晶化させながら所望と
する厚さの第2のペロブスカイト型酸化物薄膜を形成す
る工程とを有することを特徴としている。
また、第2の強誘電体薄膜の製造方法は、基板上に、結
晶構造がABO3で表されるペロブスカイ]・型酸化物
からなる強誘電体薄膜を形成するに際し、前記基板上に
、前記ペロブスカイト型酸化物の構成元素を所定の比率
で含み、かつ非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜を厚さ
lonm〜500nmの範囲で形成した後、前記酸化物
薄膜に熱処理を施して、第1−のペロブスカイト型酸化
物薄膜を形成する工程と、前記第1のペロブスカイト型
酸化物薄膜上に、前記非ペロブスカイ)・構造の酸化物
薄膜の形成および熱処理を複数回繰り返し行って、所望
とする厚さの第2のペロブスカイト型酸化物薄膜を形成
する工程とを有することを特徴としている。
本発明における強誘電体薄膜となるペロブスカイト型酸
化物は、立方単位格子の中心をA原子が、隅を13原子
か、稜の中心を0原子が占めたABO3で表される結晶
構造を有するものであり、上記A元素がPbSSr、 
Ba、 Ca、 Biから選ばれた1種または2種以上
の元素を主成分とし、B元素がZr、 Ti。
Nb5Geから選ばれた1種または2種以上の元素を主
成分とする構成の酸化物等である。上記ペロブスカイト
型酸化物の具体例としては、PbTiO3、PZT (
PbTiO3とPbZr03との固溶体) 、PLZT
(PZTにLaを添加したもの)、およびこれらを主成
分として、Mn、 Nb、 Fe、 Cr、 Co、 
Zn等を添加した酸化物等のジルコン酸鉛系、チタン酸
鉛系、BaTiO3,5rTi03に代表されるチタン
酸バリウム系、LiTaO3、LiNbO3等のアルカ
リ酸化物系等か例示される。
本発明において使用する是板としては、上記ペロブスカ
イト型酸化物の立方単位格子の格子定数に近い格子間距
離の構造を持つ立方格子構造の元素やその化合物か好ま
しく、例えばMgO1MgAl2O4等のペロブスカイ
ト型酸化物と格子定数の近い酸化物、PL、 Au等の
酸化物薄膜と反応しにくい電極材料(例えばSiウェハ
上に形成したちの等)、5rTi03、LiTaO3等
のペロブスカイト型酸化物の単結晶や多結晶体等が挙げ
られる。また、成膜する強誘電体薄膜の種類や用途によ
り、ハ板の配向性や結晶方位を最適にすることが好まし
い。
また、強誘電体薄膜の形成方法としては、−殻内な薄膜
形成法を適用することができ、例えばRFスパッタ法、
DCスパッタ法、イオンビームスパッタ法、抵抗加熱蒸
着法、EB蒸着法、クラスターイオンビーム法、イオン
ブレーティング法、液相エピタキシャル法、熱CVD法
、MOCVD法等の各種薄膜法を使用することが可能で
ある。
本発明の強誘電体薄膜の製造方法の第1の工程において
は、まず上述したような基板上に、l」的とするペロブ
スカイト型酸化物の構成元素を所定の比率で含み、かつ
非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜を厚さ1. On 
m〜500nmの範囲で形成する。
上記非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜は、ペロブスカ
イト相への結晶化温度が成膜方法により多少異なるもの
の、通常は500°C〜700℃程度であるため、基板
温度をそれ以下にして成膜することにより得ることがで
きる。上記非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜とは、ア
モルファス状の酸化物薄膜やペロブスカイト型酸化物の
前駆体である同組成の低温相等である。例えば一般的な
スパッタ法では、室温でスパッタをすることでアモルフ
ァス状の酸化物薄膜が得られる。
この非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜は、厚さlon
m〜500nmの範囲で形成する。低温プロセスによっ
て形成する薄膜の厚さを十分に薄くすることにより内部
応力が増大し、この内部応力によってペロブスカイト相
へ結晶化するための熱処理時に生じる体積収縮を緩和す
ることが可能となり、クラックの発生を防止することが
できる。すなわち、非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜
の厚さが500nmを超えると、熱処理の際に起こる体
積収縮を薄膜内部で緩和することができず、クラックが
生じてしまう。より好ましくは、 150nm以下であ
る。また、上記酸化物薄膜の下限は、−様な膜を形成す
ることが可能な程度の厚さ、lonm程度の厚1コ さを有していれば十分であるが、基板に対してエピタキ
シャルな方位に配向したペロブスカイト構造の酸化物薄
膜を得る際には、30 n m以上程度とすることが好
ましい。非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜の膜厚があ
まり薄いと、熱処理時に基板から受ける応力が大ぎくな
り、基板とのエピタキシャル性が失われてしまうことか
あるためである。
本発明の第1の工程においては、上記非ペロブスカイト
構造の酸化物薄膜に対して熱処理を施すことによって、
ペロブスカイト型酸化物の薄膜を得る。この熱処理は、
例えばペロブスカイト相への結晶化温度以上に加熱した
炉に投入したり、あるいは赤外線加熱等によって行う。
予め形成した非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜は、低
温プロセスによって形成しており、十分に組成制御され
ているため、基板との整合性に優れた強誘電体薄膜か得
られる。
上記熱処理は、基板に対してエピタキシャル成長する条
件にて行うことが好ましい。」二記非ペロブスカイト状
態の酸化物薄膜を基板に対してエピタキシャルな方位に
成長させるための条件としては、基板自体、熱処理時の
昇温速度、薄膜の厚さ等か影響する。熱処理時の昇温速
度は、10°C/秒以上とすることか好ましい。このよ
うに昇温速度を速くすることにより、基板側か結晶核と
なって結晶成長が進み、エピタキシャル成長を促進する
ことができる。逆にyl′温速度がIO℃/秒未満の場
合、徐々に結晶成長が進むため、ランダムに結晶核が発
生し、エピタキシャルな結晶成長が阻害されやすい。
また使用する基板に関しては、例えばPbTiO3強誘
電体薄膜の分極軸は(100)方向を向いているため、
厚さ方向に(100)軸が配向した基板、例えばPl板
を用いることが、またPZT強誘電体薄膜の分極軸は<
ill>方向を向いているため、厚さ方向に<Ill>
軸が配向した基板、例えばpt基板を用いることが好ま
しい。このように、分極軸にあった配向基板を用いるこ
とにより、分極効果を最大にすることができる。また、
厚さ方向に<11.1>軸か配向した基板上に、極めて
薄い非ベロブスカイト構造の酸化物薄膜を形成し、熱処
理を施すと、熱処理時の応力によって<100>方向に
配向したペロブスカイト型酸化物薄膜を得ることもでき
る。
本発明の強誘電体薄膜の製造方法においては、上記第1
の工程で得たクラック等のない健全なペロブスカイト型
酸化物薄膜上に、以下に示すいずれかの方法によって必
要な膜厚の第2のペロブスカイト型酸化物薄膜を形成す
る。
■ 例えば高温プロセスによって、第1のペロブスカイ
ト型酸化物薄膜上に、直接結晶化させながら必要な膜厚
の第2のペロブスカイト型酸化物薄膜を形成する。
■ 上記第1のペロブスカイト型酸化物薄膜の形成と同
様に、非ペロブスカイト状態の酸化物薄膜(膜厚10n
m〜500nm)の形成と熱処理とを繰り返し行うこと
によって、必要な膜厚の第2のペロブスカイト型酸化物
薄膜を形成する。
第2のペロブスカイト型酸化物薄膜の膜厚は、使用目的
等に応じて適宜設定するものであり、般的には第1の薄
膜との合計で、0.5μm〜10μm程度である。
上記■の方法では、基板を上述したペロブスカイト構造
の結晶化温度以上に保って成膜を行うことにより、直接
ペロブスカイト相を形成することかできる。この■の方
法によれば、内部応力が少なく特性に優れた強誘電体薄
膜が得られる。また、]二1■の方法によれば、より組
成制御がしやすい。
(作 用) 本発明の強誘電体薄膜の製造方法においては、第1の工
程で非ペロブスカイト構造の酸化物薄膜を形成し、熱処
理によりペロブスカイト構造の結晶化膜を得ている。低
温状態の基板上に成膜しているため、膜の構成元素の再
蒸発や再離脱が生じにくく、目的とする膜組成に調製が
しやすい。このため、基板との界面の整合性に優れた強
誘電体薄膜か得られる。また、予め形成する非ペロブス
カイト構造の酸化物薄膜の膜厚を十分に薄くしているた
め、クラックの発生を防止することができ、健全な強誘
電体薄膜か得られる。さらに、基板とエピタキシャルな
方位に配向したペロブスカイト薄膜を形成することがで
き、固相エピタキシャル(固相からのエピタキシャルな
結晶成長)であるため、膜内にボイドやボアがなく、高
温で基板と成膜時の付着粒子とが反応する危険も回避さ
れる。
さらに、薄い膜なので結晶の均一性にも優れる。
そして、上記したような第1のペロブスカイト構造の結
晶化膜上に、第2の工程てペロブスカイト相を直接形成
することによって、既に第1の工程でペロブスカイト構
造か形成されているため、ペロブスカイトの結晶化温度
以上に基板か保たれていれば、容易にペロブスカイト相
か形成される。
ここで、第1層目のペロブスカイト相が種結晶の役割を
果たすため、形成される膜は結果的に基板とエピタキシ
ャル方位となると共に、緻密質な膜か得られる。この工
程では基板と付着粒子との反応は考慮しなくてよく、成
膜条件の広い範囲で望む配向膜を得ることかできる。ま
た、第1の工程と同様に、非ペロブスカイト構造態の酸
化物薄膜の形成と熱処理とを繰り返し行うことによって
も、同様に緻密質でエピタキシャルに成長したペロブロ スカイト型酸化物の薄膜か得られる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
実施例1 光スィッチ、光導波路、SAWデバイス、光音響デバイ
ス、圧電トランスジューサ、焦電型赤外線センサ等ては
、MgO,5rTi(h、サファイア、ガラス等の絶縁
基板を用い、また強誘電体メモリ素子、薄膜バイパスコ
ンデンサ等には、PL、 Auを基板上に成膜したもの
を用いる。ここでは、後者を例として、pt成膜基板を
用いたものについて説明する。
まず、トランジスタもしくは配線を形成したSiウェー
ハ上に、5102絶縁膜(SiN 、 PSG ;リン
酸シリケートガラス、BPSG 、ホウ酸リン酸シリケ
ートガラス、ポリイミド等でも可)を、所望のコンタク
ト部分を残してプラズマCVD法により成膜してエツチ
ング加工して形成する。次いで、配線および電極として
ptを必要とするところ以外をレジスト等のマスクで覆
い、膜厚約500nmのPt膜を全面にスパッタ法によ
り形成する。この時に、ptと絶縁膜との密着性が悪い
ため、Ti等の接着層を50nm程度介在させるとよい
。Ptはスパッタ法により容易に(111)方位に配向
する。Pt膜の形成は、以ドに示すスパッタ条件によっ
て行った。
ptのスパッタ条件 方式     ・RPマグネトロンスパッタターゲット
 、水冷Cu製プレートに、Inでボンディングされた
直径5インチの pt板 基板温度  :室温 スパッタガス二Ar ガス圧   ・0.5Pa 基板距離  :  100mm 電力    : 500W 成膜速度  : 30rv/mi口 以下、第1図を参照して強誘電体薄膜の形成について説
明する。
第1図(a)は、Sjウェーハ1上に絶縁層とじて51
02膜2か形成されており、この5i02膜2上にTi
膜3を介してptの<IIl、>方向配向膜4が形成さ
れている状態を示している。
次に、上記ptの<III>方向配向膜4上に、スパッ
タ法によってアモルファス状態のPZT膜(PbZr、
 Ti1−、 03 ) 5を成膜する(同図−b)。
膜厚は約[i 0 n mとした。また、アモルファス
状態のPZT膜5の成膜時のスパッタ条件は、以下に示
す通りとした。
PZTのスパッタ条件 方式: I?Pマグネ]・ロンスパッタターゲット :
水冷Cu製プレートに樹脂でボンディングされた直径4
インチの PZT焼結体(PZT ; PbZro、 6Tto4
03 ) 基板温度  :室温 スパッタガス+ Ar102 ガス圧   : 10Pa 基板距離  :  135mm 電力    ・400W 1 つ 成膜速度  : Inn/min 次に、アモルファス状の膜5を700°Cに加熱した炉
に入れて約1時間熱処理を行い、結晶化させてペロブス
カイト型PZT強誘電体薄膜6を得る(同図−〇)。な
お、熱処理時の昇温速度は、40°C/秒とした。
得られたペロブスカイト型PZT強誘電体薄膜6の結晶
配向性をX線回折によって調べたところ、その膜の下地
であるPt<111>配向膜4に対してエピタキシャル
成長していることを確認した。
また、ペロブスカイト型PZT強誘電体膜6の膜厚が6
0nmと薄いため、SEMで高倍率(X 50000 
)で観察してもクラックは見当たらなかった。
次に、基板]を高温に加熱した状態でスパッタ成膜する
ことにより、所望の膜厚のペロブスカイト型PZT強誘
電体薄膜7を直接結晶化させながら形成する。
ターゲット組成は、下地のペロブスカイト型PZT膜6
と同じにし、基板温度をペロブスカイト相の結晶化温度
以上にする。以下に、スパッタ条件を示す。
PZTの尚温スパッタ条件 方式: I?l’ 2元マグネトロンスパッタターゲッ
ト :水冷Cu製プレートに樹脂でボンディングされた
直径4インチの PZT焼結体(PZT ; PbZro、 6TI0.
4 03 )および同pbo焼結体 基板温度   550°C スパッタガス・Ar102 ガス圧   ・10Pa 基板距離  :  135mm 電力    :  PZT=400W、  Pb0=]
50W成膜速度  : Inm/min 膜厚    : 2000nm 上記高温プロセスによるペロブスカイト型PZT強誘電
体薄膜7の形成においては、成膜面がベロジスカイl−
4M造のため、その上には容易にペロブスカイト構造が
形成される。また、成膜面との整合性が良好なため、<
11.1>方向に配向した非常に緻密なペロブスカイト
型PZT強誘電体薄膜7か得られた。また、基板を高温
にして結晶化させなから成膜しているため、厚く成膜し
ても膜にクラックが入ることがなく、内部の応力も小さ
いと考えられる。
また、上記ペロブスカイト型PZT強誘電体薄膜7」二
にレジストをマスクとして形成し、IIP系の混酸で不
要部分をエツチングした。さらに、その上にAu(30
0nm)/Cr(50nm)を上部電極としてリフトオ
フ法により形成した。できた膜は残留分極、絶縁抵抗等
電気特性ずいずれも従来より向上し、優れた強誘電特性
を有することが分った。
実施例2 上記実施例1で形成した熱処理によるペロブスカイト型
PZT強誘電体薄膜6上に、実施例1と同一条件でアモ
ルファス状態のPZT膜5を形成した後、実施例1と同
一条件で熱処理を施し、上記アモルファス膜5の形成と
熱処理とを10回繰り返し行って、第2図に示すように
、熱処理によるペロブスカイト型PZT強誘電体薄膜6
上に、同様なぺロブスカイト型PZT強誘電体薄膜8a
の多層膜8を形成した。この多層膜の膜厚は2000n
mとした。
このようにして得た強誘電体膜においても、実施例1と
同等の効果か得られた。また、多層膜8内にもクラック
は見当たらない。
比較例1 まず、Siウェーハ上に、実施例1と同様にして、5i
02絶縁膜、Ti膜、pt膜を順次形成した。このとき
のPL膜は、実施例1と同様に<Ill>方向に配向さ
れている。
次いて、上記pt膜」二に従来の低温プロセスによって
強誘電体薄膜を形成した。すなわち、上記ptの< 1
. I I >方向配向膜上に、スパッタ法によってア
モルファス状態の PZT膜(PbZr、 Ti膜−8
03)を成膜した。膜厚は約2000nmとした。また
、アモルファス状態のPZT膜の成膜時のスパッタ条件
は、以上に示す通りとした。
1)ZTのスパッタ条件 方式    、RFマグネトロンスパッタターゲット ディングされた直径4インチの PZT焼結体( PZT ; PbZro, 。
Tio.a  03 ) 基板温度  :室温 スパッタガス: Ar102 ガス圧   : 10Pa 基板距離  :  135mm 電力    : 400W 成膜速度   1nm/min 次に、アモルファス状の膜を700℃に加熱した炉に入
れて約1時間熱処理を行い、結晶化させてペロブスカイ
ト型PZT強誘電体薄膜を得た。なお、熱処理時の昇温
速度は、40℃/秒とした。
得られたペロブスカイト型PZT強誘電体薄膜の結晶配
向性をX線回折によって調べたところ、その膜の下地で
あるPill 11>配向膜に対してエピタキシャル成
長していることを確認した。
しかしながら、得られたペロブスカイト型PZT強誘電
体薄膜を光学顕微鏡( X 400)により観察したと
ころ、膜表面に大きなりラックが無数に存在していた。
さらに、SEMにより観察された上記ペロブスカイト型
PZT強誘電体薄膜の縦断面図を第3図に模式的に示す
。第3図に示すように、この比較例で得られたペロブス
カイト型PZT強誘電体薄膜9では、クラック]0がP
L<ill>配向膜4にまて達している。したかって、
ペロブスカイト型1)ZT強誘電体薄膜9上に上部電極
を形成したとしても、PL<I I I)配向膜4と短
絡してしまうため、使用することができないことが確認
された。
比較例2 ます、Siウェーハ上に、実施例1と同様にして、Si
02絶縁膜、Ti膜、pt膜を順次形成した。このとき
のPL膜は、実施例]と同様に<111>方向に配向さ
れている。
次いで、上記P[膜上に従来の高温プロセスによって強
誘電体薄膜を形成した。すなわち、基板を高温に加熱し
た状態でスパッタ成膜することにより、上記ptの<1
11>方向配向膜上に以下に示す膜厚のPZT膜を直接
結晶化しながら形成する。このときの基板温度はペロブ
スカイト相の結晶化温度以上にする。以下にスパッタ条
件を示す。
PZTのスパッタ条件 方式    : RP 2元マグネi・ロンスパッタタ
ーゲット :水冷Cu製プレートに樹脂でボンディング
された直径4インチの PZT焼結体( PZT ; PbZro. 6’ri
0.4  03 )および同pbo焼結体 基板温度  =550°C スパッタガス・Ar102 ガス圧   : 1.0Pa 基板距離  :  135mm 電力    :  PZT=400W,  PbO=1
50W成膜速度  : lrv/min 膜厚    :2000nI11 上記高温プロセスによるペロブスカイト型PZT薄膜の
SEMによる観察結果を第4図に模式的に示す。第4図
に示すように、この比較例で得られたPZT薄膜11は
、内部に無数のボア12を有しており、緻密な膜が得ら
れなかった上に表面の凹凸も大きかった、また、X線回
折によりこの膜を分析したところ、係る膜では配向性が
見られず、ペロブスカイト相以外のバイアクロア相も生
成していた。
[発明の効渠] 以上説明したように本発明によれば、基板上に強誘電体
膜を形成するに際し、強誘電体膜のクラック発生を防止
し、基板とエピタキシャルな方位に成長した基板との整
合性のよい緻密な膜が得られ、ひいては優れた強誘電特
性、高い信頼性を有する強誘電体薄膜素子、強誘電体薄
膜部品を提供することかてぎる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における強誘電体薄膜素子の
製造工程を示す断面図、第2図は本発明の他の実施例で
製造した強誘電体薄膜素子の構成を示す断面図、第3図
は従来の低温プロセスにより得られたペロブスカイト型
PZT強誘電体薄膜の内部状態を模式的に示す断面図、
第4図は従来の高温プロセスにより得られたPZT薄膜
の内部状態を模式的に示す断面図である。 ]・・・・・・Si基板、2・・・・・・5i02膜、
3・・・・・・Ti膜、4 ・・・ptの< 1. l
 i )方向配向膜、5・・・・・・PZTアモルファ
ス膜、6・・・・・・熱処理によって形成したPZTの
<1 I 1>方向配向膜、7・・・・・・高温成膜に
より形成したPZTの<l I 1>方向配向膜、8・
・・・・PZTの<l I 1>方向配向膜の多層膜、
9・・・・・低温プロセスによって形成したペロブスカ
イト型PZT強誘電体薄膜、10・・・・クラック、1
]・・・・・・高温膜プロセスによって形成したPZT
薄膜、]2・・・・・ボア。 出願人      株式会社 東芝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基板上に、結晶構造がABO_3で表されるペロ
    ブスカイト型酸化物からなる強誘電体薄膜を形成するに
    際し、 前記基板上に、前記ペロブスカイト型酸化物の構成元素
    を所定の比率で含み、かつ非ペロブスカイト構造の酸化
    物薄膜を厚さ10nm〜500nmの範囲で形成した後
    、前記酸化物薄膜に熱処理を施して、第1のペロブスカ
    イト型酸化物薄膜を形成する工程と、 前記第1のペロブスカイト型酸化物薄膜上に、直接結晶
    化させながら所望とする厚さの第2のペロブスカイト型
    酸化物薄膜を形成する工程とを有することを特徴とする
    強誘電体薄膜の製造方法。
  2. (2)基板上に、結晶構造がABO_3で表されるペロ
    ブスカイト型酸化物からなる強誘電体薄膜を形成するに
    際し、 前記基板上に、前記ペロブスカイト型酸化物の構成元素
    を所定の比率で含み、かつ非ペロブスカイト構造の酸化
    物薄膜を厚さ10nm〜500nmの範囲で形成した後
    、前記酸化物薄膜に熱処理を施して、第1のペロブスカ
    イト型酸化物薄膜を形成する工程と、 前記第1のペロブスカイト型酸化物薄膜上に、前記非ペ
    ロブスカイト構造の酸化物薄膜の形成および熱処理を複
    数回繰り返し行って、所望とする厚さの第2のペロブス
    カイト型酸化物薄膜を形成する工程と を有することを特徴とする強誘電体薄膜の製造方法。
  3. (3)請求項1または請求項2記載の強誘電体薄膜の製
    造方法において、 前記第1のペロブスカイト型酸化物薄膜が前記基板に対
    してエピタキシャルな方位に配向するよう前記熱処理を
    施すことを特徴とする強誘電体薄膜の製造方法。
JP15927390A 1990-06-18 1990-06-18 強誘電体薄膜の製造方法 Pending JPH0451407A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15927390A JPH0451407A (ja) 1990-06-18 1990-06-18 強誘電体薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15927390A JPH0451407A (ja) 1990-06-18 1990-06-18 強誘電体薄膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0451407A true JPH0451407A (ja) 1992-02-19

Family

ID=15690181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15927390A Pending JPH0451407A (ja) 1990-06-18 1990-06-18 強誘電体薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0451407A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5714194A (en) * 1993-06-04 1998-02-03 Sharp Kabushiki Kaisha Method for producing a ferroelectric thin film
JP2002134710A (ja) * 1994-01-13 2002-05-10 Rohm Co Ltd 誘電体キャパシタ
JP2002261252A (ja) * 1994-01-13 2002-09-13 Rohm Co Ltd 強誘電体キャパシタ
JP2006032910A (ja) * 2004-06-18 2006-02-02 Mitsubishi Materials Corp サーミスタ薄膜及びその形成方法
JP2006093169A (ja) * 2004-09-15 2006-04-06 Nec Corp 圧電トランス
JP2006319358A (ja) * 1994-01-13 2006-11-24 Rohm Co Ltd 強誘電体キャパシタおよびその製造方法
JP2006319357A (ja) * 1994-01-13 2006-11-24 Rohm Co Ltd 誘電体キャパシタの製造方法
JP2006324520A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Mitsubishi Materials Corp サーミスタ薄膜及びその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5714194A (en) * 1993-06-04 1998-02-03 Sharp Kabushiki Kaisha Method for producing a ferroelectric thin film
JP2002134710A (ja) * 1994-01-13 2002-05-10 Rohm Co Ltd 誘電体キャパシタ
JP2002261252A (ja) * 1994-01-13 2002-09-13 Rohm Co Ltd 強誘電体キャパシタ
JP2006319358A (ja) * 1994-01-13 2006-11-24 Rohm Co Ltd 強誘電体キャパシタおよびその製造方法
JP2006319357A (ja) * 1994-01-13 2006-11-24 Rohm Co Ltd 誘電体キャパシタの製造方法
JP2006032910A (ja) * 2004-06-18 2006-02-02 Mitsubishi Materials Corp サーミスタ薄膜及びその形成方法
JP2006093169A (ja) * 2004-09-15 2006-04-06 Nec Corp 圧電トランス
JP2006324520A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Mitsubishi Materials Corp サーミスタ薄膜及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5817170A (en) Low temperature seeding process for ferroelectric memory device
EP0732422B1 (en) Ferroelectric thin-film coated substrate, method for its manufacture and nonvolatile memory comprising such a substrate
JP3482883B2 (ja) 強誘電体薄膜素子およびその製造方法
US7339219B2 (en) Capacitance device including a perovskite film having (001) orientation
US7642693B2 (en) Wurtzite thin film, laminate containing wurtzite crystalline layer and their manufacturing methods
US10017874B2 (en) Ferroelectric crystal film, electronic component, manufacturing method of ferroelectric crystal film, and manufacturing apparatus therefor
KR100442543B1 (ko) 층진초격자재료의박막층제조방법및이박막층을갖는전자소자
JPH11502673A (ja) 積層超格子材料およびそれを含む電子デバイスの低温製造方法
KR100827216B1 (ko) 마이크로 전자공학 압전 구조체
US11527706B2 (en) Film structure body and method for manufacturing the same
JP2001313429A (ja) 積層薄膜その製造方法および電子デバイス
US6528863B1 (en) Perovskite-containing composite material, method of manufacturing said material, electronic component and module
JPH0451407A (ja) 強誘電体薄膜の製造方法
KR100321561B1 (ko) 휘발 성분이 포함된 다성분 산화물 강유전체 박막의 제조방법
KR0156044B1 (ko) 층상구조 산화물의 화학용액 처리방법
WO2004085718A1 (ja) 強誘電体膜
KR19990006318A (ko) 강유전체막의 퇴적 방법 및 강유전체 커패시터 소자
JP3586870B2 (ja) 配向性薄膜形成基板およびその作製方法
US11758817B2 (en) Film structure and method for manufacturing the same
JP4422678B2 (ja) 蒸着法を用いた強誘電性単結晶膜構造物の製造方法
JPH06107491A (ja) 結晶性薄膜製造方法
JPH09282943A (ja) 強誘電体結晶薄膜の製造方法及び強誘電体キャパシタ
JP2718414B2 (ja) チタン酸鉛薄膜の製造方法
KR100795664B1 (ko) (001) 배향된 페로브스카이트막의 형성 방법, 및 이러한페로브스카이트막을 갖는 장치
JP4528950B2 (ja) 強誘電体膜構造体の製造方法