JP2718414B2 - チタン酸鉛薄膜の製造方法 - Google Patents

チタン酸鉛薄膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はチタン酸鉛薄膜の製造方法に関するもので
あり、更に詳細には、特にチタン酸鉛のc軸配向薄膜を
効率良く製造する方法に関するものである。
(従来技術) 従来、超音波の感受素子材料としてはPZT(チタン酸
ジルコン酸鉛)やZnO(酸化亜鉛)、また赤外線の感受
素子材料としてはポリフッ化ビニリデンまたはPZTが用
いられている。これらの材料は、基本特性として、超音
波については圧電性、また赤外線については焦電性を有
している。一方、チタン酸鉛は、これらの素子材料に比
較して優れた特性を持ち、超音波ならびに赤外線に対し
基本特性を有し、超音波および赤外線のいずれかについ
ても感受素子材料として有望視されている。
チタン酸鉛はペロブスカイト型結晶構造を有する強誘
電体で、大きな圧電性と焦電性を合わせ持っており、超
音波検出素子ならびに赤外線検出素子として有用な材料
である。そのチタン酸鉛のこれら優れた特性を引き出す
ためには、その材料の有する大きな誘電分極を達成しな
くてはならない。そのためには、チタン酸鉛を単結晶体
として用いるのが特に好ましい。というのは、チタン酸
鉛の誘電分極は特定の結晶軸方向において特に大きいた
めである。換言すると、チタン酸鉛の結晶(正方晶)の
c軸方向に対してTiの四価イオンならびにPbの二価イオ
ンが、酸素原子の二価イオンとは逆の結晶軸方向にずれ
ているためである。このためにチタン酸鉛の誘電分極を
有効に利用するためには、チタン酸鉛の単結晶を用いる
か、c軸配向性に優れているチタン酸鉛焼結体としての
セラミック体を用いることが考えられる。しかし、チタ
ン酸鉛単結晶の育成ならびにc軸配向性に優れたチタン
酸鉛焼結体の製造が困難であるために、結晶軸がランダ
ムであるセラミック体が利用されているのが現状であ
り、そのためにチタン酸鉛の本来有する圧電性ならびに
焦電性についての特性が十分に発揮されているとは言い
難い。
更に、近年、超音波ならびに赤外線の検出素子に対
し、小型化、高機能化、更には高集積化への要求が高ま
っており、従来のようなセラミック体ではその対応に限
界が来ている。これらの要求を満たすには、c軸配向性
に優れたチタン酸鉛薄膜に対する要請が高まってきてい
る。
チタン酸鉛薄膜を製造する方法としては、スパッタリ
ング法とCVD法とが挙げられるが、製造装置の構造や機
構ならびに材料の取扱いの簡便さなどからして、スパッ
タリング法がCVD法より優位性があるといえる。スパッ
タリング法は、成膜用材料であるターゲットにアルゴン
のプラズマを衝突させ、飛出した分子もしくは原子また
はそれらの混成体を基板上に凝縮させて薄膜を形成させ
る方法である。従って、ターゲットとしてチタン酸鉛を
使用するとチタン酸鉛の薄膜を基板上に成膜させること
が可能であるが(特開昭58−186105号公報参照)、薄膜
の組成や結晶軸の配向性を制限することが非常に困難
で、c軸方向に結晶軸を配向させた、チタン酸鉛薄膜を
製造することはこれまで不可能であった。
(発明が解決しようとする課題) そこで、この発明は、スパッタリング法によって、c
軸配向性に優れたチタン酸鉛(PbTiO2)薄膜を製造する
ことを目的としている。
そのために、この発明に係るチタン酸鉛薄膜の製造方
法においては、チタン酸鉛薄膜の結晶成長に工夫をこら
すと同時に、その結晶の組成にも工夫をこらして、c軸
配向性の優れたチタン酸鉛薄膜を製造している。
(課題を解決するための手段) チタン酸鉛薄膜を超音波ならびに赤外線の感受素子材
料として利用するに際しては、その膜面に誘電分極させ
ることがチタン酸鉛薄膜の有する大きな圧電性ならびに
焦電性を最も効率よく利用できることになる。このため
にはその膜面に対して垂直な方向にチタン酸鉛薄膜のc
軸を成長させることが必須である。
一般に、基板としてガラス等の非晶材料を用いてその
表面に膜形成を行なうと、成膜された膜結晶は、結晶軸
の配向方法がランダムである多結晶体が得られる。これ
に対して、単結晶のある特定面を基板として利用する
と、形成される薄膜はその結晶軸配向が基板の結晶軸配
向に従って成長することが知られている。このことはエ
ピタキシカル成長と言われ、この発明に係るチタン酸鉛
薄膜の結晶軸配向を高めるためにも有用な手法である。
チタン酸鉛薄膜の求めるべき誘電特性を達成するに
は、その薄膜の結晶軸配向性に加えて、その薄膜の形成
もまた重要である。つまり、チタン酸鉛のc軸方向に対
する誘電分極は、結晶性に起因するチタン、鉛、酸素の
各イオンのずれの他、誘電分極を支える各イオンの量も
関与している。一例としては、チタン酸鉛をターゲット
材料として用いる場合、一般的には形成される薄膜にお
けるチタン、鉛、酸素原子の比率は、ターゲット材料と
して使用したチタン酸鉛のチタン、鉛、酸素原子の比率
と同一にはならない。特に酸素については、スパッタリ
ングに際し、気体化してしまって散逸し、化学的量論比
よりも低くなるのが普通である。以上の点を考慮する
と、ターゲット材料を構成する元素の種類はできるだけ
少ないことが好ましい。
かかる観点から、この発明においては、チタン酸鉛を
構成する元素であるチタン、鉛、酸素をそれぞれ基板、
ターゲットならびに雰囲気ガスから供給する方法を採用
し、得られるチタン酸鉛薄膜の組成を適正化している。
この発明において使用する基板としては、ルチル(Ti
O2)の単結晶あるいは適当な基板上に形成したルチル薄
膜の特定の結晶面、特に(100)面、(001)面、(11
0)面などを挙げることができる。
この発明では、このような基板上に、酸化鉛(PbO)
をターゲットとして、アルゴンと酸素との混合気体中で
スパッタリングを行なうことにより、基板上に酸化鉛
(必ずしも化学量論的組成である必要はない)がその基
板の配向性に習って形成される。この場合、基板を適当
な温度に昇温し、また酸化鉛の基板上への体積速度を調
整する必要があるが、これらはいずれも常法に従って決
定することができる。更に、基板を形成するルチルとタ
ーゲットとして用いる酸化鉛の結晶構造は正方晶形でか
つ両結晶の格子定数が近いことがより好ましい。
更にまた、スパッタリング処理を行なっている間また
はその終了後に、形成された膜(TiO2/PbO)を加熱処理
することにより、基板側からはチタンおよび酸素原子
が、また酸化鉛の膜側からは鉛と酸素原子が相互に移動
して、基板として使用したルチルの結晶軸配向に習って
チタン酸鉛のc軸方向へ結晶軸が配向したチタン酸鉛薄
膜が形成される。
この加熱処理は、約550℃ないし約700℃の温度範囲で
行なうのが好ましい。
(発明の効果) 前述したように、請求項1〜3の発明によれば、スパ
ッタリングによりチタン酸鉛薄膜を形成する基板に、ル
チル単結晶の特定の形晶面を使用することによりチタン
酸鉛のc軸配向薄膜を効率よく作成することができる。
従って、係るc軸配向性に優れたチタン酸鉛薄膜は、そ
の誘電分極を効率良く利用することができ、その特性で
ある大きな圧電性ならびに、焦電性を十分に発揮し、超
音波ならびに赤外線に対する感受素子材料として有用で
ある。
(実施例) 以下、この発明を実施例により説明する。
実施例1 基板加熱用ヒーターを内蔵した高周波マグネトロンス
パッタリング装置に、(100)面を板面とし、表面を鏡
面仕上したルチル(TiO2)の単結晶を装着した。次に、
ターゲットとして直径5インチ(12.5cm)の酸化鉛焼結
体を基板との間隔が6.5cmとなるように配置した。
以上の準備が終了した段階で、スパッタリング用チャ
ンバー内を1×10-5Torr以下に真空排気した後、基板温
度を550℃に設定した。ここで、アルゴンと酸素の流量
比を1:1に調整した混合ガスを導入し、雰囲気圧を3.0×
10-2Torrとしてスパッタリングを行ない、基板表面に約
1.0μmの膜厚を有する薄膜を形成した。
第1図は、本実施例の方法によって得られた薄膜のX
軸回折を示す。第1図に示すように(100)面からのピ
ーク強度が大きく、c軸配向の優れたチタン酸鉛の形成
されていることが確認できた。
実施例2 膜形成における条件は、基板としてのルチルの(00
1)面とする以外、実施例1と同様にしてスパッタリン
グを行なった。この実施例においても、実施例1同様の
X軸回折を示す膜が得られ、チタン酸鉛の形成されてい
ることが確認できた。
実施例3 膜作成における条件は、基板としてのルチルの(11
0)面とする以外、実施例1と同様にしてスパッタリン
グを行なった結果、実施例1同様のX線回折を示す膜が
得られ、チタン酸鉛の形成されていることが確認でき
た。
実施例4 基板温度を150℃とした以外、実施例1と同様の成膜
プロセスを用いた。ここで得た薄膜をMgO製容器に密閉
し、600℃、2時間の加熱処理を行なった。所定時間の
経過後、徐冷操作を行ないチタン酸鉛の薄膜を形成し
た。第2図には、本操作によって得た膜のX線回折の結
果を示す。本図に示すように膜は十分に結晶化し、(00
1)面の鋭い回折ピークが見られ、実施例1同様c軸配
向の優れたチタン酸鉛膜の形成されていることが確認さ
れた。
比較例 成膜のプロセスは実施例4に準ずるが、基板としてシ
リコン、特にシリコンの(100)面を用いた。また、タ
ーゲットには、チタン酸鉛と同様の組成を有する焼結体
を用いた。この結果、作成された膜は非晶質体であるこ
とがX線回折による分析から判明した。
継いで、この非晶質膜を実施例4同様に熱処理し、X
線回折による分析を行なうと、第3図に示す結晶構造が
示された。これを実施例4の結果と比較すると、(00
1)面のピーク強度は著しく低いものになっている。す
なわち、基板としてルチルを用いることが優位であるこ
とが確認できた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1において得られたチタン酸鉛薄膜のX
線回折パターンを示すグラフ。 第2図は実施例4において得られたチタン酸鉛薄膜のX
線回折パターンを示すグラフ。 第3図は比較例において得られたチタン酸鉛薄膜のX線
回折パターンを示すグラフ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化チタン単結晶または二酸化チタン薄
    膜の特定結晶面に対して酸化鉛をターゲットとしてスパ
    ッタリングを行い、該スパッタリングの間もしくはその
    終了後に熱処理することによりチタン酸鉛薄膜を得る、 ことを特徴とするチタン酸鉛薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記スパッタリングを、酸化鉛をターゲットとして、ア
    ルゴンと酸素とを含む混合気体中で行う、 ことを特徴とするチタン酸鉛薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 前記熱処理を、略550℃〜略700℃の範囲で行う、 ことを特徴とするチタン酸鉛薄膜の製造方法。
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KR0179101B1 (ko) * 1995-03-06 1999-03-20 김주용 피.엘.티. 박막 제조방법
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