JPH10200369A - 圧電薄膜共振子 - Google Patents

圧電薄膜共振子

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JPH10200369A
JPH10200369A JP374897A JP374897A JPH10200369A JP H10200369 A JPH10200369 A JP H10200369A JP 374897 A JP374897 A JP 374897A JP 374897 A JP374897 A JP 374897A JP H10200369 A JPH10200369 A JP H10200369A
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JP
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thin film
film
thickness
piezoelectric
lower electrode
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JP374897A
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English (en)
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Naoyuki Hanashima
直之 花嶋
Shuji Tsuzumi
修司 津々見
Masa Yonezawa
政 米澤
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気機械結合係数が大きく、共振子、フィル
タ等に適用した場合の帯域幅及び発振周波数範囲が広い
圧電薄膜共振子であって、下部電極を露出させる必要が
なく、製造が容易な圧電薄膜共振子を提供する。 【解決手段】 絶縁膜1Aを有するSi基板1上に、下
部電極2、PZT薄膜3及び2個の上部電極4A,4B
を有する圧電薄膜共振子。上部電極4A,4Bの間隔は
PZT薄膜3の膜厚よりも大きい。 【効果】 圧電体膜が電気機械結合係数の大きいPZT
で形成されているため、広帯域なフィルタや発振周波数
範囲の広い共振器を実現できる。上部電極間に電界を印
加することにより圧電体膜を厚み方向に分極処理するこ
とができる。従って、下部電極を端子電極とする必要が
なく、このため下部電極を露出させるための煩雑な工程
が不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電薄膜共振子に係
り、特に、高周波帯域で動作する圧電薄膜の厚み方向の
バルク波を利用した共振器、フィルタ等に好適な圧電薄
膜共振子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高周波帯域において使用される
圧電振動子では、薄板の厚み振動が利用されている。従
来、提供されている高周波用の圧電振動子としては、次
の〜の構成のものなどがある。
【0003】 水晶、圧電セラミックス等の圧電板を
薄く研磨し、その基本振動を用いた圧電振動子。 水晶、圧電セラミックス等の高次振動を利用した高
次モード振動子。 圧電性蒸着膜を基板上に形成し、この圧電性蒸着膜
を励振して基板を高次振動させて用いる複合振動子。
【0004】上記従来の圧電振動子のうち、の構成の
ものでは、水晶、圧電セラミックス等の圧電板を薄くす
れば、板厚に反比例して基本共振周波数が高くなるが、
板厚を薄くすればするほど、機械加工が困難となる。こ
のため、現在では、板厚30〜40μmで共振周波数5
0MHz程度が限界である。
【0005】の構成のものでは、高次振動を用いるた
め電気機械結合係数が小さくなり、周波数帯域幅が小さ
すぎて実用的ではなく、また、電気機械結合係数が大き
い低次振動ではスプリアスとなる欠点がある。また、
の構成のものでも同様の欠点がある。
【0006】ところで、圧電素子用の高周波用圧電材料
としては、例えば、常誘電体のAlN、CdS、ZnO
等が用いられている。これらの材料は、機械加工により
薄く加工したとしても、40μm程度の厚みが限界であ
り、この程度の厚みのものでは、基本波の共振周波数
は、いずれの材料でも数十MHzが限界である。これら
の材料を用いた高周波用圧電薄膜共振子においては、例
えば、500MHz以上の高い共振周波数の基本振動を
得るためには、板厚を10μm以下にする必要がある。
【0007】一方、数百MHzの高周波帯域において、
電気機械結合係数の大きな圧電振動子を得る方法として
は、スパッタ法等の薄膜製造技術とエッチング技術を用
いる方法があり、例えば、特開昭60−31305号公
報には、スパッタ法で酸化亜鉛及びチタン酸鉛の薄膜を
形成した圧電素子が記載されている。この特開昭60−
31305号公報に記載される圧電素子は、基板の影響
をなくし、圧電体薄膜の振動特性を活かすために、基板
の一部をエッチングで除去している。
【0008】なお、従来、厚み振動を用いた圧電薄膜共
振子では、特開平8−148968号公報に記載される
圧電薄膜共振子に代表されるように、圧電体膜の上下の
電極に電界を印加することよりバルク波を励振させてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】スパッタ法による酸化
亜鉛、その他、従来の圧電材料は、いずれも電気機械結
合係数が20〜30%程度と小さいため、共振子、フィ
ルタ等を構成した場合、帯域幅及び発振周波数範囲が限
定される。なお、特開昭60−31305号公報では、
この点を改善するために、基板の一部を除去している
が、このように基板を除去した場合、素子強度が低下す
るという欠点がある。
【0010】また、従来提供されている厚み振動を用い
た圧電薄膜共振子では、圧電体膜の上下の電極に電界を
印加して厚み方向に分極処理することでバルク波を励振
させている。このため、下部電極をこの分極処理におけ
る端子電極とするべく、下部電極を露出させる必要があ
る。従って、圧電体膜を下部電極上に一様に形成した
後、エッチングにより圧電体膜の一部を除去して下部電
極を露出させたり、圧電体膜の形成に当り、下部電極を
部分的にマスクするなどして、下部電極の一部を残して
圧電体膜を形成する必要があり、下部電極を露出させる
ための煩雑な工程を必要とするという欠点がある。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決し、電気
機械結合係数が大きく、共振子、フィルタ等に適用した
場合の帯域幅及び発振周波数範囲が広い圧電薄膜共振子
であって、下部電極を露出させる必要がなく、従って製
造が容易な圧電薄膜共振子を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電薄膜共振子
は、絶縁膜を有するSi基板と、該Si基板の該絶縁膜
上に形成された下部電極と、該下部電極上に形成された
PZT薄膜と、該PZT薄膜上に形成された2個の上部
電極とを備えてなる圧電薄膜共振子であって、該2個の
上部電極同士の間の間隔が、該PZT薄膜の膜厚よりも
大きいことを特徴とする。
【0013】本発明の圧電薄膜共振子は、圧電体膜が電
気機械結合係数の大きい圧電材料であるPZT(チタン
酸ジルコン酸鉛)で形成されているため、広帯域なフィ
ルタや発振周波数範囲の広い共振器を実現できる。
【0014】しかも、上部電極が間隔をあけて2個形成
されているため、この上部電極間に電界を印加すること
により圧電体膜を厚み方向に分極処理することができ
る。従って、下部電極を端子電極とする必要がなく、こ
のため下部電極を露出させるための煩雑な工程が不要と
なる。
【0015】ところで、PZTは、良質な膜質の圧電体
薄膜を得ることが困難である。例えば、スパッタ法で
は、厚み振動の共振を十分確認できるほど良好なPZT
薄膜を形成できない。
【0016】これに対して、ゾルゲル法によるPZT薄
膜の成膜であれば、厚み振動に対して高い共振を示し、
圧電体薄膜として有効に機能する良好な膜質のPZT薄
膜を形成することができる。このPZT薄膜の膜厚は
0.1〜10μmであることが好ましい。
【0017】また、分極処理効果の面から、上部電極同
士の間の間隔(以下、「上部電極間隔」と称す。)は、
PZT薄膜の膜厚の2〜200倍であることが好まし
い。
【0018】本発明におては、Si基板の下部電極形成
面と反対側の面を一部エッチングで除去して凹部を形成
しても良く、これにより、発信周波数、挿入損失の特性
を向上させることができる。
【0019】本発明によれば、PZT薄膜の膜厚0.1
〜10μmであり、上部電極間隔0.2μm〜2mm
で、共振周波数帯域200MHz〜10GHzの高特性
圧電薄膜共振子が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0021】図1は本発明の実施の形態を示す斜視図、
図2は本発明の他の実施の形態を示す正面図、図3は本
発明の別の実施の形態を示す斜視図、図4は本発明の異
なる実施の形態を示す図であって、図4(a)は正面
図、図4(b)は側面図である。
【0022】図1〜4において、同一機能を奏する部材
には同一符号を付してある。
【0023】本発明の圧電薄膜共振子で用いる基板は、
表面に絶縁膜が形成されたSi基板であるが、このよう
な基板としては、図示の如く、表面に酸化膜(SiO2
膜)1Aが形成されたSi基板1が好適である。この酸
化膜付きSi基板1であれば、表面が平滑であり、熱処
理時の元素の拡散も防止でき、かつ機械的強度も十分で
あることにより、ゾルゲル法により、良好な膜質のPZ
T薄膜を形成することができる。
【0024】この酸化膜付きSi基板1の酸化膜1Aの
厚さは、薄過ぎると拡散防止効果がなく、厚過ぎるとク
ラックの発生や基板のそりの問題があるので0.5〜2
μm程度であることが好ましい。
【0025】また、酸化膜付きSi基板1としては、薄
膜圧電素子としての用途上、できる限り薄いことが望ま
しいが、過度に薄いと機械的強度が低下するため、厚さ
100〜300μm程度であることが好ましい。
【0026】本発明の圧電薄膜共振子は、このような酸
化膜付きSi基板1上に、下部電極2、PZT薄膜3及
び上部電極4(4A,4B)を順次成膜して得られる
が、下部電極2の成膜に先立ち、Ti層(図示せず)を
形成するのが、PZT薄膜3の成膜の上で有利である。
【0027】即ち、ゾルゲル法によるPZT薄膜の成膜
では、乾燥、焼成時に収縮を伴うため、5μmを超える
膜厚の薄膜を形成することは困難であるが、膜厚0.1
μm以下のPZT薄膜では、圧電体薄膜として機能する
には薄すぎて好ましくない。これに対して、酸化膜付き
Si基板上にTi層を形成しておくことにより、Si基
板と下地電極との密着層としての作用で、PZT薄膜を
比較的厚い薄膜として形成することが可能となる。
【0028】このTi層はスパッタ法等により形成する
ことができ、その厚さは50〜500Å程度であること
が好ましい。Ti層の厚さが50Å未満ではTi層を形
成したことによる効果が十分に得られない。
【0029】下部電極2としては、Pt、Ir、Al等
の導電性金属層をスパッタ法等で形成することができ、
その厚さは、通常の場合1000〜2000Å程度であ
る。
【0030】また、本発明において、下部電極2上にP
ZT薄膜3を形成するに先立ち、PbTiO3 (チタン
酸鉛)薄膜(図示せず)を形成するのが、良好な膜質の
PZT薄膜を形成する上で好ましい。即ち、PbTiO
3 は低温で結晶化し、その上に形成するPZT薄膜の鉛
の拡散を防止するという作用効果でPZT薄膜の膜特性
を高める。
【0031】圧電薄膜共振子において、良好な膜質のP
ZT薄膜を形成することは極めて重要である。即ち、P
ZT薄膜は、十分な分極処理をすることで圧電体薄膜と
して機能するが、膜質が不良である分極処理の電界を十
分に印加できず、圧電体薄膜として機能しないことにな
る。
【0032】このPbTiO3 薄膜もPZT薄膜と同様
にゾルゲル法で形成することができ、その膜厚は0.0
1〜0.1μm程度であることが好ましい。PbTiO
3 薄膜の膜厚が0.01μm未満では、PbTiO3
膜を形成したことによる効果が十分に得られず、0.1
μmを超えるとPZT薄膜の特性に影響する。
【0033】本発明において、圧電体薄膜としてのPZ
T薄膜3は、高周波対応とするために膜厚10μm以下
であることが必要とされ、好ましくは0.1〜10μ
m、より好ましくは0.2〜3μmの範囲で使用目的に
応じて適宜決定される。なお、PZT薄膜の膜厚が薄過
ぎると圧電効果が十分得られず、逆に、厚過ぎると良好
な膜質が得られない。
【0034】PZT薄膜3上の上部電極4(4A,4
B)としては、前述の下部電極2と同様の導電性金属層
をスパッタ法等によりパターニング形成することがで
き、その厚さは、通常の場合、1000〜2000Å程
度である。
【0035】本発明においては、上部電極として2個の
上部電極4A,4Bを形成し、この上部電極4A,4B
同士の間隔をPZT薄膜3の膜厚よりも大きくする。
【0036】上部電極間隔がPZT薄膜3の膜厚以下で
あると、分極処理に当り上部電極4A,4B間に電界を
印加した際、短絡が生じ、PZT薄膜を厚み方向に分極
処理することができない。ただし、上部電極間隔が過度
に大きいと素子寸法が徒に大きくなり、好ましくない。
【0037】この上部電極間隔はPZT薄膜の膜厚の2
〜200倍、即ち、膜厚0.1〜10μmのPZT薄膜
に対して上部電極間隔0.2〜2000μmであること
が好ましい。上部電極間隔は特にPZT薄膜の膜厚の1
0〜100倍であることが好ましい。
【0038】本発明においては、図2に示す如く、Si
基板1の下部電極2形成面と反応側の面をエッチング処
理して凹部5を形成しても良く、このように凹部5を形
成することにより、圧電薄膜共振子の機械的強度は若干
劣るものの低次モードをより強く励振することが可能と
なり、発信周波数、挿入損失の特性を向上させることが
できる。
【0039】この凹部5は、上部電極4A,4Bの形成
位置に対向する位置(上部電極を基板上に厚さ方向に透
影した位置)にSi基板1の厚さの50〜100%の深
さで形成するのが好ましい。
【0040】また、本発明においては、図3に示す如
く、PZT薄膜3上にSiO2 膜等の絶縁膜6を部分的
に形成し、上部電極4A,4Bを、この絶縁膜6とPZ
T膜3の表出面とにまたがるように形成することによ
り、端子電極としての上部電極4A,4Bの形成位置を
ずらして構造上の補強を図ることができる。この場合、
この絶縁膜6はSiO2 ,SiN,AlN,TiO2
Al2 3 等により形成することができ、その厚さは
0.05〜1μm程度であることが好ましい。
【0041】また、このように絶縁膜6を形成した場合
においても、図4に示す如く、Si基板1に凹部5を形
成しても良い。
【0042】次に、本発明の圧電薄膜共振子の製造方法
の好適例について説明する。
【0043】まず、酸化膜付きSi基板の表面に、スパ
ッタ法によりTi層及び下部電極を順次形成する。
【0044】次いで、下部電極上に、酢酸鉛等の鉛化合
物及びチタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキ
シド等のチタン化合物を所定のモル比で、合計濃度が1
〜10重量%程度となるように、メトキシエタノール、
酢酸エステル等の溶剤に溶解したPbTiO3 薄膜形成
用組成物を塗布し、150〜400℃で乾燥し、所定の
膜厚となるように、この塗布、乾燥を繰り返す。
【0045】更に、この上に、酢酸鉛等の鉛化合物、ジ
ルコニウムブトキシド、ジルコニウムプロポキシド等の
ジルコニウム化合物及びチタニウムイソプロポキシド、
チタニウムブトキシド等のチタン化合物を所定のモル比
で、合計濃度が10〜20重量%程度となるように、メ
トキシエタノール、酢酸エステル等の溶剤に溶解したP
ZT薄膜形成用組成物を塗布し、150〜400℃で乾
燥し、所定の膜厚となるように、この塗布、乾燥を繰り
返す。
【0046】最後に500〜800℃で0.1〜2hr
焼成する。
【0047】このようにして形成したPZT薄膜上に、
必要に応じて熱処理,CVD等によりSiO2 等の絶縁
膜を形成した後、スパッタ法により、2個の上部電極を
所定のパターンで形成する。その後、2個の上部電極間
に120〜200℃で200〜500kV/cm程度の
直流電界を10〜60分程度印加してPZT薄膜の分極
処理を行う。この分極処理を行うことでPZT薄膜が圧
電体薄膜として機能するようになる。
【0048】なお、前述の如く、PZT薄膜の膜質が十
分に良好なものでないと十分な分極処理ができず、圧電
体薄膜として機能させることができないため、本発明に
おいては、基板、下部電極、PZT薄膜、上部電極の形
成条件の最適化により、膜質の良好なPZT薄膜を形成
する。
【0049】Si基板をエッチングして凹部を形成する
場合には、TMAH(tetramethyl amm
onium hydroxide)等のエッチング液を
用いて、部分的に基板を除去すれば良い。
【0050】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0051】実施例1〜11 基板として、表面に厚さ1μmの酸化膜を有する厚さ2
50μmのSi基板を用い、このSi基板表面にスパッ
タ法により、厚さ500ÅのTi層及び厚さ2000Å
のPt下部電極層を順次形成した。
【0052】このPt下部電極層上に、ゾルゲル法によ
り、厚さ0.01μmのPbTiO3 薄膜を形成し、更
に、このPbTiO3 薄膜上にゾルゲル法により、表1
に示す膜厚のPZT薄膜を形成した。
【0053】なお、PbTiO3 薄膜の形成には、酢酸
鉛とチタニウムイソプロポキシドを所定のモル比で合計
濃度1重量%となるようにメトキシエタノールに溶解し
たPbTiO3 薄膜形成用溶液を用い、PZT薄膜の形
成には、酢酸鉛とジルコニウムブトキシドとチタニウム
イソプロポキシドとを所定のモル比で合計濃度15重量
%となるように溶解したPZT薄膜形成用溶液を用い、
スピンコートにより塗布した後400℃で乾燥し、この
塗布、乾燥を所定の膜厚になるまで繰り返し、最後(P
ZT薄膜形成後)に650℃で1hr焼成した。
【0054】更に、PZT薄膜上にスパッタ法により、
図1に示す如く、厚さ1500Åで、70μm×70μ
mの正方形状のAl上部電極2個を上部電極間隔180
μmでパターニング形成した。
【0055】その後、上部電極同士の間に150℃で3
00kV/cmの直流電界を10min印加したとこ
ろ、PZT薄膜が厚み方向に分極処理され、圧電薄膜共
振子が得られた。
【0056】得られた圧電薄膜共振子の厚み振動の基本
共振周波数は表1に示す通りであった。
【0057】
【表1】
【0058】比較例1 実施例1において、上部電極間隔をPZT薄膜の膜厚よ
り小さい0.2μmとしたこと以外は同様にして行った
ところ、上部電極間に直流電界を印加しても短絡してし
まい分極処理を行うことができなかった。
【0059】実施例12 実施例1において、PZT膜厚を0.8μmとし、80
μm×75μmの長方形状のAl上部電極2個を上部電
極間隔75μmで形成したこと以外は同様にして圧電薄
膜共振子を作製し、その共振周波数及び挿入損失を表2
に示した。
【0060】実施例13 実施例12において、図2に示す如く、上部電極形成位
置に対向するSi基板の裏面側に、235μm×75μ
m×235μm深さの凹部を形成したこと以外は同様に
して圧電薄膜共振子を作製し、その共振周波数及び挿入
損失を表2に示した。
【0061】
【表2】
【0062】実施例14 実施例7において、PZT薄膜の成膜後、図3に示す如
く、振動領域以外に厚さ1μmのSiO2 膜をスパッタ
により形成し、その後、このSiO2 膜とPZT薄膜と
にまたがるように、厚さ1500ÅのAl上部電極を上
部電極間隔180μmで形成したこと以外は同様にして
圧電薄膜共振子を作製した。この圧電薄膜共振子の上部
電極は、PZT薄膜上に形成された部分の面積が70μ
m×70μmで、SiO2 薄膜上に形成された部分の面
積が100μm×100μmで連結部の幅が20μmの
ものである。
【0063】この圧電薄膜共振子について、上部電極の
面積のちがいによる、インピーダンスを調べ、実施例7
の圧電薄膜共振子と比較したところ、実施例7の圧電薄
膜共振子は50Ω付近であるのに対して、本実施例の圧
電薄膜共振子も50Ω付近であり、このような構成とし
ても、特性に変化はなく、上部電極形成位置をずらし
て、補強構造とすることができることがわかった。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の圧電薄膜共
振子によれば、圧電体膜として電気機械結合係数の大き
いPZT薄膜を用いるため、簡単な構造においても広帯
域なフィルタや発信周波数の広い共振器を実現する圧電
薄膜共振子を得ることができる。また、上部電極を所定
の間隔をあけて2個設けたため、下部電極を端子電極と
して用いる必要がなく、この結果、下部電極を露出する
ための煩雑な工程が不要となり、圧電薄膜共振子を容易
に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す正面図である。
【図3】本発明の別の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の異なる実施の形態を示す図であって、
図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 下部電極 3 PZT薄膜 4A,4B 上部電極 5 凹部 6 絶縁膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁膜を有するSi基板と、該Si基板
    の該絶縁膜上に形成された下部電極と、該下部電極上に
    形成されたPZT薄膜と、該PZT薄膜上に形成された
    2個の上部電極とを備えてなる圧電薄膜共振子であっ
    て、 該2個の上部電極同士の間の間隔が、該PZT薄膜の膜
    厚よりも大きいことを特徴とする圧電薄膜共振子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記PZT薄膜はゾ
    ルゲル法により形成されたものであり、その膜厚が0.
    1〜10μmであることを特徴とする圧電薄膜共振子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記2個の上
    部電極同士の間の間隔が前記PZT薄膜の膜厚の2〜2
    00倍であることを特徴とする圧電薄膜共振子。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、前記Si基板の下部電極形成面と反対側の面にエッ
    チングにより凹部が形成されていることを特徴とする圧
    電薄膜共振子。
JP374897A 1996-03-26 1997-01-13 圧電薄膜共振子 Withdrawn JPH10200369A (ja)

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JP (1) JPH10200369A (ja)

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