JPH08250779A - マイクロ構造体、その製造方法及びそれを用いた静電アクチュエータ - Google Patents

マイクロ構造体、その製造方法及びそれを用いた静電アクチュエータ

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JPH08250779A
JPH08250779A JP5575995A JP5575995A JPH08250779A JP H08250779 A JPH08250779 A JP H08250779A JP 5575995 A JP5575995 A JP 5575995A JP 5575995 A JP5575995 A JP 5575995A JP H08250779 A JPH08250779 A JP H08250779A
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microstructure
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thin film
layer
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JP5575995A
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Takayuki Yagi
隆行 八木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 a)応答性や信頼性の高いマイクロ構造体、
b)特に、応答性および信頼性の高い静電アクチュエー
タ、ならびに、c)基板材料も含めて広い範囲の材料を
用いて、段差のある基板上であっても電極パターンを有
するマイクロ構造体を形成できるマイクロ構造体の製造
方法を提供する。 【構成】 第1基板とビーム形成層(またはビームパタ
ーン)を有する第2基板を樹脂膜よりなる接着層を介し
てビーム形成層を挟む形で接着し、ビーム形成層上の層
を除去し、所定のビームパターンを得て、そのパターン
上に樹脂膜よりなる空隙形成層を形成し、ビームパター
ンの一端と第1基板とを接続するための支持部、および
ビームパターン上に空隙形成層を介してメンブレンを形
成し、接着層および空隙形成層を除去してマイクロ構造
体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロメカニクス技
術を用いて作製するマイクロ構造体、特に犠牲層を用い
て形成されるマイクロ構造体の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、小型の可動機構を有する微小機械
がマイクロメカニクス技術により検討されている。特
に、半導体集積回路形成技術(半導体フォトリソグラフ
ィプロセス)を用いて形成するマイクロメカニクス技術
により、基板上に複数の小型で作製再現性の高い微小な
機械部品(マイクロ構造体)を作製することが可能であ
る。このため、アレイ化、低コスト化が比較的容易とな
り、かつ小型化により従来の機械式構造体に比べて高速
応答性が期待できる。
【0003】基板上に、そのようなマイクロ構造体を作
製する典型的な方法としては以下の3つがある。
【0004】第1の方法としては、ポリシリコン膜より
なるワブルマイクロモーター(M. Mehregany et al., "
Operation of microfabricated harmonic and ordinary
side-drive motors", Proceedings IEEE Micro Electr
o Mechanical Systems Workshop 1990, p.1-8)、静電
カンチレバー(K.C.Kong et al."Integrated electrost
atically resonant scan tip for atomic force micros
cope", J. Vac. Sci. Technol. B 11(3), 1993, p.643-
641)や、リニアマイクロアクチュエータ(P. Cheung e
t al., "Modeling and position-detection of a polys
ilicon linear microactuator", Micromechanical Sens
ors, Actuators and Systems ASME 1991,DS C-Vol.32,
p.269-278)等を形成する作製方法であり、これはSi
基板上の犠牲層となるシリコン酸化膜と薄膜形成したマ
イクロ構造体となるポリシリコン、ならびにSOI(Si
on Insulator)またはSIMOX(Separation by ion
implantation of oxygen, B. Diem et al., "SOI(SIMO
X) as a Substrate for Surface Micromachininig of S
ingle Crystalline Silicon and Actuators", The7th I
nternational Conference on Solid-State Sensors and
Actuators, Transducers'93, June 7-10, 1993, p.233
-236)のシリコン膜を所望の形状にパターニングした後
に、フッ酸にてシリコン酸化膜を除去する、シリコン酸
化膜を犠牲層として用いる方法である。
【0005】前記マイクロモーター又はリニアアクチュ
エータは、ローター又はアクチュエータの側方の近傍に
設けたステーター又は櫛形電極に電圧を印加することに
より発生する静電引力により、基板面に平行に変位する
ことができる。また、静電カンチレバーは、基板上に形
成された駆動電極と対向したカンチレバーに電圧を印加
することにより発生する静電引力により、カンチレバー
が撓み、カンチレバーの自由端を基板方向に変位させる
ことができる。静電カンチレバーは、駆動電極とカンチ
レバーが対向して配置できるために対向した電極面積を
大きく取ることが可能であり、マイクロモーター、リニ
アアクチュエータに比べて低電圧で駆動できる。
【0006】第2の方法はアルミニウム(Al)薄膜の
マイクロミラーよりなる空間光変調器(L. J. Hornbec
k、特開平2−8812)を形成する作製方法であり、
基板上に犠牲層となるフォトレジストを塗布し、Al薄
膜を形成し、所望の形状にパターニングした後に、酸素
プラズマを用いたドライエッチングによりフォトレジス
トを除去し、Al薄膜からなるマイクロ構造体を形成す
る方法である。
【0007】この方法では、フォトレジストを犠牲層と
して用いることにより基板の表面粗さの影響を受けるこ
となく、様々な種類の基板上にマイクロ構造体を形成す
ることが可能である。
【0008】マイクロミラーは、トーションレバー型の
静電アクチュエータであり、基板上に設けたミラー下部
の2つのアドレス電極(駆動電極)に電圧を印加するこ
とによりミラーに接続されたヒンジがねじれ、ミラーが
回転変位する。
【0009】第3の方法は、バルクであるSi基板上に
マイクロ構造体のパターンを形成した後に、ガラス基板
に前記パターンの一部を陽極接合法により接合し、接合
したSi基板を裏面よりエッチングし、マイクロ構造体
のみをガラス基板上に残すことにより形成する方法であ
る。
【0010】この方法を用いSi基板を薄膜化したバル
クSi薄膜からなるリニアアクチュエータ(Y. Giancha
ndani et al., "Micron-Sized, High Aspect Ratio Bul
k Silicon Micromechanical Devices", Proceedings IE
EE Micro Electro Mechanical Systems Workshop, 199
2, p.208-213)および同様の方法を用いてSi基板上に
形成して得たAFM(Atomic Force Microscope)用の
カンチレバー(T. A. Albrecht et al., United States
Patent Number 5,221,415)等が形成できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】現在、このようなマイ
クロ構造体については、構造体の反りがなく、集積回路
との整合性が良く、信頼性の高い構造体の構成及びその
作製方法が望まれている。特に、静電アクチュエータと
して応用する場合に、駆動電圧は未だに高く、また静電
引力により駆動するために外部電場の影響を受けやす
く、それらの点の向上および解決が望まれている。
【0012】しかしながら、低電圧化を図るには、前述
した静電カンチレバー及びマイクロミラーでは、カンチ
レバー及びミラーの面積を大きくし、カンチレバー又は
ヒンジのバネ定数を小さくする必要があり、高速応答性
が低減する。一方、外部電場の影響を小さくし信頼性を
向上させるには、カンチレバー及びミラーの面積を小さ
くし、カンチレバー又はヒンジのバネ定数を大きくする
必要がある。このように、低電圧化と信頼性の向上を独
立に達成することが困難である。
【0013】また、より広い応用を考えた場合、静電ア
クチュエータの変位方向が基板又は基板面内方向に限定
されており、変位方向の自由度を増すことが望まれてい
る。
【0014】また、このようなマイクロ構造体を各種用
途で使用可能とするには、基板も含めた材料選択の制限
が少なく、特に配線等により段差のある基板上でも問題
なくマイクロ構造体を形成できるようにしなければなら
ない。
【0015】しかしながら、そのような点を考慮する
と、前述した3種の従来の製造方法では、以下のような
問題がある。
【0016】前記第1の方法では、シリコン酸化膜をフ
ッ酸(HFの水溶液)にてエッチング除去するために、
構造体としてはフッ酸に食刻されないフッ酸腐食耐性材
料を用いる必要があり、マイクロ構造体にアルミニウム
電極等の電極を配線することができない。さらに、ポリ
シリコンをマイクロ構造体として用いる場合には膜応力
による反りが生じないようにポリシリコンの膜応力を制
御する必要がある。
【0017】マイクロ構造体に反りがあると、基板上に
複数のビームを形成した際に、各ビームを等しく基板に
対向して平行に形成できず、例えば基板方向にマイクロ
構造体が反ると、マイクロ構造体の自由端が基板と接触
する等の問題が生じる。また、前述した静電カンチレバ
ーに反りがあると、ビーム自由端が基板と接触する場合
にはカンチレバーが変位できず、またビーム自由端が基
板に対して上方に反る場合にはカンチレバーと駆動電極
との間が離れ、駆動電圧を加えても十分な変位を得るこ
とができない等の問題が生じる。
【0018】SOI基板を用いる場合、結晶Siの薄膜
下のシリコン酸化膜の一部を除去してしまうために、構
造体を支えるシリコン酸化膜がエッチバックされ、構造
体周囲全てが梁形状となり、基板と構造体との電気的接
続が困難となる。フッ酸により犠牲層を除去するため
に、Si酸化膜を絶縁層に用いる集積回路を基板上に形
成することができない。
【0019】また、前記第2の方法によれば、反応性イ
オンエッチング(RIE)によるドライエッチングにて
犠牲層除去が可能であり、ウェットエッチングにより犠
牲層を除去する際に生じるマイクロ構造体と基板との貼
り付き(Sticking)を回避できる。
【0020】しかしながら、この方法では、作製工程中
でフォトレジストが熱的損傷を起こさない程度の低温で
構造体薄膜形成を行う必要があり、構造体材料の制約が
大きい。さらに、マイクロ構造体を真空蒸着、スパッタ
リング等の薄膜形成プロセスにより形成するために、作
製したマイクロ構造体が膜応力による反りを生じないよ
う膜の応力制御をする必要がある。
【0021】次に、前記第3の方法では、犠牲層を用い
る必要がなく、フッ酸耐性のない材料にてマイクロ構造
体を形成することが可能である。
【0022】しかしながら、この方法では、ガラスと陽
極接合を行う必要があることから、材料としては酸化物
を形成する導電性のSi、あるいはSi基板上に形成し
た薄膜においてのみ陽極接合可能なシリコン窒化膜やシ
リコン酸化膜に限定される。また、陽極接合の接合温度
が300℃以上であり、熱応力の歪みによる接合時の基
板の損傷を回避するには、ガラスはSi基板とほぼ等し
い熱膨張係数を持っている必要がある。このために使用
できるガラスはパイレックスガラス(例えば、商品名#
7740Corning)等のガラスに限定される。さらに、
あらかじめマイクロ構造体に空隙を形成しておくため、
形成したマイクロ構造体上に電極のパターンを配線する
ことができない。また、基板としては可動イオンを含む
ガラスを用いる必要があることから、基板上に回路を集
積化することができない。さらに、陽極接合にてガラス
と導電性材料を接合する場合、ガラスおよび導電性材料
の表面粗さを500Å以下に抑える必要があり、段差の
大きな配線上に接合することができない。米国特許52
21415号にはその方法が開示されているが、その方
法では、Si窒化膜とガラスを陽極接合するに際して、
475℃の温度で接合し、電極はマイクロ構造体を形成
した後に基板面に全面に真空蒸着することから、カンチ
レバー上に電極パターンを形成できない。
【0023】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であって、 a)信頼性の高いマイクロ構造体、 b)特に、低電圧駆動が可能な静電アクチュエータ、 c)さらに、外部電場の影響のない静電アクチュエー
タ、ならびに d)基板材料も含めて広い範囲の材料を用いて、段差の
ある基板上であっても電極パターンを有するマイクロ構
造体を形成できるマイクロ構造体の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、一
端を支持部によって支持されたビームが空隙を介して配
置され、該ビームが支持部により支持されており、さら
に該ビーム上に空隙を介してメンブレンが配置されてい
るマイクロ構造体を提供する。
【0025】さらに本発明は、基板上に、支持部によっ
て一端を支持されたビームおよび該ビームの上のメンブ
レンをそれぞれ空隙を介して形成するマイクロ構造体の
製造方法であって、少なくとも(1)前記基板(第1基
板)の一方の面とビームとなるべき層(ビーム形成層)
が形成された基板(第2基板)のビーム形成層側の面の
うちの少なくとも一方の面に、樹脂膜よりなる接着層を
形成し、(2)該接着層を介して前記第1基板と第2基
板のビーム形成層側とを接着し、(3)該ビーム形成層
の上の層を除去し、(4)該ビーム形成層を所定の部分
を除去してビームパターンを形成し、(5)該ビームパ
ターン上に樹脂膜よりなる空隙形成層を形成し、(6)
該ビームパターンの一端と第1基板とを接続するための
支持部、およびビームパターン上に空隙形成層を介して
メンブレンを形成し、(7)接着層および空隙形成層を
除去することを特徴とするマイクロ構造体の製造方法、
ならびに基板上に、支持部によって一端を支持されたビ
ームおよび該ビームの上のメンブレンをそれぞれ空隙を
介して形成するマイクロ構造体の製造方法であって、少
なくとも(1)前記基板(第1基板)の一方の面と所定
の形状でビームとなるべき層のパターン(ビームパター
ン)が形成された基板(第2基板)のビームパターン側
の面の少なくとも一方の面に、樹脂膜よりなる接着層を
形成し、(2)該接着層を介して前記第1基板と第2基
板のビームパターン側とを接着し、(3)該ビームパタ
ーンの上の層を除去し、(4)該ビームパターン上に樹
脂膜よりなる空隙形成層を形成し、(5)該ビームパタ
ーンの一端と第1基板とを接続するための支持部、およ
びビームパターン上に空隙形成層を介してメンブレンを
形成し、(7)接着層および空隙形成層を除去すること
を特徴とするマイクロ構造体の製造方法を提供する。
【0026】さらに本発明は、少なくとも、基板上に1
つ以上の固定電極が形成され、支持部により空隙を介し
て支持したビームと該ビーム上にさらなる空隙を介して
メンブレンが形成されてなる静電アクチュエータを提供
する。
【0027】接着層を形成する工程としては、通常の形
成工程が使用できる。例えば、樹脂分子を有機溶媒にて
希釈した液をスピンナー法、ディッピング法、スプレー
法等により塗布する方法等の樹脂膜製造法を用いて行
う。塗布方法では樹脂膜は基板上の表面凹凸が存在して
も、平坦性良く塗布することが可能であり、これにより
他方の基板と接着する工程において、基板表面粗さの影
響を受けずに良好な面接着が可能となる。樹脂材料とし
ては、回路を集積化したSi基板上に樹脂膜を形成する
場合、ナトリウムイオン等の不純物の少ないフォトレジ
ストが好ましい。さらに好ましくは、密着力および機械
的な強度に優れたゴムを有するゴム系フォトレジストで
ある。
【0028】本発明で使用できるゴム系フォトレジスト
としては、例えば「微細加工とレジスト」(野々垣三郎
著、高分子学会編集、共立出版発行、1990年)11
頁第3行に記載のゴムが好ましく、また東京応化工業
(株)製の高解像度ネガ型フォトレジストとしてOMR
−83等のゴムを含有するフォトレジストが好ましく使
用できる。
【0029】第1基板と第2基板を接着する工程として
は、薄膜塗布した接着層を介して第1基板と第2基板を
裏面より圧力をかけて押し当てた後に、加熱処理するこ
とにより、接着層の膜中に含まれる有機溶媒を蒸発さ
せ、樹脂を硬化すると共に各基板との接着力を強くする
ことにより行う方法が好ましい。第1基板および/また
は第2基板に溝を形成することで、加熱処理時に発生す
る有機溶媒の蒸発を前記溝を通じて逃がすことが可能で
ある。第1基板と第2基板が導電体であるならば、基板
間に電圧を印加し、発生する静電力を用いて接着するこ
とも可能である。
【0030】接着層である樹脂膜の硬化は、300℃以
下の比較的低温において行うことが可能であり、第1基
板と第2基板の熱膨張係数の違いによる接着時の基板損
傷を回避することができ、熱膨張差に伴う第1基板材料
の制限がない。
【0031】薄膜構造体を形成する基板としては、第2
基板自体あるいは構造体層が形成された第2基板を用い
る。接着層と接着後に第2基板自体から薄膜構造体を形
成するためには、第2基板を薄膜にする。薄膜にするに
は、基板材料に適したエッチング液を用いたウェットエ
ッチング、反応性ガスを用いたドライエッチング、また
は研磨砥粒を用いたラッピング、ポリッシングを行う方
法を用いて、裏面を削って行うことができる。
【0032】第2基板としてSiを用いる場合、エッチ
ング液としては水酸化カリウム(KOH)水溶液、4−
メチルアンモニウム水溶液(tetramethyl ammoniumhydr
oxide)等のアルカリ水溶液、またはフッ酸と硝酸の混
合溶液等を用い、反応性ガスとしてはCF4、SF6、N
3等のプラズマガスを用いて行う。第2基板にSi、
GaAs等の結晶の基板を用いれば、マイクロ構造体は
反ることがなく、犠牲層上に薄膜形成してマイクロ構造
体を作製する際に問題となった膜応力による反りの問題
を回避でき、薄膜化することによりマイクロ構造体の膜
厚を任意に調整できる。
【0033】構造体層が形成された第2基板としては、
たとえば、Si結晶膜を構造体層とするSOI基板、構
造体層がn型層であり母体となる基板がp型のpn接合
からなるSi基板、Si基板を酸化ガスにより熱酸化し
形成したシリコン酸化膜を構造体層とするSi基板等を
用いることができる。SOI基板を用いる場合、ウェッ
トエッチングによりSi基板を除去しても、中間層であ
るシリコン酸化膜によりエッチングが停止し、構造体層
であるSi結品膜のみを残すことができる。また、pn
接合からなるSi基板を用いる場合、アルカリ水溶液を
用いた電解エッチングにより構造体層に電圧を印加する
ことで、n型の構造体層のみを残すことができる(B. K
loeck et al., "Study of Electrochemical Etch-Stop
for High-Precision Thickness Control of Silicon Me
mbranes "IEEE TRANSACTIONS ONELECTRON DEVICES, VO
L.36, NO.4, pp.663-669, 1989)。
【0034】薄膜構造体を形成する工程では、薄膜にし
た第2基板または基板を除去して形成した構造体層を、
半導体フォトリソグラフィプロセスによりパターニング
形成するか、あるいは、あらかじめ第2基板または構造
体層の接着面に構造体のパターンを形成しておき、第2
基板を裏面より除去することにより形成する。その場
合、前記のように、あらかじめ形成された構造体のパタ
ーンの段差部を、接着工程で加熱により発生する有機溶
媒の蒸気を逃がす溝として用いることが可能である。
【0035】空隙形成層を形成する工程としては、第1
基板に接着層を介して接着した薄膜構造体上に樹脂膜
を、接着層形成工程で用いたものと同様の樹脂膜製造法
を用いて形成する。空隙形成層は最終工程にて除去さ
れ、薄膜構造体とその薄膜構造体上に次の工程にて形成
するメンブレンとの間の空隙となる。
【0036】メンブレンは、空隙形成層および接着層の
一部を除去し、導電体材料を真空蒸着法または鍍金等の
薄膜製造法を用いて成膜し、パターニングすることによ
り、空隙形成層上に形成する。導電体薄膜により形成し
たメンブレンは電極として用いる。メンブレンは第1基
板に一部が固定されており、空隙形成層および接着層を
除去することにより、薄膜構造体上に空隙を介して配置
される。
【0037】支持部は第1基板と薄膜構造体を機械的に
接続するものであり、接着層および空隙形成層を除去す
る前に形成することにより、薄膜構造体の上面と第1基
板面上に形成し、薄膜構造体を上から吊り上げる構造と
なっている。支持部としてAl等の導電体薄膜を用いれ
ば、電気的に薄膜構造体と第1基板を接続することがで
きる。
【0038】接着層および空隙形成層の除去は、酸素プ
ラズマ、酸素ラジカルを用いたアッシングによりドライ
エッチングする方法にて行う。接着層および空隙形成層
が樹脂からなることでドライエッチングすることが可能
となり、ウェットエッチングによる犠牲層除去の際に問
題となった貼り付きを回避することができる。
【0039】本発明の方法で製造することができるマイ
クロ構造体としては、例えば、AFM、STM(Scanni
ng Tunneling Microscope)等のトンネル電流、ファン
デルワールス力、磁力、静電力等を検出するマイクロス
コープシステムに用いるカンチレバー型またはトーショ
ンビーム型のマイクロ構造体であり、特に本発明の方法
により、基板,その基板に形成した固定電極,導電体薄
膜よりなる支持部,その支持部により空隙を介して支持
されたビームおよびそのビーム上に空隙を介して形成さ
れたメンブレンとからなる静電アクチュエータは、ビー
ム上に可動電極を形成することが可能であり、前記支持
部がビームまたはビーム上に形成した可動電極と電気的
に接続すると共に、機械的に前記ビームをビーム上面よ
り支持し、導電体薄膜よりなるメンブレンとビームまた
は可動電極に電圧を印加することにより、ビームを変位
させることができる。
【0040】また、第1基板上に形成した固定電極をビ
ーム下部に配置することにより、固定電極を駆動用の電
極として用いることができる。メンブレンがビームおよ
び支持部とは電気的に絶縁されており、しかもビーム上
に空隙を介して配置されることにより、外部電界等によ
りビームが変位されないように電界を遮蔽するシールド
電極として用いることも可能である。可動電極を構造体
層に形成する工程としては、薄膜構造体に真空蒸着法を
用いて導電体薄膜を形成した後に、その導電体薄膜をフ
ォトリソグラフィプロセスおよびエッチングによってパ
ターニングする方法を用いる。
【0041】上述のように構成された本発明のマイクロ
構造体は、第1基板および/または第2基板上に形成し
た樹脂膜よりなる接着層により、第1基板と第2基板を
接着した後に、第2基板を薄膜構造体に整形し、樹脂膜
よりなる空隙形成層を形成し、支持部により第1基板と
薄膜構造体を機械的に接続し、薄膜構造体上に空隙形成
層を介してメンブレンを形成し、接着層および空隙形成
層を除去することにより製造される。そのように、接着
層および空隙形成層に樹脂膜を用いることにより、第1
基板および第2基板の材料が制限されることなく低温に
て接着でき、また接着層および空隙形成層を除去する前
工程に、導電体薄膜よりなる支持部およびメンブレンを
形成できる。また、樹脂膜よりなる接着層および空隙形
成層は、酸素プラズマによるアッシングにより除去が可
能であって、貼り付きが回避できる。
【0042】
【実施例】次に、本発明について、図面を参照しなが
ら、実施例によって詳細に説明する。
【0043】(実施例1)図1は、本発明のマイクロ構
造体の1例の斜視図であり、図2は図1のA−A’断面
図であり、図3および図4はそのマイクロ構造体の製造
手順を示す工程図である。
【0044】図1および2において、10は第1基板と
なるガラス基板、12は第2基板を整形して形成したS
i結晶体からなるビームであり、13はAl膜よりなる
支持部、15はAl膜よりなるメンブレンとなってい
る。ビーム12は空隙29を介して支持部13により前
記ビーム上面より吊り下げられた構造となり、支持部1
3がビーム12と基板10とを機械的かつ電気的に接続
しており、メンブレン15はビーム12上に空隙29a
を介して、エア・ブリッジ(Air Bridge)構造により基
板10上に形成されている。このマイクロ構造体は、支
持部13とメンブレン15に電圧を印加することによ
り、ビーム12はメンブレン15の方向に撓み変位する
カンチレバー型の静電アクチュエータとなっている。
【0045】次に、図3および図4を用いて、図1およ
び図2に示すマイクロ構造体の製造法について説明す
る。
【0046】第2基板としてSi基板22、シリコン酸
化膜23、1μm膜厚の結晶Si膜からなるSOI基板
を用いた。結晶Si膜は、導電体となるようイオン注入
法によりリンを注入・拡散して、低抵抗のn+層とした
(図3(A))。
【0047】次に、第1基板であるガラス基板10(商
品名、#7059 Corning)上にフォトレジストの接着
層25をスピンナー法により塗布した(図3(B))。
フォトレジストには東京応化(株)製のゴム系レジスト
であるOMR83(商品名)を用いた。ガラス基板10
はSiに比べて1.4倍の熱膨張係数を有する。
【0048】次に、図3(A)の第2基板と図3(B)
の接着層25を形成した第1基板を、図3(C)に示す
ように各基板の裏面より圧力を加えて接着した。接着す
る前に塗布したフォトレジストに対しては、50℃にて
10分間の熱処理を施し、そのフォトレジスト中に含ま
れる溶媒の含有量を調節し、接着の際の溶媒蒸気により
フォトレジストと第2基板の間に気泡が残ることを防い
だ。接着は、第2基板のガラス面側から観察しながら、
+層24が両基板の全面で十分に接着層と接着するよ
うに適当な圧力を加えて行った。第1基板と第2基板を
接着層を介して接着した後に、150℃に加熱して接着
層を硬化した。硬化後の接着層の膜厚は2μmであっ
た。
【0049】Si基板22を100℃に加熱したKOH
30wt%水溶液にてウェットエッチング除去した後
に、シリコン酸化膜23をHF水溶液にてエッチング除
去し、図3(D)に示すように結晶Si膜からなるn+
層24のみを接着層を介して第1基板上に残した。
【0050】n+層上にフォトレジストを塗布してから
露光・現像を行うフォトリソグラフィプロセスを用い
て、フォトレジストをパターニングした(図3
(E))。
【0051】フォトレジスト101をマスクとして、n
+層24をSF6ガスを用いた反応性イオンエッチング
(RIE)によりエッチングし、ビームパターン26を
形成した。さらに酸素ガスによるRIEにてフォトレジ
スト101をエッチングした。この時、接着層はビーム
パターン26をマスクとしてパターニングされた(図3
(F))。
【0052】次に、ヘキスト社製フォトレジストAZ4
620/A(商品名)を塗布し、ビームパターン上で5
μm膜厚となる空隙形成層27を形成した(図3
(G))。
【0053】そして、空隙形成層27をフォトリソグラ
フィプロセスを用いて、図4(H)に示すようにパター
ニングした。
【0054】以上のようにして形成したSiのビームパ
ターン26と空隙形成層27上に、支持部およびメンブ
レンとなるAl膜201を真空蒸着法の一種である電子
ビーム蒸着法を用いて2μm成膜した(図4(I))。
【0055】このAl膜201上に、フォトリソグラフ
ィプロセスにより、フォトレジストを塗布,露光および
現像し(図4(J))、フォトレジスト102をマスク
としてAl膜201をリン酸、硝酸および酢酸からなる
Alエッチャントにてパターニングし、図4(K)に示
した支持部13およびメンブレン15を形成した。
【0056】酸素プラズマによりフォトレジスト10
2、空隙形成層およびビームパターン26下部の接着層
をドライエッチング除去し、空隙29および29aを形
成した(図4(L))。酸素プラズマはマイクロ波励起
により生成し、エッチング時のガス圧力を1Torrとする
サイドエッチを大きく取る条件にした。酸素プラズマに
よるドライエッチングにより、Al膜および結晶Si膜
からなるビームがエッチングされることなく、ウェット
エッチングによる犠牲層除去の際に問題となった貼り付
きを回避することができた。
【0057】以上の手順で、ガラス基板と2μmの空隙
29を持つ1μm膜厚の結晶Siのビーム12をAlで
支持し、かつビーム12上に5μmの空隙29aを持つ
Al膜からなるメンブレン15を有する、本発明のマイ
クロ構造体を形成した。
【0058】このような本発明の製造法にて結晶Siか
らなるビームを作製したことにより、本質的に内部応力
を持たず、反りの無いカンチレバー型のビームを得るこ
とができた。また、樹脂膜を接着層として用いることに
より、第1基板の材料として第2基板と熱膨張係数の異
なるものを用いることが可能となった。
【0059】本実施例のマイクロ構造体は、反りがな
く、基板上に複数のビームを形成した際に、各ビームを
同様に基板に対向して平行に形成することが可能とな
る。また、メンブレン15を電気的に接地することによ
り、ビーム12への外部電場を遮蔽することが可能とな
り、外部電場の影響を受けないマイクロ構造体となって
いる。また、メンブレン15に電圧を印加することによ
り、従来基板側のみに変位した静電カンチレバーに対し
てビームの変位方向を基板に対して上方に変位させるこ
とが可能となった。
【0060】本実施例では、接着層を第1基板上に形成
し第2基板と接着したが、接着層を第2基板上あるいは
第2基板と第1基板の両面に形成した後に接着しても、
同様のビームの形成が可能であった。
【0061】ここでは第2基板としてSOI基板を用い
たが、p型Si基板上にイオン注入法によりn+型Si
層を形成したSi基板を用い、KOH水溶液を用いた電
解エッチングによりn+層に電圧を印加することでn+
の結晶Si膜のみを残し、図3(D)と同様の構成の第
1基板を形成できた。
【0062】本例では支持部として導電体であるAlを
用いたが、支持部は接着層および空隙形成層に熱損傷を
与えない温度において形成可能な薄膜材料であればよ
く、例えばスパッタ法によりシリコン酸化物等の絶縁材
料を薄膜形成して支持部に用いることも可能である。
【0063】また、本例では第1基板としてガラスを用
いたが、同様の作製工程にて石英、Al23、MgO、
ZrO2等の他の絶縁体、Si、GaAs、InP等の
半導体、金属等の各種基板を用いることが可能である。
【0064】(実施例2)図5に本発明のマイクロ構造
体の第2の実施例の斜視図を示し、図6には図5のB−
B’断面図を示した。図7および図8は、そのマイクロ
構造体の製造手順を示す工程図である。
【0065】図5および6において、40はSi基板、
44はシリコン酸化膜よりなる絶縁層、46は絶縁層4
4上に形成した駆動のための固定電極、42は第2基板
を整形したSi結晶体からなるトーションバー41およ
び41aを有すビームであり、空隙59を介してAl膜
よりなる支持部43および43aによりビーム上面から
吊り下げられた構造であり、さらにビーム上面に空隙5
9aを介してAl膜よりなるメンブレン45が、エア・
ブリッジ構造により絶縁層44上に形成されている。支
持部43および43aはビームと電気的に通電してお
り、機械的にビームを支持している。このマイクロ構造
体は、固定電極46および/またはメンブレン45と支
持部43および43aに電圧を印加することにより、ト
ーションバーがねじり回転し、一方のビーム自由端(図
5中のB側)がメンブレン方向に、他方が基板側に変位
する静電アクチュエータとなる。
【0066】次に、図7および8を用いて、図5および
6に示すマイクロ構造体の製造手順を説明する。
【0067】第2基板として第1実施例と同様のSOI
基板を用いた(図7(A))。n+層54上にフォトレ
ジストを塗布してから露光・現像を行うフォトリソグラ
フィプロセスによってそのフォトレジストをパターニン
グし(不図示)、そのフォトレジストをマスクとしてn
+層54をSF6とCCl22の混合ガスを用いたRIE
にてエッチングし、フォトレジストを除去することによ
り、図7(B)に示すトーションバーを含むビームパタ
ーン56を形成した。
【0068】第1基板には絶縁層44と固定電極46を
有するSi基板40を用いた。絶縁層44は酸化ガスを
用いてSi基板40を熱酸化した1μm厚みのシリコン
酸化膜であり、固定電極46は前記絶縁層上に電子ビー
ム蒸着法によりCrを5nm、Auを100nm連続し
て成膜し、フォトリソグラフィプロセスによりフォトレ
ジストを塗布してから露光・現像し、そのフォトレジス
トをマスクとしてAu、Crを、それぞれヨウ素−ヨウ
化カリウム水溶液からなるAuエッチヤントおよび硝酸
セリウムアンモニウム−過塩素酸水溶液からなるCrエ
ッチャントにより、図5および図6に示す電極パターン
にパターニングしたものである。
【0069】この第1基板に対して、ポリメタクリル酸
メチル(PMMA)のメチルエチルケトン(MEK)溶
液をスピンナー法によって塗布し、PMMAの樹脂膜か
らなる接着層55を形成した(図7(C))。
【0070】図7(B)の第2基板と図7(C)の接着
層55を形成した第1基板を図7(D)に示すように接
着した。接着は、Si基板52およびSi基板40に1
00Vの電圧印加を行い、その時発生する静電力による
圧力にて接着した(不図示)。静電力を用いた接着で
は、接着に要する圧力を印加電圧により容易に制御する
ことが可能である。接着後、150℃に加熱し接着層を
硬化した。硬化後の接着層の膜厚は2μmであった。第
2基板上のビームパターン部以外は溝となり、接着層を
加熱硬化する際に発生する溶媒の蒸気を、それを通じて
逃がすことができる構造となっている。
【0071】次に、図7(D)の第1基板上に接着した
第2基板のSi基板52をSF6ガスを用いたRIEに
よりエッチング除去した後に、HF水溶液によりシリコ
ン酸化膜53をエッチング除去し、接着層上に結晶Si
膜からなるビームのみを残した。SF6ガスを用いたR
IEによるエッチングでは、シリコン酸化膜はSiに比
ベてエッチング速度が遅く、Si基板をエッチングする
際のエッチングストップ層として働き、n+層がエッチ
ングされることはない。
【0072】続いて、酸素ガスによるRIEにより、接
着層をビームと同一のパターンにエッチングした(図7
(E))。
【0073】次に、ヘキスト社製のフォトレジストであ
るAZ1350J(商品名)を塗布し、ビームパターン
上で2μm膜厚となる空隙形成層57を形成した(図7
(F))。
【0074】その空隙形成層57を、フォトリソグラフ
ィプロセスを用いて、図8(G)に示すようにパターニ
ングした。
【0075】以上のようにして形成したSiのビームパ
ターン56と空隙形成層57上に、支持部、取り出し電
極49およびメンブレン45となるAl膜202を真空
蒸着法の一種である電子ビーム蒸着法を用いて、2μm
成膜した(図8(H))。
【0076】そのAl膜202上に、フォトリソグラフ
ィプロセスによりフォトレジストを塗布してから露光・
現像し(図8(I))、フォトレジスト103をマスク
としてAl膜202をAlエッチャントにてパターニン
グし、支持部(不図示)、取り出し電極49およびメン
ブレン45を形成した(図8(J))。
【0077】酸素プラズマにより、フォトレジスト10
3、空隙形成層およびビームパターン56下部の接着層
をドライエッチング除去し、空隙59および59aを形
成した(図8(K))。なお、酸素プラズマによるドラ
イエッチングは、実施例1と同様の条件で行った。酸素
プラズマによるドライエッチングにより、Al膜および
結晶Si膜からなるビームがエッチングされることはな
く、ウェットエッチングによる犠牲層除去の際に問題と
なった貼り付きを回避することができた。
【0078】以上の手順で、固定電極46を有する第1
基板と2μmの空隙59を持つ1μm膜厚の結晶Siの
ビーム42をトーションバーの部分でAlで支持し、し
かもビーム42上に2μmの空隙59aを持つAl膜か
らなるメンブレン45を有する本発明のマイクロ構造体
を形成した。
【0079】このような製造法で結晶Siからビームを
作製したことにより、ビームが本質的に内部応力をもた
ず、反りのないトーションビーム型のマイクロ構造体を
作製することができた。
【0080】本実施例のマイクロ構造体は、反りがな
く、基板上に複数のビームを形成した際に各ビームを同
様に基板に対向して平行に形成することが可能となる。
【0081】以上の方法で形成した本発明の静電アクチ
ュエータの動作を、図9を用いて説明する。
【0082】スイッチ71(SW1)を入れ、固定電極
と電気的に接続した取り出し電極49と、ビーム42に
電圧電源70より電圧(V1)を印加することにより、
ビーム42の片側と固定電極46との間に静電力
(F1)が働き、トーションバー41および41aがね
じり回転し、ビームが回転変位する。スイッチ71(S
1)を切り、スイッチ72(SW2)を入れ、メンブレ
ン45とビーム42に電圧電源70より電圧(V1)を
印加することにより、ビーム42の他方の片側とメンブ
レン45との間に静電力(F2)が働き、トーションバ
ーがねじり回転し、ビームが回転変位する。
【0083】本発明の静電アクチュエータでは、スイッ
チ71(SW1)およびスイッチ72(SW2)を同時に
入れることにより、電圧(V1)にて静電力が(F1+F
2)となり、片側のみに静電力が加えられた場合に比ベ
て、より大きな静電力を得ることが可能である。回転軸
となるトーションバーに対して駆動のための電極(固定
電極49およびメンブレン)を対称の位置に配置し、し
かも、そのそれぞれをビームに対して上下配置したこと
により(図5および6)、片側のみに駆動のための電極
を有する静電アクチュエータに比ベて、より大きなビー
ムの変位を得ることが可能となった。すなわち、片側駆
動の静電アクチュエータに比して、同様の変位を得るの
に必要な駆動電圧を、より低い電圧で実行することが可
能である。
【0084】この例では、樹脂膜を第1基板上に塗布す
ることにより、固定電極等により生じる基板上の凹凸に
対して平滑に塗布することが可能であり、接着面の平坦
性を保つと共に、基板同士の良好な接着が可能となっ
た。さらに、接着層としてフォトレジストを用いたこと
により、第1基板であるSi基板40上にAl等の配線
電極を有する集積回路を形成した基板を用いても、Al
配線電極および集積回路上に接着層および/または空隙
形成層を形成することにより、エッチングや熱処理等の
プロセスダメージを与えずに、同様にマイクロ構造体を
形成できることは言うまでもない。なお、フォトレジス
トは可動イオンの含有量が極めて少なく、MOSトラン
ジスタ等の電子デバイスへの可動イオンの侵入による動
作不良を起こさない。
【0085】(実施例3)図10は本実施例のマイクロ
構造体の斜視図であり、図11は、図10中のC−C’
断面図である。図12および図13は、そのマイクロ構
造体の製造手順を示す工程図である。
【0086】図10および図11において、80は第1
基板となるガラス基板、86はガラス基板上に形成した
ビームを駆動するための固定電極(駆動電極)、82は
可動電極84を有する第2基板を整形して形成したシリ
コン酸化膜からなるビーム、83はAl膜よりなる支持
部、85はAl膜よりなるメンブレンとなっている。ビ
ーム82は空隙99を介して支持部83により前記ビー
ム上面より吊り下げられた構造となり、支持部83はビ
ーム82と基板80とを機械的に接続しながら可動電極
と電気的に接続しており、メンブレン85はビーム82
上に空隙99aを介して、エア・ブリッジ構造により基
板80上に形成されている。本発明のマイクロ構造体
は、可動電極84と駆動電極86に電圧を印加すること
により、ビーム82がガラス基板の方向に撓んで変位す
る、支持部に支持されたカンチレバー型の静電アクチュ
エータとなっている。
【0087】次に、図12および13を用いて図10お
よび図11に示すマイクロ構造体の製造手順について説
明する。
【0088】第2基板としては、図12(A)に示すS
i基板92を熱酸化した厚さ1μmのシリコン酸化膜9
3を有する基板を用いた。
【0089】また第1基板には、図12(B)に示すよ
うに、駆動電極86を形成したガラス基板80(商品
名、#7059Corning)を用いた。駆動電極86はガ
ラス基板上に電子ビーム蒸着法によりCrを5nm、A
uを100nm連続して成膜し、フォトリソグラフィプ
ロセスによりフォトレジストを塗布してから露光・現像
し、そのフォトレジストをマスクとしてAu、Crをそ
れぞれAuエッチャントおよびCrエッチャントによ
り、図10に示す電極パターンにパターニングしたもの
である。次に、第1基板上にフォトレジストの接着層9
5をスピンナー法により塗布する(図12(B))。フ
ォトレジストには東京応化(株)製のゴム系レジストで
あるOMR83(商品名)を用いた。ガラス基板80
は、シリコン酸化膜に比ベて熱膨張係数が約10倍大き
い。
【0090】次に、図12(A)の第2基板と図12
(B)の接着層95を形成した第1基板を、図12
(C)に示すように各基板の裏面より圧力を加えて接着
した。接着する前に塗布したフォトレジストは、50℃
にて10分間の熱処理を施し、フォトレジスト中に含ま
れる溶媒の含有量を調節し、接着の際の溶媒蒸気により
フォトレジストと第2基板の間に気泡が残ることを防い
だ。第1基板と第2基板を接着層を介して接着した後
に、150℃に加熱して接着層を硬化した。硬化後の接
着層の膜厚は2μmであった。
【0091】この後、Si基板92を100℃に加熱し
た30wt%KOH水溶液にてウェットエッチング除去
し、図12(D)に示すようにシリコン酸化膜93のみ
を接着層を介して第1基板上に残した。接着したシリコ
ン酸化膜上に、電子ビーム蒸着法によりCrを5nm、
Auを100nm連続して成膜して金属膜203を形成
し、フォトレジストを塗布してから露光・現像を行うフ
ォトリソグラフィプロセスを用いてフォトレジストをパ
ターニングした(図12(E))。
【0092】次に、フォトレジスト104をマスクとし
て金属膜203をAuエッチャントとCrエッチャント
によりパターニングし、さらにシリコン酸化膜93をH
F水溶液によりエッチングし、ビームパターン96およ
び可動電極84を形成した。続いて、酸素ガスによるR
IEにてフォトレジスト104をエッチングした。この
時、接着層はビームパターン96をマスクとしてパター
ニングされる(図12(F))。
【0093】次に、ヘキスト社製フォトレジストである
AZ4620/A(商品名)を塗布し、ビームパターン
上で5μm膜厚となる空隙形成層97を形成した(図1
2(G))。さらに、空隙形成層97をフォトリソグラ
フィプロセスを用いて図13(H)に示すようにパター
ニングした。
【0094】以上のようにして形成したビームパターン
96と空隙形成層97上に、支持部およびメンブレンと
なるAl膜204を、真空蒸着法の一種である電子ビー
ム蒸着法を用いて2μm成膜した(図13(I))。
【0095】そのAl膜204上にフォトリソグラフィ
プロセスによりフォトレジストを塗布してから露光・現
像し(図13(J))、フォトレジスト105をマスク
としてAl膜204をAlエッチャントにてパターニン
グし、図13(K)に示した支持部83およびメンブレ
ン85を形成した。
【0096】酸素プラズマにより、フォトレジスト10
5、空隙形成層およびビームパターン96下部の接着層
をドライエッチング除去し、空隙99および99aを形
成した(図13(L))。酸素プラズマによるドライエ
ッチングは、実施例1と同様の条件で行った。この酸素
プラズマによるドライエッチングにより、Al膜、駆動
電極、可動電極およびシリコン酸化膜がエッチングされ
ることはなく、ウェットエッチングによる犠牲層除去の
際に問題となった貼り付きを回避することができた。
【0097】以上の手順で、図10および11に示した
マイクロ構造体で、ガラス基板と2μmの空隙99を持
つ可動電極84を有する1μm膜厚のシリコン酸化膜の
ビーム82をAlで支持し、かつビーム82上に5μm
の空隙99aを持つAl膜からなるメンブレン85を有
するものを形成した。
【0098】本実施例のマイクロ構造体は、反りがな
く、基板上に複数のビームを形成した際に各ビームを同
様に基板に対向して平行に形成することが可能となる。
【0099】本発明の静電アクチュエータは、可動電極
と駆動電極に電圧を印加することによりビームが撓み変
形して、ビーム自由瑞が第1基板方向に変位するアクチ
ュエータであり、メンブレンを電気的に接地することに
より、前記メンブレンが駆動電極から印加される電場以
外のノイズとなる外部電場を遮蔽することができ、外部
電場によるビームの変位の攪乱を防止することができ
る。すなわち、本発明の静電アクチュエータは、シール
ド電極となるメンブレンを有する。すなわち、外部電場
を遮蔽できたことにより、外部電場の影響を受けないマ
イクロ構造体となっている。
【0100】本発明の製造法にて、Si基板92を除去
することで第1基板上に、熱酸化にてシリコン酸化膜が
Si基板に形成されてなるビームを作製することができ
た。低温にて接着可能な樹脂膜を接着層として用いるこ
とにより、第1基板、第2基板および薄膜構造体につい
て、熱膨張係数がそれぞれ異なる材料を用いても、問題
なく所望の構造体を形成することが可能であった。な
お、真空蒸着法により形成したシリコン酸化膜では、薄
膜形成過程により生じる真応力(intrinsic stress)を
除去することが困難であって、応力制御を行う必要があ
るのに対して、Si結晶体を熱酸化して形成したシリコ
ン酸化膜は、アモルファスで均質な膜となり応力制御を
する必要がない。
【0101】本実施例ではビーム上に可動電極を一つ設
けたが、図12(E)の工程にて金属膜203をパター
ニングする際に複数の電極パターンを形成し、後にシリ
コン酸化膜93にビームパターンを形成することで、ビ
ーム上に複数の可動電極を形成することが可能であるこ
とは言うまでもない。
【0102】ここでは、第2基板上に形成したビームと
なる絶縁体薄膜としてシリコン酸化膜を用いたが、絶縁
体としてシリコン窒化膜、Al23、AlN等の薄膜堆
積可能な様々の材料を用いることが可能であることは言
うまでもない。
【0103】本実施例の製造法の図12(F)におい
て、ビーム自由端の可動電極上にスピント(Spindt)ら
により提案された方法(C.A.Spindt et al., "Physical
properties of thin film emission cathode with mol
ybdenium cones", J. Appl. Phys., 47, 1976, pp.5248
-5263)を用いて導電体材料からなる探針を形成する工
程を挿入し、以後同様の形成工程にてマイクロ構造体を
形成することにより、探針を有する静電アクチュエータ
を作製でき、探針と観察する試料表面の間に生じるトン
ネル電流を可動電極にて読み出すSTMプローブとして
用いることが可能である。
【0104】また、樹脂膜を第1基板上に塗布すること
により、固定電極等により生じる基板上の凹凸に対して
平滑に塗布することが可能であり、接着面の平坦性を保
つとともに基板同士の良好な接着が可能であった。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマイクロ
構造体の製造法によれば、絶縁体、金属、半導体等の各
種材料を用いて、マイクロ構造体形成、マイクロ構造体
上への電極パターン形成、ならびに基板との電気的接続
が可能なマイクロ構造体の形成が可能となる。
【0106】また、接着層および空隙形成層として樹脂
を用いることにより、第1基板、第2基板および薄膜構
造体を、材料の制限なく低温にて接着でき、また接着層
および空隙形成層を除去する前工程に、導電体薄膜より
なる支持部およびメンブレン型電極を形成できる。接着
層および空隙形成層は樹脂膜よりなることから、アッシ
ングにより除去可能であり、従来法では犠牲層を除去す
る際に問題であった貼り付きを回避できる。
【0107】さらに、ビームとしてSi等の結晶体材料
を用いることが可能であり、反りのなりビームを形成す
ることができる。
【0108】また、樹脂膜は基板上に形成した電極パタ
ーン等による凹凸に左右されずに平坦面を形成すること
ができ、基板の表面粗さに依存せず良好な接着が可能と
なった。これにより集積回路の形成された基板上にもマ
イクロ構造体を形成することが可能である。
【0109】さらに、本発明の方法では、比較的低温プ
ロセスにてマイクロ構造体を形成できることから、マイ
クロ構造体を熱膨張係数の異なる基板上に形成すること
が可能である。
【0110】また、本発明の製造法で作製したトーショ
ンビーム型の静電アクチュエータにおいては、トーショ
ンバーに対して固定電極およびメンブレンが対称に配置
され、しかもビームに対してそれぞれが上下配置されて
いることから、片側のみ駆動用の電極を配置した静電ア
クチュエータに比ベて、より大きなビームの変位を得る
ことが可能で、応答性に優れている。
【0111】さらに、本発明の静電アクチュエータは、
シールド電極をビーム上面に空隙を介して配置すること
ができ、駆動電極から印加される電場以外のノイズとな
る外部電場を遮蔽することが可能であり、高い信頼性を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のマイクロ構造体である静電アクチュ
エータの斜視図である。
【図2】図1の静電アクチュエータのA−A’断面図で
ある。
【図3】図1のマイクロ構造体の製造手順の前半を示す
工程図である。
【図4】図1のマイクロ構造体の製造手順の後半を示す
工程図である。
【図5】実施例2のマイクロ構造体である静電アクチュ
エータの斜視図である。
【図6】図5の静電アクチュエータのB−B’断面図で
ある。
【図7】図5のマイクロ構造体の製造手順の前半を示す
工程図である。
【図8】図5のマイクロ構造体の製造手順の後半を示す
工程図である。
【図9】実施例2の静電アクチュエータの動作原理を説
明する模式図である。
【図10】実施例3のマイクロ構造体である静電アクチ
ュエータの斜視図である。
【図11】図10の静電アクチュエータのC−C’断面
図である。
【図12】図10のマイクロ構造体の製造手順の前半を
示す工程図である。
【図13】図10のマイクロ構造体の製造手順の後半を
示す工程図である。
【符号の説明】
10、80 ガラス基板 12、42、82 ビーム 13、43、43a、83 支持部 15、45、85 メンブレン 22、40、52、92 Si基板 23、53、93 シリコン酸化膜 24、54 n+層 25、55、95 接着層 26、56、96 ビームパターン 27、57、97 空隙形成層 29、29a、59、59a、99、99a 空
隙 41、41a トーションバー 44 絶縁層 46 固定電極 49 取り出し電極 70 電圧電源 71、72 スイッチ 84 可動電極 86 駆動電極 101、102、103、104、105 フォ
トレジスト 201、202、204 Al膜 203 金属膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01L 21/3065 H01L 21/302 F

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、一端を支持部によって支持さ
    れたビームが空隙を介して配置され、該ビームが支持部
    により支持されており、さらに該ビーム上に空隙を介し
    てメンブレンが配置されているマイクロ構造体。
  2. 【請求項2】 前記ビームがビーム上面より支持部によ
    り支持されている請求項1記載のマイクロ構造体。
  3. 【請求項3】 前記ビームが結晶体よりなる請求項1記
    載のマイクロ構造体。
  4. 【請求項4】 前記結晶体がSiよりなる請求項3記載
    のマイクロ構造体。
  5. 【請求項5】 前記ビームが絶縁体薄膜よりなる請求項
    1記載のマイクロ構造体。
  6. 【請求項6】 前記絶縁体薄膜がSiを酸化することに
    より形成したシリコン酸化膜よりなる請求項5記載のマ
    イクロ構造体。
  7. 【請求項7】 前記支持部が導電体薄膜よりなる請求項
    1記載のマイクロ構造体。
  8. 【請求項8】 前記導電体薄膜が金属薄膜である請求項
    7記載のマイクロ構造体。
  9. 【請求項9】 前記メンブレンが導電体薄膜よりなる請
    求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ構造体。
  10. 【請求項10】 基板上に、支持部によって一端を支持
    されたビームおよび該ビームの上のメンブレンをそれぞ
    れ空隙を介して形成するマイクロ構造体の製造方法であ
    って、少なくとも(1)前記基板(第1基板)の一方の
    面とビームとなるべき層(ビーム形成層)が形成された
    基板(第2基板)のビーム形成層側の面の少なくとも一
    方の面に、樹脂膜よりなる接着層を形成し、(2)該接
    着層を介して前記第1基板と第2基板のビーム形成層側
    とを接着し、(3)該ビーム形成層の上の層を除去し、
    (4)該ビーム形成層を所定の部分を除去してビームパ
    ターンを形成し、(5)該ビームパターン上に樹脂膜よ
    りなる空隙形成層を形成し、(6)該ビームパターンの
    一端と第1基板とを接続するための支持部、およびビー
    ムパターン上に空隙形成層を介してメンブレンを形成
    し、(7)接着層および空隙形成層を除去することを特
    徴とするマイクロ構造体の製造方法。
  11. 【請求項11】 基板上に、支持部によって一端を支持
    されたビームおよび該ビームの上のメンブレンをそれぞ
    れ空隙を介して形成するマイクロ構造体の製造方法であ
    って、少なくとも(1)前記基板(第1基板)の一方の
    面と所定の形状でビームとなるべき層のパターン(ビー
    ムパターン)が形成された基板(第2基板)のビームパ
    ターン側の面のうちの少なくとも一方の面に、樹脂膜よ
    りなる接着層を形成し、(2)該接着層を介して前記第
    1基板と第2基板のビームパターン側とを接着し、
    (3)該ビームパターンの上の層を除去し、(4)該ビ
    ームパターン上に樹脂膜よりなる空隙形成層を形成し、
    (5)該ビームパターンの一端と第1基板とを接続する
    ための支持部、およびビームパターン上に空隙形成層を
    介してメンブレンを形成し、(7)接着層および空隙形
    成層を除去することを特徴とするマイクロ構造体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記樹脂膜がフォトレジストからなる
    請求項10または11記載のマイクロ構造体の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記樹脂膜を形成するフィトレジスト
    が環化ゴムを含有するフォトレジストである請求項12
    記載のマイクロ構造体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記接着工程を第1基板および第2基
    板に圧力を加えて行う請求項10ないし13のいずれか
    に記載のマイクロ構造体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記接着工程での加圧を第1基板と第
    2基板に電圧を印加することにより行う請求項14記載
    のマイクロ構造体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記ビームが結晶体よりなる請求項1
    0ないし15のいずれかに記載のマイクロ構造体の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 前記結晶体がSiよりなる請求項16
    記載のマイクロ構造体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記ビームが絶縁体薄膜よりなる請求
    項10ないし15のいずれかに記載のマイクロ構造体の
    製造方法。
  19. 【請求項19】 前記絶縁体薄膜がSiを酸化すること
    により形成したシリコン酸化膜よりなる請求項18記載
    のマイクロ構造体の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記支持部が導電体薄膜よりなる請求
    項10ないし19のいずれかに記載のマイクロ構造体の
    製造方法。
  21. 【請求項21】 前記導電体薄膜が金属薄膜である請求
    項20記載のマイクロ構造体の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記メンブレンが導電体薄膜よりなる
    請求項10ないし21のいずれかに記載のマイクロ構造
    体の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記接着層及び空隙形成層を除去する
    工程を酸素プラズマを用いて行うことを特徴とする請求
    項10ないし22のいずれかに記載のマイクロ構造体の
    製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第2基板をSOI基板とする請求
    項10ないし23のいずれかに記載のマイクロ構造体の
    製造方法。
  25. 【請求項25】 少なくとも、基板上に1つ以上の固定
    電極が形成され、支持部により空隙を介して支持したビ
    ームと該ビーム上にさらなる空隙を介してメンブレンが
    形成されてなる静電アクチュエータ。
  26. 【請求項26】 前記支持部がビームを機械的に該ビー
    ム上面より支持している請求項25記載の静電アクチュ
    エータ。
  27. 【請求項27】 前記ビーム上に可動電極が形成されて
    いる請求項25または26記載の静電アクチュエータ。
  28. 【請求項28】 前記メンブレンがビームを変位させる
    ための駆動電極であることを特徴とする請求項25ない
    し27のいずれかに記載の静電アクチュエータ。
  29. 【請求項29】 前記メンブレンが外部電場を遮蔽する
    シールド電極である請求項25ないし28のいずれかに
    記載の静電アクチュエータ。
  30. 【請求項30】 前記固定電極の少なくとも1つがビー
    ム下部にある請求項25ないし29のいずれかに記載の
    静電アクチュエータ。
  31. 【請求項31】 前記ビームがねじり回転するトーショ
    ンバーを有している請求項25ないし30のいずれか1
    項に記載の静電アクチュエータ。
  32. 【請求項32】 前記トーションバーの回転軸に対し
    て、固定電極とメンブレンがそれぞれ基板上面から見て
    対称に配置されている請求項31記載の静電アクチュエ
    ータ。
  33. 【請求項33】 前記ビームがSi結晶体よりなる請求
    項25ないし32のいずれかに記載の静電アクチュエー
    タ。
  34. 【請求項34】 前記ビームがSiを酸化することによ
    り形成したシリコン酸化膜よりなる請求項25ないし3
    2のいずれかに記載の静電アクチュエータ。
  35. 【請求項35】 前記支持部が導電体薄膜よりなる請求
    項25ないし34のいずれかに記載の静電アクチュエー
    タ。
  36. 【請求項36】 前記導電体薄膜が金属薄膜である請求
    項35記載の静電アクチュエータ。
  37. 【請求項37】 前記メンブレンが導電体薄膜よりなる
    請求項25ないし36のいずれかに記載の静電アクチュ
    エータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100333196B1 (ko) * 1997-09-24 2002-04-18 앤서니 알. 뮬러 열에 의한 아치형 빔을 구비한 초소형 정밀기계 소자 및 관련 제조 방법
KR100513723B1 (ko) * 2002-11-18 2005-09-08 삼성전자주식회사 Mems스위치
US6992878B2 (en) 2002-03-25 2006-01-31 Fujitsu Limited Tunable capacitor and method of fabricating the same
JP2007129000A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd ドライエッチング方法
US7797757B2 (en) * 2006-08-15 2010-09-14 Georgia Tech Research Corporation Cantilevers with integrated actuators for probe microscopy

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