JP3491941B2 - マイクロ構造体の製造方法 - Google Patents

マイクロ構造体の製造方法

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JP3491941B2 JP00900494A JP900494A JP3491941B2 JP 3491941 B2 JP3491941 B2 JP 3491941B2 JP 00900494 A JP00900494 A JP 00900494A JP 900494 A JP900494 A JP 900494A JP 3491941 B2 JP3491941 B2 JP 3491941B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロメカニクス技
術を用いて作製するマイクロ構造体、特に犠牲層を用い
て形成されるマイクロ構造体の作製法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、小型の可動機構を有する微小機械
がマイクロメカニクス技術により検討されている。特
に、半導体集積回路形成技術(半導体フォトリソグラフ
ィプロセス)を用いて形成するマイクロ構造体は、基板
上に複数の小型で作製再現性の高い微小な機械部品を作
製することが可能である。このため、アレイ化、低コス
ト化が比較的容易となり、かつ小型化により従来の機械
式構造体に比べて高速応答性が期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】基板上にマイクロ
構造体を作製する典型的な方法としては以下の4つがあ
る。第1の方法としては、ポリシリコン膜よりなるワブ
ルマイクロモーター(M. Mehregany et al., “Operatio
n of microfabricated harmonic and oridinary side-d
rive motors ”. Proceedings IEEE Micro Electro Mec
hanical Systems Workshop 1990. p.1-8) や、リニアマ
イクロアクチュエータ(P. Cheung et al.,“Modeling
and position-detection of a polysilicon linear mic
roactuator”, Micromechanical Sensors, Actuators,
and Systems ASME 1991, DS C-Vol.32, p.269-278)等を
形成する作製方法であり、これはSi基板上に犠牲層と
なるシリコン酸化膜と薄膜形成したマイクロ構造体とな
るポリシリコン、SOI(Sion Insulator) 又はSIM
OX(Separation by ion implantation of oxygen,B.
Diem et al., “SOI(SIMOX) as a Substrate for Surfa
ce Micromachining of Single Crystalline Silicon Se
nsors and Actuators”, The 7th International Confe
rence on Solid-State Sensors and Actuators, Transd
ucers '93, June 7-10, 1993. p.233-236) のシリコン
膜を所望の形状にパターニングした後にフッ酸水溶液に
てシリコン酸化膜を除去するシリコン酸化膜を犠牲層と
して用いる方法である。
【0004】しかしながら第1の方法ではシリコン酸化
膜をフッ酸水溶液にてエッチング除去するために、構造
体としてフッ酸に食刻されないフッ酸腐蝕耐性材料を用
いる必要があり、マイクロ構造体上にAl電極等の電極
を配線することができない。さらに、ポリシリコンをマ
イクロ構造体として用いる場合には膜応力による反りが
生じないようにポリシリコンの膜応力を制御する必要が
ある。SOI基板を用いる場合、バルクSiの薄膜下の
シリコン酸化膜除去してしまうために、構造体を支える
シリコン酸化膜がエッチバックされ構造体が梁形状とな
り基板と構造体との電気的接続が困難となる。
【0005】第2の方法は、アルミニウム(Al)薄膜
のマイクロミラーよりなる空間光変調器(L.J. Hornbec
k、特開平2−8812)を形成する作製方法であり、基
板上に犠牲層となるフォトレジスト塗布し、Al薄膜を
薄膜形成し所望の形状にパターニングした後に酸素プラ
ズマを用いたドライエッチングによりフォトレジストを
除去しAl薄膜からなるマイクロ構造体を形成する方法
である。
【0006】この方法では、フォトレジストを犠牲層と
して用いることにより基板の表面粗さに依存することな
く、様々な種類の基板上にマイクロ構造体を形成するこ
とが可能である。これにより、反応性イオンエッチング
(RIE)によるドライエッチングにより犠牲層の除去
が可能であり、ウエットエッチングにより犠牲層を除去
する際に生じるマイクロ構造体と基板との貼り付き(St
icking) を回避できる。しかしながら、作製工程中でフ
ォトレジストが熱的損傷を起こさない低温での構造体薄
膜形成を行う必要があり、構造体材料の制約が大きい。
さらに、マイクロ構造体を真空蒸着、スパッタリング等
の薄膜形成プロセスにより薄膜形成するために、作製し
たマイクロ構造体が膜応力による反りを生じないよう膜
の応力を制御する必要がある。
【0007】第3の方法はバルクであるSi基板上にマ
イクロ構造体のパターンを形成した後に、ガラス基板に
前記パターンの一部を陽極接合法により接合し、接合し
たSi基板を裏面よりエッチングしマイクロ構造体のみ
をガラス基板上に残すことにより形成する方法である。
この方法を用いSi基板を薄膜化したバルクSi薄膜か
らなるリニアアクチュエータ(Y. Gianchandani et al.,
“ Micron-Size, HighA spect Ratio Bulk Silicon mic
romechanical Devices”, Proceedings IEEE Electro M
echanical Systems Workshop. 1992. p.208-213)及びシ
リコン窒化膜よりなるAFM(Atomic Force Microscop
e) 用のカンチレバー(T.R. Albrecht etal., United S
tates Patent Number 5,221,415)等が形成できる。
【0008】この方法では、犠牲層を用いる必要がな
く、フッ酸耐性のない材料にてマイクロ構造体を形成す
ることが可能である。しかしながら、ガラスと陽極接合
を行う必要から、材料としては酸化物を形成する導電性
のSi,Al,Ti,Ni等または、薄膜においてのみ
陽極接合可能なシリコン窒化膜、シリコン酸化膜等の材
料に限定される。また、陽極接合時の接合温度が300
℃以上あり、熱応力の歪みによる基板の破損を回避する
には、ガラスはSi基板とほぼ等しい熱膨張係数をもっ
ている必要がある。このために使用できるガラスはパイ
レックスガラス、商品名は#7740 Corning等のガラ
スに限定される。さらに、あらかじめマイクロ構造体に
空隙を形成しておくために形成したマイクロ構造体上に
電極のパターンを配線することができない。また、基板
としては可動イオンを含むガラスを用いる必要から、回
路を集積可能なSi,GaAs等の基板を用いることが
できない。さらに、陽極接合にてガラスと導電性材料を
接合する場合、ガラス及び導電性材料の表面粗さが50
0A以下に抑える必要がある。SP5,221,415
ではシリコン窒化膜とガラスを陽極接合するに際して4
75℃に温度で接合するために電極はマイクロ構造体を
形成した後に基板面に全面に真空蒸着することとなりカ
ンチレバー上にパターン形成ができない。
【0009】本発明は上記問題点に鑑み、下記のことを
実現できるマイクロ構造体の形成法及びそれを用いたマ
イクロ構造体を提供することを目的とする。 (1)マイクロ構造体及び基板の材料が制限されること
なく、(2)マイクロ構造体上に電極パターンを形成
し、基板との電気的接続が可能なマイクロ構造体の形成
法及びマイクロ構造体。
【0010】 本願は下記の発明を包含する。 [ ] 基板と、該基板上に配置された支持部と、下面を
該基板に向け、均一な空隙をあけた吊り下げ構造にて支
持された薄膜構造体とを有するマイクロ構造体の製造方
法であって, (a)第 1 基板上に樹脂膜よりなる接着層を形成する工
程, (b)所望の形状パターンの構造体が形成された第 2
板を準備し、該接着層を介して第 1 基板と接着する工
程, (c)第 2 基板の背面を該構造体を残してエッチング除
去し薄膜構造体を形成する工程, (d)該薄膜構造体の下部を除く接着層を除去する工程 (e)該薄膜構造体と第 1 基板とを接続する支持部を形
成する工程, (f)該薄膜構造体の下部の接着層を除去する工程をこ
の順で有することを特徴とするマイクロ構造体の製造方
法。 [ ] 基板と、該基板上に配置された支持部と、下面を
該基板に向け、均一な空隙をあけた吊り下げ構造にて支
持された薄膜構造体とを有するマイクロ構造体の製造方
法であって, (a)第 1 基板上に樹脂膜よりなる接着層を形成する工
程, (b)第 2 基板を準備し、該接着層を介して第 1 基板と接
着する工程, (c)第 2 基板の背面をエッチング除去し薄膜化したの
ち、該薄膜化された第 2 基板を所望の形状にパターン形
成することにより、薄膜構造体を形成する工程, (d)該薄膜構造体の下部を除く接着層を除去する工程 (e)該薄膜構造体と第 1 基板とを接続する支持部を形
成する工程, (f)該薄膜構造体の下部の接着層を除去する工程をこ
の順で有することを特徴とするマイクロ構造体の製造方
法。 [ ] 前記(a)の接着層を形成する工程が樹脂分子を
溶媒にて稀釈した溶液を薄膜塗布することにより行うこ
とを特徴とする [ ] または [ ] に記載のマイクロ構造体
の製造方法。 [ ] 前記(a)の接着層を形成する工程がラングミュ
アブロジット法にて形成することを特徴とする [ ] また
[ ] に記載のマイクロ構造体の製造方法。 [ ] 前記樹脂膜がフォトレジストからなることを特徴
とする [ ] または [ ] に記載のマイクロ構造体の製造方
法。 [ ] 前記フォトレジストが環化ゴムを含有することを
特徴とする [ ] に記載のマイクロ構造体の製造方法。 [ ] 前記第1基板および第2基板上に溝が形成してあ
ることを特徴とする [ ] または [ ] に記載のマイクロ構
造体の製造方法。 [ ] 前記(b)の接着する工程が第1及び第2基板の
裏面より圧力を加える工程を有することを特徴とする
[ ] または [ ] に記載のマイクロ構造体の製造方法。 [ ] 前記圧力を加える工程が、第1基板と第2基板に
電圧を印加することにより行うことを特徴とする請求項
8に記載のマイクロ構造体の製造方法。 [1 ] 前記(d)または(f)の接着層を除去する工
程が,酸素を用いたドライエッチングにより行うことを
特徴とする [ ] または [ ] に記載のマイクロ構造体の製
造方法。 [ 11 ] 前記ドライエッチングがプラズマエッチングに
より行うことを特徴とする [ 10 ] に記載のマイクロ構造
体の製造方法。 [ 12 ] 前記(d)または(f)の接着層を除去する工
程が,接着層を加熱し分解することを特徴とする [ ]
たは [ ] に記載のマイクロ構造体の製造方法。 本発明
は、第1基板及び/又は第2基板上に接着層を形成する
工程と、該接着層を介して第1の基板と第2の基板を接
着する工程と、第2の基板からなる薄膜構造体を形成す
る工程と、前記接着層の一部を除去する工程と、前記薄
膜構造体と第1の基板とを接続するための支持層を形成
する工程と、接着層を除去する工程を有することを特徴
とするマイクロ構造体の形成法であり、前記接着層が樹
脂薄膜よりなり、前記第1基板及び/又は第2基板上に
溝を形成しておいてもよい。
【0011】さらに、上記形成法により作製されたマイ
クロ構造体は、第1基板と、支持層からなる支持部と、
該支持部により前記基板と空隙を介して支持された第2
基板を薄膜化してなるビームとからなり、前記ビームを
空隙を介して支持するに際して前記支持部が第1基板と
前記ビームの上面を接続して支持することを特徴とす
る。
【0012】接着層を形成する工程としては、接着方法
として行われる通常の方法が使用でき、例えば樹脂分子
を有機溶媒にて稀釈した液をスピンナー法、ディッピン
グ法、スプレー法等により塗布する方法、又はラングミ
ュアブロジット(LB)法により成膜する方法等の樹脂
薄膜形成法を用いて行う。塗布方法では樹脂薄膜は基板
上の表面凹凸が存在しても、平坦性よく塗布することが
可能であり、これにより第2基板と接着する工程にて基
板表面粗さに依存せずに良好な面接着が可能となる。樹
脂材料としては、回路を集積化したSi基板上の接着層
を形成する場合Naイオン等の不純物の少ないフォトレ
ジストが好ましい。さらに好ましくは、密着力及び機械
的な強度に優れたゴムを含有するゴム系フォトレジスト
である。特に好ましくは密着力及び機械的な強度に特に
優れたゴムを含有するゴム系フォトレジストである。
【0013】本発明で使用できるゴムとしては、例えば
「微細加工とレジスト」(野々垣三郎著、高分子学会編
集、共立出版発行、1991年)11頁13行から12
頁第3行記載の環化ゴムが好ましく、また東京応化工業
(株)製の高解像度ネガ型フォトレジストとしてOMR
−83等ゴムを含有するフォトレジストが好ましく使用
できる。
【0014】ラングミュアブロジット法を用いる場合に
は、単分子累積膜、すなわち疎水基あるいは親水器から
なるLB膜(ラングミュア・ブロジット膜)を第1基板
面上に単層以上累積成膜することにより、疎水基同士、
あるいは親水基同士からなる接着面を相対向させ成膜を
行う。LB法では、樹脂膜厚をナノメーターの精度で成
膜制御することが可能であり、これにより樹脂薄膜を除
去し形成した空隙の間隔をナノメーター精度で制御する
ことが可能となる。
【0015】第1基板と第2基板を接着する工程として
は、薄膜塗布した接着層を介して第1基板と第2基板を
裏面より圧力をかけて押し当てた後に、加熱処理するこ
とにより接着層の膜中に含まれる有機溶媒を蒸発させ、
樹脂を硬化すると共に各基板との接着力を強くすること
により行う方法が好ましい。第1及び/又は第2基板に
溝を形成することで加熱処理時に発生する有機溶媒の蒸
気を前記溝を通じて逃がすことができる。第1基板と第
2基板が導電体であるならば、基板間に電圧を印加し発
生する静電力を用いて圧力を加え接着することも可能で
ある。
【0016】LB累積膜を用いて第1基板と第2基板を
接着する場合には、第1基板又は/及び第2基板上に形
成したLB膜の接着面と第2基板の接着面を重ね合わせ
て、第1及び第2基板に電圧を印加し、発生する静電力
によって接合させる。接着するに際して、第1及び第2
基板共にLB膜を成膜した場合には、接着面は疎水基同
士、あるいは親水基同士とし、第1基板又は第2基板の
何れか一方にLB膜を成膜する場合にはLB膜の接着面
が疎水基(又は親水基)であれば他方の基板の接着面は
疎水性(又は親水性)となる。LB累積膜が熱分解しな
い温度で加熱しながら電圧を印加し接着を行うことによ
り、より強固な接着を行うことができる。
【0017】第2基板を接着層との接着後に薄膜構造体
を形成するために、第2基板を薄膜にする。薄膜にすに
するには基板材料に適したエッチング液を用いたウエッ
トエッチング、反応性ガスを用いたドライエッチング、
又は研磨砥粒を用いてラッピングする方法を用いて裏面
を削り行えばよい。第2基板としてSiを用いる場合、
エッチング液としては水酸化カリウム溶液(KOH)、
水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアル
カリ水溶液、又はフッ酸、硝酸混合水溶液等を用い、反
応性ガスとしてはCF4 ,SF5 ,NF3 等のプラズマ
ガスを用いて行う。第2基板にSi等のバルクの基板を
用いれば、マイクロ構造体は反ることがなく、犠牲層上
に薄膜形成してマイクロ構造体を作製する際に問題とな
った膜応力による反りの問題を回避できる。
【0018】薄膜構造体を形成する工程では、薄膜にし
た第2基板を半導体フォトリソグラフィプロセスにより
パターニング形成する、又はあらかじめ第2基板の接着
面に構造体のパターンを形成しておき第2基板を裏面よ
り除去することにより形成する。前記あらかじめ形成さ
れた構造体のパターンの段差部分を前記溝として用いる
ことも可能である。
【0019】支持層は第1基板と薄膜構造体を機械的に
接続するものであり、接着層を除去する前に形成するこ
とにより薄膜構造体の上面と第1基板面上に形成してあ
り、薄膜構造体を上から釣り下げる構造となっている。
支持層として金属薄膜(Al等)を用いることにより、
電気的に薄膜構造体と第1基板を接続することができ
る。
【0020】接着層を除去する工程では、通常実施され
ている方法が使用でき、例えば樹脂薄膜を溶解する溶液
に浸すことによりウエットエッチング除去する方法、酸
素プラズマ、酸素ラジカルを用いたアッシングによるド
ライエッチングする方法、又は接着層としてLB膜を用
いる場合には加熱しLB膜を分解し蒸発させて除去する
方法等により行う。他の加熱の方法としてはCO2 レー
ザー等のレーザー交照射によって熱分解してもよい。接
着層が樹脂からなることにより、ドライエッチングする
ことが可能であり、ウエットエッチングによる犠牲層除
去の際に問題となるStickingを回避する。
【0021】
【作用】上述のように構成された本発明のマイクロ構造
体の形成法では、第1及び/又は第2基板上に形成した
樹脂薄膜よりなる接着層により第1基板と第2基板を接
着した後に、裏面から薄膜にした第2基板にて薄膜構造
体を形成し、支持層により第1基板と薄膜構造体を機械
的に接続し、接着層を除去することにより行う。樹脂薄
膜により接着し第2基板を裏面から薄膜にすることによ
り、第1基板、第2基板、及び第2基板上に形成した薄
膜構造体の材料が制限されることなく、また接着層を除
去する前工程にて薄膜構造体上に電極等を形成できる。
接着層は樹脂薄膜よりなることにより溶媒、アッシン
グ、加熱等により除去でき、電極をエッチングすること
がない。そして、接着層をドライエッチング、又は加熱
により熱分解することで除去することによりStickingを
回避できる。
【0022】本発明の方法で製造することができるマイ
クロ構造体としては、例えば静電気アクチュエータ、A
FM、STM(Sanning Tunneling Microscope)等のト
ンネル電流、ファンデルワールス力、磁力、静電力等を
検出するマイクロスコープシステムに用いるカンチレバ
ー、エアブリッジ構造型の配線等を精度良く製造するこ
とができ、特に本発明の方法により、基板と、該基板に
形成した固定電極及び駆動電極と、該駆動電極上部に金
属薄膜よりなる支持部により、空隙を介して支持したビ
ームと、該ビーム上に形成した可動電極とからなる静電
アクチュエータにおいて、前記支持部が前記可動電極と
前記固定電極を電気的に接続すると共に機械的に前記ビ
ームをビーム上面より支持し、前記駆動電極と前記可動
電極に電圧を印加することによりビームが変位すること
を特徴とする静電アクチュエータ等のマイクロ構造体を
製造することができる。
【0023】
【実施例】次に本発明にかかるマイクロ構造体の形成法
の実施例について図1乃至図6の図面を参照して詳細に
説明する。また、合わせて本発明のマイクロ構造体につ
いても説明する。
【0024】第1実施例 図1、及び図2は本発明のマイクロ構造体の形成法の第
1実施例を説明するための作製工程図であり、図3はそ
れを用いて作製したマイクロ構造体の斜視図である。本
発明のマイクロ構造体は図3より以下の構造をもつ。1
は第1基板となるガラス基板、2は第2基板を薄膜化し
て形成したSiからなるビームであり、3はAl薄膜よ
りなる支持部となっている。ビーム2は空隙を介して支
持部3により前記ビーム上面より釣り下げられた構造と
なり、支持部3がビーム2と基板1とをエア・ブリッジ
(Air Bridge) 構造にて機械的に接続している。
【0025】図1,2を用いて図3に示すマイクロ構造
体のA−A断面図における本発明の形成法について説明
する。第2基板としてバルクSiからなるSi基板4を
用いて、前記基板上にフォトレジスト101を塗布し露
光、現像を行うフォトリソグラフィプロセスを用いてフ
ォトレジストのパターニングを施す(図1(A))。フ
ォトレジストをマスクとしてSi基板4をSF6 とCC
22 の混合ガスを用いて反応性イオンエッチング
(RIE)によりエッチングし、Si基板4上にビーム
パターン5を形成する。フォトレジスト101をレジス
ト剥離液を用いて剥離し図1(B)に示す第2基板を作
製する。ビームパターン5の段差は5μmとした。
【0026】次に、第1基板であるガラス基板1(商品
名、#7059 Corning)に、ポリメタクリル酸メチル
(PMMA)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し
た溶液を有機薄膜塗布法の1つであるスピナー法により
塗布しPMMAの樹脂薄膜からなる接着層6を形成する
(図1(C))。前記ガラス基板はSiに比べて熱膨張
係数が1.4倍程大きい。図2(B)の第2基板と図1
(C)の接着層6を形成した第1基板を図1(D)に示
すように各基板の裏面より圧力を加えて接着する。接着
圧力は第2基板のガラス面側から観察しながらビームパ
ターン5が十分に接着層と接着するように適当な圧力を
加えた。第1基板と第2基板を接着層を介して接着した
後に、150℃に加熱し接着層を硬化した。硬化後の接
着層の膜厚を2μmとした。
【0027】この後、Si基板4を100℃に加熱した
KOH30wt%水溶液にてウエットエッチングし、第
2基板を図1(E)に示すように薄膜にした。次に、S
6ガスによるRIEにて第2基板をさらにエッチング
して膜厚1μmのSiのビーム2を形成した(図1
(F))。続いて、酸素ガスによるRIEによりPMM
Aをビームと同一のパターンでエッチングした(図1
(G))。以上のようにして形成したSiビーム上に支
持層となるAl薄膜7を真空蒸着法の一つであるAlタ
ーゲットを用いたスパッタリング法により1μm成膜し
た。前記Al膜上にフォトリソグラフィプロセスにより
フォトレジストを塗布、露光、現像(図2(I))し、
Al膜7を燐酸、硝酸、及び酢酸からなるAlのエッチ
ャントを用いてパターニングし図2(J)の支持部3の
パターンを形成した。最後にPMMAを東京応化工業
(株)のOMR用剥離液−502(商品名)に浸漬し除
去を行うことにより、図2(K)の2μmの空隙8を有
する1μmの膜厚のSiビームをAl薄膜で支持した図
3に示したマイクロ構造体を形成した。前記剥離液は有
機溶液よりなりAl電極がエッチングされることはな
い。
【0028】本発明の形成法では、バルクのSi基板4
を図1(B)に示したように、初めにビーム形状の薄膜
構造体のパターンが形成してある。バルクSiを薄膜化
して作製することにより、本質的に内部応力をもたない
反りのないビームを作製することができた。また、ビー
ムのパターンにより、Si基板4上に溝が形成され、図
1(D)での工程にて樹脂薄膜を加熱処理し硬化する際
に発生する溶媒の蒸気を前記溝を通じて逃がすことがで
きる。溝のない場合には、塗布する際の樹脂を溶解した
溶液中に含まれる溶媒の含有量を調節しないと加熱処理
の際の溶媒蒸気により接着層と第2基板との間の気泡が
残る場合がある。溝を形成することにより気泡の発生を
防止する効果がある。また、樹脂薄膜を接着層として用
いることにより、第1基板としては第2基板と熱膨張係
数の異なる材料を用いることが可能となった。本発明で
示したように樹脂薄膜は第1基板と第2基板を接着する
接着層であると共にマイクロ構造体を形成するための犠
牲層の役割を担っている。
【0029】支持部にAl薄膜よりなる金属薄膜を用い
たが、シリコン酸化膜等の絶縁膜を用いれば同様の工程
により電気的に絶縁のあるマイクロ構造体を基板上に形
成することも可能であることは言うまでもない。
【0030】第2実施例 図4、及び図5は本発明のマイクロ構造体の形成法の第
2実施例を説明するための作製工程図であり、図6はそ
れを用いて作製したマイクロ構造体の斜視図である。本
発明のマイクロ構造体は図6より以下の構造をもつ。1
0はSi基板、14はシリコン酸化膜よりなる絶縁層、
15及び16は絶縁層14上に薄膜形成した駆動電極及
び固定電極、ビーム12はトーション・バーを有し空隙
を介して支持部13,13’によりビーム上面より支持
され、さらにビーム12上には可動電極17が形成して
ある。支持部13は電気導電体よりなり可動電極17と
固定電極16を電気的に接続している。本発明のマイク
ロ構造体は駆動電極15とビーム12上の可動電極と電
気的に接続した固定電極16に電圧を印加することで静
電アクチュエータとして変位することが可能である。
【0031】これにより静電アクチュエータは、ビーム
12が空隙を介して支持部13,13’により前記ビー
ム上面より釣り下げる構造となり、支持部13,13’
はビーム12と絶縁層14及び固定電極16とをエア・
ブリッジ(Air Bridge) 構造にて機械的かつ電気的に接
続する構造となる。駆動電極と可動電極に電圧を印加す
ることでトーション・バーがねじり回転しビームが変位
する。
【0032】図4,5を用いて図6に示すマイクロ構造
体のB−B断面図における本発明の形成法の第2実施例
を説明する。第2基板として最終的にはビームの構造材
料となるシリコン窒化膜19を減圧CVD(LPCV
D)によりジクロルシラン(SiH2 Cl2 )とアンモ
ニア(NH3 )の混合ガスにて850℃で1μm成膜し
たSi基板18を用いる(図4(A))。前記シリコン
窒化膜19上にフォトレジストの接着層20をスピナー
法により塗布する(図4(B))。フォトレジストには
東京応化(株)製のゴム系レジストであるOMR83
(商品名)を用いた。接着するもう一方の第1基板には
絶縁層14と固定電極16(不図示)及び駆動電極15
を有するSi基板10を用いた。絶縁層14は酸化ガス
を用いてSi基板10を熱酸化した1μmの厚みのシリ
コン酸化膜であり、駆動電極15、固定電極16は前記
絶縁層上に電子ビーム蒸着法によりCrを5nm、Au
を200nm連続して成膜し、フォトリソグラフィプロ
セスにより図6に示す電極パターンにパターニングした
ものである。第1基板に第2基板と同様のフォトレジス
トの接着層21を塗布する(図4(C))。フォトレジ
ストを塗布した後に、第1基板及び第2基板を50℃に
て10分間の前処理を施しフォトレジスト中に含まれる
溶媒の含有量を調節し接着の際の溶媒蒸気によりフォト
レジストの間に気泡が残ることを防止した。図4(B)
の第2基板と図4(C)の第1基板を図4(D)に示す
ように接着する。接着に際しSi基板18及びSi基板
10に電圧を100V印加し、このとき発生する静電力
による圧力を印加して行った(不図示)。電圧を印加し
第1基板と第2基板をフォトレジストからなる接着層を
介して接着した後に、120℃に加熱しフォトレジスト
を硬化した。硬化後、接着層20,21は一体化し、こ
れにより接着層22の膜厚は2μmとなった。
【0033】次に、Si基板18を100℃に加熱した
KOH30wt%水溶液にてウエットエッチングし、図
4(E)に示すようにシリコン窒化膜19のみを残し
た。シリコン窒化膜19はSiに比べてエッチング速度
が極めて遅く殆どエッチングされることはない。続い
て、固定電極15を形成したと同様にCrとAuの金属
膜100を成膜し、フォトレジスト102を塗布しフォ
トリソグラフィプロセスによりパターニングした(図4
(F))。フォトレジスト102をマスクとしてヨウ素
とヨウ化カリウムの水溶液により金属膜100をエッチ
ングし可動電極17を形成した。次に、フォトレジスト
103を図4(F)と同様にパターニングし(図4
(G))、フォトレジスト103をマスクとしてシリコ
ン窒化膜19をCF4 ガスによるRIEによりエッチン
グし、その後エッチングガスを酸素ガスに変えてフォト
レジスト103を酸素ガスによるRIEにてアッシング
し、ビームパターン24を形成した(図4(H))。以
上のようにして形成したシリコン窒化膜のビームと可動
電極17上に支持層となるAl薄膜25を1μm成膜し
た。前記Al膜上にフォトリソグラフィプロセスにより
フォトレジスト104を塗布、露光、現像(図2
(I))し、Al膜25をBCl3 とCl2 との混合エ
ッチングガスによりRIEによるパターニングし、支持
部13,13’を形成した(図4(K))。
【0034】RIEを用いて酸素プラズマによりフォト
レジスト104及びビームパターン24下部のフォトレ
ジストをエッチング除去し空隙26を形成した。このと
きのエッチング条件は酸素50ccm以上、エッチング
時のガス圧力20Pa以上とし、サイドエッチを大きく
取る条件を採用した。以上の形成法を用いての図4
(I)の2μmの空隙26をもつ1μmの膜厚をシリコ
ン窒化膜のビーム12をAl薄膜で支持した図6に示し
たマイクロ構造体を形成した。ドライエッチングにより
各電極がエッチングされることなく、かつウエットエッ
チングによる犠牲層除去の際に問題となるStickingを回
避することができた。
【0035】本発明の形成法では、Si基板10上に形
成したシリコン窒化膜をバルクSiを除去して薄膜化し
てビームを形成できた。さらに、ビーム上に駆動電極を
形成でき、かつ第1基板上に形成した固定電極と支持部
を通じて電気的に接続することができた。また、可動電
極と駆動電極の間に電圧を印加することによりビームの
自由端は第1基板方向にトーション・バーのねじり回転
に応じて変位した。
【0036】樹脂薄膜を第1基板上に塗布することによ
り、駆動電極及び固定電極等により生じる基板上の凹凸
に対し平滑に塗布することが可能であり、接着面の平坦
性を保つと共に良好な基板同士の接着が可能となった。
さらに、接着層としてフォトレジストを用いたことによ
り、第1基板であるSi基板10上に集積回路を形成し
た基板を用いても同様にマイクロ構造体を形成できるこ
とは言うまでもない。フォトレジストは可動イオンの含
有量が極めて少なく、MOSトランジスタ等の電子デバ
イスへの可動イオン侵入による動作不良を起こさない。
【0037】基板が導電体であるSiを用いたことによ
り電圧を印加し第1基板と第2基板を接着することが可
能であり、接着時に要する印加圧力を容易に制御するこ
とが可能となった。
【0038】以上のように本発明のマイクロ構造体の形
成法により、850℃の高温にて形成したシリコン窒化
膜からなる絶縁体上にAl電極を形成し、Stickingする
ことなく基板上の電極と空隙を介して電気的接続を行う
ことが可能となった。
【0039】ここでは、絶縁体としてシリコン窒化膜を
用いたが、第2基板にシリコン酸化膜が形成されたSi
基板を用いれば、図4,5に示すと同様の作製工程によ
りシリコン酸化膜からなるビームを形成することが可能
である。絶縁体としてはAl 23 ,AlN等の様々な
材料を用いることが可能であり、また、絶縁体に限らず
Ni,Cr,Au等の金属薄膜に置き換えることも可能
である。第2基板上に形成したビームの材料となる薄膜
の厚みは重要ではなく、例えば接着し、第2基板を除去
した後にエッチングにより薄膜化し、所望の膜厚を得る
ことも可能となる。第2基板としてSi基板を用いたが
熔融石英等のガラス基板を用いてもよく、この場合には
図4の作製工程にてシリコン窒化膜の代わりにLPCV
Dによりポリシリコンを用いることによりフッ酸水溶液
により前記ガラス基板を除去する以外は同様の工程を経
て、ポリシリコンからなるビームを形成することが可能
である。すなわち、本発明の形成法により絶縁体、金
属、半導体等の様々の材料からなるマイクロ構造体をSt
ickingを回避して形成することができる。
【0040】第1実施例と同様に、樹脂薄膜は第1基板
と第2基板を接着する接着層であると共にマイクロ構造
体を形成するための犠牲層の役割を担っている。
【0041】第3実施例 LB膜を接着層として用いた本発明のマイクロ構造体の
形成法の第3実施例を図7を用いて説明する。同図にお
いて、31は第1基板となるSi基板、32はSi基板
31に接着するための第2基板となるSi基板、33は
Si基板31の表面にLB法を用いて成膜したLB膜、
34,35,36はさらに層状に累積したLB膜であ
る。LB膜35とLB膜36の間は同様にLB膜が多層
累積しており、図では省略(図中破線部)してある。L
B膜の全層の厚みは80nmとなるように積層してあ
る。41,43,45,47はLB膜の疎水基、40,
42,44,46はLB膜の親水基であり、疎水基同
士、あるいは親水基同士からなる接着面を相対向させ成
膜を行った。53はSi基板31とSi基板32との間
に電圧を印加するための電源であり、リード線54,5
5により針状電極51,52と電気的に接続してある。
50は電気的に導電性を有するプラテンである。
【0042】LB膜33,34,35,36としてステ
アリン酸を用いた。Si基板31に成膜したLB膜の接
着面にSi基板32を重ね合わせる。その後、電源53
によってSi基板31とSi基板32との間に6Vの電
圧を30分間印加し、該電圧によって生ずる静電力によ
ってSi基板32とLB膜36が接近し、Si基板32
の疎水面とLB膜の疎水基47が接着した。
【0043】次に、このようにして接着した基板を、第
1実施例の図1(E)から図2(J)までの工程を用い
て同様にAl膜からなる支持部とSiビームからなるマ
イクロ構造体パターンを形成した。第1実施例とは異な
り、ビームパターンのないSi基板を第1基板として用
い、接着層としてLB累積膜を用いている。
【0044】接着層を除去する工程として、LB膜を接
着層として用いてある以外は同様の形状を有する図1
(J)に示す基板を加熱し、LB累積膜を分解し、蒸発
させた。この分解及び蒸発によってLB累積膜からなる
接着層は消失し除去される。加熱温度350℃にて1時
間加熱したところ、LB累積膜は除去され、Siビーム
をAl膜の支持部により支持されたSiビームを形成す
ることができた。空隙の間隔はLB累積膜の膜厚みと同
様に80nmであった。
【0045】本発明の第3実施例の方法では、LB膜を
用いることにより、樹脂薄膜を除去し形成した空隙の間
隔をナノメーター精度で制御されたマイクロ構造体を形
成することができた。また、加熱により接着層を除去す
ることにより、ウエットエッチングによる犠牲層除去の
際に問題となるStickingを回避することができた。
【0046】なお、本実施例では第1基板のみにLB累
積膜を成膜したが、第1及び第2基板ともにLB膜を成
膜してもよく、この場合にはLB膜面は疎水基同士、あ
るいは親水基同士とする。接着層を除去する他の方法と
してはCO2 レーザー等のレーザー光照射によって熱分
解しても可能である。本発明の方法を用いることによ
り、空隙間隔をLB累積膜の膜厚により制御し加熱にて
除去するために、数十nm程度の極めて狭い空隙間隔を
有するマイクロ構造体を作製することが可能となった。
【0047】LB累積膜としてステアリン酸を用いた
が、アラキジン酸、強誘電性LB膜(例として、ジアセ
チレン系、あるいはベンゼン誘導体系)、あるいはポリ
イミドLB膜等の他のLB膜を用いても、本発明の意図
を変えるものではないことは言うまでもない。また、基
板としてSiを用いたがガラス、金属、金属膜が形成さ
れたガラス基板等の他の基板を用いても可能であること
は言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマイクロ
構造体の形成法によれば、第1基板と第2基板の接着を
樹脂薄膜よりなる接着層にて行い、裏面から薄膜にした
第2基板にて薄膜構造体を形成し、支持層により第1基
板と薄膜構造体を機械的に接続し、接着層を除去するこ
とにより、絶縁体、金属、半導体等の様々の材料からな
るマイクロ構造体を形成することができ、マイクロ構造
体上に電極パターンを形成し、基板との電気的接続が可
能なマイクロ構造体が形成できた。
【0049】さらに、ビームとしてバルク材料を用いる
ことが可能であり、反りのないビームを形成することが
できた。
【0050】また、樹脂薄膜は第1基板と第2基板を接
着する接着層であると共にマイクロ構造体を形成するた
めの犠牲層の役割を担っていることから、樹脂薄膜を除
去する方法として酸素ガスによるドライエッッチング
や、熱分解により蒸発する方法を用いることが可能とな
り、犠牲層除去の際に問題となるStickingを回避するこ
とができた。
【0051】また、樹脂薄膜は基板上に形成した電極パ
ターン等による凹凸に左右されずに平坦面を形成するこ
とができ、基板の表面粗さに依存せず良好な接着が可能
となった。
【0052】さらに、発明の方法により、比較的低温プ
ロセスにてマイクロ構造体を形成でき、熱膨張係数の異
なる基板を用いてもマイクロ構造体を形成することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ構造体の形成法の第1実施例
の作製工程を示す図である。
【図2】本発明のマイクロ構造体の形成法の第1実施例
の作製工程を示す図である。
【図3】第1実施例のマイクロ構造体の形成法を用いて
作製したマイクロ構造体を説明する斜視図である。
【図4】本発明のマイクロ構造体の形成法の第2実施例
の作製工程を示す図である。
【図5】本発明のマイクロ構造体の形成法の第2実施例
の作製工程を示す図である。
【図6】第2実施例のマイクロ構造体の形成法を用いて
作製したマイクロ構造体である静電アクチュエータを説
明する斜視図である。
【図7】本発明の構造体の形成方法の第3実施例のLB
膜にて接着する工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2,12 ビーム 3,13,13’ 支持部 4 Si 基板 5,24 ビームパターン 6,20,21,22 接着層 7 Al層 8,26 空隙 10 Si基板 11 トーション・バー 14 絶縁層 15 駆動電極 16 固定電極 17 可動電極 18 Si基板 19 シリコン窒化膜 25 Al膜 31,32 Si基板 33,34,35,36 LB膜 41,43,45,47 LB膜の疎水基 40,42,44,46 LB膜の親水基 50 プラテン 51,52 針状電極 53 電源 54,55 リード部 100 金属膜 101,102,103,104 フォトレジスト
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B81C 1/00 B81B 3/00 B32B 15/08 C23F 1/00 C23F 4/00 G02B 26/08 H02N 1/00 H01L 21/30

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に配置された支持部
    と、下面を該基板に向け、均一な空隙をあけた吊り下げ
    構造にて支持された薄膜構造体とを有するマイクロ構造
    体の製造方法であって(a) 第1基板上に樹脂膜よりなる接着層を形成する工
    程,(b) 所望の形状パターンの構造体が形成された第2基
    板を準備し、該接着層を介して第1基板と接着する工
    程,(c) 第2基板の背面を該構造体を残してエッチング除
    去し薄膜構造体を形成する工程,(d) 該薄膜構造体の下部を除く接着層を除去する工程(e) 該薄膜構造体と第1基板とを接続する支持を形
    成する工程,(f) 該薄膜構造体の下部の接着層を除去する工程を
    の順で有することを特徴とするマイクロ構造体の製造方
  2. 【請求項2】 基板と、該基板上に配置された支持部
    と、下面を該基板に向け、均一な空隙をあけた吊り下げ
    構造にて支持された薄膜構造体とを有するマイクロ構造
    体の製造方法であって(a) 第1基板上に樹脂膜よりなる接着層を形成する工
    程,(b) 第2基板を準備し、該接着層を介して第1基板と接
    着する工程,(c) 第2基板の背面をエッチング除去し薄膜化したの
    ち、該薄膜化された第2基板を所望の形状にパターン形
    成することにより、薄膜構造体を形成する工程,(d) 該薄膜構造体の下部を除く接着層を除去する工程(e) 該薄膜構造体と第1基板とを接続する支持を形
    成する工程,(f) 該薄膜構造体の下部の接着層を除去する工程を
    の順で有することを特徴とするマイクロ構造体の製造方
  3. 【請求項3】 前記(a)の接着層を形成する工程が樹
    脂分子を溶媒にて稀釈した溶液を薄膜塗布することによ
    り行うことを特徴とする請求項1または2に記載のマイ
    クロ構造体の製造方法
  4. 【請求項4】 前記(a)の接着層を形成する工程がラ
    ングミュアブロジット法にて形成することを特徴とする
    請求項1または2に記載のマイクロ構造体の製造方法
  5. 【請求項5】 前記樹脂膜がフォトレジストからなるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ構造
    体の製造方法
  6. 【請求項6】 前記フォトレジストが環化ゴムを含有す
    ることを特徴とする請求項に記載のマイクロ構造体の
    製造方法
  7. 【請求項7】 前記第1基板および第2基板上に溝が形
    成してあることを特徴とする請求項1または2に記載の
    マイクロ構造体の製造方法
  8. 【請求項8】 前記(b)の接着する工程が第1及び第
    2基板の裏面より圧力を加える工程を有することを特徴
    とする請求項1または2に記載のマイクロ構造体の製造
    方法
  9. 【請求項9】 前記圧力を加える工程が、第1基板と第
    2基板に電圧を印加することにより行うことを特徴とす
    る請求項に記載のマイクロ構造体の製造方法
  10. 【請求項10】 前記(d)または(f)の接着層を除
    去する工程が,酸素を用いたドライエッチングにより行
    うことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ
    構造体の製造方法
  11. 【請求項11】 前記ドライエッチングがプラズマエッ
    チングにより行うことを特徴とする請求項10に記載の
    マイクロ構造体の製造方法
  12. 【請求項12】 前記(d)または(f)の接着層を除
    去する工程が,接着層を加熱し分解することを特徴とす
    請求項1または2に記載のマイクロ構造体の製造方
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