JP3181174B2 - マイクロ構造体の形成方法 - Google Patents

マイクロ構造体の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロメカニクス技
術を用いて作製するマイクロ構造体、とくに犠牲層を用
いて形成されるマイクロ構造体の作製法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、小型の可動機構を有する微小機械
がマイクロメカニクス技術により検討されている。とく
に、半導体集積回路形成技術(半導体フォトリソグラフ
ィプロセス)を用いて形成するマイクロ構造体は、基板
上に複数の小型で作製再現性の高い微小な機械部品を作
製することが可能である。このため、アレイ化、低コス
ト化が比較的容易となり、かつ小型化により従来の機械
式構造体に比べて高速応答性が期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】基板上にマイクロ構造
体を作製する典型的な方法としては以下の4つがある。
第1の方法としては、ポリシリコン膜よりなるワブルマ
イクロモーター(M.Mehregany et al., “Operation of
microfabricated harmonic and ordinary side-drive
motors”,Proceedings IEEE Micro Elctro Mechanical
Systems Workshop 1990,p1-8)、やリニアマイクロアク
チュエータ(P.Cheung et al.,“Modelingand position
-detection of apolysilicon linear microactuato
r”,Micromechanical Sensors,Actuators,and Systems
ASME 1991,DS C-Vol.32,p269-278) 等を形成する作製
方法であり、これはSi基板上の犠牲層となるシリコン
酸化膜と薄膜形成したマイクロ構造体となるポリシリコ
ン、SOI(Si on Insulator )またはSIMOX(Se
paration by ion implantation of oxygen, B.Diem et
L., “SOI(SIMOX)as a Substrate for Surface Microma
chining of Single Crystalline Silicon and Actuator
s ”,The 7th International Conference on Solid-St
ate Sensors and Actuators,Transducers '93,June 7-1
0,1993,p233-236 )のシリコン膜を所望の形状にパター
ニングした後にフッ酸水溶液にてシリコン酸化膜を除去
するシリコン酸化膜を犠牲層として用いる方法である。
【0004】しかしながら第1の方法ではシリコン酸化
膜をフッ酸水溶液にてエッチング除去するために、構造
体としてはフッ酸に食刻されないフッ酸腐食耐性材料を
用いる必要があり、マイクロ構造体上にアルミニウム電
極等の電極を配線することができない。さらに、ポリシ
リコンをマイクロ構造体として用いる場合には膜応力に
よる反りが生じないようにポリシリコンの膜応力を制御
する必要がある。SOI基板を用いる場合、バルクSi
の薄膜下のシリコン酸化膜除去してしまうために、構造
体を支えるシリコン酸化膜がエッチバックされ構造体が
梁形状となり基板と構造体との電気的接続が困難とな
る。
【0005】第2の方法は、アルミニウム(Al)薄膜
のマイクロミラーよりなる空間光変調器(L.J.Hornbec
k、特開平2−8812)を形成する作製方法であり、
基板上に犠牲層となるフォトレジストを塗布し、Al薄
膜を薄膜形成し所望の形状にパターニングした後に酸素
プラズマを用いたドライエッチングによりフォトレジス
トを除去しAl薄膜からなるマイクロ構造体を形成する
方法である。
【0006】この方法では、フォトレジストを犠牲層と
して用いることにより基板の表面粗さに依存することな
く、様々な種類の基板上にマイクロ構造体を形成するこ
とが可能である。これにより、反応性イオンエッチング
(RIE)によるドライエッチングにて犠牲層除去が可
能であり、ウエットエッチングにより犠牲層を除去する
際に生じるマイクロ構造体と基板との貼り付き(Sticki
ng)を回避できる。しかしながら、作製工程中でフォト
レジストが熱的損傷をおこさない程度の低温で構造体薄
膜形成を行う必要があり、構造体材料の制約が大きい。
さらに、マイクロ構造体を真空蒸着、スパッタリング等
の薄膜形成プロセスにより形成するために、作製したマ
イクロ構造体が膜応力による反りを生じないよう膜の応
力制御をする必要がある。
【0007】第3の方法はバルクであるSi基板上にマ
イクロ構造体のパターンを形成した後に、ガラス基板に
前記パターンの一部を陽極接合法により接合し、接合し
たSi基板を裏面よりエッチングしマイクロ構造体のみ
をガラス基板上に残すことにより形成する方法である。
この方法を用いSi基板を薄膜化したバルクSi薄膜か
らなるリニアアクチュエータ(Y.Gianchandani et ak.,
“Micron-Size,High Aspect Ratio Bulk Silicon micro
mechanical Devices”,Proceedings IEEE Micro Elctr
o Mechanical Systems Workshop,1992,p208-213)及びシ
リコン窒化膜よりなるAFM(Atomic Force Microscop
e )用のカンチレバー(T.A.Aibrecht et al.,United S
tates Patent Number 5,221,415 )等が形成できる。
【0008】この方法では、犠牲層を用いる必要がな
く、フッ酸耐性のない材料にてマイクロ構造体を形成す
ることが可能である。しかしながら、ガラスと陽極接合
を行う必要から、材料としては酸化物を形成する導電性
のSi及びAl,Ti,Ni等の金属、又はSi基板上
に形成した薄膜においてのみ陽極接合可能なシリコン窒
化膜、シリコン酸化膜に限定される。また、陽極接合の
接合温度が300℃以上であり、熱応力歪みによる接合
時の基板の損傷を回避するには、ガラスはSi基板とほ
ぼ等しい熱膨張係数を持っている必要がある。このため
に使用できるガラスはパイレックスガラス(商品名#7
741Corning )等のガラスに限定される。さらに、接
合面にあらかじめ空隙を形成しておくため、接合後に電
極等をマイクロ構造体上に形成することができない。ま
た、基板としては可動イオンを含むガラスを用いる必要
から、基板上に回路を集積化することができない。さら
に、陽極接合にてガラスと導電性材料を接合する場合、
ガラス及び導電性材料の表面粗さが500オングストロ
ーム以下に押える必要があり、段差の大きな配線上に接
合することができない。
【0009】本発明は上記問題点に鑑み、下記のことを
実現できるマイクロ構造体の形成法を提供することを目
的とする。
【0010】(1)マイクロ構造体及び基板の材料が制
限されることなく、(2)マイクロ構造体上に電極パタ
ーンを形成し、基板との電気的接続が可能なマイクロ構
造体の形成法。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的を達
成すべく成された本発明は、第1基板上に樹脂膜よりな
る第1犠牲層を形成する工程と、第2基板上に第2犠牲
層を介して構造体層を形成する工程と、該第1犠牲層を
介して第1基板と構造体層を接着する工程と、前記第2
犠牲層を除去する工程と、前記構造体層と第1基板とを
接続するための支持層を形成する工程と、第1犠牲層を
除去する工程を有することを特徴とする。
【0012】
【作用】上述のように構成された本発明のマイクロ構造
体の形成法では、第1基板上に形成した樹脂膜よりなる
第1犠牲層と、第2基板上に第2犠牲層を介して形成し
た構造体層を接着した後に、第2犠牲層を除去し第2基
板上の構造体層を第1基板の第1犠牲層上に転写し、支
持層により第1基板と構造体層を機械的に接続し、第1
犠牲層を除去することにより行う。第2犠牲層により転
写し、樹脂膜により接着することにより、第1基板、第
2基板、及び第2基板上に形成した構造体層の材料が制
限されることなく、また第1犠牲層を除去する前工程に
て構造体層上に電極を形成できる。第1犠牲層は樹脂膜
よりなることにより溶媒、アッシング、加熱等により除
去でき、電極をエッチングすることがない。そして、第
1犠牲層をドライエッチング、又は加熱により熱分解す
ることで除去することによるStickingを回避できる。
【0013】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0014】第1犠牲層を形成する工程としては、接着
方法として通常の方法が使用でき、例えば、樹脂分子を
有機溶媒にて希釈した液をスピンナー法、ディッピング
法、スプレー法等により塗布する方法、又はラングミュ
アブロジット(LB)法により成膜する方法等の樹脂膜
形成法を用いて行う。塗布方法では樹脂膜は基板上の表
面凹凸が存在しても、平坦性良く塗布することが可能で
あり、これにより第2基板と接着する工程にて基板表面
粗さに依存せずに良好な面接着が可能となる。樹脂材料
としては、回路を集積化したSi基板上に第1犠牲層を
形成する場合、ナトリウムイオン等の不純物の少ないフ
ォトレジストが好ましい。さらに好ましくは、密着力及
び機械的な強度に優れたゴムを有するゴム系フォトレジ
ストである。
【0015】本発明で使用できるゴム系フォトレジスト
としては、例えば「微細加工とレジスト」(野々垣三郎
著、高分子学会編集、共立出版発行、1990年)11
頁第3行記載の環化ゴムが好ましく、また東京応化工業
(株)製の高解像度ネガ型フォトレジストとしてOMR
−83等の環化ゴムを含有するフォトレジストが使用で
きる。
【0016】ラングミュアブロジット法を用いる場合に
は、単分子累積膜、すなわち疎水基あるいは親水基から
なるLB膜(ラングミュアプロジット膜)を第1基板面
上に単分子以上累積成膜することにより、疎水基同士、
あるいは親水基同士からなる接着面を相対向させ成膜を
行う。LB法では、樹脂膜厚をナノメーターの精度で成
膜制御することが可能であり、これにより樹脂膜を除去
し形成した空隙の間隔をナノメーターの精度で制御する
ことが可能となる。
【0017】第2犠牲層及び構造体層が形成された第2
基板としては、例えば、第2基板をガラス基板とし構造
体層に第2犠牲層となる金属膜を薄膜形成した後に該金
属膜とガラス基板に電圧を印加し陽極接合法により形成
した接合体、シリコン酸化膜を第2犠牲層としシリコン
膜を構造体層とするSOI基板またはSIMOX基板等
の中間層を有する基板、第2基板上に犠牲層及び構造体
層を薄膜形成した基板等を用いることが可能である。第
2犠牲層の材料としては、第2犠牲層を除去するエッチ
ャントにより第2犠牲層及び構造体層が腐食されない材
料より選択される。薄膜形成法としては真空蒸着法、塗
布法、CVD(Chemical Vapor Deposition )法等の薄
膜体積法を用いる。陽極接合による場合、第2基板はア
ルカリ金属の可動イオン(例えばナトリウム等)を含む
ガラス基板があり、金属膜としてはSi,Al,Ti,
Ni,Cr等の陽極接合可能な金属膜またはこれら元素
を含有する合金よりなる金属膜を用いる。これら金属膜
を構造体層に薄膜形成することにより、構造体層の材料
としては絶縁体、半導体、金属等様々の材料を利用する
ことが可能である。
【0018】第2基板に構造体層を接合する際、構造体
層の厚みが数十μm以下の場合、ハンドリングが難し
い。この為、接合後に薄膜化し構造体層となる。あるい
は構造体層が予め形成された基板の該基板が除去される
ことにより構造体層を形成する等の基板を用いることも
可能である。該基板の薄膜化あるいは除去では基板材料
に適したエッチング液を用いたウエットエッチング、反
応性ガスを用いたドライエッチング、又は研磨砥粒を用
いてラッピング、ポリッシングする方法を用いて裏面か
ら削り行えばよい。前記基板としてSiを用いる場合、
エッチング液としては水酸化カリウム水溶液(KO
H)、4−メチルアンモニウム水溶液(tetramethyl am
moniumhydroxide)等のアルカリ水溶液、又はフッ酸/
硝酸混合水溶液を用い、反応性ガスとしてはCF4 ,S
6 ,NF3 等のプラズマガスを用いて行う。前記基板
にSi等のバルクの基板を用いれば、薄膜化したバルク
SIからなるマイクロ構造体は反ることがなく、犠牲層
上に薄膜形成してマイクロ構造体を作製する際に問題と
なった膜応力による反りの問題を回避できる。また、薄
膜化により接合体層の膜厚を任意に調整することが可能
である。
【0019】構造体層と第1基板を接着する工程として
は、第1犠牲層を介して第1基板と第2基板を裏面より
圧力をかけて押し当てた後に、加熱処理することにより
第1犠牲層である樹脂膜中に含まれる有機溶媒を蒸発さ
せ、樹脂を硬化するとともに各基板との接着力を強くす
ることにより行う方法が好ましい。第1基板及び/又は
構造体層に溝を形成することで加熱処理時に発生する有
機溶媒の蒸気を前記溝を通じて逃がすことができる。溝
として、半導体フォトリソグラフィプロセスによりパタ
ーニングした構造体層のパターンの段差部分を前記溝と
して用いることが可能である。第1基板及び第2基板が
導電体であるならば、各々に電圧を印加し発生する静電
力を用いて圧力を加え接着することも可能である。
【0020】LB累積膜を用いて接着する場合には、第
1基板上に形成したLB膜の接着面と構造体層の接着面
を重ね合わせて、第1基板及び第2基板に電圧を印加
し、発生する静電力によって接合させる。接着するに際
して、LB膜の接着面が疎水基(又は親水基)であれば
他方の構造体層の接着面は疎水基(又は親水基)とな
る。LB累積膜が熱分解しない温度で加熱しながら電圧
を印加し接着を行うことにより、より強固な接着を行う
ことができる。
【0021】樹脂膜を硬化する温度を比較的低温にて行
うことにより、第1基板と第2基板の熱膨張係数の違い
による接着時の基板損傷を回避でき、熱膨張係数差に伴
う第1基板材料の制限はない。
【0022】第2犠牲層を除去する工程により、第1基
板上の第1犠牲層と構造体層が接着されたまま第2基板
と構造体層は分離されることとなる。すなわち、本工程
により第2基板上の構造体層が第1基板の第1犠牲層上
に転写される。
【0023】支持層は第1基板と薄膜構造体を機械的に
接続するものであり、第1犠牲層を除去する前に形成す
ることにより構造体層の上面と第1基板面上に形成して
あり、構造体層を上から釣り上げる構造になっている。
支持層として金属薄膜(Al等)を用いることにより、
電気的に構造体層と第1基板を接続することができる。
第1犠牲層を除去する工程では、樹脂膜を溶解する溶液
に浸すことによりウエットエッチング除去する方法、酸
素プラズマ、酸素ラジカルを用いたアッシングによりド
ライエッチングする方法、又は第1犠牲層としてLB膜
を用いる場合には加熱しLB膜を分解し蒸発させて除去
する方法等により行う。他の加熱の方法としてはCO2
レーザー等のレーザー光照射によって熱分解してもよ
い。第1犠牲層が樹脂からなることにより、ドライエッ
チングすることが可能であり、ウエットエッチングによ
る犠牲層除去の際に問題となるStickingを回避する。
【0024】上記形成法により作製されたマイクロ構造
体は、第1基板と、支持層からなる支持部と、支持部に
より第1基板と空隙を介して支持されパターニングされ
た構造体層からなり、構造体層を空隙を介して支持する
に際して支持部が第1基板と構造体層の上面を接続して
支持する特徴を有している。第1基板に固定電極及び駆
動電極を形成し、構造体層をビーム形状にパターニング
し、ビーム上に可動電極を設けることにより、支持部が
可動電極と固定電極を電気的に接続すると共に機械的に
ビームを該ビーム上面より支持し、駆動電極と可動電極
に電圧を印加することによりビームが変位することを特
徴とする静電アクチュエータが作製できる。本発明の方
法で製造することができるマイクロ構造体としては、例
えば静電アクチュエータ、AFM,STM(Scanning T
unneling Microscope )等のトンネル電流、ファンデル
ワールス力、磁力、静電力等を検出するマイクロスコー
プシステムに用いるカンチレバー、エアブリッジ構造型
のはい配線等を精度良く製造することが可能となる。
【0025】
【実施例】次に本発明にかかるマイクロ構造体の形成法
の実施例について図1乃至図6の図面を参照して詳細に
説明する。
【0026】(第1実施例)図1及び図2は本発明のマ
イクロ構造体の形成法の第1実施例を説明するための作
製工程図であり、図3はそれを用いて作製したマイクロ
構造体の斜視図である。本発明のマイクロ構造体は図3
より以下の構造を持つ。10は第1基板であるSi基
板、14はシリコン酸化膜よりなる絶縁層、15及び1
6は絶縁層14上に薄膜形成した駆動電極及び固定電
極、ビーム12はパターニングしたSi構造体層からな
りトーションバー11を有し空隙を介して支持部13,
13’によりビーム上面より支持され、さらにビーム1
2上には可動電極17が形成してある。支持層13,1
3’は電気導電体よりなり可動電極17と固定電極16
を電気的に接続している。本発明のマイクロ構造体は駆
動電極15とビーム12上の可動電極17と電気的に接
続した固定電極16に電圧を印加することで静電アクチ
ュエータとして変位することが可能である。
【0027】これにより静電アクチュエータは、ビーム
12が空隙を介して支持部13,13’により前記ビー
ム上面より釣り下げる構造となり、支持部13,13’
はビーム12と絶縁層14及び固定電極16とをエアブ
リッジ(Air Bridge)構造にて機械的かつ電気的に接続
する構造となる。駆動電極15と固定電極17に電圧を
印加することでトーションバー11が捩じり回転しビー
ムが変位する。
【0028】図1,2を用いて図3に示すマイクロ構造
体のA−A断面図における本発明の形成法を説明する。
【0029】ビーム厚みが2μmのマイクロ構造体を形
成するに際し、ビームとなる構造体層を第2基板に接合
する。しかしながら、第2基板に第2犠牲層を介して構
造体層を接合することはハンドリング上困難であり、こ
の為、接合後に薄膜化し構造体層となるSi基板20を
用いる。Si基板20にAl膜よりなる第2犠牲層21
を薄膜体積法の一つである電子ビーム蒸着法により20
0nm成膜する(図1(A))。ガラス基板(商品名、
#7740Corning )よりなる第2基板22と第2犠牲
層21を陽極接合法により接合する(図1(B))。
【0030】図4を用いて陽極接合する工程を説明す
る。同図において、33はSi基板20に成膜した第2
犠牲層(Al膜)と第2基板22であるガラス基板との
間に電圧を印加する為の電源であり、リード線32,3
4により針状電極32,35と電気的に接続してある。
30は導電性でありヒーターを有するプラテンである。
第2犠牲層(Al膜)を接合面として第2基板22を重
ね合わせる。プラテンの温度を300℃に保持した状態
で電源33によって第2基板と第2犠牲層との間に50
0Vの電圧を20分間印加し、第2基板と第2犠牲層を
陽極接合法により接合した。
【0031】次に、Si基板20を研磨砥粒を用いて構
造体の厚みが2μmとなるまでラッピング及びポリッシ
ングした(図1(C))。
【0032】次に、図には示していないがフォトレジス
トを構造体層23に塗布しフォトリソグラフィプロセス
によりパターニングし、該フォトレジストをマスクとし
て構造体層をCF4 ガスによる反応性イオンエッチング
(RIE)によりエッチングし、その後エッチングガス
をBCl3 とCl2 との混合エッチングガスに変えて第
2犠牲層21をエッチングし、ビームパターン24を形
成した(図1(D))。接着する第1基板には絶縁層1
4と駆動電極15及び固定電極16を有するSi基板1
0を用いた。絶縁層14は酸化ガスを用いてSi基板1
0を熱酸化した1μmの厚みのシリコン酸化膜である。
駆動電極15、固定電極16は前記絶縁層上に電子ビー
ム蒸着法によりCrを5nm、Auを200nm連続し
て成膜し、フォトリソグラフィプロセスによりフォトレ
ジストを塗布、露光、パターニングし、該フォトレジス
トをマスクとしてAu,Crをヨウ素とヨウ化カリウム
の水溶液からなるAuエッチャント及び硝酸セリウムア
ンモニウム及び過塩素酸の水溶液からなるCrエッチャ
ントにより図3に示す電極パターンにパターニングした
ものである。前記第1基板上に第1犠牲層25となる樹
脂膜をスピナー法により塗布する(図1(E))。樹脂
膜として東京応化(株)製のゴム系レジストOMR83
(商品名)を用いた。
【0033】第1犠牲層を塗布した後に、図1(D)の
第2基板と図1(E)の第1基板を裏面より圧力をかけ
て押し当てた後に、150℃に加熱処理することにより
第1犠牲層である樹脂膜中に含まれる有機溶媒を蒸発さ
せるとともに硬化させ、図1(F)に示すように接着し
た。硬化後の第1犠牲層25の膜厚は2μmとなった。
本発明の形成法では、ガラス基板を第2基板として用い
ることにより、接着時に目視にて観察しながら接着する
ことができ、接着時の駆動電極とビームのアライメント
が容易となった。
【0034】次に、パターニングした第2犠牲層21を
80℃に加熱したりん酸、硝酸、及び酢酸からなるAl
エッチャントを用いて除去し第2基板をリリースするこ
とにより、図1(G)に示すように第2基板上の構造体
層が第1基板の第1犠牲層上に転写された。Alエッチ
ャントにより樹脂膜であるフォトレジスト及びSi構造
体層が腐食されることはない。
【0035】続いて、駆動電極15及び固定電極16を
形成したと同様にCrとAuの金属膜100を成膜し、
フォトレジスト101を塗布しフォトリソグラフィプロ
セスによりパターニングした(図2(H))。フォトレ
ジスト101をマスクとしてAuエッチャント及びCu
エッチャントにより金属膜100をエッチングし可動電
極7を形成した。
【0036】次に、ビームパターン24をマスクとして
酸素ガスによるRIEにより第1犠牲層をビームパター
ンと同様の形状にパターニングした(図2(I))。以
上のようにして形成したSiのビームと可動電極17上
に支持層となるAl膜26を2μm成膜した。前記Al
膜上にフォトリソグラフィプロセスによりフォトレジス
ト102を塗布、露光、現像(図2(K))し、Al膜
26をBCl3 とCl 2 との混合エッチングガスにより
RIEにてパターニングし、支持部13,13’を形成
した(図2(L))、支持部13は不図示)。
【0037】最後に、酸素プラズマによりフォトレジス
ト102及びビームパターン24下部の第1犠牲層をエ
ッチング除去し空隙27を形成した。以上の形成法を用
いての図2(M)の2μmの空隙27を持つ2μmの膜
厚のSiのビーム12をAl膜で支持した図3に示すマ
イクロ構造体を形成した。酸素プラズマによるエッチン
グにより各電極がエッチングされることなく、かつウエ
ットエッチングによる犠牲層除去の際に問題となるStic
kingを回避することができた。
【0038】本発明の形成法により、バルクのSi基板
20を薄膜化し、ビームを形成することが可能となっ
た。さらに、ビーム上に駆動電極を形成でき、かつ第1
基板上に形成した固定電極と支持部を通じて電気的に接
続することができた。また、可動電極と駆動電極の間に
電圧を印加することによりビームの自由端は第1基板方
向にトーションバーの捩じり回転に応じて変位した。
【0039】樹脂膜を第1基板上に塗布することによ
り、駆動電極及び固定電極等により生じる基板上の凹凸
に対して平滑に塗布することが可能であり、接着面の平
坦性を保つと共に良好な基板同士の接着が可能となっ
た。さらに、第1犠牲層としてフォトレジストを用いた
ことにより、第1基板であるSi基板10に集積回路を
形成した基板を用いても同様にマイクロ構造体を形成で
きることは言うまでもない。フォトレジストは可動イオ
ンの含有量が極めて少なく、MOSトランジスタ等の電
子デバイスへの可動イオンの侵入による動作不良をおこ
さない。また、基板としてSiを用いたがガラス、Ga
As、金属、金属膜が形成されたガラス基板等の他の基
板を用いても可能であることは言うまでもない。
【0040】構造体層と第1基板を樹脂膜を介して接着
する際に、各基板の裏面より圧力をかけて押し当てる代
わりに、構造体層であるSiと第1基板であるSi基板
に100Vの電圧を印加し発生する静電力により押し当
てることにより同様に接着することが可能であった。
【0041】本発明の形成法では、バルクSiを研磨砥
粒により薄膜化して作製することにより、本質的に内部
応力を持たない反りのないビームを作製することができ
た。他の薄膜化の方法としては、Si基板20の変りに
シリコン基板上にシリコン酸化膜を介して直接接合した
2μm厚のシリコン膜からなるSOI基板を用いて同様
のマイクロ構造体を作製した。その工程としては、Al
膜をシリコン膜上に成膜後、上述と同様に第2基板に陽
極接合し、SOI基板の裏面より100℃に加熱したK
OH300wt%水溶液にてウエットエッチングし、S
OIのSi基板を除去する。シリコン酸化膜がエッチン
グを阻止するエッチストップ層となりKOHによるエッ
チングが停止する。その後フッ素水溶液によりシリコン
酸化膜をエッチングすることにより、図1(C)に示す
と同様の、第2基板に第2犠牲層を介して2μmの膜厚
のSi構造体層を形成することができた。SOI基板を
用いることにより、構造体層の厚みを高精度に保証する
ことができ、かつ任意の厚みの構造体層を得ることが可
能となった。Si構造体層を形成する上記以外の方法と
して、図1(C)に示す構造体層、第2犠牲層を有する
第2基板としてSOI基板を用いることが可能である。
第2基板としてSOIのSi基板、第2犠牲層としてシ
リコン酸化膜を用い、図1(D)と同様にSi膜にビー
ムパターンを形成し、図1(E)の第1基板と接着す
る。フッ素水溶液により第2犠牲層であるシリコン酸化
膜をエッチング除去することにより図1(G)と同様の
第1犠牲層上への構造体層の転写が可能である。
【0042】第2犠牲層の材料としてAl膜を用いた
が、Ti,Cr,Ni等の陽極接合可能な他の金属材料
を用い、樹脂膜及び構造体層を腐食することが無いエッ
チャントを選ぶことにより同様の構造体を形成すること
が可能である。
【0043】また、図1(D)のビームのパターンによ
り、構造体層23に溝が形成されたこととなり、図1
(E)での工程にて樹脂膜を加熱処理し硬化する際に発
生する溶媒の蒸気を前記溝を通じて逃がすことができ
る。溝のない場合には、塗布する際の溶媒蒸気により接
着層と構造体層との間に気泡が残る場合がある。溝を形
成することにより気泡の発生を防止する効果がある。
【0044】また、本発明で示したように樹脂膜は第1
基板と構造体を接着する接着層であると共にマイクロ構
造体を形成する為の犠牲層の役割を担っている。
【0045】(第2実施例)図5,6を用いて構造体層
として絶縁体よりなるマイクロ構造体の形成法の第2実
施例を説明する。マイクロ構造体としては、図3に示す
静電アクチュエータと同様のマイクロ構造体を作製し、
絶縁体としてシリコン酸化膜を用いた。図1(A)のS
i基板の代わりに、酸化ガスにより1μm厚のシリコン
酸化膜63が形成されたSi基板60を用いた。該シリ
コン酸化膜63上に真空蒸着法の一つであるスパッタリ
ング法を用いCu及びAlを各々200nm、10nm
連続して成膜しCu−Alの第2犠牲層61っを形成し
た(図5(A))。次に、第1実施例と同様の方法によ
り第2犠牲層と第2基板62であるガラス基板(商品
名、#7740Corning )を陽極接合した(図5
(B)。陽極接合時の加熱の際にAlはCuに拡散し接
合界面でCuとAlの合金が形成された。その後、Si
基板をSF6 ガスを用いてドライエッチング除去する
(図5(C))。Siとシリコン酸化膜とのドライエッ
チングにおけるエッチング選択比が異なりSi基板がエ
ッチング除去されるがシリコン酸化膜は第2基板上に残
る。以上の工程によりシリコン酸化膜からなる構造体層
を有する第2基板を形成することができた。
【0046】次に、第1基板として第1実施例のシリコ
ン酸化膜を形成したSi基板の代わりにガラス基板69
(商品名、#7059Corning )を用い、第1実施例と
同様に固定電極68及び駆動電極(不図示)を形成し
た。ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をメチルエチ
ルケトン(MEK)に溶解した溶液をスピナー法により
塗布しPMMAの樹脂膜からなる第1犠牲層65を形成
した(図5(D))。第1基板を50℃にて10分間の
前処理を施し樹脂膜中に含まれる溶媒の含有量を調節し
接着の際の溶媒蒸気により接着した界面に気泡が残るこ
とを防止した。図5(C)の第2基板と図5(D)の第
1犠牲層65を形成した第1基板を図5(E)に示すよ
うに各基板の裏面より圧力を加えて接着する。接着圧力
は第1基板のガラス面側から観察し、シリコン酸化膜6
3が十分に樹脂膜と接着するように適当な圧力を加え
た。第1基板と第2基板を樹脂膜を介して接着した後
に、150℃に加熱し樹脂膜を硬化した。硬化後の第1
犠牲層65の膜厚を2μmとした。次に、第2犠牲層6
1を塩化第二鉄からなるCuエッチャントを用いて除去
し第2基板をリリースすることにより、図5(F)に示
すように第2基板上の構造体層が第1基板の第1犠牲層
上に転写された。
【0047】このようにして形成した構造体層をフォト
レジスト103を塗布しフォトリソグラフィプロセスに
より露光、現像し、フォトレジスト103をマスクとし
て構造体層をフッ酸にてパターニングしビームパターン
64を形成した。フォトレジスト103は酸素ガスを用
いたRIEによりドライエッチングした。この時、第1
犠牲層である樹脂膜にもドライエッチングによりビーム
パターンと同様のパターンが形成された。
【0048】続いて、第1実施例の可動電極を形成した
と同様にCrとAuの金属膜200を成膜し、フォトレ
ジスト104を塗布しフォトリソグラフィプロセスによ
りパターニングした(図6(H))。フォトレジスト1
04をマスクとしてAuエッチャント及びCrエッチャ
ントにより金属膜200をエッチングし可動電極67を
形成し、フォトレジスト104を剥離した。
【0049】次に、上述のようにして形成したシリコン
酸化膜のビームと可動電極67上に支持層となるAl膜
66を2μm成膜した(図6(J))。前記Al膜66
上にフォトリソグラフィプロセスによりフォトレジスト
105を塗布、露光、現像(図6(K))し、Al膜6
6をBCl3 とCl2 との混合エッチングガスによりR
IEにてパターニングし、支持部63,63’を形成し
た(図6(L)、支持部63は不図示)。
【0050】最後にPMMAを東京応化工業(株)のO
MR用剥離液−502(商品名)に浸潰し除去を行うこ
とにより、図6(M)の2μmの空隙を有する1μmの
膜厚のシリコン酸化膜ビームをAl薄膜で支持したマイ
クロ構造体を形成した。前記剥離液は有機溶液よりなり
Al電極がエッチングされることはない。作製したマイ
クロ構造体はビームがシリコン酸化膜よりなり、基板が
ガラスよりなる以外は図3に示した静電アクチュエータ
と同様の形状をしている。
【0051】前記ガラス基板69はシリコン酸化膜に比
べて熱膨張係数が約一桁ほど大きい。すなわち、本発明
の形成法を用いることにより熱膨張係数の異なる基板上
に絶縁体よりなるマイクロ構造体を形成することが可能
となった。第1基板として、ガラス基板を用いたが、同
様の形成工程により石英、Al23 ,MgO,ZrO
2 等の他の絶縁体、Si,GaAs,InP等の半導
体、金属等様々の基板を用いることができることは言う
までもない。
【0052】ここでは、絶縁体からなる構造体層として
シリコン酸化膜を用いたが、絶縁体としてシリコン窒化
膜、Al23 ,AIN等の薄膜体積が可能な様々な材
料を用いることが可能であることは言うまでもない。ま
た、第2基板上に第2犠牲層を薄膜体積した後、構造体
層を薄膜体積してもよいことは言うまでもない。
【0053】第2犠牲層としてスパッタリング時にCu
Al合金ターゲットを用いて成膜した合金薄膜を用いて
も同様に陽極接合が可能であった。同様にして陽極接合
可能な他の金属材料との合金膜を用いて陽極接合するこ
とは可能であることは言うまでもない。
【0054】また、図5(A)の構造体層と第2犠牲層
が形成された基板としてSOI基板を用いることによ
り、第2犠牲層としてSi膜が使用でき、第2犠牲層を
薄膜体積する工程を省くことができる。Siを第2犠牲
層として用いる場合、図5(F)に示した第2犠牲層を
除去する方法として、例えばエッチャントとしてフッ酸
及び硝酸の混合液を用いて除去すればよい。
【0055】第2実施例では犠牲層を除去するに際し、
ウエットエッチングにて行ったが、酸素を用いたプラズ
マエッチングにて行うことが可能であることは言うまで
もない。
【0056】また、本発明で示したように第1犠牲層は
第1基板と構造体を接着する接着層であると共にマイク
ロ構造体を形成するための犠牲層の役割を担っている。
【0057】(第3実施例)LB膜を接着層として用い
た本発明のマイクロ構造体の形成法の第3実施例を図7
を用いて説明する。構造体層及び第2犠牲層を形成して
ある第2基板として第1実施例で作製した図1(D)の
基板を用いる。図7において、構造体層73はSi、第
2犠牲層71はAl膜、第2基板72はガラス基板より
なる。また第1基板としてはSi基板70を用い、第1
実施例とは異なり、絶縁層、駆動電極、及び固定電極は
形成してない。同図において、83はSi基板70の表
面にLB法を用いて成膜したLB膜、84,85,86
はさらに層状に累積したLB膜である。LB膜85とL
B膜86の間は同様にLB膜が多層累積しており、図で
は省略(図中破線部)してある。LB膜の全層の厚みは
80nmとなるように積層してある。91,93,9
5,97はLB膜の疎水基、90,92,94,96は
LB膜の親水基であり、疎水基同士、あるいは親水基同
士からなる接着面を相対向させ成膜を行った。接着に際
し図4で用いた装置を利用して行った。33は第1基板
であるSi基板70と第2犠牲層71との間に電圧を印
加する為の電源であり、リード線32,34により針状
電極31,35と電気的に接続してある。30はプラテ
ンである。
【0058】LB膜83,84,85,86としてステ
アリン酸を用いた。Si基板70に成膜したLB膜の接
着面に構造体層73を重ね合わせる。その後、電源33
によってSi基板70と第2犠牲層71との間に6Vの
電圧を30分間印加し、該電圧によって生じる静電力に
よって構造体層73とLB膜86が接近し、構造体層の
Siの疎水面とLB膜の疎水基97が接着した。
【0059】次に、このようにして接着した基板を、第
1実施例の図1(G)から図2(L)までの工程を用い
て同様にAl膜からなる支持部とSiビームからなるマ
イクロ構造体パターンを形成した。第1実施例とは異な
り、固定電極及び駆動電極が形成しておらず、図2
(H)から(I)の可動電極を形成する工程を省略し
た。第1犠牲層を除去する工程として、LB累積膜を介
してビームが形成してある第1基板を加熱し、LB累積
膜を分解し、蒸発させた。この分解及び蒸発によってL
B累積膜からなる第1犠牲層は消失し除去される。加熱
温度350℃にて1時間加熱したところ、LB累積膜は
除去され、〓Siビームを形成することができた。空隙
の間隔はLB累積膜の膜厚と同様に80nmであった。
【0060】本発明の第3実施例の方法では、LB膜を
用いることにより、樹脂膜を除去し形成した空隙の間隔
をナノメーター精度で制御されたマイクロ構造体を形成
することができた。また、加熱により接着層を除去する
ことにより、ウエットエッチングによる犠牲層除去の際
に問題となるStickingを回避することができた。
【0061】接着層を除去する他の方法としてはCO2
レーザー等のレーザー光照射によって熱分解しても可能
である。本発明の方法を用いることにより、空隙間隔を
LB累積膜の膜厚により制御し加熱にて除去する為に、
数十nm程度の極めて狭い空隙間隔を有するマイクロ構
造体を作製することが可能となった。
【0062】LB累積膜としてステアリン酸を用いた
が、アラキジン酸、強誘電性LB膜(例として、ジアセ
チレン系、あるいはベンゼン誘導体系)、あるいはポリ
イミドLB膜等の他のLB膜を用いても、本発明の意図
を変えるものではないことは言うまでもない。また、基
板としてSiを用いたがガラス、金属、金属膜が形成さ
れたガラス基板等の他の基板を用いても可能であること
は言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマイクロ
構造体の形成法によれば、第1基板上に形成した樹脂膜
よりなる第1犠牲層と、第2基板上に第2犠牲層を介し
て形成した構造体層を接着した後に、第2犠牲層を除去
し第2基板上の構造体層を第1基板の第1犠牲層上に転
写し、支持層により第1基板と構造体層を機械的に接続
し、第1犠牲層を除去することにより、絶縁体、金属、
半導体等の様々の材料からなるマイクロ構造体を形成す
ることができ、マイクロ構造体上に電極パターンを形成
し、基板との電気的接続が可能なマイクロ構造体が形成
できた。
【0064】また、構造体層を第1基板とは別の工程に
て作製する為に、第1基板と構造体層の材料が制限され
ることがない。
【0065】さらに、ビームとしてバルク材料を用いる
ことが可能であり、反りのないビームを形成することが
できた。
【0066】また、樹脂膜は第1基板と第2基板を接着
する接着層であると共にマイクロ構造体を形成するため
の犠牲層の役割を担っていることから、樹脂膜を除去す
る方法として酸素ガスによるドライエッチングや、熱分
解により蒸発する方法を用いることが可能となり、犠牲
層除去の際に問題となるSrickingを回避することができ
た。
【0067】また、樹脂膜は基板上に形成した電極パタ
ーン等による凹凸に左右されずに平坦面を形成すること
ができ、基板の表面粗さに依存せず良好な接着が可能と
なった。
【0068】さらに、本発明の方法により、比較的低温
プロセスにてマイクロ構造体を形成でき、熱膨張係数の
異なる基板を用いてもマイクロ構造体を形成することが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ構造体の形成法の第1実施例
の作製工程を示す図。
【図2】本発明のマイクロ構造体の形成法の第1実施例
の作製工程を示す図。
【図3】第1実施例のマイクロ構造体の形成法を用いて
作製したマイクロ構造体である静電アクチュエーターを
説明する斜視図。
【図4】本発明のマイクロ構造体の形成法の第1実施例
の陽極接合法により第2基板上に第2犠牲層を介して構
造体層となるSi基板を形成する工程を説明する図。
【図5】本発明のマイクロ構造体の形成法の第2実施例
の作製工程を示す図。
【図6】本発明のマイクロ構造体の形成法の第2実施例
の作製工程を示す図。
【図7】本発明の構造体の形成法の第3実施例のLB膜
にて接着する工程を説明する図。
【符号の説明】
10,20,60,70 Si基板 11 トーションバー 12 ビーム 13,13’63’ 支持部 14 絶縁層 15 駆動電極 16,68 固定電極 17,67 可動電極 21,61,71 第2犠牲層 22,62,72 第2基板 23,73 構造体層 24,64 ビームパターン 25,65 第1犠牲層 26,66 Al膜 27 空隙 30 プラテン 31,35 針状電極 33 電源 32,34 リード線 63 シリコン酸化膜 69 ガラス基板 83,84,85,86 LB膜 90,92,94,96 LB膜の親水基 91,93,95,97 LB膜の疎水基 100,200 金属膜 101,102,103,104,105 フォトレ
ジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02N 1/00 H02N 1/00 // B05D 7/02 B05D 7/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B81C 1/00 B32B 15/08 C23F 1/00 C23F 4/00 G02B 26/08 H02N 1/00 B05D 7/02

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ構造体の形成法において、 第1基板上に樹脂膜よりなる第1犠牲層を形成する工
    程、 第2基板上に第2犠牲層を介して構造体層を形成する工
    程、 該第1犠牲層を介して第1基板と構造体層を接着する工
    程、 前記第2犠牲層を除去する工程、 前記構造体層と第1基板とを接続するための支持層を形
    成する工程、 第1犠牲層を除去する工程を有することを特徴とするマ
    イクロ構造体の形成法。
  2. 【請求項2】 前記第1犠牲層を形成する工程が樹脂分
    子を溶媒にて希釈した溶液を薄膜塗布することにより行
    うことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の
    形成法。
  3. 【請求項3】 前記第1犠牲層を形成する工程がラング
    ミュアブロジット法にて形成することを特徴とする請求
    項1に記載のマイクロ構造体の形成法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂膜がフォトレジストからなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の形成
    法。
  5. 【請求項5】 前記フォトレジストが環化ゴムを含有す
    ることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ構造体の
    形成法。
  6. 【請求項6】 前記第1基板及び/又は第2基板上に溝
    が形成してあることを特徴とする請求項1に記載のマイ
    クロ構造体の形成法。
  7. 【請求項7】 前記第2基板に第2犠牲層を介して構造
    体層を形成する工程が、構造体層上に第2犠牲層を形成
    し、該第2犠牲層と前記第2基板を接合する工程よりな
    ることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の
    形成法。
  8. 【請求項8】 前記第2基板がガラスよりなることを特
    徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の形成法。
  9. 【請求項9】 前記第2犠牲層が金属膜よりなることを
    特徴とする請求項8に記載のマイクロ構造体の形成法。
  10. 【請求項10】 前記第2犠牲層と第2基板を接合する
    工程が、陽極接合法により接合することを特徴とする請
    求項7に記載のマイクロ構造体の形成法。
  11. 【請求項11】 前記接着する工程が第1及び第2基板
    に圧力を加える工程を有することを特徴とする請求項1
    に記載のマイクロ構造体の形成法。
  12. 【請求項12】 前記圧力を加える工程が、構造体層、
    第2犠牲層、第2基板の何れか一つと第1基板との間に
    電圧を印加することにより行うことを特徴とする請求項
    11に記載のマイクロ構造体の形成法。
  13. 【請求項13】 前記支持層が金属薄膜よりなることを
    特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の形成法。
  14. 【請求項14】 前記第1犠牲層を除去する工程が酸素
    を用いたドライエッチングにより行うことを特徴とする
    請求項1に記載のマイクロ構造体の形成法。
  15. 【請求項15】 前記ドライエッチングがプラズマエッ
    チングにより行うことを特徴とする請求項14に記載の
    マイクロ構造体の形成法。
  16. 【請求項16】 前記第1犠牲層を除去する工程が加熱
    することを特徴とする請求項3に記載のマイクロ構造体
    の形成法。
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