JP3775082B2 - 微小物体輸送装置、微小物体輸送装置の製造方法、および微小物体の輸送方法 - Google Patents
微小物体輸送装置、微小物体輸送装置の製造方法、および微小物体の輸送方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマニュピュレータで取り扱うような微小物体を連続的に輸送するのに適した微小物体輸送装置、微小物体輸送装置の製造方法、および微小物体の輸送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子技術やメカトロニクスの発達により、マイクロマシンはマイクロマニュピュレータ、プリントパターンの欠陥検査、微小で高速駆動を必要とする液体噴射器等の広い産業分野で利用されている。この様なマイクロマシンはその用途に従って回転駆動や直線駆動、押圧駆動等を行う為、ミクロン単位の大きさの歯車などの機構部品をはじめ、微小モータ、小型アクチュエータ、センサ等を組み合わせて構成される。
【0003】
これらマイクロマシンの微小な部品の取り扱いに関しては、例えば、論文「日本ロボット学会誌Vol.14 NO.8、PP・1113〜1116,1996」で述べられているように、マイクロマニュピュレータを用いてピンセット式に把持することにより、微小部品を1個づつ移動、搬送、輸送等して、組立を行うのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイクロマニュピュレータは、ピンセット式に微小部品を1個ずつ把持して移動する構成を採るので、微小部品の取り扱いに手間と時間を要する。また、多量の微小物体の連続的な輸送等には不向きである。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、マイクロマシンの微小部品等を効率良く水平方向に輸送等することができる微小物体輸送装置、微小物体輸送装置の製造方法、および微小物体の輸送方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、基板に微細なV型溝を凹凸が繰り返すように連続して設け、各V型溝の同一側に位置する一方の斜面に、電極を有する圧電体膜を配設し、該圧電体膜で前記溝上の微小物体に前記斜面と直交する方向の振動を付与して微小物体を順次隣の溝に移動できるようにしたことを特徴とする微小物体輸送装置である。
【0007】
請求項2に記載のものは、前記圧電体膜を配設したV型溝の斜面の裏面側にキャビティを形成し、前記圧電体膜を配設したV型溝の斜面を振動板として機能するように構成したことを特徴とする微小物体輸送装置である。
【0008】
請求項3に記載のものは、Si基板に微細なV型溝を凹凸が繰り返すように連続して設けるとともに、V型溝の表面にSiO2膜を形成し、各V型溝の同一側に位置する一方の斜面に圧電体膜を配設し、圧電体膜を配設したV型溝の斜面の裏面側に、Si基板を除去することによりキャビティを形成し、このキャビティの形成により残されたSiO2膜を振動板とし、圧電体膜で振動板を振動させて前記溝上の微小物体に前記斜面と直交する方向の振動を付与して微小物体を順次隣の溝に移動できるようにしたことを特徴とする微小物体輸送装置である。
【0009】
請求項4に記載のものは、シリコンウェハの両面に、SiO2膜を形成するSi基板両面酸化膜形成工程と、
ディバイス面側のSiO2膜を第1パターニングマスクにより、反対側のSiO2膜を第2パターニングマスクにより、両面同時にパターニングするSiO2パターニング工程と、
ディバイス面側のみ異方性エッチングしてV型の溝を形成するV溝形成工程と、
ディバイス面のSiO2膜を除去するSiO2除去工程と、
Si基板の両面にSiO2膜を形成するSi基板両面酸化膜形成工程と、
Si基板の裏面側のSiO2膜をハーフエッチングする裏面SiO2不要部分除去工程と、
ディバイス面に下部電極となる導電性膜を成膜する下部電極成膜工程と、
下部電極上に圧電体膜となるPZTを成膜するPZT膜成膜工程と、
このPZT上に上部電極となる導電性膜を成膜する上部電極成膜工程と、
少なくとも上部電極導電性膜、圧電体膜をエッチングし、上部電極、圧電体膜、下部電極を形成するディバイス面パターニング工程と、
V型溝の斜面のうち圧電体膜の形成されている斜面を構成しているSiO2膜の下方のSiを裏面からのエッチングにより除去し、これによりキャビティを形成するキャビティ形成工程と、
からなる微小輸送装置の製造方法である。
【0010】
請求項5に記載のものは、V型溝を凹凸が繰り返すように連続して設けるとともに、各V型溝の対向する一対の斜面のうち同一側に位置する一方の斜面に圧電体膜を配設した基板上に微小物体を載せ、前記圧電体膜で前記溝上の微小物体に前記斜面と直交する方向の振動を付与して微小物体を順次隣の溝に移動することを特徴とする微小物体の輸送方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図1において、1は半導体基板であるSi基板、そして2はこのSi基板1に凹凸が繰り返すように連続して多数本並べて設けられた微細なV型溝である。V型溝2は、Si基板1の表面に形成された酸化膜であるSiO2膜3からできている。
【0013】
各V型溝2の対向する一対の斜面2a,2bのうち同一側に位置する一方の斜面2aには、ピエゾ素子(PZT)から成る圧電体膜4が配設されている。なお、圧電体膜4は、図5に示すように、上面に上部電極4aを、下面に下部電極4bをそれぞれ有し、下部電極4bがV型溝2の斜面2aに接合されている。そして、この圧電体膜4が配設されたV型溝2の斜面2aの裏面側にはキャビティ5を設ける。この結果、V型溝2の斜面のうち、圧電体膜4を配設した斜面2aは薄いSiO2膜3のみから成り、圧電体膜4の振動板として機能するように構成されている。
【0014】
上記のように構成される微小物体輸送装置は、概略次のようにして造ることができる。
【0015】
まず、図3に示すように、主面の面方位が(110)面のシリコンウェハから成るSi基板1上に、オリエンテーションフラットOFから54゜傾けてV型溝2を形成する。これは図4に示すように、Si基板1上に、所定間隔の隙間を有するパターニングマスク8を配置し、異方性ウエット・エッチングを行うことによって、斜面が(110)面に対して35゜に傾斜したV角度θを持つV型の溝として形成する。その際、パターニングマスク8の直下の領域もオーバエッチングされ、V型の溝の形成に寄与する。
【0016】
なお、主面が(100)面のSi基板1を使用することもでき、この場合は斜面が主面に対してなすV角度θは45°とする。そして、図1及び図2はこのようにして得られた図3のV型溝2のA−A′断面に相当する。
【0017】
図7は、圧電体膜4の上下の電極4a、4bにかける印加電圧の波形を示し、図8は、圧電体膜4が撓む様子を示したものである。
【0018】
図8に示すように、電圧の印加されていない待機状態(1) では圧電体膜4に撓みはなく(図8(a) )、電圧波形が立ち上がる過程の充電状態(2) で圧電体膜4が撓み、これに伴って振動板たるSiO2膜3が撓み、電圧一定の間、そのたわんだ状態が保持される(保持状態(3)、図8(b) )。そして印加電圧がゼロに戻される放電状態(4) で圧電体膜4及びSiO2膜3がもとに戻って撓みがなくなり、待機状態(5)に戻る(図8(c))。
【0019】
このように圧電体膜4の上下に電極4a、4bを設けて電圧(図7)を印加し、圧電体膜4に斜面2aと直交する方向の振動(図8)を発生させることにより、SiO2膜3から成る振動板を加振する。基本的には全ての圧電体膜4を同時に同位相で駆動する。この状態で、比較的大きな微小物体として、例えば図2の如くマイクロマシンの微小部品6をV型溝2上に載置すると、その微小部品6を順次隣の溝に移動させることができる。なお、図2中、符号7はこの微小部品6の中心点の移動軌跡(動線)を示す。
【0020】
本発明で取り扱う微小物体については、重力に対して、ファンデルワールス力、静電気力等の付着力が無視できない。よって、物体を移動させる際には付着力に抗する力が必要となる。
【0021】
図5に、上記微小物体輸送装置における微小部品6の輸送原理を示す。
【0022】
V型溝2の一方の斜面2aに設けられている圧電体膜4が振動すると、付着力に抗して比較的大きな微小部品6が上記振動によって隣りの溝に移動する。順次隣りの溝に移動することを繰り返すことにより微小部品6を輸送することが可能である。
【0023】
一方、図6(a)に示すように、比較的小さな微小物体である粉体(粒状物又は粉状物)9を取り扱った場合には図6(b)に示すような力が微小物体に作用する。そして、付着力、重力およびPZT振動の合力である推進力が微小物体を斜面2a下方に移動させる力となる。また、図6(c)に示すように、V型溝2の下部に溜った微小物体9は、前記推進力により斜面2bを上方に押し上げられる。そして、図6(d)に示すように、斜面2bの最上端の微小物体は、斜面2bを上昇してくる微小物体に押し上げられて当該V型溝2の頂部を乗り越えて隣りのV型溝2に移動する。
【0024】
この様な原理により比較的小さな微小物体である粉体の輸送が可能となる。
【0025】
既に述べたように、印加電圧10は基本的には全ての圧電体膜4に対し同時に同位相で印加し、駆動する。与える印加電圧10の周波数は、微小部品等の比較的大きい物体の場合は1Hz〜1kHz程度の低周波駆動とし、粉体等の比較的小さい物体の場合は1kHz〜10kHz程度の高周波駆動とする。
【0026】
しかし、微小部品等の比較的大きい物体の場合は圧電体膜4の位相をずらせて駆動してもよい。
【0027】
また、駆動する圧電体膜4と駆動しない圧電体膜4とを設けることにより、任意の位置で物体を停止することができる。
【0028】
このように前記微小物体輸送装置によれば、1個から多量の微小物体を、容易に連続的に、移動、輸送、搬送することが可能であり、上記物体の水平輸送が可能である。また、この微小物体輸送装置はマイクロマシンの組立に利用できるだけでなく、化学的な粉体を調合するマイクロファクトリーにも利用することができる。
【0029】
次に、具体的な製造方法について述べる。
【0030】
(a)Si基板両面酸化膜形成工程
まず、主面の面方位が(110)面のシリコンウェハから成る厚さ100〜1000μmのSi基板1の両面に、例えば1000〜1200℃で1〜3時間拡散炉にて焼成することにより、酸化膜であるSiO2膜11を0.5〜3μmの厚さに形成する(図9(a))。なお、本実施形態の場合、Si基板1の厚さは220μm、SiO2膜11の厚さは1μmである。
【0031】
(b)SiO2パターニング工程
次に、ディバイス側(PZT形成側)のSiO2膜11を所定幅W1及び所定ピッチ間隔P1の第1パターニングマスク8aにより、またディバイス側のSiO2膜11を所定幅W2及び所定ピッチ間隔P2の第2パターニングマスク8bにより、両面同時にパターニングする(図9(b))。これはエッチャントにHF(フッ酸)を用いた通常のフォトリソエッチングによる。パターニングマスク8aの所定幅W1は3〜10μm(本実施形態例では5μm)とし、所定ピッチ間隔P1は10〜500μm(本実施形態では25μm)とする。また、パターニングマスク8bはパターニングマスク8aの所定ピッチ間隔P1の中央から始まり隣接する所定幅W1の中央で終わる長さ6.5〜255μm(本実施形態では15μm)で設ける。
【0032】
(c)V溝形成工程
ディバイス面側のみ、KOH水溶液(例えば10%)、あるいはTMAH水溶液でSiを異方性エッチングする(図9(c))。異方性によりシリコンの方が先に深さ方向にエッチングされるため、サイドエッチによりV字状にエッチングが進行する。この異方性ウエット・エッチングを行うことによって、斜面が(110)面に対して35゜に傾斜したV角度θを持つV型の溝を形成することができる。
【0033】
(d)SiO2除去工程
ディバイス面のみSiO2膜を除去する(図9(d))。
【0034】
(e)Si基板両面酸化膜形成工程
Si基板1の両面に、酸化膜であるSiO2膜3を0.5〜3μm(本実施形態では1μm)の厚さに形成する(図10(e))。
【0035】
(f)裏面SiO2不要部分除去工程
Si基板1の裏面側のSiO2膜11のみハーフエッチングする(図10(f))。
【0036】
(g)下部電極成膜工程
ディバイス面に下部電極(Pt、Ir、RuO2等)導電性膜12をスパッタ法により200〜800nm(本実施形態では500nm)の厚さで成膜する(図10(g))。
【0037】
(h)PZT膜成膜工程、および上部電極成膜工程
ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法、レーザーアブレーション法等によりPZTの圧電体膜13を0.5〜10μm(本実施形態では1μm)の厚さで成膜後、600〜900℃でRTA装置によりアニール結晶化し、その後スパッタ法により上部電極導電性成膜14を50〜200nm(本実施形態では100nm)の厚さで成膜する(図10(h))。
【0038】
(i)ディバイス面パターニング工程
イオンミリング装置、RIE装置等により上部電極導電性成膜14、圧電体膜13、下部電極導電性膜12をエッチングし、上部電極4a、圧電体膜4、下部電極4bを形成する(図11(i))。その際、下部電極導電性膜12は残してもよい。
【0039】
(j)裏面のSiのエッチング工程
KOH水溶液(例えば10%)、あるいはTMAH水溶液で裏面からSiをエッチングする(図11(j))。これにより、SiO2膜で覆われていない部分、つまりV型溝2の斜面2a,2bのうち圧電体膜4の形成されている斜面2aを構成しているSiO2膜3の下方のSiが除去され、これによりキャビティ5が形成される。
【0040】
(k)完成
上記のようにして完成された装置を裏面から見ると、図11(k)に示すように、エッチングされたキャビティ5の部分が半導体基板の一部に窪部として存在する。したがって、装置は構造がしっかりとしたものになる。なお、図11の(i),(j)は、この図11(k)のA−A′断面に相当する。
【0041】
また、図12(l)はデバイス面を上から見た平面図である。この図で示すように、下部電極4bは各V型溝2のPZT素子の共通電極になっている。
【0042】
さらに、図12(m)は図12(l)のB−B′断面図である。この図で示すように、PZTはSiエッチング部の外まで延設されており、その上に上部電極4aが各V型溝2のPZTの個別電極となっている。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、半導体基板に微細なV型溝を凹凸が繰り返すように連続して設け、各V型溝の対向する一対の斜面のうち同一側に位置する一方の斜面に圧電体膜を配設し、該圧電体膜で前記溝上の微小物体に前記斜面と直交する方向の振動を付与して微小物体を順次隣の溝に移動できるようにしたので、大きさが500μm〜1nmの無機粉体、有機粉体あるいは微小部品等といった微小物体を、簡易かつ多量に移動、輸送、搬送することができる。
【0044】
また、前記圧電体膜を配設したV型溝の斜面の裏面側にキャビティを設け、前記圧電体膜を配設したV型溝の斜面を振動板として機能させる構成を採るので、V型溝の斜面の振動板としての働きにより、効率良く微小物体を移動、輸送、搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微小物体輸送装置の断面図である。
【図2】比較的大きな微小物体を取り扱った状態を示す微小物体輸送装置の正面図である。
【図3】微小物体輸送装置のV型溝がシリコンウェハ上に作成された状態を示す説明図である。
【図4】微小物体輸送装置のV型溝をエッチングにより作成する工程を示す説明図である。
【図5】比較的大きな微小物体の輸送原理を示す説明図である。
【図6】(a)は比較的小さな微小物体を取り扱った状態を示す微小物体輸送装置の比較的広い範囲の正面図であり、(b)は1つのV型溝におけるPZT上の微小物体に作用する力の説明図、(c)は斜面の頂部に位置する微小物体に作用する力の説明図、(d)は(c)に示した微小物体が隣りのV型溝に移動した状態を示す説明図である。
【図7】微小物体輸送装置の圧電体膜に印加する電圧波形を示す説明図である。
【図8】図7の電圧波形を印加した場合の圧電体膜の撓みの変化を示す説明図であり、(a)は待機状態を示し、(b)は充電して保持した状態を示し、(c)は放電してもとの待機状態を示す。
【図9】微小物体輸送装置の製造工程の一部を示す説明図であり、(a)はSi基板両面酸化膜形成、(b)はSiO2パターニング、(c)はV溝形成、(d)はSiO2除去の工程を示す説明図である。
【図10】微小物体輸送装置の製造工程の一部を示す説明図であり、(e)はSi基板両面酸化膜形成、(f)は裏面SiO2不要部除去、(g)は下部電極成膜、(h)はPZT膜成膜、上部電極成膜の構成を示す説明図である。
【図11】微小物体輸送装置の製造工程の一部を示す説明図であり、(i)はデバイス面パターニング、(j)は裏面のSiのエッチングの工程を示す説明図、(k)は完成状態を示す説明図である。
【図12】図11の説明図の続きであり、(l)はデバイス面を上から見た平面図、(m)は(l)のB−B′断面図である。
【符号の説明】
1 Si基板
2 V型溝
2a,2b 斜面
3 SiO2膜
4 圧電体膜
4a、4b 電極
5 キャビティ
6 微小部品(微小物体)
7 移動軌跡
8、8a、8b パターニングマスク
9 粉体
10 印加電圧
11 SiO2膜
12 下部電極導電性膜
13 圧電体膜
14 上部電極導電性成膜
Claims (5)
- 基板に微細なV型溝を凹凸が繰り返すように連続して設け、各V型溝の対向する一対の斜面のうち同一側に位置する一方の斜面に、電極を有する圧電体膜を配設し、該圧電体膜で前記溝上の微小物体に前記斜面と直交する方向の振動を付与して微小物体を順次隣の溝に移動できるようにしたことを特徴とする微小物体輸送装置。
- 前記圧電体膜を配設したV型溝の斜面の裏面側にキャビティを形成し、前記圧電体膜を配設したV型溝の斜面を振動板として機能するように構成したことを特徴とする請求項1記載の微小物体輸送装置。
- Si基板に微細なV型溝を凹凸が繰り返すように連続して設けるとともに、V型溝の表面にSiO2膜を形成し、各V型溝の同一側に位置する一方の斜面に圧電体膜を配設し、圧電体膜を配設したV型溝の斜面の裏面側に、Si基板を除去することによりキャビティを形成し、このキャビティの形成により残されたSiO2膜を振動板とし、圧電体膜で振動板を振動させて前記溝上の微小物体に前記斜面と直交する方向の振動を付与して微小物体を順次隣の溝に移動できるようにしたことを特徴とする微小物体輸送装置。
- シリコンウェハの両面に、SiO2膜を形成するSi基板両面酸化膜形成工程と、
ディバイス面側のSiO2膜を第1パターニングマスクにより、反対側のSiO2膜を第2パターニングマスクにより、両面同時にパターニングするSiO2パターニング工程と、
ディバイス面側のみ異方性エッチングしてV型の溝を形成するV溝形成工程と、
ディバイス面のSiO2膜を除去するSiO2除去工程と、
Si基板の両面にSiO2膜を形成するSi基板両面酸化膜形成工程と、
Si基板の裏面側のSiO2膜をハーフエッチングする裏面SiO2不要部分除去工程と、
ディバイス面に下部電極となる導電性膜を成膜する下部電極成膜工程と、
下部電極上に圧電体膜となるPZTを成膜するPZT膜成膜工程と、
このPZT上に上部電極となる導電性膜を成膜する上部電極成膜工程と、
少なくとも上部電極導電性膜、圧電体膜をエッチングし、上部電極、圧電体膜、下部電極を形成するディバイス面パターニング工程と、
V型溝の斜面のうち圧電体膜の形成されている斜面を構成しているSiO2膜の下方のSiを裏面からのエッチングにより除去し、これによりキャビティを形成するキャビティ形成工程と、
からなる微小輸送装置の製造方法。 - V型溝を凹凸が繰り返すように連続して設けるとともに、各V型溝の対向する一対の斜面のうち同一側に位置する一方の斜面に圧電体膜を配設した基板上に微小物体を載せ、前記圧電体膜で前記溝上の微小物体に前記斜面と直交する方向の振動を付与して微小物体を順次隣の溝に移動することを特徴とする微小物体の輸送方法。
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