JPWO2008088068A1 - 微小構造体の製造方法,微小構造体およびマイクロデバイス - Google Patents

微小構造体の製造方法,微小構造体およびマイクロデバイス Download PDF

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    • B81C2201/0191Transfer of a layer from a carrier wafer to a device wafer

Abstract

微小部材となる構造体の材料や構造に限定されず、基板上の任意の位置に配置された構造体を選択的に基板から分離し、高い位置精度で弾性部材または被転写基板に転写することができるだけでなく、一度に多数の微小構造体を形成することができ、効率や生産性を向上させた微小構造体の製造方法,微小構造体およびマイクロデバイスを提供する。基板1に支持部4を介して一体成形された構造体3に、弾性部材5の粘着力を備えた突起部6を押し付けることにより弾性部材5に生じる弾性力を利用して、突起部6から構造体3に押圧力を付与する押印ステップと、前記押圧力により支持部4を破壊すると共に、弾性部材5における突起部6の粘着力により構造体3を保持し、基板1から分離させる分離ステップとを備えた製造方法により微小構造体またはマイクロデバイスを製造した。

Description

本発明は、微小構造体の製造方法に関し、特に弾性部材を用いて転写する微小構造体の製造方法に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)は、微細加工技術により形成した種々の機能を有する微小な構造体,アクチュエータ,センサまたは回路などの構成部品を用いたデバイスであり、微細構造により得られる機能や付加価値を得ることができるという特徴をもつ。
MEMSの機能または付加価値をより高めるためには、MEMSの構成部品を高集積化または複合化する必要がある。具体的には、種々のプロセスによって形成される異種材料からなる微小部材を1つの基板上に集積する必要がある。
異種材料からなる微小部材を集積する方法として、ピックアンドプレイス(pick-and-place)法,積層造形法またはスタンプ転写法などがある。ピックアンドプレイス法は、対象となる微小部材を把持して目標位置まで移動させた後に基板上に配置する方法である。
一方、積層造形法は、被転写体となる膜状の材料を基板に転写して積層する方法である。積層造形法により微小部材からなる微小構造体を製造する方法として、第1の基板上に形成した緩衝層または離型層上に微小構造体の一部となる薄膜を形成し、この薄膜を第2の基板(被転写基板)または他の薄膜に転写および接合して積層した後に薄膜を緩衝層または離型層から剥離することによって微小構造体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、スタンプ転写法は、弾性材料からなるスタンプを用いて被転写体となる微小部材を基板に転写する方法である。スタンプ転写法により微小部材からなる微小構造体を製造する方法として、第1の基板上に形成した微小部材をPDMS(polydimethylsilloxane)などのスタンプを用いて第1の基板上から分離し、第2の基板上に転写することによって微小構造体を製造する方法が提案されている(例えば、非特許文献1)。
特開平11−207846号公報 MATTHEW A. MEITL, ZHENG-TAO ZHU, VIPAN KUMAR, KEON JAE LEE, XUE FENG, YONGGANG Y. HUANG, ILESANMI ADESIDA, RALPH G. NUZZO AND JOHN A. ROGERS, "Transfer printing by kinetic control of adhesion to an elastomeric stamp", nature materials, Vol. 5, pp. 33-38, 2006.
ピックアンドプレイス法は、対象となる微小部材を把持して目標位置まで移動させた後に基板上に配置する方法であり、微小部材を基板上に集積することはできるが、短時間でかつ低コストで集積することは困難であった。また、微小部材を基板上に集積するために、微小部材の材料に応じた接着層を用いる必要があった。
また、特許文献1などの積層造形法により微小部材からなる微小構造体を製造する方法は、第1の基板上に形成した緩衝層または離型層上に微小構造体の一部となる微小部材を形成し、この微小部材を第2の基板または他の薄膜に転写および接合して積層した後に微小部材を緩衝層または離型層から剥離することによって微小構造体を製造する方法である。積層造形法により微小構造体を製造することによって、比較的短時間で微小部材を基板上に集積することができるが、微小部材を緩衝層または離型層から剥離するためには、積層する微小部材と第2の基板または他の薄膜との接合力を、積層する微小部材と緩衝層または離型層との密着力よりも大きくなるような緩衝層または離型層を用いる必要があった。したがって、緩衝層または離型層を効果的に用いることのできる微小部材の材料や構造などが限定されてしまうという問題があった。さらに、微小部材を積層して微小構造体を製造するために、一度に多数の微小構造体を形成するのが困難であり、効率や生産性が低いという問題点があった。
一方、非特許文献1などのスタンプ転写法により微小部材からなる微小構造体を製造する方法は、第1の基板上に形成した微小部材をPDMSなどのスタンプを用いて第1の基板上から分離し、第2の基板上に転写することによって微小構造体を製造する方法である。スタンプ転写法により微小構造体を製造することによって、短時間でかつ低コストで微小部材を基板上に集積することができるだけでなく、緩衝層,離型層または接着層を用いる必要がないために、微小部材の材料や構造などを限定することなく集積することができる。また、スタンプから微小部材を分離する際の圧力または速度により、微小部材と基板との付着力を制御することができる。
しかしながら、スタンプとしてPDMSなどの弾性部材を用いるために、微小部材を弾性部材に保持または分離する際の押圧力によって微小部材の配置がずれ、配置における位置精度が低下してしまうという問題があった。また、第1の基板からの分離および第2の基板への転写からなる2段階の転写を行う場合は、微小部材と第1の基板との付着力,微小部材と弾性部材との付着力および微小部材と第2の基板との付着力を考慮して制御する必要があるために、結局、微小部材の材料や構造などが限定されてしまうという問題があった。さらに、弾性部材の形状が平坦であったために、基板上の任意の位置に配置された微小部材を選択的に分離して転写して構造体またはマイクロデバイスを製造することもできなかった。
そこで、本発明は上記問題点に着目し、微小部材となる構造体の材料や構造に限定されず、第1の基板となる基板上の任意の位置に配置された構造体を選択的に基板から分離し、高い位置精度で弾性部材または第2の基板となる被転写基板に転写することができるだけでなく、一度に多数の微小構造体を形成することができ、効率や生産性を向上させた微小構造体の製造方法,微小構造体およびマイクロデバイスを提供することを目的とする。
本発明の第1の微小構造体の製造方法は、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与する押印ステップと、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記構造体を保持し、前記基板から分離させる分離ステップとを備えることを特徴とする。
本発明の第2の微小構造体の製造方法は、上記において、接着力を備えた被転写基板に、前記構造体を転写する転写ステップを含むことを特徴とする。
本発明の第3の微小構造体の製造方法は、上記において、前記接着力は、前記構造体と前記被転写基板との表面をプラズマ処理,フッ酸処理またはUV処理をすることで生じることを特徴とする。
本発明の第4の微小構造体の製造方法は、上記において、前記支持部の形状は、柱状であることを特徴とする。
本発明の第5の微小構造体の製造方法は、上記において、前記弾性部材は、シリコンゴム,ポリイミド,PETまたはPDMSからなることを特徴とする。
本発明の第6の微小構造体の製造方法は、上記において、前記弾性部材の前記突起部が1つまたは複数設けられており、各々の前記突起部と、各々の前記突起部と接触する各々の前記構造体とが偏心するように形成されることを特徴とする。
本発明の第7の微小構造体の製造方法は、上記において、前記弾性部材の前記突起部は、一部の前記突起部の高さが他の前記突起部の高さと異なることを特徴とする。
本発明の第8の微小構造体の製造方法は、上記において、前記被転写基板または前記弾性部材の上に、電極材料が設けられており、前記電極材料の上に導電性ペーストを設けられることを特徴とする。
本発明の第9の微小構造体は、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させて前記構造体を保持することにより形成されたことを特徴とする。
本発明の10第の微小構造体は、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させ、前記構造体を接着力を備えた被転写基板に転写して前記構造体を保持することにより形成されたことを特徴とする。
本発明の第11のマイクロデバイスは、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させて前記構造体を保持することにより形成されたことを特徴とする。
本発明の第12のマイクロデバイスは、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させ、前記構造体を接着力を備えた被転写基板に転写して前記構造体を保持することにより形成されたことを特徴とする。
本発明の第1の微小構造体の製造方法によれば、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与する押印ステップと、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記構造体を保持し、前記基板から分離させる分離ステップとを備えることにより、微小部材となる前記構造体の材料や構造に限定されず、前記基板上の任意の位置に配置された前記構造体を選択的に前記基板から分離することができる。
本発明の第2の微小構造体の製造方法によれば、接着力を備えた被転写基板に、前記構造体を転写する転写ステップを含むことにより、前記構造体を高い位置精度で前記弾性部材または前記被転写基板に転写することができるだけでなく、一度に多数の微小構造体を形成することができ、効率や生産性を向上させることができる。
本発明の第3の微小構造体の製造方法によれば、前記接着力は、前記構造体と前記被転写基板との表面をプラズマ処理,フッ酸処理またはUV処理をすることで生じることにより、前記構造体上の破壊した前記支持部を除去するだけでなく、前記構造体または前記被転写基板の表面を清浄して接着力を得ることができる。
本発明の第4の微小構造体の製造方法によれば、前記支持部の形状は、柱状であることにより、前記支持部は前記構造体を支持するだけでなく、前記構造体の上部方向からの押圧力によって前記支持部を破壊することができる。
本発明の第5の微小構造体の製造方法によれば、前記弾性部材は、シリコンゴム,ポリイミド,PET(polyethylenterephthalate)またはPDMSからなることにより、前記弾性部材に前記構造体を保持したまま、前記弾性部材の前記突起部の少なくとも一部を局所的に変形させて、前記構造体を支持する前記支持部を間接的に破壊することができる。また、配置における位置精度を低下させることなく前記構造体を前記基板から分離または転写することができる。
本発明の第6の微小構造体の製造方法によれば、前記弾性部材の前記突起部が1つまたは複数設けられており、各々の前記突起部と、各々の前記突起部と接触する各々の前記構造体とが偏心するように形成されることにより、前記弾性部材の各々の前記突起部が局所的に変形して、前記構造体を支持する前記支持部を間接的に破壊することができる。また、配置における位置精度を低下させることなく前記構造体を前記基板から分離または転写することができる。
本発明の第7の微小構造体の製造方法によれば、前記弾性部材の前記突起部は、一部の前記突起部の高さが他の前記突起部の高さと異なることにより、前記基板上に備えた前記支持部により支持した前記構造体のうち、前記弾性部材の各々の前記突起部と接触する位置に備えられた高さの異なる複数の前記構造体を前記基板から選択的に分離または転写することができる。また、前記被転写基板上の高さの異なる位置に前記構造体を転写することができる。
本発明の第8の微小構造体の製造方法によれば、前記被転写基板または前記弾性部材の上に、電極材料が設けられており、前記電極材料の上に導電性ペーストを設けられることにより、前記電極材料上に前記構造体を電気的に接触するように配置することができる。また、前記導電性ペースト上に前記構造体を配置するため、前記導電性ペーストの表面張力を利用して前記構造体の位置補正を行い、前記構造体の配置における位置精度を向上させることができる。
本発明の第9の微小構造体によれば、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させて前記構造体を保持することにより形成されたことにより、前記微小構造体を構成する前記構造体は材料や構造に限定されず、前記弾性部材上に高い位置精度で配置することができる。
本発明の第10の微小構造体によれば、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させ、前記構造体を接着力を備えた被転写基板に転写して前記構造体を保持することにより形成されたことにより、前記微小構造体を構成する前記構造体は材料や構造に限定されず、被転写基板上に高い位置精度で配置することができる。
本発明の第11のマイクロデバイスによれば、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させて前記構造体を保持することにより形成されたことにより、前記マイクロデバイスを構成する前記構造体は材料や構造が限定されず、前記弾性部材上に高い位置精度で配置することができる。
本発明の第12のマイクロデバイスによれば、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させ、前記構造体を接着力を備えた被転写基板に転写して前記構造体を保持することにより形成されたことにより、前記マイクロデバイスを構成する前記構造体は材料や構造が限定されず、被転写基板上に高い位置精度で配置することができる。
本発明の微小構造体の製造方法の実施例1による微小構造体の製造工程を示す図である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例1による微小構造体の各製造工程時のSEM像である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例1によるSi基板上に形成した微小構造体の一例となるSEMある。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例1によるSi基板上に構造の異なる複数の微小構造体をした一例となるSEM像である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例2による微小構造体の製造工程を示す図である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例2によるPDMSシート状に構造の異なる複数の微小構造体の集積した一例となるSEM像である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例3によるマイクロデバイスの一例となる概略図,写真およびSEM像である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例3によるマイクロデバイスの動作例を示す写真および概略図である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例4による各構造体を位置補正するために電極材料上面に導電性ペーストをパターニングする方法を示す図である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例5による橋構造の転写例を示す写真である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例5による橋構造の転写例を示す拡大写真である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例6によるカンチレバー上に光学ナノ構造チップを統合する例を示す概念図である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例6によるガラスナノ光学素子チップ示す写真である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例6によるカンチレバーアレイに転写されたガラスナノ光学素子を示す写真である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例7による転写によるHVCAの製作プロセスを示す概念図である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例7によるHVCAの構造を示す模式図である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例7による各プロセスステップにおける構造を示すSEM写真である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例7によるHVCAの駆動特性を示すグラフである。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例7によるHVCAのカットモデルを示す写真である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例7によるHVCAのカットモデルを示す写真である。 本発明の微小構造体の製造方法の実施例8による3×3HVCAアレイを示す写真である。
発明を実施すための最良の形態
本発明の微小構造体の製造方法は、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与する押印ステップと、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記構造体を保持し、前記基板から分離させる分離ステップとを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の微小構造体の製造方法は、接着力を備えた被転写基板に、前記構造体を転写する転写ステップを含むことを特徴とするものである。
本発明の微小構造体の製造方法によれば、前記構造体の材料や構造に限定されず、前記基板上の任意の位置に配置された前記構造体を選択的に前記基板から分離して、高い位置精度で前記弾性部材または前記被転写基板に転写することができるだけでなく、一度に多数の微小構造体を形成することのでき、効率や生産性を向上させることができる。
本発明の基板は、前記支持部および前記構造体を形成できる形状または材料からなる基板であれば、特定のものに限定されないが、金属,半導体,セラミックス,ガラス,樹脂などからなる基板であるのが好ましい。
本発明の支持部は、前記支持部上に前記構造体を形成して支持できる形状または材料からなる支持部であれば、特定のものに限定されないが、前記基板と前記構造体との間に形成した支持材料の少なくとも一部を除去することにより形成するのが好ましい。前記支持材料の少なくとも一部を除去することによって支持部を形成することにより、前記構造体の配置を変えずに、前記構造体を支持する前記支持部を形成することができる。また、前記支持部は、前記基板に連通する連通部を有する犠牲膜を前記基板上に形成し、前記犠牲膜の前記連通部を埋めるように前記構造体を形成した後に、前記犠牲膜を除去することによって形成してもよい。この場合、前記連通部が支持部となる。前記犠牲膜を除去することによって支持部を形成することにより、前記構造体の配置を変えずに、前記構造体を支持する前記支持部を形成することができる。
さらに、前記支持部の形状は、外部からの圧力により破壊することのできる形状であれば、特定のものに限定されないが、柱状であるのが好ましい。前記支持部の形状が柱状であることにより、前記支持部は前記構造体を支持するだけでなく、前記構造体の上部方向からの押圧力によって前記支持部を破壊することができるようになる。
本発明の構造体は、形状または材料などが特定のものに限定されることがなく、自然界に存在する構造体または人工的に形成された構造体であってもよい。
本発明の弾性部材は、弾性を有し、粘着性を付与することのできる部材であれば、特定のものに限定されないが、シリコンゴム,ポリイミド,PETまたはPDMSからなるのが好ましい。シリコンゴム,ポリイミド,PETまたはPDMSからなる弾性部材を用いることにより、前記弾性部材に前記構造体を保持したまま、前記弾性部材の前記突起部の少なくとも一部を局所的に変形させて、前記構造体を支持する前記支持部を間接的に破壊することができる。また、配置における位置精度を低下させることなく前記構造体を前記基板から分離または転写することができる。
本発明の突起部は、前記構造体の少なくとも一部と接触し、局所的に変形して前記支持部を破壊するだけでなく、粘着力を付与することができる突起部であれば、特定のものに限定されないが、前記弾性部材からなる突起部であるのが好ましい。前記突起部が前記弾性部材からなることにより、前記弾性部材に前記構造体を保持したまま、前記弾性部材の前記突起部の少なくとも一部を局所的に変形させて、前記構造体を支持する前記支持部を間接的に破壊することができる。また、配置における位置精度を低下させることなく前記構造体を前記基板から分離または転写することができる。
また、前記弾性部材の前記突起部は、1つまたは複数設けて、各々の前記突起部と、各々の前記突起部と接触する各々の前記構造体とが偏心するように配置または形成してもよい。前記突起部が1つまたは複数設けられることにより、一度に多数の構造体を分離または転写することができる。また、各々の前記突起部と、各々の前記突起部と接触する各々の前記構造体とが偏心するように配置または形成されることにより、前記弾性部材の各々の前記突起部が局所的に変形して、前記構造体を支持する前記支持部を間接的に破壊することができる。また、配置における位置精度をより低下させることなく前記構造体を前記基板から分離または転写することができる。
さらに、前記弾性部材の前記突起部は、一部の前記突起部の高さが他の前記突起部の高さと異なっていてもよい。一部の前記突起部の高さが他の前記突起部の高さと異なることにより、前記基板上に備えた前記支持部により支持した前記構造体のうち、前記弾性部材の各々の前記突起部と接触する位置に備えられた高さの異なる複数の前記構造体を前記基板から選択的に分離または転写することができる。また、前記被転写基板上の高さの異なる位置に前記構造体を転写することができる。
またこれにより、前記被転写基板上における前記構造体の配置密度の制御が可能となる。具体的には、前記基板上に高密度に配置または形成された前記構造体の一部分のみを選択的に分離または転写することによって、前記構造体を前記被転写基板上に低密度に配置することもできる。これを繰り返すことにより、前記被転写基板上のより広範囲な任意の位置に前記構造体を配置することもできる。このような、配置密度の制御は、特に、高価な材料を集積する際にコスト的にも有効となる。
加えて、前記突起部の形状または寸法は特定のものに限定されず、角状,球状または柱状などからなる任意の大きさを有する各種形状であってもよい。
本発明の破壊は、前記支持部を破壊することができれば、特定のものに限定されないが、前記押圧力の応力による破壊またはせん断などを用いた機械的な破壊であるのが好ましい。前記押圧力の応力またはせん断などを用いて機械的に破壊することにより、前記構造体を支える前記支持部を間接的に破壊することができ、配置における位置精度を低下させることなく前記構造体を前記基板から分離して微小構造体を製造することができる。
本発明の被転写基板は、前記構造体を転写できる基板であれば、特定のものに限定されないが、金属,半導体,セラミックス,ガラス,樹脂,集積回路またはMEMS構造体などからなるのが好ましい。金属,半導体,セラミックス,ガラス,樹脂,集積回路またはMEMS構造体などからなる被転写基板を用いることにより、前記基板上より分離した前記構造体を転写して微小構造体を製造することができる。特に、前記被転写基板が集積回路またはMEMS構造体である場合は、より高集積化または複合化した微小構造体または微小構造体からなるデバイスを形成することができる。
また、前記被転写基板の上に、導電性物質からなる電極材料を設けて、前記電極材料の上に導電性ペーストを設けてもよい。
前記被転写基板の上に、導電性物質からなる電極材料を設けて、前記電極材料の上に導電性ペーストを設けることにより、前記電極材料上に前記構造体を電気的に接触するように配置することができる。また、前記導電性ペースト上に前記構造体を配置するため、前記導電性ペーストの表面張力を利用して前記構造体の位置補正を行い、前記構造体の配置における位置精度を向上させることができる。
本発明の接着力は、前記構造体と前記被転写基板または別の構造体を保持できれば、特定のものに限定されないが、前記構造体と前記被転写基板または別の構造体との表面をプラズマ処理,フッ酸処理またはUV処理をすることで生じる接着力であるのが好ましい。プラズマ処理,フッ酸処理またはUV処理をすることで、前記構造体上の破壊した前記支持部を除去するだけでなく、前記構造体または前記被転写基板の表面を清浄して生じる接合力を接着力として用いることができる。
本発明の微小構造体は、基板に支持部を介して一体成形された構造体を備え、前記構造体には、弾性部材の粘着力を備えた突起部が押し付けられることにより前記弾性部材からの弾性力を利用して、前記突起部から押圧力が付与され、前記支持部が前記押圧力により破壊されると共に、前記構造体本体が前記弾性部材における前記突起部の粘着力により保持されて前記基板から分離されることを特徴とするものである。
本発明の微小構造体によれば、前記微小構造体を構成する前記構造体は材料や構造に限定されず、高い位置精度で配置することができるため、中空部や梁部などを有する複雑な形状を有する微小構造体となる。また、異なる構造を有する多数の前記構造体を用いた化合物半導体,機械構造体,電気配線などを有するデバイスを形成することができる。
これらの中空部や梁部は、通常、犠牲層エッチングという手法を用いて作製される場合が多い。この場合、犠牲層をエッチングする際の溶液の表面張力などにより、中空部や梁部のような空間的な離間部が、他の基板などに付着して、つぶれてしまうというスティッキング現象が生じてしまうといった問題があった。これに対して、本発明の構造体の製造方法または微小構造体によれば、作製時に液体に漬けることがないため、スティッキング現象を起こさずに、中空部や梁部を有する構造体を得ることができる。
本発明のマイクロデバイスは、基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させて前記構造体を保持したことを特徴とするものである。
本発明のマイクロデバイスによれば、前記マイクロデバイスを構成する前記構造体は材料や構造が限定されず、高い位置精度で配置することができるため、中空部や梁部などを有する複雑な形状を有するマイクロデバイスとなる。また、前記マイクロデバイスは、前記弾性部材上に構成されるため、アクチュエータ,圧力センサ,触覚センサなどとして用いることもできる。
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、各実施例において、同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
本実施例では、基板に支持部を介して一体成形された構造体に対して押印ステップ,分離ステップおよび転写ステップを順に行うことにより、前記構造体を被転写基板に転写して微小構造体を形成した。
図1は、微小構造体の製造工程を示す図である。
図1(A)および(B)は基板上に構造体の支持部を形成する方法を示している。また、図1(C)は押印ステップを示し,(D)は分離ステップを示している。図1(E)は構造体および被転写基板表面に接着力を生じさせるステップを示し,図1(F)および(G)は転写ステップを示している。
図1(A)において、1は基板であり、基板1上に形成された支持材料2上には構造体3が形成されている。この支持材料2をウェットエッチングすることにより、図1(B)に示されるような支持部4が形成される。ウェットエッチングにより形成される支持部4は、ほぼ柱状形状となる。また、5は弾性部材であり、突起部6を有する。弾性部材5は弾性を有し、粘着性を付与することのできるPDMSなどからなっている。また、突起部6は、弾性部材5をマイクロモールディングなどのパターニングを施すことにより、任意の形状または寸法で形成されている。なお、突起部6は突起部6と接触する構造体3とが偏心するように配置または形成されるのが好ましい。
次に、図1(C)のように弾性部材5は構造体3を構造体3の上部方向より押印することにより、弾性部材5の各々の突起部6が局所的に変形するため、構造体3を支持する支持部4は押印力に対するせん断などにより間接的に破壊される。また、この押印を行った時に、構造体3は弾性部材5の突起部6の付着力により保持される。さらに、図1(D)のように弾性部材5の突起部6に構造体3を保持したまま基板1から分離する。
次に、図1(E)のように構造体3および被転写基板7の表面に接着力が生じるようにプラズマなどを用いた表面処理を施す。
次に、図1(F)のように弾性部材5の突起部6により保持されている構造体3を被転写基板7上に転写して、構造体3および被転写基板7それぞれの接着力を用いて構造体3と被転写基板7とを接着する。さらに、図1(G)のように弾性部材5を被転写基板7から引き剥がすことにより、被転写基板7上に構造体3を保持させる。
図2は、図1のとおりに微小構造体を形成した際の各製造工程時におけるSEM像を示す。
図2(A)はPDMSシートからなる突起部6を有する弾性部材5を示している。本実施例では、弾性部材5の突起部6は線状形状を有し、突起部の幅は20μm,間隔は20μm,高さは5μmとなるように成型モールドを用いて形成した。図2(B)は基板1に支持部4を用いて支持した構造体3を示している。本実施例では、構造体3として円柱形状のSi構造体,支持部4としてSiO,基板1としてSi基板を用いた。なお、円柱形状のSi構造体はICP−RIE(Inductively Coupled Plasma - Reactive Ion Etching)法を用いたエッチングにより形成し、直径は20μm,高さは5μm程度に形成し
たものである。
また、支持部4となるSiOは、Si基板上に支持材料2としてSiO薄膜として形成した後に、ウェットエッチングをすることによってほぼ柱状形状になるように形成した。
図2(C)および(D)は押印ステップおよび分離ステップを行うことにより、PDMSシートからなる弾性部材5に備えた突起部6上に保持したSi構造体を示している。図2(C)および(D)のSEM像より、一度の押印ステップおよび分離ステップを行うことによって、多数のSi構造体をPDMSシートの突起部6に保持できることを確認した。
図2(E)は、図2(C)または(D)を上面から観察したSEM像である。図2(E)中のSi構造体上の中心に位置する点状のものは、押印ステップ時において破壊された支持部4となる柱状のSiOの断片である。また、図2(F)はSi構造体表面を表面処理した後のSi構造体を示す。表面処理としてフッ酸の蒸気およびOプラズマを用いてSi構造体の表面を清浄化することにより、図2(E)中に観察されたSi構造体上の中心に位置する柱状のSiOの断片が除去されていることを確認した。また、この表面の清浄化にともない、Si構造体および被転写基板7の表面に接着力が生じる。
図2(G)および(H)は、図2(F)のように表面を清浄化して接着力を生じさせた後のSi構造体を用いて転写ステップを行うことにより、被転写基板7となる基板1とは異なるSi基板上にSi構造体を転写して得られたSi基板上の微小構造体を示す。転写ステップは、光学顕微鏡および超精密ステージによりPDMSシートの突起部とSi構造体などとを位置合わせした後に、スタンプローラーによりSi構造体の上部方向に押圧力を加えるための垂直方向圧力を加えることにより行った。垂直方向圧力は、1.5N/mm程度としたが、構造体3,弾性部材5または被転写基板7の材料に応じて変化させてもよい。
図2(G)および(H)より、押印ステップ,分離ステップおよび転写ステップを通じて、Si構造体の位置ずれがほとんど生じないことを確認した。さらに、押印ステップ,分離ステップおよび転写ステップを通じた構造体の配置における位置精度は500nm程度であることを確認した。
図3は、図1および図2と同様の方法を複数回行うことにより、被転写基板7となるSi基板上に寸法の異なるSi構造体同士をSi構造体同士の接着力により接着して形成した微小構造体を示す。
図3(A)は、直径の異なる3つの円柱形状のSi構造体を、Si基板上に直径の大きいSi構造体から順に形成して得られた微小構造体である。具体的には、直径30μmのSi構造体上に直径20μmのSi構造体を形成した後に、さらに直径10μmのSi構造体を形成して得られた微小構造体である。また、図3(B)は、直径の異なる2つの円柱形状のSi構造体を、Si基板上に直径の小さいSi構造体から順に形成して得られた微小構造体である。具体的には、直径10μmのSi構造体上に直径20μmのSi構造体を形成して得られた微小構造体である。図3(A)および(B)より、3次元的な微小構造体を形成できることを確認した。この結果からも、本発明の微小構造体の製造方法は、押印ステップ,分離ステップおよび転写ステップを複数回行って微小構造体を形成しても、高い位置精度および位置制御性が得られることが確認できた。
図4は、図3に示した微小構造体を被転写基板7となるSi基板上に集積して得られた微小構造体のSEM像を示す。図4のSEM像より、異なる構造を有する複数の微小構造体であっても1つのSi基板上に複合化または集積化することができることを確認した。また、図4中に記載されているvoidとは、直径10μmのSi構造体のみを形成した箇所である。本発明の微小構造体の製造方法によれば、図4のように位置選択的にSi構造体を配置することができる。Si構造体を位置選択的に配置するためには、PDMSシートからなる弾性部材5が有する突起部6の高さを周囲の別の突起部6より低く形成するか、基板1となるSi基板上にSi構造体を予め配置しないようにすればよい。
以上のように、本実施例の微小構造体の製造方法によれば、基板1に支持部4を介して一体成形された構造体3に、弾性部材5の粘着力を備えた突起部6を押し付けることにより弾性部材5に生じる弾性力を利用して、突起部6から構造体3に押圧力を付与する押印ステップと、前記押圧力により支持部4を破壊すると共に、弾性部材5における突起部6の粘着力により構造体3を保持し、基板1から分離させる分離ステップとを備えることにより、微小部材となる構造体3の材料や構造に限定されず、基板1上の任意の位置に配置された構造体3を選択的に基板1から分離することができる。
また、接着力を備えた被転写基板7に、構造体3を転写する転写ステップを含むことにより、構造体3を高い位置精度で弾性部材5または被転写基板7に転写することができるだけでなく、一度に多数の微小構造体を形成することができ、効率や生産性を向上させることができる。
また、前記接着力は、構造体3と被転写基板7との表面をプラズマ処理,フッ酸処理またはUV処理をすることで生じることにより、構造体3上の破壊した支持部4を除去するだけでなく、構造体3または被転写基板7の表面を清浄して接着力を得ることができる。
また、支持部4の形状は、柱状であることにより、支持部4は構造体3を支持するだけでなく、構造体3の上部方向からの押圧力によって支持部4を破壊することができる。
また、弾性部材5は、シリコンゴム,ポリイミド,PETまたはPDMSからなることにより、弾性部材5に構造体3を保持したまま、弾性部材5の突起部6の少なくとも一部を局所的に変形させて、構造体3を支持する支持部4を間接的に破壊することができる微小構造体の製造方法を提供することができる。また、配置における位置精度を低下させることなく構造体3を基板1から分離または転写することができる。
また、弾性部材5の突起部6が1つまたは複数設けられており、各々の突起部6と、各々の突起部6と接触する各々の構造体3とが偏心するように形成されることにより、弾性部材5の各々の突起部6が局所的に変形して、構造体3を支持する支持部4を間接的に破壊することができる。また、配置における位置精度を低下させることなく構造体3を基板1から分離または転写することができる。
また、弾性部材5の突起部6は、一部の突起部6の高さが他の突起部6の高さと異なることにより、基板1上に備えた支持部4により支持した構造体3のうち、弾性部材5の各々の突起部6と接触する位置に備えられた高さの異なる複数の構造体3を基板1から選択的に分離または転写することができる。また、被転写基板7上の高さの異なる位置に構造体3を転写することができる。
またこれにより、被転写基板7上における構造体3の配置密度の制御が可能となる。具体的には、基板1上に高密度に配置または形成された構造体3の一部分のみを選択的に分離または転写することによって、構造体3を被転写基板7上に低密度に配置することもできる。これを繰り返すことにより、被転写基板7上のより広範囲な任意の位置に構造体3を配置することもできる。このような、配置密度の制御は、特に、高価な材料を集積する際にコスト的にも有効となる。
また、本実施例の微小構造体によれば、基板1に支持部4を介して一体成形された構造体3本体に、弾性部材5の粘着力を備えた突起部6が押し付けることにより弾性部材5からの弾性力を利用して、突起部6から押圧力が付与し、支持部4が前記押圧力により破壊すると共に、構造体3本体が弾性部材5における突起部6の粘着力により基板1から分離させ、構造体3を接着力を備えた被転写基板7に転写して構造体3を保持することにより、構造体3は、材料や構造に限定されず、被転写基板7上に高い位置精度を有する微小構造体を製造できる。また、異なる構造を有する多数の構造体3を用いた化合物半導体,機械構造体,電気配線などを有するデバイスを形成することができる。これらの中空部や梁部は、スティッキング現象を起こさずに、形成することができる。また、中空部や梁部などを有する複雑な形状を有する微小構造体を得ることもできる。
本実施例では、基板に支持部を介して一体成形された構造体に対して押印ステップと、分離ステップとを順に行うことにより、形状および寸法の異なる複数の構造体を弾性部材としてのPDMSシート16に直接保持した微小構造体を形成した。
ここで、図5は、形状および寸法の異なる複数の構造体からなる微小構造体の製造工程を示す図であり、図6は、図5の各工程のSEM像を示す。
本実施例では、基板としてのSi基板11、支持部4としての柱状のSiO、構造体としての円柱状のSi構造体13および四角柱状のSi構造体15を用いた。この円柱状のSi構造体13の直径は400μmとし、高さは20μmとした。また、四角柱状のSi構造体15の長さおよび幅は400μmとし、高さは50μmとした。
図5(A)および図6(A)は、Si基板11上に形成したSiOにより支持した複数の円柱状のSi構造体13を示す。複数の円柱状のSi構造体13は、互いにX軸方向およびY軸方向に600μmの間隔を空けて形成した。
そして、図5(A)に示した複数の円柱状のSi構造体13に対して、図5(B)に示すようにPDMSシート16を押印した。予めSi基板11の周辺には、円柱状のSi構造体13と同じ高さの構造体17が備えており、この構造体17の上面部の一部と、その上面部と接する位置のPDMSシート16の一部に予め凹部が形成してあるため、構造体17とPDMSシート16と凹部を用いて位置合わせ行うことができるだけでなく、接触面積を小さくすることで、当該構造体17とPDMSシート16との粘着力が、円柱状のSi構造体13とPDMSシート16の粘着力に比べて弱くなる。これにより、図5(C)に示すようにPDMSシート16が有する粘着力により、円柱状のSi構造体13のみをPDMSシート16上に保持したままSi基板11から分離した。
図5(D)および図6(B)は、Si基板上11に形成したSiOにより支持した複数の四角柱状のSi構造体15を示す。複数の四角柱状のSi構造体15は、互いにX軸方向およびY軸方向に600μmの間隔を空けて形成した。
この図5(D)に対して、図5(C)で円柱状のSi構造体13のみを保持したPDMSシート16を図5(E)に示すように押印した。円柱状のSi構造体13のみをPDMSシート16上に接着するのと同様の方法で、円柱状のSi構造体13に加え、四角柱状のSi構造体15をPDMSシート16上に接着して、図5(F)に示すように四角柱状のSi構造体15をPDMSシート16上に保持したままSi基板11から分離した。
図5(G)は、微小構造体となる円柱状Si構造体13および四角柱状のSi構造体15を複合化して集積化したPDMSシート16を示す図であり、図5(H)は、微小構造体となる円柱状Si構造体13および四角柱状のSi構造体15を複合化して集積化したPDMSシート16の写真を示す。
また、図6(C)は、微小構造体となる円柱状Si構造体13および四角柱状のSi構造体15を複合化して集積化したPDMSシート16のSEM像であり、図6(D)は、微小構造体となる円柱状Si構造体13および四角柱状のSi構造体15を複合化して集積化したPDMSシート16を上面から撮影した写真である。図6(C)および(D)に示すように、PDMSシート16上に形状または寸法の異なる複数の円柱状Si構造体13および四角柱状のSi構造体15を2次元的に複合化して集積化した微小構造体を高い位置精度で形成できることが確認できた。
なお、この被転写基板7以外の構成および製造方法については前述した実施例1と略同様であることからその説明は省略する。
以上のように、本実施例によれば、微小構造体は前述した実施例1と同様な製造工程で製造できる。また、Si基板11に支持部4を介して一体成形されたSi構造体13, 15などの各構造体本体に、弾性部材5の粘着力を備えた突起部(図示せず)を押し付けることにより弾性部材5からの弾性力を利用して、突起部から押圧力を付与し、押圧力により支持部4を破壊すると共に、Si構造体13, 15本体を、弾性部材5における突起部の粘着力によりSi基板11から分離させ、Si構造体13, 15を保持することにより、Si構造体13, 15は、材料や構造に限定されず、弾性部材5上に形成された高い位置精度を有する微小構造体となる。また、異なる構造を有する多数の構造体を用いた化合物半導体,機械構造体,電気配線などを有するデバイスを形成することができる。これらの中空部や梁部は、スティッキング現象を起こさずに、形成することができる。また、中空部や梁部などを有する複雑な形状を有する微小構造体を得ることもできる。
本実施例では、基板に支持部を介して一体成形された構造体に対して押印ステップと、分離ステップとを順に行うことにより、構造体として下部電極または上部電極を弾性部材としてのPDMSシートに直接保持したマイクロデバイスとしてのアクチュエータを形成した。
図7は、上述した実施例2と同様の方法により形成したマイクロデバイス(アクチュエータ)の一例を示す概略図,写真およびSEM像である。
図7(A)はマイクロデバイス21の構造を示す図であり、図7(B)はマイクロデバイス21の構造を示す写真であり、図7(C)はマイクロデバイス21の構造を示すSEM像である。
図7(A)〜(C)に示すように、マイクロデバイス21は下部電極23および上部電極22から構成した。高さが12μm程度の下部電極23上には、下部電極23に直接接触しないように3μm程度のギャップを隔てて上部電極22が配置されている。また、この上部電極22は中空部を有するように形成した。図7のように形成したマイクロデバイス21は、下部電極23および上部電極22に電源を接続することによって外部からの電気的な力を用いて動作させることができる。
図8(A)及び(B)は、マイクロデバイス21の動作例を示す写真および概略図である。
実際上、図8(A)はマイクロデバイス21の下部電極23および上部電極22間に通電していない状態を示しており、図8(B)はマイクロデバイス21の下部電極23および上部電極22間に通電した状態を示している。
ここでPDMSシート26上に備えた下部電極23および上部電極22間のギャップが3μmである場合は、下部電極23および上部電極22間に電圧を120V程度印加することにより、下部電極23が静電気的な引力によって上部電極22方向に移動するアクチュエータとなることが確認できた。
そして、この下部電極23および上部電極22間に圧電材料を挟むように配置することにより、圧力センサまたは触覚センサとして動作するマイクロデバイスを得ることもできる。
なお、マイクロデバイス21を構成する下部電極23または上部電極22などの各構造体をPDMSシート26に保持した後に、被転写基板7上に転写することによって、これらのマイクロデバイス21を形成してもよい。この場合、前述した実施例1と同様に、下部電極23または上部電極22などの各構造体を接着力を備えた被転写基板7に転写してマイクロデバイス21を形成すればよい。
以上のように、本実施例によれば、マイクロデバイス21は前述した実施例1と同様な製造工程で製造できる。すなわち、図示しない基板に支持部を介して一体成形された下部電極23および上部電極22に、PDMSシート26の粘着力を備えた突起部(図示せず)を押し付けることによりPDMSシート26に生じる弾性力を利用して、突起部から下部電極23および上部電極22に押圧力を付与し、押圧力により支持部を破壊すると共に、PDMSシート26における突起部の粘着力により基板から分離させて下部電極23および上部電極22を保持してマイクロデバイス21を製造できる。
これにより、前記マイクロデバイス21を構成する下部電極23および上部電極22は材料や構造が限定されず、PDMSシート26上に高い位置精度で配置することができるため、スティッキングを起こさずに中空部や梁部などを有する複雑な形状のマイクロデバイス21を製造し得る。また、マイクロデバイス21は、PDMSシート26上に構成されるため、アクチュエータ、圧力センサ、触覚センサなどとして用いることもできる。
また、図示しない基板に支持部を介して一体成形された下部電極23および上部電極22などの各構造体に、PDMSシート26の粘着力を備えた突起部(図示せず)を押し付けることによりPDMSシート26に生じる弾性力を利用して、突起部から下部電極23および上部電極22などの各構造体に押圧力を付与し、押圧力により支持部を破壊すると共に、PDMSシート26における突起部の粘着力により基板から分離させ、下部電極23および上部電極22などの各構造体を接着力を備えた被転写基板に、下部電極23および上部電極22などの各構造体を転写して保持しマイクロデバイス21を製造できる。
これにより、マイクロデバイス21を構成する下部電極23および上部電極22などの各構造体は材料や構造が限定されず、被転写基板上に高い位置精度で配置することができるため、スティッキングを起こさずに中空部や梁部などを有する複雑な形状のマイクロデバイス21を製造し得る。
本実施例では、上述の構造体3,Si構造体13, 15,下部電極23および上部電極22などの各構造体の配置における位置精度をさらに向上させるために、弾性部材5または被転写基板7上に導電性物質からなる電極材料を設け、この電極材料の上面に対して導電性ペーストのパターニングを施した。
図9は、上述した実施例1〜3と同様の弾性部材5,PDMSシート16, 26または被転写基板7上面に、電極材料を形成して、この電極材料上面に導電性ペーストをパターニングする方法の一例を示す概略図である。
本実施例では、被転写基板7または弾性部材5として用いることのできるポリイミド31上に電極材料となるCu電極32を形成し、導電ペーストとしてビスマス合金からなる低温ハンダ33をディップコート法によってパターニングした。ポリイミド31の大きさは、8mm×8mm程度である。また、Cu電極32の大きさは、幅が10〜500μm程度,奥行きが10〜500μm程度,高さが20μm程度である。
図9(A)は上面にCu電極32を形成したポリイミド31の側面図であり、図7(B)は上面にCu電極32を形成したポリイミド31の上面図であり、図7(C)はポリイミド31上面に形成したCu電極32にビスマス合金からなる低温ハンダ33をディップコート法によってパターニングする方法を示す図である。
図9(A)および(B)に示した上面にCu電極32を形成したポリイミド31は、実施例1または2と同様の方法により形成した。なお、Cu電極32は、マスクを用いた蒸着や蒸着およびリソグラフィなどの技術を用いて形成されてもよく、Cu電極32同士の間隔が80〜300μm程度となるように配置されてもよい。
図9(C)に示すように、ビスマス合金からなる低温ハンダ33を含む溶液と、上面にCu電極32を形成したポリイミド31とを用いて、ポリイミド31上面に形成したCu電極32の上面にビスマス合金からなる低温ハンダ33をディップコート法によりパターニングした。
本実施例では、ビスマス合金からなる低温ハンダ33と、フラックス34となる0.1M程度の塩酸とを50℃程度に加熱して混合した溶液を用いた。ポリイミド31の上面に形成したCu電極32の上面に、低温ハンダ33とフラックス34とからなる溶液を数回塗布した。ここで、フラックスとは、電極材料上の酸化皮膜を除去し、電極材料の表面やハンダの酸化を防ぎつつ、電極材料上におけるハンダの濡れ性を改善する役割を果たす。なお、本実施例では、導電性ペーストとして、ビスマス合金からなる低温ハンダ33を用いたが、他の低融点合金からなる低温ハンダ,一般的なハンダ,導電性材料からなるペーストなどを用いてもよく、導電性ペーストの粘度は、必要に応じて、フラックス34により調整してもよい。
このように、ポリイミド31上に形成したCu電極32上面に、ビスマス合金からなる低温ハンダ33などの導電性ペーストを塗布することにより、導電性ペーストの表面張力およびCu電極32上に配置する各構造体の自重を用いて、各構造体の位置補正を行うことが可能となる。この位置補正の程度は、導電性ペーストの粘度または量などによって、加減することもできる。
以上のように、本実施例の微小構造体の製造方法によれば、被転写基板7または弾性部材5の上に、電極材となるCu電極32が設けられており、Cu電極32の上に導電性ペーストとなるビスマス合金からなる低温ハンダ33を設けられることにより、Cu電極32上に構造体3,Si構造体13, 15,下部電極23および上部電極22などの各構造体を電気的に接触するように配置することができる。また、低温ハンダ33上に構造体を配置するため、低温ハンダ33の表面張力を利用して構造体の位置補正を行い、構造体の配置における位置精度を向上させることができる。
本実施例では、実施例1の発展形態として、転写による橋渡し構造を作成した。
図10は、橋構造の転写例を示す写真である。図10の左上に示すように、シリコン基板をエッチングして表面に高さ3μmの凹凸を作成した。そこに、図10の右下に示すように板状のシリコンのパーツ(幅20μm、長さ60μm、厚さ3μm)を転写した。このようにすることで、シリコン構造が基板から浮いた橋状の構造を作成することが可能であることを確認した。
図11は、作成した橋構造の拡大写真である。3μmのギャップが転写の後にも破壊されること無くできていることがわかる。この構造は犠牲層エッチングを必要としない、また橋構造に内部応力がないため平坦である、という特徴を備えている。
本実施例では、実施例1の発展形態として、片持ち梁上、すなわち、シリコンカンチレバー上へのガラス光学素子の転写を行った。
図12は、シリコンカンチレバー上に、ガラスでできたナノ構造光学素子チップを、スタンプ転写法により統合する例を示したものである。それぞれを別々に製作することは簡易であるが、それが統合された光学カンチレバーを、一度のプロセスで製作することは極めて複雑な製作過程を要する。そこで、それぞれを別々に製作し、転写することで統合した。
図13の上は、SOI基板上に製作した、ガラスナノ光学素子チップの写真である。シリコンの構造体を転写する時とは異なり、ここではガラスで構造を作り(直径20μm、厚さ2μum)、その下のシリコン層をアルカリ液(TMAH、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)でエッチングすることで、破壊することが可能な柱構造を製作した。なお、ガラス構造の表面には、500nm間隔の微細な凹凸が製作され、その上にCr/Au層が形成されている。このナノ構造により、表面プラズモンが誘起され、光学素子として機能する仕組みとなっている。
この構造をPDMS上にリフトオフしたときの写真を図13の下に示す。シリコン構造の場合と同様、ガラスにおいてもリフトオフがうまく機能していることが確認された。
図14は、上記のガラスナノ光学素子を、シリコンで製作したカンチレバーアレイ上に転写したときの写真である。図14の上に示すカンチレバーアレイはSOIウエハにより製作した。図14に下に示すように、その先端にガラスナノ光学素子が位置精度良く転写された。これにより、シリコン構造だけでなく、ガラスとシリコンといった異なる材料からなる構造体も、本発明の手法により統合できることが確認された。
本実施例では、実施例2の発展形態として、PDMS基板上へのマイクロアクチュエータの転写を行った。すなわち、転写を用いて、PDMS基板上にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスを作成した。本実施例では、櫛歯型アクチュエータ(Comb-drive Actuator)を作成したが、これは、静電気力で駆動されるMEMSアクチュエータの代表的なものである。
図15に示すシンプルなプロセスにより、特に通常は作成プロセスが煩雑となるHVCA(Hidden Vertical Comb-drive Actuator)というタイプの櫛歯型アクチュエータを、転写を用いることにより製作することができた。
なお、通常のシリコンプロセスはPDMS基板上では行うことができないため、PDMS基板上にシリコンのMEMSデバイスを作成する点でも、このプロセスは新規である。
図16に、HVCAの構造を簡単に示す。なお、転写された上側のシリコン構造の真ん中の部分が、電圧の印加による静電気力により図中のθの矢印方向に傾き、この部分をミラーとして使うというのが、HVCAの典型的な使い方である。
図17にHVCAの各プロセスステップにおけるSEM写真を示す。ここで、(a)は型取りにより凸突起構造を備えたPDMS基板、(b)はSOI基板上に製作した第1の転写用のシリコン構造(これはHVCAにおける下部電極となる)、(c)はSOI基板上に製作した第2の転写用のシリコン構造(これはHVCAにおける上部電極となる)、(d)は(a)のPDMS基板上に(b)のシリコン構造を転写した後の様子、(e)は(d)の状態にさらに(c)のシリコン構造を転写した後の様子、(e)はPDMS基板上に作成したHVCA構造である。
図18に、作成したHVCAの駆動特性として、直流特性、交流特性を示す。
図19、図20に、作成したHVCAのカットモデルを示す。櫛歯同士がうまくかみ合っており、転写の位置精度が良いことが確認された。なお、上部のミラーの一辺は560μmである。
本実施例では、実施例2の発展形態として、実施例7と同様の手法により、3×3のHVCAアレイを作成した。
図21に、作成したHVCAアレイの写真を示す。なお、上部のミラーの一辺は560μmである。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施例では、構造体を基板から分離する方法または構造体を被転写基板に転写する方法として突起部を有する弾性部材を用いたが、これに限らず、弾性を有する突起部を含む部材などを用いてもよい。

Claims (12)

  1. 基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与する押印ステップと、
    前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記構造体を保持し、前記基板から分離させる分離ステップと
    を備えることを特徴とする微小構造体の製造方法。
  2. 接着力を備えた被転写基板に、前記構造体を転写する転写ステップを含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の微小構造体の製造方法。
  3. 前記接着力は、前記構造体と前記被転写基板との表面をプラズマ処理,フッ酸処理またはUV処理をすることで生じることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の微小構造体の製造方法。
  4. 前記支持部の形状は、柱状であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の微小構造体の製造方法。
  5. 前記弾性部材は、シリコンゴム,ポリイミド,PETまたはPDMSからなることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載の微小構造体の製造方法。
  6. 前記弾性部材の前記突起部が1つまたは複数設けられており、各々の前記突起部と、各々の前記突起部と接触する各々の前記構造体とが偏心するように形成されることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の微小構造体の製造方法。
  7. 前記弾性部材の前記突起部は、一部の前記突起部の高さが他の前記突起部の高さと異なることを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載の微小構造体の製造方法。
  8. 前記被転写基板または前記弾性部材の上に、電極材料が設けられており、前記電極材料の上に導電性ペーストを設けられることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項に記載の微小構造体の製造方法。
  9. 基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させて前記構造体を保持することにより形成されたことを特徴とする微小構造体。
  10. 基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させ、前記構造体を接着力を備えた被転写基板に転写して前記構造体を保持することにより形成されたことを特徴とする微小構造体。
  11. 基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させて前記構造体を保持することにより形成されたことを特徴とするマイクロデバイス。
  12. 基板に支持部を介して一体成形された構造体に、弾性部材の粘着力を備えた突起部を押し付けることにより前記弾性部材に生じる弾性力を利用して、前記突起部から前記構造体に押圧力を付与し、前記押圧力により前記支持部を破壊すると共に、前記弾性部材における前記突起部の粘着力により前記基板から分離させ、前記構造体を接着力を備えた被転写基板に転写して前記構造体を保持することにより形成されたことを特徴とするマイクロデバイス。
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