JP2004001105A - 切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐欠損性を有する切削工具を提供することである。
【解決手段】工具本体12の角部に形成された取付座13に切刃チップ14をろう付けしたものであって、すくい面14a部分が、長繊維状芯材とこの芯材の外周を被覆し芯材とは異なる組成の表皮部材とからなる複合構造体が並列に整列した構造のシート20からなり、前記芯材の繊維方向がすくい面14aに平行である切削工具である。また、この切削工具は、前記芯材の繊維方向(シート20)と工具本体12の座面とのなす角度が0°〜30°の範囲にある。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に耐欠損性が改善された切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼などの各種材料を加工するための切削工具として使用されるスローアウェイチップの切刃は、一般に、超硬合金などで形成されている。この切削工具は、精密切削から汎用切削まで幅広く使用されているが、切刃の耐欠損性をより高めることが必要とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、高い耐欠損性を有する切削工具を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の切削工具は、工具本体の角部に形成された取付座に切刃チップをろう付けした切削工具であって、少なくともすくい面部分が、長繊維状芯材とこの芯材の外周を被覆し芯材とは異なる組成の表皮部材とからなる複合構造体が並列に整列した構造からなり、前記芯材の繊維方向が前記すくい面に平行であることを特徴とする。
【0005】
前記複合構造体は、その構造に起因して硬度、強度が高く、靱性に優れているため高い耐摩耗性および耐欠損性を有するが、本発明では、特に並列に整列した前記複合構造体を構成する芯材の繊維方向が前記すくい面に平行になるように配置されているので、複合構造体の剥離が抑制され、欠損(チッピング)が少なくなる。仮に、長繊維状の複合構造体をすくい面に対して略垂直に、すなわち切削工具の横逃げ面に対して略平行に配設されるように配置すると、切削時に摩耗が進行しやすい横逃げ面には表皮部材が表面に現れる(横逃げ面の大半が表皮部材で占められる)ことになる。この表皮部材が切削時に摩耗すると芯材が露出して脱落して、摩耗が進行しやすくなる。
【0006】
また、切削熱の発生による酸化や被削材との反応によって変質して欠損等の生じやすいすくい面には、酸化や反応の生じにくい芯材または表皮部材が全面にわたって配設されることになるために優れた耐欠損性(耐チッピング性)を有することとなる。
【0007】
なお、耐欠損性を向上させるためには、表皮部材を耐欠損性に優れた材料にて構成し、かつすくい面表面には表皮部材がほぼ全面を覆うように配設するのが望ましい。
【0008】
本発明の他の切削工具は、工具本体の角部に形成された取付座に切刃チップをろう付けした切削工具であって、少なくともすくい面部分が、長繊維状芯材とこの芯材の外周を被覆し芯材とは異なる組成の表皮部材とからなる複合構造体が並列に整列した構造からなり、前記芯材の繊維方向と工具本体の座面とのなす角度が0°〜30°の範囲にあることを特徴とする。
【0009】
このように、本発明の他の切削工具では、前記複合構造体を、前記芯材の繊維方向と工具本体の座面とのなす角度が0°〜30°の範囲になるように配列しているため、前記と同様に横逃げ面の大半が表皮部材で占められることがないので、複合構造体の剥離が抑制され、欠損が少なくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の切削工具を示す斜視図である。同図に示す切削工具11は、平板状をなし、工具本体12の角部に形成された取付座13に、裏板21と一体化された切刃チップ14がろう付けされたものである。また、切屑処理用のブレーカ15がすくい面14aと取付座13の斜面13aとにより形成され、切刃17がすくい面14aと横逃げ面16との交差稜線部にて構成されている。切削工具11の中央部には、バイトなどの工具に取り付けるためのクランプねじ等が挿通される取付孔18が形成されている。
【0011】
図2は、切刃チップ14を構成する積層されたシート20,20・・・の配列状態を示す概略図である。図1および図2に示すように、切刃チップ14は、シート20,20・・・を切削工具11の厚さ方向に積層した積層体で構成されている。
【0012】
図3は、シート20を構成する複合構造体を示す斜視図である。シート20は、後述する製造方法により、長繊維状芯材32とこの芯材32の外周を被覆し芯材32とは異なる組成の表皮部材33とからなる複合構造体31を並列に整列させて一体に成形したものである。
【0013】
図2に示すシート20,20・・・と工具本体12の座面19とのなす角度θ、すなわちシート20を構成する複合構造体31の芯材32の繊維方向と座面19とのなす角度θは0°〜30°、好ましくは3°〜15°、より好ましくは5°〜12°の範囲にある。この角度θが30°を超えると、刃先強度が低下し、欠損しやすくなるおそれがある。一方、角度θが0°未満となると、ブレーカ15の切屑処理効果が低下するおそれがある。角度θは、取付座13の角度を調節することにより調節することができる。また、芯材32の繊維方向は、すくい面14aに平行である。
【0014】
芯材32を構成する材質としては、ダイヤモンドを主成分とし、鉄族金属、周期律表1a、2a金属の炭酸塩、硫酸塩および水酸化物から選ばれる少なくとも一種、特にCoおよび/またはNiからなる結合金属にて結合してなるダイヤモンド焼結体が好適に使用可能である。なお、ダイヤモンド焼結体中には適宜周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上からなる硬質粒子を含有せしめることも可能である。
【0015】
また、芯材32を構成する材質としては、立方晶窒化硼素(以下cBNとする)を主成分とし、周期律表4a、5a、6a族金属およびSi、Alの炭化物、窒化物、炭窒化物、硼素化物および酸化物と、鉄族金属の1種以上からなる結合材にて結合してなるcBN焼結体が好適に使用可能である。
【0016】
さらに、芯材32を構成する材質としては、周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上からなる第1の硬質粒子、特にWC、TiC、TiCN、TiN、TaC、NbC、ZrC、ZrN、VC、CrCおよびMoCの群から選ばれる少なくとも1種、さらにはWC、TiCまたはTiCNを主成分とする第1の硬質粒子を、Fe、CoおよびNiの群から選ばれる少なくとも1種、特にCoおよび/またはNiからなる結合金属にて結合してなる第1の硬質焼結体、特に超硬合金またはサーメットが好適に使用可能である。
【0017】
また、芯材32を構成する材質として、上記硬質焼結体以外にも、周期律表4a、5aおよび6a族金属、Al、Siの群から選ばれる少なくとも1種の酸化物、炭化物、窒化物および炭窒化物からなる第1のセラミックス、中でもAl−TiC(TiCN)、SiC、Si、ZrO、TiBの群から選ばれる少なくとも1種、さらにはAl−TiC(TiCN)および/またはSiCが好適に使用可能である。なお、第1のセラミックス中には適宜焼結助剤成分を含有せしめることも可能である。
【0018】
そして、芯材32の外周を覆う表皮部材33の材質としては芯材32とは異なる材質の第2の硬質焼結体または第2のセラミックスを用いる。また、Fe、CoおよびNiなどの金属も使用可能である。
【0019】
さらに、芯材32(をなす第1の硬質焼結体または第1のセラミックス)−表皮部材33(をなす第2の硬質焼結体または第2のセラミックス)との組み合わせは、例えば超硬合金−サーメット、超硬合金−cBN焼結体、超硬合金−ダイヤモンド焼結体、超硬合金−アルミナ、超硬合金−窒化珪素、サーメット−超硬合金、サーメット−cBN焼結体、サーメット−ダイヤモンド焼結体、サーメット−アルミナ、サーメット−窒化珪素、(アルミナ,炭窒化チタン)−アルミナ、炭化珪素−窒化珪素、(炭化珪素,窒化珪素)−窒化珪素、炭化珪素−ダイヤモンド焼結体、cBN焼結体−サーメット、cBN焼結体−超硬合金、およびダイヤモンド焼結体−超硬合金の群から選ばれる1種が特に好適に使用可能であり、中でも、硬度、靭性のバランスがよく切削工具として好適に使用可能な点で、超硬合金−サーメット、超硬合金−ダイヤモンド焼結体、(アルミナ,炭窒化チタン)−アルミナおよびダイヤモンド焼結体−超硬合金の群から選ばれる1種が最適である。
【0020】
一方、芯材32をなす第1の硬質粒子または第1のセラミック粒子の平均粒径は、複合構造体31の硬度および強度向上の点、および芯材32と表皮部材33中の結合材(結合金属、焼結助剤)の含有量を適正化する点で0.05〜10μm、特に0.1〜3μmであることが望ましく、他方、表皮部材33をなす第2の硬質粒子または第2のセラミック粒子の平均粒径は、複合構造体31の靭性向上の点で、0.01〜5μm、特に0.01〜2μmであることが望ましい。
【0021】
図4は、これらの材料を用いる切刃チップ14の製造方法を示している。
<芯材用成形体の成形工程>
まず、平均粒径0.01〜10μmの周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上からなる第1の硬質粒子、または周期律表4a、5aおよび6a族金属、Al、Siの群から選ばれる少なくとも1種の酸化物、炭化物、窒化物および炭窒化物からなる第1のセラミック粉末を0〜90重量%、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは20〜70重量%と、平均粒径0.01〜10μmの第1の硬質粒子または第1のセラミック粒子を構成する金属成分と同じ金属粉末を3〜80重量%、特に5〜50重量%、さらに10〜30重量%と、所望により、平均粒径0.01〜10μmの鉄族金属粉末を5〜20重量%と、焼結助剤成分粉末1〜20重量%との割合で混合し、これに有機バインダ、可塑剤、溶剤を添加して混錬し、プレス成形または鋳込み成形等の成形法により円柱形状に成形して芯材用成形体42を作製する。(図4(a)参照)。
【0022】
ここで、後述する共押出成形によって均質な複合成形体を得るためには、前記有機バインダの添加量を30〜70体積%、特に40〜60体積%とすることが望ましい。
【0023】
焼結助剤成分としては、周期律表2a、3a族金属、Al、Siの酸化物、窒化物、酸窒化物等を使用することができる。有機バインダとしては、パラフィンワックス、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン‐エチルアクリレート、エチレン‐ビニルアセテート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート等を使用することができる。
【0024】
また、芯材用成形体42の材料がダイヤモンドを主成分とする場合には、上記芯材用成形体42の成形工程において、平均粒径が0.01〜10μmのダイヤモンド粉末50〜98重量%、好ましくは70〜95重量%と、平均粒径が0.01〜10μmの鉄族金属、周期律表1a、2a金属の炭酸塩、硫酸塩および水酸化物から選ばれる少なくとも一種、特にCoおよび/またはNiからなる結合金属2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%と、必要に応じて周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上からなる硬質粒子2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%とを混合する他は、上記と同様にして芯材用成形体42を作製する。なお、芯材用成形体42作製時には、ダイヤモンド粉末のみで成形体を作製し、焼成時に表皮部材に含まれる鉄族金属、周期律表1a、2a金属の炭酸塩、硫酸塩および水酸化物から選ばれる少なくとも一種の結合材を溶浸させることによって芯材へ含有させることも可能である。
【0025】
さらに、芯材用成形体42の材料がcBNを主成分とする場合には、上記芯材用成形体42の成形工程において、平均粒径が0.01〜10μmのcBN粉末30〜98重量%、好ましくは50〜95重量%と、平均粒径が0.01〜10μmの周期律表4a、5a、6a族金属およびSi、Alの炭化物、窒化物、炭窒化物、硼素化物および酸化物と、鉄族金属の1種以上からなる結合材2〜70重量%、好ましくは2〜50重量%とを混合する他は、上記と同様にして芯材用成形体42を作製する。
【0026】
<表皮部材用成形体の成形工程>
一方、芯材とは異なる組成の表皮部材をなす前記混合材料を前述したバインダとともに混錬してプレス成形、押出成形または鋳込み成形等の成形方法により半割円筒形状の2本の表皮部材用成形体43を作製し、この表皮部材用成形体43を芯材用成形体42の外周を覆うように配置した成形体41を作製する(図4(b)および(c)参照)。ここで、「異なる組成」とは、例えば芯材と表皮部材とのいずれか一方が靱性に優れ、他方が高い強度および硬度を有するような組成にすることを意味している。具体的には、芯材および表皮部材を構成する配合材料や、配合材料の配合量が異なるようにすることによって、異なる組成とすることができる。
【0027】
<押出成形工程>
そして、押出機100を用いて芯材用成形体42と表皮部材用成形体43とからなる上記成形体41を共押出成形することにより芯材用成形体42の周囲に表皮部材用成形体43が被覆され、細い径に伸延された複合構造体31を作製する(図4(d)参照)。
【0028】
また、上記長尺状の複合構造体31を1列〜100列に整列させて型内で加熱加圧してシート成形体45を得る(図4(e)参照)。このシート成形体45の複数枚を長尺状の複合構造体31同士が平行、直行または45°等の所定の角度をなすように積層して積層体を得る。
【0029】
また、図5に示すようなマルチフィラメント構造の複合構造体31aを作製するには、上記共押出した長尺状の複合構造体31を複数本集束して再度共押出成形すればよい。このマルチフィラメント構造の複合構造体31aを所望により再度共押出成形して、断面が円形、三角形、四角形をなす長尺状に成形することもできる。本発明では、シート成形体45を構成する複合構造体としては、前記した複合構造体31および複合構造体31aのどちらを用いてもよいが、好ましくはマルチフィラメント構造の複合構造体31aを用いるのがよい。
【0030】
そして、上記積層体を300〜700℃で10〜200時間で昇温または保持させて脱バインダ処理し、ついで真空中、または不活性雰囲気中、所定温度、時間で焼成して一体化することにより切刃チップ14を作製することができる。この切刃チップ14は、必要に応じて、切削または研磨により取付座13の形状に合うように加工してもよい。
【0031】
切刃チップ14の下面には、超硬合金等の硬質焼結体で形成された裏板21が取り付けられている。この裏板21は、通常、上記した積層体の焼成時に同時に焼成して切刃チップ14と一体化される。裏板21と一体化された切刃チップ14は、取付座13に銀ろうなどを用いてろう付けされる。なお、切刃チップ14に裏板21を取り付けず、切刃チップ14を工具本体12に直接ろう付けしてもよい。
【0032】
図6は、本発明の他の実施形態である切削工具を示している。図6に示すように、この切削工具51は、工具本体52の角部に形成された取付座53に裏板60と一体化された切刃チップ54がろう付けされたものである。また、切屑処理用のブレーカ58が切刃チップ54の角部上面に形成され、切刃57がすくい面55と横逃げ面56との交差稜線部にて構成されている。
【0033】
図7は、切刃チップ54を構成する積層されたシート20’,20’・・・の配列状態を示す概略図である。図6および図7に示すように、シート20’,20’・・・は、工具本体52の座面59と平行に配置されている。すなわち、シート20’を構成する複合構造体の芯材の繊維方向は座面59に平行である。また、この芯材の繊維方向はすくい面55に平行である。切刃チップ54を構成する材質としては、前記した切刃チップ14と同じものを使用することができる。この切刃チップ54は、取付座53の形状に合うように切削または研磨により加工することにより得られる。また、切刃チップ54の角部に形成されたブレーカ58も切削または研磨により形成される。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0035】
実施例
平均粒径1.5μmのダイヤモンド粉末に、有機バインダとしてセルロース、ポリエチレングリコールを、溶剤としてポリビニルアルコールを総量で100体積部加えて混錬して、円柱形状に押出成形して芯材用成形体を作製した。
【0036】
一方、平均粒径2.0μmのWC粉末89重量%と、平均粒径1.0μmのCo粉末11重量%とを混合し、これに、上記と同様の有機バインダ、溶剤を加えて混錬し、半割円筒形状の表皮部材用成形体を押出成形にて2つ作製し、これらを前記芯材用成形体の外周を覆うように配置して複合構造体を作製した。
【0037】
そして、上記複合構造体を共押出して伸延された複合成形体を作製した後、この伸延された複合成形体100本を集束して再度共押出成形し、マルチフィラメント構造の複合構造体を作製した。
【0038】
次に、上記マルチフィラメント構造の複合構造体を100mmの長さにカットし、並列に整列させてシート状とし、このシート6枚を積層して積層体を作製した。
【0039】
その後、この積層体の下面に超硬合金からなる裏板を配し、これを300〜700℃まで100時間で昇温することによって脱バインダ処理を行った後、超高圧装置に配置し、1450℃×15分の条件で焼成し、図1に示す切刃チップ14と同じ形状で裏板が一体化された切刃チップを作製した。
【0040】
この切削工具では、前記シートを構成する複合構造体の芯材の繊維方向と工具本体の座面とのなす角度θは10°とした。また、切刃チップを構成する芯材はダイヤモンド焼結体からなり、表皮部材は超硬合金(WC−Co)からなる。
【0041】
比較例
平均粒径2μmのダイヤモンド粉末94重量%と、Coからなる焼結助剤6重量%とを混合し、それに有機バインダとしてセルロース、ポリエチレングリコールを、溶剤としてポリビニルアルコールを総量で100体積部加えて混錬して、これを図1に示す切刃チップ14と同じ形状に成形し、焼成することによって、単一組成の切刃チップを作製した他は、実施例1と同様にして切削工具を作製した。
【0042】
<試験例>
実施例および比較例で得た各切削工具を用いて、切込み量d=0.03mm、切削速度V=500m/分、送りf=0.1mm/revにて複数の被削材(ADC12)を順次切削し、欠損が生じたときの被削材の個数と切屑処理の状況を調べた。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004001105
【0044】
【発明の効果】
本発明の切削工具は、高い耐欠損性を有するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる切削工具の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】切刃チップを構成する積層されたシートの配列状態を示す概略図である。
【図3】複合構造体を示す斜視図である。
【図4】切刃チップの製造方法を示す模式図である。
【図5】マルチフィラメント構造の複合構造体を示す概略図である。
【図6】本発明にかかる切削工具の他の実施形態を示す斜視図である。
【図7】切刃チップを構成する積層されたシートの配列状態を示す概略図である。
【符号の説明】
11 切削工具
12 工具本体
13 取付座
14 切刃チップ
14a すくい面
15 ブレーカ
19 座面
20 シート
21 裏板
31 複合構造体
32 芯材
33 表皮部材

Claims (2)

  1. 工具本体の角部に形成された取付座に切刃チップをろう付けした切削工具であって、
    少なくともすくい面部分が、長繊維状芯材とこの芯材の外周を被覆し芯材とは異なる組成の表皮部材とからなる複合構造体が並列に整列した構造からなり、前記芯材の繊維方向が前記すくい面に平行であることを特徴とする切削工具。
  2. 工具本体の角部に形成された取付座に切刃チップをろう付けした切削工具であって、
    少なくともすくい面部分が、長繊維状芯材とこの芯材の外周を被覆し芯材とは異なる組成の表皮部材とからなる複合構造体が並列に整列した構造からなり、前記芯材の繊維方向と工具本体の座面とのなす角度が0°〜30°の範囲にあることを特徴とする切削工具。
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