JP2004256851A - 複合構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】多結晶質焼結体または金属からなる大きな熱膨張係数差のある芯材と表皮材とを組み合わせた複合構造体において、芯材と表皮材との間に剥離やクラックを発生させることがなく、高硬度と高靭性を両立した複合構造体を提供する。
【解決手段】結晶粒子2、6を結合相3、7にて結合してなる焼結体を長尺状の芯材4および/または表皮材8として含有する複合構造体において、芯材4および/または表皮材8が、構造体中の芯材4と表皮材8の間に芯材4と表皮材8の中間の熱膨張係数を有する中間層9を配設した複合構造体1を作製する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺状の芯材とその外周を被覆した表皮材で構成される複合構造体において、芯材および表皮材が多結晶焼結体または金属からなる複合構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、結晶粒子を結合相にて結合したセラミックスやサーメット等が知られており、例えば、周期律表4a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素などの硬質粒子を鉄族金属にて結合した焼結体は、高硬度を有する結晶粒子と高靭性の鉄族金属の含有量を調整することにより、切削工具、掘削工具や耐摩耗部材として利用されている。一般に、上記従来の硬質材料では、硬度と靭性とは反比例関係にあり、高硬度と高靭性の両立は困難であることが知られていた。
【0003】
一方、繊維等長尺状の芯材の外周を他の部材にて被覆することにより、構造体の硬度や強度に加えて靭性を改善する技術が研究されており、例えば、特許文献1では、サーメット(例えばWC−Co)、ダイヤモンド焼結体、cBN焼結体等の高硬度焼結体からなる芯材の外周に、芯材とは異なる組成の高靭性焼結体を被覆した複合構造体を作製することによって、硬度を低下させることなく、構造体の破壊抵抗を増大して靭性を高められることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第6063502号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された複合構造体の中でも、性質の全く異なる材質を組み合わせるような、特に芯材と表皮材との熱膨張係数差が大きい場合、芯材と表皮材との界面に熱膨張差に起因する大きな応力集中が発生してしまい、芯材と表皮材とが剥離したり、いずれかにクラックが発生する等の問題があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、多結晶質焼結体または金属からなる大きな熱膨張係数差のある芯材と表皮材とを組み合わせた複合構造体において、芯材と表皮材との間に剥離やクラックを発生させることなく、高硬度で高靭性などの特性の両立を可能とした複合構造体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題について検討した結果、芯材と表皮材とが大きな熱膨張差を有する構造体中の芯材と表皮材の間に両者間の熱膨張係数差を緩和するための中間層を介装することにより、芯材と表皮材の界面に発生する応力集中を緩和することができることから、界面で剥離することなく構造体として高硬度と高靭性の両立ができる複合構造体となることを知見した。
【0008】
すなわち、本発明の複合構造体は、長尺状の芯材の外周を、該芯材とは異なる組成からなる表皮材で被覆した複合構造体において、前記芯材および前記表皮材が多結晶焼結体または金属からなり、前記芯材と前記表皮材の間に、前記芯材の熱膨張係数αと前記表皮材の熱膨張係数αとの中間の熱膨張係数αとしたとき、0.8α≦α≦1.2αの熱膨張係数αを有する中間層を1層以上配設したことを特徴とするものである。
【0009】
ここで、前記芯材の熱膨張係数αと前記表皮材の熱膨張係数αとの差が1.0×10−6/K以上である場合に特に中間層の効果が有効に発揮される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の複合構造体について、その一実施例である図1の(a)断面図、(b)斜視図を基に説明する。
【0011】
図1によれば、複合構造体1は、結晶粒子2、2間を結合相(Coおよび/またはNiの結合金属、または粒界相)3にて結合した硬質焼結体(4)からなる長尺状の芯材4の外周を、組成の異なる結晶粒子6を結合相(Coおよび/またはNiの結合金属、または粒界相)7にて結合した硬質焼結体(8)からなる表皮材8にて被覆した複合繊維体状からなる。
【0012】
本発明によれば、芯材4と表皮材8の間に芯材4の熱膨張係数αと表皮材8の熱膨張係数αとの中間の熱膨張係数αとしたとき、0.8α≦α≦1.2αの熱膨張係数αを有する中間層9を配設したことが大きな特徴であり、これによって、芯材4と表皮材8の界面に発生する応力集中を緩和することができることから、構造体1として高硬度と高靭性の両立ができる複合構造体1となる。
【0013】
すなわち、中間層9の熱膨張係数αが0.8αより小さいか、または1.2αより大きいと中間層9と芯材4または表皮材8との界面に大きな応力集中が発生して局所的にクラックが発生する。
【0014】
ここで、本発明においては、芯材4と表皮材8とが全く異なる性質の材質からなる場合、中でも、芯材4の熱膨張係数αと表皮材8の熱膨張係数αとの差|α−α|が1.0×10−6/K以上、望ましくは1.5×10−6/K以上、特に、3×10−6/K以上、さらに、5×10−6/K以上の場合に芯材4と表皮材8との界面に発生しやすい剥離やクラックを有効に防止することができる。また、芯材4と表皮材8間で元素の移動、拡散が生じにくい部材同士、例えば、一方が超硬合金、サーメットまたは金属のいずれかであり、他方がセラミックスからなるような場合においても中間層9を介在させることにより特に有効に界面での剥離やクラックを防止することができる。
【0015】
(芯材4、表皮材8)
本発明において用いる複合繊維体状の芯材4を構成する第1の材質としては、ダイヤモンド60〜99質量%を、鉄族金属、炭酸塩、硫酸塩および水酸化物から選ばれる少なくとも一種、特にコバルトおよび/またはニッケルからなる結合金属1〜40質量%にて結合してなるダイヤモンド焼結体が好適に使用可能である。なお、ダイヤモンド焼結体中には適宜周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上からなる硬質粒子を含有せしめることも可能である。
【0016】
また、芯材4を構成する第2の材質としては、立方晶窒化硼素(以下cBNとする)20〜99質量%を、周期律表4a、5a、6a族金属およびシリコン、アルミニウムの炭化物、窒化物、炭窒化物、硼素化物および酸化物と、鉄族金属の1種以上からなる結合材1〜80質量%にて結合してなるcBN焼結体が好適に使用可能である。
【0017】
さらに、芯材4を構成する第3の材質としては、周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上からなる第1の硬質粒子、特に炭化タングステン、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化クロムおよび炭化モリブデンの群から選ばれる少なくとも1種、中でも、炭化タングステン、炭化チタンまたは炭窒化チタンの群から選ばれる少なくとも1種65〜98質量%を、鉄、コバルトおよびニッケルの群から選ばれる少なくとも1種、特にコバルトおよび/またはニッケルからなる結合金属2〜35質量%にて結合してなる第1の硬質焼結体、特に超硬合金またはサーメットが好適に使用可能である。
【0018】
また、芯材4を構成する第4の材質として、上記硬質焼結体以外にも、周期律表4a、5aおよび6a族金属、アルミニウム、シリコンの群から選ばれる少なくとも1種の酸化物、炭化物、窒化物および炭窒化物からなるセラミックス、中でもアルミナ−炭化チタン(炭窒化チタン)、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、硼化チタンの群から選ばれる少なくとも1種、さらにはアルミナ−炭化チタン(炭窒化チタン)および/または炭化珪素が好適に使用可能である。なお、セラミックス中には適宜焼結助剤成分を含有せしめることも可能である。
【0019】
一方、芯材4の外周を覆う表皮材8の材質としては、芯材4とは異なる材質の硬質焼結体またはセラミックスを用いる。また、表皮材8としては、上記芯材用の材質以外にも、金属単体、特に鉄、コバルトおよびニッケルの鉄族金属も単独で使用可能である。
【0020】
さらに、芯材4−中間層9−表皮材8との組み合わせは、例えば超硬合金−高Co含有超硬合金−金属、超硬合金−P種超硬合金−サーメット、超硬合金−サーメット−cBN焼結体、超硬合金−TiC−ダイヤモンド焼結体、超硬合金−サーメット−アルミナ、超硬合金−サーメット−窒化珪素、サーメット−P種超硬合金−超硬合金、サーメット−セラミックス−cBN焼結体、サーメット−TiC−ダイヤモンド焼結体、サーメット−アルミナ/TiC−アルミナ、サーメット−TiCN−窒化珪素、(アルミナ、炭窒化チタン)−TiCN−アルミナ、炭化珪素−サイアロン−窒化珪素、(炭化珪素、窒化珪素)−サイアロン−窒化珪素、炭化珪素−TiC−ダイヤモンド焼結体、cBN焼結体−TiC−サーメット、cBN焼結体−サーメット−超硬合金、およびダイヤモンド焼結体−TiC−超硬合金の群から選ばれる1種が特に好適に使用可能である。
【0021】
とりわけ、材質の性質の違い、および熱膨張係数差を考慮すると、上記組合せの中でも、結合相金属含有量の少ない超硬合金−結合相金属含有量の多い超硬合金−金属、K種超硬合金−P種超硬合金−サーメット、超硬合金−サーメット−セラミックスの組合せを選定するのが望ましい。
【0022】
一方、芯材4をなす焼結体の結晶粒子の平均粒径は、複合構造体1の硬度および強度向上の点、および芯材4と表皮材8中の熱膨張係数を適正化する点で0.01〜5μm、特に0.01〜2μmであることが望ましく、他方、表皮材8をなす結晶粒子の平均粒径は、複合構造体1の靭性向上の点で、0.05〜10μm、特に0.1〜3μmであることが望ましい。
【0023】
また、複合構造体(複合繊維体)1のサイズは、工具としての耐欠損性を高めるために、芯材4の直径dが5〜300μm、表皮材8の厚みdが0.2〜10μm、中間層の厚みdが0.1〜5μmであることが望ましく、さらに、複合構造体1の特性を本来の目的である芯材4および表皮材8の特性にて達成するため、特に構造体1全体に対して芯材4に比較し表皮材8の占有率が低い場合には、中間層9の平均厚みdと表皮材8の平均厚みdとの比(d/d)が0.1〜0.5、特に0.25〜0.5であることが、芯材4および表皮材8の各々がその優れた特性を最大限に発揮することが出来る点で望ましい。
【0024】
なお、本発明において、芯材4の平均直径dは構造体1の断面における走査型電子顕微鏡(SEM)写真にて観察される各芯材の平均面積から芯材の断面を円に仮定して算出される直径を指し、また、中間層の厚みd、表皮材の厚みdは、上記SEM写真から画像解析法によって求めることができる。
【0025】
また、図2(a)(b)は、本発明において用いられている複合繊維体の他の一例を示す(a)断面図および(b)斜視図である。(a)の複合構造体10は、芯材4と表皮材8とからなるシングル繊維タイプの構造体1を複数本集束したマルチ繊維タイプの複合構造体10であってもよく、かかるマルチ繊維タイプの複合構造体10は構造体としての靭性をより高めることができる。
【0026】
また、複合構造体の構成としては、図2に示す集束体の形態の他に、図3に示すような(a)複合構造体1をシート状に並べたもの10A、(b)(a)のシートを同じ方向に複数枚積層したもの10B、(c)(a)のシートを異なる方向に複数枚積層したもの10Cのいずれであってもよい。
【0027】
次に、本発明の複合構造体を製造する方法について、その一例である芯材が超硬合金、表皮材がセラミックス、中間層がサーメットの場合について図4の模式図をもとに説明する。
【0028】
まず、平均粒径0.01〜3.5μmの炭化タングステン粉末または炭化タングステン結晶粒子形成成分を50〜98質量%と平均粒径10μm以下の鉄族金属粉末を2〜50質量%以下の割合で混合し、これにパラフィンワックス、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレ−ト、エチレン−ビニルアセテート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート等の有機バインダを添加、混錬して、プレス成形、押出成形または鋳込成形等の成形方法により円柱形状に芯材用成形体11を作製する。
【0029】
一方、平均粒径0.01〜10μmのセラミック主原料粉末を50〜98質量%と、平均粒径0.01〜10μmの焼結助剤粉末を2〜50質量%との割合で混合し、これに前述のバインダ等を添加、混錬して、プレス成形、押出成形または鋳込成形等の成形方法により半割円筒形状の2本の表皮材用成形体12を作製する。
【0030】
また、平均粒径0.01〜10μmの炭窒化チタン粉末を主原料として、周期律表第4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物粉末の少なくとも1種と、鉄族金属粉末5〜25質量%の割合からなるサーメット形成用の混合粉末に前述のバインダを添加、混錬して、上記同様にプレス成形、押出成形または鋳込成形等の成形方法により半割円筒形状の2本の中間層用成形体13を作製し、芯材用成形体11の外周を覆うように中間層用成形体13と表皮材用成形体12を順次に配置した複合成形体14を作製する(工程(a)参照)。
【0031】
なお、本発明によれば、上記のように前記中間層用成形体13を作製することに代えて、中間層用のスラリーを調製して該スラリー中に芯材用成形体を浸漬する方法や中間層形成用の溶液を調整して芯材用成形体表面にスプレーする方法、中間層形成用のシートを巻きつける方法等も適宜採用することができる。また、表皮材についても、表皮材用成形体13を作製することに代えて、上記中間層の他の作成方法を採用することも可能である。
【0032】
次に、上記複合成形体14を共押出成形する(芯材用成形体11、中間層用成形体13および表皮材用成形体12を同時に押出成形する)ことにより芯材用成形体11の外周に中間層用成形体13および表皮材用成形体12が被覆され細い径に伸延された複合成形体15を作製する(工程(b)参照)。また、マルチ繊維(フィラメント)タイプの成形体16を作製するには、上記共押出しした長尺状の複合成形体15を複数本収束して再度共押出し成形すればよく、この方法によれば、成形体中の複合構造体同士のより強固な密着性を得ることができる。(図5(a)参照)。
【0033】
なお、上記共押出成形においては、口金を変えること等により、上記伸延された長尺状の成形体の断面形状を、円形、三角形、四角形または六角形等の所望の形状に成形することも可能である。
【0034】
また、本発明によれば、図2、3に示したような、複合構造体1をシート状に集束した複合構造体10を形成する場合には、前述のようにして作製した複合構造体15を並べてシート状成形体17を形成する。そして、所望により、シート状成形体17中の複合成形体15同士が平行、直交または45°等の所定の角度をなすように積層させた積層体とすることもできる。その場合、複合成形体15間に所望により上記バインダなどの接着材を介在させ、さらに、このシート状成形体17に冷間静水圧プレス(CIP)などによって圧力を印加するものであってもよいが、必要に応じ、図5(b)に示すようにロール18を用いてシート状成形体17をロール圧延成形することも可能である。さらには、シート状成形体17を作製する場合には複合構造体を整列させる(複合体10a〜c)際に公知のラピッドプロトタイピング法などの成形法を用いることも可能である。
【0035】
さらには、上記整列したシート状成形体14またはシート状成形体14を断面方向にスライスした成形体を従来公知の超硬合金等の硬質合金焼結体(塊状体)の表面に貼り合わせ、または接合することも可能である。
【0036】
その後、前記成形体を脱バインダ処理した後、焼成することにより本発明の複合構造体を作製することができる。焼成方法は、芯材および表皮材によって、真空または雰囲気焼成、ガス圧焼成、ホットプレス、放電プラズマ焼結法、超高圧焼結法などが用いられる。焼成温度は1200℃〜1800℃とすることが望ましい。
【0037】
なお、上記製造方法では芯材が超硬合金、中間層がサーメットおよび表皮材がセラミックスの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述した各種材質を組み合わせることができる。特に、表皮材は金属のみからなるものであってもよい。
【0038】
【実施例】
(実施例)
表1に示す組成物にバインダ、滑剤を添加、混錬した後、プレス成形により直径18mmの芯材用成形体、肉厚1mmで半割円筒状の表皮材用成形体を2本、および肉厚0.5mmで半割円筒状の中間層用成形体を2本作製した。
【0039】
そして、前記芯材用成形体の周囲に図4(a)に示すように中間層用成形体、表皮材用成形体を順次被覆し、複合成形体を作製した(実施例1〜4)。比較として中間層用成形体を配置しない複合成形体も作製した(比較例1〜4、1’)。
【0040】
【表1】
Figure 2004256851
そして、前記複合成形体を共押出して伸延された複合成形体を作製した後、該伸延された成形体100本を集束して再度共押出し成形し、マルチ繊維タイプの複合成形体を作製した。その後、該成形体を図3(c)に示す複合構造体15Cの構造に配列、プレス成形しSDK42形状の成形体を得た。得られた成形体を300〜700℃まで72時間で昇温させることによって脱バインダ処理を行った後、昇温速度2.5℃/分でさらに昇温し、真空中、1500℃で2時間焼成し、さらに3℃/分で降温することにより複合構造焼結体を得た。得られた複合部材15cの両主面を研磨し、エッジ部にサラエ刃をつけ、切刃にC面加工を施す加工を行った後、さらにこの表面に2μmのTiN膜をPVD法によりコーティングすることによりSDK42フライス工具を得た。
【0041】
得られた工具を取り付けたNCマシニングセンタを用いて、下記条件にて、ワーク(鋼種:SKD11)を10分加工し、加工後のチップの切刃を顕微鏡で観察し、切刃の摩耗幅および境界損傷の有無の程度をそれぞれ調べた。結果は表2に示した。
【0042】
(フライス条件)
ワーク:SKD11
速度:v=200m/分
送り:f=0.2mm/刃
切り込み:d=2mm
切削時間:10分
一方、上記芯材、表皮材、中間層を構成する各部材についてそれぞれ棒状体を成形、焼成して各部材についての熱膨張係数を測定した。得られた熱膨張係数の測定結果を表2にそれぞれα、α、α、およびα(=(α+α)/2)として示した。
【0043】
また、得られた構造体の断面について走査型電子顕微鏡観察を行い、画像解析法にて表皮材の厚みdと中間層の厚みdを求め、その比(d/d)を算出した。結果は表2に示した。
【0044】
【表2】
Figure 2004256851
表1、2の結果から明らかなように、中間層を介装しない比較例試料に対して中間層を介装した各試料とも摩耗幅が小さく、かつ欠損も生じにくいものであった。
【0045】
これに対して、本発明に従い、所定の熱膨張係数を有する中間層を配した実施例試料では、いずれも比較例試料に対して耐磨耗性および耐欠損性の高いものであった。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の複合構造体によれば、構造体中の芯材と表皮材の間に両者間の熱膨張係数差を緩和するための中間層を介装することにより、芯材と表皮材の界面に発生する応力集中を緩和することができることから、界面で剥離することなく構造体として高硬度と高靭性の両立ができる複合構造体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合構造体の一例を示す斜視図および断面図である。
【図2】本発明の複合構造体の他の一例を示す斜視図および断面図である。
【図3】本発明の複合構造体の他の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の複合構造体の製造方法を説明するための工程図である。
【図5】本発明の複合構造体の他の一例の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1 複合構造体
2 結晶粒子
3 結合相
4 芯材
6 結晶粒子
7 結合相
8 表皮材
9 中間層
10 マルチ繊維タイプの複合構造体
11 芯材成形体
12 表皮材成形体
13 中間層成形体
14 複合成形体
15 押出されたシングル繊維タイプの複合構造体
16 押出されたマルチ繊維タイプの複合構造体

Claims (2)

  1. 長尺状の芯材の外周を、該芯材とは異なる組成からなる表皮材で被覆した複合構造体において、前記芯材および前記表皮材が多結晶焼結体または金属からなり、前記芯材と前記表皮材の間に、前記芯材の熱膨張係数αと前記表皮材の熱膨張係数αとの平均の熱膨張係数αとしたとき、0.8α≦α≦1.2αの熱膨張係数αを有する中間層を1層以上配設したことを特徴とする複合構造体。
  2. 前記芯材の熱膨張係数αと前記表皮材の熱膨張係数αとの差が1.0×10−6/K以上であることを特徴とする請求項1記載の複合構造体。
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