JP2003277808A - 複合構造体 - Google Patents

複合構造体

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JP2003277808A JP2002081864A JP2002081864A JP2003277808A JP 2003277808 A JP2003277808 A JP 2003277808A JP 2002081864 A JP2002081864 A JP 2002081864A JP 2002081864 A JP2002081864 A JP 2002081864A JP 2003277808 A JP2003277808 A JP 2003277808A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結不良による空孔がなく、高硬度と高靭性
を両立した複合構造体を提供する。 【解決手段】 結晶粒子2、6を結合相3、7にて結合
してなる焼結体を長尺状の芯材4および/または表皮部
材8として含有する複合構造体において、芯材4および
/または表皮部材8が、構造体中の芯材4と表皮部材8
の間に結合相3、7の溶浸や拡散を抑制する中間層9を
有する複合構造体1を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺状の芯材とそ
の外周を被覆した表皮部材で構成される複合構造体にお
いて、芯材および/または表皮部材が、結晶粒子を結合
相にて結合した焼結体からなる複合構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、結晶粒子を結合相にて結合し
たセラミックスやサーメット等が知られており、例え
ば、周期律表4a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物
および炭窒化物、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素などの
硬質粒子を鉄族金属にて結合した焼結体は、高硬度を有
する結晶粒子と高靭性の鉄族金属の含有量を調整するこ
とにより、切削工具、掘削工具や耐摩耗部材として利用
されている。一般に、上記従来の硬質材料では、硬度と
靭性とは反比例関係にあり、高硬度と高靭性の両立は困
難であることが知られていた。
【0003】一方、繊維等長尺状の芯材の外周を他の部
材にて被覆することにより、構造体の硬度や強度に加え
て靭性を改善する技術が研究されており、例えば、米国
特許6063502号公報では、サーメット(例えばW
C−Co)、ダイヤモンド焼結体、cBN焼結体等の高
硬度焼結体からなる芯材の外周に、芯材とは異なる組成
の高靭性焼結体を被覆した複合構造体を作製することに
よって、硬度を低下させることなく、構造体の破壊抵抗
を増大して靭性を高められることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記米
国特許6063502号公報に記載された複合構造体で
は、芯材および/または表皮部材中に液相を出現させ最
終的に結合相となる成分が存在する場合には、液相が焼
成中に芯材および表皮部材間を拡散してしまい、芯材と
表皮部材が同じ特性となって靭性向上効果がなくなる場
合があった。また、芯材と表皮部材との焼結温度が大き
く異なる場合には、焼結温度の低い側から高い側に液相
成分が移動してしまい焼結温度の低い側は緻密化でき
ず、多量の空孔(ボイド)が残存する等の問題もあっ
た。
【0005】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的は、結晶粒子を結合相にて結合して
なる焼結体を芯材および/または表皮部材として含有す
る複合構造体において、芯材と表皮部材とをともに緻密
化できるとともに、芯材と表皮部材の特性を容易に制御
でき、高硬度で高靭性などの特性の両立を可能とした複
合構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて検討した結果、構造体中の芯材と表皮部材の間に
結合相の溶浸や拡散を抑制する中間層を介装することに
より、芯材と表皮部材の組成を容易に制御できるととも
に、空孔のない緻密化した健全な焼結体を作製できるこ
とから、高硬度と高靭性の両立等、目的の特性を容易に
達成し得る複合構造体となることを知見した。
【0007】すなわち、本発明の複合構造体は、長尺状
の芯材の外周を、該芯材とは異なる組成からなる表皮部
材で被覆した複合構造体において、前記芯材および/ま
たは前記表皮部材が結晶粒子を結合相にて結合した焼結
体からなり、前記芯材と前記表皮部材の間に、前記結合
相の含有量が前記芯材および/または表皮部材側から内
部に向かって漸次減少する領域を有する中間層を1層以
上配設したことを特徴とする複合構造体である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の複合構造体について、そ
の一実施例である図1の断面図を基に説明する。
【0009】図1によれば、複合構造体1は、結晶粒子
2、2間を結合相3にて結合した硬質焼結体(4)から
なる長尺状の芯材4の外周を、組成の異なる結晶粒子6
を結合相7にて結合した硬質焼結体(8)からなる表皮
部材8にて被覆してなる。
【0010】本発明によれば、芯材4と表皮部材8の間
に結合相3、7を含有する芯材4および表皮部材8側か
ら結合相3、7の含有量が漸次減少する領域を有する中
間層9を配設したことが大きな特徴であり、これによっ
て、芯材4と表皮部材8の組成を容易に制御できるとと
もに、空孔のない緻密化した健全な焼結体を作製できる
ことから、高硬度と高靭性の両立等、ねらった目的の特
性を有する複合構造体1を容易に実現することができ
る。
【0011】つまり、上記構成によれば、芯材4と表皮
部材8との間に両者またはいずれかに含有される結合材
3、7との濡れ性や拡散係数が低い、すなわちなじみが
低い材質または液相が出現する前に反応生成物を生じて
液相の浸透を抑制する材質からなる中間層9が介装され
ることから、焼成時に結合相3、7が芯材4と表皮部材
8との間を拡散することを抑制でき、芯材4と表皮部材
8の焼結性を損なわず両者をともに緻密化させることが
でき、かつ芯材4中の結合相3量および表皮部材8中の
結合相7量を容易に制御して芯材4および表皮部材8を
所望の特性に制御することができることから、複合構造
体1全体の特性を容易に制御することができる。
【0012】これによって、例えば、芯材4中の結合相
3量と表皮部材8中の結合相7量とを異ならせて、表皮
部材8側に圧縮残留応力を付与するなどの構造的な制御
による特異的な効果を発揮させることができ、高硬度と
高靭性の両立や、高強度と高熱伝導の両立等特性の制御
が容易となる。
【0013】ここで、中間層9として第1に好適な材質
は、芯材4および表皮部材8に含有される結晶粒子2、
6よりも芯材4および表皮部材8に含有される結合相
3、7との濡れ性が悪く、拡散係数の低い金属、または
その炭化物、窒化物、炭窒化物、硼化物および酸化物の
少なくとも1種、特に炭化物、窒化物、炭窒化物および
硼化物の1種以上であり、例えば、芯材4および/また
は表皮部材8がWC−Coからなる場合には、中間層9
としてはTi、Zr、Hf、V、NbおよびTaの群か
ら選ばれる少なくとも1種の金属元素、特にTiの金
属、炭化物、窒化物、炭窒化物および硼化物の1種また
は2種以上を含有することが望ましい。
【0014】なお、中間層9をなす成分は、芯材4およ
び表皮部材8に含有される結晶粒子2、6とは異なる金
属元素、または芯材4および/または表皮部材8中に副
成分として含有される金属元素を主成分として含有する
ものであってもよい。また、本発明では主成分とは芯材
4および表皮部材8をなす硬質焼結体の総金属量中に5
0atm%以上含有される成分を指し、副成分とは芯材
4および表皮部材8をなす硬質焼結体の総金属量中に4
0atm%以下、特に20atm%以下、さらに10a
tm%以下の割合で含有される成分を指す。
【0015】また、中間層9として第2に好適な材質
は、芯材4および表皮部材8に含有される結合相3、7
の融点よりも融点または液相出現温度が低く、望ましく
は芯材4および表皮部材8との反応性が高い金属、また
はその炭化物、窒化物、炭窒化物、硼化物、酸化物の少
なくとも1種であり、例えば、芯材4および/または表
皮部材8がWC−Coからなる場合には、中間層9とし
ては金属Alまたは金属Siが望ましい。上記構成によ
れば、中間層9の少なくとも一部が液相となることによ
り芯材4および表皮部材8中の結合相3、7が液相とな
っても反対側に拡散することを抑制でき、また、中間層
9の液相が芯材4および/または表皮部材8の成分と反
応する等によって反応生成物を先に生ぜしめる場合には
さらに結合相3、7の液相が拡散することを防止でき
る。
【0016】なお、中間層9として金属Ti、金属A
l、金属Si等の金属を用いる場合、その一部またはす
べてが焼成後に炭化物、窒化物または炭窒化物の群から
選ばれる少なくとも1種の化合物、例えばTiC、Ti
CN、TiN、Si34、SiCおよびAlNの群から
選ばれる少なくとも1種に変質することができ、耐塑性
変形性の点ではすべてが化合物となることが望ましく、
耐熱性や導電性を持たせる場合には金属として少なくと
も一部が残存することが望ましい。
【0017】また、中間層9を構成する粒子の平均粒径
は、芯材4と表皮部材8の結合相3、7が毛管現象によ
って中間層9内に溶浸することを抑制する点では、結合
相3、7を含有する芯材4および表皮部材8を構成する
結晶粒子の平均粒径よりも大きいことが望ましく、特に
芯材4の結晶粒子2または表皮部材8の結晶粒子6の平
均粒径d1(両者に結合相3、7が存在する場合には小
さい方の平均粒径)と、中間層9の粒子の平均粒径d2
との比(d2/d1)が1.1〜5、特に2.5〜4であ
ることが望ましい。
【0018】さらに、芯材4および/または表皮部材8
と中間層9との界面には、芯材4および/または表皮部
材8に含有される結晶粒子2、6と中間層9に含有され
る金属成分との複合化合物、特に複合炭化物、複合窒化
物および複合炭窒化物のいずれか1種が存在することが
望ましい。これによって、芯材4および/または表皮部
材8と中間層9との結合力を高めることができる。
【0019】また、複合構造体1の特性を本来の目的で
ある芯材4および表皮部材8の特性にて達成するため、
特に構造体1全体に対して芯材4に比較し表皮部材8の
占有率が低い場合には、中間層9の平均厚みD1と表皮
部材8の平均厚みD2との比(D1/D2)が0.01〜
0.5、特に0.05〜0.2であることが望ましい。
【0020】なお、本発明によれば、芯材4および/ま
たは表皮部材8としては、液相焼結するセラミックスま
たはサーメットのいずれであってもよいが、特に、結晶
粒子2、6としては、周期律表4a、5a、6a族金属
の群から選ばれる1種以上の金属元素(M)の炭化物、
窒化物および炭窒化物、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素
のうちの1種以上からなることが望ましく、結合相3、
7としては鉄族金属、中でもCoおよび/またはNiか
らなることが望ましい。また、芯材4または表皮部材8
の片方は液相を生成しない固相焼結にて形成されるもの
であってもよい。
【0021】さらに、図1では芯材4が1本、すなわち
単体の周囲に表皮部材8が被覆された場合について示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、図2に
示すように、図1の構造体1を例えば4本以上の複数本
収束したマルチフィラメント構造であってもよい。
【0022】次に、本発明の複合構造体1を製造する方
法について、その一例である芯材および表皮部材中に結
合相としていずれにも鉄族金属を含有する場合について
図4の模式図をもとに説明する。
【0023】まず、平均粒径0.01〜3.5μmの硬
質粉末または結晶粒子形成成分を50〜98重量%と平
均粒径10μm以下の鉄族金属粉末を2〜50重量%以
下の割合で混合し、これにパラフィンワックス、ポリス
チレン、ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレ−
ト、エチレン−ビニルアセテート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート
等の有機バインダを添加、混錬して、プレス成形、押出
成形または鋳込成形等の成形方法により円柱形状に芯材
用成形体11を作製する(工程(a)参照)。
【0024】一方、平均粒径0.01〜10μmの結晶
粒子または結晶粒子形成成分を50〜98重量%と平均
粒径10μm以下の鉄族金属粉末を2〜50重量%との
割合で混合し、これに前述のバインダ等を添加、混錬し
て、プレス成形、押出成形または鋳込成形等の成形方法
により半割円筒形状の2本の表皮部材用成形体12を作
製する(工程(a)参照)。
【0025】また、平均粒径0.01〜10μmの上述
した中間層形成用の原料粉末、例えば、Si、Al、周
期律表4a、5a、6a族金属元素の金属粒子、または
その金属元素の炭化物、窒化物または炭窒化物粉末の群
から選ばれる少なくとも1種に前述のバインダを添加、
混錬して、上記同様にプレス成形、押出成形または鋳込
成形等の成形方法により半割円筒形状の2本の中間層用
成形体13を作製し、芯材用成形体11の外周を覆うよ
うに中間層用成形体13と表皮部材用成形体12を順次
に配置した複合成形体14を作製する(工程(a)参
照)。
【0026】なお、本発明によれば、前記中間層用成形
体(所望によっては表皮部材用成形体も)を作製するこ
とに代えて、中間層用のスラリーを調製して該スラリー
中に芯材用成形体を浸漬する方法や中間層形成用の溶液
を調整して芯材用成形体表面にスプレーする方法、中間
層形成用の金属箔を巻きつける方法等も適宜採用するこ
とができる。
【0027】次に、上記複合成形体を共押出成形するこ
とにより芯材用成形体の外周に中間層用成形体および表
皮部材用成形体が被覆され細い径に伸延された複合成形
体15を作製する(工程(b)参照)。また、マルチフ
ィラメント構造の成形体16を作製するには、上記共押
出しした長尺状の複合成形体15を複数本収束して再度
共押出し成形すればよく、さらに、上記伸延された長尺
状の成形体を所望により円柱、三角柱、四角柱に成形し
てもよい。(工程(c)参照)。
【0028】また、上記長尺状の成形体を整列させてシ
ートとなし、該シートの複合成形体同士が平行、直行ま
たは45°等の所定の角度をなすように積層させた積層
体とすることもできる。また、公知のラピッドプロトダ
イビング法等の成形方法によって任意の形状に成形する
ことも可能である。さらには、上記整列したシートまた
は該シートを断面方向にスライスした複合構造体シート
を従来の超硬合金等の硬質合金焼結体(塊状体)の表面
に貼り合わせ、または接合することも可能である。
【0029】その後、前記成形体を脱バインダ処理した
後、焼成することにより本発明の複合構造体を作製する
ことができる。焼成方法は、芯材および表皮部材によっ
て、真空焼成、ガス圧焼成、ホットプレス、放電プラズ
マ焼結、超高圧焼結などが用いられる。焼成温度は12
00℃〜1800℃とすることが望ましい。
【0030】なお、上記製造方法では芯材および表皮部
材のいずれも硬質粒子を結合相にて結合した焼結体から
なるものであったが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、芯材または表皮部材のいずれか一方が金属のみ
からなるものであってもよく、または固相焼結、すなわ
ち結合相がない場合であってもよい。
【0031】
【実施例】(実施例1)平均粒子径2μmのダイヤモン
ド粒子95重量%、平均粒径2μmのCo粉末5重量%
添加し、これにバインダ、滑剤を添加、混錬した後、プ
レス成形により直径18mmの芯材用成形体を作製し
た。
【0032】一方、平均粒子径3μmのWC粉末90重
量%、平均粒子径2μmのCo粉末10重量%添加し、
これにバインダ、滑剤を添加、混錬した後、プレス成形
により肉厚0.8mmで半割円筒状の表皮部材用成形体
を2本作製し、前記芯材用成形体の周囲に被覆した複合
成形体を作製した。
【0033】また、平均粒子径5μmのTiC0.6(炭
素含有量が少ない炭化チタン)粉末にバインダ、滑剤を
添加、混錬した後、プレス成形により肉厚0.2mmで
半割円筒状の中間層用成形体を2本作製した。
【0034】そして、前記芯材用成形体の周囲に中間層
用成形体、表皮部材用成形体を順次被覆し、複合成形体
を作製した。比較として中間層用成形体を配置しない複
合成形体も作製した。
【0035】そして、前記複合成形体を共押出した伸延
された成形体を作製した後、該伸延された成形体100
本を収束して再度共押出し成形し、マルチフィラメント
タイプの成形体を作製した。その後、該成形体に対して
脱バインダ処理を行い、続いて試料を超高圧装置内にセ
ットして圧力5GPa、焼成温度1500℃で焼成して
複合構造体を作製した。
【0036】得られた複合構造体に対して、ヴィッカー
ス硬度(JISR1601に準じる)を測定した結果、
62GPaであった。
【0037】また、試料の研磨断面についてSEM観察
をしたところ芯材および表皮部材ともに空孔のない健全
な焼結体であり、さらに、波長分散型X線マイクロアナ
リシス分析を行ったところ、図4のような芯材および表
皮部材側から中間層に向かってCoの含有量が減少する
分布が見られた。なお、EPMAの条件は、加速電圧1
5kV、プローブ電流3×10-7A、スポットサイズ2
μmとした。また、中間層のXRD回折パターンから中
間層はTiCとなっていることが確認された。
【0038】(比較例1)実施例1に対して中間層を配
設しない以外は実施例1とまったく同様に複合構造体を
作製し、同様に評価した結果、ヴィッカース硬度は46
GPaであり、また、EPMA分析の結果、多量のCo
が芯材から表皮部材側へ拡散していることがわかった。
【0039】(実施例2)平均粒子径3μmのcBN粒
子50重量%、平均粒子径3μmのTiN粒子45重量
%、平均粒径8μmのAl粉末5重量%添加し、これに
バインダ、滑剤を添加、混錬した後、プレス成形により
直径18mmの芯材用成形体を作製した。
【0040】一方、平均粒子径1μmのTiCN粉末を
60重量%、平均粒子径3.5μmのMo2C粉末を2
0重量%、平均粒径2μmのNi粉末を10重量%、平
均粒径3μmのCo粉末を10重量%添加し、これにバ
インダ、滑剤を添加、混錬した後、プレス成形により肉
厚0.8mmで半割円筒状の表皮部材用成形体を2本作
製し、前記芯材用成形体の周囲に被覆した複合成形体を
作製した。
【0041】また、平均粒子径10μmのTi粉末およ
びAl粉末にバインダ、滑剤を添加、混錬した後、プレ
ス成形により肉厚0.2mmで半割円筒状の中間層用成
形体を2本作製した。
【0042】そして、実施例1と同様にしてマルチフィ
ラメントタイプの複合成形体を作製し、同様に脱バイン
ダ処理を行った後、続いて試料を超高圧装置内にセット
して圧力5GPa、焼成温度1400℃で焼成して複合
構造体を作製した。
【0043】得られた複合構造体に対して、実施例1と
同様な条件でヴィッカース硬度を測定したところ26G
Paであり、EPMA分析より表皮部材側から中間層に
向かってNiおよびCoの総量が漸減していることが確
認された。また、XRDにて中間層はTiN、TiB2
およびAlNの混相となっていることが確認された。
【0044】(比較例2)実施例2に対して、中間層を
介装しない以外は全く同様に複合構造体を作製し、同様
に評価した結果、ヴィッカース硬度は20GPaであ
り、また、EPMA分析の結果、多量のNiおよびCo
が表皮部材から芯材側へ拡散していることがわかった。
【0045】(実施例3)平均粒子径1μmのTiC粉
末を60重量%、平均粒子径3μmのMo2C粉末を2
0重量%、平均粒径2μmのNi粉末を20重量%添加
し、これにバインダ、滑剤を添加、混錬した後、プレス
成形により直径18mmの芯材用成形体を作製した。
【0046】一方、平均粒子径1μmのWC粉末90重
量%、平均粒径2μmのCo粉末10重量%添加し、こ
れにバインダ、滑剤を添加、混錬した後、プレス成形に
より肉厚0.9mmで半割円筒状の表皮部材用成形体を
2本作製した。
【0047】また、平均粒子径10μmのSi粉末にバ
インダ、滑剤、溶剤を添加してスラリー状とし、芯材の
外周に肉厚0.1mmの中間層用成形体を塗布した。そ
して、中間層用成形体を被覆した芯材用成形体の外周に
表皮部材用成形体を被覆し、複合成形体を作製した後、
実施例1と同様に成形してマルチフィラメントタイプの
成形体を作製した。その後、該成形体に対して脱バイン
ダ処理を行い、焼成温度1500℃にて焼成し、複合構
造体を作製した。
【0048】得られた焼結体を観察したところ、芯材お
よび表皮部材ともに多孔度A02未満と空孔のない健全
な焼結体であった。また、XRDより中間層はSiCか
らなることを確認した。
【0049】(比較例3)実施例3の複合構造体に対し
て、中間層を形成しない以外は全く同様に複合構造体を
作製したところ、表皮部材の多孔度がB06〜B08と
大きな空孔が多数残存していることを確認した。
【0050】(実施例4)平均粒子径1μmのWC粉末
を94.5重量%、平均粒子径3μmのVC粉末を0.
5重量%、平均粒径3μmのCo粉末を5重量%添加
し、これにバインダ、滑剤を添加、混錬した後、プレス
成形により直径18mmの芯材用成形体を作製した。
【0051】一方、平均粒子径1μmのWC粉末60重
量%、平均粒子径3μmのTiC粉末を20重量%、平
均粒子径3μmのVC粉末を5重量%、平均粒径3μm
のCo粉末15重量%添加し、これにバインダ、滑剤を
添加、混錬した後、プレス成形により肉厚0.8mmで
半割円筒状の表皮部材用成形体を2本作製した。
【0052】また、平均粒子径10μmのTi粉末にバ
インダ、溶剤を添加して溶液状とし、芯材の外周に肉厚
0.2mmの中間層用成形体をスプレーした。そして、
中間層用成形体を被覆した芯材用成形体の外周に表皮部
材用成形体を被覆し、複合成形体を作製した後、実施例
1と同様に成形してマルチフィラメントタイプの成形体
を作製した。その後、該成形体に対して脱バインダ処理
を行い、焼成温度1450℃にて焼成し、複合構造体を
作製した。
【0053】得られた焼結体を観察したところ、EPM
A分析の結果、Coの濃度は芯材で5重量%、表皮部材
で15重量%と両者間に拡散はなく、また、芯材および
表皮部材から中間層に向かって漸次減少している領域を
確認した。また、XRDより中間層はTiCからなるこ
とを確認した。
【0054】(比較例4)実施例4の複合構造体に対し
て、中間層を形成しない以外は全く同様に複合構造体を
作製したところ、Coが拡散して芯材と表皮部材中のC
oが均一な分布となってしまった。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明の複合構造
体によれば、結晶粒子と結合相からなる焼結体を芯材ま
たは表皮部材に含有する複合構造体において、芯材と表
皮部材の間に両者の少なくとも一方に含有される結合相
の拡散を防止する中間層を配置することによって、芯材
と表皮部材の結合力を損なうことなく複合構造体中の芯
材と表皮部材を目的の組成に容易に制御することができ
る結果、高硬度で、かつ高靭性などのねらった特性に容
易に制御可能な複合構造体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合構造体の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の複合構造体の他の一例を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の複合構造体の製造方法を説明するため
の工程図である。
【図4】本発明の実施例1の複合成形体を波長分散型X
線マイクロアナリシス分析した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 複合構造体 2 結晶粒子 3 結合相 4 芯材 6 結晶粒子 7 結合相 8 表皮部材 9 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 29/16 C22C 29/16 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状の芯材の外周を、該芯材とは異な
    る組成からなる表皮部材で被覆した複合構造体におい
    て、前記芯材および/または前記表皮部材が結晶粒子を
    結合相にて結合した焼結体からなり、前記芯材と前記表
    皮部材の間に、前記結合相の含有量が前記芯材および/
    または表皮部材側から内部に向かって漸次減少する領域
    を有する中間層を1層以上配設したことを特徴とする複
    合構造体。
  2. 【請求項2】 前記結晶粒子が周期律表4a、5a、6
    a族金属の群から選ばれる1種以上の金属元素(M)の
    炭化物、窒化物および炭窒化物、ダイヤモンド、立方晶
    窒化硼素のうちの1種以上の硬質粒子からなることを特
    徴とする請求項1記載の複合構造体。
  3. 【請求項3】 前記結合相が鉄族金属からなることを特
    徴とする請求項1または2記載の複合構造体。
  4. 【請求項4】 前記中間層が芯材と表皮部材に含有され
    る結晶粒子とは異なる周期律表4a、5a、6a族金
    属、SiおよびAlの群から選ばれる金属元素を含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の複
    合構造体。
  5. 【請求項5】 前記中間層が前記結合金属を含有する芯
    材および/または表皮部材中に副成分として含有される
    周期律表4a、5a、6a族金属の群から選ばれる金属
    元素を主成分として含有することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか記載の複合構造体。
  6. 【請求項6】 前記中間層を構成する粒子の平均粒径が
    前記結合相を含有する芯材および/または表皮部材を構
    成する結晶粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか記載の複合構造体。
  7. 【請求項7】 前記芯材および/または表皮部材と前記
    中間層との界面に、前記芯材および/または表皮部材に
    含有される金属成分と前記中間層に含有される金属成分
    との複合化合物(炭化物、複合窒化物および複合炭窒化
    物のいずれか1種)が存在することを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれか記載の複合構造体。
  8. 【請求項8】 前記中間層の平均厚みD1と前記表皮部
    材の平均厚みD2との比(D1/D2)が0.01〜0.
    5であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記
    載の複合構造体。
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