JP2004232001A - 複合硬質焼結体およびこれを用いた複合部材、切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐欠損性および耐摩耗性を備えた複合硬質焼結体およびこれを用いた切削工具を提供することである。
【解決手段】炭化タングステン粒子および周期律表第4a、5a、6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物からなるB1がた固溶体相の硬質結晶粒子を鉄族金属からなる結合金属相にて結合した硬質焼結体からなる長尺状の芯材12の外周面を、芯材12とは異なる材質の被覆層13によって被覆してなり、芯材12のB1型固溶体相中にZrを含有することにより、表面近傍に芯材12の中心よりも結合金属濃度が高い結合金属相富化領域xを形成し、特に芯材12の中心部の結合金属濃度Dcに対する芯材12の界面付近の結合金属濃度Dsの比率Ds/Dcが1.05以上とする。
【選択図】 図2
【解決手段】炭化タングステン粒子および周期律表第4a、5a、6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物からなるB1がた固溶体相の硬質結晶粒子を鉄族金属からなる結合金属相にて結合した硬質焼結体からなる長尺状の芯材12の外周面を、芯材12とは異なる材質の被覆層13によって被覆してなり、芯材12のB1型固溶体相中にZrを含有することにより、表面近傍に芯材12の中心よりも結合金属濃度が高い結合金属相富化領域xを形成し、特に芯材12の中心部の結合金属濃度Dcに対する芯材12の界面付近の結合金属濃度Dsの比率Ds/Dcが1.05以上とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺状の芯材が被覆層で被覆された複合硬質焼結体およびこれが複数本収束された構造を有する複合部材と、これを用いた切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、材料の硬度および強度とともに靱性を改善するために、金属の酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物等の焼結体で形成される長尺状の芯材の外周面を他の焼結体からなる被覆層で被覆した複合硬質焼結体の研究がなされ、例えば、特許文献1〜3にて提案されている。これらに記載された複合硬質焼結体は、硬度を低下することなく、構造体の破壊抵抗を増大して靭性を高められることが記載されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許6063502号明細書
【特許文献2】
米国特許5645781号明細書
【特許文献3】
特表2001−506930号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載されるような従来の複合硬質焼結体では、例えばドリル、エンドミル、フライス等の高い衝撃がかかる切削工具等に対しては、必要とされる充分な耐摩耗性または耐欠損性が得られないことがあった。その原因として、芯材および/または被覆層中に液相を出現させ最終的に結合金属相となる成分が存在する場合には、液相が焼成中に芯材および被覆層間を拡散してしまい、芯材と被覆層が同じ特性となって靭性向上効果がなくなる場合があった。また、芯材と被覆層との焼結温度が大きく異なる場合には、焼結温度の低い側から高い側に液相成分が移動してしまい焼結温度の低い側は緻密化できず、多量の空孔(ボイド)が残存する等の問題もあった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上記長尺状の芯材が被覆層で被覆された複合硬質焼結体およびこれが複数本集束された構造を有する複合部材において芯材と被覆層をともに緻密化できるとともに、芯材と被覆層の特性を容易に制御でき、さらに優れた耐欠損性および耐摩耗性を備えた複合硬質焼結体およびこれを用いた複合部材、さらにはこれを利用した切削工具を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭化タングステン粒子および少なくとも1種類のB1型固溶体相を結合金属相にて結合した超硬合金からなる芯材にある一定量のZrを含有することにより、該芯材の表面近傍において結合金属相の含有量の多い富化領域を形成することによって、芯材と被覆層間で起こる結合金属相の不要な移動を防止して芯材と被覆層とをともに所望の結合金属相量および特性に制御することができる結果、複合構造体の芯材および被覆層を最適な組成、特性に制御でき、これを切削工具として用いると、工具の耐欠損性および耐摩耗性が大幅に改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の複合硬質焼結体は、炭化タングステン粒子と少なくとも1種類のB1型固溶体相をCoおよび/またはNiの結合金属相にて結合した超硬合金からなる長尺状の芯材であり、その外周面を該芯材とは異なる材質の被覆層によって被覆されており、前記芯材のB1型固溶体相中にZrを含有することにより芯材表面近傍に前記芯材の中心よりも結合金属濃度が高い結合金属富化領域を有することを特徴とする。このように、芯材超硬合金中のB1型固溶体相中にZrを所定量含有することにより、芯材中の結合金属の拡散速度を遅くすることができて適度な結合金属の拡散を生じせしめることができる結果、その表面近傍において被覆層との密着性を改善する結合金属富化領域が形成される。
【0008】
この結合金属富化層が存在することによって、被覆層と芯材間の結合金属相の拡散を適度に抑制する力が働き本来複合硬質焼結体の耐摩耗性を担う芯材部に十分な靭性を付与し複合硬質焼結体全体の耐欠損性が著しく向上するとともに、芯材の表面近傍に存在する結合金属富化領域の結合金属相の拡散によって芯材と被覆する被覆層が優れた密着力を有する。
【0009】
特に、前記芯材のB1型固溶体相中に含有されるZrとして結合金属に対して1〜5mol%であることが望ましく、1mol%以下では結合金属富化層を形成するのに十分ではなく、5mol%以上では超硬合金の焼結性に悪影響を及ぼす。望ましくは1〜3mol%であるのがよい。
【0010】
さらに、前記芯材の中心部の結合金属濃度Dcに対する芯材の前記被覆層との界面付近における結合金属濃度Dsの比率Ds/Dcが1.05以上であることが望ましい。
【0011】
したがって、本発明の複合硬質焼結体では、前記芯材および被覆層が、いずれも炭化タングステン粒子を結合金属相にて結合した超硬合金からなり、前記被覆層中の結合金属相の含有量が前記芯材中心部の結合金属の含有量よりも高いことが、特にマルチフィラメント構造の複合構造体とした場合、全周方向に隣接する焼結体間に連続的に結合金属の濃度勾配が生じて、複合硬質焼結体全体としての耐欠損性が非常に優れる点で好ましい。
【0012】
また、本発明によれば、上記の複合硬質焼結体は、1本の芯材の外周を被覆層で被覆した構造のシングルフィラメントであってもよいが、このシングルフィラメントを複数本集束させた構造のマルチフィラメント構造からなる複合部材であってもよい。
【0013】
なお、上記複合硬質焼結体からなるシングルフィラメント構造は、芯材/被覆層の選択材料によって耐欠損性および耐摩耗性を向上させることができ、構造上特に穴あけ用のドリル等の一方向のみに応力がかかるような切削工具に有用である。
【0014】
他方、複数の複合硬質焼結体を束ねたマルチフィラメント構造は、全周方向に隣接する焼結体間に連続的に結合金属の濃度勾配が生じるため、芯材と被覆層の分布が平均化して局所的な特性バラツキがならされるため、構造体全体としての特性が安定する結果、耐欠損性が著しく向上し、また選択材料の結合金属量および硬質相の粒径を制御することにより耐摩耗性の向上も容易にはかることが出来る。このため、マルチフィラメント構造は、ドリルの他、フライス切削やエンドミル等の幅広い切削工具に有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複合硬質焼結体の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の複合硬質焼結体11を示す斜視図である。同図に示すように、複合硬質焼結体11は、長尺状の芯材12の外周面が被覆層13で被覆された構造を有している。
【0016】
そして、この芯材12は、炭化タングステン粒子を結合金属相にて結合した硬質焼結体からなり、被覆層13は、この芯材12とは異なる材質から構成されている。
(芯材材質)
この芯材12を形成する硬質焼結体は、具体的には、炭化タングステン粒子と、周期律表第4a,5a,6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物、具体的には、WC、TiC、TiCN、TiN、TaC、NbC、ZrC、ZrN、VC、Cr2CおよびMo2Cからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられるB1型固溶体相からなる硬質粒子をCoおよび/またはNiの結合金属相にて結合した超硬合金である。本発明においては、B1型固溶体相としてZrCまたはZrNを必須として含有する。芯材中における硬質粒子は、平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは0.5〜2μm、特に0.5〜1.0μmであるのがよい。
【0017】
この超硬合金における前記硬質粒子は、80〜95質量%、結合金属相は5〜20質量%の割合で存在することが、耐摩耗性を高める上で有効である。
【0018】
一方、被覆層13は、金属単体、芯材12と組成の異なる超硬合金うちのいずれかからなるものである。
【0019】
金属単体としては、上記の芯材12用として例示したものと同様のものを使用することができる。例えばFe、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのうち、特にCoおよび/またはNiを主成分とするのが好ましい
なお、被覆層13が超硬合金からなる場合、硬質結晶粒子は、複合硬質焼結体に期待する性能によって異なるが、例えば切削工具として最適な特性を達成するためには平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは1〜3μmであるのがよい。(富化層)
本発明によれば、図2の複合硬質焼結体の(a)要部拡大断面図および(b)A−A断面における結合金属相の金属の濃度分布図に示されるように、上記芯材12の表面近傍に、芯材12の中心よりも結合金属相の濃度が高い結合金属相富化領域xが存在することが大きな特徴である。このように、芯材12の被覆層13との界面近傍に結合金属相富化領域xが存在することによって、被覆層13と芯材12間の結合金属相の拡散を適度に抑制する力が働く結果、本来複合硬質焼結体11の耐摩耗性を担う芯材12に十分な靭性を付与し複合硬質焼結体11全体の耐欠損性が著しく向上するとともに、結合金属相富化領域xの結合金属相の拡散によって芯材12と被覆する被覆層13が優れた密着力を有する。
【0020】
ここで、図2(b)の結合金属相の金属の濃度分布は、複合硬質焼結体断面を波長分散型X線マイクロアナリシスによる線分析を行うことによって判定することができる。本発明における複合硬質焼結体においては、図2(b)に示すように、芯材12中心から界面に向かって結合金属相の金属が濃度勾配を有しており、界面近傍、すなわち被覆層13と接触する界面直下の領域に結合金属相が富化した領域を有する。
【0021】
なお、上記結合金属相富化領域xにおける結合金属相の金属濃度の最大値Dsと、芯材12中心部における結合金属相の金属濃度Dcとは、濃度比率(Ds/Dc)が1.05以上、特に1.1以上、さらに1.2以上であることによって優れた効果が発揮される。
【0022】
また、被覆層13においては、その材質により結合金属量は変化し、例えば、被覆層13を芯材12中の結合金属相と同じ金属によって形成した場合、結合相金属量は芯材12の内部から被覆層13との界面に向かって増加した後、この界面から被覆層13の表面側に向かって結合金属量がさらに増加する。
【0023】
また、被覆層13として芯材12と同様の硬質結晶粒子と結合金属相からなる硬質焼結体によって形成した場合、結合金属量は芯材12の内部から被覆層13との界面に向かって増加した後界面付近で一旦減少して被覆層13中の結合金属の含有量に収束する。
【0024】
なお、本発明においては、結合金属相富化領域xにおいては、いわゆる脱β層(超硬合金の表面近傍にてB1型固溶体の濃度が減少した領域)は必ずしもなくてもよい。
【0025】
なお、複合硬質焼結体11を構成する芯材12の直径dcの被覆層13の厚さdsに対する比率dc/dsは用途によって異なるが、切削工具に使用する際には、5〜100、好ましくは10〜50、より好ましくは20〜30であるのがよい。特に、芯材12の直径は、その用途に応じて適宜設定されるが、切削工具に用いる場合には、5〜50μm、特に10〜30μmが適当である。
【0026】
また、本発明によれば、図3の斜視図に示されるように、(a)複合硬質焼結体11を複数本集束した複合部材15a、(b)複合硬質焼結体11または集束された複合硬質焼結体を複数本配列してシート化した複合部材15b、さらに(c)このシート化した複合部材15bを複数枚積層した複合部材15cなどが挙げられる。複合部材15cの場合、(d)に示すように、上下のシートの向きを変えることも可能である。
(製法)
次に、本発明の複合硬質焼結体11の製造方法について図4の工程図を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、芯材12および被覆層13がともに硬質焼結体からなる場合を例に挙げて説明する。
<芯材用成形体の成形工程>
まず、平均粒径が0.1〜1.5μmの前記硬質粒子80〜95質量%、好ましくは85〜90質量%と、平均粒径が0.5〜3μmの結合金属粉末5〜20質量%、好ましくは5〜10質量%とを混合し、必要に応じて、さらにこの混合物に焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤、分散剤、滑剤等を添加して混練した後、得られた混合物をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により円柱形状に成形して芯材用成形体12aを作製する(図4(a)参照)。ここで、後述する共押出成形によって均質な複合成形体を得るためには、前記有機バインダの添加量を30〜70体積%、特に40〜60体積%とするのが望ましい。
【0027】
有機バインダ、可塑剤としては、パラフィンワックス、セルロース、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン‐エチルアクリレート、エチレン‐ビニルアセテート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート等を使用することができる。溶剤、分散剤および滑剤としてはポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ミネラルオイル、ブチルオリエート、ステアリン酸等を使用することができる。
<被覆層用成形体の成形工程>
また、被覆層13を、芯材12と同様の超硬合金によって形成する場合、平均粒径が1〜10μmの前述した硬質粒子85〜95質量%、好ましくは90〜95質量%と、平均粒径が1〜5μm程度の結合金属粉末5〜15質量%、好ましくは10〜15質量%とを混合して混合物を得、必要に応じて、さらにこの混合物に上記した焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加し、得られた混合物をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により半割円筒形状に成形して2つの被覆層用成形体13a、13aを作製する(図4(b)参照)。
【0028】
さらに、被覆層13を金属によって形成する場合、平均粒径が1〜10μmの金属粉末をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により半割円筒形状に成形して2つの被覆層用成形体13a、13aを作製する。
【0029】
その後、上記のようにして得られた芯材用成形体12aの外周面を被覆層用成形体13a、13aによって覆うように配置して複合成形体11aを作製する(図4(c)参照)。
(共押出成形工程)
ついで、図4(d)に示すように、押出機100を用いて、上記複合成形体11aを押出成形(芯材用成形体12aと被覆層用成形体13a,13aを同時に押出す共押出成形)することによって、芯材用成形体12aの周囲に被覆層用成形体13aが被覆され、細い径に伸延された複合成形体11bを作製する。このとき、複合成形体11bの断面は、押出機100の出口形状を変えることによって、円形の他、三角形、四角形、五角形、六角形、楕円形等の任意形状に成形することもできる。
【0030】
なお、上記共押出成形において、複合成形体11aの最大径D1と共押出成形後の複合成形体11bの最大径D2との比率D2/D1は、0.02〜0.2が適当である。
【0031】
また、本発明によれば、図3に示したような、複合硬質焼結体11を束ねた複合部材、いわゆるマルチフィラメント構造を有する複合部材を形成する場合には、前述のようにして作製した複合成形体11bを束ねて集束成形体14(図5(a)参照)を形成する。その場合、複合成形体11b間に上記バインダなどの接着材を介在させ、さらに、この集束成形体14にCIPなどによって圧力を印加するものであってもよいが、必要に応じ、集束成形体14を図5(a)に示すように、押出成形して、集束成形体14を細い径に伸延することもできる。この方法によれば、成形体中の複合構造体同士のより強固な密着性を得ることもできる。
【0032】
さらには、図3(b)(c)(d)に従い、複合成形体11bまたは集束成形体14を平面方向に複数本配列してシート化することも、またそのシートを積層することも可能である。シートを積層する場合、各複合成形体11bの軸方向をシート間で任意の角度(例えば0°、45°、90°等)に変化させて積層することも可能である。その場合、図5(b)に示すように、シート単体やシート積層体からなる複合成形体14をロール16によって圧延することもできる。
【0033】
上記のようにして得られた複合成形体11bや集束成形体14は、さらに公知のラピッドプロトダイビング法等の成形方法によって任意の形状に成形することも可能である。また、上記したシートまたはこのシートを断面方向にスライスしたものを従来の超硬合金等の硬質焼結体の表面に貼り合わせ、または接合することも可能である。
(焼成工程)
ついで、上記各種の複合成形体11、集束成形体14を300〜700℃で10〜200時間昇温または保持して脱バインダ処理した後、真空中または不活性雰囲気中において、使用する材質に応じた所定温度および所定時間で焼成することにより、図1に示すようなシングルフィラメント構造の複合硬質焼結体11または図3のマルチフィラメント構造の複合部材15を作製することができる。
【0034】
特に、芯材12を炭化タングステン粒子および周期律表第4a,5a,6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物からなる硬質粒子と、鉄族金属からなる結合金属相によって形成するため、Ar、N2または真空雰囲気中で1300〜1600℃で0.5〜2時間程度焼成することが望ましい。
【0035】
また、芯材と被覆層とは、上記のように同時焼成されることから、芯材を形成する材料と被覆層を形成する材料の各最適焼成温度が100℃以内の焼成温度が近似した材質からなることが望ましい。
【0036】
なお、本発明において、上記芯材12の被覆層13との界面に結合金属相富化領域xを付与する手段としては、芯材超硬合金のB1型固溶体相としてZrを望ましくは結合相金属の1〜5mol%含有させ、通常の焼成条件に加えて結合金属が液化する温度付近すなわち1200〜1300℃における昇温速度を5℃/min以下にすることにより得られる。この方法では従来のTiNやTiCNなどの窒化物および/または炭窒化物を添加して焼結中に上記窒化物または炭窒化物中の窒素成分が表面に拡散、移動する脱窒現象に伴い結合金属相の金属を表面に拡散移行する、いわゆる脱β層の形成機構と比較して、結合金属富化層における結合金属濃度勾配が緩やかになることによって、芯材と被覆層の密着力をより向上させることが出来る。
【0037】
本発明の複合硬質焼結体は、耐欠損性および耐摩耗性に優れているので、例えばドリル、フライス、エンドミル、ドリルビット等の切削工具等の材料として使用した場合であっても、充分な耐欠損性および耐摩耗性が得られる。
【0038】
特に略円柱状で耐衝撃性が要求されるフライス、エンドミルの材料として好適である。この場合、エンドミル工具としては、図3(a)のように複合硬質焼結体を集束させた円柱状の複合部材15aを用いて形成され、エンドミルの長手方向と複合硬質焼結体の長手方向とが平行になるようにして用いられる。さらに、フライス工具としては図1のシングルフィラメントあるいは図3(a)のマルチフィラメントを図3(c)や(d)のように配列し成形することにより製造するすることが出来る。
【0039】
【実施例】
実施例1〜4、比較例1、2
平均粒径が0.7〜0.9μmの金属炭化物、窒化物、平均粒径が1.0〜2.0μmのCo粉末、表1に示す組成物からなる芯材および被覆層の組み合わせにおいて複合硬質焼結体を以下の手順で作製した。
【0040】
まず、表1に示した調合組成において芯材用および被覆層用の原料粉末を秤量混合し、これに有機バインダ(セルロースおよびポリエチレングリコール)30体積%と溶剤(ポリビニルアルコール)20体積%の割合で添加して混合物を得た。この混合物を芯部材については直径が20mmの円柱形状に押出成形して図4(a)に示すような芯材用成形体12aを作製した。
【0041】
ついで、被覆層用の混合物を半割円筒形状に押出成形して図4(b)に示すような厚みが1mmの被覆層用成形体13aを2つ作製した。得られた2つの被覆層用成形体13a,13aを上記芯材用成形体12aの外周面を覆うように配置して、図4(c)に示すような複合成形体11aを作製した。
【0042】
ついで、この複合成形体11aを共押出成形して、図4(d)に示すような伸延された直径が1mmの複合成形体11bを作製した。
【0043】
さらに複合成形体11bを380本集束して集束成形体14を得、この集束成形体14を図5(a)に示すように、上記した押出成形工程と同様にして再度共押出成形して図3(a)に示すようなマルチフィラメント構造の複合部材15aを得た。これを図3(d)に示すように配列し従来のプレス成形をもちいてSDK42の形状の成形体15cを得た。この際マルチフィラメント構造の複合部材15中の単一構造体セル径は約30μmであった。
【0044】
ついで、成形体を300〜700℃まで72時間で昇温させることによって脱バインダ処理を行った後、昇温速度2.5℃/分でさらに昇温し、真空中、1500℃で2時間焼成し、さらに3℃/分で降温することにより、15cに示す配列のSDK42形状の複合部材を作製した。
【0045】
得られた複合部材15cを厚み、サラエ刃、C面加工し、さらにこの表面に2μmのTiN膜をPVD法によりコーティングすることによりSDK42フライス工具を得た。
【0046】
【表1】
【0047】
比較例3
平均粒径1μmのWC粉末を90質量%、平均粒径1.5μmのCo粉末を10質量%の割合で秤量混合し、これに有機バインダ(パラフィンワックス)を15体積%の割合で添加して、円柱形状に圧粉成形し、これを実施例1と同様の条件で焼成して硬質焼結体を得た。この硬質焼結体から実施例1と同様にしてSDK42フライス工具を得た。
【0048】
実施例1〜3および比較例1〜3で得たチップの芯部材の結合金属相の金属濃度を波長分散型X線マイクロアナリシスの線分析を行い、結合金属富化領域の有無およびDs/Dcの値を測定した。
【0049】
また、実施例1〜3および比較例1〜3で得た各フライス工具を取り付けたNCマシニングセンタを用いて、下記条件にて、ワーク(鋼種:SKD11)を10min加工し、加工後のチップの刃先を顕微鏡で観察し、切れ刃の摩耗幅および境界損傷の有無の程度をそれぞれ調べた。結合相金属含有量分析結果および観察結果を表2に示す。
(フライス条件)
ワーク:SKD11
速度:v=200m/分
送り:f=0.2mm/刃
切り込み:d=2mm
【0050】
【表2】
【0051】
表2の結果から、芯材の被覆層との界面近傍に結合金属富化領域を有する実施例1〜3については十分な耐摩耗性を有しており、境界損傷に対して優れた性能を示した。特に、実施例1〜3については被覆層中の結合相金属含有量が芯材中の結合相金属含有量よりも多いマルチフィラメント構造の構造体であり、いずれも構造体の靭性が高くチップの境界損傷が発生しにくいものであった。
【0052】
これに対し芯材表面部の結合相金属富化領域を形成していない比較例1、および単一の材質からなる比較例3には折損やチッピングが生じ、耐摩耗性についても劣る結果であった。また、芯材中にZrを含有しない比較例2については結合相金属富化領域の硬度が著しく低下したため耐摩耗性が悪いものであった。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、硬質結晶粒子を結合金属相にて結合した硬質焼結体からなる長尺状の芯材中のB1型固溶体相にZrを含有しており、かつこの芯材の被覆層との界面近傍に芯材の中心よりも結合金属濃度が高い結合金属富化領域を形成することによって、被覆層と芯材間の結合金属相の拡散を適度に抑制し、耐摩耗性を担う芯材に十分な靭性を付与することができる結果、複合硬質焼結体全体の耐欠損性が著しく向上するとともに、結合金属富化領域の結合金属相の拡散によって芯材と被覆層との密着性を高めることができ、優れた耐欠損性および耐摩耗性を備えた複合硬質焼結体を得ることができる。したがって、この複合硬質焼結体を切削工具として用いることによって、耐摩耗性が良好で、しかも欠損が生じにくく、耐久性に優れた切削工具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合硬質焼結体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2の複合硬質焼結体の(a)要部拡大断面図および(b)A−A断面における結合金属相の金属の濃度分布図である。
【図3】本発明の複合部材の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の複合硬質焼結体の製造方法を説明するための工程図である。
【図5】本発明の複合部材の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
11 複合硬質焼結体(シングルフィラメント構造)
12 芯材
13 被覆層
14 結合金属富化領域
15 複合部材(マルチフィラメント構造)
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺状の芯材が被覆層で被覆された複合硬質焼結体およびこれが複数本収束された構造を有する複合部材と、これを用いた切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、材料の硬度および強度とともに靱性を改善するために、金属の酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物等の焼結体で形成される長尺状の芯材の外周面を他の焼結体からなる被覆層で被覆した複合硬質焼結体の研究がなされ、例えば、特許文献1〜3にて提案されている。これらに記載された複合硬質焼結体は、硬度を低下することなく、構造体の破壊抵抗を増大して靭性を高められることが記載されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許6063502号明細書
【特許文献2】
米国特許5645781号明細書
【特許文献3】
特表2001−506930号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載されるような従来の複合硬質焼結体では、例えばドリル、エンドミル、フライス等の高い衝撃がかかる切削工具等に対しては、必要とされる充分な耐摩耗性または耐欠損性が得られないことがあった。その原因として、芯材および/または被覆層中に液相を出現させ最終的に結合金属相となる成分が存在する場合には、液相が焼成中に芯材および被覆層間を拡散してしまい、芯材と被覆層が同じ特性となって靭性向上効果がなくなる場合があった。また、芯材と被覆層との焼結温度が大きく異なる場合には、焼結温度の低い側から高い側に液相成分が移動してしまい焼結温度の低い側は緻密化できず、多量の空孔(ボイド)が残存する等の問題もあった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上記長尺状の芯材が被覆層で被覆された複合硬質焼結体およびこれが複数本集束された構造を有する複合部材において芯材と被覆層をともに緻密化できるとともに、芯材と被覆層の特性を容易に制御でき、さらに優れた耐欠損性および耐摩耗性を備えた複合硬質焼結体およびこれを用いた複合部材、さらにはこれを利用した切削工具を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭化タングステン粒子および少なくとも1種類のB1型固溶体相を結合金属相にて結合した超硬合金からなる芯材にある一定量のZrを含有することにより、該芯材の表面近傍において結合金属相の含有量の多い富化領域を形成することによって、芯材と被覆層間で起こる結合金属相の不要な移動を防止して芯材と被覆層とをともに所望の結合金属相量および特性に制御することができる結果、複合構造体の芯材および被覆層を最適な組成、特性に制御でき、これを切削工具として用いると、工具の耐欠損性および耐摩耗性が大幅に改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の複合硬質焼結体は、炭化タングステン粒子と少なくとも1種類のB1型固溶体相をCoおよび/またはNiの結合金属相にて結合した超硬合金からなる長尺状の芯材であり、その外周面を該芯材とは異なる材質の被覆層によって被覆されており、前記芯材のB1型固溶体相中にZrを含有することにより芯材表面近傍に前記芯材の中心よりも結合金属濃度が高い結合金属富化領域を有することを特徴とする。このように、芯材超硬合金中のB1型固溶体相中にZrを所定量含有することにより、芯材中の結合金属の拡散速度を遅くすることができて適度な結合金属の拡散を生じせしめることができる結果、その表面近傍において被覆層との密着性を改善する結合金属富化領域が形成される。
【0008】
この結合金属富化層が存在することによって、被覆層と芯材間の結合金属相の拡散を適度に抑制する力が働き本来複合硬質焼結体の耐摩耗性を担う芯材部に十分な靭性を付与し複合硬質焼結体全体の耐欠損性が著しく向上するとともに、芯材の表面近傍に存在する結合金属富化領域の結合金属相の拡散によって芯材と被覆する被覆層が優れた密着力を有する。
【0009】
特に、前記芯材のB1型固溶体相中に含有されるZrとして結合金属に対して1〜5mol%であることが望ましく、1mol%以下では結合金属富化層を形成するのに十分ではなく、5mol%以上では超硬合金の焼結性に悪影響を及ぼす。望ましくは1〜3mol%であるのがよい。
【0010】
さらに、前記芯材の中心部の結合金属濃度Dcに対する芯材の前記被覆層との界面付近における結合金属濃度Dsの比率Ds/Dcが1.05以上であることが望ましい。
【0011】
したがって、本発明の複合硬質焼結体では、前記芯材および被覆層が、いずれも炭化タングステン粒子を結合金属相にて結合した超硬合金からなり、前記被覆層中の結合金属相の含有量が前記芯材中心部の結合金属の含有量よりも高いことが、特にマルチフィラメント構造の複合構造体とした場合、全周方向に隣接する焼結体間に連続的に結合金属の濃度勾配が生じて、複合硬質焼結体全体としての耐欠損性が非常に優れる点で好ましい。
【0012】
また、本発明によれば、上記の複合硬質焼結体は、1本の芯材の外周を被覆層で被覆した構造のシングルフィラメントであってもよいが、このシングルフィラメントを複数本集束させた構造のマルチフィラメント構造からなる複合部材であってもよい。
【0013】
なお、上記複合硬質焼結体からなるシングルフィラメント構造は、芯材/被覆層の選択材料によって耐欠損性および耐摩耗性を向上させることができ、構造上特に穴あけ用のドリル等の一方向のみに応力がかかるような切削工具に有用である。
【0014】
他方、複数の複合硬質焼結体を束ねたマルチフィラメント構造は、全周方向に隣接する焼結体間に連続的に結合金属の濃度勾配が生じるため、芯材と被覆層の分布が平均化して局所的な特性バラツキがならされるため、構造体全体としての特性が安定する結果、耐欠損性が著しく向上し、また選択材料の結合金属量および硬質相の粒径を制御することにより耐摩耗性の向上も容易にはかることが出来る。このため、マルチフィラメント構造は、ドリルの他、フライス切削やエンドミル等の幅広い切削工具に有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複合硬質焼結体の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の複合硬質焼結体11を示す斜視図である。同図に示すように、複合硬質焼結体11は、長尺状の芯材12の外周面が被覆層13で被覆された構造を有している。
【0016】
そして、この芯材12は、炭化タングステン粒子を結合金属相にて結合した硬質焼結体からなり、被覆層13は、この芯材12とは異なる材質から構成されている。
(芯材材質)
この芯材12を形成する硬質焼結体は、具体的には、炭化タングステン粒子と、周期律表第4a,5a,6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物、具体的には、WC、TiC、TiCN、TiN、TaC、NbC、ZrC、ZrN、VC、Cr2CおよびMo2Cからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられるB1型固溶体相からなる硬質粒子をCoおよび/またはNiの結合金属相にて結合した超硬合金である。本発明においては、B1型固溶体相としてZrCまたはZrNを必須として含有する。芯材中における硬質粒子は、平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは0.5〜2μm、特に0.5〜1.0μmであるのがよい。
【0017】
この超硬合金における前記硬質粒子は、80〜95質量%、結合金属相は5〜20質量%の割合で存在することが、耐摩耗性を高める上で有効である。
【0018】
一方、被覆層13は、金属単体、芯材12と組成の異なる超硬合金うちのいずれかからなるものである。
【0019】
金属単体としては、上記の芯材12用として例示したものと同様のものを使用することができる。例えばFe、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのうち、特にCoおよび/またはNiを主成分とするのが好ましい
なお、被覆層13が超硬合金からなる場合、硬質結晶粒子は、複合硬質焼結体に期待する性能によって異なるが、例えば切削工具として最適な特性を達成するためには平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは1〜3μmであるのがよい。(富化層)
本発明によれば、図2の複合硬質焼結体の(a)要部拡大断面図および(b)A−A断面における結合金属相の金属の濃度分布図に示されるように、上記芯材12の表面近傍に、芯材12の中心よりも結合金属相の濃度が高い結合金属相富化領域xが存在することが大きな特徴である。このように、芯材12の被覆層13との界面近傍に結合金属相富化領域xが存在することによって、被覆層13と芯材12間の結合金属相の拡散を適度に抑制する力が働く結果、本来複合硬質焼結体11の耐摩耗性を担う芯材12に十分な靭性を付与し複合硬質焼結体11全体の耐欠損性が著しく向上するとともに、結合金属相富化領域xの結合金属相の拡散によって芯材12と被覆する被覆層13が優れた密着力を有する。
【0020】
ここで、図2(b)の結合金属相の金属の濃度分布は、複合硬質焼結体断面を波長分散型X線マイクロアナリシスによる線分析を行うことによって判定することができる。本発明における複合硬質焼結体においては、図2(b)に示すように、芯材12中心から界面に向かって結合金属相の金属が濃度勾配を有しており、界面近傍、すなわち被覆層13と接触する界面直下の領域に結合金属相が富化した領域を有する。
【0021】
なお、上記結合金属相富化領域xにおける結合金属相の金属濃度の最大値Dsと、芯材12中心部における結合金属相の金属濃度Dcとは、濃度比率(Ds/Dc)が1.05以上、特に1.1以上、さらに1.2以上であることによって優れた効果が発揮される。
【0022】
また、被覆層13においては、その材質により結合金属量は変化し、例えば、被覆層13を芯材12中の結合金属相と同じ金属によって形成した場合、結合相金属量は芯材12の内部から被覆層13との界面に向かって増加した後、この界面から被覆層13の表面側に向かって結合金属量がさらに増加する。
【0023】
また、被覆層13として芯材12と同様の硬質結晶粒子と結合金属相からなる硬質焼結体によって形成した場合、結合金属量は芯材12の内部から被覆層13との界面に向かって増加した後界面付近で一旦減少して被覆層13中の結合金属の含有量に収束する。
【0024】
なお、本発明においては、結合金属相富化領域xにおいては、いわゆる脱β層(超硬合金の表面近傍にてB1型固溶体の濃度が減少した領域)は必ずしもなくてもよい。
【0025】
なお、複合硬質焼結体11を構成する芯材12の直径dcの被覆層13の厚さdsに対する比率dc/dsは用途によって異なるが、切削工具に使用する際には、5〜100、好ましくは10〜50、より好ましくは20〜30であるのがよい。特に、芯材12の直径は、その用途に応じて適宜設定されるが、切削工具に用いる場合には、5〜50μm、特に10〜30μmが適当である。
【0026】
また、本発明によれば、図3の斜視図に示されるように、(a)複合硬質焼結体11を複数本集束した複合部材15a、(b)複合硬質焼結体11または集束された複合硬質焼結体を複数本配列してシート化した複合部材15b、さらに(c)このシート化した複合部材15bを複数枚積層した複合部材15cなどが挙げられる。複合部材15cの場合、(d)に示すように、上下のシートの向きを変えることも可能である。
(製法)
次に、本発明の複合硬質焼結体11の製造方法について図4の工程図を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、芯材12および被覆層13がともに硬質焼結体からなる場合を例に挙げて説明する。
<芯材用成形体の成形工程>
まず、平均粒径が0.1〜1.5μmの前記硬質粒子80〜95質量%、好ましくは85〜90質量%と、平均粒径が0.5〜3μmの結合金属粉末5〜20質量%、好ましくは5〜10質量%とを混合し、必要に応じて、さらにこの混合物に焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤、分散剤、滑剤等を添加して混練した後、得られた混合物をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により円柱形状に成形して芯材用成形体12aを作製する(図4(a)参照)。ここで、後述する共押出成形によって均質な複合成形体を得るためには、前記有機バインダの添加量を30〜70体積%、特に40〜60体積%とするのが望ましい。
【0027】
有機バインダ、可塑剤としては、パラフィンワックス、セルロース、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン‐エチルアクリレート、エチレン‐ビニルアセテート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート等を使用することができる。溶剤、分散剤および滑剤としてはポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ミネラルオイル、ブチルオリエート、ステアリン酸等を使用することができる。
<被覆層用成形体の成形工程>
また、被覆層13を、芯材12と同様の超硬合金によって形成する場合、平均粒径が1〜10μmの前述した硬質粒子85〜95質量%、好ましくは90〜95質量%と、平均粒径が1〜5μm程度の結合金属粉末5〜15質量%、好ましくは10〜15質量%とを混合して混合物を得、必要に応じて、さらにこの混合物に上記した焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加し、得られた混合物をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により半割円筒形状に成形して2つの被覆層用成形体13a、13aを作製する(図4(b)参照)。
【0028】
さらに、被覆層13を金属によって形成する場合、平均粒径が1〜10μmの金属粉末をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により半割円筒形状に成形して2つの被覆層用成形体13a、13aを作製する。
【0029】
その後、上記のようにして得られた芯材用成形体12aの外周面を被覆層用成形体13a、13aによって覆うように配置して複合成形体11aを作製する(図4(c)参照)。
(共押出成形工程)
ついで、図4(d)に示すように、押出機100を用いて、上記複合成形体11aを押出成形(芯材用成形体12aと被覆層用成形体13a,13aを同時に押出す共押出成形)することによって、芯材用成形体12aの周囲に被覆層用成形体13aが被覆され、細い径に伸延された複合成形体11bを作製する。このとき、複合成形体11bの断面は、押出機100の出口形状を変えることによって、円形の他、三角形、四角形、五角形、六角形、楕円形等の任意形状に成形することもできる。
【0030】
なお、上記共押出成形において、複合成形体11aの最大径D1と共押出成形後の複合成形体11bの最大径D2との比率D2/D1は、0.02〜0.2が適当である。
【0031】
また、本発明によれば、図3に示したような、複合硬質焼結体11を束ねた複合部材、いわゆるマルチフィラメント構造を有する複合部材を形成する場合には、前述のようにして作製した複合成形体11bを束ねて集束成形体14(図5(a)参照)を形成する。その場合、複合成形体11b間に上記バインダなどの接着材を介在させ、さらに、この集束成形体14にCIPなどによって圧力を印加するものであってもよいが、必要に応じ、集束成形体14を図5(a)に示すように、押出成形して、集束成形体14を細い径に伸延することもできる。この方法によれば、成形体中の複合構造体同士のより強固な密着性を得ることもできる。
【0032】
さらには、図3(b)(c)(d)に従い、複合成形体11bまたは集束成形体14を平面方向に複数本配列してシート化することも、またそのシートを積層することも可能である。シートを積層する場合、各複合成形体11bの軸方向をシート間で任意の角度(例えば0°、45°、90°等)に変化させて積層することも可能である。その場合、図5(b)に示すように、シート単体やシート積層体からなる複合成形体14をロール16によって圧延することもできる。
【0033】
上記のようにして得られた複合成形体11bや集束成形体14は、さらに公知のラピッドプロトダイビング法等の成形方法によって任意の形状に成形することも可能である。また、上記したシートまたはこのシートを断面方向にスライスしたものを従来の超硬合金等の硬質焼結体の表面に貼り合わせ、または接合することも可能である。
(焼成工程)
ついで、上記各種の複合成形体11、集束成形体14を300〜700℃で10〜200時間昇温または保持して脱バインダ処理した後、真空中または不活性雰囲気中において、使用する材質に応じた所定温度および所定時間で焼成することにより、図1に示すようなシングルフィラメント構造の複合硬質焼結体11または図3のマルチフィラメント構造の複合部材15を作製することができる。
【0034】
特に、芯材12を炭化タングステン粒子および周期律表第4a,5a,6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物からなる硬質粒子と、鉄族金属からなる結合金属相によって形成するため、Ar、N2または真空雰囲気中で1300〜1600℃で0.5〜2時間程度焼成することが望ましい。
【0035】
また、芯材と被覆層とは、上記のように同時焼成されることから、芯材を形成する材料と被覆層を形成する材料の各最適焼成温度が100℃以内の焼成温度が近似した材質からなることが望ましい。
【0036】
なお、本発明において、上記芯材12の被覆層13との界面に結合金属相富化領域xを付与する手段としては、芯材超硬合金のB1型固溶体相としてZrを望ましくは結合相金属の1〜5mol%含有させ、通常の焼成条件に加えて結合金属が液化する温度付近すなわち1200〜1300℃における昇温速度を5℃/min以下にすることにより得られる。この方法では従来のTiNやTiCNなどの窒化物および/または炭窒化物を添加して焼結中に上記窒化物または炭窒化物中の窒素成分が表面に拡散、移動する脱窒現象に伴い結合金属相の金属を表面に拡散移行する、いわゆる脱β層の形成機構と比較して、結合金属富化層における結合金属濃度勾配が緩やかになることによって、芯材と被覆層の密着力をより向上させることが出来る。
【0037】
本発明の複合硬質焼結体は、耐欠損性および耐摩耗性に優れているので、例えばドリル、フライス、エンドミル、ドリルビット等の切削工具等の材料として使用した場合であっても、充分な耐欠損性および耐摩耗性が得られる。
【0038】
特に略円柱状で耐衝撃性が要求されるフライス、エンドミルの材料として好適である。この場合、エンドミル工具としては、図3(a)のように複合硬質焼結体を集束させた円柱状の複合部材15aを用いて形成され、エンドミルの長手方向と複合硬質焼結体の長手方向とが平行になるようにして用いられる。さらに、フライス工具としては図1のシングルフィラメントあるいは図3(a)のマルチフィラメントを図3(c)や(d)のように配列し成形することにより製造するすることが出来る。
【0039】
【実施例】
実施例1〜4、比較例1、2
平均粒径が0.7〜0.9μmの金属炭化物、窒化物、平均粒径が1.0〜2.0μmのCo粉末、表1に示す組成物からなる芯材および被覆層の組み合わせにおいて複合硬質焼結体を以下の手順で作製した。
【0040】
まず、表1に示した調合組成において芯材用および被覆層用の原料粉末を秤量混合し、これに有機バインダ(セルロースおよびポリエチレングリコール)30体積%と溶剤(ポリビニルアルコール)20体積%の割合で添加して混合物を得た。この混合物を芯部材については直径が20mmの円柱形状に押出成形して図4(a)に示すような芯材用成形体12aを作製した。
【0041】
ついで、被覆層用の混合物を半割円筒形状に押出成形して図4(b)に示すような厚みが1mmの被覆層用成形体13aを2つ作製した。得られた2つの被覆層用成形体13a,13aを上記芯材用成形体12aの外周面を覆うように配置して、図4(c)に示すような複合成形体11aを作製した。
【0042】
ついで、この複合成形体11aを共押出成形して、図4(d)に示すような伸延された直径が1mmの複合成形体11bを作製した。
【0043】
さらに複合成形体11bを380本集束して集束成形体14を得、この集束成形体14を図5(a)に示すように、上記した押出成形工程と同様にして再度共押出成形して図3(a)に示すようなマルチフィラメント構造の複合部材15aを得た。これを図3(d)に示すように配列し従来のプレス成形をもちいてSDK42の形状の成形体15cを得た。この際マルチフィラメント構造の複合部材15中の単一構造体セル径は約30μmであった。
【0044】
ついで、成形体を300〜700℃まで72時間で昇温させることによって脱バインダ処理を行った後、昇温速度2.5℃/分でさらに昇温し、真空中、1500℃で2時間焼成し、さらに3℃/分で降温することにより、15cに示す配列のSDK42形状の複合部材を作製した。
【0045】
得られた複合部材15cを厚み、サラエ刃、C面加工し、さらにこの表面に2μmのTiN膜をPVD法によりコーティングすることによりSDK42フライス工具を得た。
【0046】
【表1】
【0047】
比較例3
平均粒径1μmのWC粉末を90質量%、平均粒径1.5μmのCo粉末を10質量%の割合で秤量混合し、これに有機バインダ(パラフィンワックス)を15体積%の割合で添加して、円柱形状に圧粉成形し、これを実施例1と同様の条件で焼成して硬質焼結体を得た。この硬質焼結体から実施例1と同様にしてSDK42フライス工具を得た。
【0048】
実施例1〜3および比較例1〜3で得たチップの芯部材の結合金属相の金属濃度を波長分散型X線マイクロアナリシスの線分析を行い、結合金属富化領域の有無およびDs/Dcの値を測定した。
【0049】
また、実施例1〜3および比較例1〜3で得た各フライス工具を取り付けたNCマシニングセンタを用いて、下記条件にて、ワーク(鋼種:SKD11)を10min加工し、加工後のチップの刃先を顕微鏡で観察し、切れ刃の摩耗幅および境界損傷の有無の程度をそれぞれ調べた。結合相金属含有量分析結果および観察結果を表2に示す。
(フライス条件)
ワーク:SKD11
速度:v=200m/分
送り:f=0.2mm/刃
切り込み:d=2mm
【0050】
【表2】
【0051】
表2の結果から、芯材の被覆層との界面近傍に結合金属富化領域を有する実施例1〜3については十分な耐摩耗性を有しており、境界損傷に対して優れた性能を示した。特に、実施例1〜3については被覆層中の結合相金属含有量が芯材中の結合相金属含有量よりも多いマルチフィラメント構造の構造体であり、いずれも構造体の靭性が高くチップの境界損傷が発生しにくいものであった。
【0052】
これに対し芯材表面部の結合相金属富化領域を形成していない比較例1、および単一の材質からなる比較例3には折損やチッピングが生じ、耐摩耗性についても劣る結果であった。また、芯材中にZrを含有しない比較例2については結合相金属富化領域の硬度が著しく低下したため耐摩耗性が悪いものであった。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、硬質結晶粒子を結合金属相にて結合した硬質焼結体からなる長尺状の芯材中のB1型固溶体相にZrを含有しており、かつこの芯材の被覆層との界面近傍に芯材の中心よりも結合金属濃度が高い結合金属富化領域を形成することによって、被覆層と芯材間の結合金属相の拡散を適度に抑制し、耐摩耗性を担う芯材に十分な靭性を付与することができる結果、複合硬質焼結体全体の耐欠損性が著しく向上するとともに、結合金属富化領域の結合金属相の拡散によって芯材と被覆層との密着性を高めることができ、優れた耐欠損性および耐摩耗性を備えた複合硬質焼結体を得ることができる。したがって、この複合硬質焼結体を切削工具として用いることによって、耐摩耗性が良好で、しかも欠損が生じにくく、耐久性に優れた切削工具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合硬質焼結体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2の複合硬質焼結体の(a)要部拡大断面図および(b)A−A断面における結合金属相の金属の濃度分布図である。
【図3】本発明の複合部材の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の複合硬質焼結体の製造方法を説明するための工程図である。
【図5】本発明の複合部材の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
11 複合硬質焼結体(シングルフィラメント構造)
12 芯材
13 被覆層
14 結合金属富化領域
15 複合部材(マルチフィラメント構造)
Claims (8)
- 炭化タングステン粒子および少なくとも1種類のB1型固溶体相をコバルトおよび/またはニッケルからなる結合金属にて結合した超硬合金からなる長尺状の芯材の外周面を、該芯材とは異なる組成からなる硬質焼結体あるいは結合金属からなる被覆層によって被覆してなる複合硬質焼結体であって、前記芯材中のB1型固溶体相にZrを含有する超硬合金を用いており、該芯材の表面近傍に中心よりも結合金属濃度が高い結合金属富化領域を形成したことを特徴とする複合硬質焼結体。
- 前記芯材の結合金属に対して、1〜5mol%のZrを含有することを特徴とする請求項1記載の複合硬質焼結体。
- 前記芯材の中心部の結合金属濃度Dcに対する芯材の前記被覆層との界面付近における結合金属濃度Dsの比率Ds/Dcが1.05以上であることを特徴とする請求項1記載の複合硬質焼結体。
- 前記被覆層が、金属および/またはセラミックスからなる請求項1乃至請求項3のいずれか記載の複合硬質焼結体。
- 前記芯材および被覆層が、いずれも炭化タングステン粒子を結合金属相にて結合した超硬合金からなり、前記被覆層中の結合金属相の含有量が前記芯材中心部の結合金属含有量よりも多いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の複合硬質焼結体。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか記載の複合硬質焼結体が複数本集束された構造を有する複合部材。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか記載の複合硬質焼結体からなる切削工具。
- 請求項6記載の複合部材からなる切削工具。
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---|---|---|---|
JP2003019542A JP2004232001A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 複合硬質焼結体およびこれを用いた複合部材、切削工具 |
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