JP4796316B2 - 複合繊維体およびこれを用いた切削工具 - Google Patents
複合繊維体およびこれを用いた切削工具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4796316B2 JP4796316B2 JP2005079181A JP2005079181A JP4796316B2 JP 4796316 B2 JP4796316 B2 JP 4796316B2 JP 2005079181 A JP2005079181 A JP 2005079181A JP 2005079181 A JP2005079181 A JP 2005079181A JP 4796316 B2 JP4796316 B2 JP 4796316B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon nanotubes
- composite
- composite fiber
- cutting
- cutting edge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
(1)ダイヤモンド粒子間を鉄族金属で結合したダイヤモンド質焼結体からなる長尺状の芯材の外周面を、周期律表4a,5a,6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の金属元素の炭化物、窒化物および炭窒化物のうち1種以上の硬質粒子を鉄族金属で結合した焼結合金からなる表皮材で被覆してなる複合繊維体であって、前記表皮材がカーボンナノチューブを1〜45体積%含有することを特徴とする複合繊維体。
(2)前記芯材は前記カーボンナノチューブを含有しないか、または前記カーボンナノチューブを0.5体積%以下含有する(1)に記載の複合繊維体。
(3)前記複合繊維体の断面観察において、前記カーボンナノチューブの平均直径が1〜500nm、アスペクト比が2〜500である(1)または(2)に記載の複合繊維体。
(4)前記カーボンナノチューブの表面の一部または全部が、周期律表4a,5a,6a族金属、AlおよびSiから選ばれる少なくとも1種の金属、または該金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくとも1種で被覆されている(1)〜(3)のいずれかに記載の複合繊維体。
(5)前記カーボンナノチューブが複合繊維体の長尺方向に配向している(1)〜(4)のいずれかに記載の複合繊維体。
(6)少なくとも切刃部が(1)〜(5)のいずれかに記載の複合繊維体からなることを特徴とする切削工具。
(7)前記カーボンナノチューブが、該カーボンナノチューブの配向方向と少なくとも前記切刃部の切刃稜線における接線とのなす角度αが2°以上となるように配向している(6)に記載の切削工具。
(8)前記カーボンナノチューブの配向方向とノーズR部の頂点における接線とのなす角度αが45°以上である(6)または(7)に記載の切削工具。
(9)前記カーボンナノチューブの配向方向とすくい面とのなす角度θが0〜45°である(6)〜(8)のいずれかに記載の切削工具。
(10)工具本体と、該工具本体の取付座にろう付けされた切刃チップとからなり、該切刃チップの少なくとも前記切刃部が前記複合繊維体からなる(6)〜(9)のいずれか記載の切削工具。
特に(9)に記載の切削工具によれば、高い体積弾性率を有するカーボンナノチューブの長手方向で切削時にかかる応力を受け止めることによって、カーボンナノチューブの特性が十分に発揮され、高い耐欠損性を実現することが可能となる。
上記(10)に記載の切削工具によれば、切刃チップを工具本体の取付座にろう付けするタイプであるので、切刃位置でのカーボンナノチューブの配列状態を簡単に調整することができる。また、切削工具の複数のコーナーに切刃を設ける場合であっても、カーボンナノチューブの配列状態を簡単に調整することができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる複合繊維体について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の複合繊維体を示す斜視図である。同図に示すように、複合繊維体1は長尺状の芯材2の外周面が表皮材3で被覆された構造を有している。
次に、本発明における複合繊維体を用いた切削工具の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかる切削工具を示す斜視図である。図3は、本発明の切削工具における切刃部の一例を示す拡大平面図である。図4は、本発明の切削工具における切刃部の他の例を示す拡大平面図である。図5は、本発明の切削工具における切刃部付近の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明における切削工具の製造方法の一例について、図面を参照して詳細に説明する。図6〜図9は、本発明の複合繊維体およびこれを複数集合させて構成される複合構造体を製造する方法を示す概略図である。これらのうち、図6および図7は、複合成形体を作製する製造方法を示す概略図であり、図8は、複合成形体をシートに成形する方法を示す概略図であり、図9は、シートを複合積層体に成形する方法を示す概略図である。
まず、前記したダイヤモンド粉末および鉄族金属を混合し、必要に応じて、この混合物にカーボンナノチューブ、焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤、分散剤、滑剤等を添加し混練する。ついで、図6(a)に示すように、得られた混合物をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により円柱形状に成形して芯材用成形体50を作製する。ここで、後述する共押出成形によって均質な複合成形体を得るためには、前記有機バインダの添加量を30〜70体積%、特に40〜60体積%とするのが望ましい。
前記硬質粒子、鉄族金属およびカーボンナノチューブを混合して混合物を得た後、必要に応じて、この混合物に上記した焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加し、混合する。ついで、図6(b)に示すように、得られた混合物をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により半割円筒形状に成形し、2つの表皮材用成形体51,51を作製する。そして、図6(c)に示すように、得られた表皮材用成形体51,51を上記で得られた芯材用成形体50の外周面を覆うように配置し、成形体52を作製する。
ついで、図6(d)に示すように、押出機100を用いて、上記成形体52を押出成形(芯材用成形体50と表皮材用成形体51,51を共押出成形)することによって、芯材用成形体50の周囲に表皮材用成形体51が被覆され、細い径に伸延された複合成形体53を作製する。このとき、複合成形体53の繊維方向と配向したカーボンナノチューブの繊維方向(配向方向)は同じ方向に揃っている。押出し方向への配向は、押出成形時のせん断速度や吐出口の大きさ等で制御可能であるが、吐出部に電場をつくることによって、より効果的に配向させることもできる。
そして、図8(a)に示すように、この長尺状の複合成形体53を2列〜100列程度に整列させ、型内で加熱加圧して複合シート56を作製する。なお、図8(b)に示すように、複数枚の複合シート56を、複合成形体53の長尺方向が同一の方向となるように積層し、複合積層シート57aを作製してもよい。また、図8(c)に示すように、複数枚の複合シート56を、複合成形体53の長尺方向を一段おきに約90°ずらして積層し、複合積層シート57bを作製してもよい。なお、ずらす角度は90°に限定されるものではなく、積層する複数の複合シート56における成形体53の長尺方向が、一段おきに異なるような角度であればよい。また、複合積層シート57bの場合には、切刃を形成する最上層の複合シート56における成形体53の繊維方向は、前述したように切刃稜線17との関係で特定の角度になるように調整することが望ましい。図9に示すように、必要に応じて複合積層シート57a,57bを、一対のローラ58間に通して圧延処理し、さらに高密度の複合積層体59を作製してもよい。なお、複合シート56、複合積層シート57a,57bまたは複合積層体59を作製する上で、複合成形体53に代えて複合成形体55を用いてもよい。
ついで、複合シート56、複合積層シート57a,57bまたは複合積層体59を裏板19上に載置したものを、300〜700℃、10〜200時間で昇温または保持させて脱バインダ処理する。そして、超高圧装置内にセットし、加圧圧力4〜6GPa、1350〜1600℃、1〜60分で焼成して一体化することにより、裏板19と複合構造体16とからなる切刃チップ14を作製することができる。この複合構造体16は、図1に示すような複合繊維体1が複数本集束された構造を有している。
<切削工具の作製>
表1に示す組み合わせで、平均粒径1.5μmのダイヤモンド粒子と、平均粒径1.0μmのCo粉末と、平均直径20nm、長さ1μm〜3μmのカーボンナノチューブまたは平均直径150nm、長さ4μm〜6μmのカーボンナノチューブとを表1に示す割合で混合し、これに有機バインダとしてセルロース、ポリエチレングリコールを、溶剤としてポリビニルアルコールを混錬して、円柱形状に押出成形して芯材用成形体を作製した。有機バインダおよび溶剤の合計添加量は、ダイヤモンド粒子、Co粉末およびカーボンナノチューブの合計体積と同量(体積)とした。
カーボンナノチューブを添加しない(試料No.1)、またはカーボンナノチューブの含有量が45体積%を越える割合で添加した(試料No.7)以外は、実施例と同様にして、切刃チップをそれぞれ作製した。ついで、得られた切刃チップを用いて、実施例と同様にして、切削工具をそれぞれ作製した。
上記工程にて作製した各切削工具について、複数の被削材(ADC12、8本溝入り)を切削し、欠損またはチッピングが発生するまでの被削材の加工数(最大2000個)を評価した。評価条件を以下に示すと共に、その評価結果を表2に併せて示す。
(被削材の加工数の評価条件)
切込み量d=2mm
切削速度V=800m/分
送りf=0.1mm/rev
湿式切削
2 芯材
3 表皮材
11 切削工具
12 工具本体
13 取付座
14 切刃チップ
15 すくい面
16 複合構造体
17 切刃部
18 取付孔
19 裏板
20 逃げ面
21 着座面
32 カーボンナノチューブ
50 芯材用成形体
51 表皮材用成形体
52 成形体
53,55 複合成形体
54 集束体
56 複合シート
57a,57b 複合積層シート
59 複合積層体
Claims (8)
- ダイヤモンド粒子間を鉄族金属で結合したダイヤモンド質焼結体からなる長尺状の芯材の外周面を、周期律表4a,5a,6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の金属元素の炭化物、窒化物および炭窒化物のうち1種以上の硬質粒子を鉄族金属で結合した焼結合金からなる表皮材で被覆してなる複合繊維体であって、
(a)ダイヤモンド粒子、鉄族金属および有機バインダを含む芯材用混合物を円柱形状に成形して芯材用成形体を作製する工程と、
(b)周期律表4a,5a,6a族金属の群から選ばれる少なくとも1種の金属元素の炭化物、窒化物および炭窒化物のうち1種以上の硬質粒子、鉄族金属、並びにカーボンナノチューブを含む表皮材用混合物を芯材用成形体の外周を被覆するように配した成形体を共押出成形して、前記カーボンナノチューブを長尺方向に配向させた複合成形体を作製する工程と、
(c)前記(b)で得られた複合成形体を焼成して、長尺状の芯材の外周面に表皮材が被覆された複合繊維体を作製する工程とを経て、
前記表皮材は、前記複合繊維体の断面観察において、平均直径が1〜19nm、アスペクト比が75〜500の前記カーボンナノチューブを1〜45体積%含有するとともに、前記カーボンナノチューブが複合繊維体の長尺方向に配向していることを特徴とする複合繊維体。 - 前記芯材が前記カーボンナノチューブを含有しないか、または前記カーボンナノチューブを0.5体積%以下含有する請求項1記載の複合繊維体。
- 前記カーボンナノチューブの表面の一部または全部が、周期律表4a,5a,6a族金属、AlおよびSiから選ばれる少なくとも1種の金属、または該金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくとも1種で被覆されている請求項1または2記載の複合繊維体。
- 少なくとも切刃部が請求項1〜3のいずれかに記載の複合繊維体からなることを特徴とする切削工具。
- 前記カーボンナノチューブが、該カーボンナノチューブの配向方向と前記切刃部の切刃稜線における接線とのなす角度αが2°以上となるように配向している請求項4記載の切削工具。
- 前記カーボンナノチューブの配向方向とノーズR部の頂点における接線とのなす角度αが45°以上である請求項4または5記載の切削工具。
- 前記カーボンナノチューブの配向方向とすくい面とのなす角度θが0〜45°である請求項4〜6のいずれかに記載の切削工具。
- 工具本体と、該工具本体の取付座にろう付けされた切刃チップとからなり、該切刃チップの少なくとも前記切刃部が前記複合繊維体からなる請求項4〜7のいずれか記載の切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005079181A JP4796316B2 (ja) | 2005-03-18 | 2005-03-18 | 複合繊維体およびこれを用いた切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005079181A JP4796316B2 (ja) | 2005-03-18 | 2005-03-18 | 複合繊維体およびこれを用いた切削工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006255852A JP2006255852A (ja) | 2006-09-28 |
JP4796316B2 true JP4796316B2 (ja) | 2011-10-19 |
Family
ID=37095608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005079181A Expired - Fee Related JP4796316B2 (ja) | 2005-03-18 | 2005-03-18 | 複合繊維体およびこれを用いた切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4796316B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7862634B2 (en) | 2006-11-14 | 2011-01-04 | Smith International, Inc. | Polycrystalline composites reinforced with elongated nanostructures |
JP5241123B2 (ja) * | 2007-03-27 | 2013-07-17 | 京セラ株式会社 | スローアウェイチップ |
EP2208706B1 (en) | 2007-09-18 | 2014-05-21 | Shimane Prefectural Government | Metal-coated carbon material and carbon-metal composite material using the same |
CN114160764A (zh) * | 2021-11-22 | 2022-03-11 | 昆明理工大学 | 一种采用连铸生产复合材料的方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4697829B2 (ja) * | 2001-03-15 | 2011-06-08 | ポリマテック株式会社 | カーボンナノチューブ複合成形体及びその製造方法 |
JP4192037B2 (ja) * | 2003-06-02 | 2008-12-03 | 京セラ株式会社 | 切削工具およびその製造方法 |
-
2005
- 2005-03-18 JP JP2005079181A patent/JP4796316B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006255852A (ja) | 2006-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5753532B2 (ja) | 複合体超硬合金回転切削工具及び回転切削工具ブランク材 | |
JP4854359B2 (ja) | 表面被覆切削工具 | |
WO2011098559A1 (en) | Superhard tool tip, method for making same and tool comprising same | |
EP3124147B1 (en) | Composite member and cutting tool | |
JP4711691B2 (ja) | 表面被覆部材および切削工具 | |
JP4796316B2 (ja) | 複合繊維体およびこれを用いた切削工具 | |
JP6029004B2 (ja) | Pcdドリル | |
JP2006255853A (ja) | 焼結工具 | |
JP7392423B2 (ja) | 超硬合金及びそれを基材として含む切削工具 | |
JP4192037B2 (ja) | 切削工具およびその製造方法 | |
WO2020262468A1 (ja) | インサートおよび切削工具 | |
JP2000043006A (ja) | 回転切削工具 | |
JP4960126B2 (ja) | ロウ付けcBN工具 | |
JP4220814B2 (ja) | 切削工具およびその製造方法 | |
JP4484535B2 (ja) | ダイヤモンド質焼結体および切削工具 | |
JP2005052930A (ja) | 回転切削工具 | |
JP5743868B2 (ja) | 切削工具 | |
JP2005281759A (ja) | 超高圧焼結構造体、超高圧複合焼結構造体およびその製造方法、並びに切削工具 | |
JP4061222B2 (ja) | 切削工具 | |
JP4313705B2 (ja) | ダイヤモンド工具 | |
JP2004202597A (ja) | 切削工具 | |
JP4195797B2 (ja) | 複合硬質焼結体およびこれを用いた切削工具 | |
JP4400850B2 (ja) | 複合部材およびこれを用いた切削工具 | |
JP2004249404A (ja) | 切削工具 | |
JP3954903B2 (ja) | 切削工具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071217 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110301 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110428 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110705 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110729 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140805 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |