JP2005052930A - 回転切削工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 刃部2と、刃部2と接合するシャンク部3とを含む回転切削工具1であって、刃部2の表面に、回転切削工具1の長手軸方向Xに対して−90.0°よりも大きく90.0°未満の方向に形成されている研削筋4を含む回転切削工具1である。ここで、刃部2とシャンク部3との境界7から長手軸方向Xに0.01mm以上シャンク部3側に侵入した位置αまでシャンク部3の表面に研削筋4aが形成されていることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
図1に、本発明の回転切削工具の好ましい一例の模式的な側面図を示す。この回転切削工具1は、刃部2と、刃部2と接合するシャンク部3とを含む。そして、回転切削工具1の刃部2の表面には、回転切削工具1の長手軸方向Xに対して−90.0°よりも大きく90.0°未満の方向に研削筋4が形成されている箇所がある。また、刃部2には切刃部5が備えられており、刃部2の全体に渡ってねじれ溝6がらせん状に形成されている。
本発明の回転切削工具1は、炭化タングステン(WC)からなる硬質相と、鉄系金属からなる結合相とを含み、この硬質相の平均粒子径が1.2μm以下であり、回転切削工具全体1全体の質量に対する鉄系金属からなる結合相の質量が2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明の回転切削工具1の断面組織1mm2当たりに存在する粒子径が2.5μm以上の粒子の数は5個以下であることが好ましい。これは本発明者らが折損した回転切削工具を考察した結果、回転切削工具1の任意の断面の観察において断面組織1mm2当たりに存在する粒子径が2.5μm以上である粒子の数が6個以上である場合には、回転切削工具1の耐折損性が著しく低下し、所定の方向に研削筋4を形成した効果が十分に得られない傾向にあることを見出したためである。
本発明の回転切削工具1は、その表面上に形成された少なくとも1層の硬質膜を含み、この硬質膜は、周期律表のIVA族の金属、VA族の金属、VIA族の金属、アルミニウムおよびケイ素からなる群から選択された少なくとも1種の金属と、炭素、窒素、酸素およびホウ素からなる群から選択された少なくとも1種の非金属との化合物、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)またはダイヤモンドからなることが好ましい。
本発明の回転切削工具1は、例えば、複数の金属を含有する棒状体を形成し、棒状体の長手軸方向に対して−90.0°よりも大きく90.0°未満の方向に棒状体を研削した後、研削後の棒状体をドリル形状等にすること等によって作製される。
本発明の回転切削工具1は、例えばドリル(直径1.0mm以上のドリル)、エンドミル、マイクロドリル(直径1.0mm未満のドリル)、ルーター、リーマまたはタップ等として好適に用いられる。特に、本発明の回転切削工具1は耐折損性に優れていることから、プリント基板の切削に用いられることが好ましく、プリント基板の切削用のマイクロドリルまたはルーターとして用いられることがより好ましい。
平均粒子径1μmの炭化タングステン(WC)粉末、炭化タンタル(TaC)粉末およびコバルト(Co)粉末を表1〜3に示す配合組成(質量%)でボールミル混合した後に押し出し成形された直径6.2mmの丸棒状体を1400℃で焼結した。得られた丸棒状体を粒度800番の砥石を備えたセンタレス研削機で研削し、これらの丸棒状体の直径をそれぞれ6.0mmとした。
実施例1〜16および比較例1を用いて下記の条件によりステンレス鋼の切削を行い、ドリル1本につきステンレス鋼に10穴を形成した。その際に折損したドリルの本数を測定した。その結果を表1〜4に示す。
被削材:ステンレス鋼(SUS304)
切削速度:70m/分
送り速度:0.4mm/rev
刃切り込み:20mm
その他:切削油使用
表4〜11に示す配合組成(質量%)となるように平均粒子径2.5μmの炭化タングステン(WC)粉末、平均粒子径1μmの炭化タングステン(WC)粉末、炭化タンタル(TaC)粉末、炭化クロム(Cr3C2)粉末、炭化バナジウム(VC)粉末およびコバルト(Co)粉末を秤量し、これらの粉末を20時間ボールミル混合した後にバインダーを加えて混練し、加圧して押し出し成形した丸棒状体を、1400℃で焼結し、続いて1400℃でHIP処理を行って、直径3.5mmの丸棒状体とした。
実施例17〜47および比較例2〜14を用いて下記の条件により切削を行い、折損するまでにあけることができた穴数(加工穴数)を測定した。その結果を表4〜11に示す。
被削材:プリント基板(ガラス層とエポキシ樹脂層とを交互に積層させた計4層からなる厚み1.6mmの積層板を2枚重ねたもの)
マイクロドリルの回転数:150,000rpm
送り速度:15μm/rev
実施例1〜16のドリルの表面および実施例17〜47のマイクロドリルの表面にそれぞれ表12に示す構成の硬質膜A〜Iを形成した。表12のA〜Gの硬質膜は実施例1〜16のドリルの表面に形成された(7×16=計112サンプル)。また、H〜Iの硬質膜は実施例17〜47のマイクロドリルの表面にそれぞれ形成された(2×31=計62サンプル)。
Claims (8)
- 刃部と、前記刃部と接合するシャンク部とを含む回転切削工具であって、前記刃部の表面に、前記回転切削工具の長手軸方向に対して−90.0°よりも大きく90.0°未満の方向に形成されている研削筋を含むことを特徴とする、回転切削工具。
- 前記研削筋が、前記回転切削工具の長手軸方向に対して−87.5°以上87.5°以下の方向に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の回転切削工具。
- 前記刃部と前記シャンク部との境界から前記長手軸方向に0.01mm以上前記シャンク部側に侵入した位置まで、前記シャンク部の表面に前記研削筋が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の回転切削工具。
- 前記回転切削工具は、炭化タングステンからなる硬質相と、鉄系金属からなる結合相とを含み、前記硬質相の平均粒子径が1.2μm以下であり、前記回転切削工具全体の質量に対する前記結合相の質量が2質量%以上15質量%以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の回転切削工具。
- クロム、タンタルおよびバナジウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属が含まれており、前記回転切削工具全体の質量に対するこれらの金属のそれぞれの質量%の和と前記回転切削工具全体の質量に対する前記結合相の質量%との比が0.02以上0.5以下であることを特徴とする、請求項4に記載の回転切削工具。
- 前記回転切削工具の断面組織1mm2当たりに存在する粒子径が2.5μm以上の粒子の数が5個以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の回転切削工具。
- 前記回転切削工具の表面上に形成された少なくとも1層の硬質膜を含み、前記硬質膜は、周期律表のIVA族の金属、周期律表のVA族の金属、周期律表のVIA族の金属、アルミニウムおよびケイ素からなる群から選択された少なくとも1種の金属と、炭素、窒素、酸素およびホウ素からなる群から選択された少なくとも1種の非金属との化合物、ダイヤモンドライクカーボンまたはダイヤモンドからなることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の回転切削工具。
- プリント基板の切削に用いられることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の回転切削工具。
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- 2003-08-04 JP JP2003286112A patent/JP2005052930A/ja active Pending
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