JP5241123B2 - スローアウェイチップ - Google Patents

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Description

本発明は基体の表面に被覆層を成膜してなるスローアウェイチップに関する。
本発明は、特に安価で量産性に優れるとともに被削材との反応性も低く、かつ耐欠損性および耐摩耗性が改善されたスローアウェイチップに関する。
一般に、鋼などの各種材料を加工するためのスローアウェイチップとして使用されるスローアウェイチップは超硬合金やセラミックスなどで形成され、特にセラミック工具についてはAlマトリックス中にSiCウイスカーやTiCウイスカー等のウイスカーを分散させて工具の靭性および耐欠損性を高める方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
最近、芯材の外周を表皮材で被覆した複合繊維体を一方向に整列させて集束した複合構造体が注目され、構造体の靭性を高めることができること(特許文献3参照)や、複合構造体をドリルビットの表面等に貼り付けることによってビットの耐摩耗性を向上できることが開示されている(特許文献4)。しかし、かかる複合繊維体を一方向に整列させたものをスローアウェイチップに転用すると、硬度や靭性等の特性に大きな異方性があるために、すくい面方向または逃げ面方向と繊維体の方向によって工具の耐欠損性が変化してしまうことからすくい面および逃げ面の耐欠損性をともに向上させることはできないものであった。
さらに、本出願人は特許文献5において、複合繊維体を加熱してから加圧する方法によって成形することによって、すくい面内がランダムに配置した複合構造体を作製でき、構造体として高い靭性を維持したまま異方性を持たずに等方的な特性を持たせることができることを開示した。
特開平2−65903号公報 特開平2−133369公報 米国特許第5645781号明細書 米国特許第6063502号明細書 特開2004−283949号公報
しかしながら、上記特許文献3や特許文献4には構造体の靭性を高めた複合繊維体を具備する複合構造体が開示され、また、特許文献4には掘削工具用としての具体例について記載されているが、特許文献3、4のいずれにも旋削やフライス切削などのスローアウェイチップについては記載されておらず、複合繊維体をこのようなスローアウェイチップに応用する際の繊維体の特性を十分に発揮するための具体的な構造については全く検討されていない。また、上記複合構造体をスローアウェイチップにそのまま転用すると構造体自体が異方性を有するために構造体の向きと切刃の向きとの関係によって特定の部分にて耐欠損性および/または耐摩耗性が著しく低下する可能性があった。
また、特許文献5のように、複合繊維体を加熱してから加圧する方法では、複合繊維体がすくい面内ではランダムな配置になって切刃全周で等方的な配列になっているものの、実際には逃げ面にて複合繊維体を観察した場合、繊維がすくい面に対してほぼ平行に並んでしまい、すくい面で層状剥離(フレーキング)等のチッピングが発生しやすく、改善が必要であった。
したがって、本発明の目的は、高い靭性を有する複合繊維体状の芯材と被覆層とからなる複合繊維体をスローアウェイチップに応用する場合に、複合繊維体の特性を十分にスローアウェイチップに反映し、実用的で高い耐欠損性を有するスローアウェイチップを提供することにある。
本発明のスローアウェイチップは、芯材と、該芯材の外周を被覆する異なる組成の被覆層とからなる複合繊維体が互いに不規則に絡み合った構造をなした複合構造体からなる板状体であり、該板状体の主面がすくい面と着座面、側面が逃げ面、該すくい面と該逃げ面との交差稜線が切刃であり、前記主面の中心を通り前記着座面に垂直な方向の断面の前記切刃を起点として該切刃から前記すくい面に2.5mm長さで該切刃から前記逃げ面に1.5mm厚さの観察領域において前記複合繊維体の配列方向を観察したとき、下記式にて導かれる複合繊維体の配列方向Xが70〜95%の数の前記複合繊維体は10°以内の角度をなし、前記配列方向Xが5〜30%の数の前記複合繊維体は10°より大きい角度をなしており、かつ切刃全周の各切刃位置の任意位置5箇所を起点とした各断面についての前記観察領域における前記複合繊維体の配列方向Xの平均が前記切刃位置によらず30%以内で均一である。
ここで、前記芯材が酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの混合物であり、前記被覆層が窒化珪素であることが望ましい。
また、前記芯材と前記被覆層との面積比(芯材/被覆層)が60/40〜95/5であることが望ましい。
本発明によれば、芯材の外周を被覆層とで被覆した複合繊維体が互いに不規則に絡み合ったランダムな構造をなした複合構造体をスローアウェイチップに適応するにあたって、切刃近傍の所定位置における複合繊維体の70〜95%がすくい面に配列方向Xが10°以内とほぼ平行な配列方向であるとともに、5〜30%の複合繊維体はすくい面に平行な方向に対する配列方向が10°より大きい構成となっている。また、切刃全周の各切刃位置の任意位置5箇所を起点とした各断面についての前記領域における繊維の平均配列方向Xが前記切刃位置によらず切刃全周の任意の位置で30%以内で均一である。これによって、主面が円の丸駒チップや主面が三角形の三角チップにおいても切刃全周にわたって異方性がなく等方的な切削性能を示すとともにすくい面に発生するフレーキング等のチッピングを抑制でき、スローアウェイチップの耐欠損性を向上させることができる。
ここで、前記芯材が酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの混合物であり、前記被覆層が窒化珪素である組み合わせによれば、耐熱合金の切削において優れた切削性能を発揮する。この場合、芯材の酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの混合物と、被覆層の窒化珪素との面積比(芯材/被覆層)は60/40〜95/5である場合には、硬度、化学的安定性、靭性、耐熱衝撃性がバランスよく出現する。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明のスローアウェイチップを示す概略斜視図であり、図2は、図1のスローアウェイチップ中に含有される複合繊維体の模式図である。
図1に示すスローアウェイチップ1は、主面2が円形の平板状をなしてすくい面2aと着座面2bを、側面が逃げ面4を、すくい面2aと逃げ面4との交差稜線部が切刃5として使用される、いわゆる丸駒チップ形状である。
また、スローアウェイチップ1は、図2に示す芯材11と、芯材11の外周を被覆し芯材とは異なる組成の被覆層12とからなる複合繊維体13が、図1に示すように互いに不規則に絡み合った構造をなした複合構造体7にて構成されている。
そして、図3は図1のスローアウェイチップ1の主面2a、2bの中心を通り着座面2bに垂直な方向の断面の切刃5を起点として切刃5からすくい面2aに2.5mm長さで切刃5から逃げ面4に1.5mm厚さの観察領域において複合繊維体13の配列方向を観察した顕微鏡写真であるが、図3において、下記式にて算出される配列方向Xが、複合繊維体13の70〜95%が着座面2bに10°以内の角度とほぼ平行な配列方向であるとともに、5〜30%の複合繊維体13は着座面2bに平行な方向に対して10°より大き
角度をなした配列方向の構成となっている。また、図3の観察領域における複合繊維体13の配列方向Xの平均が切刃5位置によらず図3以外の他の断面のいずれについて観察したときであっても30%以内で均一であることが大きな特徴である。
なお、図3では図1の着座面2bに平行な直線Y−Yを示し、配列方向Xを簡易的な仮の記載で示している。
これによって、主面であるすくい面2aが円の丸駒チップや主面が三角形の三角チップにおいても切刃全周にわたって異方性がなく等方的な切削性能を示すとともに、すくい面2aに発生するフレーキング等のチッピングを抑制でき、スローアウェイチップ1の耐欠損性を向上させることができる。
つまり、複合繊維体13が整列し一方向に揃った複合構造体7をそのままスローアウェイチップとして使用すると、切削時にかかる様々な応力の方向のうちの1つが複合繊維体13の芯材11と被覆層12との境界で剥離が発生する方向と合致した場合には前記境界で引張応力がかかるために、切削時に切刃5に位置するこの境界部にて剥離してチッピングや欠損を生じやすくなるおそれがある。また、複合繊維体13の配列が完全にランダムであると、フレーキングには効果的であるが、境界摩耗が進行してしまう。
なお、スローアウェイチップ1の切刃5先端、すなわち図1のコーナー部3において、ホーニング等により芯材11を露出させると常に芯材11の外周に存在する被覆層12を予め研磨して切刃稜線部分を高硬度な芯材11にて形成することができることから切刃5の耐摩耗性を特に向上させることができる。
図2(a)(b)は、本発明において用いられている複合繊維体の概略斜視図である。(a)の複合繊維体13は、芯材11とこの芯材11の外周を被覆し芯材11とは異なる組成の材料からなる被覆層12とからなるシングルタイプの繊維体である。また、(b)の複合繊維体17は、(a)のシングルタイプの繊維体11の集合体を伸延したものでマルチタイプの繊維体である。本発明によれば、スローアウェイチップ1を形成する複合構造体15は、このような(a)または(b)の複合繊維体13、17を寄せ集めた構造体によって形成されている。望ましくは、(b)のマルチタイプの繊維体17を用いることが耐欠損性に優れる。
また、上記シングルタイプの複合繊維体13またはマルチタイプの複合繊維体17の形状としては、繊維体の平均長さ:aが0.1〜50mm、特に5〜30mmであること、および複合繊維体13、17の平均繊維径(マルチタイプの複合繊維体17の場合には複数本集束される各々の複合繊維体の平均直径):bが5〜300μm、特に10〜100μmであることがクラックディフレクション(偏向)の効果を高める点で望ましく、かつa/bが3以上、特に5〜100であることが、成形時に繊維体が配向した組織となることを防止してランダムな配置を維持し、スローアウェイチップとしての耐摩耗性および耐欠損性を高める点、および製造上の取り扱いの容易性の点で望ましい。
さらに、スローアウェイチップ1の中央部には、バイトなどの工具に取り付けるためのクランプねじ等が挿通される取付孔(図示せず)を形成してもよく、本発明によれば、スローアウェイチップとしてはソリッドタイプの工具であっても良いが、低コスト、製造の容易さ等の点でスローアウェイ式の工具であることが望ましい。
さらに、工具本体の切刃部分を切り欠いて複合構造体15からなる切刃チップを取付座にはめ込んでロウ付け等で固定する、いわゆるロウ付けタイプのスローアウェイチップ(図示せず)にも適応可能であるが、本発明は汎用の工具全体を一体的に同じ部材にて形成するシンプルで安価な工具に適応した場合に特に有効な効果を発揮するものである。
本発明において用いる複合繊維体13の芯材11を構成する材質としては、周期表4、5および6族金属、アルミニウム、シリコンの群から選ばれる少なくとも1種の酸化物、炭化物、窒化物および炭窒化物からなる第1のセラミックス、中でも酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの混合物が好適に使用可能である。なお、第1のセラミックス中には適宜焼結助剤成分を含有せしめることも可能である。
一方、芯材11の外周を覆う被覆層12の材質としては、芯材11とは異なる材質の硬質焼結体またはセラミックスを用いる。また、鉄、コバルトおよびニッケルなどの金属も単独で使用可能である。中でも、芯材11が酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの混合物の場合には、被覆層12が窒化珪素の組み合わせであることが望ましい。この組み合わせによれば、耐熱合金の切削において優れた切削性能を発揮する。この場合、芯材11の酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの混合物と、被覆層12の窒化珪素との面積比(芯材/被覆層)は60/40〜95/5である場合には、硬度、化学的安定性、靭性、耐熱衝撃性がバランスよく出現する。
なお、芯材11をなす焼結体、例えばAl質セラミックスの結晶粒子の平均粒径は、複合繊維体13の硬度および強度向上の点、および芯材11と被覆層12中の結合材(結合金属、焼結助剤)の含有量を適正化する点で0.05〜10μm、特に0.1〜3μmであることが望ましく、他方、被覆層12をなす結晶粒子の平均粒径は、複合繊維体13の靭性向上の点で、0.01〜5μm、特に0.01〜2μmであることが望ましい。
次に、本発明のスローアウェイチップの製造方法について、図2の複合繊維体13および17の製造方法を説明するための工程図である図4を基に説明する。
複合繊維体13、17を作製するにあたり、まず、原料粉末と結合剤(バインダ)とを混合して成形する方法で芯材用成形体21を作製する。具体的には、例えば、平均粒径0.01〜10μmのAl粉末を55〜80質量%、特に65〜75質量%と、平均粒径0.01〜10μmのTiCN粉末を5〜35質量%と焼結助剤を0〜10質量%の割合で混合し、さらに有機バインダ、可塑剤、溶剤を添加して混錬し、プレス成形により円柱形状に成形して芯材用成形体21を作製する(図4(a)参照)。
一方、芯材用成形体21とは異なる組成の被覆層をなす材料を混錬してプレス成形等により半割円筒形状の2本の被覆層用成形体22を作製し、この被覆層用成形体22を芯材用成形体21の外周を覆うように配置した成形体23を作製する(図4(b)および(c)参照)。
そして、押出機100を用いて芯材用成形体21と被覆層用成形体22とからなる上記成形体23を共押出成形することにより、芯材用成形体21の周囲に被覆層用成形体22が被覆され、細い径に伸延された図2(a)のシングルタイプの複合繊維体24を作製することができる(図4(d)参照)。また、複合繊維体17の形成にあたり、図4(e)に示すように、上記共押出した長尺状の複合繊維体24を複数本集束した集束体25を再度共押出成形することによって、図2(b)の繊維密度の高いマルチタイプの複合繊維体26を作製することができる。
次に、図5に示したように、この長尺状の複合繊維体24または26を0.1mm〜10mmの所定長さに切断した後、これを成形型28内にランダムに充填して0.01MPa〜1MPaの加圧圧力で一軸方向に予備加圧する。その後、100〜140℃に加熱して再度1MPa〜30MPaの圧力で一軸加圧成形する。この予備加圧した後に上記所定温度まで加熱して上記所定の圧力で一軸加圧成形する工程によって、複合繊維体13、17の配列方向を制御できるのである。
そして、得られた複合成形体27を300〜700℃で10〜200時間で昇温または保持させて脱バインダ処理し、ついで真空中、大気中または不活性雰囲気中、所定温度、時間でホットプレス焼成して一体化することにより複合構造体15を作製することができる。
さらに、この複合構造体15の切刃をなすコーナー部3に、端部に芯材11が露出するようにチャンファホーニングまたはRホーニングを施して本発明のスローアウェイチップを作製することができる。
均粒径0.6μmのAl粉末90質量%と、平均粒径0.8μmのZrO粉末10質量%との混合物に対して、平均粒径0.5μmのNiO粉末0.5質量部、平均粒径0.5μmのCo粉末0.5質量部の割合で添加し、粉末に対し有機バインダとしてエチレンエチルアクリレート、エチレンビニルアセテート、メトキシポリエチレングリコールを、総量で50体積部加えて混錬して、円柱形状に押出成形して芯材用成形体を作製した。
一方、平均粒径0.6μmのSi粉末90質量%と、平均粒径0.8μmのZrO粉末8質量%と、平均粒径0.5μmのMg(OH)粉末をMgO換算で2質量%の割合で添加し、これに、上記同様の有機バインダを加えて混錬し、半割円筒形状の表皮部材用成形体2つを押出成形にて作製し、前記芯材用成形体の外周を覆うように配置して複合構造体を作製した。
そして、上記複合繊維体を共押出して直径が1mmの伸延された複合成形体を作製した後、この伸延された複合成形体300本を集束して再度共押出成形し、直径が1mmのマルチフィラメントタイプの複合繊維体を作製した。
次に、このマルチフィラメントタイプの複合繊維体を長さ3mmに切断し、切断された繊維をカーボン製の成形型内にランダムに充填した。充填時、充填後に金型に振動を加えないように注意した。充填後金型を0.05MPaで一軸方向に予備加圧した。そして140℃まで加熱してから5MPaで5分間プレス加圧して複合成形体を得た。また、試料No.11では、上記プレス成形に代えて冷間静水圧プレス(CIP)により複合繊維体の成形を行った。さらに、試料No.12では、複合繊維体を図6のように整列した配置とした。
その後、前記成形体に対して100〜700℃まで70時間で昇温することによって脱バインダ処理を行った後、昇温速度10℃/分で昇温し、1550℃で1時間ホットプレスにて焼成し、複合構造体を作製した。
そして、この複合構造体をRNGN120700タイプのスローアウェイチップ形状に加工してさらに、コーナー部の切刃先端部分に芯材が露出するようにC面加工および/またはRホーニング加工を施すことによってスローアウェイタイプのスローアウェイチップを作製した(試料No.1)。
得られたスローアウェイチップについて、主面(すくい面と着座面)の中心を通り着座面に垂直な方向の断面の切刃を起点として切刃からすくい面に2.5mm長さで切刃から逃げ面に1.5mm厚さの観察領域において複合繊維体の配列方向を観察し、複合繊維体の配列方向Xを測定した。配列方向Xが10°以内の角度をなす複合繊維体の比率を測定するとともに、観察領域における複合繊維体の配列方向Xの平均値を算出した。さらに、切刃の任意位置5箇所についての上記断面についてそれぞれ複合繊維体の配列を観察し、各断面の切刃からすくい面に2.5mm長さで切刃から逃げ面に1.5mm厚さの観察領域(各2箇所づつ)における配列方向Xの平均値を算出し、そのばらつきを求めた。結果は表2に示した。
また、以下の条件で切削試験を行った。結果は表1に示した。
<切削条件>
被削材:Inconel718
切削速度400m/min
切り込み:2mm送り0.2mm/rev
状態:湿式
切削評価方法:欠損に至るまでの切削時間(切削後、切刃のチッピング状態を確認した。)また、試料No.1と同様に、表1に示す材料の複合構造体を作製し、同様の条件で切削性能を評価した。
結果は表2に示した。
表1、2の結果から明らかなように、加熱せずに複合成形体を形成してホットプレス焼成を行った試料No.7は、すくい面と繊維のなす角が10°以上である繊維の割合が4
%となり、欠損までの加工時間が短いものであった。また、成形圧力が1MPaより低い試料No.8はすくい面と繊維のなす角が10°以上である繊維の割合が40%となり、欠損までの加工時間が短いものであった。さらに、予備加圧することなく加熱した状態で加圧成形した試料No.9、10では、すくい面と繊維のなす角が10°以上である繊維の割合が2%となり、欠損までの加工時間が短いものであった。さらに、配列方向Xが10°より大きい複合繊維体の割合が30%より多い試料No.11では、境界摩耗の進行により工具寿命が短く、配列方向Xの平均値が切刃の場所によって大きくばらついた試料No.12では、切刃の位置によって切削性能がばらついてしまい切刃位置によっては早期に欠損してしまった。
これに対して、複合繊維体の配列方向が本発明の範囲内にある試料No.1〜6ではいずれもチッピングが発生しにくく切削時間の長いものであった。
本発明にかかるスローアウェイチップの一実施形態を示す斜視図である。 図1のスローアウェイチップをなす(a)シングルタイプの複合繊維体、(b)マルチタイプの複合繊維体の構造を説明するための図である。 本発明のスローアウェイチップの配列方向Xの算出方法を説明するためのものであり、主面の中心を通り着座面に垂直な方向の断面の切刃5を起点として切刃からすくい面に2.5mm長さで、切刃から逃げ面に1.5mm厚さの領域について観察した顕微鏡写真である。 複合繊維体の製造方法を示す工程図である。 複合繊維体の成形工程を説明するための工程図である。 実施例の試料No.12における複合繊維体の配列を示す模式図である。
符号の説明
1 スローアウェイチップ
2 主面
2a すくい面
2b 着座面
4 逃げ面
5 切刃
11 芯材
12 被覆層
13、17 複合繊維体
15 複合構造体
21 芯材用成形体
22 被覆層用成形体
23 成形体
24、26 複合繊維体
25 集束体
27 複合成形体
28 成形型
100 押出機

Claims (3)

  1. 芯材と、該芯材の外周を被覆する異なる組成の被覆層とからなる複合繊維体が互いに不規則に絡み合った構造をなした複合構造体からなる板状体であり、該板状体の主面がすくい面と着座面、側面が逃げ面、該すくい面と該逃げ面との交差稜線が切刃であるスローアウェイチップであって、該スローアウェイチップの前記主面の中心を通り前記着座面に垂直な方向の断面の前記切刃を起点として該切刃から前記すくい面に2.5mm長さで該切刃から前記逃げ面に1.5mm厚さの観察領域において前記複合繊維体の配列方向を観察したとき、下記式にて導かれる複合繊維体の配列方向Xが70〜95%の数の前記複合繊維体は10°以内の角度をなし、前記配列方向Xが5〜30%の数の前記複合繊維体は10°より大きい角度をなしており、かつ切刃全周の各切刃位置の任意位置5箇所を起点とした各断面についての前記観察領域における前記複合繊維体の配列方向Xの平均が前記切刃位置によらず30%以内で均一であるスローアウェイチップ。
  2. 前記芯材が酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの混合物であり、前記被覆層が窒化珪素である請求項1記載のスローアウェイチップ。
  3. 前記芯材と前記被覆層との面積比(芯材/被覆層)が60/40〜95/5である請求項2記載のスローアウェイチップ。
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