JP2004001081A - 金属板の突き合わせ溶接方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の鋼板を突き合わせ溶接するに際し、突き合わせ位置決めが容易で、効率よく突き合わせ溶接をする。
【解決手段】2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを溶接位置まで移動させる。2枚の鋼板Aa,Abを所定位置に位置決め固定する。位置決め固定した2枚の鋼板Aa,Abを3枚の鋼板Ba,Bb,Bcに対して両側から突き当てる。鋼板Ba,Bb,Bcを固定して両側に突き合わせ部を形成する。1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成した、3軸方向に移動可能な2台のレーザ溶接トーチ14aa,14baを移動させると共に、レーザ溶接トーチ14aa,14baの移動中に伝送路を切り替えて突き合わせ部を溶接する。
【選択図】 図2
【解決手段】2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを溶接位置まで移動させる。2枚の鋼板Aa,Abを所定位置に位置決め固定する。位置決め固定した2枚の鋼板Aa,Abを3枚の鋼板Ba,Bb,Bcに対して両側から突き当てる。鋼板Ba,Bb,Bcを固定して両側に突き合わせ部を形成する。1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成した、3軸方向に移動可能な2台のレーザ溶接トーチ14aa,14baを移動させると共に、レーザ溶接トーチ14aa,14baの移動中に伝送路を切り替えて突き合わせ部を溶接する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板等の金属板(以下、単に「鋼板」と言う。)の突き合わせ溶接方法、特に一の鋼板に対して他の複数の鋼板を突き合わせて溶接する方法、及び、この方法を実施するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化や石油資源の枯渇といった観点より自動車の軽量化が進む一方、乗員の衝突安全基準が高くなってきており、高張力鋼板の採用をはじめとして種々の対策が講じられてきている。テーラードブランク法の採用もその一つである。
【0003】
テーラードブランク法とは、従来のように複数の鋼板を夫々所定の形状にプレス成形した後に溶接するのとは異なり、予め所定の形状に切断した複数の鋼板を溶接した後にプレス成形する(このようにして得られたものを、以下、「テーラードブランク材」という)もので、溶接する複数の鋼板は、厚さや材質の異なるものが用いられる。
【0004】
このテーラードブランク材を例えばフロントサイドメンバ、リヤサイドメンバ、ドアインナ等の車体の部品として使用すれば、強度が必要な部分だけ厚い鋼板や高張力鋼板を使用することが可能となるので、補強材を用いる必要がなく、車両の軽量化が可能になる。
【0005】
また、複雑な形状や、その一部に強度が必要な部品を、予め所定形状に切断した複数の鋼板を溶接することにより、補強材を必要とすることなく製造できるので、打ち抜きや孔あけ等の加工後に溶接する従来方法に比べて、素材ロスを低減できコストダウンも可能になる。
【0006】
ところで、テーラードブランク法に用いられる溶接方法としては、一般に、レーザやプラズマを用いた突き合わせ溶接や、溶接部が突き合わせ溶接のようになるマッシュシーム溶接が用いられる。
【0007】
このうち、レーザ溶接法は、装置自体は高価ではあるものの、対象鋼種、鋼板の形状における自由度が大きく、長い溶接線を有する部品の製造に適するという長所がある。しかしながら、溶接欠陥の発生を抑えるためには突き合わせ部分におけるギャップ(隙間)を0.05mm以下に維持することが必要とされており、溶接時の位置決めが溶接施工上の重要な工程になっている。
【0008】
このレーザ溶接法を用いて鋼板を突き合わせ溶接するに際し、図13及び図14に示したように、2枚の鋼板A,Bを1個所で接合する場合は、先ず、2枚の鋼板A,Bを位置決め装置1上に搬入した後、この位置決め装置1を溶接位置まで移動する。
【0009】
次に、溶接位置では、対を成す幅決めピン2a,2a、2b,2b同士を夫々接近移動させて2枚の鋼板A,Bの幅方向の位置決めを行った後、前記溶接位置への移動後に上昇位置迄上昇させた突き合わせ位置決めストッパー3(装置コモンベース(固定)4に設置)に、突き当てフローティング機構5aを用いて鋼板Aの溶接部を突き当てる(図14(a)参照)。
【0010】
次に、クランプ装置6aを下降させて鋼板Aをクランプした後、突き合わせ位置決めストッパー3を下降させる(図14(b)参照)。その後、突き当てフローティング機構5bを用いて鋼板Bの溶接部を前記鋼板Aの溶接部に突き当てた後、クランプ装置6bを下降させて鋼板Bをクランプする(図14(c)参照)。
【0011】
このようにすることで、比較的容易に突き合わせ部分のギャップを0.05mm以下にすることができるが、レーザ溶接法を用いた鋼板の突き合わせ溶接では、この位置合せに加えて突き合わせ部に照射するレーザ光の位置精度も重要である。
【0012】
すなわち、2枚の鋼板A,Bの突合せ線(溶接線)に対して、レーザ光はその突き合せ線に沿って、若しくは、突き合わせ線に対して一方の鋼板A又はB側に若干オフセットした位置を突き合わせ線に平行に照射する必要がある。
【0013】
そのため、溶接トーチ7の溶接線方向に走行する軌跡は、装置コモンベース4上に設置した突き合わせ位置決めストッパー3間を結ぶ直線とほぼ一致するように装置の調整を行う。
【0014】
また、鋼板A,Bのサイズ(幅や長さ)が変更になった場合は、幅決めピン2a,2bや突き当てフローティング機構5a,5bの位置を手動若しくは電動にて設定するが、上記のような2枚の鋼板A,Bを1箇所で接合する場合は、前記設定変更のための機構は比較的簡単な構造で済む。
【0015】
しかしながら、接合する鋼板の数が増加して接合個所が多くなると、わずかの寸法誤差であっても、突き合わせたときに大きなギャップとなって現れる場合もあり、例えば0.05mm以下の位置決め精度を確保することは必ずしも容易ではない。従って、鋼板の数が多い場合は、工程数を増やして、1枚ずつ接合する方法を採用する場合が多いが、当然ながら効率はよくない。
【0016】
そこで、多数のブランク材(鋼板)を接合して枠状の部品を製造する場合に好適な突き合わせ位置決め装置が開示されている(例えば特許文献1参照。)。この突き合わせ位置決め装置は、ブランク材の端面を溶接線上に位置決めする基準ピンと、ブランク材を固定するクランパと、ブランク材を挟持する回動可能な矯正クランパと、この矯正クランパを鉛直方向または溶接線に接離するように駆動するアクチュエータとからなり、アクチュエータを駆動させてギャップを矯正する際、ブランク材の撓みと矯正クランパの回動により、正確な位置決めができるとしている。
【0017】
【特許文献1】
特開平10−137980号公報(第2頁、図2)
【0018】
また、突き合わせるブランク材の片方が傾斜して接合部の端面に均一な押圧力を付与できない場合に適用できる位置決め装置として、ブランク材の端面を溶接線上に位置決めする基準ピンと、ブランク材を選択的に挟持すると共に、溶接線側へ向けて駆動可能な内側クランププッシャーと、ブランク材を固定するクランパと、さらにブランク材を撓ませる外側クランププッシャーを備えたものが提案されている(例えば特許文献2参照。)。そして、この突き合わせ位置決め装置では、ブランク材に撓みを与えつつギャップを矯正する際、内側クランププッシャーが回転して、ギャップを矯正する際のブランク材の変位に追従することができ、矯正が円滑に行えるとされている。
【0019】
【特許文献2】
特開平11−90684号公報(第2頁、図1)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記のブランク材の突き合わせ位置決め装置は、何れも接合部の端面間に発生するギャップを確実に矯正してレーザ溶接を円滑に行い得るものではあるものの、両者ともその位置決めに時間を要し、しかも、クランパの駆動装置を増加せざるを得ず、また、そのためには構造的に強固な支持台を必要とする等、大がかりな装置が必要と考えられ、現実的な対応策であるとはいえない。
【0021】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、特に一の鋼板に対して他の複数の鋼板を突き合わせ溶接するに際し、大がかりな装置を必要とすることなく、溶接の際の突き合わせ位置決めが容易で、効率よく鋼板の突き合わせ溶接が可能な方法、及び、その方法を実施するための装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法は、一の鋼板と他の複数の鋼板を溶接位置まで移動させた後、先ず、前記一の鋼板を所定位置に位置決め固定し、次に、位置決め固定した前記一の鋼板を、前記他の複数の鋼板に対して移動させて突き当てた後、前記一の鋼板を固定して突き合わせ部を形成し、その後、3軸方向に移動可能な溶接トーチを移動させて前記突き合わせ部を溶接することとしている。
【0023】
また、本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置は、一の鋼板と他の複数の鋼板の位置決め装置と、該位置決め装置を溶接位置まで移動する移動テーブルと、溶接位置近傍に設置され、3軸方向に移動可能な溶接トーチとを備え、前記位置決め装置は、前記一の鋼板を所定位置まで移動させる突き当てフローティング機構と、所定位置まで移動されて位置決めされた前記一の鋼板を固定する第1のクランプ機構と、該第1のクランプ機構毎に、前記一の鋼板を他の複数の鋼板に対して突き当てる接離移動機構と、該接離移動機構によって、一の鋼板を突き当てられた他の複数の鋼板を固定する第2のクランプ機構とから構成することとしている。
【0024】
そして、このようにすることで、複数の鋼板を突き合わせ溶接するに際し、溶接の際の突き合わせ位置決めが容易で、効率よく鋼板の突き合わせ溶接が可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法は、一の鋼板に対して他の複数の鋼板を突き合わせ溶接する方法であって、前記一の鋼板と他の複数の鋼板を溶接位置まで移動させた後、先ず、前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を所定位置に位置決め固定し、次に、位置決め固定した前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を、前記他の複数の鋼板又は前記一の鋼板に対して移動させて突き当てた後、前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を固定して突き合わせ部を形成し、その後、3軸方向に移動可能な溶接トーチを移動させて前記突き合わせ部を溶接するものである。
【0026】
上記の第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法によれば、一の鋼板に対して他の複数の鋼板の突き合わせ位置決めが、大がかりな装置を必要とすることなく、容易に行えるようになる。
【0027】
上記の第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法は、例えば、一の鋼板と他の複数の鋼板の位置決め装置と、該位置決め装置を溶接位置まで移動する移動テーブルと、溶接位置近傍に配置され、3軸方向に移動可能な溶接トーチとを備え、前記位置決め装置は、前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を所定位置まで移動させる突き当てフローティング機構と、所定位置まで移動されて位置決めされた前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を固定する第1のクランプ機構と、該第1のクランプ機構毎に、前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を他の複数の鋼板又は一の鋼板に対して突き当てる接離移動機構と、該接離移動機構によって、一の鋼板又は他の複数の鋼板を突き当てられた他の複数の鋼板又は一の鋼板を固定する第2のクランプ機構とからなる第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置によって実施が可能になる。
【0028】
また、上記の第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法において、前記一の鋼板を前記他の複数の鋼板の両側に配置する2枚となし、前記2枚の一の鋼板と他の複数の鋼板を溶接位置まで移動させた後、先ず、前記2枚の一の鋼板を所定位置に位置決め固定し、次に、位置決め固定した前記2枚の一の鋼板を、前記他の複数の鋼板に対して両側から突き当てた後、前記他の複数の鋼板を固定して両側に突き合わせ部を形成し、その後、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成した、3軸方向に移動可能な2台のレーザ溶接トーチを移動させると共に、前記レーザ溶接トーチの移動中に伝送路を切り替えて、前記突き合わせ部を順次溶接する。これが第2の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法である。
【0029】
この第2の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法によれば、一の鋼板を他の複数の鋼板の両側に配置する2枚となした場合における鋼板の突き合わせ位置決めが一度で行え、また、レーザ光の照射をタイムシェリングすれば、複数箇所の溶接に要する時間の短縮も図れ、効率の良い溶接が行えるようになる。
【0030】
上記の第2の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法は、例えば、2枚の一の鋼板と他の複数の鋼板の位置決め装置と、該位置決め装置を溶接位置まで移動する移動テーブルと、溶接位置近傍に設置され、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成された、3軸方向に移動可能な2台のレーザ溶接トーチとを備え、前記位置決め装置は、前記一の鋼板を所定位置まで移動させる突き当てフローティング機構と、所定位置まで移動されて位置決めされた前記一の鋼板を固定する第1のクランプ機構と、該第1のクランプ機構毎に、前記一の鋼板を他の複数の鋼板に対して両側から突き当てる接離移動機構と、該接離移動機構によって、両側から一の鋼板を突き当てられた他の複数の鋼板を固定する第2のクランプ機構とからなる第2の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置によって実施が可能になる。
【0031】
また、上記の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置において、前記位置決め装置に、更に前記接離移動機構毎に、他の複数の鋼板の長手方向に移動する移動機構を備えさせた場合には、他の複数の鋼板の長手方向の長さが変更された場合の段取り替えが容易に行えるようになる。
【0032】
上記の第2の本発明はレーザ溶接に関するものであるが、第1の本発明はレーザ溶接に限らず、アーク溶接など他の溶接であっても良い。また、本発明において付き合わせ溶接する対象は鋼板に限らず、アルミニウム合金板等、他の金属板でも良い。
【0033】
【実施例】
以下、本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を図1〜図12に示す実施例に基づいて説明し、この装置を用いた本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法の説明に及ぶ。
【0034】
図1は本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を2基並列に配置した場合の実施例の概略構成を示した斜視図、図2は図1の要部の概略構成を説明する図、図3は位置決め装置の平面図、図4は図3の側面図及び正面図、図5はレーザ溶接装置の拡大斜視図、図6及び図7は図1〜図5に示した本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を用いた本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法における鋼板の位置決めを順を追って説明する図、図8〜図10は図6及び図7の方法で位置決めした後の突き合わせ溶接を順を追って説明する図、図11及び図12は他の実施例を示す図3と同様の図である。
【0035】
図1〜図5において、11は位置決め装置であり、例えば他所に予め位置決め載置しておいた所定の間隔を存して平行に配置した2枚の鋼板Aa,Abと、この2枚の鋼板Aa,Ab間に、これら鋼板に対して溶接線が例えば直線かつ平行な3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを、そのままの配置状態で受け取り、溶接位置決めを行なうものであり、例えば図2〜図4に示したように構成されている。
【0036】
11a及び11bは位置決め装置11の幅方向中央部における前後方向(鋼板長手方向)両側に配置された夫々2個で対をなす突き当てフローティング機構であり、前記受け取った2枚の鋼板Aa,Abを共に所定位置まで移動させるものである。
【0037】
本実施例ではアルミケース11aa,11baにリニアブッシュ11ab,11bbを組込んだ構成のものを示したが、鋼板Aa,Abの外側を押して鋼板Aa,Abを内側に向けて移動させると共に、鋼板Aa,Abの前記移動が拘束された場合には自身の移動量を吸収すると言う、同様の作用を奏するものであれば、その構成は問わないことは言うまでもない。
【0038】
また、本実施例では、前記所定位置までの移動を、鋼板Aa,Abがその内側方向に配置した突き合わせ位置決めストッパー11m,11nに当接するまでとしたものを示しているが、所定位置において鋼板Aa,Abの前記移動が停止するものであれば、必ずしも突き合わせ位置決めストッパー11m,11nのような停止位置保持部材は必要ではない。
【0039】
11c及び11dは前記突き当てフローティング機構11a及び11bによって所定位置に位置決めされた2枚の鋼板Aa,Abを夫々固定する上部クランプ部材11ca及び11daと下部クランプ部材11cb及び11dbからなる第1のクランプ機構である。
【0040】
本実施例では、2枚の鋼板Aa,Abの溶接部の固定を確実なものとするために、図6及び図7に示したように、夫々3枚の鋼板Ba,Bb,Bcとの突き合わせ溶接位置の3箇所で固定するように構成すると共に、溶接位置の変更に応じて第1のクランプ機構11c及び11dの設置位置の調整が可能なように、上部クランプ部材11ca及び11daと下部クランプ部材11cb及び11dbの夫々が、位置決め装置11の移動方向(図2(a)の紙面左右方向)に移動が自在なように設けたものを示している。
【0041】
11e及び11fは前記第1のクランプ機構11c及び11d毎、前記2枚の鋼板Aa,Abを3枚の鋼板Ba,Bb,Bcに対してその両側から突き当てる接離移動機構、11r及び11sは前記した設置位置の調整時、前記下部クランプ部材11cb及び11dbを前記接離移動機構11e及び11fと同方向に例えばアクチュエータ11ra及び11saにより移動させる第1の移動機構であり、本実施例では、夫々磁気レール11ga,11gbに沿って移動するように構成したものを示している。
【0042】
なお、本実施例では、前記上部クランプ部材11ca及び11daの設置位置の調整は、図2(b)に示したように、例えば親ねじ送り機構などにより手動で行うものを示している。
【0043】
11hは前記接離移動機構11e及び11fによって両側から2枚の鋼板Aa,Abを突き当てられた3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを固定する第2のクランプ機構であり、上部クランプ部材11haと下部クランプ部材11hbとで構成されている。
【0044】
本実施例では、第2のクランプ機構11hは3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの両側に夫々配置し、前記接離移動機構11e及び11fによって第1のクランプ機構11c及び11dと一緒に接離移動すると共に、上部クランプ部材11haと下部クランプ部材11hbも第1のクランプ機構11c及び11dと同様の移動機構によって設置位置の調整が行なえるようになっている。
【0045】
前記位置決め装置11は最低限上記した構成を備えたものであれば良いが、図2〜図4に示した実施例では、上記の構成に加えて、更に、以下に説明する構成を備えている。
【0046】
11i,11jは2枚の鋼板Aa,Abの幅方向の略中央位置における側方に夫々配置された第1の幅決めピン、11kは3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの幅方向の略中央位置における側方に夫々配置された第2の幅決めピンであり、本実施例では夫々エアーシリンダ11oによって夫々の鋼板Aa,Ab及び鋼板Ba,Bb,Bcの幅方向に移動が可能なものを示している。
【0047】
このような幅決めピン11i〜11kを付加した場合には、鋼板受け取り時における幅方向の位置ずれや、2枚の鋼板Aa,Abを3枚の鋼板Ba,Bb,Bcに突き当てた際の3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの幅方向の位置ずれを確実に防止することができるようになる。
【0048】
11p,11qは前記接離移動機構11e,11f毎に、3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの長手方向に移動する第2の移動機構であり、前記接離移動機構11e,11fや第1の移動機構11r,11sと同様、磁気レール11gcに沿って移動するように構成したものを示している。
【0049】
このような第2の移動機構11p,11qを付加した場合には、3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの鋼板長手方向の長さが変更された場合であっても、その段取り替えが容易に行えるようになる。
【0050】
なお、本実施例では、アクチュエータ11tによって前記下部クランプ部材11cb,11db及び11hbを一体的な昇降動が可能なように構成し、設置位置の高さ調整が行えるものを示している。
【0051】
12は前記した構成の位置決め装置11を溶接位置を経て受渡し位置まで移動する移動テーブル(図8〜図10参照)であり、本実施例では、図示しない往復移動機構によって、位置決め装置11が、鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcの受け取り位置、溶接位置、溶接後の半製品の受渡し位置の3つを、レール13に案内されて往復移動するものを示している。
【0052】
14a,14bは溶接位置近傍に固定配置された対をなすレーザ溶接装置であり、その溶接トーチ14aa,14baは、溶接線方向(以下、「X軸方向」と言う。)、溶接線に直角な方向(以下、「Y軸方向」と言う。)、及び、上下方向(以下、「Z軸方向」と言う。)に移動可能であり、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成されている。
【0053】
本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置は、例えば上記した構成であり、以下、この本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を用いて、2枚の鋼板Aa,Abに対して溶接線が直線かつ平行な3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを突き合わせ溶接する本発明方法を図6〜図10を用いて説明する。なお、以下の説明では、第1、第2のクランプ機構11c,11d、11h等の設置位置の調整は予め行ってあるものとして説明する。
【0054】
先ず、先に説明したように、他所に予め位置決め載置しておいた2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを、そのままの配置状態で図8〜図10の紙面左側の待機位置にある位置決め装置11上に受け取る(図6(a)参照)。
【0055】
図6(a)に示した状態で2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを受け取った後は、図8〜図10の紙面中央の溶接位置まで、位置決め装置11をレール13に沿って移動テーブル12上を移動させる。
【0056】
そして、前記溶接位置において、以下の順序にて、2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの突合せ位置決めを行なう。
▲1▼ 先ず、エアーシリンダ11o(図3参照)を作動させて第1、第2の幅決めピン11i〜11kを夫々の鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcに当接させ、夫々の鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcの幅決めを行う。そして、幅決めを行った後は、突き当てフローティング機構11a,11bを作動させて鋼板Aa,Abを突き合わせ位置決めストッパー11m,11nに押し当てる(図6(b)参照)。
【0057】
▲2▼ 鋼板Aa,Abを突き合わせ位置決めストッパー11m,11nに押し当てた後は、第1のクランプ機構11c,11dを作動させて鋼板Aa,Abを固定し、その後、突き合わせ位置決めストッパー11m,11nを下降させる(図7(a)参照)。
【0058】
▲3▼ 次に、接離移動機構11e,11fを作動させて、前記位置決め固定した鋼板Aa,Abを、そのままの状態で鋼板Ba,Bb,Bcに対して両側から突き当てる(図7(b)参照)。このようにすることで、仮に鋼板に寸法誤差があっても、複数の鋼板の突合せ位置決めを短時間にかつ精度良く行うことができる。その後、第2のクランプ機構11hを作動させて鋼板Ba,Bb,Bcを固定し、以下のように突き合わせ部を一方側から他方側に、例えば図7(c)に示したイ〜ヘの順に溶接する(図7(c)参照)。この溶接順序を図8〜図10を用いて説明する。
【0059】
図8〜図10は本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を2基並列に配置した場合を示したもので、先に説明したように、他所に予め位置決め載置しておいた2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを、そのままの配置状態で待機位置にある一方(紙面上方に位置する側)の位置決め装置11上に積載する。このとき、先行する他方(紙面下方に位置する側)の位置決め装置11上では、溶接位置において前記したように位置決め固定された鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcは上記の順にその突き合わせ部を溶接されている(図8(a)参照)。
【0060】
前記したように鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcを積載された待機位置にある一方の位置決め装置11は、移動テーブル12によって次の溶接位置まで移動せしめられ、この溶接位置において、図6及び図7を用いて説明したように、鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcは位置決め固定される。この位置決め固定が終了した時点では、先行する他方の位置決め装置11上では、例えば鋼板Abと鋼板Bcの溶接が行われており、鋼板Aaと鋼板Ba,Bb,Bcの溶接は終了し、溶接トーチ14aaは一方の位置決め装置11側に移動している(図8(b)参照)。
【0061】
そして、他方の位置決め装置11上における鋼板Abと鋼板Bcの溶接が終了し、溶接トーチ14baが一方の位置決め装置11側に復帰した後、一方の位置決め装置11では、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成した2台の溶接トーチ14aa,14baを用いて鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcの突き合わせ部を上記の順に溶接する(図9(a)参照)。
【0062】
すなわち、先ず、溶接トーチ14aaにより鋼板Aaと鋼板Baの突き合わせ部イを溶接する。このとき、溶接トーチ14baは待機している。そして、前記突き合わせ部イの溶接が終了すると、レーザ発振器からの伝送路を溶接トーチ14baに切り替え、溶接トーチ14baにより鋼板Abと鋼板Baの突き合わせ部ロを溶接する。この突き合わせ部ロの溶接時、溶接トーチ14aaは次の溶接に備え、鋼板Aaと鋼板Bbの突き合わせ部ハの直前迄移動し、待機する。
【0063】
このように、一方の位置決め装置11では、レーザ発振器からの伝送路を溶接トーチ14aaと14baに交互に切り替えて、例えば鋼板群の両側の一方側から他方側へその突き合わせ部を順に溶接しつつ、この溶接中に残りの溶接トーチは次の突き合わせ部に移動し、次の溶接まで待機する。
【0064】
この一方の位置決め装置11上での溶接時、他方の位置決め装置11は、移動テーブル12によって受渡し位置迄移動して前記溶接後の半製品を搬出した後(図9(a)参照)、鋼板受け取り位置迄復帰し、この鋼板受け取り位置で、他所で予め位置決め載置しておいた2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを、そのままの配置状態で受け取る(図9(b)参照)。
【0065】
鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcを積載された他方の位置決め装置11は、移動テーブル12によって次の溶接位置まで移動せしめられ、この溶接位置において、鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcは前記と同様に位置決め固定される(図10(a)参照)。
【0066】
この他方の位置決め装置11上における鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcの位置決め固定中に前記した溶接が終了した一方の位置決め装置11は、移動テーブル12によって受渡し位置迄移動して前記溶接後の半製品を搬出する(図10(a)参照)。
【0067】
本発明の上記実施例によれば、2枚の鋼板Aa,Abを3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの両側に配置した場合における鋼板の突き合わせ位置決めが一度で行え、かつ、レーザ光の照射をタイムシェリングすることで、複数箇所の溶接に要する時間の短縮が図れ、効率の良い溶接が行えるようになる。
【0068】
また、上記実施例の構成では、位置決め装置11に、接離移動機構11e,11f毎、鋼板Ba,Bb,Bcの長手方向に移動する第2の移動機構11p,11qを備えさせているので、鋼板Ba,Bb,Bcの鋼板長手方向の長さが変更された場合にも、段取り替えが容易に行えるようになる。
【0069】
本発明は上記の実施例に限らず、1枚の鋼板と複数の鋼板を所定位置に位置決め固定し、次に、この位置決め固定した1枚の鋼板又は複数の鋼板に対して複数の鋼板を又は1枚の鋼板を移動させて溶接部を突き当てた後固定し、その後、前記溶接トーチを、前記突き当て固定した鋼板群の例えば一方側から他方側へ移動させて突き合わせ部を順次溶接するものであっても良いことは言うまでもない。
【0070】
また、上記の実施例では、図3に示したように、一の鋼板Aa,Abと他の鋼板Ba,Bb,Bcとの溶接線が、一の鋼板Aa,Abに対して直線かつ平行な場合について説明したが、図11に示したように、前記溶接線が直線ではあるが平行でない場合や、図12に示したように、曲線と平行でない直線を組み合わせたものでも本発明の適用は可能である。
【0071】
また、上記の実施例では、レーザ溶接装置14a,14bを固定配置したものについて説明したが、これらレーザ溶接装置14a,14bの例えば一方の支柱14ab,14bbを支点として、上部の梁14ac、14bcを水平回動が可能なように構成すれば、位置決め装置11への鋼板群の搬入、搬出が容易に行えるようになる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の鋼板を突き合わせ溶接するに際し、大がかりな装置を必要とすることなく、溶接の際の突き合わせ位置決めが容易で、効率よく鋼板の突き合わせ溶接が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を2基並列に配置した場合の実施例の概略構成を示した斜視図である。
【図2】図1の要部の概略構成を説明する図で、(a)は側面から見た図、(b)は正面から見た図である。
【図3】
位置決め装置の平面図である。
【図4】(a)は図3の側面図、(b)は図3の正面図である。
【図5】レーザ溶接装置の拡大斜視図である。
【図6】(a)(b)は図1〜図5に示した本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を用いた本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法における鋼板の位置決めを順を追って説明する図である。
【図7】(a)〜(c)は図1〜図5に示した本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を用いた本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法における鋼板の位置決めを順を追って説明する図で、図6の後段を説明する図である。
【図8】(a)(b)は図6及び図7の方法で位置決めした後の突き合わせ溶接を順を追って説明する図である。
【図9】(a)(b)は図6及び図7の方法で位置決めした後の突き合わせ溶接を順を追って説明する図で、図8の後段を説明する図である。
【図10】(a)(b)は図6及び図7の方法で位置決めした後の突き合わせ溶接を順を追って説明する図で、図9の後段を説明する図である。
【図11】一の鋼板と他の鋼板との溶接線の他の態様を説明する図3と同様の図である。
【図12】一の鋼板と他の鋼板との溶接線の更に他の態様を説明する図3と同様の図である。
【図13】2枚の鋼板を1個所で接合する場合の従来方法の説明図で、(a)は溶接位置に移動した状態を示す側面から見た図、(b)は(a)を平面から見た図である。
【図14】(a)〜(c)は図11の後工程を順を追って説明する平面から見た図である。
【符号の説明】
Aa,Ab 鋼板
Ba,Bb,Bc 鋼板
11 位置決め装置
11a,11b 突き当てフローティング機構
11c,11d 第1のクランプ機構
11e,11f 接離移動装置
11h 第2のクランプ機構
11p,11q 第2の移動機構
12 移動テーブル
14aa,14ba 溶接トーチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板等の金属板(以下、単に「鋼板」と言う。)の突き合わせ溶接方法、特に一の鋼板に対して他の複数の鋼板を突き合わせて溶接する方法、及び、この方法を実施するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化や石油資源の枯渇といった観点より自動車の軽量化が進む一方、乗員の衝突安全基準が高くなってきており、高張力鋼板の採用をはじめとして種々の対策が講じられてきている。テーラードブランク法の採用もその一つである。
【0003】
テーラードブランク法とは、従来のように複数の鋼板を夫々所定の形状にプレス成形した後に溶接するのとは異なり、予め所定の形状に切断した複数の鋼板を溶接した後にプレス成形する(このようにして得られたものを、以下、「テーラードブランク材」という)もので、溶接する複数の鋼板は、厚さや材質の異なるものが用いられる。
【0004】
このテーラードブランク材を例えばフロントサイドメンバ、リヤサイドメンバ、ドアインナ等の車体の部品として使用すれば、強度が必要な部分だけ厚い鋼板や高張力鋼板を使用することが可能となるので、補強材を用いる必要がなく、車両の軽量化が可能になる。
【0005】
また、複雑な形状や、その一部に強度が必要な部品を、予め所定形状に切断した複数の鋼板を溶接することにより、補強材を必要とすることなく製造できるので、打ち抜きや孔あけ等の加工後に溶接する従来方法に比べて、素材ロスを低減できコストダウンも可能になる。
【0006】
ところで、テーラードブランク法に用いられる溶接方法としては、一般に、レーザやプラズマを用いた突き合わせ溶接や、溶接部が突き合わせ溶接のようになるマッシュシーム溶接が用いられる。
【0007】
このうち、レーザ溶接法は、装置自体は高価ではあるものの、対象鋼種、鋼板の形状における自由度が大きく、長い溶接線を有する部品の製造に適するという長所がある。しかしながら、溶接欠陥の発生を抑えるためには突き合わせ部分におけるギャップ(隙間)を0.05mm以下に維持することが必要とされており、溶接時の位置決めが溶接施工上の重要な工程になっている。
【0008】
このレーザ溶接法を用いて鋼板を突き合わせ溶接するに際し、図13及び図14に示したように、2枚の鋼板A,Bを1個所で接合する場合は、先ず、2枚の鋼板A,Bを位置決め装置1上に搬入した後、この位置決め装置1を溶接位置まで移動する。
【0009】
次に、溶接位置では、対を成す幅決めピン2a,2a、2b,2b同士を夫々接近移動させて2枚の鋼板A,Bの幅方向の位置決めを行った後、前記溶接位置への移動後に上昇位置迄上昇させた突き合わせ位置決めストッパー3(装置コモンベース(固定)4に設置)に、突き当てフローティング機構5aを用いて鋼板Aの溶接部を突き当てる(図14(a)参照)。
【0010】
次に、クランプ装置6aを下降させて鋼板Aをクランプした後、突き合わせ位置決めストッパー3を下降させる(図14(b)参照)。その後、突き当てフローティング機構5bを用いて鋼板Bの溶接部を前記鋼板Aの溶接部に突き当てた後、クランプ装置6bを下降させて鋼板Bをクランプする(図14(c)参照)。
【0011】
このようにすることで、比較的容易に突き合わせ部分のギャップを0.05mm以下にすることができるが、レーザ溶接法を用いた鋼板の突き合わせ溶接では、この位置合せに加えて突き合わせ部に照射するレーザ光の位置精度も重要である。
【0012】
すなわち、2枚の鋼板A,Bの突合せ線(溶接線)に対して、レーザ光はその突き合せ線に沿って、若しくは、突き合わせ線に対して一方の鋼板A又はB側に若干オフセットした位置を突き合わせ線に平行に照射する必要がある。
【0013】
そのため、溶接トーチ7の溶接線方向に走行する軌跡は、装置コモンベース4上に設置した突き合わせ位置決めストッパー3間を結ぶ直線とほぼ一致するように装置の調整を行う。
【0014】
また、鋼板A,Bのサイズ(幅や長さ)が変更になった場合は、幅決めピン2a,2bや突き当てフローティング機構5a,5bの位置を手動若しくは電動にて設定するが、上記のような2枚の鋼板A,Bを1箇所で接合する場合は、前記設定変更のための機構は比較的簡単な構造で済む。
【0015】
しかしながら、接合する鋼板の数が増加して接合個所が多くなると、わずかの寸法誤差であっても、突き合わせたときに大きなギャップとなって現れる場合もあり、例えば0.05mm以下の位置決め精度を確保することは必ずしも容易ではない。従って、鋼板の数が多い場合は、工程数を増やして、1枚ずつ接合する方法を採用する場合が多いが、当然ながら効率はよくない。
【0016】
そこで、多数のブランク材(鋼板)を接合して枠状の部品を製造する場合に好適な突き合わせ位置決め装置が開示されている(例えば特許文献1参照。)。この突き合わせ位置決め装置は、ブランク材の端面を溶接線上に位置決めする基準ピンと、ブランク材を固定するクランパと、ブランク材を挟持する回動可能な矯正クランパと、この矯正クランパを鉛直方向または溶接線に接離するように駆動するアクチュエータとからなり、アクチュエータを駆動させてギャップを矯正する際、ブランク材の撓みと矯正クランパの回動により、正確な位置決めができるとしている。
【0017】
【特許文献1】
特開平10−137980号公報(第2頁、図2)
【0018】
また、突き合わせるブランク材の片方が傾斜して接合部の端面に均一な押圧力を付与できない場合に適用できる位置決め装置として、ブランク材の端面を溶接線上に位置決めする基準ピンと、ブランク材を選択的に挟持すると共に、溶接線側へ向けて駆動可能な内側クランププッシャーと、ブランク材を固定するクランパと、さらにブランク材を撓ませる外側クランププッシャーを備えたものが提案されている(例えば特許文献2参照。)。そして、この突き合わせ位置決め装置では、ブランク材に撓みを与えつつギャップを矯正する際、内側クランププッシャーが回転して、ギャップを矯正する際のブランク材の変位に追従することができ、矯正が円滑に行えるとされている。
【0019】
【特許文献2】
特開平11−90684号公報(第2頁、図1)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記のブランク材の突き合わせ位置決め装置は、何れも接合部の端面間に発生するギャップを確実に矯正してレーザ溶接を円滑に行い得るものではあるものの、両者ともその位置決めに時間を要し、しかも、クランパの駆動装置を増加せざるを得ず、また、そのためには構造的に強固な支持台を必要とする等、大がかりな装置が必要と考えられ、現実的な対応策であるとはいえない。
【0021】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、特に一の鋼板に対して他の複数の鋼板を突き合わせ溶接するに際し、大がかりな装置を必要とすることなく、溶接の際の突き合わせ位置決めが容易で、効率よく鋼板の突き合わせ溶接が可能な方法、及び、その方法を実施するための装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法は、一の鋼板と他の複数の鋼板を溶接位置まで移動させた後、先ず、前記一の鋼板を所定位置に位置決め固定し、次に、位置決め固定した前記一の鋼板を、前記他の複数の鋼板に対して移動させて突き当てた後、前記一の鋼板を固定して突き合わせ部を形成し、その後、3軸方向に移動可能な溶接トーチを移動させて前記突き合わせ部を溶接することとしている。
【0023】
また、本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置は、一の鋼板と他の複数の鋼板の位置決め装置と、該位置決め装置を溶接位置まで移動する移動テーブルと、溶接位置近傍に設置され、3軸方向に移動可能な溶接トーチとを備え、前記位置決め装置は、前記一の鋼板を所定位置まで移動させる突き当てフローティング機構と、所定位置まで移動されて位置決めされた前記一の鋼板を固定する第1のクランプ機構と、該第1のクランプ機構毎に、前記一の鋼板を他の複数の鋼板に対して突き当てる接離移動機構と、該接離移動機構によって、一の鋼板を突き当てられた他の複数の鋼板を固定する第2のクランプ機構とから構成することとしている。
【0024】
そして、このようにすることで、複数の鋼板を突き合わせ溶接するに際し、溶接の際の突き合わせ位置決めが容易で、効率よく鋼板の突き合わせ溶接が可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法は、一の鋼板に対して他の複数の鋼板を突き合わせ溶接する方法であって、前記一の鋼板と他の複数の鋼板を溶接位置まで移動させた後、先ず、前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を所定位置に位置決め固定し、次に、位置決め固定した前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を、前記他の複数の鋼板又は前記一の鋼板に対して移動させて突き当てた後、前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を固定して突き合わせ部を形成し、その後、3軸方向に移動可能な溶接トーチを移動させて前記突き合わせ部を溶接するものである。
【0026】
上記の第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法によれば、一の鋼板に対して他の複数の鋼板の突き合わせ位置決めが、大がかりな装置を必要とすることなく、容易に行えるようになる。
【0027】
上記の第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法は、例えば、一の鋼板と他の複数の鋼板の位置決め装置と、該位置決め装置を溶接位置まで移動する移動テーブルと、溶接位置近傍に配置され、3軸方向に移動可能な溶接トーチとを備え、前記位置決め装置は、前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を所定位置まで移動させる突き当てフローティング機構と、所定位置まで移動されて位置決めされた前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を固定する第1のクランプ機構と、該第1のクランプ機構毎に、前記一の鋼板又は前記他の複数の鋼板を他の複数の鋼板又は一の鋼板に対して突き当てる接離移動機構と、該接離移動機構によって、一の鋼板又は他の複数の鋼板を突き当てられた他の複数の鋼板又は一の鋼板を固定する第2のクランプ機構とからなる第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置によって実施が可能になる。
【0028】
また、上記の第1の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法において、前記一の鋼板を前記他の複数の鋼板の両側に配置する2枚となし、前記2枚の一の鋼板と他の複数の鋼板を溶接位置まで移動させた後、先ず、前記2枚の一の鋼板を所定位置に位置決め固定し、次に、位置決め固定した前記2枚の一の鋼板を、前記他の複数の鋼板に対して両側から突き当てた後、前記他の複数の鋼板を固定して両側に突き合わせ部を形成し、その後、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成した、3軸方向に移動可能な2台のレーザ溶接トーチを移動させると共に、前記レーザ溶接トーチの移動中に伝送路を切り替えて、前記突き合わせ部を順次溶接する。これが第2の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法である。
【0029】
この第2の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法によれば、一の鋼板を他の複数の鋼板の両側に配置する2枚となした場合における鋼板の突き合わせ位置決めが一度で行え、また、レーザ光の照射をタイムシェリングすれば、複数箇所の溶接に要する時間の短縮も図れ、効率の良い溶接が行えるようになる。
【0030】
上記の第2の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法は、例えば、2枚の一の鋼板と他の複数の鋼板の位置決め装置と、該位置決め装置を溶接位置まで移動する移動テーブルと、溶接位置近傍に設置され、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成された、3軸方向に移動可能な2台のレーザ溶接トーチとを備え、前記位置決め装置は、前記一の鋼板を所定位置まで移動させる突き当てフローティング機構と、所定位置まで移動されて位置決めされた前記一の鋼板を固定する第1のクランプ機構と、該第1のクランプ機構毎に、前記一の鋼板を他の複数の鋼板に対して両側から突き当てる接離移動機構と、該接離移動機構によって、両側から一の鋼板を突き当てられた他の複数の鋼板を固定する第2のクランプ機構とからなる第2の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置によって実施が可能になる。
【0031】
また、上記の本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置において、前記位置決め装置に、更に前記接離移動機構毎に、他の複数の鋼板の長手方向に移動する移動機構を備えさせた場合には、他の複数の鋼板の長手方向の長さが変更された場合の段取り替えが容易に行えるようになる。
【0032】
上記の第2の本発明はレーザ溶接に関するものであるが、第1の本発明はレーザ溶接に限らず、アーク溶接など他の溶接であっても良い。また、本発明において付き合わせ溶接する対象は鋼板に限らず、アルミニウム合金板等、他の金属板でも良い。
【0033】
【実施例】
以下、本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を図1〜図12に示す実施例に基づいて説明し、この装置を用いた本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法の説明に及ぶ。
【0034】
図1は本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を2基並列に配置した場合の実施例の概略構成を示した斜視図、図2は図1の要部の概略構成を説明する図、図3は位置決め装置の平面図、図4は図3の側面図及び正面図、図5はレーザ溶接装置の拡大斜視図、図6及び図7は図1〜図5に示した本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を用いた本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法における鋼板の位置決めを順を追って説明する図、図8〜図10は図6及び図7の方法で位置決めした後の突き合わせ溶接を順を追って説明する図、図11及び図12は他の実施例を示す図3と同様の図である。
【0035】
図1〜図5において、11は位置決め装置であり、例えば他所に予め位置決め載置しておいた所定の間隔を存して平行に配置した2枚の鋼板Aa,Abと、この2枚の鋼板Aa,Ab間に、これら鋼板に対して溶接線が例えば直線かつ平行な3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを、そのままの配置状態で受け取り、溶接位置決めを行なうものであり、例えば図2〜図4に示したように構成されている。
【0036】
11a及び11bは位置決め装置11の幅方向中央部における前後方向(鋼板長手方向)両側に配置された夫々2個で対をなす突き当てフローティング機構であり、前記受け取った2枚の鋼板Aa,Abを共に所定位置まで移動させるものである。
【0037】
本実施例ではアルミケース11aa,11baにリニアブッシュ11ab,11bbを組込んだ構成のものを示したが、鋼板Aa,Abの外側を押して鋼板Aa,Abを内側に向けて移動させると共に、鋼板Aa,Abの前記移動が拘束された場合には自身の移動量を吸収すると言う、同様の作用を奏するものであれば、その構成は問わないことは言うまでもない。
【0038】
また、本実施例では、前記所定位置までの移動を、鋼板Aa,Abがその内側方向に配置した突き合わせ位置決めストッパー11m,11nに当接するまでとしたものを示しているが、所定位置において鋼板Aa,Abの前記移動が停止するものであれば、必ずしも突き合わせ位置決めストッパー11m,11nのような停止位置保持部材は必要ではない。
【0039】
11c及び11dは前記突き当てフローティング機構11a及び11bによって所定位置に位置決めされた2枚の鋼板Aa,Abを夫々固定する上部クランプ部材11ca及び11daと下部クランプ部材11cb及び11dbからなる第1のクランプ機構である。
【0040】
本実施例では、2枚の鋼板Aa,Abの溶接部の固定を確実なものとするために、図6及び図7に示したように、夫々3枚の鋼板Ba,Bb,Bcとの突き合わせ溶接位置の3箇所で固定するように構成すると共に、溶接位置の変更に応じて第1のクランプ機構11c及び11dの設置位置の調整が可能なように、上部クランプ部材11ca及び11daと下部クランプ部材11cb及び11dbの夫々が、位置決め装置11の移動方向(図2(a)の紙面左右方向)に移動が自在なように設けたものを示している。
【0041】
11e及び11fは前記第1のクランプ機構11c及び11d毎、前記2枚の鋼板Aa,Abを3枚の鋼板Ba,Bb,Bcに対してその両側から突き当てる接離移動機構、11r及び11sは前記した設置位置の調整時、前記下部クランプ部材11cb及び11dbを前記接離移動機構11e及び11fと同方向に例えばアクチュエータ11ra及び11saにより移動させる第1の移動機構であり、本実施例では、夫々磁気レール11ga,11gbに沿って移動するように構成したものを示している。
【0042】
なお、本実施例では、前記上部クランプ部材11ca及び11daの設置位置の調整は、図2(b)に示したように、例えば親ねじ送り機構などにより手動で行うものを示している。
【0043】
11hは前記接離移動機構11e及び11fによって両側から2枚の鋼板Aa,Abを突き当てられた3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを固定する第2のクランプ機構であり、上部クランプ部材11haと下部クランプ部材11hbとで構成されている。
【0044】
本実施例では、第2のクランプ機構11hは3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの両側に夫々配置し、前記接離移動機構11e及び11fによって第1のクランプ機構11c及び11dと一緒に接離移動すると共に、上部クランプ部材11haと下部クランプ部材11hbも第1のクランプ機構11c及び11dと同様の移動機構によって設置位置の調整が行なえるようになっている。
【0045】
前記位置決め装置11は最低限上記した構成を備えたものであれば良いが、図2〜図4に示した実施例では、上記の構成に加えて、更に、以下に説明する構成を備えている。
【0046】
11i,11jは2枚の鋼板Aa,Abの幅方向の略中央位置における側方に夫々配置された第1の幅決めピン、11kは3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの幅方向の略中央位置における側方に夫々配置された第2の幅決めピンであり、本実施例では夫々エアーシリンダ11oによって夫々の鋼板Aa,Ab及び鋼板Ba,Bb,Bcの幅方向に移動が可能なものを示している。
【0047】
このような幅決めピン11i〜11kを付加した場合には、鋼板受け取り時における幅方向の位置ずれや、2枚の鋼板Aa,Abを3枚の鋼板Ba,Bb,Bcに突き当てた際の3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの幅方向の位置ずれを確実に防止することができるようになる。
【0048】
11p,11qは前記接離移動機構11e,11f毎に、3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの長手方向に移動する第2の移動機構であり、前記接離移動機構11e,11fや第1の移動機構11r,11sと同様、磁気レール11gcに沿って移動するように構成したものを示している。
【0049】
このような第2の移動機構11p,11qを付加した場合には、3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの鋼板長手方向の長さが変更された場合であっても、その段取り替えが容易に行えるようになる。
【0050】
なお、本実施例では、アクチュエータ11tによって前記下部クランプ部材11cb,11db及び11hbを一体的な昇降動が可能なように構成し、設置位置の高さ調整が行えるものを示している。
【0051】
12は前記した構成の位置決め装置11を溶接位置を経て受渡し位置まで移動する移動テーブル(図8〜図10参照)であり、本実施例では、図示しない往復移動機構によって、位置決め装置11が、鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcの受け取り位置、溶接位置、溶接後の半製品の受渡し位置の3つを、レール13に案内されて往復移動するものを示している。
【0052】
14a,14bは溶接位置近傍に固定配置された対をなすレーザ溶接装置であり、その溶接トーチ14aa,14baは、溶接線方向(以下、「X軸方向」と言う。)、溶接線に直角な方向(以下、「Y軸方向」と言う。)、及び、上下方向(以下、「Z軸方向」と言う。)に移動可能であり、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成されている。
【0053】
本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置は、例えば上記した構成であり、以下、この本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を用いて、2枚の鋼板Aa,Abに対して溶接線が直線かつ平行な3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを突き合わせ溶接する本発明方法を図6〜図10を用いて説明する。なお、以下の説明では、第1、第2のクランプ機構11c,11d、11h等の設置位置の調整は予め行ってあるものとして説明する。
【0054】
先ず、先に説明したように、他所に予め位置決め載置しておいた2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを、そのままの配置状態で図8〜図10の紙面左側の待機位置にある位置決め装置11上に受け取る(図6(a)参照)。
【0055】
図6(a)に示した状態で2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを受け取った後は、図8〜図10の紙面中央の溶接位置まで、位置決め装置11をレール13に沿って移動テーブル12上を移動させる。
【0056】
そして、前記溶接位置において、以下の順序にて、2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの突合せ位置決めを行なう。
▲1▼ 先ず、エアーシリンダ11o(図3参照)を作動させて第1、第2の幅決めピン11i〜11kを夫々の鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcに当接させ、夫々の鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcの幅決めを行う。そして、幅決めを行った後は、突き当てフローティング機構11a,11bを作動させて鋼板Aa,Abを突き合わせ位置決めストッパー11m,11nに押し当てる(図6(b)参照)。
【0057】
▲2▼ 鋼板Aa,Abを突き合わせ位置決めストッパー11m,11nに押し当てた後は、第1のクランプ機構11c,11dを作動させて鋼板Aa,Abを固定し、その後、突き合わせ位置決めストッパー11m,11nを下降させる(図7(a)参照)。
【0058】
▲3▼ 次に、接離移動機構11e,11fを作動させて、前記位置決め固定した鋼板Aa,Abを、そのままの状態で鋼板Ba,Bb,Bcに対して両側から突き当てる(図7(b)参照)。このようにすることで、仮に鋼板に寸法誤差があっても、複数の鋼板の突合せ位置決めを短時間にかつ精度良く行うことができる。その後、第2のクランプ機構11hを作動させて鋼板Ba,Bb,Bcを固定し、以下のように突き合わせ部を一方側から他方側に、例えば図7(c)に示したイ〜ヘの順に溶接する(図7(c)参照)。この溶接順序を図8〜図10を用いて説明する。
【0059】
図8〜図10は本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を2基並列に配置した場合を示したもので、先に説明したように、他所に予め位置決め載置しておいた2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを、そのままの配置状態で待機位置にある一方(紙面上方に位置する側)の位置決め装置11上に積載する。このとき、先行する他方(紙面下方に位置する側)の位置決め装置11上では、溶接位置において前記したように位置決め固定された鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcは上記の順にその突き合わせ部を溶接されている(図8(a)参照)。
【0060】
前記したように鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcを積載された待機位置にある一方の位置決め装置11は、移動テーブル12によって次の溶接位置まで移動せしめられ、この溶接位置において、図6及び図7を用いて説明したように、鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcは位置決め固定される。この位置決め固定が終了した時点では、先行する他方の位置決め装置11上では、例えば鋼板Abと鋼板Bcの溶接が行われており、鋼板Aaと鋼板Ba,Bb,Bcの溶接は終了し、溶接トーチ14aaは一方の位置決め装置11側に移動している(図8(b)参照)。
【0061】
そして、他方の位置決め装置11上における鋼板Abと鋼板Bcの溶接が終了し、溶接トーチ14baが一方の位置決め装置11側に復帰した後、一方の位置決め装置11では、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成した2台の溶接トーチ14aa,14baを用いて鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcの突き合わせ部を上記の順に溶接する(図9(a)参照)。
【0062】
すなわち、先ず、溶接トーチ14aaにより鋼板Aaと鋼板Baの突き合わせ部イを溶接する。このとき、溶接トーチ14baは待機している。そして、前記突き合わせ部イの溶接が終了すると、レーザ発振器からの伝送路を溶接トーチ14baに切り替え、溶接トーチ14baにより鋼板Abと鋼板Baの突き合わせ部ロを溶接する。この突き合わせ部ロの溶接時、溶接トーチ14aaは次の溶接に備え、鋼板Aaと鋼板Bbの突き合わせ部ハの直前迄移動し、待機する。
【0063】
このように、一方の位置決め装置11では、レーザ発振器からの伝送路を溶接トーチ14aaと14baに交互に切り替えて、例えば鋼板群の両側の一方側から他方側へその突き合わせ部を順に溶接しつつ、この溶接中に残りの溶接トーチは次の突き合わせ部に移動し、次の溶接まで待機する。
【0064】
この一方の位置決め装置11上での溶接時、他方の位置決め装置11は、移動テーブル12によって受渡し位置迄移動して前記溶接後の半製品を搬出した後(図9(a)参照)、鋼板受け取り位置迄復帰し、この鋼板受け取り位置で、他所で予め位置決め載置しておいた2枚の鋼板Aa,Abと3枚の鋼板Ba,Bb,Bcを、そのままの配置状態で受け取る(図9(b)参照)。
【0065】
鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcを積載された他方の位置決め装置11は、移動テーブル12によって次の溶接位置まで移動せしめられ、この溶接位置において、鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcは前記と同様に位置決め固定される(図10(a)参照)。
【0066】
この他方の位置決め装置11上における鋼板Aa,Ab,Ba,Bb,Bcの位置決め固定中に前記した溶接が終了した一方の位置決め装置11は、移動テーブル12によって受渡し位置迄移動して前記溶接後の半製品を搬出する(図10(a)参照)。
【0067】
本発明の上記実施例によれば、2枚の鋼板Aa,Abを3枚の鋼板Ba,Bb,Bcの両側に配置した場合における鋼板の突き合わせ位置決めが一度で行え、かつ、レーザ光の照射をタイムシェリングすることで、複数箇所の溶接に要する時間の短縮が図れ、効率の良い溶接が行えるようになる。
【0068】
また、上記実施例の構成では、位置決め装置11に、接離移動機構11e,11f毎、鋼板Ba,Bb,Bcの長手方向に移動する第2の移動機構11p,11qを備えさせているので、鋼板Ba,Bb,Bcの鋼板長手方向の長さが変更された場合にも、段取り替えが容易に行えるようになる。
【0069】
本発明は上記の実施例に限らず、1枚の鋼板と複数の鋼板を所定位置に位置決め固定し、次に、この位置決め固定した1枚の鋼板又は複数の鋼板に対して複数の鋼板を又は1枚の鋼板を移動させて溶接部を突き当てた後固定し、その後、前記溶接トーチを、前記突き当て固定した鋼板群の例えば一方側から他方側へ移動させて突き合わせ部を順次溶接するものであっても良いことは言うまでもない。
【0070】
また、上記の実施例では、図3に示したように、一の鋼板Aa,Abと他の鋼板Ba,Bb,Bcとの溶接線が、一の鋼板Aa,Abに対して直線かつ平行な場合について説明したが、図11に示したように、前記溶接線が直線ではあるが平行でない場合や、図12に示したように、曲線と平行でない直線を組み合わせたものでも本発明の適用は可能である。
【0071】
また、上記の実施例では、レーザ溶接装置14a,14bを固定配置したものについて説明したが、これらレーザ溶接装置14a,14bの例えば一方の支柱14ab,14bbを支点として、上部の梁14ac、14bcを水平回動が可能なように構成すれば、位置決め装置11への鋼板群の搬入、搬出が容易に行えるようになる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の鋼板を突き合わせ溶接するに際し、大がかりな装置を必要とすることなく、溶接の際の突き合わせ位置決めが容易で、効率よく鋼板の突き合わせ溶接が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を2基並列に配置した場合の実施例の概略構成を示した斜視図である。
【図2】図1の要部の概略構成を説明する図で、(a)は側面から見た図、(b)は正面から見た図である。
【図3】
位置決め装置の平面図である。
【図4】(a)は図3の側面図、(b)は図3の正面図である。
【図5】レーザ溶接装置の拡大斜視図である。
【図6】(a)(b)は図1〜図5に示した本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を用いた本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法における鋼板の位置決めを順を追って説明する図である。
【図7】(a)〜(c)は図1〜図5に示した本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接装置を用いた本発明に係る鋼板の突き合わせ溶接方法における鋼板の位置決めを順を追って説明する図で、図6の後段を説明する図である。
【図8】(a)(b)は図6及び図7の方法で位置決めした後の突き合わせ溶接を順を追って説明する図である。
【図9】(a)(b)は図6及び図7の方法で位置決めした後の突き合わせ溶接を順を追って説明する図で、図8の後段を説明する図である。
【図10】(a)(b)は図6及び図7の方法で位置決めした後の突き合わせ溶接を順を追って説明する図で、図9の後段を説明する図である。
【図11】一の鋼板と他の鋼板との溶接線の他の態様を説明する図3と同様の図である。
【図12】一の鋼板と他の鋼板との溶接線の更に他の態様を説明する図3と同様の図である。
【図13】2枚の鋼板を1個所で接合する場合の従来方法の説明図で、(a)は溶接位置に移動した状態を示す側面から見た図、(b)は(a)を平面から見た図である。
【図14】(a)〜(c)は図11の後工程を順を追って説明する平面から見た図である。
【符号の説明】
Aa,Ab 鋼板
Ba,Bb,Bc 鋼板
11 位置決め装置
11a,11b 突き当てフローティング機構
11c,11d 第1のクランプ機構
11e,11f 接離移動装置
11h 第2のクランプ機構
11p,11q 第2の移動機構
12 移動テーブル
14aa,14ba 溶接トーチ
Claims (5)
- 一の金属板に対して他の複数の金属板を突き合わせ溶接する方法であって、前記一の金属板と他の複数の金属板を溶接位置まで移動させた後、先ず、前記一の金属板又は前記他の複数の金属板を所定位置に位置決め固定し、次に、位置決め固定した前記一の金属板又は前記他の複数の金属板を、前記他の複数の金属板又は前記一の金属板に対して移動させて突き当てた後、前記一の金属板又は前記他の複数の金属板を固定して突き合わせ部を形成し、その後、3軸方向に移動可能な溶接トーチを移動させて前記突き合わせ部を溶接することを特徴とする金属板の突き合わせ溶接方法。
- 請求項1記載の金属板の突き合わせ溶接方法において、前記一の金属板を前記他の複数の金属板の両側に配置する2枚となし、前記2枚の一の金属板と他の複数の金属板を溶接位置まで移動させた後、先ず、前記2枚の一の金属板を所定位置に位置決め固定し、次に、位置決め固定した前記2枚の一の金属板を、前記他の複数の金属板に対して両側から突き当てた後、前記他の複数の金属板を固定して両側に突き合わせ部を形成し、その後、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成した、3軸方向に移動可能な2台のレーザ溶接トーチを移動させると共に、前記レーザ溶接トーチの移動中に伝送路を切り替えて、前記突き合わせ部を順次溶接することを特徴とする金属板の突き合わせ溶接方法。
- 一の金属板と他の複数の金属板の位置決め装置と、該位置決め装置を溶接位置まで移動する移動テーブルと、溶接位置近傍に配置され、3軸方向に移動可能な溶接トーチとを備え、
前記位置決め装置は、前記一の金属板又は前記他の複数の金属板を所定位置まで移動させる突き当てフローティング機構と、所定位置まで移動されて位置決めされた前記一の金属板又は前記他の複数の金属板を固定する第1のクランプ機構と、該第1のクランプ機構毎に、前記一の金属板又は前記他の複数の金属板を他の複数の金属板又は一の金属板に対して突き当てる接離移動機構と、該接離移動機構によって、一の金属板又は他の複数の金属板を突き当てられた他の複数の金属板又は一の金属板を固定する第2のクランプ機構とからなることを特徴とする金属板の突き合わせ装置。 - 2枚の一の金属板と他の複数の金属板の位置決め装置と、該位置決め装置を溶接位置まで移動する移動テーブルと、溶接位置近傍に配置され、1台のレーザ発振器より2つの伝送路を切り替え可能に構成された、3軸方向に移動可能な2台のレーザ溶接トーチとを備え、
前記位置決め装置は、前記一の金属板を所定位置まで移動させる突き当てフローティング機構と、所定位置まで移動されて位置決めされた前記一の金属板を固定する第1のクランプ機構と、該第1のクランプ機構毎に、前記一の金属板を他の複数の金属板に対して両側から突き当てる接離移動機構と、該接離移動機構によって、両側から一の金属板を突き当てられた他の複数の金属板を固定する第2のクランプ機構とからなることを特徴とする金属板の突き合わせ溶接装置。 - 請求項3又は4記載の金属板の突き合わせ溶接装置において、前記位置決め装置は、更に前記接離移動機構毎に、他の複数の金属板の長手方向に移動する移動機構を備えたことを特徴とする金属板の突き合わせ溶接装置。
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