JP2003531943A - 透明ポリカーボネートブレンド - Google Patents

透明ポリカーボネートブレンド

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JP2003531943A
JP2003531943A JP2001580230A JP2001580230A JP2003531943A JP 2003531943 A JP2003531943 A JP 2003531943A JP 2001580230 A JP2001580230 A JP 2001580230A JP 2001580230 A JP2001580230 A JP 2001580230A JP 2003531943 A JP2003531943 A JP 2003531943A
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bpa
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ウィスヌーデル,マーク・ブライアン
ドリス,イレーネ
デービス,ゲーリー・チャールズ
ハリハラン,ラメシュ
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L69/00Compositions of polycarbonates; Compositions of derivatives of polycarbonates

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、第一のポリカーボネートと第二のポリカーボネートを含む透明ブレンドに関する。一実施形態では、第一のポリカーボネートはBCC残基を含み、第二のポリカーボネートはBPA残基を含む。これらのポリカーボネートは良好な加工特性を有していて、射出成形プロセスで使用するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第一のポリカーボネートと第二のポリカーボネートとを含む透明ブ
レンドに関する。本発明のブレンドは良好な性質を有する透明製品の製造に有用
である。かかる性質には良好な耐薬品性及び溶融加工性がある。本ブレンドは、
透明な成形品、繊維、フィルム及びシートの製造に特に有用である。
【0002】
【発明の技術的背景】
4,4′−イソプロピリデンジフェノールのポリカーボネート(BPAポリカ
ーボネート)は成形用エンジニアリングプラスチックとして広く用いられている
。BPAポリカーボネートは、寸法安定性、良好な耐熱性及び良好な衝撃強さな
ど数多くの良好な物理的性質を有している。しかし、用途によっては、一段と優
れた加工性及び耐薬品性が必要とされる。これは大抵2種類のポリマーをブレン
ドすることで達成される。
【0003】 2種類のポリマーの透明な混和性ブレンドは稀である。「混和性」という用語
は、分子レベルでポリマー同士の親密な相互作用が達成される混合物であるブレ
ンドをいう。混和性ブレンドは透明であり、半透明でも不透明でもない。さらに
、2種類以上の成分からなる混和性ブレンドについては、示差走査熱量測定で単
一のガラス転移温度(Tg)しか検出されない。
【0004】 以上から、射出成形に適した良好な溶融加工性を有する透明ポリマーブレンド
を製造できれば望ましい。このようなブレンドは透明な成形品、繊維、シート及
びフィルムの製造に特に適しているはずである。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、その一態様では、下記成分(A)と(B)を含んでなる透明ブレン
ドに関する。 A)式(I)の構造単位を含む第一のポリカーボネート1〜99重量%
【0006】
【化10】
【0007】 式中、R1及びR2の1以上が3又は3′位にあることを条件として、R1及びR2 はC1〜C6アルキル基からなる群から独立に選択され、XはCH2を表し、mは
4〜7の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、式(
I)の構造単位は第一のポリカーボネートの10〜約100モル%をなす。 B)式(II)の構造単位を含む第二のポリカーボネート1〜99重量%
【0008】
【化11】
【0009】 式中、R18はハロゲン、水素、一価C1〜C6炭化水素基及び一価C1〜C6炭化水
素オキシ基からなる群から独立に選択され、R19はハロゲン、水素、一価C1
6炭化水素基及び一価C1〜C6炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択さ
れ、Wは二価置換又は非置換C1〜C18炭化水素基、−S−、−S−S−、−O
−、
【0010】
【化12】
【0011】 からなる群から選択され、各nは0〜4の値を有する整数から独立に選択され、
bは0又は1であり、構造単位(II)は第二のポリカーボネートの10〜100
モル%をなす。 ここで、第一のポリカーボネート(A)と第二のポリカーボネート(B)の合計
重量百分率は100重量%に等しい。
【0012】 本発明の別の実施形態では、第二のポリカーボネートはポリエステルカーボネ
ートであって、当該ポリエステルカーボネートは式(I)の構造単位に加えて式
(V)の構造単位をさらに含む。
【0013】
【化13】
【0014】 式中、ZはC1〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基或いは枝分れ又は非枝分れ
シクロアルキル基である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態及びその実施例に関する以下の詳しい説明を参照す
ることで本発明の理解を深めることができよう。
【0016】 本発明に係る組成物及び方法を開示するに当たり、本発明は特定の合成法や特
定の組成自体に限定されるものではなく、当然ながら種々異なる形態をとり得る
ことを理解されたい。また、本明細書中で用いる用語は特定の実施形態を説明す
るためのものにすぎず、限定のためのものでないことも理解されたい。
【0017】 本明細書及び特許請求の範囲では多くの用語を用いるが、以下の意味をもつも
のと定義される。
【0018】 単数形で記載したものであっても、前後関係から明らかでない限り、複数の場
合も含めて意味する。
【0019】 「任意」又は「任意には」という用語は、その用語に続いて記載された事象又
は状況が起きても起きなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象
又は状況が起きた場合と起こらない場合を包含する。
【0020】 本明細書中「BPA」は、ビスフェノールAつまり2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンと定義される。
【0021】 本明細書中「BCC」は、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)シクロヘキサンと定義される。
【0022】 本明細書中「ポリカーボネート」という用語には、コポリカーボネート、ホモ
ポリカーボネート及び(コ)ポリエステルカーボネートが包含される。
【0023】 特記しない限り、本明細書中でポリカーボネートの組成に関して「モル%」と
いうときは、ポリカーボネートの繰返し単位100モル%を基準としたものであ
る。例えば、「90モル%のBCCを含むポリカーボネート」とは、繰返し単位
の90モル%がBCCジフェノール又はその対応誘導体から誘導された残基であ
るポリカーボネートをいう。対応誘導体としては、特に限定されないが、ジフェ
ノールのオリゴマー、ジフェノールのエステル及びそのオリゴマー、並びにジフ
ェノールのクロロホルメート及びそのオリゴマーが挙げられる。
【0024】 ポリカーボネートの構成成分について用いる「残基」という用語と「構造単位
」という用語は本明細書全体を通して同義である。
【0025】 本明細書中で文献を引用した場合、その開示内容はすべて、本発明の属する技
術分野の技術水準を十分に説明するため、援用によって本明細書の内容の一部を
なす。
【0026】 上述の通り、本発明は、一態様では、光学製品の製造に適した、下記成分(A
)と(B)を含んでなる透明ブレンド組成物に関する。 A)式(I)の構造単位を含む第一のポリカーボネート1〜99重量%
【0027】
【化14】
【0028】 式中、R1及びR2の1以上が3又は3′位にあることを条件として、R1及びR2 はC1〜C6アルキル基からなる群から独立に選択され、XはCH2を表し、mは
4〜7の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、式(
I)の構造単位は第一のポリカーボネートの10〜約100モル%をなす。 B)式(II)の構造単位を含む第二のポリカーボネート1〜99重量%
【0029】
【化15】
【0030】 式中、R18はハロゲン、水素、一価C1〜C6炭化水素基及び一価C1〜C6炭化水
素オキシ基からなる群から独立に選択され、R19はハロゲン、水素、一価C1
6炭化水素基及び一価C1〜C6炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択さ
れ、Wは二価置換又は非置換C1〜C18炭化水素基、−S−、−S−S−、−O
−、
【0031】
【化16】
【0032】 からなる群から選択され、各nは0〜4の値を有する整数から独立に選択され、
bは0又は1であり、構造単位(II)は第二のポリカーボネートの10〜100
モル%をなす。 ここで、第一のポリカーボネート(A)と第二のポリカーボネート(B)の合計
重量百分率は100重量%に等しい。
【0033】 別の実施形態では、第二のポリカーボネートは、式(I)の構造単位に加えて
、式(V)の構造単位をさらに含む。
【0034】
【化17】
【0035】 式中、ZはC1〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基或いは枝分れ又は非枝分れ
シクロアルキル基である。
【0036】 2種類のポリマーの透明な混和性ブレンドは稀である。「混和性」という用語
は、分子レベルでポリマー同士の親密な相互作用が達成される混合物であるブレ
ンドをいう。混和性ブレンドは透明であり、半透明でも不透明でもない。2種類
以上の成分からなる混和性ブレンドについては、示差走査熱量測定で単一のガラ
ス転移温度(Tg)しか検出されない。さらに、走査電子顕微鏡で非混和相の指
標となるコントラストは検出されない。上述の通り、本発明のブレンドは透明で
ある。「透明」という用語は、本明細書中では、目視検査で曇り、かすみ又は濁
りが存在しないことと定義される。
【0037】 本発明者らは、構造(I)のポリカーボネートと構造(II)のポリカーボネー
トとが透明な混和性ブレンドをもたらすという極めて予想外の知見を得た。さら
に本発明者らは、こうしたブレンドが良好な性質を有しており、透明な成形品、
繊維、フィルム及びシートの製造に適しているという意外な知見を得た。本発明
のブレンドは透明であり、射出成形に適した良好な溶融加工性を有している。
【0038】 ブレンド法は、共重合法とは対照的に、数々の利点をもたらす。共重合法では
費用がかかりすぎたり達成不可能な組成物の製造がブレンド法では可能となる。
【0039】 さらに、ブレンド組成物は良好な光学的性質及び妥当なガラス転移温度を有す
るポリカーボネートブレンドを与える。妥当なガラス転移温度は、良好な成形性
のような適切な加工性をもたらすのに必須である。
【0040】 本発明では、さらに、第一のポリカーボネートと第二のポリカーボネートのブ
レンドが加工に適した性質を有していることが決定的重要性をもつ。本発明のブ
レンドは、好ましくは100〜185℃、さらに好ましくは125〜165℃、
さらに一段と好ましくは130〜150℃のガラス転移温度を有する。ポリカー
ボネートは約85%以上の光透過率を有するべきであり、さらに好ましくは約9
0%以上の光透過率を有する。
【0041】 第一及び第二のポリカーボネートの数平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準として測定して、好ましくは約
10000〜約100000、さらに好ましくは約10000〜約50000、
さらに一段と好ましくは約12000〜約40000である。
【0042】 各ブレンドの組成は、適当な特性プロフィルを達成すべくある範囲内で変化さ
せることができる。本発明のブレンドは第一のポリカーボネート約1〜約99重
量%と第二のポリカーボネート約1〜約99重量%を含むが、第一のポリカーボ
ネートと第二のポリカーボネートの合計重量百分率は好ましくは100重量%に
等しい。
【0043】 本発明のブレンドは、好ましくは第一のポリカーボネート約20〜約99重量
%と第二のポリカーボネート約1〜約80重量%を含み、さらに好ましくは第一
のポリカーボネート約40〜約99重量%と第二のポリカーボネート約1〜約6
0重量%を含み、さらに一段と好ましくは第一のポリカーボネート約45〜約5
5重量%と第二のポリカーボネート約45〜約55重量%を含む。
【0044】 個々の組成は、ブレンドの最終用途及び所望の特性を始めとする数々の要因に
応じて調節できる。例えば、ブレンドで第一のポリカーボネートの割合が多いと
、低い吸水性及び良好な複屈折を保つのに役立つ。また、ブレンドで第二のポリ
カーボネートの割合が多いと、良好な延性を保つのに役立つ。
【0045】 構造(I)の残基は、好ましくは第一のポリカーボネートの10〜100モル
%、好ましくは第一のポリカーボネートの30〜100モル%、さらに好ましく
は第一のポリカーボネートの60〜100モル%、さらに一段と好ましくは第一
のポリカーボネートの90〜100モル%をなす。一実施形態では、第一のポリ
カーボネートは構造(I)の残基から実質的になる。
【0046】 構造(I)の単位の具体例としては、特に限定されないが、1,1−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(BCC)、1,1−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン及びその混合物の残基が挙げ
られる。BCCの残基が構造単位(I)として最も好ましい。
【0047】 本発明の一実施形態では、第一のポリカーボネートは構造(VI)のBCC残基
を90〜100モル%含む。BCCは、シクロヘキサノンとo−クレゾールから
簡単に合成できる。
【0048】
【化18】
【0049】 BCC由来の構造単位100モル%からなるポリカーボネートは、本明細書中
では「BCCホモポリカーボネート」という。さらに別の実施形態では、第一の
ポリカーボネートは実質的にBCCの残基からなる。
【0050】 本発明によれば、式(I)の構造単位は3又は3′位が1以上のR1又はR2
置換されていることが決定的重要性をもつ。nとpが1で、R1とR2がそれぞれ
3位及び3′位に存在するのが好ましい。R1及びR2は好ましくはC1〜C6アル
キル基、さらに好ましくはC1〜C3アルキル基、さらに一段と好ましくはCH3
である。
【0051】 構造(II)の残基は、好ましくは第二のポリカーボネートの10〜100モル
%、好ましくは第二のポリカーボネートの30〜100モル%、さらに好ましく
は第二のポリカーボネートの60〜100モル%、さらに一段と好ましくは第二
のポリカーボネートの90〜100モル%をなす。一実施形態では、第二のポリ
カーボネートはBPA残基のみからなる。すなわち、第二のポリカーボネート中
の構造単位100モル%を基準として、BPA残基100モル%からなる。
【0052】 構造(II)の単位の具体例としては、特に限定されないが、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその混合物の残基が挙げられる。
BPAの残基が構造(II)として好ましい。
【0053】 第二のポリカーボネートは、任意には、構造(V)の構造単位を0.1〜20
モル%含んでいてもよい。
【0054】
【化19】
【0055】 式中、ZはC1〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基、或いは枝分れ又は非枝分
れシクロアルキル基である。
【0056】 構造式(V)の単位の具体例には、特に限定されないが、ドデカン二酸、セバ
シン酸(DDDA)、アジピン酸、オクタデカン二酸、オクタデセ−9−エン二
酸、9−カルボキシオクタデカン酸及び10−カルボキシオクタデカン酸の残基
がある。ドデカン二酸の残基がさらに好ましい。
【0057】 一実施形態では、第二のポリカーボネートはBPA残基を60モル%以上含み
、さらに好ましくはBPA残基を80モル%以上含む。別の実施形態では、第二
のポリカーボネートは60モル%以上のBPA残基と10モル%以上のDDDA
残基を含む。さらに別の実施形態では、第二のポリカーボネートは約60〜80
モル%のBPA残基と約10〜約20モル%以上のDDDA残基を含む。
【0058】 構造(V)の単位の具体例には、特に限定されないが、ドデカン二酸、セバシ
ン酸、アジピン酸、オクタデカン二酸、オクタデセ−9−エン二酸、9−カルボ
キシオクタデカン酸及び10−カルボキシオクタデカン酸の残基がある。ドデカ
ン二酸の残基がさらに好ましい。
【0059】 本発明のポリカーボネートは界面法又は溶融法で製造できる。界面法を用いる
場合、各種相間移動触媒の添加は任意である。適当な相間移動触媒には、特に限
定されないが、トリエチルアミンのような第三アミン、臭化テトラブチルアンモ
ニウムのようなアンモニウム塩、又は塩化へキサエチルグアニジウムがある。p
−クミルフェノール(PCP)や4−ブチルフェノールのような単官能性フェノ
ール、カルダノールやノニルフェノールのような長鎖アルキルフェノール、及び
二官能性フェノールを連鎖停止剤として使用してもよい。任意には、繰返し単位
の総モル数を基準として0.1〜10モル%、さらに好ましくは4〜10モル%
、さらに好ましくは4〜7%の連鎖停止剤をポリカーボネートに配合し得る。
【0060】 場合によっては、ホスゲン化条件を調節しなければならない。特に、反応媒質
中でのモノマーの溶解性及びモノマーの構造に関連したモノマー特有の反応性に
よって不要な環状オリゴマーの生成が優勢となる場合には、ホスゲン化条件を調
節すべきである。例えばBCCの場合、標準的な界面重合条件下での環状オリゴ
マーの生成比率は、例えばBPAの場合よりも大きい。BCC含有量が約20モ
ル%をかなり上回るポリカーボネートでは、線状ビスクロロホルメートオリゴマ
ー生成を促すため過剰のホスゲンを使用するのが有利であり、線状ビスクロロホ
ルメートオリゴマーを部分加水分解と重縮合によって高分子量ポリマーへと転化
する。好ましくは、約20〜200モル%過剰のホスゲンを使用する。
【0061】 本発明のポリカーボネートは溶融法つまりエステル交換法でも製造できる。こ
のプロセスでは、ホスゲンや溶媒を使用する必要がなく、最終ポリマー中での環
状及び線状低分子量オリゴマーのような低分子量夾雑物の生成が最小限に抑えら
れる。カーボネート源(ジアリールカーボネートなど)及び少量の触媒(アルカ
リ金属水酸化物や水酸化アンモニウムなど)と共にモノマーを混合し、反応混合
物上のヘッドスペースの圧力を周囲圧力から約1トルに下げながら段階的に温度
を上昇させるというプロトコルに従って減圧下で加熱する。
【0062】 適当なカーボネート源、触媒及び反応条件は米国特許第5880248号及び Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology ,第4版、第19巻、585〜600頁にみられる(そ
の記載内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。)。各段階の時間及び
温度は、発泡などによる材料の機械的損失が避けられるようにする。フェノール
と過剰のジフェニルカーボネートを塔頂から除去して重合プロセスを完了させる
。高分子量ポリマー生成物はメルトとして単離されるが、そのペレット化の前に
安定剤や離型剤のような他の添加剤を配合し得る。溶融法で合成した生成物は、
界面法で合成した生成物に比べ、非溶解粒子の数が少なく、環状オリゴマーのよ
うな低分子量夾雑物の含有量が少ない。
【0063】 本発明のポリカーボネートは、任意には、光学製品の成形に当たり光学用途で
の慣用添加剤(特に限定されないが、染料、UV安定剤、酸化防止剤、熱安定剤
及び離型剤など)とブレンドしてもよい。特に、所望の光学製品を成形するため
のブレンドの加工に役立つ添加剤とポリカーボネートとのブレンドを形成するの
が好ましい。ブレンドは、任意には、所望の添加剤を0.0001〜10重量%
、好ましくは0.0001〜1.0重量%含有し得る。
【0064】 本発明のポリカーボネートに添加し得る物質又は添加剤には、特に限定されな
いが、耐熱性安定剤、UV吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、粘着防止
剤、滑剤、曇り防止剤、着色剤、天然油、合成油、ワックス、有機充填材、無機
充填材及びこれらの混合物がある。
【0065】 上述の耐熱性安定剤の例には、特に限定されないが、フェノール系安定剤、有
機チオエーテル系安定剤、有機リン化物安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、エ
ポキシ系安定剤及びこれらの混合物がある。耐熱性安定剤は固体又は液体の形態
で添加し得る。
【0066】 UV吸収剤の例には、特に限定されないが、サリチル酸系UV吸収剤、ベンゾ
フェノン系UV吸収剤、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤、シアノアクリレート
系UV吸収剤及びこれらの混合物がある。
【0067】 離型剤の例には、特に限定されないが、天然及び合成パラフィン、ポリエチレ
ンワックス、フルオロカーボン、その他の炭化水素系離型剤、ステアリン酸、ヒ
ドロキシステアリン酸、その他の高級脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸、その他の脂肪
酸系離型剤、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、その他の脂肪
酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、その他の脂肪酸アミド系離型剤、ステ
アリルアルコール、セチルアルコール、その他の脂肪族アルコール、多価アルコ
ール、ポリグリコール、ポリグリセロール、その他のアルコール系離型剤、ステ
アリン酸ブチル、ペンタエリトリトールテトラステアレート、その他の脂肪酸の
低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリ
コールエステル、その他の脂肪酸エステル系離型剤、シリコーンオイル、その他
のシリコーン系離型剤、及びこれらの混合物がある。
【0068】 着色剤は顔料でも染料でもよい。本発明では無機着色剤と有機着色剤を別々又
は組合せて使用できる。
【0069】 着色剤は顔料でも染料でもよい。本発明では無機着色剤と有機着色剤を別々又
は組合せて使用できる。
【0070】 第一及び第二のポリカーボネートはランダム共重合体でも、ブロック共重合体
でも、グラフト共重合体でもよい。グラフト共重合体その他の枝分れポリマーを
製造するときには製造時に適当な枝分れ剤を使用する。
【0071】 所望の製品は、射出成形、圧縮成形、押出法及び溶液キャスト法でポリカーボ
ネート又はポリカーボネートブレンドを成形することで得られる。射出成形がさ
らに好ましい製品の成形方法である。
【0072】 本発明のブレンドは良好な性質を有する透明製品の製造に有用である。かかる
性質には良好な耐薬品性及び溶融加工性がある。本ブレンドは、成形品、繊維、
フィルム及びシートの製造に特に有用である。
【0073】 本発明のブレンドは、第一のポリカーボネートと第二のポリカーボネートを約
240〜約300℃の温度で透明ブレンド組成物の形成に十分な時間ブレンディ
ングする段階を含む方法で製造することができる。ブレンドの形成に適した方法
には、特に限定されないが、溶融法、溶液調製法、ドライブレンディング法及び
共押出法がある。
【0074】 共押出法では、第一のポリカーボネートと第二のポリカーボネートを予備混合
してもよいし、或いは、2台のフィーダーを用いてもよい。触媒もジフェニルカ
ーボネートも不要である。任意には、触媒を使用してもよい。
【0075】 上述の第一のポリカーボネートと第二のポリカーボネートに加えて、本発明の
ブレンドは1種類以上のその他の改質用ポリマーを含んでいてもよい。適当な改
質用ポリマーは、第一及び第二のポリカーボネートと共に混和性ブレンドを生成
するものである。考えられる改質用ポリマーには、上記以外のポリカーボネート
、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアリーレート
、液晶ポリマー、ビニルポリマー及びこれらの混合物がある。適当な改質用ポリ
マーの決定は、可能な改質用ポリマーについて従来の混和性試験を実施すること
で当業者がなし得る事項である。
【0076】
【実施例】
以下の実施例は、特許請求の範囲に記載した組成物及び方法をいかに実施し評
価するかを当業者に示すために記載するものであり、本発明者らが発明として把
握している範囲を限定するものではない。数値(例えば量、温度など)に関して
は正確を期したが、若干の誤差や偏差はあるであろう。特記しない限り、部は重
量部であり、温度は摂氏単位(℃)又は室温であり、圧力は大気圧又はその付近
である。
【0077】 以下に示す結果を得るのに用いた材料及び試験法は以下の通りである。
【0078】 分子量は重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)として記載し、H
P1090 HPLCを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリ
スチレンを標準として測定した。
【0079】 Tg値は昇温速度20℃/分で1/2ΔCp法を用いてPERKIN ELM
ER DSC7での示差走査熱量測定によって求めた。
【0080】 透過率測定値は、HP8453 UV−vis分光光度計を用いて630nm
で求めた。値は、部品表面での散乱に関する補正は行っていない。
【0081】 以下の実施例では、特記しない限り、組成に関する百分率は重量百分率である
。「CS」は、p−クミルフェノールのモル%単位で表した連鎖停止剤を示す。
【0082】 例1〜4 例1〜4では、6つのバレル、二孔ダイ及びマイルドPCスクリューを備えた
28mm二軸押出機で材料をうまく押出すことができた。BCC−7%CSは界
面法で合成したが、これは「綿毛状の」コンシステンシーを有していて、そのた
め押出が難しかった。しかし、典型的な安定処理条件はスクリュー回転数200
〜300rpm及びバレル温度RT/100/240/260/260/260
℃であった。5番目のバレルに位置する真空ベントで十分な真空に引いた。ダイ
でのメルト温度は、メルトプローブで測定して、282〜285℃であった。材
料は60〜65%のトルクで20ポンド/時で処理した。
【0083】 例1〜4では、SEM分析を用いて、BCCと、(1)GENERAL EL
ECTRIC社製のDDDA残基約9モル%とBPA残基約91モル%からなる
コポリカーボネートLEXAN SP(「SP」ともいう。)及び(2)BPA
残基からなるホモポリカーボネート(以下、「BPA」という。)との混和性を
調べた。
【0084】
【表1】
【0085】 相分離又は非混和相の痕跡を調べた。
【0086】 試験片の作製及び顕微鏡検査: 切片作製用の固いブロックを得るため各ディスクの一部をエポキシ樹脂で両面
にコートし、切削部付近ではエポキシ樹脂をトリミングした。ウルトラミクロト
ーム上でダイヤモンドナイフを用いて室温で薄片を作製した。切片作製用の部分
は無作為に選んだが、典型的な切片の厚さは80〜100nmであった。潜在的
な非混和相を識別するためEMグリッド上の切片をRuO4で染色したが、染色
時間は1桁のオーダーで変化させた。試料Aの幾つかの切片をOsO4で染色し
てコントラストに変化が起こるか否かを調べた。OsO4染色は「見込み薄」で
あったため、他の試験片では試みなかった。染色した試験片は、100KVで作
動させたPhilips CM100 TEMで検査した。
【0087】 観察結果: 最初の4つの試験片では、非混和相の指標となるコントラストは認められなか
った。分析条件下では、直径100A〜20μmの分散相が認められるはずであ
った。非常に弱いコントラストを見逃していないことを確認するため、試験片(
A)及び(D)のネガを撮った。これらのネガでは(十分に想像力を働かせたと
しても)いかなる相分離も認められなかったので、プリントしなかった。
【0088】 我々は、以前、繰返し単位は同一であるが分子量差が2倍あるポリマーのブレ
ンドで弱い相分離を観察した経験がある。我々は、同じ官能基を有するが繰返し
単位が僅かに異なるポリマーのブレンド(例えば、メタクリル酸メチルとメタク
リル酸エチルとのブレンド又はSBI/BPA共重合体とBPAとのブレンド)
で非常に明瞭な相分離を観察した経験もある。これらの場合、最も強いコントラ
ストは相境界で認められるのが通常であった。
【0089】 これらの試験片でコントラストが認められないこと及び以前の経験から、我々
は例1〜4のブレンドが完全な混和性を有するという結論を得た。
【0090】 例5〜13 例5〜13では、BCCホモポリマーとBPAポリカーボネート(いずれもG
ENERAL ELECTRIC社製のPC105又はPC120)を予備混合
するか、或いはマイルドPCスクリューを備えた28mmWP押出機に同時供給
してバレル温度約260〜約280℃で押出した。これらの例では、触媒は使用
しなかった。次に、得られたペレットを射出成形して2インチ×2.125イン
チの板状試験片とした。HP CHEMSTATION UV−VIS分光光度
計を用いて630nmでの透過率測定値を求めた。以下の透過率データにみられ
る通り、相分離は認められなかった。例6は比較例である。
【0091】
【表2】
【0092】 例14〜17 例14〜17では、BCCとBPAポリカーボネートとの混和性をさらに観察
した。BCCポリマー及びBPAポリカーボネート(GENERAL ELEC
TRIC社製のグレードPC120)を予備混合し、マイルドPCスクリューを
備えた28mmWP押出機に供給してバレル温度約260〜約280℃で押出し
た。触媒(テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート)の量は約0〜約
300ppmの範囲で変化させた。触媒の加水分解による分子量低下効率をGP
Cで観察した。C13NMRにより、押出機内での滞留時間内にはごく僅かなエス
テル交換反応しか起こらないことが判明した。次に、得られたペレットを射出成
形して引張試験片とした。HP CHEMSTATION UV−VIS分光光
度計を用いて630nmでの透過率測定値を求めた。高い透過率データから明ら
かな通り、相分離はみられなかった。
【0093】
【表3】
【0094】 例18〜35 例18〜35では、BCCとBPAポリカーボネートとの混和性をさらに観察
した。BCCホモポリカーボネート(BCC)とBPAホモポリカーボネート(
BPA)を予備混合し、マイルドPCスクリューを備えた28mmWP押出機に
供給してバレル温度約260〜約280℃で押出した。例18〜23では、BC
C(7モル%連鎖停止剤、Mw=28000グラム/モル)とBPA(GENE
RAL ELECTRIC社製のLEXAN OQ1050C)を予備混合して
押出した。例24〜29では、BCC(6モル%連鎖停止剤、Mw=32000
グラム/モル)とBPA(いずれもGENERAL ELECTRIC社製のL
EXAN OQ1050CとLEXAN ML5521)を予備混合して押出し
た。触媒を含む試料(以下の表に示す)では、押出前に150ppmのテトラブ
チルホスホニウムテトラフェニルボレートをポリマーに添加した。次に、得られ
たペレットを射出成形してディスクとした。高い透過率データから明らかな通り
、相分離はみられなかった。
【0095】
【表4】
【0096】 例36〜47 例36〜47では、BPAポリカーボネート(LEXAN PC120)又は
BCCポリマー(7モル%連鎖停止剤)とLEXAN SP1010コポリエス
テルカーボネート(92:8モル%BPA:DDDA)をHENSCHELミキ
サーで予備混合し、マイルドPCスクリューを備えた28mmWP押出機に供給
してバレル温度約260〜約280℃で押出した。触媒(テトラブチルホスホニ
ウムテトラフェニルボレート)の量は約0〜約300ppmの範囲で変化させた
。次に、得られたペレットをENGEL30トン射出成形機を用いて射出成形し
て引張試験片とした。GPC及びC13NMRを用いて触媒の効率を調べた。分子
量は一般に触媒量による影響は少なかった。これは、押出時にごく僅かな加水分
解しか起こらないことを示唆している。さらに、C13NMRにより、押出機内で
の滞留時間内にはごく僅かなエステル交換反応(共重合)しか起こらないことが
判明した。高い透過率データから明らかな通り、相分離はみられなかった。これ
は、Tgが単一であるというデータと併せて、BPAポリカーボネート及びBC
CポリカーボネートがLEXAN SPと混和し得ることを示している。
【0097】
【表5】
【0098】 例48〜61 例48〜61では、BPAポリカーボネート(LEXAN PC120)又は
BCCポリマーとポリエステルカーボネート(LEXAN SP1010(SP
ともいう。)、92モル%BPA/8モル%DDA)をHENSCHELミキサ
ーで予備混合し、マイルドPCスクリューを備えた28mmWP押出機に供給し
てバレル温度約260〜約280℃で押出した。次に、得られたペレットをEN
GEL30トン射出成形機を用いて射出成形して引張試験片とした。単歯ノッチ
ャーを用いて引張試験片にダブルノッチを設け、次いで試料のガラス転移温度の
約85%の温度で5時間アニールした。次に、INSTRON万能試験機を用い
て毎分0.05インチの速度で試料を引張って、破断に至るまでのエネルギーの
値を求めた。メルトフローインデックス(MFI)の値は、TINIUS−OL
SEN可塑度計を用いて250℃及び1.2kgfで求めた。以下の表は、ポリ
エステルカーボネート含有材料の破断エネルギー(固有延性)の値がBCCホモ
ポリマーよりも格段に高いことを示している。例えば、例61(50:50 B
CC:LEXAN SP1010)は、例52(BCCホモポリマー、連鎖停止
剤5モル%)と同程度のMw及びMFIを有するものの、例52よりも約160
%高い破断エネルギーを有している。
【0099】
【表6】
【0100】 例62〜69 例62〜69では、単一のTgを示し630nmで高い透過率の値を示す溶液
キャストフィルムを形成した。高分子量BPAポリカーボネート(LEXAN
PC131、Mw=67000)をクロロホルムに溶解した溶液を、BCC(M
w=32000)の溶液と様々な比率で混合した。次いで、これらの溶液をスラ
イドガラス上に流延して室温で乾燥した。Tgは単一で、Fox−Floryの
予測式(1/Tg=w1/Tg1+w2/Tg2)によく一致していた。以上の
手順をLEXAN SP1010:BCCで繰返した。LEXAN SP:BC
Cの組では、Tgは単一で混和性であることを示していたが、Fox−Flor
yの予測式から若干正方向にずれていた。いずれの組のフィルムも、蒸発速度を
制御する限り、目視観察で光学的に透明であった。急速に蒸発させると、フィル
ム内に気泡が閉込められて曇りを生じる。ガスケットで円形に仕切ったスライド
ガラス上に同量(1ml)のポリマー溶液を滴下することで厚さの調節された(
約0.03mm)フィルムを形成した。BPAポリカーボネート(LEXAN
PC131):BCC及びLEXAN SP:BCCブレンドの20、40、6
0、80及び100%ブレンドを試験した。すべてのブレンドで、透過率は63
0nmで98%を上回り、450nmでは95%を超えた。これらの例は、これ
らのポリマーが混和性をもつこと及びその混和性がエステル交換反応生成物に起
因する相溶化の結果ではないという結論を支持している。
【0101】
【表7】
【0102】 例70 例70では、630nmで高い透過率の値を示すスピンコートフィルムを形成
した。10重量%のポリマーをクロロホルムに溶解して、BPAポリカーボネー
ト(LEXAN OQ1050C、Mw=29500)とBCC(Mw=310
00)の溶液をBPA−PC:BCC比を種々変えて調製した。次いで、これら
の溶液をスライドガラスにスピンコーティングし、室温で乾燥した。スライドガ
ラス上に同量(1ml)のポリマー溶液を滴下し、回転速度を調整することで厚
さの調節された(約0.002mm)フィルムを形成した。いずれのフィルムも
、目視観察で光学的に透明であった。BPAポリカーボネート(LEXAN O
Q1050C)の0、10、20、40、60、80及び100%ブレンド。6
30nmでのすべてのブレンドの透過率及びフィルムの厚さを図1に示す。これ
らの例は、かかるポリマーが混和性をもつこと及びその混和性がエステル交換反
応生成物に起因する相溶化の結果ではないという結論を支持している。
【0103】 以上、本発明を特にその好ましい実施形態を参照して詳しく説明してきたが、
本発明の技術思想及び技術的範囲内で様々な変形及び修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一のポリカーボネートと第二のポリカーボネートの混和性を示すグラフであ
り、混和性がエステル交換反応生成物に起因する相溶化の結果ではないことを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ドリス,イレーネ アメリカ合衆国、12065、ニューヨーク州、 クリフトン・パーク、アパートメント・イ ー、ホランデール・レーン、17番 (72)発明者 デービス,ゲーリー・チャールズ アメリカ合衆国、12205、ニューヨーク州、 オールバニ、フェリシア・コート、5番 (72)発明者 ハリハラン,ラメシュ アメリカ合衆国、12084、ニューヨーク州、 ギルダーランド、ヨークシャー・ドライ ブ、82シー(番地なし) Fターム(参考) 4J002 CG01W CG02X CG04X GK01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)及び(B)を含んでなる透明ブレンド。 A)式(I)の構造単位を含む第一のポリカーボネート1〜99重量% 【化1】 (式中、R1及びR2の1以上が3又は3′位にあることを条件として、R1及び
    2はC1〜C6アルキル基からなる群から独立に選択され、XはCH2を表し、m
    は4〜7の整数であり、nは1〜4の整数であり、pは1〜4の整数であり、式
    (I)の構造単位は第一のポリカーボネートの10〜約100モル%をなす。) B)式(II)の構造単位を含む第二のポリカーボネート1〜99重量%(ただし
    、第一のポリカーボネート(A)と第二のポリカーボネート(B)の合計重量百
    分率は100重量%に等しい。) 【化2】 (式中、R18はハロゲン、水素、一価C1〜C6炭化水素基及び一価C1〜C6炭化
    水素オキシ基からなる群から独立に選択され、R19はハロゲン、水素、一価C1
    〜C6炭化水素基及び一価C1〜C6炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択
    され、Wは二価置換又は非置換C1〜C18炭化水素基、−S−、−S−S−、−
    O−、 【化3】 からなる群から選択され、各nは0〜4の値を有する整数から独立に選択され、
    bは0又は1であり、構造単位(II)は第二のポリカーボネートの10モル%以
    上をなす。)
  2. 【請求項2】 成分(A)が次式の構造単位を有するポリカーボネートを9
    0〜100モル%含む、請求項1記載の透明ブレンド。 【化4】 (式中、R1及びR2はCH3である。)
  3. 【請求項3】 第二のポリカーボネートが90〜100モル%のBPA残基
    を含む、請求項1記載の透明ブレンド組成物。
  4. 【請求項4】 第二のポリカーボネートが実質的にBPAからなる、請求項
    1記載の透明ブレンド組成物。
  5. 【請求項5】 第一のポリカーボネートが実質的にBCC残基からなり、第
    二のポリカーボネートが実質的にBPA残基からなる、請求項1記載の透明ブレ
    ンド組成物。
  6. 【請求項6】 第二のポリカーボネートがさらに式(III)の構造単位1〜
    99モル%を含む、請求項1記載の透明ブレンド組成物。 【化5】 (式中、ZはC1〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基或いは枝分れ又は非枝分
    れシクロアルキル基である。)
  7. 【請求項7】 A)式(I) の構造単位を含む第一のポリカーボネート1〜99重量%と、 【化6】 (式中、R18はハロゲン、水素、一価C1〜C6炭化水素基及び一価C1〜C6炭化
    水素オキシ基からなる群から独立に選択され、R19はハロゲン、水素、一価C1
    〜C6炭化水素基及び一価C1〜C6炭化水素オキシ基からなる群から独立に選択
    され、Wは二価置換又は非置換C1〜C18炭化水素基、−S−、−S−S−、−
    O−、 【化7】 からなる群から選択され、各nは0〜4の値を有する整数から独立に選択され、
    bは0又は1であり、 構造単位(II)は第二のポリカーボネートの10モル%
    以上をなす。)とを、 第一のポリカーボネート(A)と第二のポリカーボネート(B)の合計重量百分
    率が100重量%に等しい割合で共押出する段階を含む、透明ブレンド組成物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 第二のポリカーボネートがさらに式(III)の構造単位1〜
    99モル%を含む、請求項7記載の方法。 【化8】 (式中、ZはC1〜C40枝分れ又は非枝分れアルキル基或いは枝分れ又は非枝分
    れシクロアルキル基である。)
  9. 【請求項9】 共押出が触媒の非存在下で実施される、請求項7記載の方法
  10. 【請求項10】 成分(A)が次式の構造単位を有するポリカーボネートを
    含む、請求項7記載の方法。 【化9】 (式中、R1及びR2はCH3である。)
  11. 【請求項11】 A)90〜100モル%のBCC残基を含むポリカーボネ
    ートと、 B)90〜100モル%のBPA残基を含むポリカーボネートとを共押出する段
    階を含む、透明ブレンド組成物の製造方法。
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