JP2003520412A5 - - Google Patents

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【書類名】明細書
【発明の名称】プロトン伝導膜を有する燃料電池
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード及び、アノードに燃料を供給するための手段を含むアノード側、カソード及び、カソードに酸素を供給するための手段を含むカソード側、並びに前記カソードと前記アノードとの間に配置された固体電解質膜、を含んで成る燃料電池であって、ここで前記燃料が燃料の水溶液の形態にあるかまたは前記燃料が水素であり、そして前記固体電解質膜が1.5nm以下の直径の細孔を有するプロトン伝導膜であり、前記の膜が、
(i)5容量%〜60容量%の、ナノサイズ粒子を含んで成り、良好な酸吸収能を有する、電気的に非伝導性の無機粉末、
(ii)10容量%〜90容量%の、前記細孔中に捕捉されたまたは前記無機粉末に結合した酸分子、もしくは酸水溶液、並びに
(iii)5容量%〜50容量%の、前記の酸、酸素及び前記の燃料と化学的に両立し得るポリマー結合剤、
を含んで成る燃料電池。
【請求項2】
前記プロトン伝導膜中の前記ポリマー結合剤が、ポリビニリデンフルオリド、ポリ(ビニリデンフルオリド)ヘキサフルオロプロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスルホンアミド、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルクロライド)、アクリロニトリル、ポリ(ビニルフルオリド)、Kel F(登録商標)及びそれらのあらゆる組み合わせ物からなる群から選択される、請求項1記載の燃料電池。
【請求項3】
前記プロトン伝導膜中の前記無機粉末が、SiO、ZrO、B、TiO、Al、Ti、Al、B及びZrの水酸化物及びオキシ−水酸化物、並びにそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択される、請求項1または2記載の燃料電池。
【請求項4】
前記プロトン伝導膜中の前記酸が、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、ポリフルオロオレフィンスルホン酸、ペルフルオロオレフィンスルホン酸、ポリフルオロベンゼン、ポリフルオロトルエンもしくはポリフルオロスチレンスルホン酸のようなポリフルオロアリールスルホン酸、ペルフルオロベンゼン、ペルフルオロトルエンもしくはペルフルオロスチレンスルホン酸のようなペルフルオロアリールスルホン酸、50%までの水素またはフッ素原子が塩素原子により置換されたこれらの酸、CF(CFSOH、HOS(CFCHSOH、CF(CFCHSOH、HOS(CFSOH[ここで、nは0〜9の値を有する整数である]、NafionTMアイオノマー、硫酸、スルファミン酸、リン酸及びそれらの混合物、からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記プロトン伝導膜が更に、その細孔中に水和シリカまたはケイ酸のナノ粒子を含んで成る、請求項1記載の燃料電池。
【請求項6】
前記プロトン伝導膜が更に、その細孔中に、ポリヘテロ酸を含んで成る、請求項1〜5のいずれか1項記載の燃料電池。
【請求項7】
前記ポリヘテロ酸が、HPW1240及びHSiW1240から選択される、請求項6記載の燃料電池。
【請求項8】
前記酸性水溶液が更に、塩対酸のモル比が1:10と10:1の間であるZnSO、Al(SO、MgSO、NiSO、CoSO、MnSO、NaSO、KSO、CsSOから選択される塩、またはHPW1240・40HO及びHSiW1240・29HOから選択されるポリヘテロ酸を含んで成り、ただし、前記塩またはポリヘテロ酸が、前記燃料電池の作動中に固体の沈殿を誘導しない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池。
【請求項9】
前記プロトン伝導膜が細孔サイズを減少させるためにその製造中にホットプレスされる、請求項1〜8のいずれか1項記載の燃料電池。
【請求項10】
アノードカソード及びプロトン伝導膜が70℃と130℃の間の温度で、10〜70kg/cmの圧力で、ホットプレスされて単一の構造単位を形成する、請求項1〜9のいずれか1項記載の燃料電池。
【請求項11】
前記プロトン伝導膜中の前記酸が、前記プロトン伝導膜中に含まれる無機粉末に、直接にまたは、−(CH−、−(CF−、−(CFCH−(ここでnは1〜10の整数であり、そしてmは1〜5の整数である)、ペルフルオロアリール、ポリフルオロアリール、ペルフルオロスチレン、ポリフルオロスチレン及び、50%までの水素またはフッ素原子が塩素原子で置換されたこれらのセグメントから選択された有機セグメントRを介して、化学結合したスルホン酸である、請求項1〜6のいずれか1項記載の燃料電池。
【請求項12】
前記燃料が水素であり、2組の統合流路がハウジングのカソード側またはハウジングのアノード側に彫刻され、1組の流路中には反応物ガスが流れており、他方の流路中には電解質が循環している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池。
【請求項13】
電解質流路対ガス流路の比率が1:5〜1:1の間であり、隣接する電解質流路とガス流路の間の距離が4〜20mmの間である、請求項12記載の燃料電池。
【請求項14】
触媒層がナノサイズの無機粉末の表面上に触媒の1単層までを形成させること(そのような単層は核生成部位として働く)、前記第1の単層の上に更なる1枚以上の触媒層を形成させて、触媒粒子を得ること、及びその後に、得られた粒子を炭素の裏打ち層及び/またはプロトン伝導膜に結合させることの段階を含んで成る方法により調製される、請求項1〜13のいずれか1項記載の燃料電池。
【請求項15】
前記触媒層が1枚の単層と20枚の単層の間の厚さを有する、請求項14記載の燃料電池。
【請求項16】
請求項1〜11、14及び15のいずれか1項に記載の液体供給燃料電池、DC−DCコンバーター及び再充電可能なバッテリー、を含んで成るハイブリッド電源。
【請求項17】
15mA/cm以下の交差電流密度を有する液体供給燃料電池、DC−DCコンバーター及び再充電可能なバッテリー、を含んで成る、請求項16記載のハイブリッド電源。
【請求項18】
5mA/cm以下の交差電流密度を有する、請求項17記載のハイブリッド電源。
【請求項19】
前記燃料電池中の電池の数が2または3であり、前記充電可能なバッテリーがリチウムイオンバッテリーである、請求項16〜18のいずれか1項に記載のハイブリッド電源。
【請求項20】
アノード室または燃料タンクがガスの出口を含んで成り、前記ガス出口が、前記燃料電池の作動中に生成したCOがそれをとおって放出されるガス透過性疎水性マトリックスで閉鎖されている、請求項1〜11、14及び15のいずれか1項に記載の燃料電池。
【請求項21】
アノード及び、前記アノードに燃料を供給するための燃料タンクを伴うアノード室、カソード及び、前記カソードに、一定の圧力の酸素を提供するための手段を伴うカソード室、前記カソードと前記アノードの間に配置された固体電解質膜、並びに水もしくは燃料溶液のためのタンク、空気もしくは酸素圧力の制御ユニット並びに前記燃料タンク中の燃料溶液レベルを感知するためのセンサー(ここで、前記空気もしくは酸素圧制御ユニットは前記センサーにより感知された溶液のレベルに応答して、ガス圧を制御することができる)を有する燃料電池であって、
前記固体電解質膜が1.5nm以下の直径の細孔を有するプロトン伝導膜であり、前記の膜が、
(i)5容量%〜60容量%の、ナノサイズ粒子を含んで成り、良好な酸吸収能を有する、電気的に非伝導性の無機粉末、
(ii)10容量%〜90容量%の、前記細孔中に捕捉されたまたは前記無機粉末に結合した酸分子、もしくは酸水溶液、並びに
(iii)5容量%〜50容量%の、前記の酸、酸素及び前記の燃料と化学的に両立し得るポリマー結合剤、
を含んで成る、燃料電池。
【請求項22】
燃料溶液タンクがアノード室に直接取り付けられ、燃料濃度が1%と40%(w/w)の間にあり、そしてタンク容量と電極面積の比率が3:1と30:1(ml:cm の間にある、低交差電流密度を有する、ポンプを含まない直接酸化燃料電池であって、
.5nm以下の直径の細孔を有するプロトン伝導膜を有し、
前記の膜が、
(i)5容量%〜60容量%の、ナノサイズ粒子を含んで成り、良好な酸吸収能を有する、電気的に非伝導性の無機粉末、
(ii)10容量%〜90容量%の、前記細孔中に捕捉されたまたは前記無機粉末に結合した酸分子、もしくは酸水溶液、並びに
(iii)5容量%〜50容量%の、前記の酸、酸素及び前記の燃料と化学的に両立し得るポリマー結合剤、
を含んで成る、ポンプを含まない直接酸化燃料電池燃料電池。
【請求項23】
前記低交差電流密度が15mA/cm以下である、請求項22記載の、ポンプを含まない直接酸化燃料電池。
【請求項24】
前記低交差電流密度が5mA/cm以下である、請求項22記載の、ポンプを含まない直接酸化燃料電池。
【請求項25】
前記の膜が、8容量%〜30容量%の、電気的に非伝導性の無機粉末を含んで成る、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項26】
前記の膜が、30容量%〜80容量%の、酸もしくは酸水溶液を含んで成る、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項27】
前記の膜が、12容量%〜40容量%の、ポリマー結合剤を含んで成る、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項28】
前記の膜が、
(i)8容量%〜30容量%の、電気的に非伝導性の無機粉末、
(ii)30容量%〜80容量%の、前記細孔中に捕捉されたまたは前記無機粉末に結合した酸分子、もしくは酸水溶液、並びに
(iii)12容量%〜40容量%の、ポリマー結合剤、
を含んで成る、請求項1に記載の燃料電池。
【請求項29】
nは0〜5の値を有する整数である、請求項4に記載の燃料電池。
【請求項30】
nは1〜5の整数であり、mは1〜3の整数である、請求項11に記載の燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、燃料酸化反応で得られた化学エネルギーを、連続的な工程で電気エネルギーに直接変換する電池に関する。より具体的には、本発明は燃料電池に関する。
【0002】
(発明の背景)
燃料電池は連続作動性電池としてまたは電気化学的機関として説明されることが多い。燃料電池は燃料及び酸素(もしくは空気)の外部からの供給を使用し、燃料及び酸素の供給が維持される限り、連続的に動力を発生する。
【0003】
最も古典的な燃料電池は、アノードで水素が酸化されてHを形成し、カソードで酸素が水に還元される、直接もしくは間接タイプのH/O燃料電池である。この直接タイプにおいては、水素及び酸素が、燃料が独立した装置中で生成されるように使用される。間接タイプは原料として広範な燃料を使用することができる、水素発生ユニットを使用する。
【0004】
もう1つのタイプの燃料電池は、有機燃料電池である。直接酸化電池中で、メタノール、ホルムアルデヒドまたはギ酸のような有機燃料の水溶液が、前以てのどんな化学的変性を行なわずに、直接、燃料電池中に供給され、そこで、燃料がアノードで酸化され、カソードで酸素が水に還元される。
【0005】
異なる燃料電池の主要な際立つ特徴は、使用される電解質にある。NASAのジェット推進ラボラトリー(JPL)は、固体膜電解質を使用する直接液体−供給電池を開発した。JPLの燃料電池の詳細な説明は例えば、米国特許第5,599,638号及び同第5,773,162号明細書に見いだすことができる。これらの燃料電池はいかなる酸電解質をも伴わずにも作動し、プロトン−交換物質、特にNafionTM(DuPontにより製造)から加工された固体電解質膜を含んで成る。メタノールを燃料として使用する場合は、アノードにおけるメタノールの電気的−酸化は、
CHOH+HO → CO+6H+6e、
により表され、そして、カソードにおける酸素の電気的−還元は
+4H+4e → 2HOにより表すことができる。
【0006】
アノードで発生したプロトンは電解質膜をとおってカソードに直接移送される。電流の流れは電池をとおるイオンの流れ及び外部負荷による電子により維持される。
【0007】
(発明の要約)
実用的な用途のための燃料電池開発における課題は、許容できる寿命及び性能を有する、低価格の部品の使用により経済性を改善することである。
【0008】
従って、本発明は、その第1の観点によれば、アノード及び、アノードに燃料を供給するための手段を含むアノード室、カソード及びカソードに酸素を供給するための手段を含むカソード室、並びに前記カソードと前記アノードとの間に配置された固体電解質膜を含んで成り、ここで前記固体電解質膜は30nm未満の直径の細孔を有するプロトン伝導膜であり、前記膜が、
(i)5%〜60容量%、好ましくは8%〜30容量%の、ナノサイズ粒子を含んで成り、良好な酸吸収能を有する、電気的に非伝導性の無機粉末、
(ii)10%〜90容量%、好ましくは30%〜80容量%の、酸もしくは酸水溶液、並びに
(iii)5%〜50容量%、好ましくは12%〜40容量%の、前記の酸、酸素及び前記の燃料と化学的に両立し得るポリマー結合剤、
を含んで成る、燃料電池を提供する。
【0009】
具体的には、使用される燃料が有機物である時には、それは燃料水溶液として供給される。
【0010】
本発明の燃料電池中に使用される固体プロトン伝導膜は国際公開第99/44245号パンフレットに記載されている。これらの膜中に使用されるポリマー結合剤は、ポリ(ビニリデンフルオリド)、ポリ(ビニリデンフルオリド)ヘキサフルオロプロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(スルホンアミド)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルクロライド)、アクリロニトリル、ポリ(ビニルフルオリド)、Kel FTM及びそれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択することができる。
【0011】
固体プロトン伝導膜を調製するために使用された無機ナノサイズ粉末は、SiO、ZrO、B、TiO、Al、Ti、Al、B及びZrの水酸化物及びオキシ−水酸化物、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0012】
とりわけ、前記のように、本発明の燃料電池に使用されたプロトン伝導膜は酸を含んで成る。具体的には、膜の細孔の直径は30nmより小さく、好ましくは3nmより小さく、より好ましくは1.5nmより小さい。例えば、酸が遊離形態で存在しない、米国特許第5,599,638号明細書に記載された固体電解質膜と反対に、本発明の燃料電池に使用された固体電解質膜は膜の細孔中に捕捉された遊離酸分子を含む。あるいはまた、それは無機粉末に結合した酸分子を含むことができる。
【0013】
従って、このようなPCMは、前記の適当なポリマーの結合剤と結合したシリカ粉末、好ましくはナノ粉末、及びシリカに化学結合した酸分子からなるマトリックスを含んで成り、それにより燃料溶液中に酸を挿入する必要を減少または回避する。他のナノ粉末も同様に使用することができる。このオプションに従う酸、好ましくはスルホン酸は、無機ナノ粉末に、直接にまたは、−(CH−、−(CF−、−(CFCH−(ここでnは1〜10の整数であり、そしてmは1〜5の整数である)、ペルフルオロアリール、ポリフルオロアリール、ペルフルオロスチレン、ポリフルオロスチレン及び、50%までの水素またはフッ素原子が塩素原子で置換されている同様なセグメントから選択された有機セグメントRを介して、化学的に結合している。
【0014】
シリカに結合したスルホン酸基を生成させるための制約されない方法が以下に説明される、ナノサイズのシリカ粉末を純水中で2時間沸騰して、粉末表面のOH基を高める。次に、水和粉末をCHCOSR−Si(OCHまたはCHCOSR−SiCl[ここで、Rは前記の有機セグメントの一つである]のタイプのクロロ、メトキシ、またはアルコキシ有機イオウシランの溶液中に浸漬する。シランはシリカ粉末の表面のOH基と反応して、有機イオウシランの1単層を形成する。次に、粉末を空気酸化し、チオアセテート基がスルホン酸基に転化される。この工程は以下の式、
SiO−R−S−C(O)CH+O
SiO−R−SOH+2CO+HOにより表される。
【0015】
得られた化学結合したスルホン酸は90℃の強酸中で安定であり、従って、プリスチンSiOの代りに、燃料電池の用途のためのPCMの調製に使用することができる。
【0016】
アノード及びカソードは、触媒層及び、場合によってはまた、多孔質の裏打ち層を含んで成る。アノードに使用される好ましい触媒は例えば、ナノサイズの白金−ルテニウム粉末であり、他方、カソードで使用される好ましい触媒は例えば、ナノサイズの白金粉末及び、非貴金属,例えば、Ni、Co及びFeとのその合金である。これらの合金において、白金と金属との間の比率(Pt:M原子比)は約1:3〜約3:1の間である。
【0017】
電池のハードウエア及び両電極の触媒と両立し得る、広範な低蒸気圧の酸を、本発明に従って使用することができる。
【0018】
裏打ち層は好ましくは、炭素からなっている。この層は多孔質であり、支持のために、そして同時に、それ自体は膜に接続される、ハウジング及び触媒粉末の間の電気接触子を製造するために使用される。
【0019】
アノードを越えて燃料を循環させ、カソードを越えて酸素もしくは空気を流動させるための手段はまた、二酸化炭素、未使用燃料及び水をアノード側から引き出し、カソード側から未使用の酸素及び水を引き出すための手段を含む。
【0020】
現在の当該技術分野の燃料電池に対する本発明に従う燃料電池の一つの利点は、それが容易に湿潤化する膜を使用する点である。従って、例えば、「ポリマーの電解質膜の燃料電池の最適な性能を達成するための主要な課題の一つは、アイオノマーの膜構造物の効果的な水和を得ることである」と述べている、Wilsonに対する米国特許第5,952,119号明細書から明白なように、現在の当該技術分野の燃料電池における事例のように、膜の湿潤化のための特別な手段を開発する必要がない。Wilsonは、膜に親水性の芯まで浸透する(wick to wick)液体の水を適用することによりこの問題を解決することを示唆している。本発明の燃料電池は湿潤化の困難を示さないので、このような芯は省略され、電池の構造が簡略化される。
【0021】
本発明の一態様に従うと、本発明の燃料電池は2組の統合流路がカソード室中またはアノード室中に彫刻されている、H/O燃料電池である。本態様の1組の流路には、反応物のガスが流れ、そして他方には、電解質が循環している。
【0022】
本発明の更にもう一つの観点に従うと、直接酸化燃料電池を再状態調節するための方法が提供され、その方法は、(a)時間Tの期間中、0.6〜1.3Vの逆電圧で電池を作動すること、の段階を含んで成る。
【0023】
好ましくは、時間Tは1〜100分間である。電池は老朽化し、より高いレベルの不純物を受けるので、より長時間Tが好ましい。
【0024】
好ましくは、電圧は0.6と1.3Vの間である。
【0025】
本発明者は燃料電池の3500時間の作動期間中、毎回1〜30分間を10回、この再状態調節法を適用し、50〜100mVの電池電圧の改善を認めた。
【0026】
本発明はまた、燃料電池への使用のための触媒層の調製法を提供し、前記の方法は、ナノサイズの無機粉末の表面上に触媒の1枚までの単層を形成させること(そのような単層は核生成部位として働く)、前記第1の単層上に更なる1枚以上の触媒層を形成させて、触媒粒子を得ること、及びその次に、得られた粒子を炭素の裏打ち層及び/またはプロトン伝導膜に結合させること、の段階を含んで成る。
【0027】
本発明のもう一つの観点に従うと、本発明に従う液体供給燃料電池、DC−DCコンバーター及び再充電可能バッテリー、を含んで成るハイブリッド電源が提供される。
【0028】
本発明のもう1つの観点に従うと、カソード室内に配置された、水もしくは燃料溶液レベルセンサー及び空気もしくは酸素圧力制御ユニットを含んで成る、燃料電池中のカソード側からアノード側への水の復帰流を制御するための装置並びにこのような装置を含んで成る燃料電池が提供される。
【0029】
本発明のもう一つの観点に従うと、アノード及び、前記アノードに燃料を供給するための燃料タンクを伴うアノード室、カソード及び、前記カソードに、一定の圧力の酸素を供給するための手段を伴うカソード室、前記カソードと前記アノードの間に配置された固体電解質膜、並びに水もしくは燃料溶液のためのタンク、空気もしくは酸素圧の制御ユニット及び前記燃料タンク中の燃料溶液のレベルにを感知するためのセンサー及び、水もしくは燃料の前記レベルに応答して前記圧力を制御するための手段、を有する燃料電池中の交差電流を減少させる方法が提供され、その段階は、
(a)水もしくは燃料タンク中の水もしくは燃料のレベルを感知すること、
(b)段階(a)において感知した水もしくは燃料溶液のレベルが減少する時に、カソード室内の空気もしくは酸素ガス圧を制御して増加させること、
それにより交差電流を減少させること、
の段階を含んで成る。
【0030】
本発明のもう1つの観点に従うと、燃料溶液タンクがアノード室に直接取り付けられ、燃料濃度が1%と40%(w/w)の間にあり、そしてタンク容量(mlで)とcmにおける電極面積の比率が3:1と30:1の間にある、低交差電流密度を有する、ポンプを含まない直接酸化燃料電池が提供される。
【0031】
本発明のもう1つの観点に従うと、
(a)アノード、燃料の入り口及びガスの出口を伴うアノード室、
(b)カソード及び酸素もしくは空気の入り口を伴うカソード室、
(c)アノードカソードとの間に配置された電解質膜、並びに
(d)アノード室に連結された燃料タンク、
を有する配向に無関係の直接酸化燃料電池システムが提供され、そこで
i)前記燃料タンクが可動性バリヤーにより2部分に分割されており、燃料タンクの前記の第1の部分が燃料もしくは燃料溶液を含むことができ、アノード室に連結されており、燃料タンクの前記第2の部分が大気圧より高い圧力を有するガスを保持するかまたは閉鎖可能なガスの入り口を有し、
ii)前記ガスの出口がガス透過性の疎水性マトリックスにより閉鎖されており、
そこで、前記バリヤーが燃料タンクからの燃料もしくは燃料溶液を燃料電池の配向にかかわらず、アノード室に誘導することができる。
【0032】
本発明を理解し、実際にそれをいかに実施することができるかを見るために、今度は幾つかの態様を、制約しない例のにみより、付記の図面を参照して説明される。
【0033】
(発明の詳細な説明)
本発明の幾つかの態様を、図面を参照して説明し、例示する。
【0034】
本発明の一つの観点に従って、改良された燃料電池が提供される。本発明により改良されるべき燃料電池は、アノード及び、アノードに燃料を供給するための手段を含むアノード室、カソード及び、カソードに酸素を供給するための手段を含むカソード室、並びに前記カソードと前記アノードとの間に配置された固体電解質膜、を含む。これらの燃料電池及びそれらの作動方法は当該技術分野で周知である。本発明は、30nmより小さい直径の細孔を有するプロトン伝導膜を電解質膜として適用することにより先行技術の燃料電池を改良することを探求し、前記の膜は、
(i)5%〜60容量%、好ましくは8%〜30容量%の、ナノサイズ粒子を含んで成り、良好な酸吸収能を有する、電気的に非伝導性の無機粉末、
(ii)10%〜90容量%、好ましくは30%〜80容量%の、酸もしくは酸水溶液、並びに
(iii)5%〜50容量%、好ましくは12%〜40容量%の、前記の酸、酸素及び前記の燃料と化学的に両立し得るポリマー結合剤、
を含んで成る。
【0035】
アノードカソード及び固体電解質膜は具体的には、単一の構造のユニットを形成させるためにホットプレスされる。電池により使用される燃料は例えば、純粋な有機液体燃料、有機燃料の水溶液、酸及び有機燃料を含んで成る水溶液、または気体であることができる。電池のハードウエア及び両電極の触媒と両立し得る低蒸気圧の多様な酸を、酸−燃料溶液中に使用することができる。これらの酸の制限しない例は、アルキルスルホン酸、ポリフルオロオレフィンスルホン酸、ペルフルオロオレフィンスルホン酸、アリールスルホン酸、ポリフルオロベンゼン、ポリフルオロトルエン、もしくはポリフルオロスチレンスルホン酸のようなポリフルオロアリールスルホン酸、ペルフルオロベンゼン、ペルフルオロトルエンもしくはペルフルオロスチレンスルホン酸のようなペルフルオロアリールスルホン酸、及び50%までの水素またはフッ素原子が塩素原子により置換された同様な酸、CHCHSOH、ベンジルスルホン酸、CF(CFSOH、HOS(CFCHSOH、CF(CFCH)nSOH、HOS(CFSOH[ここで、nは0〜9の値を有する整数である)、NafionTMアイオノマー、リン酸、硫酸、スルファミン酸及びそれらの混合物である。
【0036】
本発明に従うと、酸−燃料溶液に対してニッケル、コバルトまたは鉄の大環状錯体のような可溶性触媒を添加することができる。このような錯体は燃料の酸化及び/または酸素の還元を促進することができる。固体電解質膜は30nmより小さい、好ましくは3nmより小さい、より好ましくは1.5nmより小さい、典型的な直径の細孔を有するプロトン伝導膜(PCM)である。膜はナノサイズ粒子の無機粉末、酸もしくは酸水溶液及びポリマー結合剤を含んで成る。無機粉末は電気的に非伝導性で、それは良好な酸吸収能を有し、そして膜容量の5%〜60%、好ましくは、8%〜30%を構成する。酸もしくは酸水溶液は10%〜90%、好ましくは30%〜80%の膜容量を構成する。膜6の酸は燃料−酸溶液のものである。ポリマー結合剤は膜の5〜50%、好ましくは12〜40%を構成し、膜の酸と、酸素と、そして電池中で使用される燃料と化学的に両立し得る。
【0037】
現在の当該技術分野のNafionTM膜に比較して、本発明の燃料電池に使用されたPCM、はよりよい伝導性及び、メタノールまたは他の燃料に対して低い交差(crossover)を有することが、以下に詳細に示される。更に、本発明のPCMは、重金属の不純物により影響されず、100℃より上または0℃より下の温度で作動できる点で、NafionTM PCMに対して利点をもつ。更に、本発明のPCMの価格は約2桁の数字までもNafionTMの価格より安く、それにより燃料電池全体の価格を低下させる。
【0038】
本発明は更に、燃料電池に以下の改良点を提供する。
燃料電池の効率の改善
本節においては、燃料電池の効率を改善するための幾つかの方法を説明する。これらの方法は本発明の燃料電池の研究中に発明されたが、それらの幾つかはまた、現在の当該技術分野の燃料電池を改善するために適用することもできる。
【0039】
当該技術分野で知られるように、燃料電池の効率を減少させる因子の一つは、燃料交差、すなわち、カソード室への電解質膜をとおる燃料分子の所望されない透過、であり、それにより燃料電池の作動ポテンシャルを低下させる。交差率は固体電解質膜をとおる燃料の透過性に比例し、濃度及び温度増加に伴って増加することが知られている。
【0040】
本発明者は、1.5nmより小さい細孔を有する本発明の燃料電池の使用が、交差電流を減少させる一方法であることを見いだした。例えば、60℃における1Mのメタノール中でのNafionTM117膜(3〜4nmの細孔を有する)に対する交差電流密度は140mA/cmであり、他方、本発明で使用されたPCM(1.5nmより小さい細孔サイズを有する)の値は65℃において18.5〜25mA/cm、そして75℃において31.8mA/cmである。
【0041】
更に、本発明者により、液体燃料に対する固体電解質膜の透過性は、細孔サイズの直径及び細孔の首部の直径のような膜特性を変化させることにより、伝導度に僅かな影響を伴って、更に減少させることができることを見いだした。これらの変化は、これらの細孔をプロトン伝導物質で充填するかまたは燃料酸溶液に塩を添加することにより達成することができる。従って、本発明の好ましい態様において、固体電解質膜はプロトン伝導物質で部分的に充填されている細孔を有する。本発明のもう一つの好ましい態様は、更に塩を含んで成る固体電解質膜を有する。NafionTMのような他のPCMもまたそれらの細孔をプロトン伝導物質で部分的に充填することから利益を得ることができる。更に、燃料の交差は更に、NaSiO溶液でPCMの孔を充填し、シリケートを硫酸中で加水分解させて、水和シリカまたはケイ酸のナノ粒子を細孔中に形成させることにより、減少させることができることを見いだした。あるいはまた、この効果はまた、HPW1240またはHSiW1240のようなポリヘテロ酸で孔を充填し、そして、細孔の首部のサイズを減少し、酸を細孔中に封入するために好ましくは、PCMをホットプレスすることにより達成することができる。
【0042】
燃料の交差はまた、燃料の濃度を低下させるかまたは、メタノールより大きな分子サイズを有し、それにより比較的小さい拡散係数を有する燃料を選択して、減少させることができる。これらの知られた燃料の例は、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ジメトキシメタン、トリメトキシメタン及びトリオキサンである。
【0043】
本発明の燃料電池中のメタノールの交差は更に、酸性燃料溶液に、好ましくは水和物の形態の、可溶性有機スルホネートのような塩、例えば、ベンゼンスルホン酸カリウム、または亜鉛、アルミニウム、カリウム、ナトリウム、コバルト、マンガン、ニッケル、セシウム、またはマグネシウムの硫酸塩を添加することにより減少させることができることが見いだされた。添加することができる塩の具体的な量は、1:10と10:1の間の酸対塩のモル比を与えるようなものである。好ましい塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛及びアルミニウムの硫酸塩のような、カチオン及びアニオンの両方が電気化学反応に感受性でないものである。本発明のこの観点に従って使用することができる塩を選択する際の他の考慮事項は、好ましい塩は、酸素と、触媒と、そして燃料と両立し得なければならず、乾燥した時に、電気的に伝導性の残留物を形成してはならないことである。それらは好ましくは、水の強力な結合を示す、高い脱水温度を有する。このような水和物の例及びそれらの分解温度(括弧内)はZnSO・7HO(280℃)、Al(SO・18HO(86℃)、MgSO・7HO(150℃)、NiSO、CoSO・7HO(96.8℃)、MnSO・7HO(280℃)である。CsSO及びNaSOのようなアルカリ硫酸塩は高い溶解度を有し、水蒸気圧を減少させる。従って、100℃を超える温度で低圧においての燃料電池の使用を可能にする。硫酸アンモニウムは高い溶解度を有するが、徐々に分解することができるので、それもまた低温で有用であろう。燃料溶液に塩を添加するもう一つの利点は、それらの幾つかは高温で溶融水和物として働いて、水蒸気圧を減少することができ、それにより100℃を超える温度での燃料電池の作動を可能にする。これらの温度では、蒸気が発生して熱及び電気の同時発生を可能にし、より高いエネルギー変換効率をもたらすことができるので、このような高温における作動は有利であり得る。更に、高温における作動では、燃料電池はより高濃度のCOを許容でき、より少量の高価な触媒を必要とする。明らかに、燃料に添加された塩以外の、燃料溶液中に含まれた酸はまた、酸性燃料溶液を使用する燃料電池が、水が液体ではない温度において作動する補助をする。例えば、27%のHSO溶液は−27℃で凍結する。
重金属に対する感受性
前記のように、本発明の燃料電池中に使用されたPCMは重金属不純物により影響を受けないが、他方、Nafionは重金属不純物に非常に感受性である。例えば、500ppmのクロムは0.1S/cmから0.013S/cmに8倍までNafionをベースとする膜の伝導度を減少した(Warthesen and Shores Extended Abstract Vol.33rd)。伝導度に対してクロムと同様な効果を有する鉄の同濃度は、本発明に使用されたPCMの伝導度に有意には影響を与えなかった。試験されたPCMは結合剤として24%(V/V)のPVDF(ポリビニリデンフルオリド)、無機ナノ粉末として16%SiO及び60%の3Mの硫酸から成った。鉄の不純物を含まずに測定された伝導度は0.18S/cmであり、他方500ppmの硫酸鉄の存在下で測定されたものは0.17S/cmであった。本発明で使用されたPCMのこの特徴は、それが、非貴金属または、Fe、NiもしくはCoのような非貴金属(M)とのPt合金から成る触媒の使用を可能にするので、非常に重要でユニークである。Pt−M合金は酸素還元のためのはるかに良好な触媒であり、Pt−Mの好ましい比率は1:3〜3:1の間であることが見いだされた。これらの結果はまた、膜の伝導度に影響を与える危険がより少ない、燃料電池のハードウエアのため、そして周辺の準システムのための超合金及び低腐食性ステンレス鋼合金のような金属の使用を可能にする。
触媒層の製造
空気(酸素)カソードに使用された触媒は一般に、PtもしくはPt合金のナノ粒子(好ましくは2〜5nm)であり、そこでメタノールアノードに使用されたものはナノサイズ(好ましくは5〜10nm)の粒子のPt−Ru合金である。しかし、高価な貴金属のコストを節約するために、例えば、Ni、FeもしくはCoのような非貴金属ベースの合金を使用し、それらを通常の電気化学的または化学的方法により必要な貴金属触媒で被覆することができる。これらの触媒層の厚さは1単層未満から20単層までの間にすることができる。
【0044】
長時間の作動期間の後に、触媒粒子と支持炭素マトリックスとの間の結合が喪失して、燃料電池の劣化をもたらす。それを考慮して、本発明においては、ナノサイズの触媒をナノサイズのセラミック粉末に結合させ、次に、得られた粒子を炭素の裏打ち層に、そしてPCMに結合させることが提唱される。これを実施する良好な方法は、周知の、商業的に入手できる無電解法を使用することである。この方法に従うと、1単層までの触媒の塩(PtCl、RuCl、等)が、第1段階で、前以て決められた量の触媒塩を含む溶液中に粉末を浸漬することによりナノサイズの水和シリカ粉末上に吸着される。次に、第2段階において、適量の、ホルムアルデヒド、メタノール、ギ酸または次亜硫酸塩のような還元剤が、適当なpH及び温度で添加されて、セラミック粉末の表面上に結合された触媒の1単層までを生成させる。この単層が更なる析出のための核生成部位を与える。次に1種以上の触媒塩及び更なる還元剤を添加して、最終サイズの触媒粒子を生成させる。メタノールのアノードに対しては、Pt−Ru合金触媒層を生成させるかまたは1:10〜10:1の原子比率でRu上Pt、もしくはPt上Ruの2連続層を生成させるかのいずれかが好ましい。Sn、Os、Niのような他の元素を触媒層に添加して燃料酸化の動力学を更に改善することができる。同様に、Ptまたは、Co、Ni、FeもしくはAgとのPtのナノサイズの合金から成る触媒層を、酸素カソードのために製造することができる。
【0045】
本発明はまた、現在の当該技術分野のNafionTMをベースとする電解質膜の代りに、その電解質として酸溶液を含む、国際公開第99/44245号パンフレットに従うPCMを使用する水素/酸素燃料電池の改良を提供する。この改良に従うと、燃料電池の作動中の電解質濃度の変化を抑制するために、新規の統合ガス−酸溶液フローシステム(図2に示す)が設計された。このシステムにおいては、燃料電池に一般に使用された1組の流路に反して、2組の統合流路100及び110が、電池のハウジング中に彫刻される。1組の流路には反応水素ガスが流れ、第2組には、酸水溶液(すなわち電解質)が循環している。統合フローフィールドシステム内の電解質の圧力は、反応物のガス圧と等しくても、より高くてもまたはより低くてもよい。電解質の流路中への反応物のガスの浸透を妨げることが所望される場合は、より高い電解質圧が使用されるであろう。それに反し、電解質がガスの流路中に浸透することを妨げることが所望される場合は、より低い電解質圧が使用されるであろう。両方の効果を同様に望まない場合は、等圧の電解質と反応物のガスが使用されるであろう。
【0046】
燃料電池のハウジング中に統合フローフィールドシステムを製造する時には、隣接する電解質流路とガス流路間の最大許容距離は通常、膜の毛細管力の因子であろう。ガスの流路に対する電解質の流路の比率は通常、個々のシステムの最適化により、そして反応物ガスを供給する必要性に対する電解質を供給する必要性、を比較することにより決定されるであろう。
【0047】
図2において、統合フローシステムを概略的に示す。チャンネル100をとおって反応物のガス、すなわち水素(1Aに入り口そして1Bに出口)が流れ、他方、流路110をとおって電解質(2Aに入り口そして2Bに出口)が巡回する。図2に概略を示したフローシステムにおいて、ガスの流路に対する電解質の流路の比率は1:2であり、隣接する電解質の流路とガスの流路との間の最大距離は8mmである。
【0048】
本発明の統合フローフィールドシステムはアノード側またはカソード側または両側のいずれにも生成させることができる。
【0049】
統合フローフィールドシステムはまた、温度制御システムの一部として、または水除去システムの一部として(温度勾配により水蒸気圧を制御することにより)使用することができる。
ハイブリッド電源
直接メタノール燃料電池(DMFC)及び液体供給燃料電池(LFFC)は低出力である。しかし、携帯電話、コンピューター及び小型電気自動車のような装置は短時間に高電力を必要とする。これら及び同様な用途のために、本発明に従う燃料電池を、必要な時に高出力を供給する小型の高電力の、再充電可能なバッテリーと組み合わせることができる。とりわけ小さい交差電流のお陰で、このような組み合わせは現在の当該技術分野のハイブリッド電源に対して有利である。今日、DC−DCコンバーターは0.7Vから作動開始することができる。その結果、DC−DCコンバーターによりバッテリーに、2もしは3個のように少ない燃料電池を組み合わせることができる(直列の組み合わせで)。交差電流密度が十分小さい、例えば、15、好ましくは5mA/cm以下の場合は、このようなハイブリッド電源は非常に頻回に燃料補給する必要はない。従って、このハイブリッド電源は、本発明の燃料電池のような低交差電流の燃料電池について好ましい。燃料電池はバッテリーを充電し、低出力の需要を満たすが、他方、高出力バッテリーは重負荷を満たす。このように、必要な燃料電池数の小さいことは、平坦で、薄い燃料電池システムの使用を可能にする。
【0050】
例えば、携帯電話を充電するために、直列組み合わせで接続された2個の薄いメタノール電池、DC−DCコンバーター及び小型の高出力のリチウムイオン電池から形成されたハイブリッド電源を使用することができる。
水分の平衡機構
プロトン伝導膜をベースとするあらゆる燃料電池において、プロトン伝導膜を横断するプロトンは、それらとともに、プロトン1個当たり水分子約3個を運搬する。DMFCにおいては、各メタノール分子当たり6個のプロトンが膜を通過する。それは、酸化された各メタノール1分子当たり18個の水分子がプロトンにより運搬されることを意味する。
【0051】
この現象は水の著しい喪失をもたらす。通常、水分喪失を最少にするために、燃料電池の排水から水分は回収して再循環される。水分喪失を最少化させる新規の方法がここに示唆される。カソード室内への過剰圧の適用がメタノールの交差の減少をもたらすことが発見された。それぞれ0.1大気圧だけ過剰なガス圧が約10%の交差電流の減少をもたらす(例えば、1Mのメタノールで、60℃において、それは70mA/cmから63mA/cmに、7mA/cmだけ減少させる)。これはカソード側からアノード側への燃料溶液の水圧流により説明される。水メタノール比率は約53:1であるので、この効果による水の復帰流量は7×53もしくは371mA/cmにまたは、0.371×10−6モル/sec.cmの水流に等しい。この効果はプロトン伝導膜を含んで成るあらゆる燃料電池における水復帰機構として利用することができる。定常状態において、プロトン流は外部負荷電流に等しく、プロトンにより運搬される水流は3倍大きい。その結果、100mA/cmの負荷において、水流は300mA/cmに等しく、0.1気圧だけ過剰な圧力はカソード側からアノード側に水を戻すのに十分であり得る。水分(もしくは燃料溶液)のレベルセンサーを水(もしくは燃料溶液)のタンク中に設置することができ、カソード室における空気もしくは酸素圧を、この水(もしくは燃料溶液)のレベルを一定に維持するように制御されるであろう。
【0052】
このような装置が交差電流を減少することが本発明者により発見された。従って、溶液レベルセンサー及びガス圧制御ユニットを含んで成り、前記ガス圧制御ユニットがセンサーにより感知された溶液レベルに応答してガス圧を制御することができる装置が本発明により提供される。とりわけ、本発明は、アノード及び、アノードに燃料を供給するための手段を含むアノード室、カソード及び、一定圧力の酸素をカソードに供給するための手段を含むカソード室、水もしくは燃料溶液のためのタンク、空気もしくは酸素圧制御ユニット及び前記タンク内の水もしくは燃料溶液のレベルを感知するためのセンサー及び、水もしくは燃料の前記レベルに応答して前記圧力を制御するための手段を有する燃料電池、並びに、
(a)水もしくは燃料溶液タンク中の、水もしくは燃料溶液のレベルを感知すること、
(b)段階(a)で感知された水もしくは燃料溶液のレベルが減少する時に、カソード室内の空気もしくは酸素ガス圧を増加するように制御すること、
それにより、交差電流を減少させること、
の段階を含んで成る、これらの燃料電池内の交差電流を減少するための方法、を提供する。
ポンプをもたないDOFC
本発明はまた、そのもう一つの観点に従って、ポンプをもたない直接酸化燃料電池を提供する。本発明のこの観点に従うともはや必要ではない、現在の当該技術分野の燃料電池のポンプ及び弁が、燃料溜めからアノード室に燃料を運ぶために使用されている。現在の当該技術分野の交差レベルは大きい燃料の溜めを必要とするような(交差に消費される大量の燃料のため)ものであるので、この運搬が必要である。従って本発明は、以下に、例えば実施例5に示したように、燃料タンクがアノードの裏側(PCMの反対側)に直接取り付けられた、ポンプをもたない、直接酸化燃料電池を提供する。このような電池が実用的であるためには、それは、低交差電流が典型的には15mA/cm以下、好ましくは5mA/cm以下、より好ましくは2mA/cm以下でなければならない。そうでない場合には、燃料タンクは非実用的なほど大きくなるにちがいないか、または電池の寿命が、恐らく短くなる。必要な低交差電流は国際公開第99/44245号パンフレットに記載の種類の、または前記に示唆されたその改良品のPCMを適用することにより、達成することができる。
【0053】
室温で、3%メタノールを伴う本発明のこの観点に従う燃料電池で測定した交差電流密度は5mA/cm未満であった。25cm電池は300〜600mAの間を供給することができ、125mA(無負荷の条件下)の交差を有する。300mlの酸性燃料溶液のタンクがこのような、ポンプをもたないDOFCに取り付けられる時には、それは(3%×300ml=)9grのメタノールを含み、それは45Ahを発生し得る。これらの45Ahは交差により720時間消費することができる。これらの条件下では、毎週1回、燃料タンクに数グラムのメタノールを添加すべきであり、それを非常に便利な電源にする。
【0054】
典型的には、前記のようなハイブリッド電源を与えるためには、DC−DCコンバーターと組み合わせて、2もしくは3個のこれらの電池を使用する。これらのハイブリッド電源は、便利には、携帯電話及び他の小型電気器具のためのバッテリー充電装置として使用することができる。実用的には、ポンプをもたないDOFCは1.5mA/cm〜15mA/cmの間の交差電流密度をもつPCMを有する。燃料タンク容量(mlで)及び電極面積(cmで)の間の比率は好ましくは、1:3〜1:230の間でなければならない。
配向に無関係の燃料電池
燃料電池が携帯電話のような可搬装置に使用される時には、燃料が電池の配向にかかわらず燃料タンクから電池に到達するように、配向に無関係に設計されなければならない。従って、本発明は、そのもう一つの観点に従って、アノード、燃料の入り口及びガスの出口(前記ガスの出口はガス透過性の疎水性マトリックスで閉鎖されている)をもつアノード室、カソード及び酸素入り口の付いたカソード室、アノードカソードの間に配置された電解質膜、並びにアノード室に接合された燃料タンク(前記燃料タンクは可動性バリヤーにより2部分に分割されており、燃料タンクの前記の第1の部分は燃料を含むことができ、アノード室に連結されており、燃料タンクの前記の第2の部分は閉鎖可能なガスの入り口をもち、そして前記バリヤーは燃料電池の配向にかかわらず燃料タンクからアノード室に燃料を導びくことができる)、を有する、配向に無関係の直接酸化燃料電池を提供する。
【0055】
通常、燃料タンクの前記の第2の部分は、ガスが燃料タンクから出てアノード室中に燃料を導びくためにバリヤーを押す事ができるように、大気圧より高い圧力のガスで満たされている。あるいはまた、燃料タンクの第2の部分は作動までは大気のみで満たされており、そのときに、ガスの入り口をとおって、アノード室における燃料の酸化から発生するCOで満たされる。
【0056】
このような配向に無関係の燃料電池はまた、ポンプをもたず、少数の弁のみを必要とする。
【0057】
本発明は、以下の制約しない実施例においてより詳細に説明される。
【0058】
【実施例】
(実施例1)
a)第1の燃料電池の形態
燃料電池のハウジングを、Globetech Inc.,から購入した合成黒鉛板から加工し、そこにフローフィールドを彫刻した。
【0059】
アノードはTorayTM紙から市販の炭素繊維シート上に塗布された白金−ルテニウムインキを使用して形成した。数種のインキを以下のように調製した。
1.タイプAはVulcan XC−72(E−Tek Incから購入)上の60%Pt:Ruを600mg、Kynar 2801 PVDFを60mg、プロピレンカーボネート(PC)0.26ml及びシクロペンタノン約1.5mlを混合することにより調製した。
2.タイプBは20%Pt/10%Ru/Vulcan C−72(ElectroChem,Incから購入)を600mg、Kynar 2801 PVDFを60mg、プロピレンカーボネート(PC)0.38ml及びシクロペンタノン約1.5mlを混合することにより調製した。
3.タイプCは20%Pt/10%Ru/Vulcan XC−72(ElectroChem,Incから購入)を600mg、Kynar 2801 PVDFを60mg、Aerosil 130(Degussa AGから購入)60mg、プロピレンカーボネート(PC)0.42ml及びシクロペンタノン約1.5mlを混合することにより調製した。
【0060】
インクを1晩磁石により撹拌し、次にTorayTMpaper上に塗布ブラシにより3〜4層を塗布した。
【0061】
カソードは、テフロン加工TorayTM紙上にPtインクを塗布することにより形成した。インクをVulcan XC−72(E−Tek,Incから購入)上の80%白金を600mg、Kynar 2801 PVDFを60mg、プロピレンカーボネート(PC)0.17ml及びシクロペンタノン約1.5mlを混合することにより調製した。
【0062】
PCMは粉末Kynar PVDF 2801−00を14.87g及び、高表面積の、16nmの粉末度の二酸化ケイ素>99.8%(Degussa)を12.88gr、をシクロペンタン150ml及びプロピレンカーボネート(PC)21mlと混合することにより製造した。得られた粘性の混合物の一部をK制御塗布装置(R K Print, Coat Instruments)上に注入し、フィルムをドクターブレード法を使用して製造した。フィルムを数時間室温で放置乾燥し、弾性の、強靭な、透明のフィルムが得られた。
【0063】
PCを除去するために、二度蒸留水を使用してフィルムを洗浄した。洗浄後、触媒層(電極に応じてPt:RuまたはPt)を膜の外側に塗布した。この工程の後、60℃で1.5時間、または室温で1晩、フィルムを30重量%のH2SO4中に浸漬した。冷却後フィルムをToray 紙の間に挟み、ポリプロピレンのシールを挟み、電池を集成した。このようにして得た6cmの電池のインピーダンスをAC impedance spectroscopy Solartron model SF 1260を使用して測定し、0.1オーム(25℃±3℃)より小さいことが認められた。
【0064】
他の電池は70℃と130℃との間の温度で、適当な触媒により被覆された2枚のTorayTM紙の間に挟まれたPCMをホットプレスすることにより製造した。
【0065】
燃料電池作動期間に、酸及び0.4〜2モル/リッターのメタノールを含む水溶液を1〜20ml/分の異なる流速で、アノードを越えて循環させた(蠕動性ポンプタイプの使用により)。図3は異なるメタノール濃度に対する分極曲線を示す。
【0066】
以下の酸及び酸濃度を試験した、1〜3モル/リッターのHSO、1:3〜1:6モル比のCFSOH:HO及び40%(w/w)PWA水溶液(すなわちHPW1240)。図4はそれぞれ(1)3MのHSO+1Mのメタノール及び(2)1:6(V/V)のCFSOH:HO+2Mのメタノール、を含む2種の酸性の水溶液に対する分極曲線を示す。
【0067】
同様にして、更なる燃料電池を構築し、ホルムアルデヒド、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、シュウ酸、グリセロール、エチレングリコール及びシュウ酸ジメチルのような他の燃料を試験した。
b)第2の燃料電池の形態
第2の電池形態はアノード側のフローフィールド及びアノードのTorayTM紙の両側をPt:Ruインクで塗布することにより製造した。この変形は1平方cm当たりの触媒含量を増加させるために実施した。
(実施例2)
2種の試験法で交差を測定した。
1.燃料電池の通常の構造を使用し、しかし、アノードで酸素の代りに窒素を使用し、カソードで3MのHSO中のメタノールを使用した。測定した電流(1Vで)はカソードからアノード側にPCMをとおって透過したメタノールの酸化生成物である。
2.前記の方法1と同様に、しかし両電極をPt−Ruインクで塗布し、交差電流を1と同様に計算した。
【0068】
交差電流は表1に要約する。1モル/リッターのメタノールの交差は50℃、65℃及び75℃で測定した。
【0069】
【表1】
Figure 2003520412
【0070】
第2の電池構造(フローフィールド上にPt:Ruインクを用いる)に対して測定された交差電流(1Vで)は65℃において1モル/リッターのメタノールに対しては25.5mA/cm、65℃において2モル/リッターのメタノールに対しては58.3mA/cmであった。
【0071】
0.1Mのシュウ酸に対する交差電流密度を方法1に従って65℃で測定し、0.3mA/cmであることが認められた。0.1Mのシュウ酸ジメチルに対する交差電流密度は方法1に従って65℃で測定し、6mA/cmであることが認められた。
【0072】
PCMをとおるメタノールの交差を減少させるために、PCMを70℃と130℃の間の異なる温度でホットプレスした。ホットプレスは30〜250秒間、約40気圧で油圧プレスで実施された。図6からみることができるように、Quantachrome NOVA 2200表面積分析装置により測定された細孔サイズ分布はホットプレスにより有意に変化した。未プレスPCMに対して、試験された物質の有意な容量が3nm未満の細孔ディメンションをもち、他方、ホットプレスされたPCMに対しては、試験された材料の有意な容量が1.5nm未満の細孔ディメンションをもった。これらのナノサイズの細孔は酸に対して良好な保持能をもち、メタノールの交差を減少するのに十分に小さかった。
【0073】
交差に対する添加剤の効果は表2及び、図5に提示された分極曲線に示される。使用されたPCMは24%(V/V)PVDF、70℃でホットプレスされた16%SiO、添加された金属硫酸塩を含む3Mの硫酸60%から成った。PCMの厚さは300ミクロンであった。
【0074】
【表2】
Figure 2003520412
【0075】
(実施例3)
性能を改良するために、炭素支持触媒の代りに純粋な金属触媒を使用してもう一つのメタノール燃料電池を製造した。カソードの触媒のインクは以下の方法で調製した。ナノ粉末のPt(Pt黒、”Johnson Matthey”から購入)、TeflonTMエマルジョン及びNafionTM5%溶液を以下の重量の割合、60%Pt、25%Teflonエマルジョン及び15%Nafionで合わせた。最初にPt粉末及びTeflonエマルジョンを15分間音波処理により混合した。2音波処理期間後、得られたインクを少なくとも1晩磁気撹拌装置上においた。
【0076】
アノードの触媒のインクを以下の方法により調製した。Pt:Ruナノ粉末(”Johnson Matthey”から購入したPt:Ru黒50%)及びPVDFを以下の重量の割合、91%触媒粉末及び9%PVDF、で混合した。プロピレンカーボネートを触媒容量の30〜70%に等しい量で添加し、次にシクロペンタノンを添加し、得られたインクを少なくとも1晩撹拌した。
【0077】
電極の製造:カソードの触媒のインクをテフロン加工したTorayTM炭素繊維紙上に塗布して、4mgのPt/cmを生成させた。インク(ペーストの形態の)を、次の層に塗布する前に、各層を約1時間乾燥させながら、層状に塗布した。この操作を所望の量の触媒が得られるまで繰り返した。同様に、アノードの触媒のインクを5〜10mgの触媒/cmが得られるまで、テフロン加工していないTorayTM炭素繊維紙上に塗布した。両電極を、3Mの硫酸、次に水で洗浄した。
【0078】
カソードを、100〜300μmの厚さで、PCMの片側に、85〜130℃の温度で10−70Kg/cmの圧力下でホットプレスした。アノードカソードに平行にPCMの反対側に配置し、完全な電池が集成された。
【0079】
図7は以下の条件下における、この種の燃料電池の3回連続の分極曲線を表す、1MのMeOH及び3MのHSOの溶液を9ml/分の速度でアノードをとおして循環させた。酸素は大気圧より0.25気圧上でカソードを越えて循環させた。電池温度は65℃であった。300ミクロンの厚さのPCMは16%(V/V)のSiOのナノ粉末、24%PVDF及び1.5nmの典型的な直径の細孔容量60%から成った。電池は0.4Vで100時間以上にわたり安定な作動を示した。100時間の作動後の電流の変化は3%未満であった。
【0080】
前記と同様な手順に従って、しかしもう一つのカソードのインクを使用して他の電池を構成した。このカソードインクは0〜5重量%のナノサイズのSiO、20〜40%のTeflon及び40〜80%のナノサイズのPt粉末から成った。図10は、3M硫酸中の1MのMeOH溶液で作動する、これらの電池の分極曲線を表す。
【0081】
燃料交差の測定はカソード室内(外気圧において)に酸素の代りに窒素を供給し、アノード室内に有機燃料−酸溶液を供給することにより、数種の温度で実施した。電池の電圧を逆転させ、水素が燃料電極で発生し、他方、カソード側に交差した燃料が酸化された。1Vで流れる電流が燃料酸化のための限界電流であることが発見された。
(実施例4):H/O燃料電池
我々は黒鉛のハウジング中に統合フローフィールドシステムを彫刻した。本システムは図2に概略説明されている。このシステムにおいて、ガス流路に対する電解質流路の比率は1:2であり、隣接する電解質流路間の最大距離は8mmである。我々はアノード側に統合フローフィールドシステムによる燃料電池システムを加工した。次に電解質循環システムと組み合わせたガス供給システムに燃料電池を取り付けた。このシステムは統合フローフィールドシステムにおける水素と電解質の圧力が等しいように構成される。ガス/電解質供給システムは図8に概略で示される。
【0082】
図8はハウジング210、アノード220、カソード230及び固体PCM240を有するH/O燃料電池200を表す。水素ガス供給システム250は、燃料電池に水素を供給する。酸素供給システム260は、等圧化を達成するために、直接に(図8に示すように)または、電解質タンク270を介してのいずれかにより酸素を供給する。電池は更に、酸素パージシステム280、電解質ポンプ290及び水素パージシステム300を含んで成る。使用されたポンプは蠕動ポンプで、電解質は1.5M硫酸であった。
【0083】
図9は1PSI(大気圧より上)の水素及び酸素圧における室温における(約25℃)この燃料電池の分極曲線を示す。電解質は9ml/分で循環させた。
(実施例5)
低い燃料交差は一次バッテリーの代替物としての本発明の燃料電池の使用を可能にする。この場合、燃料−酸溶液は循環されないで、多孔質炭素マトリックス中のアノード側(室)内に貯蔵されている。空気流入口は、この燃料電池が使用されていない時は、例えば、粘着テープにより閉鎖することができる。
【0084】
図11は、0.6mm厚さのHastelloy C−276TM端板300、片方が空気のフローフィールドとして働き、第2の側は燃料溶液のための貯蔵電池として働く、多孔質不織炭素フェルト(もしくはマトリックス)RVC 1000TM(Carbone Lorraine)310、裏打ち層としてのTorayTMpaper320及びテフロン加工TorayTMpaper325、PCM330、空気流入口340、燃料溶液充填口350、TeflonTMシールリング360、全体のアセンブリーを保持しシールするための収縮可能なチューブ370からなるプラスチック封入物、を有する、この種の燃料電池の概略を表す。PCMのカソード側には、5mgのナノサイズのPt触媒(Johnson Mattheyから購入)を、テフロン加工したToray paper325上に、実施例3に記載の手順に従って塗布して、触媒層380を生成させ、他方、アノード側には、ナノサイズのPt−Ru1:1(原子比)触媒(Johnson Matthey)5mgをTorayTMpaper320上に、実施例3に記載の手順に従って塗布して、触媒層390を生成させた。両方のToray紙は(触媒塗布後に)100℃で40kg./cmの圧力下で200秒間PCMにホットプレスした。電池集成後、1MのHSO及び0.5Mのメタノールを含む溶液を燃料充填口350(粘着テープにより閉鎖)をとおして挿入し、電池を放電した。電池の開路電圧は0.5Vであり、それは数分間1mA/cmを放電した。
【0085】
もう一つの実験において、アノードの裏側に配置された4mmの厚さの燃料タンク、並びに10%シリカ、30%PVDF及びバランス間隙から成り、後に3MのHSOで満たされるPCM、を有する、電池を集成した。電池集成後、3MのHSO及び1Mのメタノールを含む溶液を燃料充填口350(粘着テープにより閉鎖)をとおして挿入し、電池を放電した。電池の開路電圧は0.65Vであり、それは数時間1mA/cmを放電した。交差電流密度は2mA/cmであった。この低交差値が現在の当該技術分野の電池で可能な3%〜6%に比して、1%〜40%の濃度を有する燃料溶液の使用を可能にする。
(実施例6):配向に無関係のDOFC
図13は本発明の幾つかの観点を使用する、配向に無関係の直接酸化燃料電池システムを表す。本システム1000は、アノード1112、燃料流入口1114及びガス流出口1116を伴うアノード室1110、カソード1122及び空気流入口1124を伴うカソード室1120、好ましくは、国際公開第99/44245号パンフレット及び/または本発明に従い、アノード1112とカソード1122の間に配置された電解質膜1200、並びに、好ましくは、使い捨て可能で、パイプライン(液体)1160及び弁1162をとおってアノード室1110に連結された燃料タンク1300、を有する燃料電池1100を含んで成る。燃料タンク1300は可動性バリヤー1310により2部分、燃料(純粋のまたは溶液で)を含み、アノード室1120に連結した第1の部分1312及び、場合によっては、ガス流入口1316をもち、それによりガスが第2の部分1314に侵入して、1気圧より大きいガス圧をそこに形成する第2の部分1314、に分割される。あるいはまた、ガス圧は、第2の部分1314内に恒久的に貯蔵された圧縮ガスにより供給される。バリヤー1310はピストンまたはブラダー(bladder)のような当該技術分野で知られたいかなる種のものであっても良い。それは燃料電池システム1000の配向にかかわらずパイプライン1160及び弁1162をとおって燃料タンク1300からアノード室1110に燃料を誘導することができる。ガス出口1116は、ガス透過性疎水性クロージャー(図示されていない)で閉鎖されている。アノード室1110及び場合によっては燃料タンク1300には更に燃料濃度センサー、1111及び場合によっては1320が付いている。燃料濃度センサー1111及び1320は、制御装置2000に接続されており、それは、前以て決められた値より下の燃料濃度に応答して、パイプライン1160及び弁1162をとおって燃料タンク1300からアノード室1110に燃料を流すように命令することができる。これらの場合には、通常は開放されて大気中にCOを逃散させる、弁1319は閉鎖されていなければならない。
【0086】
DC−DCコンバーター1600は燃料電池1100及び、恐らくは、燃料電池1100及びDC−DCコンバーター1600と直列に連結された1個以上の他の燃料電池(図示されていない)に連結されている。従って、本システムは実際には、バッテリー1700のようなバッテリーを充電することができ、または可搬電気器具1800に電力を供給することができる、本発明に従うハイブリッド電源である。
【0087】
図13の態様においては、燃料タンク1314の第2の部分は作動までは大気のみで満たされており、操作時に、ガス流入口1316をとおって、アノード室1110において燃料の酸化から発生するCOで満たされる。COはパイプライン1150及び弁1318によりアノード室1110から燃料タンク1114の第2の部分に運搬される。
【0088】
図13の配向に無関係の燃料電池には好ましくは、更に、その構造が燃料タンク1300と同様な水槽1500(好ましくは、使い捨て可能な)が付いている。水槽は実際には、蒸発による水分喪失がシステムに水分補充を要求するか、または純粋な燃料(そして燃料溶液ではない)が使用される、乾燥した暑い環境でのみ必要である。その他の場合には燃料タンクは電気化学反応及び、蒸発による水分喪失の双方のために十分な水分を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】
複数電池の燃料システムの概略の表示を示す。
【図2】
水素/酸素燃料電池中に使用された統合ガス−酸溶液フローフィールドシステムを示す。
【図3】
異なるメタノール濃度における分極曲線を表すグラフを示す。
【図4】
異なる酸に対する分極曲線を表すグラフを示す。
【図5】
分極曲線に対する添加剤の効果を表すグラフを示す。
【図6】
PCMの孔サイズ及びホットプレスの温度との間の相関を表すグラフを示す。
【図7】
3種の連続分極曲線(65℃における3MのHSO+1MのMeOH)を表すグラフを示す。
【図8】
統合ガス−酸のフローフィールドをもつH/O燃料電池の概略表示を示す。
【図9】
/O燃料電池(25℃、1psiのH及びO圧力)に対する分極曲線を表すグラフを示す。
【図10】
3Mの硫酸中1MのMeOHの溶液により作動する電池の分極曲線を表すグラフを示す。
【図11】
一次電池として作動する燃料電池の概略表示を示す。
【図12】
本発明の好ましい態様に従って形成された固体ポリマー膜を有する改良固体供給有機燃料電池の概略表示を提供する。
【図13】
本発明の一態様に従う配向に無関係のハイブリッド電源の概略表示である。
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