JPWO2017119419A1 - 微生物燃料電池用ガス拡散電極、及びそれを用いた微生物燃料電池 - Google Patents
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Abstract
ガス拡散電極(10)は、織布又は不織布で形成され、撥水性を有する撥水層(1)と、撥水層の一方の面に積層された接着層(2)とを備える。さらにガス拡散電極は、接着層における撥水層側の面と反対側の面に積層されたガス拡散層(3)を備える。そして、接着層は、生分解性を有さず、かつ、耐アルカリ性を有する。微生物燃料電池(100)は、微生物を担持する負極(20)と、水素イオンを透過するイオン透過膜(30)と、イオン透過膜を介して負極と隔てられた、上記ガス拡散電極からなる正極(40)とを備える。
Description
本発明は、微生物燃料電池用ガス拡散電極、及びそれを用いた微生物燃料電池に関する。詳細には本発明は、廃水を浄化し、かつ、電気エネルギーを生成することが可能な微生物燃料電池用ガス拡散電極、及びそれを用いた微生物燃料電池に関する。
近年、持続可能なエネルギーとして、バイオマスを利用して発電をする微生物燃料電池が注目されている。微生物燃料電池は、生活廃水や工場廃水に含まれる有機性物質の化学エネルギーを電気エネルギーに変換しつつ、その有機性物質を酸化分解して処理する廃水処理装置である。そして、微生物燃料電池は、汚泥の発生が少なく、さらにエネルギー消費が少ない特徴を有する。ただ、微生物が発する電力が非常に小さく、出力される電流密度が低いため、更なる改良が必要である。
微生物燃料電池は、微生物を担持する負極と、酸素を含む気相及び電解液に接触する正極とを有する。そして、有機性物質などを含有する電解液を負極に供給するとともに、酸素を含んだ気体を正極に供給する。負極及び正極は、負荷回路を介して相互に接続することにより閉回路を形成する。負極では、微生物の触媒作用により電解液から水素イオン及び電子が生成する。そして、生成した水素イオンは正極へ移動し、電子は負荷回路を介して正極へ移動する。負極から移動した水素イオン及び電子は正極において酸素と結合し、水となって消費される。その際に、閉回路に流れる電気エネルギーを回収する。
ここで、正極は電解液と酸素を分離する必要があるため、撥水性が要求されている。また、正極内で漏水が生じた場合、酸素の拡散速度の減少による電流生成能の低下が起こるため、正極は長期に亘り漏水が生じ難いことが求められている。このような正極に用いられ得るガス拡散電極として、従来、ガス拡散電極基材の撥水処理を施したい部分に、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素含有化合物を含む撥水材を形成することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。そして、当該撥水材は、乾式噴霧法によりフッ素含有化合物を成膜することで形成されることが開示されている。
上述のように、特許文献1のガス拡散電極は、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素含有化合物の粉末を乾式噴霧することで成膜している。そのため、得られる撥水材にはクラックやピンホールが生じ易い。特に、このようなガス拡散電極を大面積化した場合には、クラック等の発生による漏水が生じ易く、その結果、酸素の拡散速度が著しく減少して燃料電池の出力が低下する恐れがあった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、長期間に亘り撥水層からの漏水を抑制し、高出力を維持することが可能な微生物燃料電池用ガス拡散電極、及びそれを用いた微生物燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る微生物燃料電池用ガス拡散電極は、織布又は不織布で形成され、撥水性を有する撥水層と、撥水層の一方の面に積層された接着層とを備える。さらに当該ガス拡散電極は、接着層における撥水層側の面と反対側の面に積層されたガス拡散層を備える。そして、接着層は、生分解性を有さず、かつ、耐アルカリ性を有する。
本発明の第二の態様に係る微生物燃料電池は、微生物を担持する負極と、水素イオンを透過するイオン透過膜と、イオン透過膜を介して負極と隔てられた、微生物燃料電池用ガス拡散電極からなる正極とを備える。
以下、本実施形態に係る微生物燃料電池用ガス拡散電極、及びそれを用いた微生物燃料電池について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[ガス拡散電極]
本実施形態のガス拡散電極10は、図1に示すように、織布又は不織布で形成され、撥水性を有する撥水層1と、撥水層1の一方の面1aに積層された接着層2とを備える。さらにガス拡散電極10は、接着層2における撥水層側の面2aと反対側の面2bに積層されたガス拡散層3を備える。
本実施形態のガス拡散電極10は、図1に示すように、織布又は不織布で形成され、撥水性を有する撥水層1と、撥水層1の一方の面1aに積層された接着層2とを備える。さらにガス拡散電極10は、接着層2における撥水層側の面2aと反対側の面2bに積層されたガス拡散層3を備える。
(撥水層)
撥水層1は、撥水性を有しているため、後述する気相5と、廃水槽80の内部に保持された液相としての電解液70とを分離する。そして、撥水層1を設けることで、電解液70が気相5側に移動することを抑制できる。なお、ここでいう「分離」とは、物理的に遮断することをいう。
撥水層1は、撥水性を有しているため、後述する気相5と、廃水槽80の内部に保持された液相としての電解液70とを分離する。そして、撥水層1を設けることで、電解液70が気相5側に移動することを抑制できる。なお、ここでいう「分離」とは、物理的に遮断することをいう。
また、撥水層1は、酸素を含む気相5と接触しており、気相5中の気体を拡散し、ガス拡散層3の面3aに対し気体を略均一に供給している。そのため、撥水層1は、当該気体を拡散できるように、多孔質体であることが好ましい。なお、撥水層1が撥水性を有するため、結露等により多孔質体の細孔が閉塞し、気体の拡散性が低下することを抑制できる。そして、後述するように、ガス拡散電極10を燃料電池に用いた場合、撥水層1の内部に電解液70が染み込み難くなり、撥水層1が気相と接触しやすくなる。
撥水層1は、織布又は不織布によりシート状に形成されていることが好ましい。また、撥水層1を構成する材料は、撥水性を有し、気相5中の気体を拡散できれば特に限定されない。撥水層1を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、エチルセルロース、ポリ−4−メチルペンテン−1及びブチルゴムからなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。これらの材料は多孔質体を形成しやすく、さらに撥水性も高いため、細孔の閉塞を抑制してガス拡散性を向上させることができる。なお、撥水層1は、撥水層1、接着層2及びガス拡散層3の積層方向Xに複数の貫通孔を有することが好ましい。
撥水層1は撥水性を高めるために、必要に応じて撥水剤を用いて撥水処理を施してもよい。具体的には、撥水層1を構成する多孔質体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水剤を付着させ、撥水性を向上させてもよい。
ガス拡散層3の面3aに効率的に気体を供給するために、図1に示すように、撥水層1は、接着層2を介してガス拡散層3と接合していることが好ましい。つまり、撥水層1における面1aは、対向するガス拡散層3の面3aと接着層2を介して接合していることが好ましい。これにより、ガス拡散層3の面3aに対し、拡散した気体が直接供給され、酸素還元反応を効率的に行うことができる。
(ガス拡散層)
本実施形態のガス拡散電極10は、導電性及び酸素透過性を有するガス拡散層3を備えている。このようなガス拡散層3を設けることで、後述する局部電池反応により生成した電子を触媒層4と負荷回路90との間で導通させることが可能となる。つまり、後述するように、触媒層4には酸素還元触媒が担持されている。そのため、ガス拡散層3を設けることにより、負荷回路90からガス拡散層3を通じて酸素還元触媒に対し電子が供給されるため、触媒層4において酸素、水素イオン及び電子による酸素還元反応を促進することが可能となる。
本実施形態のガス拡散電極10は、導電性及び酸素透過性を有するガス拡散層3を備えている。このようなガス拡散層3を設けることで、後述する局部電池反応により生成した電子を触媒層4と負荷回路90との間で導通させることが可能となる。つまり、後述するように、触媒層4には酸素還元触媒が担持されている。そのため、ガス拡散層3を設けることにより、負荷回路90からガス拡散層3を通じて酸素還元触媒に対し電子が供給されるため、触媒層4において酸素、水素イオン及び電子による酸素還元反応を促進することが可能となる。
ガス拡散電極10では、安定的な性能を確保するために、酸素が撥水層1及びガス拡散層3を効率よく透過し、酸素還元触媒に供給されることが好ましい。そのため、ガス拡散層3は、酸素が透過する細孔を多数有する多孔質体であることが好ましい。また、ガス拡散層3の形状は、三次元のメッシュ状であることが特に好ましい。このようなメッシュ状であることにより、ガス拡散層3に対し、高い酸素透過性及び導電性を付与することが可能となる。
ガス拡散層3を構成する導電体材料は、高い導電性が確保できるならば特に限定されない。ただ、導電体材料は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも一つの導電性金属からなることが好ましい。これらの導電性金属は、高い耐食性及び導電性を備えているため、ガス拡散層3を構成する材料として好適に用いることができる。
ガス拡散層3を構成する導電体材料は、炭素材料であってもよい。炭素材料としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス及び黒鉛シートからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。また、導電体材料は、カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス及び黒鉛シートからなる群より選ばれる一つからなるものであってもよく、これらを複数積層してなる積層体でもよい。炭素繊維の不織布であるカーボンペーパー及びカーボンフェルト、炭素繊維の織布であるカーボンクロス、並びに黒鉛からなる黒鉛シートは、高い耐食性を有し、かつ、電気抵抗率が金属材料と同等であるため、耐久性と導電性を両立することが可能となる。
上述の黒鉛シートは、次のようにして得ることができる。まず、天然黒鉛を酸によって化学処理を施し、黒鉛のグラフェン層の層間へ挿入物を形成する。次に、これを高温で急速加熱することで、層間挿入物の熱分解によるガス圧でグラフェン層間が押し広がった膨張黒鉛が得られる。そして、この膨張黒鉛を加圧し、ロール圧延することにより、黒鉛シートが得られる。このようにして得られた黒鉛シートをガス拡散層3として用いた場合、黒鉛におけるグラフェン層が積層方向Xに垂直な方向Yに沿って配列しているため、負荷回路90との間の導電性を高め、電池反応の効率をより向上させることが可能となる。
(接着層)
本実施形態のガス拡散電極10は、図1に示すように、撥水層1とガス拡散層3とを接合する接着層2を備えている。つまり、撥水層1の一方の面1aと、ガス拡散層3における面1aと対向する面3aとは、接着層2を介して接合されている。そして、接着層2は、生分解性を有さず、かつ、耐アルカリ性を有している。
本実施形態のガス拡散電極10は、図1に示すように、撥水層1とガス拡散層3とを接合する接着層2を備えている。つまり、撥水層1の一方の面1aと、ガス拡散層3における面1aと対向する面3aとは、接着層2を介して接合されている。そして、接着層2は、生分解性を有さず、かつ、耐アルカリ性を有している。
後述するように、ガス拡散電極10を正極40として用いた微生物燃料電池100において、負極20、イオン透過膜30、並びに正極40の触媒層4は電解液70に浸漬され、接着層2は電解液70と接触する。そして、接着層2は電解液70中に存在する微生物と接触することから、微生物による分解を抑制するために耐生分解性を備える必要がある。また、微生物燃料電池100における正極40の近傍では、酸素還元反応に伴いプロトンが消費され、pHの上昇が生じる。その結果、正極40の接着層2がアルカリ環境に晒されることから、接着層2は耐アルカリ性を備える必要がある。
本実施形態では、接着層2が耐生分解性及び耐アルカリ性を有していることにより、撥水層1とガス拡散層3との間の接着性を長期間に亘り維持し、撥水層1とガス拡散層3との間に電解液70が侵入することを抑制することが可能となる。そして、撥水層1とガス拡散層3との間の剥離を抑制することにより、撥水層1の内部へ電解液70が侵入することを防ぐため、撥水層1の高いガス透過性を維持しつつも、撥水層1からの漏水を抑制することが可能となる。
ここで、本明細書において、「接着層が生分解性を有さない」とは、接着層2を構成する樹脂が、微生物から分泌される菌体外酵素の基質となる分子構造を有していないことをいう。具体的には、接着層2を構成する樹脂が、化学式1に示すウレタン結合又は化学式2に示すポリビニルアルコール構造を有していないことをいう。電解液70に含まれる微生物は菌体外酵素を分泌し、ウレタン結合やポリビニルアルコール構造を分解する作用を有する。そのため、接着層2を構成する樹脂がこれらの分子構造を有しないことにより、耐生分解性を高めることが可能となる。
また、本明細書において、接着層2の耐アルカリ性は、ASTM規格D543に準拠して測定することができる。具体的には、まず、接着層2を構成する材料から、縦76.2mm、横25.4mmの板状の試験片を作製する。次に、得られた試験片を23±2℃の溶液に7日間浸漬する。この際、溶液量は試験片1in2あたり10ml以上とし、溶液が保持されている容器の底面及び壁面に触れないように、試験片を容器内に吊るす。なお、容器内の溶液は24時間ごとに攪拌する。
そして、浸漬前後で試験片の質量、長さ及び厚みを測定し、数式1〜3より質量変化率M(%)、長さ変化率L(%)及び厚み変化率T(%)を測定する。また、基準物質であるシリコーンゴム(信越化学工業株式会社製一液型RTVシリコーンゴムKE−3475−T)についても、同様に質量変化率M(%)、長さ変化率L(%)及び厚み変化率T(%)を測定する。そして、シリコーンゴムの質量変化率、長さ変化率及び厚み変化率をそれぞれ1とした場合、質量変化率、長さ変化率及び厚み変化率の全てが1未満の材料を、耐アルカリ性を有すると定義する。
接着層2は、生分解性を有さず、かつ、耐アルカリ性を有する樹脂からなることが好ましい。具体的には、接着層2は、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム及びクロロプレンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む樹脂からなることが好ましい。また、接着層2は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリアセタール共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ樹脂、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルゴムからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む樹脂からなることが好ましい。
接着層2は、撥水層1とガス拡散層3との間の接着性を確保する観点から、撥水層1とガス拡散層3との間の少なくとも一部に設けられている必要がある。ただ、撥水層1とガス拡散層3との間の接着性を高め、長期間に亘り電解液70の侵入を抑制する観点から、接着層2は撥水層1とガス拡散層3との間の全面に設けられていることが好ましい。
(触媒層)
本実施形態のガス拡散電極10は、図1に示すように、ガス拡散層3における接着層2側の面3aと反対側の面3bに積層された触媒層4をさらに備えることが好ましい。上述のように、触媒層4を設けることにより、気相5からの酸素、並びに負極20からの水素イオン及び電子による酸素還元反応を効率的に行うことが可能となる。
本実施形態のガス拡散電極10は、図1に示すように、ガス拡散層3における接着層2側の面3aと反対側の面3bに積層された触媒層4をさらに備えることが好ましい。上述のように、触媒層4を設けることにより、気相5からの酸素、並びに負極20からの水素イオン及び電子による酸素還元反応を効率的に行うことが可能となる。
触媒層4は、酸素還元触媒を含有することが好ましい。酸素還元触媒を含有することにより、撥水層1、接着層2及びガス拡散層3によって移送された酸素と水素イオンとの反応速度をより高めることが可能となる。
ここで、本実施形態のガス拡散電極10では、安定的な性能を確保するために、撥水層1、接着層2及びガス拡散層3を透過した酸素を酸素還元触媒に効率よく供給することが好ましい。そのため、触媒層4は、酸素透過性を有すること、つまり酸素を透過することが可能な空隙(細孔)を数多く有することが好ましい。また、触媒層4は、酸素還元触媒の粒子同士を結着して多孔質体を形成するための結着剤を用いることが好ましい。このような結着剤としては、粒子同士を結着できれば特に限定されない。結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。
酸素還元触媒について、より詳細に説明する。酸素還元触媒は、金属原子がドープされている炭素系材料であることが好ましい。金属原子としては特に限定されないが、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の原子であることが好ましい。この場合、炭素系材料は、特に酸素還元反応を促進させるための触媒として優れた性能を発揮する。炭素系材料が含有する金属原子の量は、炭素系材料が優れた触媒性能を有するように適宜設定すればよい。
炭素系材料には、更に窒素、ホウ素、硫黄及びリンから選択される一種以上の非金属原子がドープされていることが好ましい。炭素系材料にドープされている非金属原子の量も、炭素系材料が優れた触媒性能を有するように適宜設定すればよい。
炭素系材料は、例えばグラファイト及び無定形炭素等の炭素源原料をベースとし、この炭素源原料に金属原子と、窒素、ホウ素、硫黄及びリンから選択される一種以上の非金属原子とをドープすることで得られる。
炭素系材料にドープされている金属原子と非金属原子との組み合わせは、適宜選択される。特に、非金属原子が窒素を含み、金属原子が鉄を含むことが好ましい。この場合、炭素系材料が特に優れた触媒活性を有することができる。なお、非金属原子が窒素のみであってもよい。また、金属原子が鉄のみであってもよい。
非金属原子が窒素を含み、金属原子がコバルトとマンガンとのうち少なくとも一方を含んでもよい。この場合も、炭素系材料は特に優れた触媒活性を有することができる。なお、非金属原子が窒素のみであってもよい。また、金属原子がコバルトのみ、マンガンのみ、あるいはコバルト及びマンガンのみであってもよい。
酸素還元触媒として構成される炭素系材料は、次のように調製することができる。まず、例えば窒素、ホウ素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の非金属を含む非金属化合物と、金属化合物と、炭素源原料とを含有する混合物を準備する。そして、この混合物を、800℃以上1000℃以下の温度で、45秒以上600秒未満加熱する。これにより、酸素還元触媒として構成される炭素系材料を得ることができる。
ここで、炭素源原料としては、上述の通り、例えばグラファイト又は無定形炭素を使用することができる。さらに、金属化合物としては、炭素源原料にドープされる非金属原子と配位結合し得る金属原子を含む化合物であれば、特に制限されない。金属化合物は、例えば金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、臭化物、ヨウ化物、フッ化物などのような無機金属塩;酢酸塩などの有機金属塩;無機金属塩の水和物;及び有機金属塩の水和物からなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することができる。例えばグラファイトに鉄がドープされる場合には、金属化合物は塩化鉄(III)を含有することが好ましい。また、グラファイトにコバルトがドープされる場合には、金属化合物は塩化コバルトを含有することが好ましい。また、炭素源原料にマンガンがドープされる場合には、金属化合物は酢酸マンガンを含有することが好ましい。金属化合物の使用量は、例えば炭素源原料に対する金属化合物中の金属原子の割合が5〜30質量%の範囲内となるように設定することが好ましく、更にこの割合が5〜20質量%の範囲内となるように設定することがより好ましい。
非金属化合物は、上記の通り、窒素、ホウ素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の非金属の化合物であることが好ましい。非金属化合物としては、例えば、ペンタエチレンヘキサミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、オクチルボロン酸、1,2−ビス(ジエチルホスフィノエタン)、亜リン酸トリフェニル、ベンジルジサルフィドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することができる。非金属化合物の使用量は、炭素源原料への非金属原子のドープ量に応じて適宜設定される。非金属化合物の使用量は、金属化合物中の金属原子と、非金属化合物中の非金属原子とのモル比が、1:1〜1:2の範囲内となるように設定ことが好ましく、1:1.5〜1:1.8の範囲内となるように設定することがより好ましい。
酸素還元触媒として構成される炭素系材料を調製する際の、非金属化合物と金属化合物と炭素源原料とを含有する混合物は、例えば次のようにして得られる。まず炭素源原料と金属化合物と非金属化合物とを混合し、更に必要に応じてエタノール等の溶媒を加えて全量を調整する。これらを更に超音波分散法により分散させる。続いて、これらを適宜の温度(例えば60℃)で加熱した後に、混合物を乾燥して溶媒を除去する。これにより、非金属化合物と金属化合物と炭素源原料とを含有する混合物が得られる。
次に、得られた混合物を、例えば還元性雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下で加熱する。これにより、炭素源原料に非金属原子がドープされ、さらに非金属原子と金属原子とが配位結合することで金属原子もドープされる。加熱温度は800℃以上1000℃以下の範囲内であることが好ましく、加熱時間は45秒以上600秒未満の範囲内であることが好ましい。加熱時間が短時間であるため、炭素系材料が効率よく製造され、しかも炭素系材料の触媒活性が更に高くなる。なお、加熱処理における、加熱開始時の混合物の昇温速度は、50℃/s以上であることが好ましい。このような急速加熱は、炭素系材料の触媒活性を更に向上させる。
また、炭素系材料を、更に酸洗浄してもよい。例えば炭素系材料を、純水中、ホモジナイザーで30分間分散させ、その後この炭素系材料を2M硫酸中に入れて、80℃で3時間攪拌してもよい。この場合、炭素系材料からの金属成分の溶出が抑えられる。
このような製造方法により、不活性金属化合物及び金属結晶の含有量が著しく低く、かつ、導電性の高い炭素系材料が得られる。
このように、本実施形態の微生物燃料電池用ガス拡散電極10は、織布又は不織布で形成され、撥水性を有する撥水層1と、撥水層1の一方の面に積層された接着層2とを備える。さらにガス拡散電極10は、接着層2における撥水層1側の面2aと反対側の面2bに積層されたガス拡散層3を備える。そして、接着層2は、生分解性を有さず、かつ、耐アルカリ性を有する。接着層2が電解液70中に存在する微生物に対する耐生分解性を有し、さらに耐アルカリ性も有するため、撥水層1とガス拡散層3との間の接着性を長期間に亘り維持する。そのため、撥水層1の内部へ電解液70が侵入することを防ぐことから、長期間に亘り撥水層1からの漏水を抑制することができる。また、撥水層1の高いガス透過性及びガス拡散性を維持できることから、長期間に亘り高い出力を得ることが可能となる。
次に、本実施形態に係るガス拡散電極10の製造方法について説明する。ガス拡散電極10の製造方法は、撥水層1とガス拡散層3を接着層2により接合する工程を有しているならば、その他の工程は特に限定されない。例えば、まず、撥水層1の面1aに、接着層2を構成する接着剤を塗布する。塗布方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。そして、塗布された接着剤にガス拡散層3の面3aを接触し、必要に応じて押圧した後に接着剤を硬化させることで、撥水層1とガス拡散層3を接着層2により接合することができる。なお、接着剤をガス拡散層3の面3aに塗布した後に、接着剤に撥水層1の面1aを接触させてもよい。
触媒層4の製造方法も特に限定されず、例えば次のように作製することができる。まず、酸素還元触媒及び結着剤を溶媒に混合することにより、触媒スラリーを調製する。酸素還元触媒及び結着剤の混合量は、触媒層の厚さなどに応じて適宜調整することが好ましい。なお、上記スラリーを調製する際に用いられる溶媒としては特に限定されないが、水やメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。また、各スラリーには、必要に応じて公知の界面活性剤や増粘剤を混合してもよい。
次に、触媒スラリーをガス拡散層3の面3bに直接塗布し、圧縮、及び乾燥又は焼成することで、触媒層4を形成することができる。この場合には、触媒スラリーをガス拡散層3に直接塗布しているため、ガス拡散層3と触媒層4との接触面積を増加させることが可能となる。
[微生物燃料電池]
次に、本実施形態に係る微生物燃料電池について説明する。本実施形態の微生物燃料電池100は、図2及び図3に示すように、微生物を担持する負極20と、水素イオンを透過するイオン透過膜30と、イオン透過膜30を介して負極20と隔てられた、上述のガス拡散電極10からなる正極40とを備える。そして、微生物燃料電池100では、イオン透過膜30の一方の面30aに負極20が接触するように配置されており、イオン透過膜30の面30aと反対側の面30bに正極40が接触するように配置されている。
次に、本実施形態に係る微生物燃料電池について説明する。本実施形態の微生物燃料電池100は、図2及び図3に示すように、微生物を担持する負極20と、水素イオンを透過するイオン透過膜30と、イオン透過膜30を介して負極20と隔てられた、上述のガス拡散電極10からなる正極40とを備える。そして、微生物燃料電池100では、イオン透過膜30の一方の面30aに負極20が接触するように配置されており、イオン透過膜30の面30aと反対側の面30bに正極40が接触するように配置されている。
負極20は、導電性を有する導電体シートに微生物を担持した構造を有する。導電体シートとしては、多孔質の導電体シート、織布状の導電体シート及び不織布状の導電体シートからなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。また、導電体シートは複数のシートを積層した積層体でもよい。負極20の導電体シートとして、このような複数の細孔を有するシートを用いることにより、後述する局部電池反応で生成した水素イオンがイオン透過膜30の方向へ移動しやすくなり、酸素還元反応の速度を高めることが可能となる。また、イオン透過性を向上させる観点から、負極20の導電体シートは、正極40、イオン透過膜30及び負極20の積層方向X、つまり厚さ方向に連続した空間(空隙)を有していることが好ましい。
当該導電体シートは、厚さ方向に複数の貫通孔を有する金属板であってもよい。そのため、負極20の導電体シートを構成する材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル及びチタンなどの導電性金属、並びにカーボンペーパー、カーボンフェルトからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
負極20の導電体シートとして、ガス拡散電極10で使用するガス拡散層を用いてもよい。また、負極20は黒鉛を含有し、さらに黒鉛におけるグラフェン層は、正極40、イオン透過膜30及び負極20の積層方向Xに垂直な方向YZの面に沿って配列していることが好ましい。グラフェン層がこのように配列していることにより、積層方向Xの導電性よりも、積層方向Xに垂直な方向YZの導電性が向上する。そのため、負極20の局部電池反応により生成した電子を負荷回路へ導通させやすくなり、電池反応の効率をより向上させることが可能となる。
負極20に担持される微生物としては、電解液70中の有機物、又は窒素を含む化合物を分解する微生物であれば特に限定されないが、例えば増殖に酸素を必要としない嫌気性微生物を使用することが好ましい。嫌気性微生物は、電解液70中の有機物を酸化分解するための空気を必要としない。そのため、空気を送り込むために必要な電力を大幅に低減することができる。また、微生物が獲得する自由エネルギーが小さいので、汚泥発生量を減少させることが可能となる。
負極20に保持される嫌気性微生物は、例えば細胞外電子伝達機構を有する電気生産細菌であることが好ましい。具体的には、嫌気性微生物として、例えばGeobacter属細菌、Shewanella属細菌、Aeromonas属細菌、Geothrix属細菌、Saccharomyces属細菌が挙げられる。
負極20に、嫌気性微生物を含むバイオフィルムが重ねられて固定されることで、負極20に嫌気性微生物が保持されていてもよい。なお、バイオフィルムとは、一般に、微生物集団と、微生物集団が生産する菌体外重合体物質(extracellular polymeric substance、EPS)とを含む三次元構造体のことをいう。ただ、嫌気性微生物は、バイオフィルムによらずに負極20に保持されていてもよい。また、嫌気性微生物は、負極20の表面だけでなく、内部に保持されていてもよい。
本実施形態の微生物燃料電池100は、水素イオンを透過するイオン透過膜30を備えている。イオン透過膜30は、負極20で生成した水素イオンを透過し、正極40側へ移動させる機能を有する。イオン透過膜30としてはイオン交換樹脂を用いたイオン交換膜を使用することができる。イオン交換樹脂としては、例えばデュポン株式会社製のNAFION(登録商標)、並びに旭硝子株式会社製のフレミオン(登録商標)及びセレミオン(登録商標)を用いることができる。
また、イオン透過膜30として、水素イオンを透過することが可能な細孔を有する多孔質膜を使用してもよい。つまり、イオン透過膜30は、負極20と正極40との間を水素イオンが移動するための空間(空隙)を有するシートであってもよい。そのため、イオン透過膜30は、多孔質のシート、織布状のシート及び不織布状のシートからなる群より選ばれる少なくとも一つを備えることが好ましい。また、イオン透過膜30は、ガラス繊維膜、合成繊維膜、及びプラスチック不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができ、これらを複数積層してなる積層体でもよい。このような多孔質のシートは、内部に多数の細孔を有しているため、水素イオンが容易に移動することが可能となる。なお、イオン透過膜30の細孔径は、負極20から正極40に水素イオンが移動できれば特に限定されない。
本実施形態の微生物燃料電池100は、上述のガス拡散電極10からなる正極40を備えている。つまり、正極40は、織布又は不織布で形成され、撥水性を有する撥水層1と、撥水層1の一方の面に積層された接着層2とを備える。さらに正極40は、接着層2における撥水層1側の面2aと反対側の面2bに積層されたガス拡散層3を備える。そして、触媒層4の面4a側にイオン透過膜30が設けられる。
微生物燃料電池100は、図2及び図3に示すように、正極40、イオン透過膜30及び負極20を備える膜電極接合体50を複数備えている。また、2枚の膜電極接合体50は、正極40同士が対向するように、カセット基材51を介して積層されている。カセット基材51は、図4に示すように、正極40の外周部に沿うU字状の枠部材であり、上部が開口している。つまり、カセット基材51は、2本の第一柱状部材51aの底面を第二柱状部材51bで連結した枠部材である。そして、カセット基材51の側面51cは、正極40におけるイオン透過膜30とは反対側の面40aの外周部と接合されており、正極40の外周部からカセット基材51の内部に電解液70が漏出することを抑制できる。
そして、図3に示すように、2枚の膜電極接合体50とカセット基材51とを積層してなる燃料電池ユニット60は、大気と連通した気相5が形成されるように、廃水槽80の内部に配置される。廃水槽80の内部には電解液70が保持されており、負極20、イオン透過膜30及び正極40の触媒層4は、電解液70に浸漬されている。つまり、正極40を構成する撥水層1は酸素を含む気体と接触するように配置され、触媒層4は電解液70と接触するように配置されている。
上述のように、正極40の撥水層1は撥水性を有する。そのため、廃水槽80の内部に保持された電解液70とカセット基材51の内部とは隔てられ、2枚の膜電極接合体50とカセット基材51とにより形成された内部空間は気相5となっている。そして、図3に示すように、正極40及び負極20は、それぞれ負荷回路90と電気的に接続されている。
なお、図2及び図3において、微生物燃料電池100では、イオン透過膜30の一方の面30aに負極20が接触しており、イオン透過膜30の面30aと反対側の面30bに正極40が接触している。ただ、負極20は、イオン透過膜30の面30aに必ずしも接触している必要はない。また、正極40は、イオン透過膜30の面30bに必ずしも接触している必要はない。後述するように、負極20、イオン透過膜30及び正極40は、負極20で生成した水素イオンがイオン透過膜30を透過して正極40へ移動することができるように配置されていればよい。そのため、負極20とイオン透過膜30との間に隙間が存在していてもよく、さらに正極40とイオン透過膜30との間に隙間が存在していてもよい。
廃水槽80は内部に電解液70を保持しているが、電解液70が流通するような構成であってもよい。例えば、図2及び図3に示すように、廃水槽80には、電解液70を廃水槽80に供給するための液体供給口81と、処理後の電解液70を廃水槽80から排出するための液体排出口82とが設けられていてもよい。
なお、廃水槽80内は、例えば分子状酸素が存在しない、又は分子状酸素が存在してもその濃度が極めて小さい嫌気性条件に保たれていることが好ましい。これにより、廃水槽80内で電解液70を酸素と殆ど接触しないように保持することが可能となる。
次に、本実施形態の微生物燃料電池100の作用について説明する。微生物燃料電池100の動作時には、負極20に電解液70を供給し、正極40に空気(又は酸素)を供給する。電解液70は少なくとも有機物を含有するが、窒素含有化合物をさらに含有していてもよい。空気は、カセット基材51の上部に設けられた開口部を通じて連続的に供給される。なお、電解液70も、液体供給口81及び液体排出口82を通じて連続的に供給されることが好ましい。
そして、正極40では、撥水層1により空気が拡散し、接着層2及びガス拡散層3を空気中の酸素が透過し、触媒層4へ到達する。負極20では、微生物の触媒作用により、電解液70中の有機物及び/又は窒素含有化合物から水素イオン及び電子を生成する。生成した水素イオンは、イオン透過膜30を透過して正極40側へ移動する。また、生成した電子は負極20の導電体シートを通じて負荷回路90へ移動し、さらに負荷回路90から正極40のガス拡散層3を通じて触媒層4に移動する。そして、触媒層4に移動した水素イオン及び電子は、触媒層4における酸素還元触媒の作用により酸素と結合し、水となって消費される。このとき、負荷回路90によって、閉回路に流れる電気エネルギーを回収する。
上述のように、正極40は、生分解性を有さず、かつ、耐アルカリ性を有する接着層2により、撥水層1及びガス拡散層3が接合されている。これにより、接着層2が電解液70中に存在する微生物やアルカリ雰囲気により劣化し難くなるため、撥水層1とガス拡散層3との間の接着性を長期間に亘り維持する。そのため、撥水層1の内部へ電解液70が侵入することを防ぐことから、撥水層1からの漏水を抑制することができる。また、撥水層1の高いガス透過性及びガス拡散性を維持できることから、触媒層4に効率的に酸素を供給し、長期間に亘り高い出力を得ることが可能となる。
ここで、本実施形態に係る負極20には、例えば、電子伝達メディエーター分子が修飾されていてもよい。あるいは、廃水槽80内の電解液70は、電子伝達メディエーター分子を含んでいてもよい。これにより、嫌気性微生物から負極20への電子移動を促進し、より効率的な液体処理を実現できる。
具体的には、嫌気性微生物による代謝機構では、細胞内又は最終電子受容体との間で電子の授受が行われる。電解液70中にメディエーター分子を導入すると、メディエーター分子が代謝の最終電子受容体として作用し、かつ、受け取った電子を負極20へと受け渡す。この結果、電解液70における有機物などの酸化分解速度を高めることが可能になる。このような電子伝達メディエーター分子は、特に限定されない。電子伝達メディエーター分子としては、例えばニュートラルレッド、アントラキノン−2,6−ジスルホン酸(AQDS)、チオニン、フェリシアン化カリウム、及びメチルビオローゲンからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
なお、図2及び図3に示す燃料電池ユニット60は、2枚の膜電極接合体50とカセット基材51とを積層する構成となっている。しかし、本実施形態はこの構成に限定されない。例えば、カセット基材51の一方の側面51cのみに膜電極接合体50を接合し、他方の側面は板部材で封止してもよい。また、図2及び図3に示すカセット基材51は、上部の全体が開口しているが、内部に空気(酸素)を導入することが可能ならば部分的に開口していてもよく、また閉口していてもよい。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例]
まず、ポリオレフィン製撥水層の一方の面にアクリル樹脂を塗布して接着層を形成した後、ガス拡散層であるカーボンクロスを積層することにより、撥水層にカーボンクロスを接着した。なお、ポリオレフィン製撥水層は、デュポン株式会社製タイベック(登録商標)を使用した。アクリル樹脂は、DIC株式会社製アクリディック(登録商標)WAL578を使用した。カーボンクロスは、質量が140g/m2程度であり、平織のものを使用した。
まず、ポリオレフィン製撥水層の一方の面にアクリル樹脂を塗布して接着層を形成した後、ガス拡散層であるカーボンクロスを積層することにより、撥水層にカーボンクロスを接着した。なお、ポリオレフィン製撥水層は、デュポン株式会社製タイベック(登録商標)を使用した。アクリル樹脂は、DIC株式会社製アクリディック(登録商標)WAL578を使用した。カーボンクロスは、質量が140g/m2程度であり、平織のものを使用した。
次に、カーボンクロスにおける接着層と反対側の面に、酸素還元触媒とイオノマーとの混合物を塗布することにより、触媒層を形成した。この際、混合物は、酸素還元触媒の目付け量が2mg/cm2となるように塗布した。なお、イオノマーとしては、旭化成株式会社製アシプレックス(登録商標)を使用した。このようにして、本例のガス拡散電極を得た。
そして、得られたガス拡散電極からなる正極を用いて微生物燃料電池を作製した。具体的には、まず、上述のガス拡散電極の撥水層に空気取り入れ部を設けた正極と、ステンレス鋼のメッシュ基材からなる負極とを廃水槽内に設置した。そして、正極と負極との間に不織布を設置し、正極、負極及び不織布に接するように、電解液を廃水槽内に満たした。なお、電解液は、全有機炭素(TOC)が800mg/Lの有機性物質を含んでおり、さらに発電を行う嫌気性微生物源として土壌微生物を植種した。なお、電解液の水理学的滞留時間が24時間となるように、廃水槽への流入量を調整した。そして、正極と負極を負荷回路に接続することにより、本例の微生物燃料電池を得た。
[比較例1]
ガス拡散電極における接着層として、アクリル樹脂の代わりにウレタン樹脂を用いた以外は実施例と同様にして、本例のガス拡散電極を得た。なお、ウレタン樹脂は、DIC株式会社製アクリディック(登録商標)52−666−BAと、三井化学株式会社製タケネート(登録商標)D−160Nとを5:2の割合で混合したものを使用した。
ガス拡散電極における接着層として、アクリル樹脂の代わりにウレタン樹脂を用いた以外は実施例と同様にして、本例のガス拡散電極を得た。なお、ウレタン樹脂は、DIC株式会社製アクリディック(登録商標)52−666−BAと、三井化学株式会社製タケネート(登録商標)D−160Nとを5:2の割合で混合したものを使用した。
そして、得られたガス拡散電極からなる正極を用い、実施例と同様にして本例の微生物燃料電池を得た。
[比較例2]
ガス拡散電極における接着層として、アクリル樹脂の代わりにシリコーン樹脂を用いた以外は実施例と同様にして、本例のガス拡散電極を得た。なお、シリコーン樹脂は、信越化学工業株式会社製一液型RTVシリコーンゴムKE−3475−Tを使用した。
ガス拡散電極における接着層として、アクリル樹脂の代わりにシリコーン樹脂を用いた以外は実施例と同様にして、本例のガス拡散電極を得た。なお、シリコーン樹脂は、信越化学工業株式会社製一液型RTVシリコーンゴムKE−3475−Tを使用した。
そして、得られたガス拡散電極からなる正極を用い、実施例と同様にして本例の微生物燃料電池を得た。
[評価]
(出力特性)
実施例並びに比較例1及び2で得られた微生物燃料電池を60日間運転させ、それぞれの燃料電池の出力特性の変化を調べた。それぞれの評価結果を図5に示す。微生物燃料電池の出力は、微生物燃料電池の負荷回路の両端における電位差を測定し、次の数式4に基づき測定した。
[数4]
P=V2/R
(P:出力、V:負荷回路の両端における電位差、R:負荷回路の抵抗値)
(出力特性)
実施例並びに比較例1及び2で得られた微生物燃料電池を60日間運転させ、それぞれの燃料電池の出力特性の変化を調べた。それぞれの評価結果を図5に示す。微生物燃料電池の出力は、微生物燃料電池の負荷回路の両端における電位差を測定し、次の数式4に基づき測定した。
[数4]
P=V2/R
(P:出力、V:負荷回路の両端における電位差、R:負荷回路の抵抗値)
また、実施例並びに比較例1及び2における出力を、出力が安定した直後及び60日運転後で求めた。そして、60日運転後の出力を安定直後の出力で除して、維持率を求めた。実施例並びに比較例1及び2における安定直後の出力、60日運転後の出力、及び維持率を表1に示す。
図5に示すように、実施例及び比較例ともに、微生物燃料電池の立ち上げには1週間程度を要し、両方とも徐々に出力が向上している。しかし、その後の出力維持には差異が発生した。
つまり、比較例1の微生物燃料電池は、耐生分解性が低いウレタン樹脂からなる接着層を用いている。そのため、微生物燃料電池の運転に伴い、微生物が増殖して接着層を分解し、撥水層とガス拡散層に剥離が生じたと考えられる。剥離が生じた場合、撥水層とガス拡散層の間に電解液が入り、気相中の酸素の拡散速度が低下する。そのため、正極の特性が悪化し、微生物燃料電池の出力が低下すると考えられる。なお、この剥離は経時的に拡大するため、比較例1の微生物燃料電池は、60日運転後は安定直後よりも出力が低下し、出力維持率が悪化している。
比較例2の微生物燃料電池は、耐アルカリ性が低いシリコーン樹脂からなる接着層を用いている。ここで、正極の近傍では、酸素還元反応に伴うプロトンの消費、すなわちpHの上昇が生じる。その結果、正極の接着層がアルカリ環境に晒されるため、撥水層とガス拡散層に剥離が生じたと考えられる。そして、この剥離は経時的に拡大するため、比較例2の微生物燃料電池は、60日運転後は安定直後よりも出力が低下し、出力維持率が悪化している。
これに対し、実施例の微生物燃料電池は、耐生分解性及び耐アルカリ性が高いアクリル樹脂を用いている。そのため、比較例1及び2で生じた撥水層とガス拡散層との剥離を抑制して、高い出力を保持したと考えられる。
さらに、100日間運転した実施例及び比較例1の微生物燃料電池におけるガス拡散電極の外観を目視で観察した。その結果、実施例のガス拡散電極は、触媒層4のごく一部のみが膨れ上がり、剥離していた。これに対し、比較例1のガス拡散電極は、触媒層4の3〜4割程度が膨れ上がり、剥離していた。このように、実施例のガス拡散電極では剥離が抑制されているため、撥水層1の内部へ電解液が侵入し難くなり、燃料電池の出力が高い状態に維持されていると考えられる。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。具体的には、図面において、撥水層1、接着層2、ガス拡散層3、触媒層4を備えたガス拡散電極10、並びに負極20、イオン透過膜30及び正極40は、矩形状に形成されている。しかし、これらの形状は特に限定されず、燃料電池の大きさ、並びに所望の発電性能等により任意に変更することができる。また、各層の面積も所望の機能が発揮できるならば任意に変更することができる。
特願2016−000859号(出願日:2016年1月6日)の全内容は、ここに援用される。
本発明によれば、所定の接着層により撥水層とガス拡散層の接着性を高めるため、長期間に亘り撥水層からの漏水を抑制することができる。その結果、ガス拡散電極を用いた微生物燃料電池は、高出力を長期間維持することが可能となる。
1 撥水層
2 接着層
3 ガス拡散層
4 触媒層
10 微生物燃料電池用ガス拡散電極
20 負極
30 イオン透過膜
40 正極
100 微生物燃料電池
2 接着層
3 ガス拡散層
4 触媒層
10 微生物燃料電池用ガス拡散電極
20 負極
30 イオン透過膜
40 正極
100 微生物燃料電池
Claims (4)
- 織布又は不織布で形成され、撥水性を有する撥水層と、
前記撥水層の一方の面に積層された接着層と
前記接着層における撥水層側の面と反対側の面に積層されたガス拡散層と、
を備え、
前記接着層は、生分解性を有さず、かつ、耐アルカリ性を有する、微生物燃料電池用ガス拡散電極。 - 前記接着層は、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム及びクロロプレンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む樹脂からなる、請求項1に記載の微生物燃料電池用ガス拡散電極。
- 前記ガス拡散層における接着層側の面と反対側の面に積層された触媒層をさらに備える、請求項1又は2に記載の微生物燃料電池用ガス拡散電極。
- 微生物を担持する負極と、
水素イオンを透過するイオン透過膜と、
前記イオン透過膜を介して前記負極と隔てられた、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の微生物燃料電池用ガス拡散電極からなる正極と、
を備える、微生物燃料電池。
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