JPH11167925A - 燃料電池用電極及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極及びその製造方法

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JPH11167925A
JPH11167925A JP9365849A JP36584997A JPH11167925A JP H11167925 A JPH11167925 A JP H11167925A JP 9365849 A JP9365849 A JP 9365849A JP 36584997 A JP36584997 A JP 36584997A JP H11167925 A JPH11167925 A JP H11167925A
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fuel cell
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electrolyte
water
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Yoji Yamada
洋司 山田
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒粒子、電解質及び撥水化剤の混合懸濁液か
ら溶媒を除去するに際して均一な混合物を得るようにす
ることにより、電極特性を格段に向上させ、またこの電
極を使用した燃料電池の特性、性能を大幅に改善する。 【解決手段】触媒粒子、電解質及び撥水化剤を含む混合
懸濁液からの溶媒の蒸発除去により得られた触媒層から
なる燃料電池用電極であって、該触媒粒子、電解質及び
撥水化剤を含む混合懸濁液の溶媒を蒸発速度が約8cm
3/minとなるような温度及び圧力下で蒸発除去してな
ることを特徴とする燃料電池用電極及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池用電極及び
その製造方法に関し、より具体的には触媒粒子、電解質
及び撥水化剤を含む燃料電池用電極及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池、例えば固体高分子型燃料電池
は、イオン伝導体すなわち電解質が固体で且つ高分子で
ある点に特徴を有するものであるが、その固体高分子電
解質としては、具体的にはイオン交換樹脂膜等が使用さ
れ、この電解質を挟んで負極及び正極の両電極を配置
し、例えば、負極側に燃料としての水素を、また正極側
には酸素又は空気を供給することにより電気化学反応を
起こさせ、電気を発生させるものである。
【0003】その固体高分子電解質に接する負極及び正
極の両電極としては、その中に反応を促進させるための
触媒が添加、使用される形式のものがあるが、この形式
の電極の製造法としては、例えば米国特許第32974
84号には、白金ブラック、パラジウムブラック等の触
媒粒子或いはこれらをカーボン粒子に担持させた粒子を
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と混合して電
極シートとし、これをイオン交換樹脂膜に熱圧着する方
法が紹介され、また特公昭58ー47471号では、イ
オン交換樹脂膜の内表面に触媒金属層を析出させた後、
さらにその表面に触媒金属層を成長させる方法が紹介さ
れている。
【0004】また、「電気化学」、53、No.10
(1985)、第812〜817頁には、固体高分子電
解質としてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜の一
種であるNAFIONー117膜(Du Pont社
製、商品名)を用いた燃料電池において、この材質に対
応する材料を用いて、電子ーイオン混合伝導体を接合す
ることにより、反応サイト(反応域)を三次元化し、作
用面積を上げる試み等が紹介されている。これによれ
ば、固体高分子電解質としてのNAFIONー117膜
の片面に対して無電解メッキ法(浸透法)により白金電
極を接合して水素極すなわちアノードとする一方、この
電極の対極を構成する酸素極すなわちカソード側電極
を、概略、以下の工程により製作している。
【0005】まず、酸素極用の電極触媒粉末として、白
金ブラック粉末又は10%の白金を担持したカーボン粉
末を用い、これにアンバーライトIRー120B(Tー
3)〔スチレンージビニルベンゼンスルホン酸樹脂、N
a型、粒経30μmの粉末、Organo社製、商品
名〕又はNAFIONー117(パーフルオロカーボン
スルホン酸樹脂、H型、脂肪族アルコールと水との混合
溶媒中5%溶液、Aldrich Chemical社
製、商品名)を種々の混合比で混合する。
【0006】次いで、上記で得た各混合物に対し、PT
FEを、白金ブラック粉末の場合は固形分重量割合で3
0%、白金担持カーボン粉末の場合には同じく60%、
水懸濁液状で加えて混練した後、圧延してシート状と
し、真空乾燥後、このシートを固体高分子電解質として
のNAFION膜に対して、温度100℃、圧力210
kg/cm2 でホットプレスするというものである。そ
こでは、固体高分子電解質としてのNAFION膜に接
合される酸素極にイオン交換樹脂膜を混入することによ
り、反応サイトの三次元化を図り、分極特性を著しく向
上させることができ、このイオン交換樹脂膜の混入によ
る効果は、特に白金を担持したカーボンを電極触媒とし
た場合に大きい旨指摘されている。
【0007】このほか、特開平4ー162365号公報
には、白金触媒担持のカーボンブラックと触媒無担持の
カーボンブラックとを、それぞれ固体高分子電解質の一
種であるNAFIONのブタノール溶液で浸漬処理し、
次いで両粒子の混合物をPTFEのディスパージョンで
処理すること等を特徴とする方法が紹介されており、こ
の方法では、使用触媒の量を少なくし、低コストで高性
能の電極が得られ、小型高出力密度の燃料電池の作製が
可能となるとしている。
【0008】ところで、そのような燃料電池用電極は触
媒粒子、高分子電解質及び撥水化剤を含むが、その製造
過程では、(1)まず触媒粒子と高分子電解質溶液とを
混合し、この懸濁液から溶媒を抜いて除去し、(2)次
いで該混合物にポリテトラフルオロエチレン系ポリマー
のディスパージョンを混合した後、さらに溶媒を除去す
る工程が必要である。
【0009】上記二度にわたる溶媒の除去操作として
は、自然蒸発に任せる場合もあるが、その懸濁液を加熱
して溶媒を蒸発させ、またそれらの促進を図るため、そ
の操作を真空ないしは減圧状態として実施し、しかもこ
の加熱、減圧操作は、その目的上、これまで沸騰状態で
実施されているのが通常である。しかし、特開平7ー1
30376号によれば、溶媒除去操作におけるその沸騰
状態そのものがその組成中の各成分の分布にバラツキ等
を生じて電極そのものの特性を左右し、延いては電池の
出力、持続性その他その性能に微妙に影響することが指
摘されている。
【0010】このため特開平7ー130376号では、
上記問題点を予め触媒粒子と溶液中に溶解した高分子電
解質とを混合した懸濁液を攪拌しながら加熱し、沸騰状
態となる直前まで減圧して溶媒を蒸発、除去することで
解決している。この場合、その溶媒除去操作自体として
は多少時間を要し、また細心の注意を要するが、その操
作を沸騰状態を回避するよう行うことにより、触媒粒子
と高分子電解質とが均一に混合した状態を保持したまま
で溶媒を蒸発させることができ、これを用いた電池の性
能を著しく向上させることができる。
【0011】上記のような触媒粒子、高分子電解質及び
撥水化剤を含む燃料電池用電極の製造においては、それ
ら三つの成分を含む懸濁液から溶媒を蒸発、除去する工
程が必要であるが、その条件については上記特開平7ー
130376号の場合を除き究明されていないのが実状
である。
【0012】そこで本発明者等は、そのような観点から
その条件について実験、検討を加えているうち、触媒粒
子、高分子電解質及び撥水化剤を含む燃料電池の製造方
法において、それら三成分を含む混合懸濁液から溶媒を
除去するに際して、この溶媒除去操作の条件そのものに
電極特性の良否を大幅に左右し、延いて電池性能を左右
する要件があることを見い出し、本発明に到達するに至
ったものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
触媒粒子、高分子電解質及び撥水化剤を含む燃料電池の
製造工程において、その製造工程の一環として行う、溶
媒中で触媒粒子、高分子電解質及び撥水化剤を混合した
懸濁液から、その溶媒を除去する操作において、その溶
媒の蒸発除去操作を特定の温度及び圧力範囲で行うこと
により、これを経て得られる電極の特性を向上させ、こ
の電極を用いた電池の性能を改善させることを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、触媒粒子、電
解質及び撥水化剤を含む混合懸濁液からの溶媒の蒸発除
去により得られた触媒層からなる燃料電池用電極であっ
て、該触媒粒子、電解質及び撥水化剤を含む混合懸濁液
の溶媒を蒸発速度が約8cm3/minとなるような温度
及び圧力下で蒸発除去してなることを特徴とする燃料電
池用電極を提供する。
【0015】また本発明は、触媒粒子、電解質及び撥水
化剤を含む触媒層からなる燃料電池用電極の製造方法に
おいて、触媒粒子、電解質及び撥水化剤を含む混合懸濁
液から溶媒を蒸発除去するに際し、その温度と圧力を溶
媒の蒸発速度が約8cm3/minとなるような温度及び
圧力下で蒸発除去することを特徴とする燃料電池用電極
の製造方法を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】燃料電池にはりん酸型、アルカリ
型、固体高分子型等各種あるが、本発明の電極はそれら
の何れの燃料電池用の電極としても適用される。また、
本発明の電極は触媒粒子、電解質及び撥水化剤により構
成されるが、この触媒粒子としては、燃料電池の電極用
として有効な活性を有する金属を含む粒子が用いられ、
この態様としては好ましくは担体粒子に活性金属を担持
して構成される。上記活性金属を担持する担体粒子とし
ては特に限定はないが、好ましくはカーボンブラック等
のカーボン粒子が用いられる。
【0017】上記活性金属としては好ましくは白金、白
金を含む合金又はパラジウムが用いられ、これら活性金
属は担体粒子に一種又は二種以上が担持される。また、
その電解質としては、各種のイオン交換樹脂等が使用で
きる。この場合、本発明の電極を特に固体高分子型燃料
電池用として構成し、その電解質膜としてNAFION
膜等のパーフルオロカーボンスルホン酸系の樹脂膜を用
いる場合には、同系統のパーフルオロカーボンスルホン
酸系の樹脂を用いるのが好ましい。
【0018】本発明における電極は触媒粒子、電解質及
び撥水化剤を混合して構成される。この撥水化剤の種類
としては特に限定はないが、好ましくはポリテトラフル
オロエチレン系のポリマーが用いられる。ここでポリテ
トラフルオロエチレン系ポリマーとは、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)のほか、テトラフルオロエチ
レンーヘキサフルオロプロピレン共重合体等の共重合
体、その他その誘導体をも含めた意味である。
【0019】本発明における触媒粒子、電解質及び撥水
化剤の三成分は、溶媒中に溶解又は懸濁させて緊密に混
合して溶液又は懸濁液とされる。この場合、それらの成
分の溶媒中への添加の順序には特に限定はなく、三成分
を同時に、或いは触媒粒子、電解質及び撥水化剤を順次
に、等適宜の順序で行うことができる。溶媒としては
水、アルコール類、或いは水とアルコール類との混合物
が用いられる。このうちアルコール類としては好ましく
は特にエタノールが用いられる。なお、上記溶液又は懸
濁液には、必要に応じて添加される界面活性剤等の微量
成分が含まれていても差し支えない。
【0020】次いで、上記混合溶液又は懸濁液から溶媒
を除去するが、本発明においてはこの溶媒除去操作を溶
媒の蒸発速度が約8cm3/min(7〜10cm3/mi
n、好ましくは7.5〜9cm3/min、さらに好まし
くは7.8〜8.4cm3/min)となるような温度及
び圧力の条件下に行うものである。なお、その蒸発速度
が7〜10cm3/minの場合、以下に記載する図1中
A線で云えば、その中心から温度±1℃以内、圧力±1
0mmHg以内の範囲にある温度及び圧力に相当する。
【0021】他の溶媒の場合も同様であるが、溶媒がエ
タノールである場合を図1に示す。図1中、横軸は温
度、縦軸は圧力であり、目安としてエタノールの蒸気圧
曲線を示している。図中A線又はその近傍の温度及び圧
力の条件下で溶媒除去を実施すると、約8cm3/min
の蒸発速度で溶媒を除去でき、しかも触媒特性上優れた
触媒が得られる。またこれらの条件で操作を完了した
後、混合物の状態を目視により観察したところ、触媒粒
子、電解質及び撥水化剤の三成分が均一に混合されてい
た。
【0022】図1中のB線は、本発明における溶媒除去
速度よりも速い約17cm3/minの溶媒除去速度で溶
媒除去を行った場合を示している。これらの条件では本
発明の場合と比較して半分程度の時間で溶媒除去が終了
するが、得られた触媒は、触媒粒子、電解質及び撥水化
剤の三成分が均一に混合されておらず、混合状態が不均
一であり、この工程を経て得られた電極を用いた燃料電
池としての性能上も十分な効果が得られなかった。さら
に図1中C線は、本発明における溶媒蒸発速度よりも遅
い約1cm3/minの溶媒除去速度で溶媒除去を行った
場合を示している。これらの条件下では、溶媒除去が終
了するまでに本発明の7〜10倍の時間を要し、実用上
問題がある。
【0023】本発明により得られる触媒粒子、電解質及
び撥水化剤を含む混合物は触媒層としてシート化され
る。そのシート化としては例えば以下〜のような態
様で行うことができる。触媒粒子、電解質及び撥水化
剤を含む混合物を混練物とし、これを圧延等によりシー
ト化する、その混合物をアルコール等の溶媒を用いて
溶液とし、これを多孔性の基材面上に膜状に塗工する、
、の態様と類似するが、各触媒粒子を含む懸濁液又
は粘性懸濁液をスクリーン印刷等の印刷法により担持さ
せる、その混合物をアルコール等の溶媒を用いて溶液
とし、これを多孔性の基材面上に濾過法により堆積、担
持させる、等の各種態様により実施することができる。
【0024】このうち〜の態様を採る場合、その多
孔性の基材は電極中ガス拡散層となるもので、この材料
としては各種材質からなる多孔性のペーパー又はシート
(本明細書中、両者を含めて適宜「シート」と指称して
いる)、或いはこれらを適宜撥水化して使用することが
できるが、好ましくはカーボンペーパーや撥水化カーボ
ンペーパーを用いることができ、このうち特にその優れ
た特性から撥水化カーボンペーパーを用いるのが有利で
ある。
【0025】上記撥水化カーボンペーパーは、所定の気
孔率及び厚さを有するカーボンペーパーを用い、これに
対してポリテトラフルオロエチレン系ポリマーのディス
パージョンを含浸させた後、熱処理をして撥水化したも
のである。ここでポリテトラフルオロエチレン系ポリマ
ーとはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のほ
か、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体等の共重合体その他その誘導体等をも含む意
味である。
【0026】高分子電解質膜としては、当初のフェノ
ールスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合合成膜から
逐次改善、改良され、以降これまで部分的にスルホン
化したポリスチレン膜、スチレンージビニルベンゼン
をフルオロカーボンのマトリックスにクロスリンクさせ
た後、スルホン化した膜、、の膜をαCーH結合を
含まない膜、トリフルオロスチレンスルホン酸の重合
膜、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエ
チレンをグラフト化した膜、パーフルオロカーボンス
ルホン酸膜等が提案されているが、本発明の電極を用い
る燃料電池が固体高分子型燃料電池である場合、これら
〜とは限らず、燃料電池用の電解質膜として適用で
きるものであれば何れも使用される。
【0027】このうちパーフルオロカーボンスルホン
酸膜(商品名、NAFION)は、その優れた電気的特
性に加え〔イオン伝導率5×10-2S・cm-1(湿潤状
態、25℃)〕、化学的にも物理的にもきわめて安定で
あり、機械的強度も大きい。この膜は厚さ50〜200
μm程度の膜として使用され、単位面積当りの電気抵抗
は0.1〜0.5Ωと電池の内部抵抗の主な原因とはな
り得ないほど小さく、本発明においても好ましく使用さ
れる。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるもので
はないことは勿論である。本実施例では、まず電極の製
造例を記載し、次いでこの電極を用いて電池を作製し、
性能試験を実施した経過を記載している。
【0029】《製造例》 (1)まず、カーボンブラック粒子に対して50重量%
の白金を担持した触媒粒子とNAFIONー117(パ
ーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、固体高分子電解
質、Du Pont社製、商品名)とポリフロン(登録
商標、ダイキン工業社製、ポリテトラフルオロエチレ
ン)ディスパージョンと混合し、超音波を用いて液中に
均一に分散させ、これらの成分が均一に分散した懸濁液
を得た。ここで溶媒としては水とアルコールの混合溶媒
約500cm3を用いた。
【0030】(2)次いで、この懸濁液から溶媒を除去
する操作を行ったが、これが本発明における特徴部分に
相当している。この操作は、その混合懸濁液収容容器
(フラスコ)を回転させながら、下部から湯浴により温
度56℃に加熱する一方、真空ポンプにより吸引して容
器内圧力を200mmHgに下げることにより、溶媒を
蒸発させた。この蒸発は1時間で完了した。
【0031】(3)一方、気孔率80%、厚さ0.4m
mのカーボンペーパーにネオフロン(登録商標、ダイキ
ン工業社製、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロ
プロピレン共重合体)のディスパージョンを含浸させた
後、熱処理を行い、ネオフロンで撥水化したカーボンペ
ーパーを得た。この場合、その量的割合は、ネオフロン
がその全体量中20重量%占めるよう調製した。
【0032】(4)次に、前記(1)〜(2)の工程で
得られた触媒を水に分散させ、上記(3)で得た撥水化
カーボンペーパーの上面に注ぎながら、下方から吸引、
減圧し、いわゆるヌッツェすなわちブフナー漏斗形式に
より、この撥水化カーボンペーパーの面上にその懸濁液
中のコーティング触媒粒子を均一に堆積させた。こうし
て得られた電極シートを実施例電極とした。
【0033】《比較例》一方、上記実施例における、以
上(1)〜(4)の工程のうち、(2)の工程として、
その混合懸濁液を収容容器(フラスコ)を回転させなが
ら、下部から湯浴により温度56℃に加熱する一方、真
空ポンプにより吸引して容器内圧力を160mmHgに
下げることにより溶媒を蒸発させた点以外は、すべて実
施例と同一にして電極シートを作製し、これを比較例電
極シートとした。
【0034】《性能試験》以上得た各々電極面積10c
2 の実施例電極シート及び比較例電極シートを用い、
それぞれ、電極シートの2枚間にNAFION膜(固体
高分子電解質膜、Du Pont社製、商品名)を挟
み、温度150℃、圧力100kg/cm2で10秒間
ホットプレスして一体化し、それぞれ実施例固体高分子
型燃料電池及び比較例用固体高分子型燃料電池としてセ
ットした。
【0035】以上のとおり製作した各供試電池を用い、
燃料として水素を使用し、これをアノード側に供給する
一方、カソード側には空気を供給した。この両ガスの供
給圧力はともに2atmとし、水素は95℃で、空気に
ついては50℃で加湿し、また電池の温度を80℃に保
って操作し、測定した。図2は以上の各供試電池につい
て測定した電流密度とセル電圧との関係を示すものであ
る。
【0036】電流密度とセル電圧とは相関関係にあり、
電流密度を増加させるに伴いセル電圧は徐々に低下す
る。図2のとおり実施例の燃料電池では、セル電圧は、
電流密度の増加に伴い徐々に低下するが、比較例ではこ
れを下回り、低下していることが分かる。この結果はテ
スト用の小規模の供試電池によるものであるが、実用上
の燃料電池ではさらに規模が大きく、長期間使用される
こと等を考慮すると、本発明によるその電池効率の向上
効果は明らかである。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、触媒粒子、電解質及び
撥水化剤の混合懸濁液から溶媒を蒸発除去するに際し、
その温度と圧力を溶媒の蒸発速度が約8cm3/minと
なるような温度及び圧力下という特定の条件で蒸発除去
することにより、これを経て得られる電極の特性を格段
に向上させ、またこの電極を使用した燃料電池の性能を
大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒粒子、電解質及び撥水化剤の混合懸濁液か
らの溶媒除去条件としての温度及び圧力条件を示す図。
【図2】実施例及び比較例で製作した電極シートをセッ
トした固体高分子型燃料電池について測定した電流密度
とセル電圧との関係を示す図。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒粒子、電解質及び撥水化剤を含む混合
    懸濁液からの溶媒の蒸発除去により得られた触媒層から
    なる燃料電池用電極であって、該触媒粒子、電解質及び
    撥水化剤を含む混合懸濁液の溶媒を蒸発速度が約8cm
    3/minとなるような温度及び圧力下で蒸発除去してな
    ることを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 【請求項2】上記触媒粒子が担体粒子に活性金属を担持
    してなる触媒粒子である請求項1記載の燃料電池用電
    極。
  3. 【請求項3】上記担体粒子がカーボン粒子であり、上記
    担体粒子に担持される活性金属が白金、白金を含む合金
    及びパラジウムから選ばれた一種又は二種以上の活性金
    属である請求項2記載の燃料電池用電極。
  4. 【請求項4】上記電解質がパーフルオロカーボンスルホ
    ン酸系の樹脂であり、上記撥水化剤がポリテトラフルオ
    ロエチレン系のポリマーである請求項1記載の燃料電池
    用電極。
  5. 【請求項5】上記混合懸濁液の溶媒が水、アルコール類
    又は水とアルコール類との混合溶媒である請求項1記載
    の燃料電池用電極。
  6. 【請求項6】上記アルコール類がエタノールであり、温
    度と圧力を添付図1中A線又はその近傍の温度及び圧力
    下で蒸発除去してなることを特徴とする請求項5記載の
    燃料電池用電極。
  7. 【請求項7】上記触媒層が拡散層としての多孔性のシー
    ト上に形成された触媒層である請求項1記載の燃料電池
    用電極。
  8. 【請求項8】上記多孔性のシートがカーボンペーパー又
    は撥水化カーボンペーパーである請求項7記載の燃料電
    池用電極。
  9. 【請求項9】上記撥水化カーボンペーパーの撥水化剤が
    ポリテトラフルオロエチレン系のポリマーである請求項
    8記載の燃料電池用電極。
  10. 【請求項10】上記燃料電池用電極が固体高分子型燃料
    電池用の電極である請求項1乃至請求項9の何れかに記
    載の燃料電池用電極。
  11. 【請求項11】触媒粒子、電解質及び撥水化剤を含む触
    媒層からなる燃料電池用電極の製造方法において、触媒
    粒子、電解質及び撥水化剤を含む混合懸濁液から溶媒を
    蒸発除去するに際し、その温度と圧力を溶媒蒸発速度が
    約8cm3/minとなるような温度及び圧力下で蒸発除
    去することを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  12. 【請求項12】上記触媒粒子が担体粒子に活性金属を担
    持してなる触媒粒子である請求項11記載の燃料電池用
    電極の製造方法。
  13. 【請求項13】上記担体粒子がカーボン粒子であり、上
    記担体粒子に担持される活性金属が白金、白金を含む合
    金及びパラジウムから選ばれた一種又は二種以上の活性
    金属である請求項12記載の燃料電池用電極の製造方
    法。
  14. 【請求項14】上記電解質がパーフルオロカーボンスル
    ホン酸系の樹脂であり、上記撥水化剤がポリテトラフル
    オロエチレン系のポリマーである請求項11記載の燃料
    電池用電極の製造方法。
  15. 【請求項15】上記混合懸濁液の溶媒が水、アルコール
    類又は水とアルコール類との混合溶媒である請求項11
    記載の燃料電池用電極の製造方法。
  16. 【請求項16】上記アルコール類がエタノールである請
    求項15記載の燃料電池用電極の製造方法。
  17. 【請求項17】上記アルコール類がエタノールである場
    合において、その温度と圧力を添付図1中A線又はその
    近傍の温度及び圧力下で蒸発除去することを特徴とする
    請求項16記載の燃料電池用電極の製造方法。
  18. 【請求項18】上記触媒層が拡散層としての多孔性のシ
    ート上に形成された触媒層である請求項11記載の燃料
    電池用電極の製造方法。
  19. 【請求項19】上記多孔性のシートがカーボンペーパー
    又は撥水化カーボンペーパーである請求項18記載の燃
    料電池用電極の製造方法。
  20. 【請求項20】上記撥水化カーボンペーパーの撥水化剤
    がポリテトラフルオロエチレン系のポリマーである請求
    項19記載の燃料電池用電極の製造方法。
  21. 【請求項21】上記燃料電池用電極が、固体高分子型燃
    料電池用の電極である請求項11乃至請求項20の何れ
    かに記載の燃料電池用電極の製造方法。
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