JP2741574B2 - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

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JP2741574B2
JP2741574B2 JP6222332A JP22233294A JP2741574B2 JP 2741574 B2 JP2741574 B2 JP 2741574B2 JP 6222332 A JP6222332 A JP 6222332A JP 22233294 A JP22233294 A JP 22233294A JP 2741574 B2 JP2741574 B2 JP 2741574B2
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polymer electrolyte
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池に係り、特に
固体高分子電解質型水素ー酸素燃料電池一般に応用可能
な固体高分子電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の固体高分子電解質型燃料電池にお
いては、一般に2つの集電体と、固体高分子電解質膜
(以下、電解質膜と称す)と、固体高分子電解質膜を介
して互いに対向して設けられガス拡散層を有する水素極
及び酸素極と、水素含有ガス又は酸素含有ガスを水素極
又は酸素極に供給する手段とを備えた構成である。2つ
の電極は、触媒と、この触媒を坦持する坦体と、電解質
膜と同様な固体高分子のイオン(プロトン)伝導体と、
これらを固める結着剤とよりなる。2つの電極は水素極
と酸素極とであり、それぞれの電極における電気化学反
応は次のようになる。
【0003】水素極では、水素分子がイオン化されてプ
ロトンになり電子を放出する。この電気化学反応は(化
1)式で表わせる。
【0004】
【化1】
【0005】プロトンは電極内のイオン伝導体を伝導し
て電解質膜に到達し、さらに電解質膜内を通過して反対
側の酸素極に移動する。一方、放出された電子は外部回
路を通って酸素極へ移動する。酸素極では(化2)式に
従ってプロトンが水素極から放出された電子と結合して
水が生成される。
【0006】
【化2】
【0007】以上の燃料電池の反応プロセスは主に次の
4つの段階よりなる。 (A)水素及び酸素の触媒表面への拡散、 (B)水素極及び酸素極内の触媒表面での反応、 (C)プロトンの両極内部及び電解質膜内部における伝
導、 (D)生成水の放出、 それぞれの段階における燃料ガスの拡散の程度及び反応
速度の程度が電池出力特性に大きく影響する。
【0008】前記(A)の段階は、燃料の触媒表面への
供給及び拡散を効率的に行うため、特開昭60−354
72号公報の第1図に示された波型集電体、又は特開平
3−102774号公報及び特開平2−86071号公
報等に開示された矩形溝を有する炭素板を使用すること
が提案されている。これらの波型集電体や矩形溝を有す
る炭素板の、溝を有する側を電極に接触させると接触面
に空間が生じ、この空間を通して燃料が電極表面に拡散
する。固体高分子電解質型燃料電池では通常、前記のよ
うな構造が採用されており、ある程度の出力が発現され
ている。
【0009】電解質膜を通過してきたプロトンは、電解
質膜と酸素極との界面で(化2)式の電気化学反応が進
むため酸素極界面で水が生成され、特に高電流密度では
水膜が形成され、いわゆるフラッディング現象を生じ
る。この水膜のため電極内の酸素ガスの拡散が困難とな
り、出力密度が減少し電池性能が不安定化する。このフ
ラッディング現象は特に酸素極と電解質膜との界面で生
じやすい。そこでこの生成水を系外に除去する必要があ
る。
【0010】そのため米国特許第4,643,957号
において電極の撥水性を制御してフラッディング現象を
解消すること、さらに、特開平4−169069号公報
に開示されているように、予め電解質膜に凹凸を形成さ
せ、ガス拡散電極と接合することにより電池反応率を向
上させることが提案されている。
【0011】以上のように、水素極には電解質膜の乾燥
防止及びプロトンの移動を促進するため水分を添加して
いるが、触媒層の撥水性が不十分な場合は、その水分に
より触媒の細孔が覆われガスの拡散が阻害され、また、
触媒層と電解質膜界面との接触が不十分な場合は、プロ
トンの移動が損なわれる。酸素極では水素極からのプロ
トンと同伴する水と電極反応で生成する水分との系外へ
の排出を促進させ、同時に電極反応に必要な酸素ガスの
拡散性を向上し、さらに、電解質膜界面からのプロトン
の移動を促進させる必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の固体高分子電解
質型燃料電池にあっては、電解質膜を通過してきたプロ
トンは、電解質膜と酸素極との界面で(化2)式の電気
化学反応が進むため酸素極界面で水が生成され、この水
膜のため電極内の酸素ガスの拡散が困難となり、出力密
度が減少し電池性能が不安定化する問題点があった。
【0013】本発明の目的は、水素極及び酸素極の電極
反応を高い効率で行うため、水素極ではプロトンの移動
を促進させ、酸素極では水のフラッデイング現象を防止
し、電極触媒層とガスとの接触効率を向上するととも
に、電極と電解質膜の界面で生じる酸化還元反応を加速
する電極構造を有する固体高分子電解質型燃料電池を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る固体高分子電解質型燃料電池は、固体
高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜を介して互いに
対向して設けられガス拡散層を有する水素極及び酸素極
と、水素含有ガス又は酸素含有ガスを水素極又は酸素極
に供給する手段とを備えた固体高分子電解質型燃料電池
において、水素極及び酸素極の少なくともいずれか一方
のガス拡散層の固体高分子電解質膜側に触媒層を設ける
とともに、固体高分子電解質膜の少なくともいずれか一
方の面に少なくとも炭素坦体、炭素坦体に坦持された活
性成分、プロトン伝導体及び撥水性結着剤よりなる層を
化学めっき法で形成した共析層を設け、固体高分子電解
質膜は、ガス拡散層と接合されて電極ー電解質膜接合体
に形成されている構成とする。
【0015】また共析層に坦持された活性成分は、触媒
層に坦持された活性成分より高い濃度を有している構成
でもよい。
【0016】さらに共析層の活性成分は、酸素極側の共
析量より水素極側の共析量を少なくして形成されている
構成でもよい。
【0017】そして固体高分子電解質膜は、パーフルオ
ロスルホン酸樹脂又はパーフルオロカルボン酸樹脂で形
成されている構成でもよい。
【0018】また活性成分は、白金族金属よりなる構成
でもよい。
【0019】さらに電極ー電解質膜接合体の製造方法に
おいては、固体高分子電解質膜を、密閉容器に設置して
固体高分子電解質膜の上部に白金化合物を添加するとと
もに、炭素坦体、プロトン伝導体及び撥水性結着剤を所
定量添加して撹拌し、固体高分子電解質膜の下部に還元
剤を添加し、密閉容器を所定温度に加熱し白金化合物を
所定時間で還元させる化学めっき法で固体高分子電解質
膜に共析層を形成し、炭素粉末又は白金を坦持した炭素
粉末電極触媒を、プロトン伝導体及び撥水性結着剤とと
もに混練しペーストに形成してガス拡散層に塗布し、所
定温度で乾燥して水素極及び酸素極を形成し、ホットプ
レスにより固体高分子電解質膜をガス拡散層に接合する
構成とする。
【0020】そして電動体においては、前記いずれか一
つの固体高分子電解質型燃料電池を、移動用電源に備え
た構成とする。
【0021】
【作用】本発明によれば、電解質膜の両側に化学めっき
法で活性成分を共析により坦持させ、それを水素極及び
酸素極で挟んで電極ー電解質膜接合体に一体化すること
により、両極と電解質膜との密着性が向上し、電解質膜
界面又はその近傍に活性成分を配することにより、内部
抵抗が低減しプロトンの移動が容易になる。さらに電極
反応に必要な量の活性成分を電解質膜表面に配置するた
め、活性成分の低減が図られる。さらに両極の触媒層は
ガスの拡散に利用するのみでよいため薄膜化される。し
たがって、水素極では電解質膜に十分な水分の補給がさ
れるようになり、プロトンの移動抵抗も低減される。ま
た、酸素極でも、電解質膜界面と触媒層とがより密着し
て配してあるので電解質膜からのプロトンの移動が容易
になり、電極反応が促進される。また、電極の触媒層が
薄膜化がされるため、電解質膜より供給される水や生成
水によるフラッディング現象が防止される。その結果、
有効反応面積の拡大と安定維持が可能となり、高出力密
度かつ安定な性能の電池が実現できる。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例を図1及び図2を参照しな
がら説明する。図1及び図2に示すように、固体高分子
電解質膜1と、固体高分子電解質膜1を介して互いに対
向して設けられガス拡散層8,10を有する水素極3及
び酸素極4と、水素含有ガス又は酸素含有ガスを水素極
3又は酸素極4に供給する手段(集電体)5とを備えた
固体高分子電解質型燃料電池であって、水素極3及び酸
素極4の少なくともいずれか一方のガス拡散層8,10
の固体高分子電解質膜1側に触媒層7,9を設けるとと
もに、固体高分子電解質膜の少なくともいずれか一方の
面に少なくとも活性成分を共析した共析層2を設け、固
体高分子電解質膜1の両面は、ガス拡散層8,10と接
合されて電極ー電解質膜接合体に形成されている構成と
する。
【0023】集電体5にはいくつかのガス供給溝が設け
られている。2つの集電体5を向い合わせ、その間に電
解質膜1と水素極3及び酸素極4とをはさみ、ガスシー
ル体6によりガスの漏れを防ぐようになっている。
【0024】図2は図1に示す電解質膜と両極との拡大
図であり、本実施例の固体高分子電解質膜1と、その共
析層2と、水素極3と、酸素極4との各配置関係を示
す。固体高分子電解質膜1は両側の共析層2を備え、水
素極3は、水素極触媒層(触媒層)7と電子伝導体とし
て作用するガス拡散層8とよりなり、酸素極4は酸素極
触媒層(触媒層)9と電子伝導体として作用するガス拡
散層10とよりなる。電解質膜共析層(共析層)2と、
水素極触媒層7と、ガス拡散層8と、酸素極触媒層9
と、ガス拡散層10とを前記のように配置してホットプ
レスにより加圧一体化する。各触媒層は活性成分、炭
素、プロトン伝導体及び撥水性結着剤等を混合し成型し
て得られる。また、前記の構造は、共析により活性成分
が十分に電解質膜に担持してあれば各触媒層を省いても
よい。さらに、共析層がどちらか一方に設けてあれば電
解質膜界面と電極の密着性は向上する。重要なことは、
電解質膜に共析層を設けたことである。
【0025】以上のように、電解質膜に共析層を設ける
ともに、共析層と電極の触媒層とが同様な成分よりなる
ことから、両者をホットプレス等で電極ー電解質膜接合
体(以下、一体化電極という。)にすることができ、電
極と電解質膜界面の密着性が向上し、水素極及び酸素極
のプロトンの移動が容易になる。また、電解質膜表面に
活性成分を還元剤等で炭素坦体、活性成分及びPTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)を、(実施例1)に後
記した化学めっき法で共析により分散させることによ
り、電極反応に必要な触媒層を配することが可能であ
り、触媒層の薄膜化が図られる。したがって、水素極で
は電極反応をより促進させるとともに、酸素極の方では
水分の移動が容易になることから、水分の系外排出が簡
単となり、両極と電解質膜界面を改善することにより、
電池性能を向上させ、かつ安定化させることが可能とな
る。さらに、共析層の活性成分濃度を各触媒層よりも高
くすることにより、水素極では電解質膜界面での電極反
応が容易になるとともに、酸素極ではプロトンの移動抵
抗が低減できるため電池性能が向上する。また、電解質
膜界面に共析により電極反応に必要な触媒層を担持でき
るため、電極の触媒層を省くことが可能であることから
一体化電極を薄膜化ができる。一方、水素のガス拡散は
速いので水素極は酸素極よりも電極反応効率が高い。し
たがって、水素極の活性成分量を少なくすることがで
き、活性成分の低減が図られる。
【0026】なお、本実施例の化学めっき法では、共析
層が形成されて電解質膜表面に撥水性成分であるPTF
Eを配することが可能になるため、電池反応によって生
じた水が電解質膜表面より抜けやすくなり、フラッディ
ング現象が防止されるとともに、使用した触媒活性成分
のほとんどを効率よく電池反応に寄与させることがで
き、触媒活性成分の使用効率がよくなって白金等の貴金
属の使用量を減じることが可能となる。しかしながら、
触媒活性成分のみからなる触媒層を設けても、その触媒
活性成分が水に濡れると性能が低下するので、触媒活性
成分のすべてが電池反応に寄与する訳ではなく、電池反
応に寄与しない触媒活性成分がでてきて効率が低下する
ものである。
【0027】電解質膜共析層と水素極触媒層及び酸素極
触媒層とは、炭素坦体とそれに坦持された活性成分(触
媒)、プロトン伝導体及び撥水性結着剤とよりなる。活
性成分は、白金又は白金族金属、例えば、ロジウム、ル
テニウム、パラジウム又はイリジウムが好ましく、プロ
トン伝導体の材質は電解質膜と同じであっても、異なっ
てもよい。また、撥水性結着剤はPTFE等のフッ素樹
脂が有効である。
【0028】本発明で使用する電解質膜は一般的に膜の
形態であり、その材質は一般的に使用される、パ−フル
オロスルホン酸樹脂又はパ−フルオロカルボン酸樹脂の
ような固体高分子電解質樹脂類が好ましい。
【0029】電極の撥水性の制御するためには、触媒層
に添加する撥水性結着剤の量を変化させる。撥水性結着
剤は、PTFE等のフッ素樹脂が好ましいが、電気的に
抵抗体であることから、多量に含めることができない。
例えば、撥水性結着剤がPTFEの場合、その量は水素
極触媒層及び酸素極触媒層のそれぞれの全量に対して、
酸素極については10〜40重量%、好ましくは10〜
30重量%であり、水素極については20〜50重量
%、好ましくは20〜40重量%である。
【0030】水素極触媒層及び酸素極触媒層に添加して
有効反応表面積の拡大を図るためのイオン伝導体(プロ
トン伝導体)は、酸化及び還元雰囲気に触れるという厳
しい使用条件のため、化学的安定性の高いパーフルオロ
スルホン酸系ー陽イオン交換樹脂又はパーフルオロカル
ボン酸樹脂等が特に好ましい。
【0031】電解質膜の活性成分の共析方法は、炭素粉
末、活性成分、プロトン伝導体及び撥水性結着剤の三者
を、電解質膜表面に化学めっき法で共析させる方法であ
る。この方法で共析させると、活性成分の濃度は、共析
溶液に添加する活性成分量により任意にその濃度を変え
ることができる。また、共析させる電解質膜の面の背面
から還元剤を拡散させることにより、電解質膜表面のみ
でなくその内部にも共析させることができる。
【0032】電極を調製するには、塗布方法が適してい
る。この方法は、予め活性成分を坦持したカ−ボン坦体
触媒、プロトン伝導体及び撥水性結着剤を混合し、ガス
拡散層である電子伝導体に塗布する。この方法で電極を
調製すると電極のガスの拡散性を撥水性結着剤により調
節して任意に選定できる。
【0033】本発明の他の実施例として電気自動車及び
潜水艦等の電動体は、前記いずれか一つの固体高分子電
解質型燃料電池を、移動用電源に備えた構成とする。
【0034】以下、各実施例について詳細に説明する。 (実施例1) 電解質膜に活性成分を共析させる実施例1の化学めっき
を説明する。密閉容器内の中央部に電解質膜をセット
しその上部に白金として0.5mg/cm2となるように白金
化合物を添加し、グラファイトを0.5mg/cm2と、P
TFEとして0.5mg/cm2と、プロトン伝導体及び水
とを適量添加し撹拌する。電解質膜の下部には還元剤で
あるヒドラジン水溶液を入れる。その密閉容器を60℃
に加熱し還元をする。白金の還元時間は2時間とした。
還元後に水洗し、共析層を保持した電解質膜を得た。電
解質膜には、Du Pont 社製 Nafion 117 を用いた。
この時の共析層の厚さは3μmである。
【0035】水素極及び酸素極は、以下のように作製し
た。白金を担持した炭素粉末電極触媒を、プロトン伝導
体であるパ−フルオロスルホン酸系陽イオン交換樹脂
(Aldrich Chemical 社製、Nafion液)、及びPTFE
の水系懸濁液とともに十分に混練してペーストを調製
し、電子伝導体(ガス拡散層)である厚み100μmの
カ−ボンペ−パに塗布した。それを80℃で乾燥し電極
を得た。なお、電子伝導体は、カ−ボンペ−パにPTF
Eの水系懸濁液を、PTFEの塗布量12mg/cm2の割
合で塗布し、空気中350℃で焼成して得た。水素極の
組成は、白金量;0.3mg/cm2、プロトン伝導体;3
0重量%、PTFE;30重量%とした。酸素極の組成
は白金量;0.3mg/cm2、前記と同じプロトン伝導
体;20重量%、PTFE;20重量%とした。
【0036】電解質膜と電極との接合はホットプレス法
により行った。その方法は、水素極及び酸素極を電解質
膜の両側に配したものを100Kg/cm2の圧力で温度1
20℃で15分プレスし、一体化電極を得た。
【0037】本実施例と比較のため、無処理の電解質膜
(Du Pont 社製 Nafion 117)を前記の水素極及び酸素
極を用いて同一条件で一体化電極を作成した。
【0038】以上のように作製した電極を用いて電池を
組立て、水素と空気とを反応ガスとして供給し、電流密
度ー電圧特性を80℃、1気圧の条件で測定した。その
結果を図3に示す。比較例の電池12は限界電流密度が
約600mA/cm2を示しているのに対して、実施例1の
電池11の限界電流密度は750mA/cm2を越えた。こ
のように電解質膜に活性成分を共析させた共析層を設け
ることにより大幅に電池性能を向上することができた。
【0039】(実施例2) 以下の手順に従い、電解質膜へ活性成分を共析させた。
密閉容器の中央部に電解質膜をセットし、その上部に適
量の水と炭素坦体(カ−ボンブラックBPー2000C
abot社製)とを混合し、その混合溶液の中に白金10wt
%を坦持するよう塩化白金酸溶液を添加し、それにPT
FE、水酸化ナトリウム及びホルマリンを混合させた。
電解質膜背面にあたる下部には混合溶液のホルマリンが
不足した場合の補給のためにホルマリンを充填した。こ
の密閉容器を60℃に加熱し、2時間還元して得た電解
質膜に、実施例1と同一の水素極及び酸素極を用いてホ
ットプレスで一体化電極を得た。以下、実施例1と同一
条件で比較し得られた結果を図4に示す。本実施例の電
池性能は、実施例2の電池13の性能を示す曲線より、
限界電流密度は約700mA/cm2であった。
【0040】(実施例3) 電解質膜の共析層の活性成分を0.7mg/cm2にした以
外は、実施例1と同一条件で調製した電解質膜を用い
た。水素極及び酸素極は以下のように作製した。水素極
の組成は、白金量;0.1mg/cm2、プロトン伝導体;
20重量%、PTFE;20重量%とした。酸素極の組
成は白金量;0.1mg/cm2、前記と同じプロトン伝導
体;10重量%、PTFE;10重量%とした。両極の
触媒層の厚さが約20μmになるように作成した。
【0041】前記の電解質膜と電極との接合はホットプ
レス法により行い一体化電極とした。以下、実施例1と
同じ条件で比較を行い得られた結果を図5に示す。実施
例3の電池14の性能を示す曲線により、限界電流密度
は約750mA/cm2であった。このように電解質膜の共
析層の活性成分量を多くするとともに両極の触媒層を薄
膜化することができる。
【0042】以上の結果から明らかなように、本発明に
よれば、固体高分子電解質型燃料電池の酸素極及び水素
極の活性を従来のものより大幅に向上でき、約1.5倍
の出力密度を得ることが可能となる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、電解質膜の両極側に
学めっき法で活性成分を坦持させた共析層を設けること
により、電解質膜表面に撥水性成分を配したため、フラ
ッディング現象が防止できるとともに、活性成分の使用
効率がよくなって白金等の貴金属の使用量を低減でき、
電解質膜と共析層との密着性が高くなって電池性能が向
上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の電極ー電解質膜接合体を示す断面図であ
る。
【図3】実施例1による燃料電池の電流密度と電圧特性
との関係を示すグラフである。
【図4】実施例2による燃料電池の電流密度と電圧特性
との関係を示すグラフである。
【図5】実施例3による燃料電池の電流密度と電圧特性
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 固体高分子電解質膜 2 共析層 3 水素極 4 酸素極 5 集電体 6 ガスシール体 7 触媒層 8 ガス拡散層 9 触媒層 10 ガス拡散層

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電
    解質膜を介して互いに対向して設けられガス拡散層を有
    する水素極及び酸素極と、水素含有ガス又は酸素含有ガ
    スを前記水素極又は前記酸素極に供給する手段とを備え
    た固体高分子電解質型燃料電池において、前記水素極及
    び前記酸素極の少なくともいずれか一方の前記ガス拡散
    層の前記固体高分子電解質膜側に触媒層を設けるととも
    に、前記固体高分子電解質膜の少なくともいずれか一方
    の面に少なくとも炭素坦体、該炭素坦体に坦持された活
    性成分、プロトン伝導体及び撥水性結着剤よりなる層を
    化学めっき法で形成した共析層を設け、前記固体高分子
    電解質膜は、前記ガス拡散層と接合されて電極ー電解質
    膜接合体に形成されていることを特徴とする固体高分子
    電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 共析層に坦持された活性成分は、触媒層
    に坦持された活性成分より高い濃度を有していることを
    特徴とする請求項記載の固体高分子電解質型燃料電
    池。
  3. 【請求項3】 共析層の活性成分は、酸素極側の共析量
    より水素極側の共析量を少なくして形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の固体高分子電解質型
    燃料電池。
  4. 【請求項4】 固体高分子電解質膜は、パーフルオロス
    ルホン酸樹脂又はパーフルオロカルボン酸樹脂で形成さ
    れていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の固
    体高分子電解質型燃料電池。
  5. 【請求項5】 活性成分は、白金族金属よりなることを
    特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の固体高分
    子電解質型燃料電池。
  6. 【請求項6】 固体高分子電解質膜を、密閉容器に設置
    して該固体高分子電解質膜の上部に白金化合物を添加す
    るとともに、炭素坦体、プロトン伝導体及び撥水性結着
    剤を所定量添加して撹拌し、前記固体高分子電解質膜の
    下部に還元剤を添加し、前記密閉容器を所定温度に加熱
    し前記白金化合物を所定時間で還元させる化学めっき法
    前記固体高分子電解質膜に共析層を形成し、炭素粉末
    又は白金を坦持した炭素粉末電極触媒を、プロトン伝導
    体及び撥水性結着剤とともに混練しペーストに形成して
    ガス拡散層に塗布し、所定温度で乾燥して水素極及び酸
    素極を形成し、ホットプレスにより前記固体高分子電解
    質膜をガス拡散層に接合することを特徴とする電極ー電
    解質膜接合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれか1項記載の固体
    高分子電解質型燃料電池を、移動用電源に備えたことを
    特徴とする電動体。
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