JP2003510800A - 凝集自己格子間原子欠陥を含まないチョクラルスキーシリコンの製造方法 - Google Patents
凝集自己格子間原子欠陥を含まないチョクラルスキーシリコンの製造方法Info
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Abstract
Description
ンウエハの製造に関する。詳しくは、本発明は、単結晶シリコンにおけるB型シ
リコン自己格子間原子凝集欠陥を消去する熱処理に関する。
、いわゆるチョクラルスキー(Cz)法によって製造される。この方法において
は、多結晶シリコン(ポリシリコン)をルツボに装填し、溶融し、種結晶を溶融
シリコンと接触させ、単結晶を遅い引き上げによって成長させる。ネックの形成
後、所望される、または目的とする直径に到達するまで、引き上げ速度および/
または溶融温度を低下させることによって、結晶の直径を大きくする。次に、メ
ルト水位の低下を補いながら、引き上げ速度および溶融温度を調節することによ
って、ほぼ一定の直径を有する結晶の筒状本体を成長させる。成長プロセスの終
了近くであるが、ルツボから溶融シリコンがなくなる前に、結晶直径を徐々に減
少させて、エンドコーンを形成しなければならない。一般に、エンドコーンは、
結晶引き上げ速度およびルツボに供給される熱を、増加させることによって形成
される。直径が充分に小さくなったときに、結晶をメルトから分離する。
結晶成長室において形成されることが確認された。そのような欠陥は、一部は、
シリコン格子空孔および自己格子間原子(self-interstitials)として既知であ
る、過剰の(即ち、溶解極限より以上の濃度)真性点欠陥の存在によって生じる
。シリコン中のこれらの点欠陥の種類および初期濃度(これらは固化の時点で固
定されるようになる)が、単結晶シリコンインゴットが成長する条件によって制
御されることが理解されている。(例えば、PCT/US98/07365およ
びPCT/US98/07304を参照できる。)そのような点欠陥の濃度が単
結晶シリコン内の臨界的過飽和のレベルに達する場合、および点欠陥の可動性が
充分に高い場合に、反応または凝集事象が起こる可能性がある。
ドインテグリティ(GOI)欠陥、クリスタルオリジネーテッドパーティクル(
COP)欠陥、クリスタルオリジネーテッドライトポイント(LPD)欠陥、お
よび、赤外線散乱法、例えば、走査赤外線鏡検法およびレーザー走査断層撮影法
によって観察されるある種のバルク欠陥(bulk defects)のような、観察可能な
結晶欠陥の原因であることが確認されている。リング状酸化誘起積層欠陥(ring
oxidation induced stacking faults)(OISF)の核として作用する欠陥も
、過剰空孔の領域に存在する。この特定の欠陥は、過剰空孔の存在によって引き
起こされる高温有核酸素凝集塊であると考えられる。
2つの種類の自己格子間原子欠陥が観察され、それらは一般にA欠陥およびB欠
陥(またはAおよびB「スワール(swirl)」もしくは「クラスタ(cluster)」
)と呼ばれる。A欠陥はB欠陥と比較してより大きく、当該技術分野において一
般的な手段によってより容易に検出される。A欠陥は、一般に、低密度の格子間
原子型転位ループまたはネットワークと考えられている。B欠陥に関してはほと
んど知られておらず、これは、主としてそれらのサイズが非常に小さいためであ
り、また最近までそのような欠陥を容易に、かつ信頼性高く検出する方法が存在
していなかったためでもある。しかしながら、少なくとも何人かは、B欠陥が転
位ループではなく、むしろシリコン自己格子間原子およびある種の不純物原子の
緩く充填された三次元凝集体であるものと考えている。(例えば、F. Shi
mura, Semiconductor Silicon Crystal Technology , Academic Press, Inc., Sa
n Diego California (1989) の282−284頁お
よびそこに引用される参照文献を参照できる。)
原因と考えられているものではないが、少なくともA欠陥は通常電流漏出の問題
に関連する他の種類の装置不良の原因であるものと広く認められている。B欠陥
に関連する問題に関してはほとんど知られていない。しかしながら、装置技術が
改善され続け、したがってさらに小さい集積回路の調製が可能となっているため
、これらのより小さい格子間原子欠陥はもちろん大きな関心の的になっている。
したがって、A型およびB型凝集格子間原子欠陥の両者を含まないシリコンウエ
ハを調製する手段に対する必要性が存在し続けている。
る方法の提供;B欠陥を実質的に含まない単結晶シリコンウエハの製造方法の提
供;A欠陥を実質的に含まないシリコンウエハをB欠陥を実質的に含まないもの
とする方法の提供;A欠陥およびB欠陥の両者を実質的に含まない単結晶シリコ
ンウエハの提供;および、B欠陥を実質的に含まない理想的析出単結晶シリコン
ウエハの製造方法の提供に注目することができる。
在するB欠陥を溶解する方法に向けられる。この方法は、ウエハにB欠陥溶解熱
処理を施すことを含み、ここでは、ウエハ温度を、B欠陥が成長でき、かつ安定
化できる温度範囲を通過させて、B欠陥の安定化を防止するのに充分な加熱速度
で少なくとも約1000℃の熱処理温度まで上昇させ、ウエハをその熱処理温度
でB欠陥の溶解に充分な期間維持する。
後の熱処理工程におけるウエハ中の酸素の析出挙動に影響を及ぼす方法に向けら
れる。この方法は、ウエハにB欠陥溶解熱処理を施すことを含み、ここでは、ウ
エハ温度を、B欠陥が成長でき、かつ安定化できる温度範囲を通過させて、B欠
陥の安定化を防止するのに充分な加熱速度で少なくとも約1000℃の熱処理温
度まで上昇させる。次に、ウエハをその熱処理温度でB欠陥の溶解に充分な期間
維持し、熱処理したウエハの冷却速度を制御してウエハ中に空孔濃度分布を形成
させ、この分布においてはピーク密度が中央面もしくはその近傍に存在し、その
濃度はウエハの前表面の方向にほぼ減少し、前表面層とバルク層における空孔濃
度の差は750℃を超える温度での熱処理がそのウエハにおいて前表面層にデニ
ューデッドゾーンを形成し、かつバルク層に酸素クラスタもしくは析出物を形成
することができるようなものであり、バルク層における酸素クラスタもしくは析
出物の濃度は主として空孔の濃度に依存する。
指摘される。
真性点欠陥(以下、「B欠陥」という)を、それらを含むシリコンを熱処理する
ことによって溶解または消去することができることが見い出されている。いかな
る特定の理論に結び付けるものではないが、一般には、A型凝集シリコン自己格
子間原子真性点欠陥(以下、「A欠陥」という)は格子間原子欠陥の凝集が崩壊
して転位ループまたは積層欠陥が形成されるときに形成されるものと考えられる
。対照的に、B欠陥はA欠陥と比較してサイズが小さく、一般には、転位ループ
または積層欠陥が形成されるように充分に大きく成長してないか、または充分な
活性化エネルギーに到達していない凝集であるものと考えられる。結果として、
B欠陥は、そのシリコンを加熱し、これらの欠陥を独立したシリコン自己格子間
原子内に有効に分離し、生じたシリコン自己格子間原子をシリコン表面に急速に
拡散させることによって溶解することができる。格子間原子の急速な「外方拡散
」は、格子間原子の濃度全体を引き続くシリコンの冷却の際に再凝集が生じない
ように低下させる作用をし、そのシリコンを有効にB欠陥を実質的に含まないも
のとする。
。典型的には、出発材料は、中心軸、中心軸に対してほぼ垂直である前面および
後面、周囲縁、並びにウエハの中心軸から周囲縁に延びる少なくとも約25、5
0、75、100、もしくは150mmまたはそれ以上の半径を有し、通常のチ
ョクラルスキー結晶成長法に従って成長させた単結晶インゴットからスライスさ
れている単結晶シリコンウエハである。このウエハは研磨したシリコンウエハで
あってもよく、またはその代わりに、ラッピングおよびエッチングはされている
が研磨はされていないシリコンウエハであってもよい。加えて、ウエハは、空孔
または自己格子間原子点欠陥が優勢真性点欠陥である異なる軸対称領域を有して
いてもよい。例えば、ウエハは中心から縁に向かって自己格子間原子優勢であっ
てもよく、または自己格子間原子優勢材料の軸対称環によって取り囲まれている
空孔優勢材料の中心コアを含んでいてもよい。しかしならが、好ましくは、出発
材料は、中心から縁に向かって自己格子間原子優勢であり、かつA欠陥を実質的
に含まない単結晶シリコンウエハである、(例えば、PCT/US98/073
65およびPCT/US98/07305(これらは両者とも参照として本明細
書に組み込まれる)を参照できる。)
の温度にB欠陥の溶解に充分な時間加熱し、有効にそのウエハをそのような欠陥
を含まないものとする熱処理工程を施す。しかしながら、現在までの経験による
と、B欠陥は、これらの欠陥に最初に安定熱処理が施されている場合には溶解で
きないことが示唆されることに注意すべきである。換言すると、B欠陥はそれら
を含むシリコンを加熱することによって溶解することができるが、そのような欠
陥は、それらに予め、シリコンが比較的低い温度に長時間曝露される熱処理が施
されている場合には溶解することができないものと一般に考えられる。例えば、
現在までの経験によると、約500℃〜約1000℃未満の範囲の温度で約2〜
約4時間もしくはそれ以上シリコンをアニールするとB欠陥を安定化でき、それ
らを溶解することができないことが示唆される。しかしながら、これに関しては
、約500℃未満の温度に曝露された場合にB欠陥が安定化され得ることに注意
すべきである。しかしながら、約4時間を上回る曝露時間が必要である。さらに
、約900℃〜約1000℃の範囲の温度に曝露することでB欠陥の成長と、最
終的には、A欠陥への変換が生じることがあり、この時点でこれらの欠陥も溶解
不能となることに注意すべきである。
安定化を生じる条件に最初に曝露しないことを保証しながら、これらの欠陥の溶
解に充分な温度および時間加熱することを保証することによって溶解する。特に
は、本発明に従い、シリコン試料を約1000℃を超える温度(すなわち、B欠
陥を溶解にするの充分な温度)に加熱するが、シリコンがこの温度に到達する速
度はB欠陥がこの方法における溶解に対して有効に安定化されるようなものでは
ないことを保証する。一般には、シリコンを約1000℃を超える温度、好まし
くは約1100℃、より好ましくは約1150℃、さらにより好ましくは約12
00℃、最も好ましくは約1250℃に加熱する。
般には、第1態様において、試料を急速熱アニーラー内で数秒間(例えば、少な
くとも約2、3、5もしくはそれ以上)、数十秒間(例えば、10、20、30
、40、50もしくはそれ以上)または、ウエハの所望の特徴および標的温度に
依存して、約60秒までの期間(これは商業的に入手可能な急速熱アニーラーの
限界に近い)加熱することができる。これに関して、より長期の熱処理はより定
温に相当し、逆も真であることに注意するべきである。したがって、1000℃
の温度に加熱したウエハは、例えば1200℃の温度に加熱したウエハよりも、
B欠陥を溶解するのにかなり長時間を要する。
定の温度で様々な期間加熱した後、B欠陥が存在するかどうかを決定するため、
以下にさらに記載される通りにウエハを分析することによって実験的に決定する
ことができる。
て、この安定化を回避するのに充分な速度で増加させる;すなわち、ウエハは、
典型的には、それが約500℃〜約1000℃未満の範囲の温度にB欠陥の安定
化が生じるのに充分な期間曝露されないことを保証する速度で加熱する。したが
って、好ましくは、温度を少なくとも約5℃/秒、より好ましくは少なくとも約
10℃/秒、さらにより好ましくは少なくとも約15℃/秒、さらにより好まし
くは少なくとも約20℃/秒、最も好ましくは少なくとも約25℃/秒の速度で
上昇させる。
商業的に入手可能な急速熱アニール(「RTA」)炉のいずれにおいても実施す
ることができる。RTA炉はシリコンウエハを急速に加熱することが可能であり
、例えば、それらはウエハを室温から1200℃まで数秒で加熱することができ
る。そのような商業的に入手可能なRTA炉の1つは、AG Associates(Mountai
n View、CA)から入手可能なモデル610炉である。
製造される。特には、B欠陥を実質的に含まない理想的析出ウエハを米国特許第
5,994,761号(これは参照として本明細書に組み込まれる)に開示され
る理想的析出ウエハプロセスを用いて調製することができ、このプロセスは、ウ
エハ熱処理工程(すなわち、例えば、態様1の工程S2)の間、ウエハを上述の
ようにB欠陥を溶解するのに充分な温度および時間加熱するように改変されてい
る。特には、本発明の第2態様においては、ウエハを第1態様に従って熱処理し
、ここで、B欠陥が安定化する温度を通過する温度の上昇はB欠陥が安定化する
前にB欠陥が溶解し始める温度に到達するのに充分なものである。第1態様にお
いて記載されるようにウエハを溶解温度またはそれを上回る温度にB欠陥が溶解
するのに充分な期間保持した後、ウエハを米国特許第5,994,761号に記
載される理想的析出ウエハプロセスに従って冷却し、ここで、その冷却速度は、
生じるウエハがB欠陥を実質的に含まない理想的析出ウエハであるように制御さ
れる。
質的に含まないウエハを得る目的では狭く限定されるものではない。換言すると
、B欠陥溶解後の冷却速度は本発明にとって狭く限定されるものではなく、これ
は、自己格子間原子の高率の拡散率のため、ウエハが欠陥凝集を生じるのに充分
冷却されて析出が生じ得る前に、これらの真性点欠陥が表面に拡散するためであ
る。
ることにさらに注意するべきである。現在までの実験的証拠によると、チョクラ
ルスキー法によって達成可能な範囲内の酸素濃度はB欠陥の消去に影響を及ぼさ
ないことが示唆される。さらに、ウエハの酸素析出挙動は本質的に理想的析出ウ
エハにおける酸素濃度から分離されるようになるため、理想的析出ウエハプロセ
スが用いられるとき、出発ウエハはチョクラルスキー法によって達成可能な範囲
内の、またはその範囲外のさえも、酸素濃度を有することができる。
形成中心の形成を触媒する能力を有する。したがって、このため、および他の理
由のため、単結晶シリコンインゴットは低濃度の炭素を有することが好ましい。
すなわち、単結晶シリコン中の炭素の濃度は、好ましくは約5×1016原子/
cm3未満、より好ましくは1×1016原子/cm3未満、さらにより好まし
くは5×1015原子/cm3未満である。
、炭素濃度はB欠陥の消去に悪影響を及ぼすことなくこれらのレベルを超えるこ
とができる。したがって、本発明の目的上、理想的析出ウエハを製造するときを
除いて、炭素濃度はかろうじて重要なものではない。
料の表面に塗布した後、金属をシリコンマトリックス中に拡散させるのに充分な
温度で充分な期間その試料を加熱し、次いで試料を非描画エッチングでエッチン
グし、試料をすすぎ、試料の表面を欠陥描画エッチングでエッチングし、最後に
、試料の表面を金属修飾格子間原子欠陥の存在について視覚的検査することによ
って検出することができる。この方法はA欠陥およびB欠陥の両者を検出するこ
とが可能であるが、B欠陥は初期加熱工程の間に部分的に、または完全に溶解し
得る。したがって、好ましくは、金属含有溶液またはペーストを塗布する前に試
料に熱的アニールを施してB欠陥を安定化する。A欠陥およびB欠陥の両者を検
出する方法のより詳細な説明は米国仮出願60/175,506に見出すことが
でき、これは参照として本明細書に組み込まれる。
ある:「凝集真性点欠陥」は、(i)空孔が凝集する反応によって、または(ii
)自己格子間原子が凝集する反応によって生じる欠陥を意味し;「凝集空孔欠陥
」は、結晶格子空孔が凝集する反応によって生じる凝集空孔点欠陥を意味し、そ
の例にはD欠陥、フローパターン欠陥、ゲート酸化物集積欠陥、結晶由来の粒子
欠陥、および結晶由来の光点欠陥が含まれ;「凝集格子間原子欠陥」は、シリコ
ン自己格子間原子が凝集してA欠陥(転位ループおよびネットワークを含む)お
よびB欠陥を形成する反応によって生じる凝集真性点欠陥を意味し;「B欠陥」
は、A欠陥よりも小さく、かつ本明細書でさらに説明される熱処理が施された場
合に溶解することが可能な凝集格子間原子欠陥を意味し;「半径」は、単結晶シ
リコン試料、例えば、ウエハ、またはインゴットスラッグもしくはスラブの中心
軸から周囲縁まで測定される距離を意味し;「凝集真性点欠陥を実質的に含まな
い」は、現在約104欠陥/cm3である、これらの欠陥の検出限界よりも低い
凝集欠陥の濃度を意味し;「空孔優勢」および「自己格子間原子優勢」は、真性
点欠陥が主として、それぞれ、空孔または自己格子間原子である材料を意味し;
並びに、「凝集真性点欠陥の視覚的検出」に加えてそれらの変形は、通常の白熱
もしくは蛍光光源の下で、または、任意に、平行化もしくは他の増強光源の下で
裸眼を用い、かつ他の方法で欠陥検出を補助し、または欠陥の拡大を生じるいず
れかの機器、例えば、光学もしくは赤外顕微鏡、X線回折、またはレーザー散乱
をも用いることのない、そのような欠陥の検出を意味する。
する。したがって、これらの例は限定する意味で解釈されるべきではない。
そのインゴットをスライスして研磨し、シリコンウエハを形成した。5秒、95
0℃の急速熱プロセス(以下、「RTP」という)熱処理が施されている、結晶
の一区画全体にわたるウエハが、前記のB欠陥描画試験を用いて、B欠陥を含む
ことが確認された。
消去プロセスを施し、ここで、その区画は約1250℃の温度に約25℃の速度
で加熱され、かつその温度で約10sの保持時間維持され、それに対して他方の
区画にはB欠陥消去プロセスを施さなかった。次に、両区画を前記のB欠陥描画
試験で処理し、描画された区画の各々のデジタル像を撮影した。図1に示される
ように、消去プロセスを施したウエハ区画(すなわち、図1における右側の区画
)はB欠陥を実質的に含まなく、それに対してB欠陥消去プロセスを施さなかっ
たウエハの区画(すなわち、図1における左側の区画)は、ウエハの中心に白色
ドットとして現れるB欠陥を含む。
0を様々な熱処理プロセスで処理し、ここでは、各々のウエハを約25℃/分の
速度で標的温度まで、表1に記載される指定期間加熱した。
分間加熱した後、ウエハ1は有意のB欠陥の数を示し;1100℃に15秒間加
熱したとき、ウエハ2はかなり少ないB欠陥を示し;1100℃に60秒間加熱
したとき、ウエハ3はB欠陥をほとんど示さない。(図2を参照できる。)した
がって、ウエハ1〜3によって示されるように、標的温度が1100℃よりも高
くなるまで増加するときB欠陥は有意に減少し、かつ充分な保持時間が与えられ
ることでほぼ完全に排除される。加えて、ウエハ5〜10において示されるよう
に、1150、1175、1200および1250℃よりも高い温度に加熱され
、かつ約10〜約60秒の範囲の期間保持されるとき、B欠陥を消去することが
できる。(表1、並びに図2E〜図2Lを参照できる。)
であり、保持時間が約10秒であり、かつ冷却速度が約10℃/分である理想的
な析出ウエハプロセスに従って処理した。ウエハ4は、図2Dに示される銅修飾
法を施したときに有意の数の白色ドットを示すが、理想的な析出部位が銅修飾法
によって修飾されて白色ドットして現れ、たとえB欠陥がこのプロセスにおいて
消去したとしても、ウエハ4の像が依然としてウエハの表面全体にわたって白色
ドットを示すものと考えられる。この仮定を支持するため、ウエハ8〜10にウ
エハ4と同じ温度および保持時間を施したが、理想的な析出部位が形成されない
ように雰囲気もしくは冷却速度のいずれかは変化させた。ウエハ8〜10は、ウ
エハが約25℃/分の速度で約1250℃の温度まで加熱され、そこに約10秒
間保持されるときにB欠陥が消去することを示し、したがって、ウエハ4におい
て示される白色ドットが実際に修飾された理想的な析出部位であるという仮説が
支持される。
範囲から逸脱することなしに上記組成物および方法において様々な変更をなすこ
とができるため、上記説明に含まれる全ての事項は説明のためと解釈され、限定
する意味で解釈されるものではないことが意図される。加えて、本発明またはそ
れらの好ましい態様(1つもしくは複数)の要素を導入するとき、冠詞“a”、
“an”、“the”および“said”は1つ以上の要素が存在することを意
味することが意図される。「comprising(含んでなる)」、「inc
luding(含む)」および「有する(having)」という用語は包括的
であることが意図され、列挙される要素以外に追加の要素が存在し得ることを意
味する。
の熱処理を施す前のB欠陥を有するウエハの一部(図1A)と本発明の熱処理を
施した後のウエハの一部(図1B)とを比較する、銅修飾および欠陥描画エッチ
ングに続く単結晶シリコンウエハの一部の像である。
、続いて銅修飾および欠陥描画エッチングを施した単結晶シリコンウエハの一部
の像である。
Claims (55)
- 【請求項1】 B欠陥を含むシリコンウエハを熱処理してシリコンウエハ中
のB欠陥を溶解する方法であって: ウエハをB欠陥の溶解に充分な熱処理温度に加熱し、加熱工程の一部として、
ウエハ温度を、B欠陥が成長でき、かつ安定化できる温度範囲を通過させて、B
欠陥の安定化を防止するのに充分な加熱速度で上昇させ;および、 ウエハを熱処理温度で、B欠陥の溶解に充分な期間にわたって維持する、 ことを含んでなる方法。 - 【請求項2】 熱処理温度が少なくとも約1000℃である請求項1に記載
の方法。 - 【請求項3】 期間が少なくとも約2秒である請求項2に記載の方法。
- 【請求項4】 期間が少なくとも約15秒である請求項2に記載の方法。
- 【請求項5】 期間が少なくとも約30秒である請求項2に記載の方法。
- 【請求項6】 熱処理温度が少なくとも約1100℃である請求項1に記載
の方法。 - 【請求項7】 期間が少なくとも約2秒である請求項6に記載の方法。
- 【請求項8】 期間が少なくとも約15秒である請求項6に記載の方法。
- 【請求項9】 期間が少なくとも約30秒である請求項6に記載の方法。
- 【請求項10】 熱処理温度が少なくとも約1200℃である請求項1に記
載の方法。 - 【請求項11】 期間が少なくとも約2秒である請求項10に記載の方法。
- 【請求項12】 期間が少なくとも約15秒である請求項10に記載の方法
。 - 【請求項13】 期間が少なくとも約30秒である請求項10に記載の方法
。 - 【請求項14】 熱処理温度が少なくとも約1250℃である請求項1に記
載の方法。 - 【請求項15】 期間が少なくとも約2秒である請求項14に記載の方法。
- 【請求項16】 期間が少なくとも約5秒である請求項14に記載の方法。
- 【請求項17】 期間が少なくとも約15秒である請求項14に記載の方法
。 - 【請求項18】 期間が少なくとも約30秒である請求項14に記載の方法
。 - 【請求項19】 B欠陥が成長でき、かつ安定化できる温度範囲が少なくと
も約500℃〜約1000℃である請求項1に記載の方法。 - 【請求項20】 加熱速度が少なくとも約5℃/秒である請求項19に記載
の方法。 - 【請求項21】 加熱速度が少なくとも約15℃/秒である請求項19に記
載の方法。 - 【請求項22】 加熱速度が少なくとも約25℃/秒である請求項19に記
載の方法。 - 【請求項23】 B欠陥が成長でき、かつ安定化できる温度範囲が少なくと
も約900℃〜約1000℃である請求項1に記載の方法。 - 【請求項24】 加熱速度が少なくとも約5℃/秒である請求項23に記載
の方法。 - 【請求項25】 加熱速度が少なくとも約15℃/秒である請求項23に記
載の方法。 - 【請求項26】 加熱速度が少なくとも約25℃/秒である請求項23に記
載の方法。 - 【請求項27】 期間が少なくとも約2秒である請求項1に記載の方法。
- 【請求項28】 期間が少なくとも約5秒である請求項1に記載の方法。
- 【請求項29】 期間が少なくとも約10秒である請求項1に記載の方法。
- 【請求項30】 期間が少なくとも約20秒である請求項1に記載の方法。
- 【請求項31】 期間が少なくとも約40秒である請求項1に記載の方法。
- 【請求項32】 B欠陥を有する単結晶シリコンウエハを熱処理して、B欠
陥を溶解し、かつ後の熱処理工程におけるウエハ中の酸素の析出挙動に影響を及
ぼす方法であって、 該シリコンウエハは前表面、後表面、該前表面と後表面との間の中央面、前表
面から中央面に向かって測定される距離Dと前表面との間のウエハの領域を有し
てなる前表面層、並びに中央面と前表面層のと間のウエハの領域を有してなるバ
ルク層を有し: B欠陥を有するウエハを少なくとも約1150℃の熱処理温度に加熱してB欠
陥を溶解し、かつ該表面層およびバルク層に結晶格子空孔を形成し、該加熱工程
の一部として、ウエハ温度を、B欠陥が成長でき、かつ安定化できる温度範囲を
通過させて、B欠陥の安定化を防止するのに充分な加熱速度で上昇させる工程; ウエハを該熱処理温度でB欠陥を溶解するのに充分な期間維持する工程;並び
に 熱処理したウエハの冷却速度を制御してウエハ中に空孔濃度分布を形成させ、
ここで、ピーク密度が中央面もしくはその近傍に存在し、その濃度はウエハの前
表面の方向にほぼ減少し、前表面層とバルク層における空孔濃度の差が750℃
を超える温度での熱処理がウエハにおいて前表面層にデニューデッドゾーンを形
成し、かつバルク層に酸素クラスタもしくは析出物を形成することができるよう
なものであり、バルク層における酸素クラスタもしくは析出物の濃度は空孔の濃
度に主として依存する工程、 を含んでなる方法。 - 【請求項33】 熱処理温度が少なくとも約1200℃である請求項32に
記載の方法。 - 【請求項34】 期間が少なくとも約2秒である請求項33に記載の方法。
- 【請求項35】 期間が少なくとも約15秒である請求項33に記載の方法
。 - 【請求項36】 期間が少なくとも約30秒である請求項33に記載の方法
。 - 【請求項37】 熱処理温度が少なくとも約1250℃である請求項32に
記載の方法。 - 【請求項38】 期間が少なくとも約2秒である請求項37に記載の方法。
- 【請求項39】 期間が少なくとも約15秒である請求項37に記載の方法
。 - 【請求項40】 期間が少なくとも約30秒である請求項37に記載の方法
。 - 【請求項41】 B欠陥が成長でき、かつ安定化できる温度範囲が少なくと
も約500℃〜約1000℃である請求項32に記載の方法。 - 【請求項42】 加熱速度が少なくとも約5℃/秒である請求項41に記載
の方法。 - 【請求項43】 加熱速度が少なくとも約15℃/秒である請求項41に記
載の方法。 - 【請求項44】 加熱速度が少なくとも約25℃/秒である請求項41に記
載の方法。 - 【請求項45】 B欠陥が成長でき、かつ安定化できる温度範囲が少なくと
も約900℃〜約1000℃である請求項32に記載の方法。 - 【請求項46】 加熱速度が少なくとも約5℃/秒である請求項45に記載
の方法。 - 【請求項47】 加熱速度が少なくとも約15℃/秒である請求項45に記
載の方法。 - 【請求項48】 加熱速度が少なくとも約25℃/秒である請求項45に記
載の方法。 - 【請求項49】 期間が少なくとも約2秒である請求項32に記載の方法。
- 【請求項50】 期間が少なくとも約5秒である請求項32に記載の方法。
- 【請求項51】 期間が少なくとも約10秒である請求項32に記載の方法
。 - 【請求項52】 期間が少なくとも約40秒以上である請求項32に記載の
方法。 - 【請求項53】 結晶格子空孔がシリコン中で比較的可動性である温度範囲
を通して冷却速度が少なくとも約20℃/秒である請求項32に記載の方法。 - 【請求項54】 結晶格子空孔がシリコン中で比較的可動性である温度範囲
を通して冷却速度が少なくとも約50℃/秒である請求項32に記載の方法。 - 【請求項55】 結晶格子空孔がシリコン中で比較的可動性である温度範囲
を通して冷却速度が少なくとも約100℃/秒である請求項32に記載の方法。
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