JP2003510763A - 有機エレクトロルミネセント装置 - Google Patents
有機エレクトロルミネセント装置Info
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- H10K50/11—OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
Abstract
Description
ルミネセント層を具備した少なくとも1つの表示素子を有すると共に、ダイオー
ドとして構成され、エレクトロルミネセント層に電界が与えられた場合に光を発
するエレクトロルミネセント装置に関する。
する。
レクトロルミネセント現象を使用して光を発する装置である。有機材料において
発光が生じる場合には、この装置は有機エレクトロルミネセント装置と呼ばれる
。有機EL装置は、特に、液晶表示装置用又は腕時計用のバックライトのように
、大きな発光面積を有する薄型の光源として用いられ得る。また、有機EL装置
が独立してアドレス可能又は不可能な複数のEL素子を有する場合には、このE
L装置は表示装置としても用いられ得る。
の種類の有機層は、一般に、共役したルミネセント化合物を含んでいる。この化
合物は、クマリンなどの低分子色素であっても、ポリフェニレンビニレンなどの
高分子化合物であってもよい。EL素子は、また、2つの電極を有しており、こ
れらの電極は有機層と接している。適当な電圧を印加することによって、負極す
なわちカソードが電子を注入し、正極すなわちアノードが正孔(ホール)を注入
する。これら電子と正孔との再結合が光を生成する。EL素子が積層型である場
合には、少なくとも一方の電極が発せられるべき光に対して透明でなければなら
ない。既知のアノード用透明電極材料は、例えば、インジウム・スズ酸化物(I
TO)である。既知のカソード材料は、特に、アルミニウム(Al)、バリウム
(Ba)、イッテルビウム(Yb)、マグネシウム(Mg)と銀(Ag)との合
金,リチウム(Li)とアルミニウムとの合金又はカルシウム(Ca)である。
ITO以外の既知のアノード材料は、例えば金及び白金である。EL素子は、必
要に応じて、例えば、電荷の輸送又は電荷の注入を改善する役割を果たす、オキ
サジアゾール(oxadiazole)又は第三級アミンよりなる他の有機層を有している
。
39に開示されており、この出願には、基板上に形成された有機エレクトロルミ
ネセント素子と、カソード及びアノードに挟まれた有機化合物層の一群とを有す
るエレクトロルミネセント表示装置が記載されている。有機化合物層の一群は積
層され、少なくとも1種の有機化合物により形成されたエレクトロルミネセント
機能層を備えている。この有機エレクトロルミネセント表示装置は、また、気密
性ケースを有している。この気密性ケースは、ケース自体と有機エレクトロルミ
ネセント素子との間に形成された空間を伴って有機エレクトロルミネセント素子
を封入し、有機エレクトロルミネセント素子を外気から分離している。
子に塵埃が付着する危険性が少しある。有機EL機能層は、サブミクロンオーダ
ーと非常に薄いので、透明電極(アノード)と背面電極(カソード)との間に、
塵埃による短絡が生じやすい。短絡を防止する従来の対策は、基板の表面を洗浄
し、滑らかにすることである。しかしながら、基板の表面を完全に汚れのない状
態にすることは不可能であるので、短絡の発生の可能性が依然として残っている
。
能層に水分、酸素などが広がった場合、その影響により有機エレクトロルミネセ
ント機能層の劣化が生じる可能性がある。
、気密性ケースの内部の空間を埋める充填ガスが用いられている。この充填ガス
は、少なくとも1種の燃焼支援(combustion-supporting)ガスを含んでいる。
燃焼支援ガスは、短絡を取り巻く部分のカソード材料を酸化して絶縁体を形成し
、これにより短絡の発生を抑制する。燃焼支援ガスは、それ自身を燃焼するので
はなく、他の材料の燃焼を助けるガス酸化剤(gas-oxdizing agent)である。既
知の燃焼支援ガスとしては、例えば、酸素、一酸化二窒素、オゾン、塩素、一酸
化一窒素、フッ素、三フッ化窒素、二フッ化酸素などが挙げられる。
ト装置の今後の構造に関して強く制限されてしまう。
の高い、最初の段落で述べたような有機エレクトロルミネセント装置を提供する
ことにある。
ト層が1ないし10ボルトの範囲内の逆バイアスを印加されたときに、漏れ電流
が、エレクトロルミネセントの表面積1cm2当たり10μAよりも小さいこと
を特徴としている。このエレクトロルミネセントの表面積1cm2当たり10μ
Aよりも小さい漏れ電流は、動作中に光を発することが可能なエレクトロルミネ
セント層の領域を通る漏れ電流である。ノイズとして表される漏れ電流の不安定
さが、0.02よりも小さいノイズレベルを有することが好ましく、ノイズレベ
ルが0.017よりも小さければ特に好ましい。ノイズに関するこの指標を得る
ため、測定値が後述するようなInormを用いて正規化される。この基準を満
たす装置は寿命がくる前に故障する危険性が低いことが見出された。
故障の発生に関する前兆であるという認識に基づいている。エレクトロルミネセ
ント装置がダイオードとして構成される場合、漏れ電流は、ダイオードが逆バイ
アスにおいて動作するときに、エレクトロルミネセント装置を通る電流である。
漏れ電流の不安定さを特徴付けるために、ノイズレベルが以下のように決定され
る。 a 所定の時間間隔(ここでは10秒)の間、ダイオードとして構成されたエレ
クトロルミネセント装置に所定(ここでは1V)の逆電圧が設定される。 b エレクトロルミネセント装置の漏れ電流が、(ここでは0.1秒ごとに、1
00個の測定値を与えるように)サンプリングされる。 c 以下の式を用いて、ある逆電圧におけるNOISEが計算される。
において測定された漏れ電流と時間t=2.6秒において測定された漏れ電流と
の差分の正の値である。Inormは以下のように決定される。
測定値のうち最初の25個は廃棄される。 d 逆電圧が10秒間オフにされる。 e 続いて、ダイオードとして構成されたエレクトロルミネセント装置に関して
、2、3、4、5、6、7、8、7、6、5、4、3、2及び1Vの逆電圧につ
いてaないしdの一連の工程が繰り返される。各逆電圧について、NOISEが
決定される。 f NOISEの測定値の最大値が、請求項2に用いられるような装置のノイズ
レベルである。
の比較が可能になる。
スを印加されたときに、漏れ電流が、エレクトロルミネセントの表面積1cm2 当たり0.5μAよりも小さいことが好ましい。ノイズとして表される漏れ電流
の不安定さは、0.006よりも低いノイズレベルを有していることが好ましい
。このような装置の1%未満しか初期の故障を示さない。
障の発生との明らかな相関をもたらした。しかしながら、この測定のために、装
置の処理が最適に行われた。漏れ電流は極めて小さく、見出された相関は、不安
定な挙動の原因である漏れ経路が、漏れ電流の大部分の原因である漏れ経路と同
じであることを示している。不安定さは、その固有の漏れ経路の漏れ電流の程度
であるので、正規化工程は信頼性の高い結果をもたらす。(正規化工程が用いら
れるため、)漏れ電流が異なるにもかかわらず、種々の装置のノイズレベルが比
較され得る。しかしながら、現実的な生産状況では、処理が最適であることはな
い。漏れ電流は、より大きなオーダーであり、不安定な漏れ経路を通って流れる
電流の漏れ電流全体への寄与は、漏れ電流全体のほんのわずかである。その結果
、最適にはより遠い処理条件のもとで行われる装置のノイズレベルの測定値は、
非常に信頼性が低い可能性がある。
ら生じるものではない他の漏れ電流、バックグラウンドの漏れ電流は、漏れ電流
と逆電圧との間にほぼ線形依存状態を示す。結論として、装置が1〜10ボルト
の範囲内の逆バイアスを印加されている際の漏れ電流の非線形成分を調べること
により、漏れ電流は他の漏れ電流と区別され得る。具体的には、大きなバックグ
ラウンドの漏れ電流によって、信頼性の高いNOISE値の決定が妨害される場
合には、Inormの代わりにV2を用いて正規化することが好ましい。ここで
、V2は測定中における逆電圧の二乗である。本発明に係る装置では、漏れ電流
の不安定さは、8.33nA/V2よりも低いノイズレベルを有することが好ま
しい。V2を用いた正規化は、NOISE(V)として表される、上述した式に
より規定されるようなNOISEに比例する数をもたらす。0.020のNOI
SEは、約8.33nA/V2のNOISE(V)に対応し、0.006のNO
ISEは、約2.50nA/V2のNOISE(V)に対応することが見出され
た。NOISE(V)は、マトリクス構造の表示装置のような大きなバックグラ
ウンド電流を有するエレクトロルミネセント装置に関して特に有効である。
る事前調整工程は、漏れ電流及び漏れ電流の不安定さに対する著しい影響を示す
。
ネセント層の厚さ1μm当たり100V以上の逆電界を装置に与えることを特徴
としている。
常に高いか、又は時間と共に増加するものもあり、このような装置は、信頼性が
低いものであるとして不合格にされなければならない。他の装置は、時間と共に
この漏れ電流が減少し、修復メカニズムの一種を示唆する。漏れ電流の局所的な
経路が、イナクティブな状態にされるか、又は消失するようである。装置は、漏
れ電流が事前調整工程の開始時における漏れ電流の10%よりも小さくなるまで
、逆電界を与えられる。
重要ではない。言い方を替えると、工程が同様に行われる非常に広い範囲の電圧
が存在する。このことは重要である。その理由は、現在用いられる製造プロセス
により可能とされる種々の装置に関するエレクトロルミネセント層の厚さのばら
つきはかなり大きい(10%)からである。電界は、印加電圧を厚さで割ったも
のと等しい。
、逆電界は、有機材料層の電気的絶縁破壊をもたらしてはいけない。一方、あま
りにも小さな逆電界が与えられると、事前調整工程が機能しなくなる。強度10
0V/μmの比較的小さい逆電界を用いる場合には、所望の効果を得るために、
上述した事前調整工程は繰り返し行われてもよい。
あることが好ましい。このような大きな逆電界を用いた事前調整工程は、第1の
事前調整サイクル後に少しの不合格の装置しかもたらさない。これは、生産プロ
セスの歩留まりを高める手段を示唆している。
範囲内の逆電界を装置に与えることを特徴とすることが好ましい。装置の発光層
は、通常100nmの厚さであるので、逆電界は、エレクトロルミネセント層の
厚さ1μm当たり約100〜150ボルトの範囲内である。漏れ電流は、主に局
所的な経路から生じるので、これらの局所的な経路に対する電界は、主に事前調
整工程のための駆動力である。エレクトロルミネセント層に対する電界は、事前
調整工程に余り影響しない。
機ダイオード(これも非発光体性の)にとって有利である。上述した有機電子装
置は、短絡の危険性を伴う漏れ電流及び/又は漏れ電流の不安定さに苦しむ可能
性もある。上述した有機電子装置の信頼性は、事前調整工程及び/又はノイズレ
ベルの測定値を用いることによって、高められ得る。
り、以下に説明する例を参照して理解されるであろう。
漏れ経路が、左の方(損傷)及び右の方(導電粒子)に示されている。
置うちの1つ(S4)について大きな不安定さを示している。挿入部分は、4つ
の装置のエレクトロルミネセント層のそれぞれの厚さを示している。
秒毎に電圧が変化する。電流の測定中、0.1秒の時間間隔で測定点が取り込ま
れている。
。
値の一例を表している。不安定な漏れ電流を伴うサンプル(サンプル−04)の
、幅広の高いノイズレベルに注意されたい。一方、サンプル15のノイズレベル
も高いが、測定されたI〜Vのカーブは、不安定な挙動の明らかな表れを全く示
さなかった(図2)。2ボルト未満及び9ボルトよりも高い電圧では、ノイズレ
ベルが低くなっている。長期間動作させた際、サンプル15及びサンプル04は
不合格であった。
最大ノイズレベルの相関を表すものである。それぞれの装置に関して、種々の電
界においてこの最大値を見出すことができる。加速寿命測定(T=363K、湿
度50%において寿命が250時間)において装置の寿命がくる前に短絡を示し
たサンプルは、X軸上の正方形によって識別されている。太い線は、この場合に
基準に用いられたレベルを示している。
いて漏れ電流を伴うサンプル数を表すものである。上記区域は、ほぼ前の点の半
分の漏れ電流からほぼ次の点の半分の漏れ電流までの範囲である。−15ボルト
における事前調整工程の後、明確に異なる2つの集団が生まれる。X軸は対数目
盛であることに注意されたい。第1の集団は2〜2.5μAの漏れ電流を伴って
おり、第2の集団は500μA〜5mAの漏れ電流を伴っている。事前調整工程
の前は、これらの集団は見分けがつかない(図8も参照されたい)。
ズレベルを与え、横軸として4ボルトの逆電圧に関する漏れ電流が用いられてい
る。事前調整工程の前には、全ての装置が点の1つのグループ中に認められるが
、事前調整の後では、異なる2つの集団が明らかに示されている。
ぼ完全な絶縁体であり、2つの導体(電極)に挟まれている。ここで述べる装置
については、これらの層は空気から完全に遮蔽されている。装置の構造はキャパ
シタと同様であり、キャパシタと同じように動作する。また、この装置は、周囲
の電極の(2eV近い)仕事関数の差のために、ダイオードの全ての特性を有し
ている。順バイアスでは、電極からの注入時に、絶縁材料を介して電流が流れる
。用いられる電極の一方が透明な導体であるので、この電流は装置から発せられ
る光に一部変換される。電流駆動のPLED装置において初期に故障が発生する
主な理由の1つは、薄い絶縁体(エレクトロルミネセント層)を通る並列の漏れ
経路の出現である。この漏れ経路は、装置のビルトイン電圧よりもわずかに低い
又は高い駆動電圧において、各々、i)駆動電流全体又はii)駆動電流の大部
分のいずれかを運ぶ。故障は、第1の点では、光強度の零への急激な低下のよう
にユーザによって認識され、一方で、第2の点では、光強度の漸減が認識され、
多くの場合、光強度は不安定な(フリッカ)挙動を示す。両方のケースが避けら
れるべきである。
は、逆バイアス(この書類に示した全ての結果に関して4ボルトが用いられてい
る。)において装置を動作させることによって測定され得る。しかしながら、漏
れ電流の大きさと初期の故障の発生とのはっきりした相関は確立することができ
ていなかった。これらの装置を作るプロセスを改良することによって問題を解決
するという点で、非常に多くの取り組みがなされており、特に、クリーニング工
程に関して取り組まれてきた。主として製造中に存在する種々のタイプの粒子の
大きさに比べてエレクトロルミネセント層が薄いために、初期の故障の発生を取
り除くことは不可能であることが分かっている。この層の薄さは、ほとんどの顧
客の仕様により必要とされるようなPLEDの低い電圧における動作のために必
要であるので、良好な(装置の寿命がくる前に初期の故障が発生しない)装置と
不良の(装置の寿命がくる前に初期の故障が発生する)装置とを区別することを
可能にするため、選択基準が必要である。
の故障の発生に関する前兆であることがはっきりと見受けられる。故障後、漏れ
電流の不安定さの大きさは、漏れ電流の絶対値のオーダーであり、これらは、1
0ボルトよりも低い逆バイアスにおいて生じる(図2)。接触領域は、欠陥を取
り囲む、顕微鏡下において見える(典型的には直径1μmの)損傷領域として局
在し得る(図1)。不安定さは、この損傷領域の外縁部における一時的な短絡に
より生じる。短絡している間、キャパシタに蓄積された電荷は短絡部を介して流
れ得る。比較的小さな接触部において損失される大量の電力は、短絡部及び周囲
の材料の一部の損傷につながり、これはより大きな欠陥を招いてしまう。このこ
とは、光学的に認識されている。不安定さが生じている瞬間、短絡部の端部に沿
って小さなスパークが見られ、これは破損領域の周囲長を増加させる。この過程
は、スパーク腐食過程と比較することができる。より高い電界において、高い静
電力が接触の安定化をもたらす。大きな漏れ電流が流れることが可能であるが、
上記接触は十分に大きいので、過度の局所的な加熱なしで漏れ電流を運ぶことが
できる。我々のポリマLED装置において見受けられる不安定さは、有機LED
装置において見受けられる不安定さと非常によく似ており、ここで述べる基準は
有機LED装置の場合に関しても用いられ得ることに注意されたい。
し、寿命試験においてこれら不安定さの大きさと初期の故障の発生との相関が示
され得ることが分かった。これら不安定さの多かれ少なかれランダムな性質によ
り、時間間隔が手元の装置のRC時間を越える限りにおいては、一連の時間間隔
に関して不安定さが測定され得る。測定(図3における例)は、これらの不安定
さが最も大きな範囲における(10Vよりも低い)複数の逆電圧に関して行われ
る必要がある。この例では、電流測定の時間間隔は0.1秒であった。
の電界に関して、上の方にノイズが規定されている。複数の電界において測定が
行われる理由は、1つの電界における長時間にわたる測定がノイズレベルに関し
て持つ安定化効果である。装置は、ある期間ののち電界を変化させることにより
多かれ少なかれ「いじめられる」。(図4の例において)0〜8ボルトの領域は
、この固有の装置についての最大ノイズレベルが分かることが確かであるように
カバーされている(図5)。この最大ノイズレベルは、基準に用いられる(図6
)。
初期の故障の発生との明らかな相関を示している。しかしながら、この測定につ
いては、装置の処理が最適になされた。漏れ電流は極めて小さく、見出された相
関は、不安定な挙動の原因である漏れ経路が大部分の漏れ電流の原因である漏れ
経路と同一であることを示している。不安定さはその固有の漏れ経路の漏れ電流
の程度であるので、正規化工程は信頼性の高い結果をもたらす。種々の装置のノ
イズレベルは、漏れ電流が異なるにもかかわらず(正規化工程が用いられるため
)比較され得る。しかしながら、現実的な生産状況では、処理が最適になされる
ことはない。漏れ電流は、より大きなオーダーであり、不安定な漏れ経路を通っ
て流れる電流の漏れ電流全体への寄与は、漏れ電流全体のほんのわずかである。
最適により遠い処理条件のもとにおいてなされた装置に関する測定は、図6にお
いて見出される相関を示さなかった。ノイズの基準を使用可能とするために、事
前調整工程が適用されなければならない。
前調整される。これは、ポリマLED装置の集団における漏れ電流の分布に対し
て著しく影響する。事前調整する電圧の広い範囲に関して、事前調整工程ののち
、明らかに区別可能な2つのグループが得られる(図7、図8)。この工程に使
用される正確な電圧は、それほど重要ではない。別の言い方をすると、工程が同
様に行われる非常に広い範囲の電圧が存在する。このことは重要である。その理
由は、現在用いられる製造プロセスにより可能とされる種々の装置に関するエレ
クトロルミネセント層の厚さの違いはかなり大きい(10%)からである。電界
は、印加電圧を厚さで割ったものと等しい。有機層に対する逆電界が高すぎると
、この逆電界は損傷を招く。一方、あまりにも低いが印加されると、事前調整工
程の後2つの別個の集団が現れない。装置に損傷を与えることなく高い逆電圧が
印加され得る、5ボルトの幅を有する電圧領域が見出された。
すグラフである。2つの別個の集団が現れたという事実に加えて、正規化工程に
もかかわらず、大きな漏れ電流を伴うサンプルもまた、高いノイズレベルを示し
ているということにも注目すべきである。正規化工程は、これらの大きな漏れ電
流におけるノイズレベルの抑制をもたらすべきであるが、明らかに、これらのサ
ンプルについての不安定さは高いので、ノイズレベルは「良好な」装置のノイズ
レベルよりもかなり高いままとなっている。一般に、装置に高い電界を与えるこ
とは3つの起こり得る効果を有すると言える。
。装置は、強制的に、ノイズの基準が当てはまる状態又は不安定な漏れ経路が漏
れ電流の原因となる状態とされる。
な装置は、以下のように認識され得る。最初の高電界の印加の後、装置は回復さ
れた(漏れ電流の小さな)サンプルのように動作する。ある一定の期間、大きな
電界が再度与えられると、漏れ電流は、後に測定される際に大きい値に増加して
いることが分かるであろう。これは、電界が大きすぎる場合においてのみ生じる
。
も大きな漏れ電流を有する全ての装置を不合格とする。ノイズの測定は、残って
いる集団に関して行われ、0.006よりも大きなノイズレベルを伴う全ての装
置を不合格とする。230装置よりなる集団に関して、図9に結果が示されてい
る。処理条件は、寿命がくる前に多数の短絡が見込まれるレベルに慎重に設定し
た。これは、主として、スピンコート法によってポリマ層を塗布する前にポリマ
溶液を粗く濾過することにより実現される。
。大きな漏れ電流は、これらの装置を使用に適さないものとしている。装置の9
0%よりも多くが、寿命実験中に初期の故障を示した。
る。装置の約30ないし40%が、寿命実験中に初期の故障を示した。
。寿命実験中、全ての装置が損傷を受けていない状態のままであった。
装置の大きな集団を測定することによって、統計に基づくより堅固な根拠が得ら
れた。また、この集団から、良好な装置を選択することができた。寿命試験中、
このグループについては初期の故障が検出されなかった。一方で、参照用のグル
ープの装置の約20〜30%が、初期の故障を示した。(不合格となった)装置
のグループにおける初期の故障は、つきとめることができ、層の欠陥(粒子)に
帰するものであった。
約30%から1%未満の値に低下させる。
い、信頼性の高い有機LED装置を選択するための手段を提供するものである。
この手段は、i)装置に、エレクトロルミネセント層について高い電界を与える
工程と、ii)ノイズとして表される漏れ電流の不安定さを検出する工程とを有
している。i)装置に、エレクトロルミネセント層について高い電界を与える工
程は、装置を明らかに区別された2つの集団、すなわち(逆電圧動作においてエ
レクトロルミネセント層を通る)小さな漏れ電流を伴う集団と大きな漏れ電流を
伴う集団とに分類する。この工程では、電流の基準に応じて第1の集団が選択さ
れる。ii)ノイズとして表される漏れ電流の不安定さを検出する工程は、特に
1〜10ボルトの逆駆動電圧において不安定さが現れることを確立している。こ
のような不安定さは、動作中における初期の故障の発生の目安である。この工程
では、ノイズの基準に応じて装置が選択される。
る。
測定値の一例を表す図である。
れた最大ノイズレベルの相関を表す図である。
において漏れ電流を伴うサンプル数を表す図である。
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 2つの導電層に挟まれた、有機材料の少なくとも1つのエレ
クトロルミネセント層を具備した少なくとも1つの表示素子を有すると共に、ダ
イオードとして構成され、前記エレクトロルミネセント層に電界が与えられた場
合に光を発するエレクトロルミネセント装置において、 前記エレクトロルミネセント層が1ないし10ボルトの範囲内の逆バイアスを
印加されたときに、漏れ電流が、エレクトロルミネセントの表面積1cm2当た
り10μAよりも小さいことを特徴とするエレクトロルミネセント装置。 - 【請求項2】 前記漏れ電流の不安定さが、ノイズとして表され、0.02
よりも小さいノイズレベルを有することを特徴とする請求項1記載のエレクトロ
ルミネセント装置。 - 【請求項3】 前記エレクトロルミネセント層が4ボルトの逆バイアスを印
加されたときに、前記漏れ電流が、エレクトロルミネセントの表面積1cm2当
たり0.5μAよりも小さいことを特徴とする請求項1記載のエレクトロルミネ
セント装置。 - 【請求項4】 前記漏れ電流の不安定さが、ノイズとして表され、0.00
6よりも低いノイズレベルを有していることを特徴とする請求項3記載のエレク
トロルミネセント装置。 - 【請求項5】 前記漏れ電流の不安定さが、8.33nA/V2よりも低い
ノイズレベルを有していることを特徴とする請求項1記載のエレクトロルミネセ
ント装置。 - 【請求項6】 エレクトロルミネセント層の厚さ1μm当たり100ボルト
以上の逆電界を当該装置に与えることによって得られた請求項1記載のエレクト
ロルミネセント装置。 - 【請求項7】 2つの導電層に挟まれた、有機材料の少なくとも1つのエレ
クトロルミネセント層を具備した少なくとも1つの表示素子を有すると共に、ダ
イオードとして構成され、前記エレクトロルミネセント層に電界が与えられた場
合に光を発するエレクトロルミネセント装置を製造する方法において、 エレクトロルミネセント層の厚さ1μm当たり100ボルト以上の逆電界を当
該装置に与えることを特徴とする方法。 - 【請求項8】 エレクトロルミネセント層の厚さ1μm当たり170ボルト
以上の逆電界を当該装置に与えることを特徴とする請求項7記載の方法。 - 【請求項9】 2つの導電層に挟まれた、有機材料の少なくとも1つのエレ
クトロルミネセント層を具備した少なくとも1つの表示素子を有すると共に、ダ
イオードとして構成され、前記エレクトロルミネセント層に電界が与えられた場
合に光を発するエレクトロルミネセント装置を製造する方法において、 10ないし15ボルトの範囲内の逆電界を当該装置に与えることを特徴とする
方法。 - 【請求項10】 請求項7に記載したように当該装置に逆電界を与え、この
処理ののち、請求項1に記載したような電流の基準に従って、小さい漏れ電流を
有する集団を選択する、有機エレクトロルミネセント装置を製造し、選択する方
法。 - 【請求項11】 請求項7に記載したように当該装置に逆電界を与え、この
処理ののち、請求項2に記載したようなノイズとして表される、電流の不安定さ
の基準に従って、小さい漏れ電流を有する集団を選択する、有機エレクトロルミ
ネセント装置を製造し、選択する方法。
Applications Claiming Priority (3)
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EP99203103.9 | 1999-09-22 | ||
EP99203103 | 1999-09-22 | ||
PCT/EP2000/009201 WO2001022504A1 (en) | 1999-09-22 | 2000-09-20 | Organic electroluminescent device |
Related Child Applications (1)
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