JP2003506028A - キメラポリペプチド、その製造方法、およびその使用 - Google Patents

キメラポリペプチド、その製造方法、およびその使用

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Abstract

(57)【要約】 第1のポリペプチド鎖が1から3のシステイン、ならびに好ましくはアルギニン、リジン、およびオルニチンからなる群より選択される4から12の塩基性アミノ酸を含み、第2のポリペプチド鎖が1から3のシステインならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群より選択される4から12の酸性アミノ酸を含み、該ポリペプチド鎖のそれぞれが、そのC末端またはN末端で生物活性化合物に結合しているという特徴を有する、1から3のシステインに基づくジスルフィド架橋を介して化学結合した第1および第2のポリペプチド鎖を含むキメラポリペプチドは、多量体の薬剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はシステインに基づくジスルフィド架橋により化学結合したキメラポリ
ペプチド、その製造方法、および使用に関する。
【0002】 人工的な二機能性または多機能性の生物活性化合物は、診断および治療におい
て、広範囲の利用方法を持つ可能性がある。二機能性蛋白質は、特に好ましくは
免疫診断および免疫療法に使用される。例えば、抗原に対する抗体または抗体断
片の特異的な結合を利用して、異なる生物機能を持つ蛋白質をこの特異的な抗原
に向けることができる。例えば、一方は腫瘍細胞上、他方はマクロファージ上に
存在する2つの抗原に特異的な抗体を利用して、キラー細胞を腫瘍に向けること
ができる(Bohlen, H.ら、Blood 82 (1993) 1803-1812)。このような二重特異
性抗体は、各々の単一特異性抗体を生産する2つのハイブリドーマ細胞を融合さ
せてクアドローマ細胞を形成することにより生産できる(Milstein, C.およびCu
ello, A.C., Nature 305 (1983)537-549)。これらの細胞は、もともとの2つの
抗体に加えて二重特異性抗体も生産できる。しかし、二重特異性蛋白質を得るた
めのこの方法は、抗体に限定されている。さらに、発現された抗体の15%しか所
望の二重特異性を示さない。これらの抗体を労働集約的な精製法を用いて混合物
から単離する必要がある。
【0003】 二重特異性抗体および他の二重特異性蛋白質を生産するためのより効率的な方
法は、所望の性質を持つ2つの蛋白質の化学架橋に基づく(Fanger, M.W.ら、Cri
t.Rev. Immunol. 12 (1992) 101-24)。この架橋は、蛋白質のアミノ基またはシ
ステイン残基と反応する二機能性リンカー分子によって行われる。例えば後者の
場合、1つの蛋白質のシステイン残基を5,5'-ジチオビス-(2-ニトロ安息香酸)(DT
NB)によって活性化し、還元型のシステイン残基を含む第2の蛋白質を添加すると
、ジスルフィドが形成され、これにより2つの蛋白質の共有結合が形成される。
通常ホモダイマーの形成される割合が高い非特異的な架橋と比較して、この方法
では、ヘテロダイマーの二機能性蛋白質の収量は相当に改善することができる。
しかし、化学架橋では、均一でない物質が生成する。この不均一性は二重特異性
コンストラクトの安定性および機能にマイナスの影響を与える可能性がある(De
binski, W.およびPastan, I., Bioconjug. Chem.5 (1994) 40-43)。
【0004】 二機能性蛋白質を生産するために最も頻繁に用いられる方法は、遺伝子レベル
で融合蛋白質を形成させることである。このために、遺伝子工学的方法により蛋
白質のcDNAの5'末端を、リーディングフレームを保持しながら別の蛋白質遺伝子
の3'末端に結合させ、このコンストラクトを原核生物または真核生物中で組換え
発現させる。このようにして、たとえば腫瘍に対する抗体断片が細菌毒素に融合
された(Brinkmann,U.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991) 8616-8620)
。この免疫毒素は腫瘍細胞を特異的に殺す能力を持つ。細菌毒素のほかに、RNア
ーゼおよび他の酵素とも抗体断片の融合物は生産され、培養細胞においてその機
能が調べられた(Newton, D.Lら、J. Biol. Chem. 267 (1992) 19572-19578; Ze
we, M. ら、Immunotechnol. 3 (1997)127-136)。
【0005】 いわゆるダイアボディは、別の融合蛋白質の形態である(Holliger, P.ら、Pr
oc.Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 6444-6448)。ダイアボディは、異なる特
異性を持つ2つのFv断片を含む。1つの抗体の2つの可変ドメインがリンカーによ
って互いに結合しているscFv断片とは異なり、ダイアボディの場合は1つの抗体
のVLドメインが二次抗体のVHドメインに融合している。このために使用されるリ
ンカーの構造は、2つのドメインの分子内会合を防止するようになっており、か
わりにこれらの2つのコンストラクトの分子間会合が起こるため、二機能性ダイ
アボディが形成される。
【0006】 近年、二機能性蛋白質の生産のために一般的に利用されるシステムを開発する
様々な試みが行われてきた。そのために、指定された会合を与えるために、二量
化ドメインとして、蛋白質がペプチドまたは蛋白質と遺伝子レベルで融合された
。二量化ドメインとして、抗体のCLおよびCH1ドメイン、カルモジュリン、およ
び対応する結合ペプチド、またはストレプトアビジンが使用された(Muller, K.
M.ら、FEBS Lett. 422(1998) 259-264; Neri, D.ら、BioTechnology 13 (1995)
373-377; Dubel, Sら、J.Immunol. Methods 178 (1995) 201-209)。さらに、
ロイシンジッパーおよび両親媒性らせんのような短いペプチド配列も、指定され
たヘテロ二量化のための機能的ユニットとして使用することができる(Kostelny
, S.A.ら、J. Immunol. 148 (1992) 1547-1553)。しかし現在まで、一般的に応
用できる技術として確立されている指定された会合方法は存在しない。
【0007】 本発明の目的は、安定的で容易に製造することができるキメラポリペプチドを
提供することである。
【0008】発明の概要 本発明は、第1のポリペプチド鎖が1つから3つのシステイン、ならびに好まし
くはアルギニン、リジン、およびオルニチンからなる群より選択される4から12
の塩基性アミノ酸を含み、且つ第2のポリペプチドが1つから3つのシステイン、
ならびに好ましくはグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群より選択され
る4から12の酸性アミノ酸を含み、各々のポリペプチド鎖が生物活性化合物にC末
端および/またはN末端で結合しているという特徴を有する、1つから3つのシステ
インに基づくジスルフィド架橋により化学結合した第1および第2のポリペプチド
鎖を含むキメラポリペプチドを含む。
【0009】 本発明の好ましい態様では、生物活性化合物は互いにその化学構造が異なる。
さらに好ましくは、その化合物は抗体、抗体断片、または酵素である。
【0010】 さらに本発明は、第1のポリペプチド鎖が1つから3つのシステイン、ならびに
好ましくはアルギニン、リジン、およびオルニチンからなる群より選択される4
から12の塩基性アミノ酸を含み、且つ第2のポリペプチドが1つから3つのシステ
イン、ならびに好ましくはグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群より選
択される4から12の酸性アミノ酸を含み、各々のポリペプチド鎖が生物活性化合
物にC末端および/またはN末端で融合している、1から3のシステインに基づくジ
スルフィド架橋により化学結合した第1および第2のポリペプチド鎖を含むキメラ
ポリペプチドの製造方法を含んでおり、この方法は各々が生物活性ポリペプチド
に結合している2つのポリペプチド鎖をコードする2つの核酸が、同時または別々
に原核生物または真核生物の宿主細胞中で発現され、ポリペプチドが宿主細胞ま
たは上清から回収され、酸化剤処理によってジスルフィド架橋が形成され、キメ
ラポリペプチドが単離されるという特徴を有する。
【0011】 本発明に係るキメラポリペプチドの製造方法を用いると、ヘテロダイマーが所
望の産物である場合に、ホモダイマーの形成を本質的には避けることが可能であ
る。
【0012】 本発明は、イオン強度の低い水溶液中で、4から12の塩基性アミノ酸を含むポ
リペプチド鎖が4から12の酸性アミノ酸を含むポリペプチド鎖と特異的に相互作
用するという事実に基づいている。両方のポリペプチドがさらにシステインを含
んでいる場合に、酸化条件またはやや還元性の条件でも、その後の反応で両ポリ
ペプチド鎖のシステイン間に特異的にジスルフィド架橋が形成され得る。好まし
くは、1つのポリペプチド鎖の2つのシステイン間の距離は1アミノ酸より多く、
好ましくは3から6アミノ酸ある。これは、両ポリペプチドのシステインの量およ
び距離が、好ましくは同一で、両ポリペプチドのシステインが互いに向かい合っ
て位置していると、1つの鎖の酸性アミノ酸と別の鎖の塩基性アミノ酸も向かい
合うことを意味する。システイン間の距離が同一であることは、システインの間
に、同じ量のシステイン以外のアミノ酸が位置していることを意味する。
【0013】 本発明に従うと、第1および第2のポリペプチド鎖を介して、2つまたはそれ以
上の生物活性化合物を、安定的に、且つ空間的に定めた位置で共有結合により結
合させることが可能である。
【0014】 本発明の別の好ましい態様では、第1および第2のポリペプチド鎖は、あらかじ
め選択された指定の形態において、システインと塩基性および酸性アミノ酸の位
置が、酸性および塩基性アミノ酸の間のイオン性相互作用ならびに1つまたは複
数のジスルフィド架橋による結合を最適化できるように設計されている。このよ
うにして、生物活性化合物を、互いに対してあらかじめ選択した空間位置まで持
ってくることが可能である。例えば、第1および第2のポリペプチド鎖が、N末端
が接触し、C末端が接触するような位置にある場合、両方の生物活性化合物がポ
リペプチド鎖のC末端(またはN末端)と結合していると、化合物は互いに対して
非常に近い空間位置に配置され得る。生物活性化合物のうちの1つがポリペプチ
ド鎖のC末端、もう一方がN末端と結合している場合には、互いの空間的距離はは
るかに大きくなる。そのような場合、二量化した第1および第2のポリペプチド鎖
は、本質的には2つの生物活性化合物の間、好ましくは2つのポリペプチドの間の
直鎖状リンカーとなる。4つの生物活性化合物を、互いに対して相対的な空間位
置に持ってくる場合にも類似した手順を採用することができる。
【0015】発明の詳細な説明 本発明に係る「キメラポリペプチド」とは、第1および第2のポリペプチド鎖を
含むポリペプチドを意味し、これらのポリペプチド鎖は化学的に異なり、且つ異
なる電荷を持つ複数のアミノ酸を介したイオン性相互作用の結果として互いに結
合し、さらにシステインのジスルフィド架橋を介して互いに共有結合するように
構成されている。キメラポリペプチドの生産においては、ポリペプチド鎖中の酸
性アミノ酸および塩基性アミノ酸の間のポリイオン性相互作用によってポリペプ
チドが互いに対してあらかじめ選択された位置にもたらされ、ここに位置するこ
とでジスルフィド架橋を容易に形成することができる。キメラポリペプチドの目
的は、望ましくない副産物(例えば、ホモダイマー、または生物活性化合物が互
いに対して好ましくない位置にあるキメラ産物)を避けながら、生物活性化合物
を互いに安定的にあらかじめ決定された様式で結合させることである。通常は、
第1および第2のポリペプチド鎖自身は、実質的な生物活性を示さない。これらは
、生物活性化合物の結合を助けるための補助剤に過ぎず、生物活性化合物は、二
量体または多量体の形態で、あらかじめ選択された薬学的効果を発揮する。ポリ
ペプチド鎖の間で強力なイオン性相互作用を形成するためには、ポリペプチド鎖
上で互いに向かい合う位置にある塩基性アミノ酸および酸性アミノ酸のpKa値が
できるだけ異なることが好ましい。したがって、塩基性アミノ酸のpKa値は約10
またはそれ以上であるのに対して、酸性アミノ酸のpKaは約4.5またはそれ以下で
あるのが好ましい。
【0016】 ポリペプチド鎖は、1から3のシステイン、および第1のポリペプチドの場合は
好ましくはアルギニン、リジン、およびオルニチンからなる群より選択される4
から12の別のアミノ酸を含む。第2のポリペプチドも、1から3のシステイン、お
よび好ましくはグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群より選択される4
から12の酸性アミノ酸を含む。好ましい態様では、ポリペプチドは6から10の塩
基性または酸性アミノ酸を含む。さらに好ましくは、各ポリペプチド鎖はシステ
イン残基を含む。しかし、そのpKa値が相当に異なり(好ましくは約5またはそれ
以上の単位差であり)、イオン性相互作用によって2つのポリペプチド鎖が結合
する限り、他の酸性アミノ酸もしくは塩基性アミノ酸、またはそれらの誘導体も
本発明にしたがって使用することができる。
【0017】 生物活性化合物としては、任意の望ましい生物活性を有する化合物を使用する
ことができる。
【0018】 したがって、本明細書において使用される「生物活性化合物または生物活性物
質」という用語は、鳥類、およびヒトを含む哺乳類を含むがこれらに限定される
ことのない動物にインビボで投与された場合に生物学的効果を示す、薬剤;ペプ
チド、蛋白質、炭水化物(単糖、オリゴ糖、多糖を含む)、核蛋白質、ムコ蛋白
質、リポ蛋白質、合成ポリペプチドもしくは蛋白質、もしくは蛋白質に結合した
小分子、糖蛋白質、ステロイド、核酸(cDNAを含む任意のDNA,もしくはRNA、ま
たはそれらの断片)、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド(アン
チセンスオリゴヌクレオチドを含む)、遺伝子、脂質、ホルモン、ビタミンCお
よびビタミンEを含むビタミンなどの生物学的高分子;またはその組み合せを含
む、有機分子を意味する。
【0019】 本明細書において使用される「薬剤」という用語は、疾患または障害の治療、
矯正、または予防のために医薬品として内服または外用される任意の物質を意味
し、免疫抑制剤、抗酸化剤、麻酔剤、化学療法剤、ステロイド(レチノイドを含
む)、ホルモン、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、増殖抑制剤、抗ヒスタミ
ン剤、抗凝固剤、抗光線加齢剤(antiphotoaging agent)、メラノトロピックペプ
チド、非ステロイドおよびステロイド性抗炎症化合物、ならびにUV吸収剤を含む
放射線吸収剤を含むが、これらに限定されることはない。
【0020】 「生物活性物質」という用語もまた、殺虫剤、農薬、殺真菌剤、殺鼠剤、なら
びに植物栄養剤および成長促進剤などの物質を含む。
【0021】 好ましくは2000または3000から数百万の範囲の分子量を持つ高分子は、生理機
能の重要な調節因子である。生物学的に活性な高分子のサイズおよび3次構造は
、それと相互作用する受容体、酵素、核酸、または他の生物学的媒介物との高度
に特異的な相互作用を通して、重要な化学的情報を伝える。血栓症、炎症、およ
び免疫応答などの多様な事象が、少なくとも部分的には高分子の3次限的トポロ
ジーによって制御されている。高分子の表面は、分子に、イオン的特性、疎水性
特性、立体的特定、静電気的特性、および水素結合特性を与え、受容体結合の分
子鋳型を提供する、幾何学的に分散したグループで構成されている。
【0022】 グリコサミノグリカン(GAG)とも呼ばれる酸性ムコ多糖は、通常はD-グルコサ
ミンまたはD-ガラクトサミンであるアミノヘキソースの誘導体を各々が含む二糖
ユニットの繰り返しを含む。酸性ムコ多糖の繰り返す二糖ユニットの2つの糖の
うちの少なくとも1つは、pH 7で負の電荷を持つカルボン酸基または硫酸基のい
ずれかの酸性基を含む。重要な酸性ムコ多糖はヘパリンで、これは動脈の内面に
特に豊富な特定の種類の細胞によって生成される。ヘパリンは血液凝固の非常に
強力な阻害因子であり、循環血中の血塊形成の予防に役に立つ(Jackson, R. L.
ら、Physiol. Reviews 71 (1991) 481-522)。
【0023】 GAGが細胞過程(血管新生、神経細胞の発生、平滑筋細胞の増殖)、遺伝子発
現、およびホメオスタシスの仲介物質であることは知られている。GAGはDNAと相
互作用する(Davidson, J. N.「核酸の生化学(The biochemistry of the nuclei
c acids)」Methuem、ロンドン、1969)。
【0024】 DNAとGAG(例えば、ヘパリン)のいずれも、生物活性に必須のポリアニオンの
電荷を持つ直線状のポリマーである。DNAらせんの強直さにより、所望の生物学
的相互作用を得るように特異的な配列を持つ核酸が提示されることが保証される
【0025】 蛋白質は細胞中で最も豊富な高分子であり、乾燥重量の半分以上を占める。蛋
白質とペプチドは、3次元構造により化学的情報を有することが知られている。
天然に存在するいくつもの蛋白質が、他の化学基に結合している。例えば、リポ
蛋白質、糖蛋白質、リン蛋白質、血液蛋白質、プラビン蛋白質、金属蛋白質があ
る。
【0026】 蛋白質は多様な生物機能を持っている。その例には、輸送蛋白質(例えば、ヘ
モグロビンおよび血清アルブミン)、栄養および貯蔵蛋白質(例えば、グリアジ
ン、オバルブミン、カゼイン、およびフェリチン);収縮性または運動性蛋白質
(例えば、アクチン、ミオシン、チューブリン、およびダイニン);構造蛋白質
(例えば、ケラチン、フィブロイン、コラーゲン、エラスチン、およびプロテオ
グリカン);防御蛋白質(例えば、抗体、免疫グロブリン、フィブリノーゲン、
トロンビン、ボツリヌス毒素、ジフテリア毒素、蛇毒、およびリシン);酵素、
および調節蛋白質(例えば、インスリン、成長ホルモン、コルチコトロピン、お
よびリプレッサー)などがあるが、これらに限定されることはない。
【0027】 ホルモンは、甲状腺刺激ホルモン放出因子、コルチコトロピン、バソプレッシ
ン、インスリン、およびグルカゴンなどのペプチドホルモン;アドレナリンおよ
びチロキシンなどのアミンホルモン;コルチゾル、βエストラジオール、テスト
ステロン、およびプロゲステロンなどのステロイドホルモンに分類される。この
ほかに重要なホルモンには、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン
放出ホルモン、ソマトスタチン、プロラクチン放出ホルモン、プロラクチン阻害
ホルモン、FSHおよびLH放出ホルモン、バソプレッシン、ならびにオキシトシン
などが含まれるがこれらに限定されるわけではない。
【0028】 治療用の生物活性化合物も、抗腫瘍薬、抗感染薬、抗うつ薬、抗ウイルス薬、
鎮痛薬、抗不安薬、およびホルモンからなる群より選択されうる。
【0029】 本発明の組成物および方法に有用な抗腫瘍薬の代表例には、メトトレキセート
、タクソール、腫瘍壊死因子、クロラムブシル、インターロイキン、ブレオマイ
シン、エトポシド、フルオロウラシル、およびビンブラスチンが含まれる。
【0030】 本発明の組成物および方法に有用な抗感染薬の代表例には、ペンタミジン、メ
トロニダゾール、ペニシリン、セファレキシン、テトラサイクリン、およびクロ
ラムフェニコールが含まれる。
【0031】 本発明の組成物および方法に有用な抗ウイルス薬の代表例には、ジデオキシシ
チジン、ジドブジン、アシクロビル、インターフェロン、ジデオキシイノシン、
およびガンシクロビルが含まれる。
【0032】 本発明の組成物および方法に有用な抗不安薬および鎮静剤の代表例には、ジア
ゼパムなどのベンゾジアゼピン、フェノバルビタールなどのバルビツール酸塩、
およびバスピロンおよびハロペリドールなどの他の化合物が含まれる。
【0033】 本発明の組成物および方法に有用なホルモンの代表例には、エストラジオール
、プレドニゾン、インスリン、成長ホルモン、エリスロポエチン、およびプロス
タグランジンが含まれる。
【0034】 本発明の組成物および方法に有用な抗うつ薬の代表例には、フルオキセチン、
トラゾドン、イミプラミン、およびドキセピンが含まれる。
【0035】 本発明の組成物および方法に有用な鎮痛薬の代表例には、ハイドロモルフィン
、オキシコドン、フェンタニール、モルフィン、およびメペリジンが含まれる。
【0036】 上記の治療用の生物活性化合物のリストは例として挙げたものであり、本発明
の範囲をいかなる様式においても限定するものではない。本発明の組成物および
方法においては、局所麻酔剤、ビタミン、ワクチン、創傷治癒促進剤、免疫抑制
剤、制吐剤、抗マラリア剤、抗真菌剤、抗精神病薬、解熱薬、凝血薬、利尿剤、
カルシウムチャネルブロッカー、気管支拡張剤などを含め他の多くのクラスの薬
学的化合物が有用であると考えられる。
【0037】 生物活性化合物を、当技術分野で周知の方法、例えばアミノ基またはカルボキ
シル基のような反応性の基を介した化学結合にしたがって、ポリペプチド鎖に結
合することができる。そのような方法は、例えばMattsonら、Mol. Biol. Rep. 1
7 (1993) 167-183に記述されている。
【0038】 生物活性化合物がポリペプチドの場合には、第1および第2のポリペプチド鎖の
配列ならびに生物活性化合物の1つまたは複数のポリペプチドの配列の両方を含
む核酸を作製し、原核宿主細胞または真核宿主細胞中で組換えによって発現させ
、組換えポリペプチドを回収し、本発明にしたがってこれらを結合させることも
可能である。
【0039】 生物活性化合物が2つの異なる抗体または抗体断片(Fab、Fc、Fv断片)である
か、または1つの生物活性化合物が抗体または抗体断片であって、他方がキナー
ゼ、ホスファターゼ、RNアーゼ、毒素のような酵素活性、もしくは例えば転写因
子のような特異的な結合活性を持つポリペプチドである、キメラポリペプチドを
作製することが特に好ましい。
【0040】 また第1の生物活性化合物として細胞表面に特異的に結合する物質を使用し、
他の生物活性化合物がこの部位で治療効果を発揮する薬学的活性化合物であるこ
とが好ましい。これは例えば、第1の生物活性化合物が例えばCD40またはCD40L(
CD154)のような細胞表面分子のリガンドであり、第2の生物活性化合物がアンチ
センス核酸または細胞増殖抑制性化合物のような薬学的活性化合物となる。
【0041】 治療的な利用の他の例では、第1の生物活性化合物として腫瘍特異的抗体を使
用し、第2の生物活性化合物はシュードモナスの内毒素、ジフテリア毒素、p53の
産生を活性化する転写因子、または他のアポトーシス誘導因子を含む。
【0042】 生物活性化合物の別の組み合せは、CD4のgp120-HIV結合ドメインと、ウイルス
の成熟を阻止するか、または感染細胞を殺す任意の抗ウイルス剤または細胞毒性
のある薬剤との会合である。
【0043】 多価のシステムを1つの化合物(必ずしも生物活性を持つとは限らない)とし
て使用し、ポリイオン性相互作用による共有結合、および異なる生物活性化合物
のジスルフィド架橋を可能にすると、本発明によって二機能のみならず多機能性
のオリゴマーも作製できる。例えば、表面にいくつかのポリイオンペプチド配列
を示すウイルスシェルは、そのような多価マトリックスを提供することができる
【0044】 本発明にしたがって、生物活性ポリペプチドに各々結合した2つのポリペプチ
ド鎖をコードする核酸が、同時または別々に原核宿主細胞または真核宿主細胞中
で発現され、宿主細胞または上清からポリペプチドが回収され、酸化剤処理でジ
スルフィド架橋が形成され、そのキメラポリペプチドが単離される。このような
「ナチュレーション法(naturation method)」は、例えば米国特許第4,933,434
号、ページ453、363、および米国特許第5,593,865号に記述される。
【0045】 本発明にしたがい、第1の段階では、中性または弱塩基性pH(好ましくはpH 7
から8.5)および低イオン強度(好ましくは0〜200 mmol/l NaCl)において、第1
および第2のポリペプチド鎖がイオン性相互作用によって結合される。第2の段階
では、ポリペプチド鎖がジスルフィド架橋を介して直接的に共有結合され、それ
により酸化または弱い還元条件において混合したジスルフィドが形成され、ジス
ルフィド架橋を介して2つのポリペプチド鎖が結合される。本発明の好ましい態
様では、GSSGと共にGSHが使用され、中性または弱塩基性のpH値において、GSH:G
SSG比が5:1から1:5となる。
【0046】実施例 以下の実施例、参考文献、配列表、および図面は、本発明の理解を助けるため
に提供されるものであって、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲により
規定される。本発明の精神から逸脱することなく、手順に修正を加えることがで
きると理解される。
【0047】実施例1 ポリイオン性ペプチドの特異的会合および共有結合 a) 会合および結合ポリイオン性ペプチド を用いて、ポリイオン性相互作用およびジスルフィド結合を介した特異的会合お
よび共有結合が分析された。全てのペプチドを、Fmoc法にしたがってABIアプラ
イドバイオシステム(ABI Applied Biosystem)ペプチド合成機431Aで合成した。1
mMペプチドを20 mMホウ酸ナトリウムpH 8.5、2 mM EDTA中に溶解した(Ellman,
G. L., Arch. Biochem. Biophys. 82 (1959) 70-77にしたがって濃度を確認し
た)。
【0048】 ジスルフィド結合ヘテロダイマーの形成を、陽イオン交換クロマトグラフィー
によって分析した。試料はPOROs 20 HSカラム(カラム容積1.7 ml、50 mMリン酸
ナトリウムpH 7.0により平衡化)にかけられた。溶出は流速4 ml/分で0 M〜2 M
までのNaClの直線勾配で行われた。ペプチドACK8は1070 mM NaClで、ACK8および
グルタチオン(ACK8-SG)の混合ジスルフィドは800 mM NaClで、ジスルフィド結
合ヘテロダイマーACK8-ACE8は350 mM NaClで溶出された。ACE8はカラムに結合し
なかった。ペプチドの量は、205 nmにおける吸光度のピーク領域の総和によって
定量された(Pharmacia Unikornソフトウェア)。
【0049】 ペプチドACK8およびACE8の会合の特異性を、異なるパラメータに依存して測定
した: b) イオン強度の影響 c) ペプチド間のジスルフィド結合の形成のための酸化還元電位の重要性 d) 電荷のないシステイン含有ペプチドおよび蛋白質を用いた会合の競合
【0050】 b) ACE8およびACK8の間のジスルフィド結合の形成に対するイオン強度(NaCl濃
度)の影響 200μM ACK8を500 mMホウ酸ナトリウム(pH 8.5)緩衝液中の10 mM GSSGを用い
て混合ジスルフィド型ACK8-SGに転換した。この混合ジスルフィドはイオン交換
クロマトグラフィーによって精製された。20μM ACE8および混合ジスルフィドAC
K8-SGの特異的会合および酸化還元反応は、0 M〜1 Mの濃度のNaClの存在下で、2
0 mMホウ酸ナトリウムpH 8.5、2 mM EDTA、25℃で行われた。30分のインキュベ
ーション後、20 mMヨードアセトアミドを添加して、更なる酸化還元反応をブロ
ックした。ヘテロダイマーの形成の分析は、上述のように陽イオン交換クロマト
グラフィーで行われた。
【0051】 ジスルフィド結合ヘテロダイマーACK8-ACE8は、200 mM以下のNaCl濃度で定量
的に形成された。より高い塩濃度では、ペプチド間のポリイオン性相互作用が抑
制され、ヘテロダイマーの形成量は減少した。
【0052】 c) ACE8およびACK8の間のジスルフィド結合の酸化還元電位への依存性 25℃、2.5 mM酸化還元物質(GSHおよびGSSG)の存在下で、50μM ACK8および7
5μM ACE8を、100 mMリン酸ナトリウムpH 8.5、2 mM EDTA中でインキュベートし
た。緩衝液の酸化還元電位は、GSHおよびGSSGの比率を変えることで変化させた
。5時間のインキュベーション後、100 mMヨードアセトアミドを添加して反応を
停止させ、上述のような分析が行われた。
【0053】 ペプチドACE8およびACK8の間の特異的な会合および共有結合は、還元条件下で
もおこった。ヘテロダイマーACE8-ACK8の形成は、GSH2/GSSG = 1:1 (mM)の酸化
還元条件で定量的だった。
【0054】 d) ACK8およびACE8の間のジスルフィド結合形成の競合 ACE8およびACK8の間のジスルフィド結合形成の特異性は、競合法で分析された
。25μM ACK8および37.5μM ACE8を250μMのラミニンノナペプチド の存在下で、100 mMホウ酸ナトリウムpH 8.5、2 mM EDTA、0.5 mM GSH、2 mM GS
SGとインキュベートした。別の実験では、1.65 mM GSHおよび0.85 mM GSSGによ
って緩衝液中の酸化還元電位が作られた。対照として、ラミニンペプチド非存在
下同じ実験が行われた。2時間のインキュベーション後、酸性化(pH 2)によっ
て反応がブロックされ、RP-HPLCによって産物が分析された。対照におけるヘテ
ロダイマーACE8-ACK8の量を100 %として、競合実験におけるヘテロダイマーの形
成量が分析された。
【0055】 第2の競合物質としてα-グルコシダーゼ(68.1 kDa)を使用した。この蛋白質
には、低分子チオール試薬と接触可能な5つのシステインが含まれている。60μM
α-グルコシダーゼの存在下のホウ酸ナトリウムpH 8.5、2 mM EDTA中で、25μM
ACK8および37.5μM ACE8をインキュベートした。2つの異なる酸化還元条件は、
上述と同じであった。分析はRP-HPLCで行った。
【0056】 ヘテロダイマーで共有結合したACE8-ACK8の形成は、それぞれ過剰量のラミニ
ンペプチドおよびα-グルコシダーゼの添加の影響を受けなかった。ACE8-ACK8へ
の二量化は、ACE8およびACK8のポリイオン性相互作用に基づいており、高度に特
異的である。
【0057】実施例2 ポリイオン性融合ペプチドを用いた、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomy
cescerevisiae)由来のFab断片およびα-グルコシダーゼを含むキメラオリゴマ
ーの形成 MAb33のFab断片の抗原結合活性をポリイオン性融合ペプチドを用いてα-グル
コシダーゼの酵素活性と組み合わせると、二機能性を有する抗体誘導体(キメラ
ポリペプチド)が形成される。
【0058】 Mab33のFab断片は、C末端にさらにシステイン残基を持つ負に荷電した融合ペ
プチドを含むように遺伝的に改変された。 第2のポリペプチド鎖は、サッカロミセス・セレビジエ由来のα-グルコシダーゼ
PIの誘導体であって、正の電荷を持つC末端融合ペプチド を持つ。
【0059】 キメラ蛋白質の形成には、以下の段階が含まれる: I. C末端にポリイオン性融合ペプチドを持つFab断片の生産 a) 発現ベクターの作製 b) 大腸菌(E. coli)での発現、封入体の単離、可溶化、および再生 c) 陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製 II. C末端にポリイオン性融合ペプチドを持つα-グルコシダーゼの生産 a) 発現ベクターの作製 b) 大腸菌での可溶性型の発現 c) イオン交換クロマトグラフィーによる精製 III. ポリイオン性融合ペプチドを介したジスルフィド結合キメラ蛋白質の形成
【0060】 I. C末端にポリイオン性融合ペプチドを持つFab断片の生産 a) 発現ベクターの作製 キメラ蛋白質の1部として、mAb(モノクローナル抗体)33のFab断片が使用さ
れた。mAb 33は、二量体の筋肉特異的ヒトクレアチンキナーゼ(CK-MM E. C. 2.
7.3.2)に対するサブクラスκIgG1のマウス抗体である(Buckelら、Gene 51 (19
87) 13)。mAb33のFab断片には、軽鎖κ(25 kD)および重鎖fd(25 kD)の間に
ジスルフィド結合が含まれている。
【0061】 a1) 軽鎖(κ)をコードするプラスミドの作製 mAb 33の軽鎖は、プラスミドpBR223-3の誘導体であるプラスミドpBT111にコー
ドされている。配列およびクローニング戦略は、欧州特許第0 364 926 B1号に記
述されている。発現のために、このプラスミドをプラスミドpUBS520(Brinkmann
ら、Gene85 (1989) 109-114)を含む大腸菌宿主細胞に形質転換した。
【0062】 a2) C末端にポリイオン性ペプチド配列を持つ重鎖の融合蛋白質をコードするプ
ラスミドの作製 ベクターの作製は、mAb 33(Buckelら、Gene 51 (1987) 13)の重鎖をコード
するプラスミドp12016から始まった。重鎖のCh2およびCh3ドメインをコードする
ヌクレオチド配列が削除され、プライマー変異導入法を用いてC末端にシステイ
ンを持つポリイオン性ペプチドをコードするヌクレオチド配列をch1ドメインに
付加した。このヌクレオチド配列には、大腸菌での発現を容易にするために、β
ガラクトシダーゼのN末端の5つのアミノ酸残基(ITNSR)をコードする補助的コ
ドンが5'末端に含まれている。fd断片をコードするcDNAをプライマー1および2を
用いてPCRにより増幅した。5'末端に、NdeI制限酵素切断部位を挿入した。3'末
端にHindIII制限酵素切断部位およびさらなるシステインを含むポリイオン性ペ
プチドのヌクレオチド配列を挿入した。
【0063】 PCRは以下のプライマーを用いて行われた。 フォワードプライマー:N末端のNdeI Fd(配列番号:6): fdD10SCP変異体のリバースプライマー(配列番号:7):
【0064】 改変されたcDNA断片を、T7発現系に属するベクターpET-11a(Novagen)にクロ
ーニングした(Studier, F.W.,およびMoffatt, B.A., J. Mol. Biol. 189 (1986
) 113)。発現のために、このベクターをプラスミドpUBS520を含む宿主細胞に形
質転換した。プラスミドpUBS520(Brinkmannら、Gene 85 (1989) 109-114)は、
大腸菌にはほとんど存在しないコドンAGAおよびAGGの翻訳に必要なtRNAをコード
している。
【0065】 b) 大腸菌での発現、封入体の単離、可溶化および再生 培養は、グルコースを唯一の炭素源とした無機塩培地を用い、発酵槽中で5リ
ットルのスケールで37℃において行われた。0.4 mM IPTGによる誘導の4時間後に
、遠心(5000rpm;20分;4℃)によって細胞を回収した。バイオマスを-70℃で
保存した。過剰発現された組換え蛋白質を、細菌のサイトゾル中の封入体中に蓄
積した。封入体はT.E. Creighton編:蛋白質の機能:実際的アプローチ(Protein
function; A Practical Approach)、57 (1996)中、Rudolphら、「蛋白質のフォ
ールディング(Folding Proteins)」にしたがって単離され、-20℃で保存された
。蛋白質凝集物を6 M塩酸グアニジン(100 mM TRIS-HCL pH 8.5; 1 mM EDTA; 10
0 mM DTT)中で、4℃で一晩可溶化した。0.5 M HClを用いてpHを4.0まで低下さ
せ、可溶化されなかった物質を遠心(20,000 rpm;30分;4℃)によって分離し
た。ジチオスレイトールを除去するために、溶液を4 M塩酸グアニジンpH 4.0に
対して十分に透析した。蛋白質濃度は、標準の変性した還元型Fab断片を基準と
して、分光測定によって決定された。
【0066】 変性蛋白質を、再生緩衝液(1 M Tris/HCl pH 8.0; 2 mM EDTA; 2.4 mM GSSG/
0.6 mM GSH)で100倍希釈し、最終蛋白質濃度を10μg/mlとした。再生は、15℃
で150時間かけて10リットルのスケールで行われた。再生したFab断片の機能性を
、Buchner, J.およびRudolph, R., Bio/Technology 9 (1991) 157にしたがって
、ELISAによってアッセイした。再生した蛋白質溶液は、高分子量の凝集物を除
去するために遠心され(13,000 rpm; 30分; 4℃)、クロスフロー濾過(タンジ
ェンシャルフロー(tangential flow)限外濾過;ProVario-3-System; フィルタ
ーカセット:Minisette OMEGA FSQ;カットオフ:8 kD)によって上清が濃縮さ
れた。ポリアスパラギン酸融合ペプチドを持つFab断片の未透過物を(FabD10SCP
と略す)、20 mM Tris/HCl pH 8.0に対して透析した。
【0067】 c) 陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製 Fab断片FabD10SCPをResource Qカラム(Pharmacia; カラム容積6 ml)を用い
た陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製した。溶出は6 ml/分の流速で2
0カラム容積の20 mM Tris-HCl pH 8.0中の0 M〜1 Mの塩化ナトリウム直線勾配を
かけて行った。FabD10SCPはNaCl濃度300 mMで溶出された。この二量体は、400mM
の塩化ナトリウム濃度で溶出された高分子量のジスルフィド架橋fdD10SCP鎖から
効果的に分離されていた。
【0068】 II. C末端にポリイオン性ペプチド配列を持つα-グルコシダーゼの生産 サッカロミセス・セレビジエ由来の野生型α-グルコシダーゼは、分子量68 kD
aのモノマー蛋白質であり、ジスルフィド結合をしていない5つのシステインを持
っている。本研究では、α-グルコシダーゼPI、ならびにシステイン、グリシン
、およびプロリンを付加したデカアルギニン融合ペプチドをC末端に含む融合蛋
白質が遺伝学的に作製された。
【0069】 a) 発現ベクターの作製 Kopetzkiら、Mol. Gen. Genet. 216 (1989) 149に記述されたベクターpKK177-
3/GlucPIは、サッカロミセス・セレビジエ由来のα-グルコシダーゼPIをコード
している。この発現ベクターはtacプロモーターおよびβラクタマーゼ遺伝子を
含むpKK223-3(Brosius, J.,およびHoly, A., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81
(1984)6929)の誘導体である。このベクターはα-グルコシダーゼ遺伝子の1600
位に単一のEcoRI制限酵素切断部位を含むように改変された。10個のアルギニン
残基、ならびにシステイン、グリシン、およびプロリン残基を1つずつコードす
る融合ペプチドを、標準的なDNA組換え技術を用いたプライマー変異導入法によ
ってC末端に挿入した。PCRは以下のプライマー配列を用いて行われた: フォワードプライマーEcoRI1600(配列番号:8): リバースプライマーR10CGP(配列番号:9):
【0070】 ベクターとPCR産物をEcoRIおよびHindIIIで消化した後、これらをライゲーシ
ョンした。
【0071】 b) 大腸菌での可溶性型の発現 発現のために、ベクターを大腸菌 C600(Appleyard, R.K., Genetics 39 (195
4)440)、pFDX500(pACYC177中にLacIq(Chang, A.C.Y.およびCohen, S.N., J.B
acteriol. 134 (1978) 1141))に形質転換した。培養と誘導はKopetzkiら、Mol
.Gen. Genet. 216 (1989) 149にしたがって行った。細胞を2%グルコースを添加
したリアブロス(Luria Broth:LB)培地で37℃でインキュベートした。誘導のた
めに、リン酸(3 M)を用いてpHを7.0から5.0に低下させ、温度を24℃に低下させ
た。0.5%ラクトースの存在下での限定的誘導とともに、α-グルコシダーゼは主
に可溶性型でサイトゾルに蓄積した。誘導から6時間後に、遠心(5000 rpm; 4℃
; 10分)により細胞を回収し、10 mM K2HPO4/KH2PO4 pH 6.8; 10 mM EDTAで洗浄
した。バイオマスを-20℃で保存した。
【0072】 10 gのバイオマスを50 mlの緩衝液(10 mM K2HPO4/KH2PO4 pH 6.8; 10 mMEDTA
)に再懸濁した。高圧ホモジナイザー(Gaulin MicronLab 40; 1200バール; 2回
)により細胞を破砕した。その後、粗抽出物を15 mM MgCl2および1 U/mlベンゾ
ナーゼ(Benzonase)(メルク社、ダルムシュタット)の存在下で4℃で2時間イン
キュベートした。不溶性の細胞破片は遠心(20,000 rpm; 4℃; 2時間)によって
除去された。
【0073】 c) 陽イオン交換クロマトグラフィーによる精製 粗抽出物の上清は、Resource Sカラム(Pharmacia;6 ml)での陽イオン交換
クロマトグラフィーにより精製された。α-グルコシダーゼ活性を含む蛋白質画
分は、6ml/分の流速で20カラム容積の0 mM〜500 mM NaCl(緩衝液:10 mM K2HPO 4 /KH2PO4 pH 6.8; 10 mM EDTA)の直線勾配において350 mMのNaCl濃度で溶出さ
れた。酵素活性は、Kopetzkiら、Yeast 5 (1989) 11にしたがって、30℃で人工
基質として100 mM K2HPO4/KH2PO4 pH 6.8中の2 mM パラニトロフェニルグルコピ
ラノシド(PNPG)(Shigma)を用い、405 nmの分光測定で決定した(Kopetzkiら、
Yeast 5(1989) 11)。
【0074】 III. ポリイオン性融合ペプチドを介したジスルフィド結合キメラ蛋白質の形成 会合は、酸化還元系の存在下で20 mM Tris-HCl pH 7.5; 2 mM EDTA中で行われ
た。酸化型および還元型グルタチオンは、総濃度を2 mMとして10:1のモル比で使
用された(1.8 mM GSSG/0.2 mM GSH)。ポリペプチドを等モル量(3μmol/l)で
20℃で48時間インキュベートした。分析のため、ヨードアセトアミド(Tris-HCl
pH 8.0中、最終濃度20 mM)で反応を停止し、試料を酸化条件および還元条件下
において12%SDS-PAGE上で分離した。Fabを含むレーンはニトロセルロース上の
免疫ブロッティングによって検出された。
【0075】 または、反応産物は、Vision Workstation(BioCad Vision station; Persept
ive Biosystems)を用いて、0.75 ml/分の流速で、300 mM NaClを含む50 mM Na2 HPO4/NaH2PO4緩衝液中でゲル濾過カラム(TSKgel 2000 SWXL;TosoHaas)により
分離された。
【0076】 会合反応液200μlがカラムに注入された。画分の抗原結合機能、酵素活性およ
び二機能性が調べられた。二機能性は、変法ELISAシステムにより検出された:
ストレプトアビジンでコートしたチューブ(Roche Diagnostics GmbH)中で、ビ
オチン化クレアチニンキナーゼの存在下で、室温にて1時間インキュベーション
し、高塩濃度緩衝液(2 M NaCl;10 mM Tris-HCl pH 7.5)で2度、低塩濃度緩衝
液(10 mM Tris-HCl pH 7.5)で1度洗浄し、100 mM K2HPO4/KH2PO4 pH 6.8中の2
mM pNPGと30℃で3時間のインキュベート後、405 nmで検出した。会合は500 mM
NaClの存在下および非存在下で行った。低イオンおよび高イオン強度下で、単一
の分子種の会合も調べられた。対照として、FabD10SCPを野生型のα-グルコシダ
ーゼ蛋白質とインキュベートした。
【0077】 単独でインキュベートされた単一の分子種は、低イオン強度、高イオン強度の
いずれでも、高分子量の産物と反応することはなかった。さらにFabD10SCPは野
生型のα-グルコシダーゼとは反応しなかった。NaClの非存在下におけるFabD10S
CPとα-グルコシダーゼR10CGPとの反応は、二機能性活性を持つ産物を生じる唯
一のものだった。
【0078】実施例3 ウイルス様粒子(VLP)と抗体断片の間のポリイオン性相互作用を介した特異的会
合 ポリオーマコート蛋白質VP1のVLPおよびmAb B3のジスルフィド架橋Fv断片(ds
Fv)の共有結合は、操作されたポリイオン性ペプチド配列に基づく本発明の別
の実施例である。本発明には、VLPの生産、ds Fv断片の生産、およびその後の結
合が含まれる。
【0079】 I) VLPの生産 a) cDNAレベルでのポリイオン性ペプチドのVP1への挿入および大腸菌における
発現 b) 可溶性(変異)蛋白質VP1-Gluの精製 c) VP1-GluのVLPへのインビトロ会合 II) Fvの生産 a) ポリイオン性ペプチド配列を持つds Fvの大腸菌における発現 b) 封入体(ib)の単離と可溶化 c) ds Fv mAb B3の再生および精製 III) ポリイオン性相互作用を介したVLPとds Fvの会合および分子間ジスルフィ
ド架橋の形成
【0080】 I) VLPの生産 a)ポリイオン性ペプチドのVP1への挿入:プラスミドの作製および大腸菌におけ
る発現 ポリオーマコート蛋白質VP1は、インビトロで二十面体のVLPに会合する能力を
持つ(Salunke, D.M.ら、Cell 46 (1986) 895-904;Salunke, D.M.ら、Biophysic
al J. 56 (1989) 887-904)。プラスミドpALVP1TAC(Leavitt, A.D.ら、J. Biol
. Chem. 260 (1985) 12803-12809)は野生型蛋白質をコードし、大腸菌における
可溶性の5量体蛋白質の組換え生産を可能にする。このプラスミドに基づき、ポ
リイオン性配列がVP1表面の溶媒に露出したHI-ループに挿入された(Stehle, T.
ら、Structure 4 (1996) 165-182)。この配列は8つのグルタミン酸および1つの
システインを含む。変異VP1のクローニングのため、QuickChange(商標)位置指定
突然変異導入法キット(Stratagene)によってcDNAレベルで、配列 がアミノ酸Asn294およびTyr295の間に挿入された。
【0081】 発現のため、VP1-Gluをコードする得られたプラスミドを大腸菌(Eco B)に形質
転換した。発現株を、バイオスタット・ファーメンター(Biostat-fermenter)(Br
aun)中で30℃にて5リットルのスケールで流加法(fed-batch technique)を用い、
無機塩培地で培養した。VP1-Gluの組換え発現は、細胞密度OD600 = 20において0
.4 mM IPTGによって誘導された。誘導から6時間後、遠心(8000 g、15分)によ
って細胞を回収し、-70℃で保存した。
【0082】 b) 変異可溶性蛋白質の精製変異 VP1-Gluの調製のため、50 gの細胞を500 mlの緩衝液A(50 mM Tris HCl; pH7.
4; 5%グリセロール;2 mM EDTA; 200 mM NaCl; 4 mM DTT)中に再懸濁した。細
胞の溶解は、1ユニット/mlベンゾナーゼ、20μg/ml RNアーゼ、および完全プロ
テアーゼ阻害剤カクテル4錠(Roche Diagnostics GmbH, DE)の存在下で、高圧
分散(Gaulin, 1200バール)によって行った。溶解物を47,000 gで30分間遠心し
た。
【0083】 第1の精製および濃縮段階は、分別した飽和度17.5%と27.5%の間の硫酸アンモ
ニウム沈殿を含む。再懸濁された蛋白質は陰イオン交換カラム(Poros 20 HQ)
にかけられた。約30カラム容積の緩衝液A中において200 mMから1 M NaClの範囲
で直線勾配をかけたところ、VP1-Gluはほぼ均一な蛋白質として500 mM NaClで溶
出された。その後、溶出物を10mM塩化マグネシウムの存在下で、2.5ユニット/ml
ベンゾナーゼおよび20μg/ml RNアーゼと20℃で20分間インキュベートした。そ
の後、サイズ排除クロマトグラフィー(Pharmacia Superdex 200プレップグレー
ド、緩衝液A中)を行なって5量体のVP1をさらなる多量体および凝集物から分離
した。
【0084】 c) VP1-Gluのインビトロ会合(空のウイルス様粒子-VLP) VLPへの会合のために、精製された5量体のVP1-Gluを緩衝液B(20 mM Tris, pH
7.4;0.75 M硫酸アンモニウム;5%グリセロール;1 mM CaCl2)に対して15℃で2
日間透析した。このような条件下では、VLPの形成が誘導される。硫酸アンモニ
ウムを除去するために、VLPの溶液を緩衝液C(20 mM Tris, pH 7.4; 200 mM NaC
l; 5% グリセリン;1 mM CaCl2)に対して15℃で1日透析し、その後、4℃または
-20℃で保存した。
【0085】 II) ds Fvの生産 a) ポリイオン性ペプチド配列を持つds Fvの大腸菌における発現 シュードモナス外毒素と結合したVLドメインのcDNAをコードするベクターpUli
39-1、およびVHドメインをコードするベクターpYR 38-2(Reiter, Y.ら、Protei
nEngng. 12 (1995) 1323-1331)に基づいて、ポリイオン性融合ペプチドを持つ
ジスルフィドで安定化したFv断片が作製された。この目的のため、VLのコード配
列および外毒素部分の間に停止コドンが導入され、それによってmAb B3のVLドメ
インの発現ベクターが作製された。
【0086】 プラスミドpYR 38-2にコードされたVHドメインは、ポリイオン性配列 によってC末端が伸長された。この伸長は、QuickChange(商標)位置指定突然変異
導入法キット(Stratagene)を用いた2段階の手順で行われた。まずArgArgArgAr
gCysProをコードするオリゴヌクレオチドがVH遺伝子の3'末端に挿入された(Rei
ter, Y.ら、Protein Engng. 12 (1995) 1323-1331)。
【0087】 R8CPペプチドを含むタグを完成するために、第2の変異導入によってさらに4つ
のアルギニンが挿入された。
【0088】 b) 封入体の単離と可溶化 VHおよびVLドメインは大腸菌で封入体として別々に発現された。封入体の調製
はRudolphら(T.E. Creighton編:蛋白質の機能:実際的アプローチ(Protein fu
nction; A Practical Approach)、57 (1996)中、Rudolphら、「蛋白質のフォー
ルディング(Folding Proteins)」)の方法にしたがって行われた。封入体は-70
℃で保存された。封入体の可溶化は、同様にRudolphら(T.E. Creighton編:蛋
白質の機能:実際的アプローチ(Protein function; A Practical Approach)、57
(1996)中、Rudolphら、「蛋白質のフォールディング(Folding Proteins)」)の
方法にしたがって行われた。
【0089】 c) ds Fv mAb B3の再生および精製 ds Fv mAb B3は、可溶化したVH封入体およびVL封入体をフォールディング緩衝
液(100 mM Tris, pH 8.5; 1 mM EDTA; 0.5 Mアルギニン;1 mM GSH; 1 mM GSSG
)中で同時に希釈して再生された。再生は総蛋白質濃度30μg/mlで、VH:VL = 5:
1のモル比で行われた。再生混合液を10℃で7日間インキュベートした。その後、
47,000 gで30分遠心して凝集した物質を除去した。正しく折り畳まれた蛋白質の
場合は、VHおよびVLの間の分子間ジスルフィド架橋が形成された。可能性の再生
物は、タンジェンシャルフロー(Vario-3-System Filtron; Minisette FSQ; カ
ットオフ:8 kDa)によって濃縮し、緩衝液は緩衝液D(50 mM Tris, pH 7.5; 20
0 mM NaCl)に変えた。
【0090】 VHドメインのC末端のポリカチオン配列によって、折り畳まれたds Fvは陽イオ
ン交換クロマトグラフィーで精製できた。再生された蛋白質は、Poros20 HSカラ
ムにかけられ、緩衝液D中で0.2 M〜1 MのNaCl直線勾配をかけて溶出された。ds
Fvは、400 mM NaClで均一な蛋白質として溶出される。ds Fvの均一性は、緩衝液
Dを用いたゲル濾過(Pharmacia Superdex 75)およびSDS-PAGEをかけることによ
って示された。
【0091】 III) VLPとds Fvの共有結合 ds FvおよびVLPの指定された会合は、緩衝液E(20 mM Tris; pH 7.4; 5%グリ
セロール;1 mM CaCl2;37.5μM GSSG)中で行われた。使用されたVP1-Glu濃度
は5μMで、ds Fv濃度は2.5μMだった。反応はそれぞれ0.2 M NaClおよび0.75 M
硫酸アンモニウムの存在下で行われた。対照として、ポリイオン性配列を持たな
い野生型VP1を0.2 M NaClの存在下でds Fvと混合した。反応混合液を20℃で8時
間インキュベートした後、緩衝液Eおよび0.2 M NaClで平衡化されたゲル濾過カ
ラム(TosoHAAS TSK-Gel PW6000 XL)にかけた。VLPを含む画分はデゾキシコー
ル酸ナトリウムを用いて沈殿させ、18% SDS-PAGE(図4)およびウェスタンブロ
ットによって分析した。
【0092】 0.2 M NaClが存在し、ポリイオン性蛋白質VP1-GluおよびdsFv B3の両方がそれ
ぞれ存在する混合液でのみ、ポリイオン性融合ペプチドの間のポリイオン性相互
作用に促進されて、dsFvおよび変異VLPの間のジスルフィド架橋が形成された。0
.75 M硫酸アンモニウムの存在下では、ポリイオン性相互作用は抑制され、ジス
ルフィドは形成されなかった。同様に、対照の混合液では、dsFvと野生型VLPの
間の分子間ジスルフィド架橋は検出されなかった。これらのデータは、ポリイオ
ン性の融合ペプチドが蛋白質のヘテロダイマー形成を誘導することを示す。この
実施例では、反応パートナーのうちの1つであるVP1-Gluは多量体型のままである
ため、1つの他の機能性蛋白質の結合が可能であるのみならず、いくつかの異な
るポリイオン性タグ付き蛋白質が結合することも可能である。
【0093】参考文献の一覧
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 緩衝液中のNaCl濃度に依存するジスルフィド結合ヘテロダイマー
ACE8-ACK8の形成。ACK8(黒三角)、ACK8およびGSSGの混合ジスルフィド(ACK8-
SG、黒四角)、およびジスルフィド結合ヘテロダイマーACE8-ACK8(黒丸)の相
対量が示されている。
【図2】 緩衝液の酸化還元電位に依存するジスルフィド結合ヘテロダイマ
ーACE8-ACK8の形成。ヘテロダイマーACE8-ACK8(黒丸)および転換していないペ
プチドACK8(黒四角)の量が示されている。
【図3】 10倍過剰モル濃度のシステインを含むラミニンペプチドおよびα
-グルコシダーゼに依存するジスルフィド結合ヘテロダイマーACE8-ACK8の形成が
それぞれ分析された。異なる酸化還元系の緩衝液中で競合が行われた。
【図4】 VLPとds Fvの直接的な会合の証拠となるクーマシー染色の還元条
件下のSDS-PAGE(18%)。レーン:(1) VHおよびVLに解離したds Fv;(2) 200 mM N
aCl存在下での野生型VLPとds Fvの間の会合反応;(3) 750 mM硫酸アンモニウム
存在下でのVP1-Gluにより蓄積したVLPとds Fvとの間の会合反応;(4) 200 mM Na
Cl存在下でのVP1-Gluにより蓄積したVLPとds Fvとの間の会合反応;(5)分子量
マーカー。
【図5】 低イオン強度(TosoHaas TSK 2000 SWXL; 50 mM Na2HPO4/NaH2PO 4 pH7.0; 300 mM NaCl; 流速0.75 ml/分;カラム容積14.335 ml)におけるFabD1
0SCPおよびα-グルコシダーゼR10CGPの会合反応の溶出プロファイル。Fabおよび
α-グルコシダーゼの両方を含む分子のみを検出する二機能性アッセイ法(ELISA
変法)の結果が示されている。溶出された画分の100μlアリコートを、ストレプ
トアビジンでコートされたチューブ中でビオチン化クレアチンキナーゼ溶液(5%
ブロッキング試薬)と室温で1時間インキュベートした;高塩濃度緩衝液(2 M Na
Cl; 10 mM Tris-HCl pH 7.5)で2度、低塩濃度緩衝液(10 mM Tris-HCl pH 7.5
)で1度洗浄した後;チューブを100 mM K2HPO4/KH2PO4 pH 6.8中の800μlの2 mM
パラニトログルコピラノシドと30℃で3時間インキュベートした;参照と比較し
て405 nmの波長で吸光度を測定した。キメラ蛋白質を含む高分子量画分の二機能
性活性が最も高い。会合していないα-グルコシダーゼの存在のため、低いバッ
クグラウンドシグナルが見られる。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年7月12日(2001.7.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 シュトゥーベンラウチ ケイ−グンナー ドイツ連邦共和国 ミュンヘン ラポトシ ュトラーセ 6 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA10 BA34 CA04 DA06 EA04 GA11 GA19 HA03 4B064 AE02 AG27 CA05 CA19 CB21 CC24 CE11 DA01 4H045 AA10 AA20 BA10 BA13 BA14 BA15 BA16 BA41 CA01 CA15 DA75 EA20 FA34 FA72 FA74 GA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のポリペプチド鎖が1から3のシステイン、ならびにアル
    ギニン、リジン、および(オルニチン)からなる群より選択される4から12の塩
    基性アミノ酸を含み、且つ 第2のポリペプチド鎖が1から3のシステイン、ならびにグルタミン酸およびア
    スパラギン酸からなる群より選択される4から12の酸性アミノ酸を含み、 該ポリペプチド鎖のそれぞれが、そのC末端またはN末端で生物活性化合物に結
    合しているという特徴を有する、 1から3のシステインに基づくジスルフィド架橋を介して化学結合した第1およ
    び第2のポリペプチド鎖を含むキメラポリペプチド。
  2. 【請求項2】 第1および第2のポリペプチド鎖に結合した生物活性化合物の
    化学構造が互いに異なる、請求項1記載のキメラポリペプチド。
  3. 【請求項3】 生物活性化合物が抗体または抗体断片である、請求項1また
    は2記載のキメラポリペプチド。
  4. 【請求項4】 第1のポリペプチド鎖が1から3のシステイン、ならびにアル
    ギニン、リジン、およびオルニチンからなる群より選択される4から12の塩基性
    アミノ酸を含み、且つ 第2のポリペプチド鎖が1から3のシステイン、ならびにグルタミン酸およびア
    スパラギン酸からなる群より選択される4から12の酸性アミノ酸を含み、 該ポリペプチド鎖のそれぞれが、そのC末端またはN末端で生物活性化合物に融
    合しており、 生物活性ポリペプチドにそれぞれが結合している該2つのポリペプチド鎖をコ
    ードする核酸が、原核宿主細胞または真核宿主細胞中で同時または別々に発現さ
    れ、該ポリペプチドが宿主細胞または上清から回収され、酸化剤処理によって該
    ジスルフィド架橋が形成され、該キメラポリペプチドが単離されるという特徴を
    有する、 1から3のシステインに基づくジスルフィド架橋を介して化学結合し、第1およ
    び第2のポリペプチド鎖を含むキメラポリペプチドの製造方法。
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