JP2003346326A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ

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JP2003346326A
JP2003346326A JP2002150281A JP2002150281A JP2003346326A JP 2003346326 A JP2003346326 A JP 2003346326A JP 2002150281 A JP2002150281 A JP 2002150281A JP 2002150281 A JP2002150281 A JP 2002150281A JP 2003346326 A JP2003346326 A JP 2003346326A
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polyester film
film
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fine particles
recording medium
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Masaaki Ono
雅章 小野
Katsuya Okamoto
克哉 岡本
Kazuyoshi Fukada
一吉 深田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドロップアウトの少ない耐久性に優れたDV
CAM用の蒸着型磁気テープとできる磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの片側表面Aに、
粒径が5〜60nmの微細粒子と有機化合物を含有する
被膜が形成されてなる磁気記録媒体用ポリエステルフィ
ルムであって、該被膜表面に存在する微細表面突起の個
数が300万〜1億個/mm2 であり、かつ、幅15μ
m以上の広がりの砂状集合表面付着異物の個数が1個/
2m2 以下であるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルム、特にデジタルビデオカセットテー
プ用、データストレージテープ用等のデジタルデータを
記録する強磁性金属薄膜型磁気記録媒体の長時間にわた
る画質の向上、エラーレートの低減のために好適な磁気
記録媒体用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された家庭用デジタ
ルビデオテープは厚さ6〜7μmのベースフィルム上に
Coの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面に
ダイヤモンド状カーボン膜をコーティングしてなり、D
Vミニカセットを使用したカメラ一体型ビデオの場合に
は基本仕様(SD仕様)で1時間の録画時間をもつ。
【0003】このデジタルビデオカセット(DVC)
は、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットであ
り、a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、
b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が
劣化しない、c.雑音の妨害を受けないから高画質・高
音質が楽しめる、d.ダビングを繰り返しても映像が劣
化しない、等のメリットを持ち、市場の評価は高い。
【0004】また、この家庭用DVフォーマットをベー
スにして、蒸着型デジタルビデオテープを用いて、テー
プ走行速度を1.5倍に上げ、記録トラック幅をDVの
10μmから15μmへと広幅化し、業務用途に要求さ
れる高画質、高信頼性を実現させた同一テープ幅(1/
4インチ)のDVCAMフォーマットが1996年に開
発された。DVCAMフォーマットは高画質・高音質で
小型・軽量化を実現した業務用VTRとして、また優れ
たダビング特性、高品位の編集性能など、業務用途に優
れ、企業、プロダクション、ケーブルテレビ、ビデオジ
ャーナリストの間で極めて高い評価を得ている。
【0005】そのベースフィルムとしては、 ポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくとも片
面に密着されたポリマーブレンド体と粒径50〜500
Åの微細粒子を主体とした不連続皮膜とからなり、該不
連続皮膜には水溶性ポリエステル共重合体が含有され、
微細粒子により不連続皮膜上に微細突起が形成されたポ
リエステルフィルム(例えば特公昭63−57238号
公報)、 熱可塑性樹脂からなる層Aと、微粒子が含有された熱
可塑性樹脂からなる層Bとが積層された複合フィルム
(例えば特公平1−26338号公報)、等が使用され
ている。
【0006】しかしながらこのようなベースフィルムで
は、使用するポリエステル内に存在する異物とか、製膜
の過程で入った表面傷、製膜の過程で付着した表面コン
タミ物等による表面欠陥が存在しがちであり、該ベース
フィルムより作製されるテープのドロップアウト(D
O)が増加しがちであった。
【0007】ドロップアウトの少ないDVCテープとな
る磁気記録媒体用ポリエステルフィルムを与える事を目
的として、特開2000−25105号公報において、
ポリエステルフイルムの一方の片側表面Aに高さ10〜
50nmの微細表面突起が300万〜9000万個/m
2設けられてなるポリエステルフイルムであって、該
ポリエステルフイルムの片側表面Aに存在する高さ50
〜120nmの表面突起が4万個/mm2以下、高さ1
20nm以上の表面欠陥が400個/100cm2以下
であることを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフ
ィルムおよび該ポリエステルフィルムの表面に強磁性金
属薄膜層を設けてなる磁気記録テープが提案されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来のベースフィルムから作製した磁気テープはDV
C用テープ用としてはドロップアウトが低下し1分間の
DO個数はほぼ零個を達成したが、DVCAM用途に用
いた場合、標準テープで3時間の記録が可能であるもの
の、3時間の記録においてDOは10個程度発生しがち
である。業務用途に使用する場合、テープ全長にわたり
DOの発生の無いことが望ましく、DOを3時間に2個
以内、好ましくは零個にする要求が強まっている。
【0009】従って本発明はドロップアウトの少ないD
VCAM用蒸着型磁気テープを製造できる磁気記録媒体
用ポリエステルフィルムを与える事を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決するた
めの本発明は以下のとおりである。 1.ポリエステルフイルムの片側表面Aに、粒径が5〜
60nmの微細粒子と有機化合物を含有する被膜が形成
されてなる磁気記録媒体用ポリエステルフィルムであっ
て、該被膜表面に存在する微細表面突起の個数が300
万〜1億個/mm 2 であり、かつ、幅15μm以上の広
がりの砂状集合表面付着異物の個数が1個/2m2 以下
である磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。 2.被膜表面上における、高さ120nm以上の表面突
起や表面欠陥の個数が400個/100cm2 以下であ
る上記1に記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィル
ム。 3.片側表面Aを形成するポリエステルフィルム中に、
平均粒子径が40〜70nmの微細粒子αが0.01〜
0.10重量%、平均粒子径が70〜100nmの微細
粒子βが0.001〜0.01重量%含有されており、
かつ、微細粒子βの平均粒子径が微細粒子αの平均粒子
径より10nm以上大である上記1〜2のいずれかに記
載の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。 4.ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたは
ポリエチレン−2、6−ナフタレートである上記1〜3
のいずれかに記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィル
ム。 5.デジタル記録方式の磁気テープ用に用いられる上記
1〜4のいずれかに記載の磁気記録媒体用ポリエステル
フィルム。 6.上記1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィル
ムの片側表面Aの被膜上に強磁性金属薄膜層を設けてな
る磁気記録テープ。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとは
分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであ
ればよいが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートが好ましい。即ち、その構成
成分の80%以上がエチレンテレフタレート又はエチレ
ンナフタレートであるポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。エチレ
ンテレフタレート、エチレンナフタレート以外のポリエ
ステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオー
ル成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカル
ボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多
官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸な
どが挙げられる。
【0012】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度に混合してもよい。
【0013】本発明のポリエステルフィルムの片側表面
Aには、微細粒子と有機化合物を含有する被膜が形成さ
れており、該被膜の表面に前記微細粒子による微細表面
突起が存在し、該微細表面突起の個数が300万〜1億
個/mm2、該微細粒子の粒径が5〜60nmである。
この微細表面突起により、被膜表面上に真空蒸着により
形成される強磁性金属薄膜層の記録・再生時の磁気ヘッ
ドによる磨耗が少なくなる。微細粒子の粒径が5nmよ
り小さいと、あるいは微細表面突起の個数が300万個
/mm2より少ないと、磁気テープの磁性層表面に存在
する粒径5nm以上の微細表面突起個数が300万/m
2を下回り、強磁性金属薄膜層が記録・再生時に、ビ
デオヘッドにより磨耗してしまい適していない。微細表
面突起の粒径が60nmより大きいと、磁気テープの磁
性層表面上に発現される微細表面突起の高さが高くなり
磁気テープの出力特性が低下するので適していない。あ
るいは微細表面突起個数が1億個/mm2より多いと、
磁気テープの磁性層表面に存在する微細表面突起個数が
1億/mm2を上回り強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、
磁気テープの出力特性が低下するので適していない。
【0014】被膜表面に微細表面突起を形成させるため
に、被膜中に含有される微細粒子は、その平均粒径が5
〜60nm、より好ましくは8〜50nmであり、その
粒子種としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナの
ような無機化合物、ポリアクリル酸球、ポリスチレン球
等の有機化合物、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等
の無機粒子を核として、有機高分子で被覆した粒子等が
使用できるが、これらに限定されない。被膜層に使用さ
れる有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガ
ントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水
溶性ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、アク
リル−ポリエステル樹脂等の有極性高分子これらのブレ
ンド体が使用できるが、これらに限定されない。
【0015】本発明のポリエステルフィルムの片側表面
Aの被膜表面に存在する、幅15μm以上の広がりをも
つ砂状集合表面付着異物は、その個数が1個/2m2
下でなければならない。その個数が上記個数より多い
と、DVCAM磁気テープのDVCAMでの記録、再生
時のDO個数が3時間に1個以上となるので本発明の目
的を達成できない。即ち、磁気テープのベースフィルム
表面に、幅15μm以上の広がりをもつ砂状集合表面付
着異物が存在することが、DVCAM磁気テープにおけ
るDOの発生原因になっていることが判明したので、本
発明では、その幅15μm以上の広がりの砂状集合表面
付着異物を1個/2m2 以下とするものである。なお、
幅15μm未満の広がりしかない砂状集合表面付着異物
は、それによりDVCAMテープの記録トラック幅、全
体がかくれることはないのでDOの発生原因とはなり難
い。
【0016】この砂状集合表面付着異物は、極微小物質
が砂状に集合して表面に付着しているものであり、光学
顕微鏡観察で100倍程度の倍率でその存在領域が確認
でき、走査型電子顕微鏡で、個々の極微小物質が砂がば
らまかれた様になって集合して付着したものであること
が判るものである。また、個々の極微小物質が集合して
いることは、クロロホルム等の溶媒を該付着異物に滴下
すると表面から極微小物質が剥離することからも確認で
きる。その広がりが300μm程度にわたるものもあ
り、広がりが大きければ大きいほど、DOの大きさ(時
間)が増大し好ましくない。
【0017】この砂状集合表面付着異物は、微細表面突
起を設けるとき、すなわち微細粒子を有機化合物に含有
させた被膜層をポリエステルフィルム表面A上に形成さ
せる時に、ポリエステルフィルム表面A上に既に存在す
るオリゴマー、汚れ物等の異物、ならびに被覆層内に存
在する塗布液凝集体、塗布液変性体等の異物に起因する
ものであって、これらが砂がばらまかれた様になって被
膜表面上に集合して付着しているものである。それら個
々の極微小物質の形態、形状は問わない。また、その集
合付着異物の広がりの形態は、例えば、一つの塊状、扁
平なもの、凝集状、複数の異物よりなって塊にはなって
いないが集まっているもの、塵埃状等、種々である。
【0018】フィルムの片側表面Aの被膜表面上に存在
する、高さ120nm以上の表面突起や表面欠陥の個数
は400個/100cm2以下であることが好ましい。
上記高さの表面突起や表面欠陥が、上記個数より多く存
在すると、DVC用磁気テープの1分間あたりのドロッ
プアウトが増大しがちであり好ましくない。このような
表面欠陥は、表面に存在する傷、コンタミ、付着物に起
因する突起状欠陥部であり、ポリマー中に含有させた微
細粒子に起因する表面突起とは異なるものである。
【0019】片側表面Aを形成するポリエステルフィル
ム中に、平均粒子径が40〜70nmの微細粒子αが
0.01〜0.10重量%、平均粒径が70〜100n
mの微細粒子βが0.001〜0.01重量%含有され
ていることが望ましく、ここで、微細粒子βの平均粒子
径が微細粒子αの平均粒子径より10nm以上大であ
る。微細粒子αは磁気テープの磁性層の走行耐久性を増
すために寄与するが、微細粒子αの平均粒子径が40n
mを下回ると微細粒子αによる磁性層上の突起が小さく
なりすぎ磁性層の走行耐久性の十分な向上が図れない。
微細粒子αの平均粒子径が70nmを超えると、磁性層
の表面粗さが増大しすぎて磁気テープの出力が低下し好
ましくない。微細粒子αの含有量が0.01重量%を下
回ると微細粒子αによる磁性層上の突起個数が少なくな
り磁性層の走行耐久性の十分な向上が図れない。微細粒
子αの含有量が0.10重量%を上回ると磁性層の表面
粗さが増大しすぎて磁気テープの出力が低下し好ましく
ない。
【0020】微細粒子βの存在により、DVCAMビデ
オテープレコーダーの磁気ヘッドに付着する磁性層削れ
物が磁気テープ走行時にクリーニングされ磁気ヘッドの
清掃が自動的に行われ、磁性層削れ物が磁気ヘッドに目
詰まることによるドロップアウトの発生が抑えられる。
しかし、微細粒子βの平均粒子径が70nmを下回ると
クリーニング効果が十分に発揮されなくなり好ましくな
い。平均粒子径が100nmを超えると磁性層の表面粗
さが増大しすぎて磁気テープの出力が低下し好ましくな
い。微細粒子βの含有量が0.001重量%を下回ると
微細粒子βによる磁性層上の突起個数が少なくなりクリ
ーニング効果が十分に発揮されなくなり好ましくない。
微細粒子βの含有量が0.01重量%を上回ると磁性層
の表面粗さが増大しすぎて磁気テープの出力が低下し好
ましくない。微細粒子βと微細粒子αの平均粒子径の差
は10nm以上あることが微細粒子βによるクリーニン
グ効果を得るために好ましい。微細粒子α、微細粒子β
としてはシリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ポリアク
リル酸球、ポリスチレン球等が使用できるが、これらに
限定されない。
【0021】本発明のポリエステルフィルムの片側表面
B(上記した片側表面Aとは反対側の表面である)のR
a値は、ポリエステルフィルムを製膜した後、ポリエス
テルフィルムを所定の幅にスリットする際、巻姿の良い
製品を採取しやすくし、ポリエステルフィルムの片側表
面Aの被膜表面上に強磁性薄膜を設けた後にロール状の
巻取りにより片側表面Bの粗さが反対側の表面に転写さ
れて強磁性薄膜層にうねり状の変形が起きることを最小
限に抑えるために、8〜35nm、より好ましくは10
〜25nmが望ましい。片側表面BのRz値は、ポリエ
ステルフィルムの製膜後、ポリエステルフィルムをスリ
ットした後のロール状の製品の巻姿を良好に保ち、ポリ
エステルフィルムの片側表面Aの被膜表面上に強磁性薄
膜を設けた後にロール状の巻取りにより片側表面Bの粗
さが反対側の表面に転写されて強磁性薄膜層にうねり状
の変形が起きることを最小限に抑えるために、100〜
700nm、より好ましくは140〜550nmが望ま
しい。
【0022】本発明のポリエステルフィルムの片側表面
B側には、シリコーン等の潤滑剤が含まれたより粗い被
覆層が設けられるか、より大きな微細粒子を含有するポ
リエステルフィルム層が積層されて形成されたもの、あ
るいは更にその上に前記被覆層が設けられたものが好ま
しく用いられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。なおここで用いられる微細粒子としては炭酸カルシ
ウム、シリカ、アルミナ、ポリスチレン等が例示され
る。この微細粒子としては、平均粒子径が好ましくは1
00〜1000nm、より好ましくは150〜900n
mのものが用いられ、その添加量としては好ましくは
0.05〜1.0重量%、より好ましくは0.08〜
0.8重量%が望ましい。
【0023】本発明のポリエステルフィルムはフィルム
厚さ10μm未満が好ましく、さらに好ましくは厚さ
3.5〜9.0μmが望ましい。
【0024】本発明のポリエステルフィルムを磁気記録
媒体用に用いるためには、被膜の表面上に強磁性金属薄
膜層が設けられるが、さらに、表面B上に固体微粒子お
よび結合剤からなり必要に応じて各種添加剤を加えた溶
液を塗布することにより形成されるバックコート層を設
けることが好ましく、固体微粒子、結合剤、添加剤は公
知のものを使用でき、特に限定されない。バックコート
層の厚さは0.3〜1.5μm程度が好ましい。
【0025】次に本発明のポリエステルフィルム、磁気
記録テープの製法の一例を説明する。
【0026】本発明のポリエステルフィルムは、そのA
面側原料として、微細粒子α及び微細粒子β以外の含有
粒子は可能な限り除いたポリエステルを用い、溶融、成
形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィ
ルム製造工程で製造されるが、その延伸工程では90〜
140℃で、縦、横方向に、2.7〜5.5倍、3.5
〜7.0倍に延伸され、190〜220℃の温度で熱固
定される。そして、下記の操作を行うことにより製造す
ることができる。
【0027】(1)一方向に延伸後の平滑なポリエステ
ルフィルムのA面側に、平均粒径が5〜60nm、より
好ましくは7〜50nmの微細粒子を0.5〜12.0
重量%、好ましくは0.6〜10.0重量%含む有機化
合物からなる塗液を塗布して表面A側に被覆層を形成さ
せ、表面Aに微細表面突起を形成する。被覆層に使用さ
れる有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガ
ントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水
溶性ポリエステル、ポリウレタン等の有極性高分子、こ
れらのブレンド体が使用できるが、これらに限定されな
い。該微細表面突起の個数は前記微細粒子の種類、平均
粒径、固形分塗布濃度を調整することにより調節するこ
とができる。
【0028】(2)高さ120nm以上の表面突起や表
面欠陥の個数を400個/100cm2以下の水準とす
るためには、1)溶融押出しの際に層A側溶融体を0.
6μmカット(95%カット径)以上の性能を有する高
精度フィルター内を通過させることによりフィルム内異
物を減少させる、2)延伸ロール表面に傷が存在する場
合は傷の高さが0.3μmを超えないよう管理する、表
面汚れが延伸ロール表面からの高さとして0.3μmを
超えないように管理することにより表面傷、表面付着物
を減少させることが有効である。
【0029】(3)幅15μm以上の広がりの砂状集合
表面付着異物の個数を1個/2m2以下とするために
は、一方向に延伸した時点の平滑なポリエステルフィル
ムのA面側に付着している砂状集合表面付着異物を極力
少なくし、さらにその広がり面積を極力小さくすること
が重要である。即ち、その時点のフィルムのA表側に付
着している砂状集合表面付着異物のうち、幅が[15/
横延伸倍率]μm以上の広がりをもつものの個数を、2
2 あたり[1×横延伸倍率]個以下とすることが必要
である。
【0030】フィルム表面に砂状集合表面付着異物が付
着する原因としては、ポリエステルの溶融、成形時に析
出したオリゴマーが砂状になって落下し、縦延伸ロール
表面に付着し、これがポリエステルフィルムを縦延伸し
ている途中でフィルム表面へ転写されることによって付
着すること、析出して砂状になって落下したオリゴマー
が直接、縦延伸中のポリエステル表面に付着することに
よること、さらに、ポリエステルフィルム製造の際に縦
延伸ロール表面に経時的に付着、堆積してくる延伸ロー
ル表面付着異物が、縦延伸中のフィルム表面へ転写され
ることによって付着すること、がある。従って、これら
付着原因に応じた対策をとることにより、フィルム表面
への砂状集合表面付着異物を低減させることができる。
例えば、析出オリゴマーならびに延伸ロール表面付着異
物の量を減少させることにより、砂状集合表面付着異物
の個数を減少させることができる。そのためには、ポリ
エステルの溶融、成型時に析出したオリゴマーを定期的
に真空掃除機等を用いて除去すること、縦延伸ロール表
面を定期的に清浄水で浸した無塵布により拭き取り清掃
すること、ポリエステルの溶融、成形部(キャスト部)
の塵埃環境をクラス2万以下、縦延伸部の塵埃環境をク
ラス2000以下にすることが望ましい。
【0031】なお、共押出し技術の使用により、前記A
層用の原料と積極的により大きな微粒子を含有させたB
層用の原料とを用いてA/B積層フィルムを溶融押出し
し製膜してもよいし、B層を用いなく、前記表面A側と
反対の表面B側に滑剤を含む塗液を塗布しB面側に易滑
処理をしてもよい。B層を用い、更に滑剤を含む塗液を
塗布しB面側の易滑処理をしてもよい。
【0032】二軸延伸は、例えば逐次二軸延伸法、同時
二軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固
定前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横方向に再
度延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプ
とすることもできる。
【0033】本発明のポリエステルフィルムは磁気記録
媒体のベースフィルムとして、特にDVCAMビデオテ
ープ用途、またデータストレージテープ用途に使用する
と優れた結果を得ることができ好適である。
【0034】本発明の磁気記録テープは、本発明のポリ
エステルフィルムの表面Aの被膜上に、真空蒸着により
形成される強磁性金属薄膜層を設け、そしてテープ状に
したものであり、使用する金属薄膜としては公知のもの
を使用でき、特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッ
ケル、またはそれらの合金の強磁性体からなるものが好
ましい。金属薄膜層の厚さは20〜300nmが好まし
い。
【0035】即ち、本発明の磁気記録テープは、本発明
のポリエステルフィルムの片側表面A上に、Co等から
なる強磁性金属薄膜を、真空蒸着により膜厚み20〜3
00nm程度で形成し、この金属薄膜上に10nm程度
の厚みのダイヤモンド状カーボン膜をコーティングし、
さらにその上に、潤滑剤を塗布し、他方、片側表面Bに
固体微粒子および結合剤からなり必要に応じて各種添加
剤を加えた溶液を塗布することによりバックコート層を
設け、そして、所定のテープ幅に切断することにより、
製造することができる。
【0036】
【実施例】本実施例で用いた測定法を下記に示す。 (1)微細粒子の粒径 電子顕微鏡(電顕)試験台上に微細粒子粉体を、この粒
子ができるだけ重ならないように散在せしめ、電顕(好
ましくは透過型電子顕微鏡)により倍率100万倍程度
で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円相
当径を求め、この数平均値をもって粒径とした。
【0037】なお、この粒径をフィルムから求める場合
には下記のa)手法等により求められる。 a)フィルムA面に金スパッター装置により金薄膜蒸着
層を厚み20〜30nm(χnm)で設け、電子顕微鏡
(好ましくは走査型電子顕微鏡)により倍率10万倍程
度で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円
相当径を求め、この数平均値より2χnmを減じた値を
もって粒径とする。
【0038】(2)フィルム上の微細表面突起の個数 フィルムの表面に形成された微細突起の個数は走査型電
子顕微鏡により3万倍程度の拡大倍率でフィルム表面を
10視野以上観察し、突起状に見える突起が1mm2
たり何個あるかを求めることにより測定した。
【0039】(3)高さ120nm以上の表面突起や表
面欠陥の個数 光学顕微鏡(観測倍率:100倍)を用いてフィルムA
側表面を観察し、突起状に見えるもの、傷状に見えるも
の、塵埃、コンタミ等の表面付着物を観測しマーキング
し、マーキングされたそれら突起や傷や、表面付着物等
の欠陥の高さをキーエンス社製のレーザー顕微鏡(表面
形状測定顕微鏡 VF−7500)を用いて測定し、高
さ120nm以上であるものを選択する。選択した突起
や傷や表面付着物等の欠陥の総数を、観測した面積よ
り、面積100cm2あたりの個数に換算し、高さ12
0nm以上の表面突起や表面欠陥の個数(個/100c
2)とした。
【0040】なお、磁気テープからの上記個数の測定
は、磁気テープに磁気記録した後に、磁性コロイドを磁
気テープ表面に塗布し、光学顕微鏡(観測倍率:100
倍)により塗布表面観察することにより行うことができ
る。この塗布表面観察において、塗布表面上の磁気記録
が抜けた箇所をマーキングし、マーキングされたそれら
欠陥の高さをキーエンス社製のレーザー顕微鏡(表面形
状測定顕微鏡VF−7500)を用いて測定し、高さ1
20nm以上であるものを選択し、これを、高さ120
nm以上の表面突起や表面欠陥とし、上記同様に個数を
数え換算して求める。
【0041】(4)幅15μm以上広がりの砂状集合表
面付着異物の個数 微分干渉式光学顕微鏡(観測倍率:100倍)を用い
て、フィルムA側の表面を観察し、幅15μm以上にわ
たる広がりでフィルム表面に付着して存在する付着異物
をマーキングする。マーキングした付着異物を走査型電
子顕微鏡(SEM)により観察し、極微小物質が砂状に
集合して表面に付着している異物(砂状集合表面付着異
物)であるものを選択する。この光学顕微鏡での観察
を、フィルムの長さ方向2m、幅方向1mの部分内につ
いて行い、マーキングし選択した付着異物の個数を数
え、フィルム表面2m2あたりの、幅15μm以上の広
がりの砂状集合表面付着異物の個数(個/2m2)とし
た。
【0042】なお、磁気テープからの上記個数の測定
は、次の方法による。後述の(5)のように記録、録画
した磁気テープのDO発生部のテープを磁気現像し、磁
気記録の抜けた部分の磁性層を除去し、ベースフィルム
部分をSEMにより観察し、DO原因を解析し、幅15
μm以上の領域に砂状に集合した表面付着物起因か否か
を解析し、上記同様に個数を数え換算して求める。
【0043】(5)磁気テープ(DVCAMテープ)の
特性 市販のDVCAMデジタルカムコーダー(ソニー製「D
SR−300」)を用いてDVCAM標準カセットテー
プの180分にわたるDO個数を求めることによって評
価した。即ち、DSR−300を用いて静かな室内で1
80分録画し、再生時に画面にあらわれたブロック状の
モザイク個数(ドロップアウト(DO)個数)を数える
ことによって、DVCAMテープの特性を評価した。D
O個数は、記録後の最初の再生時と、再生を繰返した後
の100回目の再生(300時間)時に測定した。
【0044】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0045】[実施例1]実質的に不活性粒子を含有しな
いポリエチレンテレフタレートに平均粒径60nmのシ
リカを0.03重量%、平均粒径90nmのシリカを
0.005重量%、含有させた原料Aと、同一のポリエ
チレンテレフタレートと平均粒径300nmのケイ酸ア
ルミニウムを0.20重量%含有させた原料Bとを厚み
比5:1の割合で共押出し、冷却ドラムに密着させシー
ト化し、ロール延伸法で110℃で3.0倍に縦延伸し
た。原料Aの押し出し系には0.6μmカット(95%
カット径)の性能を有する高精度フィルターを設けた。
冷却ドラムに密着しシート化する環境雰囲気の塵埃度
を、HEPAフィルターからの清浄空気を導入すること
により防塵度クラス1.8万とした。縦延伸部の環境雰
囲気の塵埃度をHEPAフィルターからの清浄空気を導
入することにより防塵度クラス1000とした。縦延伸
時には、ロール表面層にテフロン(登録商標)樹脂が
1.5重量分率、含有されたタングステンカーバイド
(80%)、ニクロム(20%)の合金皮膜がを120
μmの厚さで形成され、金属層の表面粗さRy値が0.
6μmであり、高さと深さの和が1.0μm以上の表面
傷が20個/100cm2である延伸ロールを用いた。
該延伸ロールの金属層の硬度HVは1000とした。
【0046】縦延伸の後の工程で、片側表面Aの外側に
下記組成の水溶液を25℃の温度に保ち、0.8μmの
ろ過精度を持つフィルターでろ過した後、固形分塗布量
25mg/m2 となるように塗布した。 A面外側への塗布水溶液: メチルセルロース 0.10重量% 水溶性ポリエステル(=テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフ タル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.30重量% アミノ変性シリコーン 0.004重量% 平均粒径 18nmの極微細シリカ 0.022重量%
【0047】その後、ステンターにて横方向に102℃
で4.2倍に延伸し、215℃で熱処理し中間スプール
に巻き、スリッターで小幅にスリットし、円筒コアーに
ロール状に巻取り、厚さ6.3μmのポリエステルフィ
ルムを得た。また縦延伸ロール表面は、規定長(170
00m)のフィルムを巻き取った後に、清浄水を浸した
さらし防塵布によって清掃した。
【0048】このポリエステルフィルムの表面A上に真
空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を150nmの膜厚で
形成した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリ
ング法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚
さで形成させ、フッ素含有脂肪酸エステル系潤滑剤を3
nmの厚さで塗布した。続いて表面B上に、カーボンブ
ラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコー
ト層を500nmの厚さで設け、スリッターにより幅
6.35mmにスリットしリールに311mの長さ巻き
取り磁気テープ(DVCAM用標準テープ)を作製し
た。
【0049】得られたポリエステルフィルムの被膜表面
の特性を表1に、また、得られた磁気テープの特性を表
2に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値、
Rz値は20nm、270nmであった。
【0050】[実施例2]実施例2のベースフィルム製
造において、ポリエチレンテレフタレートをポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートに変更し、原料B内のケイ酸
アルミニウムの含有量を1.1重量%とし、縦延伸温
度、倍率を135℃で5.0倍とし、塗布の固形分濃度
を50mg/m2とし、横延伸温度、倍率を135℃、
6.5倍とし、200℃で熱処理に変更し、その他は実
施例1と同様にして、厚さ4.7μmのポリエステルフ
ィルムを作製した。得られたポリエステルフィルムか
ら、実施例1と同様にして幅6.35mm、長さ417
mの磁気テープを作製した。得られたポリエステルフィ
ルム及び磁気テープの特性を表1、表2に示す。なおポ
リエステルフィルムのB面のRa値、Rz値は22n
m、280nmであった。
【0051】[実施例3]実施例1のベースフィルム製
造において、原料Aより平均粒径90nmのシリカを除
いたこと以外は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの
ポリエステルフィルムを作製し、幅6.35mm、長さ
311mの磁気テープを作製した。得られたポリエステ
ルフィルム及び磁気テープの特性を表1、表2に示す。
なおポリエステルフィルムのB面のRa値、Rz値は2
0nm、270nmであった。
【0052】[実施例4]実施例1において、原料Aの
押し出し系に設けた高精度フィルターの異物カット性能
を2.0μmカット(95%カット径)の性能のものと
変更した。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μ
mのポリエステルフィルムを作製し、幅6.35mm、
長さ311mの磁気テープを作製した。得られたポリエ
ステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、表2に示
す。なおポリエステルフィルムのB面のRa値、Rz値
は20nm、270nmであった。
【0053】[実施例5]実施例1における縦延伸時の
延伸ロールを、延伸ロール表面に高さと深さの和が1.
0μm以上の傷が100cm2あたり50個程度入って
いる延伸ロールに変更した。その他は実施例1と同様に
して、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製
し、幅6.35mm、長さ311mの磁気テープを作製
した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの
特性を表1、表2に示す。なおポリエステルフィルムの
B面のRa値、Rz値は20nm、270nmであっ
た。
【0054】[実施例6]実施例1のベースフィルム製
造において、原料A中の平均粒径60nmのシリカの含
有量を0.01重量%と変更したこと以外は実施例1と
同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを
作製し、幅6.35mm、長さ311mの磁気テープを
作製した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テー
プの特性を表1、表2に示す。なおポリエステルフィル
ムのB面のRa値、Rz値は20nm、270nmであ
った。
【0055】[実施例7]実施例1のベースフィルム製
造において、原料A中の平均粒径60nmのシリカの含
有量を0.15重量%と変更したこと以外は実施例1と
同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを
作製し、幅6.35mm、長さ311mの磁気テープを
作製した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テー
プの特性を表1、表2に示す。なおポリエステルフィル
ムのB面のRa値、Rz値は20nm、270nmであ
った。
【0056】[実施例8]実施例1のベースフィルム製
造において、原料A中の平均粒径90nmのシリカの含
有量を0.03重量%と変更したこと以外は実施例1と
同様にして、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを
作製し、幅6.35mm、長さ311mの磁気テープを
作製した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テー
プの特性を表1、表2に示す。なおポリエステルフィル
ムのB面のRa値、Rz値は20nm、270nmであ
った。
【0057】[実施例9]実施例1のベースフィルム製
造において、原料A中の微細粒子αを平均粒子径30n
mのシリカに変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、
幅6.35mm、長さ311mの磁気テープを作製し
た。得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特
性を表1、表2に示す。なおポリエステルフィルムのB
面のRa値、Rz値は20nm、270nmであった。
【0058】[実施例10]実施例1のベースフィルム
製造において、原料A中の微細粒子αを平均粒子径80
nmのシリカに変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、
幅6.35mm、長さ311mの磁気テープを作製し
た。得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特
性を表1、表2に示す。なおポリエステルフィルムのB
面のRa値、Rz値は20nm、270nmであった。
【0059】[実施例11]実施例1のベースフィルム
製造において、原料A中の微細粒子βを平均粒子径12
0nmのシリカに変更したこと以外は実施例1と同様に
して、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製
し、幅6.35mm、長さ311mの磁気テープを作製
した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの
特性を表1、表2に示す。なおポリエステルフィルムの
B面のRa値、Rz値は20nm、270nmであっ
た。
【0060】[実施例12]実施例1のベースフィルム
製造において、原料A中の微細粒子αを平均粒子径65
nmのシリカに変更し、微細粒子βを平均粒径72nm
のシリカに変更したこと以外は実施例1と同様にして、
厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、幅
6.35mm、長さ311mの磁気テープを作製した。
得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を
表1、表2に示す。なおポリエステルフィルムのB面の
Ra値、Rz値は20nm、270nmであった。
【0061】[比較例1]実施例1のベースフィルム製
造において、水溶液塗布時の固形分塗布量を5mg/m
2と変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ
6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、幅6.3
5mm、長さ311mの磁気テープを作製した。得られ
たポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、
表2に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa
値、Rz値は20nm、270nmであった。
【0062】[比較例2]実施例1のベースフィルム製
造において、塗布水溶液中の極微細シリカの濃度を0.
09重量%に変更し、水溶液塗布時の固形分塗布量を8
0mg/m2と変更した。その他は実施例1と同様にし
て、厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、
幅6.35mm、長さ311mの磁気テープを作製し
た。得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特
性を表1、表2に示す。なおポリエステルフィルムのB
面のRa値、Rz値は20nm、270nmであった。
【0063】[比較例3]実施例1のベースフィルム製
造において、塗布水溶液中の極微細シリカを粒径4nm
のものに変更し、水溶液塗布時の固形分塗布量を10m
g/m2と変更した。その他は実施例1と同様にして、
厚さ6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、幅
6.35mm、長さ311mの磁気テープを作製した。
得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を
表1、表2に示す。なおポリエステルフィルムのB面の
Ra値、Rz値は20nm、270nmであった。
【0064】[比較例4]実施例1のベースフィルム製
造において、塗布水溶液中の極微細シリカを粒径70n
mのものに変更し、そのシリカ添加濃度を0.08重量
%と変更した。その他は実施例1と同様にして、厚さ
6.3μmのポリエステルフィルムを作製し、幅6.3
5mm、長さ311mの磁気テープを作製した。得られ
たポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、
表2に示す。なおポリエステルフィルムのB面のRa
値、Rz値は20nm、270nmであった。
【0065】[比較例5]実施例1のベースフィルム製
造において、冷却ドラムに密着しシート化する環境雰囲
気中へのHEPAフィルターからの清浄空気の導入を行
わないこととし、その環境雰囲気中の防塵度クラスを
5.0万とした。縦延伸部の環境雰囲気中へのHEPA
フィルターからの清浄空気の導入も行わないこととし、
その環境雰囲気中の防塵度クラスを2.0万とした。さ
らに、縦延伸ロールの定期的清掃を全く行わなかった。
その他は実施例1と同様にして、厚さ6.3μmの複合
ポリエステルフィルムを作製し、幅6.35mm、長さ
311mの磁気テープを作製した。得られたポリエステ
ルフィルム及び磁気テープの特性を表1、表2に示す。
なおポリエステルフィルムのB面のRa値、Rz値は2
0nm、270nmであった。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】表1、表2の特性から明らかな様に、本発
明によるポリエステルフィルムを用いて製造されたDV
CAMテープは3時間の全長に渡りDOが少なく、繰り
返し再生した後もDO発生の少なく、優れたものであっ
た。
【0069】
【発明の効果】本発明によると、ドロップアウトの少な
い耐久性に優れたDVCAM用の蒸着型磁気テープ用に
好適な磁気記録媒体用ポリエステルフィルムとすること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの片側表面Aに、
    粒径が5〜60nmの微細粒子と有機化合物を含有する
    被膜が形成されてなる磁気記録媒体用ポリエステルフィ
    ルムであって、該被膜表面に存在する微細表面突起の個
    数が300万〜1億個/mm2 であり、かつ、幅15μ
    m以上の広がりの砂状集合表面付着異物の個数が1個/
    2m2 以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ポリ
    エステルフィルム。
  2. 【請求項2】 被膜表面上における、高さ120nm以
    上の表面突起や表面欠陥の個数が400個/100cm
    2 以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記
    録媒体用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 片側表面Aを形成するポリエステルフィ
    ルム中に、平均粒子径が40〜70nmの微細粒子αが
    0.01〜0.10重量%、平均粒子径が70〜100
    nmの微細粒子βが0.001〜0.01重量%含有さ
    れており、かつ、微細粒子βの平均粒子径が微細粒子α
    の平均粒子径より10nm以上大であることを特徴とす
    る請求項1〜2のいずれかに記載の磁気記録媒体用ポリ
    エステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリエチレン−2、6−ナフタレートである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気
    記録媒体用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 デジタル記録方式の磁気テープ用に用い
    られることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のポリエ
    ステルフィルムの片側表面Aの被膜上に強磁性金属薄膜
    層を設けてなることを特徴とする磁気記録テープ。
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