JP2002083414A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルム

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JP2002083414A
JP2002083414A JP2000269690A JP2000269690A JP2002083414A JP 2002083414 A JP2002083414 A JP 2002083414A JP 2000269690 A JP2000269690 A JP 2000269690A JP 2000269690 A JP2000269690 A JP 2000269690A JP 2002083414 A JP2002083414 A JP 2002083414A
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Masami Mori
雅身 森
Shinji Takauchi
伸治 高内
Taiichi Kurome
泰一 黒目
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 好ましい磁性層の耐久性あるいは面粗さを有
するとともに、ドロップアウトの少ない磁気記録テープ
を製造するために好適な磁気記録媒体用ポリエステルフ
ィルムを提供する。 【解決手段】 磁性層が形成される側のフィルム表面A
に、フィルム長手方向に連続する線状キズが、キズ高さ
0.05〜0.27μmの線状キズも含め存在しない磁
気記録媒体用ポリエステルフィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルムの改良に関する。更には、ドロップ
アウトが少ないビデオテープやデータストレージテープ
等の磁気記録テープを製造するためのベースフィルムと
して好適な磁気記録媒体用ポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録媒体の高密度化、大容量
化の流れにともなって、磁気記録媒体のベースフィルム
に用いられるポリエステルフィルムについては、フィル
ム表面の平滑性等、表面特性に対する改良要求が高まっ
ている。しかし、ポリエステルフィルムでは、製膜の過
程で形成された表面キズ、製膜の過程で付着した表面異
物等による表面欠陥あるいは使用するポリエステル内に
存在する異物による表面欠陥が存在しがちであり、これ
をベースフィルムに用いて作成される磁気テープはドロ
ップアウトの増加あるいは電磁変換特性の低下を招きや
すい。
【0003】これに関しては、例えばドロップアウトの
少ないデジタルビデオテープに用いられる磁気記録媒体
用ポリエステルフィルムを与える目的として、表面キ
ズ、表面突起を少なくした磁気記録媒体用複合ポリエス
テルフィルムが提案されている(例えば特開平9−16
1262号公報)。
【0004】このうち表面キズについては、特開平9−
161262号公報において、長手方向の延伸ロール表
面の表面粗度の平滑性を保つこと、表面汚れを清浄に保
つことによって、高さ0.27μm以上の表面キズを少
なくでき、このフィルムが特にドロップアウトの少ない
メタル塗布型のデジタルビデオテープ用として好適であ
ることが示されている。
【0005】上記したように、ドロップアウトに代表さ
れる、ベース表面欠陥による磁気テープ特性悪化を抑制
するてめには、表面キズの低減が有効である。
【0006】上記した従来技術(例えば特開平9−16
1262号公報)によれば、ドロップアウトに代表され
る、ベースフィルム表面欠陥による磁気テープ特性悪化
を抑制するためには、高さ0.27μm以上の表面キズ
および表面突起の低減が有効である。表面キズとは、発
生頻度の定量化の指標に単位面積あたりの個数を用いる
ことからも分かるように、ベースフィルム表面に不連
続、ランダムに形成されたキズである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来議論して
きたような一定大きさ以上の表面キズあるいは表面突起
を十分に低減させた場合でも、ドロップアウトが多発す
ることがあった。特に、フィルム表面Aを形成するポリ
エステル層内に、平均粒径が65〜400nmの微細粒
子が含まれる場合に発現することが多かった。
【0008】そこで本発明は、かかる従来技術の問題を
解消し、好ましい磁性層の耐久性あるいは面粗さを有す
るとともに、ドロップアウトの少ない磁気記録テープを
製造するために好適な磁気記録媒体用ポリエステルフィ
ルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の磁気記録媒体用ポリエステルフィルムは、磁
性層が形成される側のフィルム表面Aに、フィルム長手
方向に連続する線状キズが、キズ高さ0.05〜0.2
7μmの線状キズも含め存在しないことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルは分
子配向により高強度フィルムとなり得るポリエステルで
あればよいが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートが好ましい。即ち、その構
成成分の80%以上がエチレンテレフタレート、エチレ
ンナフタレートであるポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレートが好ましい。エチレンテレフタ
レート、エチレンナフタレート以外のポリエステル共重
合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチ
レングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジ
ピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、
トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボ
ン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられ
る。
【0011】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度に混合していてもよい。
【0012】ポリエステルフィルムの表面Aには、すべ
り性あるいは面粗さといった表面特性をコントロールす
るために、有機化合物からなる易滑層あるいは被覆層を
形成してもよい。
【0013】また磁性層の耐久性を増すために、磁性層
が形成される側のフィルム表面Aを形成するポリエステ
ル層内に、平均粒径が65〜400nmの微細粒子を
0.5〜5.0重量%含ませ、表面突起をもたせること
が好ましい。微細粒子としては、シリカ、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチレン球等、
有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラガント
ゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、水溶性
ポリエステル、ポリウレタン等の有極性高分子が使用で
き、これらのブレンド体も適用できるが、これらに限定
されない。
【0014】しかし、表面Aを形成するポリエステル層
内や表面A側に形成された被覆層中に平均粒径が65n
m以上の微細粒子が0.5重量%以上含まれる場合、製
膜工程途中において表面Aに連続する線状キズが発生す
ると、その後の製膜工程や加工工程(磁性層形成前)に
おいて、表面A側のポリエステル層から脱落した微細粒
子が、表面A上に、特に表面Aの線状キズの近傍に、粗
大な付着塊(例えば直径100〜1500nmの付着
塊)をほぼ連続的に多数形成し易く、これが磁性層を形
成した後の磁気テープにおいてドロップアウトを周期的
に多数発現せしめる要因となっている。このように脱落
微細粒子による粗大付着塊は、線状キズがキズ高さ0.
05〜0.27μmという微細な線状キズである場合に
も形成され易い。
【0015】磁気テープのベースフィルムとするポリエ
ステルフィルムは、一般的に、ロール状に巻かれたまま
一定幅にスリットされた細幅ロール状で磁気テープ製造
工程に供されるので、製膜工程で発生した線状キズによ
る微細粒子付着塊が、一定周期の摺動が付与される。細
幅ロール状フィルムは磁性層等が形成された後、所定の
テープ幅にスリットされて磁気記録テープとなるが、ド
ロップアウトの原因となる線状キズ近傍の付着塊がほぼ
連続的に存在することから、1個のテープに発現するド
ロップアウトは、摺動周期に対応した周期で発現するこ
とになる。
【0016】従って、フィルム表面Aには、フィルム長
手方向に連続する線状キズは、キズ高さ0.05〜0.
27μmの線状キズも、勿論それよりもキズ高さが高い
線状キズも、ともに存在させないことが、磁気テープと
したときのドロップアウト発生を防止するためには重要
であり、これにより本発明の目的が達成できる。
【0017】表面Aにおける線状キズは、製膜工程にお
いて搬送ロールと該ロールに接触するフィルム搬送速度
とに差があるときに生じ易い特異な形態の表面キズであ
るので、このような線状キズが、キズ高さ0.05〜
0.27μmの微細な線状キズも含めて表面A上に付か
ないようにするためには、製膜工程においてフィルム表
面Aと接触する側の駆動式搬送ロールと該搬送ロールに
接触するフィルムとの間の速度差を、0.2%以下に規
制することが有効であり、さらに0.15%以下に規制
することが好ましい。
【0018】本発明のフィルムにおいて、表面AのSR
a値は1〜20nm、さらに2〜15nmであることが
好ましい。SRa値が1nm未満であると、表面Aの外
側に形成される磁性層が平滑になりすぎるので、磁気記
録テープにデジタルビデオテープレコーダー内で記録、
再生させる時にビデオヘッドにより磁性層が磨耗し易く
好ましくない。SRa値が20nmを超えると、表面A
の外側に形成される磁性層が粗面になりすぎるので、ビ
デオテープの出力特性が低下し好ましくない。
【0019】表面Aにおいて、高さ540nm以上の突
起個数は100個/100cm2以下、さらに80個/
100cm2以下であることが好ましい。高さ540n
m以上の突起個数が100個/100cm2を上まわる
とフィルムの内層を通じた表面A上の高さ100nm程
度以上の突起状の表面変形個数が多数となり、磁気テー
プのドロップアウトが増大するので好ましくない。
【0020】表面Aとは反対側のフィルム表面(表面
B)において、SRa値は12〜30nm、さらに13
〜25nmであることが好ましい。フィルムのハンドリ
ング性を良くするためには表面BのSRa値は12nm
以上が好ましい。12nmより小さいと表面Aと表面B
との間の摩擦係数が高くなりすぎすべりにくく、ロール
上で互いにはりついたようになり、またテープ化工程で
各所のガイドロールとの接触でしわが入り易くなり好ま
しくない。本発明のフィルムの表面BのSRa値はフィ
ルムを製膜した後、所定の幅にスリットする際に、巻姿
の良い製品を採取しやすくするためには大なる方が好ま
しいが、SRaが30nmより大きくなるとフィルムの
表面A上に磁性層を設けた後にロール状に巻取られた
際、表面Bの粗さが表面A側の磁性層に転写され強磁性
薄膜層にうねり状の変形が起きやすくなるので好ましく
ない。
【0021】本発明のポリエステルフィルムの表面A上
に強磁性金属の磁性層を設け、テープ状にすることによ
り磁気記録テープが製造されるが、使用する強磁性金属
としては公知のものが使用でき、特に限定されないが、
鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の強磁性
体からなるものが好ましい。またバインダーとしてビニ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等を用いて
もよい。さらに潤滑剤、帯電防止剤、補強剤等を適宜添
加してもよい。
【0022】次に本発明のポリエステルフィルムおよび
磁気記録テープの製法を説明するが、これに限定される
ものではない。
【0023】本発明のポリエステルフィルムは表面A側
の原料として含有粒子を可能な限り除いたポリエステル
を用い、表面B側の原料として微細粒子を含有させたポ
リエステルを用い、A/B層重ね合わせて溶融、成形さ
せ、二軸延伸、熱固定からなる通常のポリエステルフィ
ルム製造工程において、90〜140℃で縦方向に2.
7〜5.5倍、横方向に3.5〜7.0倍で延伸し、1
90〜220℃の温度で熱固定を行うことによりポリエ
ステルフィルムを製造する。
【0024】二軸延伸は例えば逐次二軸延伸法、同時二
軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固定
前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横方向に再度
延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプと
することもできる。
【0025】このような製膜工程でフィルムを製造する
方法において、フィルム表面Aに、フィルム長手方向に
連続する線状キズを、キズ高さ0.05〜0.27μm
の微細な線状キズも含め発生させないためには、製膜工
程においてフィルム表面Aと接触する側の駆動式搬送ロ
ールと該搬送ロールに接触するフィルムとの間の速度差
を、0.2%以下、好ましくは0.15%以下に規制す
ることが有効である。
【0026】この速度差の規制は、搬送系駆動式ロール
の駆動条件を調整することによって達成できる。
【0027】本発明のポリエステルフィルムは、ビデオ
テープ、データストレージテープなどの磁気記録媒体の
ベースフィルムとして好適であり、ドロップアウトの少
ない磁気記録テープを製造することができる。
【0028】
【実施例】本実施例で用いた測定方法を下記に示す。 (1)連続する線状キズの有無 一定巻長さのフィルムロール表層よりシート状サンプル
(製品幅×1〜3m長)を採取し、フィルム表面Aにア
ルミ蒸着を施した後、暗室において斜光の状態下で、長
手および幅方向について連続する線状キズが存在するか
否かを目視観察により判定した。 (2)連続する線状キズの高さ 目視によって確認した線状キズの発生位置をマーキング
し、キーエンス社製レーザー顕微鏡VF7500を用い
てキズ高さを測定した。 (3)製膜工程における搬送ロールの周速 (株)小野測器製ローラエンコーダー(RP−721
型)を、回転するロールに接触させて測定した。速度表
示器には、(株)小野測器製デジタル回転計を使用し
た。 (4)フィルム速度 搬送ロールとフィルムが接触する部位において、フィル
ムに(株)小野測器製ローラエンコーダー(RP−72
1型)を接触させて測定した。速度表示器には、(株)
小野測器製デジタル回転計を使用した。 (5)SRa値 (株)小坂研究所製の三次元粗さ計を用いて、触針加重
6mg・測定長500μm・カットオフ0.25mmの
条件で測定した。 (6)高さ540nm以上の突起個数 フィルム同士を静電気で密着させた時、突起形成部にで
きる、ニュートンリングの干渉リングの干渉縞数によっ
て、突起高さを知る方法によって測定した。光干渉リン
グと高さの関係は次の通り。 高さ(H)=λ/2×干渉縞数 λ=546nm よって高さ540nm以上の表面突起数を知るには、2
以上の干渉縞数を持つリングをカウントすればよい。
【0029】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0030】[実施例1]実質的に不活性粒子を含有し
ないポリエチレンテレフタレートに平均粒径200nm
の球状シリカを0.25重量%含有させた原料Aと、同
一のポリエチレンテレフタレートに平均粒径300nm
の球状シリカを0.46重量%、平均粒径500nmの
球状シリカを0.01%および平均粒径1100μmの
炭酸カルシウムを0.02重量%含有させた原料Bと
を、厚み比9:1の割合で共押出し、冷却ドラムに密着
させシート化し、ロール延伸法で95℃で3.40倍に
縦延伸した。
【0031】この縦延伸の後の工程で、表面Aの外側に
水溶性のスルホン酸塩含有ポリエステル樹脂に天然ワッ
クスからなる乳化剤を添加した水性塗剤を塗布し、易滑
層を形成した。
【0032】その後、第1ステンターにて横方向に95
℃で4.14倍に延伸し、第2縦延伸にて縦方向に15
0℃で1.63倍に延伸し、第2ステンターで210℃
で熱処理し、幅3470mm、長さ12000mのロー
ル状ポリエステルフィルムを得た。
【0033】この製膜工程において、フィルム表面Aと
接触する側の駆動式搬送ロールの周速と、該ロールを通
過するフィルム速度とを調整し、その間の速度差が0.
2%以下になるようにした。
【0034】これによって得られたポリエステルフィル
ムは表面AにおけるSRaが8.9nm、高さ540n
m以上の突起個数が15個/100cm2であり、長手
方向に連続する線状キズは認められなかった。
【0035】得られたポリエステルフィルムを用いて、
フィルム表面Aに鉄を主体とする針状強磁性金属粉末を
塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂を結合剤として
メチルエチルケトンを溶剤として塗工し乾燥させ、カレ
ンダー処理をして厚さ500nmの磁性層を形成させ
た。次にカーボンブラック、ポリウレタン、シリコーン
からなるバックコート層を厚さ500nmで設け、磁気
記録テープを作成した。作成した磁気記録テープのドロ
ップアウトを評価したところ、ドロップアウトの発生が
少なく良好であった。
【0036】[実施例2]実質的に不活性粒子を含有し
ないポリエチレンテレフタレートに平均粒径200nm
の球状シリカを0.31重量%及び平均粒径1100n
mの炭酸カルシウムを0.01重量%含有させた原料A
を押出し、冷却ドラムに密着させシート化し、ロール延
伸法で115℃で3.30倍に縦延伸した。
【0037】その後、第1ステンターにて横方向に95
℃で3.32倍に延伸した後、第2縦延伸にて縦方向に
150℃で1.58倍に延伸し、第2ステンターで21
0℃で熱処理し、幅3470mm、長さ11000mの
ロール状ポリエステルフィルムを得た。
【0038】この製膜工程において、実施例1と同様な
手段により駆動式搬送ロールの周速と、該ロールを通過
するフィルム速度とを調整し、その間の速度差が0.2
%以下になるようにした。
【0039】これによって得られたポリエステルフィル
ムは表面AにおけるSRaが9.6nm、高さ540n
m以上の突起個数が68個/100cm2であり、長手
方向に連続する線状キズは認められなかった。
【0040】得られたポリエステルフィルムから実施例
1と同様にして製造した磁気テープはドロップアウトの
発生が少なく良好であった。
【0041】[比較例1]駆動式搬送ロールAの周速と
該ロールに表面Aで接触するフィルムの搬送速度を以下
のように設定した以外は、実施例1と同様の製造方法に
よってポリエステルフィルムを得た。 駆動式搬送ロールAの速度: 113.70m/min フィルム搬送速度: 113.42m/min その速度差: 0.25% これによって得られたポリエステルフィルムは表面Aに
おけるSRaが8.7nm、高さ540nm以上の突起
個数が10個/100cm2であり、長手方向に連続す
る線状キズが認められ、そのキズ高さは70nmであっ
た。
【0042】得られたポリエステルフィルムから実施例
1と同様にして製造した磁気テープはドロップアウトが
周期的に多数発生した。
【0043】[比較例2]第2ステンターにおける熱固
定後の工程内駆動式搬送ロールBの周速と該ロールに表
面Aで接触するフィルムの搬送速度を以下のように設定
した以外は、実施例1と同様の製造方法によってポリエ
ステルフィルムを得た。 駆動式搬送ロールBの速度: 113.76m/min フィルム搬送速度: 113.41m/min その速度差: 0.31% これによって得られたポリエステルフィルムは表面Aに
おけるSRaが8.3nm、高さ540nm以上の突起
個数が12個/100cm2であり、長手方向に連続す
る線状キズが認められ、そのキズ高さは60nmであっ
た。
【0044】得られたポリエステルフィルムから実施例
1と同様にして製造した磁気テープはドロップアウトが
周期的に多数発生した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明によると、磁性層が形成される側
のフィルム表面Aを形成するポリエステル層内に、平均
粒径が65〜400nmの微細粒子が0.05〜5.0
重量%含まれる磁気記録媒体用ポリエステルフィルムの
場合でも、好ましい磁性層の耐久性あるいは面粗さを有
するとともにドロップアウトの少ない磁気記録テープを
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/733 G11B 5/733 5/78 5/78 // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA46 AB18 AB21 AB26 AE17 AH14 BC01 BC10 BC14 BC16 4F210 AA24 AG01 QC06 QG01 QG18 4J002 BC022 BE012 BG012 CF031 CF061 CF081 DE146 DE236 DJ016 FD012 FD016 GS01 5D006 CB01 CB05 CB07 DA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層が形成される側のフィルム表面A
    に、フィルム長手方向に連続する線状キズが、キズ高さ
    0.05〜0.27μmの線状キズも含め存在しないこ
    とを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム表面Aを形成するポリエステル
    層内に、平均粒径が65〜400nmの微細粒子が0.
    05〜5.0重量%含まれることを特徴とする請求項1
    記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルム表面AのSRa値が1〜20n
    mであり、高さ540nm以上の突起個数が100個/
    100cm2以下であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである
    請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体用ポリエ
    ステルフィルム。
  5. 【請求項5】 磁気記録媒体が磁気記録テープである請
    求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録媒体用ポリエス
    テルフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記
    録媒体用ポリエステルフィルムを用いて製造された磁気
    記録テープ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011165267A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Teijin Dupont Films Japan Ltd フィルムの製造方法
JP2012048782A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Teijin Dupont Films Japan Ltd データストレージ用ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体支持体
JP2012045807A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Teijin Dupont Films Japan Ltd フィルムの製造方法

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