JP2000251245A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ

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JP2000251245A
JP2000251245A JP5388099A JP5388099A JP2000251245A JP 2000251245 A JP2000251245 A JP 2000251245A JP 5388099 A JP5388099 A JP 5388099A JP 5388099 A JP5388099 A JP 5388099A JP 2000251245 A JP2000251245 A JP 2000251245A
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polyester film
magnetic recording
film
tape
polyester
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Masaaki Ono
雅章 小野
Takeshi Tsuchiya
剛 土屋
Nobuo Suzui
伸夫 鈴井
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エラーレートの低い大容量のデータストレージ
用テープを製造するために好適な磁気記録媒体用ポリエ
ステルフィルムを提供すること。 【解決手段】ポリエステルフイルムの片側表面AのSR
a値が2〜5nm、SRz値が10〜40nmであり、
長手方向のヤング率が5500MPa以上、幅方向のヤ
ング率が6500MPa以上であり、ポリエステルフイ
ルムの表面Aに存在する高さ120nmを超える表面傷
が10個/100cm2以下であることを特徴とするポ
リエステルフィルムおよび該ポリエステルフィルムの片
側表面Aに強磁性金属薄膜層が形成されてなることを特
徴とする磁気記録テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルム、特にデータストレージテープ用等
のデジタルデータを大量に記録する強磁性金属薄膜型磁
気記録媒体を高品質で製造するために好適な磁気記録媒
体用ポリエステルフィルム及びそれを用いて製造された
磁気記録テープに関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープは厚さ6〜7μmのベースフィルム上に
Coの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面に
ダイヤモンド状カーボン膜をコーティングしてなり、こ
のデジタルビデオミニカセットを使用したカメラ一体型
ビデオの場合には基本仕様(SD仕様)で1時間の録画
時間をもつ。
【0003】このデジタルビデオカセット(DVC)
は、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットであ
り、a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、
b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が
劣化しない、c.雑音の妨害を受けないから高画質・高
音質が楽しめる、d.ダビングを繰り返しても映像が劣
化しない、等のメリットを持ち、市場の評価は高い。
【0004】またこの蒸着型デジタルビデオテープ、D
VCをコンピューターのデータバックアップ用途に用い
ることが、1996年より始まり、テープ幅8mmのデ
ータ8mm(Exabyte社Mannmoth、ソニー社AITシステ
ム)コンピューターデータバックアップ装置が実用化さ
れ、小型で大容量でデータ転送速度が早く好評である。
【0005】そのベースフィルムとしては、(1)ポリエ
ステルフィルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着
されたポリマーブレンド体と粒径50〜500オングス
トロームの微細粒子を主体とした不連続皮膜とからな
り、該不連続皮膜には水溶性ポリエステル共重合体が含
有され、微細粒子により不連続皮膜上に微細突起が形成
されたポリエステルフィルム(例えば特公昭63−57
238号公報)、(2)粒径10〜300nmの微細粒子
を含有し、該微細粒子により高さ50〜900オングス
トロームの微細表面突起が形成されたポリエステルフィ
ルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着された厚さ
500オングストローム以下の有極性高分子を主体とす
る不連続被膜とからなり、該微細表面突起の高さが該不
連続被膜の厚さよりも大きいポリエステルフィルム(例
えば特公平6−51401号公報)、等が使用されてい
る。
【0006】更にバックアップ・データ容量の大容量化
を図るために、テープをより薄くすることが望まれてい
る。しかし、そのために単純にベースフィルムを薄膜化
すると、フィルムの剛性不足による磁気ヘッドとの接触
力不足、走行時のテープの折れ、磁気記録媒体製造時の
工程通過性悪化の問題等が発生した。
【0007】そこで、それらの問題を解決するために、
特公昭63−57238号公報、特公平6−51401
号公報に示されるように2軸方向に強力化されたタイプ
のポリエステルフィルムを作成したところ、フィルムの
剛性不足による磁気ヘッドとの接触力不足、走行時のテ
ープの折れ、磁気記録媒体製造時の工程通過性悪化の問
題等は発生しなくなった。
【0008】しかしながら、このように作成された強力
化されたポリエステルフィルム表面には傷が大量に発生
しており、このポリエステルフィルムから製造されたデ
ータストレージテープは表面傷が多く、デジタル信号が
記録、再生できなくなる部分が多く、データバックアッ
プ用途としてエラーレート(データが正確に記録できな
かったものの割合)が高くなり不満足であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、エラ
ーレートの低い大容量のデータバックアップ用の蒸着型
磁気記録テープのベースとなる、より薄い磁気記録媒体
用ポリエステルフィルム及びそれを用いて製造される磁
気記録テープを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
フイルムの片側表面AのSRa値が2〜5nm、SRz
値が10〜40nmであり、長手方向のヤング率が55
00MPa以上、幅方向のヤング率が6500MPa以
上であり、ポリエステルフイルムの表面Aに存在する高
さ120nmを超える表面傷が10個/100cm2
下であることを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステル
フィルムおよび該ポリエステルフィルムの表面に強磁性
金属薄膜層を設けてなる磁気記録テープに関するもので
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとは
分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであ
れば良いが、それらの中でもポリエチレンテレフタレー
トまたはポリエチレン−2、6−ナフタレートが好まし
い。ここでいうポリエチレンフタレートまたはポリエチ
レン−2、6−ナフタレートとは、その構成成分の80
%以上がエチレンテレフタレートまたはエチレンナフタ
レートからなるものである。エチレンテレフタレート、
エチレンナフタレート以外のポリエステル共重合体成分
としては、例えばジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリ
コール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、
セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成
分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0012】さらに、上記のポリエステルには、他にポ
リエステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘
導体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレン
グリコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない
程度に混合してもよい。
【0013】本ポリエステルフィルムの片側表面AのS
Ra値は、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性
金属薄膜層の記録・再生時の磁気ヘッドによる磨耗を極
力少なくし、およびデータストレージ用磁気テープの出
力特性を良好に保つために2〜5nm、より好ましくは
2〜4nmであり、SRz値はコンピューターデータバ
ックアップ装置内の多数回にわたる繰返し記録、再生で
磁気テープの強磁性薄膜の耐久性を保ち、磁気テープの
エラーレートを極力少なくするために10〜40nm、
より好ましくは20〜40nmである。
【0014】SRa値が2nm未満であると、表面A上
に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層が平滑す
ぎて、コンピューターデータバックアップ装置内の記
録、再生時に磁気ヘッドにより磁気テープの強磁性金属
薄膜が磨耗してしまい好ましくない。SRa値が5nm
を超えると、該強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、磁気テ
ープの出力特性が低下し好ましくない。
【0015】SRz値が10nm未満であると、該強磁
性金属薄膜層が平滑すぎて、コンピューターデータバッ
クアップ装置内の多数回にわたる繰返し記録、再生で磁
気テープの強磁性薄膜の耐久性が低下し好ましくない。
SRz値が40nmを超えると、該強磁性金属薄膜層が
粗面になりすぎて、磁気テープのエラーレートが増大し
好ましくない。
【0016】本ポリエステルフィルム表面Aには平均粒
径が5〜30nm、より好ましくは8〜30nmの微細
粒子を0.5〜12.0重量%、より好ましくは0.6
〜10.0重量%含む有機化合物からなる被覆層が形成
されているのが望ましい。微細粒子としてはシリカ、炭
酸カルシウム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチ
レン球、有機化合物としてはポリビニルアルコール、ト
ラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導
体、水溶性ポリエステル、ポリウレタン等の有極性高分
子およびこれらのブレンド体が使用できるが、これらに
限定されない。
【0017】また磁性層の耐久性を更に増すためには、
表面Aを形成するポリエステル層内には平均粒径が30
〜150nm、より好ましくは40〜100nmの微細
粒子を0.01〜1.0重量%、より好ましくは0.0
2〜0.8重量%含ませて表面A上に表面突起をもたせ
るのが好ましい。
【0018】本ポリエステルフィルムの片側表面B(片
側表面Aとは反対側の面)のSRa値は、ポリエステル
フィルムを製膜した後、所定の幅にスリットする際に、
巻姿の良い製品を採取しやすくし、ポリエステルフィル
ムの片側表面A上に強磁性薄膜を設けた後にロール状の
巻取りにより片側表面Bの粗さが転写し強磁性薄膜層に
うねり状の変形が起きるのを最小限にするために、8〜
35nm、より好ましくは10〜25nmが望ましい。
片側表面BのSRz値は、ポリエステルフィルムの製膜
をして、スリットした後のロール状の製品の巻姿を良好
に保ち、ポリエステルフィルムの片側表面A上に強磁性
薄膜を設けた後にロール状の巻取りにより片側表面Bの
粗さが転写し強磁性薄膜層にうねり状の変形が起きるの
を最小限にするために、100〜700nm、より好ま
しくは140〜550nmが望ましい。
【0019】本発明のポリエステルフィルムは厚さ5.
0μm以下が好ましく、さらに好ましくは厚さは3.0
〜5.0μmが望ましい。
【0020】本ポリエステルフィルムの長手方向のヤン
グ率は5500MPa以上、幅方向のヤング率は650
0MPa以上である。さらに好ましくは長手方向のヤン
グ率は5500〜8000MPa、幅方向のヤング率は
6500〜9000MPaである。長手方向のヤング率
が5500MPa未満であると本ポリエステルフィルム
から作成された磁気記録テープがコンピューターデータ
バックアップ装置内で伸びてしまい好ましくない。長手
方向のヤング率が8000MPaを超えると、本ポリエ
ステルフィルムの製造過程で生産性が低下する場合があ
る。幅方向のヤング率が6500MPa未満であると、
本ポリエステルフィルムから作成された磁気記録テープ
のコンピューターデータバックアップ装置内での記録、
再生時、ヘッドの走行により、特に回転するヘッドがテ
ープエッジより磁性面上に進入する際のテープをたたく
ことの繰返しによりテープエッジダメージが発生し好ま
しくない。幅方向のヤング率が9000MPaを越える
と、本ポリエステルフィルムの製造過程で生産性が低下
する場合がある。
【0021】ポリエステルフイルムの表面Aに存在する
高さ120nmを超える表面傷は10個/100cm2
以下に抑えられなければならない。上記高さの表面傷が
上記値を超えると、磁気記録テープのエラーレートが悪
化し好ましくない。
【0022】本ポリエステルフィルムの長手方向のF−
5値(5%伸長時の応力)は120MPa以上が好まし
い。長手方向のF−5値が120MPa未満であると、
磁気記録テープ加工工程でフィルムが伸びやすく好まし
くない。
【0023】本ポリエステルフィルムの幅方向のF−5
値は135MPa以上が好ましい。幅方向のF−5値が
135MPa未満であると、本ポリエステルフィルムに
Co金属薄膜が形成され作成される磁気記録テープの幅
方向の強度が小さくなり、コンピューターデータバック
アップ装置内のテープパスを規制するガイドピンにより
磁気テープが折れやすくなり好ましくない。
【0024】本ポリエステルフィルムの片側表面Bに
は、シリコーン等の潤滑剤が含まれたより粗い被覆層が
設けられるか、より大きな微細粒子を含有するポリエス
テルフィルム層が積層されて形成されたもの、あるいは
更にその上に前記被覆層が設けられたものが好ましく用
いられるが、特にこれらに限定されるものではない。な
おここで用いられる微細粒子としては炭酸カルシウム、
シリカ、アルミナ、ポリスチレン等が例示される。この
微細粒子としては、平均粒子径が好ましくは100〜1
000nm、より好ましくは150〜900nmのもの
が用いられ、添加量としては好ましくは0.05〜1.
0重量%、より好ましくは0.08〜0.8重量%であ
る。
【0025】本磁気記録テープは本発明のポリエステル
フィルム表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金
属薄膜層を設けてなることを特徴とするが、使用する金
属薄膜は公知のものを使用でき、特に限定されないが、
鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の強磁性
体からなるものが好ましい。金属薄膜層の厚さは100
〜300nmである。この金属薄膜層上に10nm程度
の厚みのダイヤモンド状カーボン膜をコーティングし、
更にその上に潤滑剤処理することが好ましい。
【0026】本磁気記録媒体は表面B上に固体微粒子お
よび結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を加えた
溶液を塗布することにより形成されるバックコート層を
設けるが、固体微粒子、結合剤、添加剤は公知のものを
使用でき、特に限定されない。バックコート層の厚さは
0.3〜1.5μm程度である。
【0027】次に本発明のポリエステルフィルム及び磁
気記録テープの好ましい製法を説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0028】本発明のポリエステルフィルムは溶融、成
形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィ
ルム製造工程において、90〜145℃で縦、横方向に
それぞれ2.5〜4.5倍、3.0〜5.2倍延伸し、
更に100〜145℃で1.1〜3.0倍再縦延伸し、
190〜220℃の温度で熱固定を行いつつ1.3倍以
上、横に延伸し製造するがこの時、再縦延伸部において
傷が発生することを防ぐことにより製造することができ
る。傷の発生を防ぐにはたとえば下記の方法が用いられ
るが、それらに限定されない。再縦延伸に延伸ロールを
用いる場合には延伸ロールに延伸温度と同一温度の空気
を延伸フィルムと延伸ロールと接触する前にふきこみ、
エアーベアリング効果により表面傷を発生させない方
法、あるいは延伸ロールを用いず、テンターでクリップ
でフィルムの端を把持し、クリップ速度を長手方向に増
大させて走らせる方法等が採用できる。
【0029】共押出し技術の使用により含有粒子を可能
な限り除いた層A用の原料と積極的に微粒子を含有させ
た層B用の原料を用いたA/B積層フィルムを押出し、
一方向に延伸後の平滑なポリエステルフィルムのA面側
に、平均粒径が5〜30nm、より好ましくは8〜30
nmの微細粒子を0.5〜12.0重量%、より好まし
くは0.6〜10.0重量%含む有機化合物からなる塗
液を塗布して表面A側に被覆層を形成させるのが好まし
い。
【0030】A層は磁気記録テープの磁気ヘッドによる
耐久性を更に増すために、その内部に微細粒子を含ませ
ても良い。そのためにA層内に平均粒径が30〜150
nm、より好ましくは40〜100nmの微細粒子を
0.01〜1.0重量%、より好ましくは0.02〜
0.8重量%含ませ表面A上に表面突起をもたせても良
い。
【0031】B層を用いずに、滑剤を含む塗液を一方向
に延伸後の平滑なポリエステルフィルムのB面側に塗布
し易滑処理をしてもよい。
【0032】表面AのSRa、SRzは、表面A上に形
成させた被覆層内の微粒子、成分、A層内部の微細粒子
の調整により制御することができる。
【0033】本発明のポリエステルフィルムは磁気記録
媒体のベースフィルムとして、特に大容量のデータスト
レージテープ用途に、また長時間記録用のデジタルビデ
オテープ用途に使用すると優れた結果を得ることができ
好適である。
【0034】本発明の磁気テープは本発明のポリエステ
ルベースフィルムの片側表面AにCo等の強磁性金属薄
膜を真空蒸着により膜厚み100〜300nmとして形
成し、この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダイヤモ
ンド状カーボン膜をコーティングし、更にその上に潤滑
剤処理し、片側表面Bに固体微粒子および結合剤からな
り、必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布するこ
とによりバックコート層を設けて作成する。
【0035】
【実施例】本実施例で用いた測定法を下記に示す。
【0036】(1)SRa値、SRz値 小坂研究所製の光触針式(臨界角焦点エラー検出方式)
の3次元粗さ計(ET−30HK)を使用して測定し
た。 SRa値: JIS Raに相当する中心線面平均粗
さ。 SRz値: JIS Rzに相当する十点平均面粗さ。
粗さ曲面から基準面積分だけ抜き取った部分の平均面を
基準面として、最高から5番目までの山の標高の平均値
と最深から5番目までの谷底の深さの平均値との距離を
入力換算したもの。 試験片は測定表面にAl蒸着を施した。測定方向は幅方
向とし、カットオフ値は0.08mm、測定長は0.1
〜0.25mm、送りピッチは0.2μm、測定スピー
ドは20μm/s、測定本数は100本とした。単位は
nmとした。
【0037】(2)ヤング率 引張試験測定により得られる応力−ひずみ曲線における
スタート点の立ち上がり勾配からASTM D−882
−67に準じて求めMPaで表す。サンプル幅、実効長
さは10mm、100mmとした。引張速度は100m
m/minとした。
【0038】(3)F−5値 引張試験測定により得られる応力−ひずみ曲線におい
て、5%の伸びを与える抗張力を初期フィルム断面積で
割った値をASTM D−882−67に準じて求め、
MPaで表す。サンプル幅、実効長さは10mm、10
0mmとし、引張速度は100mm/minとした。
【0039】(4)100℃、30分の熱収縮率 100℃の温度のオーブン中で、幅10mm、長さ10
〜30cmの試料を30分、熱処理し、原長から熱処理
後の長さの差をとり、原長で割り、100倍し熱収縮率
値とした。なお試料には10mm幅あたり3gの荷重を
かけて、熱処理した。
【0040】(5)高さ120nm以上の表面傷個数 光学顕微鏡(観測倍率:100倍)を用いてフィルムA
側表面を観察し、傷状に見えるものを観測しマーキング
し、マーキングされたその傷の高さをキーエンス社製の
レーザー顕微鏡(表面形状測定顕微鏡 VF−750
0)を用いて120nm以上であるか否かを確認する。
観測した面積より100cm2あたりの面積に換算し、
高さ120nm以上の表面傷個数とした。
【0041】磁気記録テープからの判断は磁気記録した
後に、磁性コロイドを磁気テープ表面に塗布し光学顕微
鏡(観測倍率:100倍)により塗布表面観察すること
により行う。塗布表面上の磁気記録が抜けた傷の箇所を
マーキングし、マーキングされたそれら傷の高さをキー
エンス社製のレーザー顕微鏡(表面形状測定顕微鏡VF
−7500)を用いて120nm以上であるか否かを確
認する。観測した面積より100cm2あたりの面積に
換算し、高さ120nm以上の表面傷個数とした。
【0042】(6)本発明フィルムに強磁性体薄膜を設
けた本発明磁気記録テープ(データ用テープ)の特性評
価は、市販のExabyte社製データ8mm装置、マ
ンモスを用いてエラーレートを求めることによって行っ
た。エラーレートは、2GBのデータをハードディスク
よりテープにバックアップ記録した時の記録ミスの割
合、読み取った時の読み取りミスの割合を求め測定し
た。エラーレートは、テープ製造後の最初の使用時と、
100回記録保存、読み取り後の値とを求めた。エラー
レートはデータストレージの観点からは小さい値の方が
好ましい。
【0043】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0044】実施例1 実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタ
レートに平均粒径60nmのシリカを0.04重量%含
有させた原料Aと、実質的に不活性粒子を含有しないポ
リエチレンテレフタレートに平均粒径200nmの炭酸
カルシウムを0.50重量%含有させた原料Bとを厚み
比5:1の割合で共押出しし、ロール延伸法で110℃
で3.0倍に縦延伸した。
【0045】縦延伸の後の工程で、片側表面Aに下記水
溶液を塗布した。 メチルセルロース 0.18重量% 水溶性ポリエステル 0.35重量% (テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30モル%の酸 成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) アミノエチルシランカップリング剤 0.02重量% 平均粒径 20nmのシリカ粒子 0.06重量% 固形分濃度 30mg/m2 その後、ステンターにて横方向に105℃で3.3倍に
延伸し、再度縦方向にロール延伸法で120℃の空気を
延伸ロールとフィルム間に吹きつけながら1.3倍に延
伸し、更に215℃で1.30倍横延伸しながら熱処理
し、中間スプールに巻き、スリッターで小幅にスリット
し、円筒コアーにロール状に巻取り、厚さ4.5μmの
ロール状ポリエステルフィルムを得た。
【0046】このポリエステルフィルムの表面Aに真空
蒸着によりコバルト−酸素薄膜を各80nmの膜厚で2
層に形成した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッ
タリング法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nm
の厚さで形成させ、フッ素含有脂肪酸エステル系潤滑剤
を3nmの厚さで塗布した。続いてカーボンブラック、
ポリウレタン、シリコーンからなるバックコート層を5
00nmの厚さで設け、スリッターにより幅8mmにス
リットし、リールに巻き取り、マンモス用カセットに組
み込み、磁気記録テープ(データ用テープ)を作成し
た。
【0047】得られたポリエステルフィルム及び磁気記
録テープの特性を表1に示す。なおポリエステルフィル
ムのB面のSRa値、SRz値は21、251nmであ
った。
【0048】実施例2 実施例1のポリエステルフィルムの製造において、原料
Aより平均粒径60nmのシリカを除いたこと以外は実
施例1と同様にして幅8mmの磁気記録テープを作成し
た。得られたポリエステルフィルム及び磁気記録テープ
の特性を表1に示す。なおポリエステルフィルムのB面
のSRa値、SRz値は21、251nmであった。
【0049】実施例3 実施例1のポリエステルフィルム製造において、再縦延
伸の倍率を1.45倍とした。ポリエステルフィルムは
再縦延伸部での破れが多く生産性は不良であった。その
他は実施例1と同様にして幅8mmの磁気記録テープを
作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁気記録
テープの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルム
のB面のSRa値、SRz値は19、245nmであっ
た。
【0050】実施例4 実施例1のポリエステルフィルム製造において、再横延
伸の倍率を1.45倍とした。ポリエステルフィルムは
再横延伸部での破れが多く生産性は不良であった。その
他は実施例1と同様にして幅8mmの磁気記録テープを
作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁気記録
テープの特性を表1に示す。なおポリエステルフィルム
のB面のSRa値、SRz値は18、240nmであっ
た。
【0051】実施例5 実施例2のポリエステルフィルム製造において、ポリエ
チレンテレフタレートをポリエチレン−2,6−ナフタ
レートと変更し、原料B内の炭酸カルシウムの含有量を
1.1重量%とし、縦延伸温度、倍率を135℃で3.
5倍とし、縦延伸後に片側表面Aに実施例1と同様の水
溶液を固形分濃度で40mg/m2塗布し、横延伸温
度、倍率を135℃、3.8倍とし、再度縦方向にロー
ル延伸法で135℃の空気を延伸ロールとフィルム間に
吹きつけながら1.4倍に延伸し、更に215℃で1.
30倍横延伸しながら熱処理し、中間スプールに巻き、
厚さ3.5μmのポリエステルフィルムロールを得た。
その他は実施例1と同様にして幅8mmの磁気記録テー
プを作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁気
記録テープの特性を表1に示す。なおポリエステルフィ
ルムのB面のSRa値、SRz値は19、245nmで
あった。
【0052】比較例1 実施例1のポリエステルフィルム製造において、水溶液
塗布の塗布濃度(固形分濃度)を15mg/m2とし
た。その他は実施例1と同様にして厚さ4.5μmの複
合ポリエステルフィルムロールを得、幅8mmの磁気記
録テープを作成した。得られたポリエステルフィルム及
び磁気記録テープの特性を表1に示す。なおポリエステ
ルフィルムのB面のSRa値、SRz値は21、255
nmであった。
【0053】比較例2 実施例1のポリエステルフィルム製造において、塗布水
溶液のメチルセルロース濃度を0.23重量%とした。
その他は実施例1と同様にして厚さ4.5μmの複合ポ
リエステルフィルムロールを得、幅8mmの磁気記録テ
ープを作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁
気記録テープの特性を表1に示す。なおポリエステルフ
ィルムのB面のSRa値、SRz値は21、255nm
であった。
【0054】比較例3 実施例1のポリエステルフィルム製造において、塗布水
溶液内の極微細シリカの濃度を0.03重量%とした。
その他は実施例1と同様にして厚さ4.5μmの複合ポ
リエステルフィルムロールを得、幅8mmの磁気記録テ
ープを作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁
気記録テープの特性を表1に示す。なおポリエステルフ
ィルムのB面のSRa値、SRz値は21、255nm
であった。
【0055】比較例4 実施例1のポリエステルフィルム製造において、原料A
に含有させたシリカの平均粒径を90nmに変更した。
その他は実施例1と同様にして厚さ4.5μmの複合ポ
リエステルフィルムロールを得、幅8mmの磁気記録テ
ープを作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁
気記録テープの特性を表1に示す。なおポリエステルフ
ィルムのB面のSRa値、SRz値は21、255nm
であった。
【0056】比較例5 実施例1のポリエステルフィルム製造において、再縦延
伸の倍率を1.05倍とした。その他は実施例1と同様
にして幅8mmの磁気記録テープを作成した。得られた
ポリエステルフィルム及び磁気記録テープの特性を表1
に示す。なおポリエステルフィルムのB面のSRa値、
SRz値は21、255nmであった。
【0057】比較例6 実施例1のポリエステルフィルム製造において、再横延
伸の倍率を1.20倍とした。その他は実施例1と同様
にして幅8mmの磁気記録テープを作成した。得られた
ポリエステルフィルム及び磁気記録テープの特性を表1
に示す。なおポリエステルフィルムのB面のSRa値、
SRz値は21、255nmであった。
【0058】比較例7 実施例1のポリエステルフィルム製造において、再度の
縦方向へのロール延伸において120℃の空気を延伸ロ
ールとフィルム間に吹きつけず、延伸ロールの温度のみ
を120℃として1.3倍に延伸した。その他は実施例
1と同様にして幅8mmの磁気テープを作成した。得ら
れたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1
に示す。なおポリエステルフィルムのB面のSRa値、
SRz値は21、255nmであった。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】表1の特性から明らかな様に、本発明ポ
リエステルフィルムの片側表面Aに強磁性金属薄膜層が
設けられた磁気記録テープはエラーレートの低い大容量
のデータストレージテープとなり得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 67:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F071 AA46 AB21 AB26 AE17 AH14 BA01 BB06 BC01 BC12 BC16 4F100 AA08H AA17 AA20H AA37 AB01B AB15 AH02 AH05 AH06 AJ06 AK41A AK41J AK42A AK51 AK52 AL01 BA02 BA05 CA19 CA23 DD07A EH66 EJ38 GB41 JG06B JK07A JK14A JL00 JM02B YY00A 4F210 AA01 AA24B AA24C AA24E AA26B AA26C AB11 AB17 AE04 AG01 AG03 AH38 QA02 QA03 QC06 QD08 QG01 QG15 QW31 4J002 AB012 AB052 AD012 AD022 BC032 BE022 BG012 CF001 CF002 CF061 CF081 CK022 DE146 DE236 DJ016 FA082 FD016 GS01 5D006 BB01 CB01 CB07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフイルムの片側表面AのSR
    a値が2〜5nm、SRz値が10〜40nmであり、
    長手方向のヤング率が5500MPa以上、幅方向のヤ
    ング率が6500MPa以上であり、該表面Aに存在す
    る高さ120nmを超える表面傷が10個/100cm
    2以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】厚さが5.0μm以下である請求項1記載
    の磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】ポリエステルがポリエチレンテレフタレー
    トまたはポリエチレン−2、6−ナフタレートである請
    求項1〜2記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィル
    ム。
  4. 【請求項4】デジタル記録方式の磁気記録テープ用に用
    いられる請求項1〜3記載の磁気記録媒体用ポリエステ
    ルフィルム。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載のポリエステルフィルム
    の片側表面Aに強磁性金属薄膜層を設けてなることを特
    徴とする磁気記録テープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276303A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sony Corp 磁気記録媒体

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