JPH10308012A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルム及び磁気記録テープ

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JPH10308012A
JPH10308012A JP11713697A JP11713697A JPH10308012A JP H10308012 A JPH10308012 A JP H10308012A JP 11713697 A JP11713697 A JP 11713697A JP 11713697 A JP11713697 A JP 11713697A JP H10308012 A JPH10308012 A JP H10308012A
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JP
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polyester film
film
tape
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polyester
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Masaaki Ono
雅章 小野
Masaya Onishi
雅也 大西
Sunao Harada
直 原田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドによるヘッドタタキ音がなく、高温で
の保存性の優れた、エッジダメージの少ない長時間デジ
タルビデオテープを作成するためにハンドリング性の良
い適切なベースフィルムを提供すること。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの長手方向のヤン
グ率が4700MPa以下、幅方向のヤング率が800
0MPa以上であり、100℃、30分の熱収縮率が長
手方向で1.5%未満、幅方向で3.0〜5.0%であ
ることを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルム、特にデジタルビデオカセットテー
プ用、データストレージテープ用等のデジタルデータを
長時間、大量に記録する強磁性金属薄膜型磁気記録媒体
用のベースフィルムとして好適なポリエステルフィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープは厚さ6〜7μmのベースフィルム上に
Coの金属磁性薄膜を真空蒸着により設け、その表面に
ダイヤモンド状カーボン膜をコーティングしてなり、D
Vミニカセットを使用したカメラ一体型ビデオの場合に
は基本仕様(SD仕様)で1時間の録画時間をもつ。
【0003】このデジタルビデオカセット(DVC)
は、家庭用で世界で初のデジタルビデオカセットであ
り、a.小型ボディながら、膨大な情報が記録できる、
b.信号が劣化しないから、何年たっても画質・音質が
劣化しない、c.雑音の妨害を受けないから高画質・高
音質が楽しめる、d.ダビングを繰り返しても映像が劣
化しない、等のメリットを持つが、更なる長時間の録画
時間のDVCロングプレイ(DVC−LP)ビデオテー
プの作成が望まれており、厚さが6μm未満のベースフ
ィルムが必要となってきている。
【0004】そのベースフィルムとしては(1) ポリエス
テルフィルムと、該フィルムの少なくとも片面に密着さ
れたポリマーブレンド体と粒径50〜500Åの微細粒
子を主体とした不連続皮膜とからなり、該不連続皮膜に
は水溶性ポリエステル共重合体が含有され、微細粒子に
より不連続皮膜上に微細突起が形成されたポリエステル
フィルム(例えば特公昭63−57238号公報)、
(2) 長手方向、幅方向のヤング率が5.0GPa以上、
6.7GPa以上のポリエチレン−2,6−ナフタレー
トフィルム(例えば特許1076274号)の表面性を
平滑化したフィルム等で、厚さを6μm未満にしたもの
の利用が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
に非常に薄く平滑なベースフィルムは蒸着工程で加工が
しづらく、作成した民生用デジタルビデオテープのビデ
オカセットテープレコーダー内での記録、再生でのビデ
オテープの耐久性も低下しがちである。
【0006】すなわち、従来のベースフィルムを、基本
仕様(SD仕様)よりも更に長時間の録画時間のビデオ
テープ(DVC−LP)用のベースフィルムとしてみた
場合、(1) のベースフィルムより作成したビデオテープ
は高密度磁気記録特性を与えるが、ビデオテープの、ビ
デオカセットテープレコーダー内での記録、再生でヘッ
ドとの接触によりビデオテープのエッジにダメージが発
生しテープの平面性が不良となり、耐久性の良い民生用
デジタルビデオテープとならない、(2) を含めたポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムはフィルムが引
き裂かれやすく、加工工程でフィルムが切れやすく加工
性能が不良である。
【0007】従って本発明は、真空蒸着により得られた
磁気テープのビデオカセットテープレコーダー内でのヘ
ッドとの接触によるエッジダメージ発生が防止され、蒸
着加工時のハンドリング性が良好な磁気記録媒体用ポリ
エステルフィルムを与える事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決するた
めに、本発明は以下の構成からなる。
【0009】すなわち、 1.ポリエステルフイルムの長手方向のヤング率が47
00MPa以下、幅方向のヤング率が8000MPa以
上であり、100℃、30分の熱収縮率が長手方 向で
1.5%未満、幅方向で3.0〜5.0%であることを
特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィルムおよび
該ポリエステルフィルムの表面に強磁性金属薄膜層を設
けてなる磁気記録テープに関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとは
分子配向により高強度フィルムとなるポリエステル、す
なわちポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等であれば良いが、ポリエチレン
テレフタレートが好ましい。その構成成分の80%以上
がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタ
レートである。エチレンテレフタレート以外のポリエス
テル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成
分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官
能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸など
が挙げられる。
【0011】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度に混合してもよい。
【0012】本ポリエステルフィルムの片側表面AのS
Ra値は表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金
属薄膜膜の記録・再生時のビデオヘッドによる磨耗を極
力少なくし、およびDVC−LPテープの出力特性を良
好に保つには、好ましくは2〜4nm、より好ましくは
2〜3nmが望ましく、SRz値はデジタルビデオテー
プレコーダー内の多数回にわたる繰返し記録、再生でD
VC−LPテープの強磁性薄膜の耐久性を保ち、DVC
−LPテープの小さなドロップアウトを極力少なくする
には、好ましくは10〜40nm、より好ましくは20
〜40nmであるのが望ましい。
【0013】本ポリエステルフィルムの長手方向のヤン
グ率は4700MPa以下、幅方向のヤング率は800
0MPa以上である。さらに好ましくは長手方向のヤン
グ率は3900〜4700MPa、幅方向のヤング率は
8000〜11800MPaである。デジタルビデオテ
ープレコーダーに使われているドラムは9000rpm
という従来の標準的な家庭用のビデオのドラムの5倍の
速さで回転しており、回転するヘッドがテープエッジよ
り磁性面上に進入する際、ヘッドがテープをたたき、そ
れがテープ上で共鳴し発生する音が問題となっており、
ポリエステルフィルムの長手方向のヤング率が4700
MPaを超えると、本ポリエステルフィルムから作成さ
れたDVC−LPテープから発生するヘッドタタキ音が
無視できないレベルとなり好ましくない。幅方向のヤン
グ率が8000MPa未満であると、本ポリエステルフ
ィルムから作成されたDVC−LPテープのビデオテー
プレコーダー内での記録、再生時、ヘッドの走行によ
り、特に回転するヘッドがテープエッジより磁性面上に
進入する際のテープをたたくことの繰返しによりテープ
エッジダメージが発生し好ましくない。
【0014】本ポリエステルフィルムの100℃、30
分の熱収縮率は長手方向で1.5%未満、幅方向で3.
0〜5.0%である。DVCテープはCo金属の斜め真
空蒸着により作成されるが、真空蒸着中、飛来している
蒸発Co金属の温度は1000℃を超えるが、その蒸発
Co金属が、冷却キャン上を走行しているポリエステル
フィルム表面に到達し冷却され、Co磁性薄膜が形成さ
れるが、その時の温度は、磁性薄膜層の最大温度が数1
00℃、ポリエステルフィルムの温度が100℃程度と
なる。蒸着膜形成後、磁性薄膜層の温度が室温に低下す
る際に、磁性薄膜は収縮していく。またベースフィルム
であるポリエステルフィルムも磁性薄膜形成時のベース
フィルムの温度上昇により収縮する。ベースであるポリ
エステルフィルムの幅方向の熱収縮率が3.0%未満で
あると、蒸着過程時のベースフィルムの幅方向の収縮量
よりCo金属薄膜層の収縮量が大となり、本ポリエステ
ルフィルムから真空蒸着により作成されたDVC−LP
テープの幅方向の磁性面側への凹のカール量が大きくな
り好ましくない。熱収縮率が5.0%を超えると、逆に
ビデオテープの幅方向の走行面側への凹のカールが大き
くなり好ましくない。DVC用ではアナログ用途と比
べ、あるレベル以上のカールが幅方向に発生すると、信
号の再生が全くできなくなり、磁気テープのカール特性
は非常に重要となってくる。長手方向のカールはテープ
はドラムに長手方向に走行させるので大きな問題とはな
らない。長手方向の100℃、30分の熱収縮率が1.
5%を超えると、本ポリエステルフィルムより作成した
DVC−LPテープを夏場の空調のない部屋内、夏場の
日光の当たる自動車室内、冬場のストーブの前等、高温
で長時間保管した時に、長手方向の寸法収縮量が大きく
なりすぎ好ましくない。すなわち高温で非可逆的に長手
方向に寸法が縮み、再生時のテープ上のヘッド軌跡が、
高温保存前に記録されたの元の記録トラックより、ヘッ
ドがテープの進入と反対側のエッジに近づくにつれ、大
きく外れてしまう。ヘッドの記録トラック外れが一定量
以上となると、DVC用ではアナログ用途と比べ、信号
の再生が全くできなくなり好ましくない。
【0015】本ポリエステルフィルムの長手方向のF−
5値(5%伸長時の応力)は120MPa以下が好まし
く、さらに113MPa以下が好ましい。長手方向のF
−5値が120MPaを超えるとフィルムが引き裂かれ
やすくなり、磁気テープ化加工工程でフィルムが切れや
すくなり好ましくない。
【0016】本ポリエステルフィルムの幅方向のF−5
値は250MPa以上が好ましく、さらに255MPa
以上が好ましい。幅方向のF−5値が250MPa未満
であると、本ポリエステルフィルムにCo金属薄膜が形
成され作成されるDVC−LPテープの幅方向の強度が
小さくなり、DVCビデオテープレコーダー内のテープ
パスを規制するガイドピンによりテープが折れやすくな
り好ましくない。
【0017】本ポリエステルフィルムの屈折率は長手方
向は1.620〜1.630、幅方向は1.690〜
1.700、厚さ方向は1.470〜1.500が好ま
しい。
【0018】本ポリエステルフィルムの片側表面BのS
Ra値はポリエステルフィルムを製膜した後、ポリエス
テルフィルムを所定の幅にスリットする際、巻姿の良い
製品を採取しやすくし、ポリエステルフィルムの片側表
面A上に強磁性薄膜を設けた後にロール状の巻取りによ
り片側表面Bの粗さが転写し強磁性薄膜層にうねり状の
変形が起きるのを最小限にするために、8〜20nm、
より好ましくは10〜18nmが望ましい。SRz値は
ポリエステルフィルムの製膜後、ポリエステルフィルム
をスリットした後のロール状の製品の巻姿を良好に保
ち、ポリエステルフィルムの片側表面A上に強磁性薄膜
を設けた後にロール状の巻取りにより片側表面Bの粗さ
が転写し強磁性薄膜層にうねり状の変形が起きるのを最
小限にするために、100〜300nm、より好ましく
は140〜250nmが望ましい。本発明のポリエステ
ルフィルムは厚さ6μm未満が好ましく、さらに好まし
くは厚さは4.0〜5.5μmが望ましい。
【0019】ポリエステルフィルム表面Aには平均粒径
が5〜30nm、より好ましくは8〜30nmの微細粒
子を0.5〜12.0重量%、より好ましくは0.6〜
10.0重量%含む有機化合物からなる被覆層が形成さ
れているのが望ましい。微細粒子としてはシリカ、炭酸
カルシウム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチレ
ン球、有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラ
ガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、
水溶性ポリエステル、ポリウレタン等の有極性高分子こ
れらのブレンド体が使用できるが、これらに限定されな
い。
【0020】また磁性層の耐久性を更に増すためには、
表面Aを形成するポリエステル層内には平均粒径が30
〜150nm、好ましくは40〜100nmの微細粒子
を0.01〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.
8重量%含ませ表面A上に表面突起をもたせるのが好ま
しい。
【0021】本ポリエステルフィルムの片側表面Bは上
記表面Aと逆面に、より粗い被覆層が設けられるか、よ
り大きな微細粒子を含有するポリエステルフィルム層が
積層されて形成されたものが好ましく用いられるが、特
にこれらに限定されるものではない。なおここで用いら
れる微細粒子としては炭酸カルシウム、シリカ、アルミ
ナ、ポリスチレン等が例示される。この微細粒子として
は、平均粒子径が好ましくは100〜1000nm、よ
り好ましくは150〜900nmのものが用いられ添加
量としては好ましくは0.05〜1.0重量%、より好
ましくは0.08〜0.8重量%が望ましい。
【0022】本磁気記録媒体は本発明のポリエステルフ
ィルム表面A(表面A上に被覆層が形成されている場合
にはその被覆層)上に真空蒸着により形成される強磁性
金属薄膜層を設けてなることを特徴とするが、使用する
金属薄膜は公知のものを使用でき、特に限定されない
が、鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の強
磁性体からなるものが好ましい。金属薄膜層の厚さは1
00〜300nmである。
【0023】本磁気記録媒体は表面B上に固体微粒子お
よび結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を加えた
溶液を塗布することにより形成されるバックコート層を
設けてなることを特徴とするが、固体微粒子、結合剤、
添加剤は公知のものを使用でき、特に限定されない。バ
ックコート層の厚さは0.3〜1.5μm程度である。
【0024】次に本発明の製法を説明する。
【0025】本発明のポリエステルフィルムは溶融、成
形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィ
ルム製造工程において、縦、横方向に90〜120℃で
2.5〜3.5倍、3.0〜4.5倍延伸し、190〜
220℃の温度で熱固定を行いつつ1.3倍以上、横に
延伸し、次に130〜190℃の温度で0.2〜2.5
%程度の横方向の弛緩処理(フィルム幅を縮める処理)
を行い、製造することができる。
【0026】共押出し技術の使用により含有粒子を可能
な限り除いた層A用の原料と積極的に微粒子を含有させ
た層B用の原料を用いたA/B積層フィルムを押出し、
一方向に延伸後の平滑なポリエステルフィルムのA面側
に、平均粒径が5〜30nm、好ましくは8〜30nm
の微細粒子を0.5〜12.0重量%、好ましくは0.
6〜10.0重量%含む有機化合物からなる塗液を塗布
して表面A側に被覆層を形成させるのが好ましい。
【0027】A層は磁気テープの磁気ヘッドによる耐久
性を更に増すために、その内部に微細粒子を含ませても
良い。
【0028】B層を用いなく、A層のB面側に滑剤を含
む塗液を一方向に延伸後の平滑なポリエステルフィルム
のB面側に塗布し易滑処理をしてもよい。
【0029】表面AのSRa、SRzは表面A上に形成
させた被覆層内の微粒子、成分、A層内部の微細粒子の
調整により調整することができる。
【0030】本発明のポリエステルフィルムは磁気記録
媒体のベースフィルムとして、特に長時間記録用のデジ
タルビデオテープ用途に使用すると優れた結果を得るこ
とができ好適である。またデータストレージテープ用途
に使用しても優れた結果を得ることができ好適である。
【0031】本発明の磁気テープは本発明のポリエステ
ルベースフィルムの片側表面AにCo等の強磁性金属薄
膜を真空蒸着により膜厚み100〜300nmと形成
し、この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダイヤモン
ド状カーボン膜をコーティングし、片側表面Bに固体微
粒子および結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を
加えた溶液を塗布することによりバックコート層を設け
て作成する。
【0032】
【実施例】本実施例で用いた測定法を下記に示す。
【0033】(1) SRa値、SRz値 小坂研究所製の光触針式(臨界角焦点エラー検出方式)
の3次元粗さ計(ET−30HK)を使用して測定し
た。
【0034】SRa値 JIS Raに相当する中心
線面平均粗さ。
【0035】SRz値 JIS Rzに相当する十点
平均面粗さ。粗さ曲面から基準面積分だけ抜き取った部
分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の
標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均
値との距離を入力換算したもの。
【0036】試験片は測定表面にAl蒸着を施した。
【0037】測定方向は幅方向とし、カットオフ値は
0.08mm、測定長は0.1〜0.25mm、送りピ
ッチは0.2μm、測定スピードは20μm/s、測定
本数は100本とした。単位はnmとした。
【0038】(2)ヤング率 引張試験測定により得られる応力−ひずみ曲線における
スタート点の立ち上がり勾配からASTM D−882
−67に準じて求めMPaで表す。サンプル幅、実効長
さは10mm、100mmとした。引張速度は100m
m/minとした。
【0039】(3)F−5値 引張試験測定により得られる応力−ひずみ曲線におい
て、5%の伸びを与える抗張力を初期フィルム断面積で
割った値をASTM D−882−67に準じて求め、
MPaで表す。サンプル幅、実効長さは10mm、10
0mmとし、引張速度は100mm/minとした。
【0040】(4)100℃、30分の熱収縮率 100℃の温度のオーブン中で、幅10mm、長さ10
〜30cmの試料を30分、熱処理し、原長から熱処理
後の長さの差をとり、原長で割り、100倍し熱収縮率
値とした。なお試料には10mm幅あたり3grの荷重
をかけて、熱処理した。
【0041】(5)屈折率 アッベ式屈折率計を用いて測定した。光源にはナトリウ
ムのD線を用いた。
【0042】(6)本発明フィルムに強磁性体薄膜を設
けた本発明磁気テープ(DVC−LPテープ)の特性評
価は、市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコー
ダーのLPモードを用いて静かな室内で録画、再生し、
録音状況確認、ドロップアウト(DO)個数を求めるこ
とにより行った。DO個数の測定は、作成した本DVC
−LPテープを市販のカメラ一体型デジタルビデオテー
プレコーダーで録画し、1分間の再生をして画面にあら
われたブロック状のモザイク個数を数えることによって
行った。
【0043】録音状況、DO個数は常温常湿(25℃、
60%RH)でテープ製造後の初期特性を最初に調べ
た。そして40℃の温度下で10日間保管し、再生し、
DO個数を測定した。室温でテープ走行を100回くり
返した後のDO個数も測定した。
【0044】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0045】実施例1 実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタ
レートに平均粒径60nmのシリカを0.03重量%含
有させた原料Aと、実質的に不活性粒子を含有しないポ
リエチレンテレフタレートに平均粒径200nmの炭酸
カルシウムを0.50重量%含有させた原料Bとを厚み
比5:1の割合で共押出しし、ロール延伸法で110℃
で3.0倍に縦延伸した。
【0046】縦延伸の後の工程で、片側表面Aの外側に
下記水溶液を塗布した。
【0047】 A面外側:メチルセルロース 0.10重量% 水溶性ポリエステル 0.30重量% (テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30 モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) アミノエチルシランカップリング剤 0.01重量% 平均粒径 12nmの極微細シリカ 0.03重量% 固形分濃度 20mg/m2 その後、ステンターにて横方向に105℃で3.3倍に
延伸し、更に215℃で1.56倍横延伸しながら熱処
理し、170℃で1.0%の横方向の弛緩処理をし中間
スプールに巻き、スリッターで小幅にスリットし、円筒
コアーにロール状に巻取り、厚さ4.5μmのロール状
ポリエステルフィルムを得た。
【0048】このポリエステルフィルム表面Aに真空蒸
着によりコバルト−酸素薄膜を110nmの膜厚で形成
した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング
法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚みで
形成させた。続いてカーボンブラック、ポリウレタン、
シリコーンからなるバックコート層を500nm設け、
スリッターにより幅6.35mmにスリットしリールに
巻き取り磁気テープ(DVCビデオテープ、LPモー
ド、2時間記録再生可能)を作成した。
【0049】得られたポリエステルフィルム及び磁気テ
ープの特性を表1、表2に示す。
【0050】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.626、1.697、1.485、B
面のSRa、SRz値は13、220nmであった。
【0051】実施例2 実施例1のベースフィルム製造において、原料Aに含有
させたシリカを除き、その他は実施例1と同様にして厚
さ4.5μmのポリエステルフィルムロールを得た。そ
の他は実施例1と同様にして幅6.35mmの磁気テー
プを作成した。得られたポリエステルフィルム及び磁気
テープの特性を表1、表2に示す。
【0052】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.626、1.697、1.485、B
面のSRa、SRz値は13、220nmであった。
【0053】実施例3 実施例1のベースフィルム製造において、縦延伸倍率を
3.1倍とした。A面外側の水溶液塗布の固形分濃度を
10mg/m2と低下させた。その他は実施例1と同様
にして厚さ4.5μmのポリエステルフィルムロールを
得、幅6.35mmの磁気テープを作成した。得られた
ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、表
2に示す。
【0054】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.627、1.696、1.485、B
面のSRa、SRz値は12、200nmであった。
【0055】実施例4 実施例1のベースフィルム製造において、縦延伸倍率を
3.1倍とした。A面外側の塗布水溶液のメチルセルロ
ース濃度を0.18重量%とした。その他は実施例1と
同様にして厚さ4.5μmのポリエステルフィルムロー
ルを得、幅6.35mmの磁気テープを作成した。得ら
れたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表
1、表2に示す。
【0056】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.627、1.696、1.485、B
面のSRa、SRz値は12、200nmであった。
【0057】実施例5 実施例1のベースフィルム製造において、A面外側の塗
布水溶液内の極微細シリカの濃度を0.01重量%とし
た。215℃での延伸倍率を1.57倍とした。その他
は実施例1と同様にして厚さ4.5μmのポリエステル
フィルムロールを得、幅6.35mmの磁気テープを作
成した。得られたポリエステルフィルム及び磁気テープ
の特性を表1、表2に示す。
【0058】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.626、1.697、1.485、B
面のSRa、SRz値は13、210nmであった。
【0059】実施例6 実施例1のベースフィルム製造において、原料に含有さ
せたシリカの平均粒径を90nmに変更した。215℃
での延伸倍率を1.57倍とした。その他は実施例1と
同様にして厚さ4.5μmのポリエステルフィルムロー
ルを得、幅6.35mmの磁気テープを作成した。得ら
れたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表
1、表2に示す。
【0060】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.626、1.697、1.485、B
面のSRa、SRz値は13、210nmであった。
【0061】実施例7 実施例1のベースフィルム製造において、縦延伸の温
度、倍率を120℃、3.7倍とした。その他は実施例
1と同様にして厚さ4.5μmのポリエステルフィルム
ロールを得た。得られたロールは真空蒸着工程で切れや
すく真空蒸着工程での走行速度を2割程度低下させ、磁
気テープを作成した。得られたポリエステルフィルム及
び磁気テープの特性を表1、表2に示す。
【0062】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.627、1.697、1.484、B
面のSRa、SRz値は11、205nmであった。
【0063】実施例8 実施例1のベースフィルム製造において、105℃での
延伸倍率を3.20倍とした。その他は実施例1と同様
にして厚さ4.5μmのポリエステルフィルムロールを
得、幅6.35mmの磁気テープを作成した。得られた
ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1、表
2に示す。
【0064】100回走行後の磁気テープをみると、テ
ープエッジが若干折れていた。
【0065】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.626、1.696、1.486、B
面のSRa、SRz値は14、225nmであった。
【0066】比較例1 実施例1のベースフィルム製造において、縦延伸の温
度、倍率を120℃、3.6倍とした。その他は実施例
1と同様にして厚さ4.5μmのポリエステルフィルム
ロールを得、幅6.35mmの磁気テープを作成した。
得られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を
表1、表2に示す。
【0067】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.631、1.696、1.481、B
面のSRa、SRz値は11、205nmであった。
【0068】比較例2 実施例1のベースフィルム製造において、215℃での
延伸倍率を1.20倍、170℃の弛緩処理率を0.5
%とした。その他は実施例1と同様にして厚さ4.5μ
mのポリエステルフィルムロールを得、幅6.35mm
の磁気テープを作成した。得られたポリエステルフィル
ム及び磁気テープの特性を表1、表2に示す。
【0069】100回走行後の磁気テープをみると、テ
ープエッジがべこべこになっていた。
【0070】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.626、1.689、1.491、B
面のSRa、SRz値は14、230nmであった。
【0071】比較例3 実施例1のベースフィルム製造におい縦延伸温度を10
5℃とした。その他は実施例1と同様にして厚さ4.5
μmのポリエステルフィルムロールを得、幅6.35m
mの磁気テープを作成した。得られたポリエステルフィ
ルム及び磁気テープの特性を表1、表2に示す。
【0072】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.626、1.697、1.483、B
面のSRa、SRz値は12、215nmであった。
【0073】比較例4 実施例1のベースフィルム製造において、215℃での
延伸倍率を1.60倍、170℃の弛緩処理率を1.2
%とした。その他は実施例1と同様にして厚さ4.5μ
mのポリエステルフィルムロールを得、幅6.35mm
の磁気テープを作成した。得られたポリエステルフィル
ム及び磁気テープの特性を表1、表2に示す。
【0074】得られた磁気テープをみると、テープの幅
方向、磁性面側へのカールが大であった。
【0075】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.625、1.699、1.485、B
面のSRa、SRz値は12、215nmであった。
【0076】比較例5 実施例1のベースフィルム製造において、215℃での
延伸倍率を1.70倍、170℃の弛緩処理率を3.0
%とした。その他は実施例1と同様にして厚さ4.5μ
mのポリエステルフィルムロールを得、幅6.35mm
の磁気テープを作成した。得られたポリエステルフィル
ム及び磁気テープの特性を表1、表2に示す。
【0077】得られた磁気テープをみると、テープの幅
方向、走行面側へのカールが大であった。
【0078】なおポリエステルフィルムの屈折率(長手
方向、幅方向、厚さ方向)は1.629、1.697、1.478、B
面のSRa、SRz値は11、210nmであった。
【0079】
【表1】
【表2】
【0080】
【発明の効果】表1、表2の特性から明らかな様に、本
発明ポリエステルフィルムの片側表面Aに強磁性金属薄
膜層が設けられた磁気テープはヘッドタタキ音がなく、
DO個数の少ない、高温での保存性、繰返し走行での耐
久性に優れた長時間用デジタルビデオテープとなり得
る。なお本発明のポリエステルフィルムは蒸着型磁気テ
ープとして使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67:02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフイルムの長手方向のヤング
    率が4700MPa以下、幅方向のヤング率が8000
    MPa以上であり、100℃、30分の熱収縮率が長手
    方向で1.5%未満、幅方向で3.0〜5.0%である
    ことを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】長手方向のF−5値が120MPa以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用ポ
    リエステルフィルム。
  3. 【請求項3】幅方向のF−5値が250MPa以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用ポリ
    エステルフィルム。
  4. 【請求項4】厚さが6.0μm未満であることを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体用ポリエステルフィル
    ム。
  5. 【請求項5】ポリエステルがポリエチレンテレフタレー
    トであることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体
    用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】デジタル記録方式の磁気テープ用に用いら
    れることを特徴とする請求項1〜5記載の磁気記録媒体
    用ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】請求項1〜5記載のポリエステルフィルム
    の片側表面Aに強磁性金属薄膜層を設けてなることを特
    徴とする磁気記録テープ。
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