JP2005276303A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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篤 加藤
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淳一 佐々木
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Abstract

【課題】ヘッド当たりが極めて良好な、高密度記録型の磁気記録媒体を得る。
【解決手段】非磁性支持体1上に、非磁性下層2と、磁性層3とが、順次重層塗布形成されてなる構成を有する磁気記録媒体10において、非磁性下層2は、α−酸化鉄、カーボンブラック、及びα−アルミナにより構成される非磁性粉末と、ガラス転移点温度(Tg)が、60℃以上130℃以下の、ポリウレタン樹脂を含有する結合剤よりなるものとし、非磁性粉末の重量(O)と、結合剤の重量(B)の比(O/B比)が、3.8≦O/B≦4.5であるものとした磁気記録媒体10を作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体に関するものである。
近年、ハイビジョンVTRやデジタルVTRに代表される高性能化に伴い、磁気記録媒体の特性向上が求められている。
いわゆる塗布型の磁気記録媒体において、高密度記録化を実現するためには、強磁性粉末として金属微粒子を用い、媒体表面を超平滑化してスペーシングロスを最小限に抑え、同時に、記録減磁による出力ロスを低減することが重要とされている。
このような目的を達成する手法として、強磁性粉末の保磁力や飽和磁化の増大化、強磁性粉末の保磁力分布の均一化、垂直異方性の付与、磁性層の薄膜化等が挙げられる。
特に、重層塗布型の磁気記録媒体については各種改良方法が提案されており、例えば、下層非磁性層の塗布厚を0.5μm〜3.5μmとする方法(例えば、特許文献1参照)や、下層非磁性層に適当量のカーボンブラックを含有させる方法(例えば、特許文献2参照)、下層非磁性層の非磁性酸化物の表面を無機物で被覆する方法(例えば、特許文献3参照)、下層非磁性層に大きさの異なる二種類以上の非磁性粉末を用いる方法(例えば、特許文献4参照)、上層磁性層の膜厚の標準偏差を特定の範囲内に規制する方法(例えば、特許文献5参照)、上層磁性層を二層以上の磁性層で構成する方法(例えば、特許文献6、7参照)等が報告されている。
更に、記録密度が高くなるに伴い、記録や再生に要する時間を決める転送速度も速くする必要があるが、このためには、磁気テープと磁気ヘッドとの相対速度を速めることが有効である。
長手記録の場合には、磁気テープの送り速度を速くすることが有効であるが、転送速度を速くする上では、長手記録よりも、ドラム上に複数のヘッドを装着し、ドラムを回転させてテープに記録するヘリカルスキャン方式は、より磁気テープと磁気ヘッドの相対速度を稼ぐことができるという利点を有している。このため、映像データのように転送速度が重要とされる放送局用デジタルVTRにおいては、ヘリカルスキャン方式が一般的に適用されている。
近年のハイビジョン化、デジタル化により、磁気テープに求められる記録容量は、従来の数ギガバイト程度から、数百ギガから数テラバイトと膨大になってきており、これに従って、ヘリカルスキャン方式においてはドラムの回転数や、テープの送り速度が増大化している。
また、更に、磁気テープ自体に関しても、体積当たりの記録容量を増やすために膜厚を薄層化する方向に進んでいる。
しかしながら、磁気テープの膜厚を薄くすれば、必然的に強度が低下し、磁気ヘッドに対する当たり不良や走行によるテープダメージが発生しやすくなるという問題が起こる。
すなわち、従来からVTRに使用される磁気テープは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤(バインダー)を主成分とする磁性塗料を塗布することにより磁性層が形成された構成を有しているが、単に磁気テープの膜厚を薄くするだけでは、テープ強度の低下による傷が発生したり、エッジ折れ等を発生しやすく、磁気ヘッド当たり(磁気ヘッドに対する接触性)も悪化しやすいという実用上の問題を有しているのである。
そこで、上記のような膜厚の薄手化に対応し、非磁性支持体として、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムのような、材料的にヤング率の高いものを採用することが提案された。
しかしながら、PENフィルムを非磁性支持体として使用した場合、テープ強度、剛性はPETに比べれば改善されるものの、未だ充分な強度を有する薄型テープは実現されていない。すなわち、近年において要求されつつある記録密度を達成するために薄層化した磁気テープにおいては、単にPENフィルムを用いただけでは、依然として走行によるテープダメージが発生したり、磁気ヘッドとの当たりが不充分になったりするという問題が残されているのである。
また、PENフィルムは、その種類によって剛性、強度が異なるものであるため、物性的に充分な検討を行うことが必要であると考えられる。
このような点に鑑み、例えば、幅方向と長さ方向の非磁性支持体の強度を一定とすることで、テープのダメージや当たり不良を改善する手法が検討されている(例えば、特許文献8、9参照。)。
さらに、非磁性支持体の表面粗さは、磁気記録媒体の表面粗さに影響するため、高出力の磁気記録媒体を得るべく、磁気ヘッドとのスペーシングロスを低減化させるためには、より表面平滑性に優れているものであることが必要であるが、非磁性支持体の表面性を平滑にしすぎると、塗料を塗布する工程において、静電気の発生や、巻乱れが発生しやすく、生産性が悪化するという問題を生じる。このため、非磁性支持体の表面粗さを特定する技術についての提案もなされてきた(例えば、特許文献10参照。)。
特開昭63−187418号公報 特開平4−238111号公報 特開平5−182177号公報 特開平5−274651号公報 特開平5−298653号公報 特開平6−162485号公報 特開平6−162489号公報 特許第3182745号公報 特開2002−269727号公報 特開2003−30818号公報
しかしながら、上述した従来の技術のように、非磁性支持体の強度を規定したり、表面粗さを検討したりすることのみでは、近年における、きわめて高密度記録対応のヘリカルスキャン方式のフォーマットに対応しきれなくなってきた。
すなわち、例えばトラックピッチが10ミクロン以下の、高密度記録対応のヘリカルスキャン方式のフォーマットにおいて適用する場合には、磁気ヘッドが磁気記録媒体に当たり始める部分(入口)と、磁気テープから離れる付近(出口)での当たり波形が不安定となり、このため、記録再生の互換性を確保できず、実用化が困難になるという問題を生じていた。
そこで、本発明においては、上記問題に鑑み、一層の高密度記録化に対応するべく、狭トラックに適用可能で、磁気ヘッドとの当たりを改善し、高転送レートを必要とする記録フォーマットに対応可能な磁気記録媒体を提供することとした。
本発明においては、非磁性支持体上に、非磁性下層と磁性層とが順次重層形成されてなる構成を有する磁気記録媒体において、非磁性下層は、少なくとも、α−酸化鉄、カーボンブラック、及びα−アルミナにより構成される非磁性粉末と、ガラス転移点温度(Tg)が60℃以上130℃以下のポリウレタン樹脂を含有する結合剤よりなるものとし、非磁性粉末の重量(O)と、前記結合剤の重量(B)の比(O/B)が、3.8≦O/B≦4.5であると特定する。
本発明によれば、非磁性下層の構成材料を特定し、かつ非磁性下層中の、非磁性粉末の重量(O)と、結合剤の重量(B)との比(O/B)とを特定したことにより、特に、トラックピッチが10ミクロン以下の、高密度記録対応のヘリカルスキャン方式のフォーマットにおいて適用する場合にも、磁気ヘッドが磁気記録媒体に当たり始める部分(入口)と、磁気テープから離れる付近(出口)の、当たりを良好なものとすることができ、電磁変換特性に優れ、走行耐久性にも優れた磁気記録媒体が得られた。
本発明の磁気記録媒体の具体的な実施形態について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
磁気記録媒体の一例の概略断面図を図1に示す。
磁気記録媒体10は、非磁性支持体1上に、非磁性下層2、磁性層3が順次塗布形成されてなり、磁性層形成面とは反対側にバックコート層4が形成されてなる構成を有している。以下、各層について説明する。
非磁性支持体1としては、一般に磁気記録媒体に使用されるものを、いずれも適用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネイト、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他のプラスチック、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶シリコン等が挙げられる。
次に、非磁性下層2について説明する。
非磁性下層2は、非磁性粉末が結合剤中に分散された塗料を塗布することにより形成されたものとする。
本発明においては、非磁性下層2に、非磁性粉末として、α−酸化鉄、カーボンブラック、及びα化率90%以上のα−アルミナが含有されているものとする。
特に、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)を使用した記録フォーマットにおいては、磁気ヘッドの静電破壊を回避することが必要となるので、カーボンブラックは非磁性粉末全重量比で10%以上含有されていることが望ましく、更には15%〜30%とすることがより好ましい。
カーボンブラックは、他のα−酸化鉄や、α−アルミナと比べて、比表面積が2倍〜10倍と大きいため、カーボンブラックの含有量が多いと、非磁性下層2の組成物を塗料化する上において結合剤量を多くしないと安定した塗料とならない。
特に、本発明の磁気記録媒体においては、非磁性下層2の、非磁性粉末の重量(O)と、結合剤の重量(B)の比(O/B)を、後述するように、3.8≦O/B≦4.5に特定するので、この点に鑑みて、カーボンブラックの含有量を調整する必要がある。
また、α化率90%以上のα−アルミナを添加することにより、磁気記録媒体端面の塗膜の脱落を防ぐ効果が得られる。この効果を得るべく、α−アルミナの添加量は非磁性粉末全重量比で2%以上とすることが好ましく、より好ましくは3%〜10%であるものとする。但し、α−アルミナの添加量が多過ぎると、磁気テープ媒体の場合、走行系のガイドを削り、ドロップアウトの発生の原因となる。
上述したことに鑑み、非磁性下層2を構成する非磁性粉末の、α−酸化鉄、カーボンブラック、及びα化率90%以上のα−アルミナの混合比率についての検討を行ったところ、10%≦カーボンブラックの添加量≦30%、3%≦α−アルミナの添加量≦10%、60%≦α−酸化鉄の添加量≦87%が良好であることが確かめられた。
非磁性下層2を構成するカーボンブラックは、例えば「カ−ボンブラック便覧(カ−ボンブラック協会編)」に記載されているものを適宜使用できるものとし、カーボンの種類に関して何ら限定されない。
なお、カーボンブラックは、DBP吸油量が30〜150ml/100g 、好ましくは50〜150ml/100gで、かつ平均粒子径が5〜150nm、好ましくは15〜50nmで、BET法による比表面積が40〜300m2/g、好ましくは100〜250m2/gであるものが好ましい。
また、タップ密度は、0.1〜1g/cc、pHは2.0〜10が好ましい。
DBP吸油量が多いカーボンブラックを使用すると、塗料粘度が高くなり、分散性が著しく悪化する。一方、少なすぎる場合には、塗料の分散性が悪化し、分散工程に時間がかかりすぎるようになる。
カーボンブラックの平均粒子径は、より小さいもの程分散時間がかかるが、最終的に得られる磁気記録媒体の表面性が良くなり、大きくなる程表面性が悪化する。この点に鑑みて、平均粒子径が5〜150nm、好ましくは15〜50nmとすることが好ましい。
上述したような各条件を満足するカーボンブラックとしては、例えば、コロンビアンカーボン社製ラーベン(RAVEN)1250(粒径23nm、BET値135.0m2/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、1255(粒径23nm、BET値125.0m2/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、1020(粒径27nm、BET値95.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、1080(粒径28nm、BET値78.0m2/g、DBP吸油量65.0ml/100g)、ラーベン1035、ラーベン1040、ラーベン1060、ラーベン3300、ラーベン450、ラーベン780等、または、コンダクテック(CONDUCTEX)SC(粒径20nm、BET値220.0m2/g、DBP吸油量115.0ml/100g)も適用できる。
また、旭カーボン社製#80(粒径23nm、BET値117.0m2/g、DBP吸油量113.0ml/100g)、三菱化成製#22B(粒径40nm、BET値5.0m2/g、DBP吸油量131.0ml/100g)、#20B(粒径40nm、BET値56.0m2/g、DBP吸油量115.0ml/100g)、キャボット社製ブラックパールズ(BLACK PEARLS) L(粒径24nm、BET値250.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、ブラックパールズ800(粒径17.0nm、BET値240.0m2/g、DBP吸油量75.0ml/100g)、ブラックパールズ1000、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ700、ブラックパールズ905等も適用できる。
また、より大きな粒径のカーボンとしてはMTカーボン(コロンビアンカーボン社、粒子経350nm)、サーマックスMT等も適用できる。
非磁性下層2を構成するα化率90%以上のα−アルミナについて説明する。
α−アルミナの粒子サイズは、0.01〜2μm、好ましくは0.015〜1.00μm、更に好ましくは0.015〜0.50μmであるものとする。但し、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして適用したりしてもよい。
タップ密度は、通常0. 05〜2g/ccであるものとし、好ましくは0.2〜1.5g/ccであるものとする。
比表面積は、通常1〜200m2 /gであるものとし、好ましくは5〜100m2 /g、更に望ましくは7〜80m2 /gであるものとする。
結晶子サイズは、通常0.01〜2μmであるものとし、好ましくは0.015〜1.00、更に好ましくは0.015〜0.50μmであるものとする。
DBPを用いた吸油量は、通常5〜100ml/100gであるものとし、好ましくは10〜80ml/100g、更に望ましくは20〜60ml/100gであるものとする。
比重は、通常、1〜12であるものとし、好ましくは2〜8であるものとする。
非磁性下層2を構成するα−酸化鉄について説明する。
α−酸化鉄の粒子サイズは、0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なるα−酸化鉄を組み合わせて使用してもよい。なお、粒子サイズは、より好ましくは0.01μm〜0.2μmであるものとする。
また、タップ密度は0.05〜2g/cc、好ましくは0.2〜1.5g/ccであるものとし、比表面積は30〜100m2/g、好ましくは40〜70m2/g、更に好ましくは40〜50m2/gであるものとする。
α−酸化鉄の具体例としては、戸田工業製のヘマタイトDPN−250Bx(粒子径150nm、比表面積53m2/g、タップ密度0.57g/cc)、DBN−455Bx(粒子径110nm、比表面積55m2/g、タップ密度0.51g/cc)、DAN−855Bx(粒子径70nm、比表面積58m2/g、タップ密度0.69g/cc)や、これらのカーボンハイブリット処理タイプ(DPNB−250Bx、DBNB−455Bx、DANB−855Bx)や、酸溶解処理タイプ(DPNL−250Bx、DBNL−650Rx、DANL−855Rx)等が挙げられる。
非磁性下層2には、従来公知の研磨剤を含有させてもよい。研磨剤の具体例としては、住友化学製AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−50、HIT−100、レイノルズケイミカル社製、RC-HPS・DBM、昭和電工社製UA5600、UA5605、UA5055、UA5025、岩谷化学社製RA−30、RA−40等が挙げられる。
本発明においては、非磁性下層2を構成する非磁性粉末の重量を、結合剤重量で割った時の混合比率(O/B)が、3.8〜4.5であるものとする。
このように、O/B比を特定したことにより、特に、狭トラックピッチの高密度記録対応ヘリカルスキャン方式のフォーマットにおいて、磁気ヘッドの磁気記録媒体に対する当たりを向上できることが確かめられた。
O/B比が3.8未満、すなわち結合剤(バインダー)の量が多い場合には、磁気テープの弾性率が低くなり、ドラムの高速回転で生じるエアーフィルムにより、良好なヘッド当たりが取れなくなるという問題を生じる。
一方、O/B比が4.5を超える場合、すなわちバインダーの量が少ない場合には、塗膜の弾性率が高くなり、ヘッドギャップの中心に対して当たりがずれることがあり、出力の低下を生じ、さらに端面からの粉落ちが多くなり、走行耐久性が悪化するという問題が生じる。上述したことことに鑑みて、非磁性下層2におけるO/B比は3.8〜4.5とすることが好ましく、更には4.0〜4.4とすることが望ましい。
ところで、塗膜の弾性率は、磁気ヘッドの当たりを左右する要素であるが、この塗布膜の弾性率は、塗布膜に含有される結合剤(バインダー)のガラス転移点温度(Tg)により影響を受けるものである。また、非磁性下層2の結合剤は、非磁性支持体1との接着性に影響を与えるものであるため、その材料の選択は磁気記録媒体の設計上重要である。
本発明においては、樹脂の硬さに影響するガラス転移点温度(Tg)に着目し、Tgが60℃以上130℃以下のポリウレタン樹脂を含有する結合剤を適用することとした。
含有させるポリウレタン樹脂のTgが低いと、結合剤樹脂の硬さが磁気記録媒体の使用環境下で柔らかくなり、塗膜が柔らかく変形しやすくなる。このような事情に鑑み、VTRの使用環境より20℃程度高いTgの材料を適用することが望ましい。
なお、非磁性下層2上に形成される磁性層3の膜厚は、一般的に0.2μm以下程度であり、非磁性下層2の膜厚の1/10以下であることから、仮に磁性層3の塗膜を硬くしても、非磁性下層2の塗膜の硬さによって磁気ヘッドの当たり特性が変化する。このため、非磁性下層2の膜硬度については、充分に検討することが必要になるのであり、かかる観点から、本発明においては、非磁性下層2中に、ガラス転移点温度(Tg)が、60℃以上130℃以下のポリウレタン樹脂を含有することとし、かつ非磁性粉末の重量(O)と、結合剤の重量(B)の比、(O/B)が3.8≦O/B≦4.5であるものとした。
非磁性下層2に含有される、Tgが60℃以上130℃以下のポリウレタン樹脂としては、例えば、フタル酸系のポリエステルを使用したポリエステルポリウレタンや、ウレタン基濃度が3.0mmol/g以上のポリウレタン樹脂等が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂の分子量は、ポリスチレン換算のGPCのよる分子量測定で数平均分子量(Mn)が、1万〜6万がより好適である。
ポリウレタン樹脂の数平均分子量が小さすぎる場合、磁気記録媒体表面に、低分子成分が染み出し、磁気ヘッドの目詰まり(ヘッドクロッグ)を引き起こす原因となる。
一方、ポリウレタン樹脂の数平均分子量が6万を超えると、塗料粘度が非常に高くなり、ウェット・オン・ウェットによる同時二層塗布工程に支障を来たすおそれがある。
なお、本発明においては、上述したように非磁性下層2中の非磁性粉末重量と結合剤重量の比(O/B)を、3.8〜4.5であるものと特定したが、この場合、結合剤の重量は、硬化剤として一般的に使用されるイソシアネート硬化剤の量を含むものとする。
但し本発明においては、非磁性下層2に、非磁性支持体1に対してより接着力の強いポリウレタン樹脂を用いていることとしているため、非磁性下層2中に、イソシアネート硬化剤を添加する必要が無いか、あるいは極めて少量で効果的な接着強度を得ることができる。
非磁性下層2においては、上記ポリウレタン樹脂の他、磁気記録媒体用に一般的に使用されている結合剤樹脂を適用できる。
例えば、塩ビ系共重合体や、ニトロセルロース、アクリル系樹脂、フェノキシ系樹脂等と混合してもよい。この場合、混合系での樹脂のTgは、60℃以上130℃以下とすることが必要である。特に、塩ビ系共重合体は、塗料の流動性を向上させる効果があり、好適である。
非磁性下層2を形成する塗料を調製する溶剤としては、後述する磁性塗料調整用の溶剤と同様のものを使用でき、従来公知のものがいずれも適用できる。
例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
非磁性下層2形成用塗料は、上述した各成分を溶剤とともに混練分散することにより調製される。混練分散の方法は、公知の方法を適用すればよく、特に制限はないが、通常の混練機、例えば連続二軸混練機(エクストルーダー)、コニーダー、加圧ニーダー等が適用できる。
非磁性下層2は、塗料を、例えばグラビアコート、押出コート、エアードクターコート、リバースロールコート等の従来の塗布方法により塗布することによって形成できる。
また、非磁性下層2の膜厚、非磁性支持体1の長手方向と幅方向の強度、及び非磁性支持体1の膜厚を特定することにより、良好なヘッド当たり特性を確実に実現できることを見出した。
すなわち、非磁性下層の膜厚Tについては、これを2μm≦T≦3μmに特定することにより、非磁性支持体1の表面粗さをマスキングでき、好適な表面粗度が得られることが確かめられた。
また、非磁性支持体1の強度については、幅方向のヤング率をETD、長手方向のヤング率をEMDとしたとき、800kg/mm2≦ETD≦1100kg/mm2、500kg/mm2≦EMD≦700kg/mm2とし、かつ非磁性支持体1の膜厚T1が、7.2μm≦T1≦8.2μmである、2軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)を適用することにより、磁気ヘッド当たり特性を最適化できることが確かめられた。
また、非磁性支持体1として、より汎用性の高いポリエチレンテレフタレート(PET)を適用する場合には、同様に、幅方向のヤング率をETD、長手方向のヤング率をEMDとしたとき、700kg/mm2≦ETD≦800kg/mm2、450kg/mm2≦EMD≦550kg/mm2とし、膜厚T1が、7.0μm≦T1≦8.0μmであるものを適用することにより、磁気ヘッド当たり特性を最適化できることが確かめられた。
次に、磁性層3について説明する。
磁性層3は、磁性粉末、結合剤、帯電防止剤、研磨剤、潤滑剤、その他添加剤が含有されているものとする。
磁性粉末について説明する。
磁性層を構成する磁性粉末は、保磁力Hcが150kA/m以上で、かつ飽和磁化σs120Am2/kg以上、粒子サイズ100nm以下の針状のCo含有Fe磁性粉末が好適である。このように保磁力Hcと飽和磁化σsを特定することにより、最終的に得られる磁気記録媒体の高出力化を図ることができる。
従来の一般的な放送局用VTRのフォーマットで使用するためには、保磁力Hcに関し、従来からのフォーマットの規格の保磁力Hcの下限値である100kA/m以上、より好ましくは105kA/m以上とすることが望ましく、例えば、デジタルベータカム、D−2といったデジタルVTRのフォーマットでは120kA/m程度が最適であり、ハイビジョンデジタルVTRであるHDCAMでは135kA/m程度が最適となる。
しかしながら、近年における高容量デジタルビデオにおいては、従来の記録密度の3倍〜5倍以上とすることが要求されており、このため記録最短波長も、HDCAMの0.5μmの半分以下である0.2ミクロン以下となることから、より磁気エネルギーの高い微粒子磁性粉を使用することが必要となる。
ここで、より磁気エネルギーを高める方法として、保磁力Hcを大きくする方法と、飽和磁化σsを大きくする方法の二つがある。特に、0.2μm以下の短波長域では、高Hc化が効果的である。
好ましいHcは、使用されるフォーマット毎に異なるが、210kA/m〜250kA/mである。
磁性粉末の粒子サイズは、上述した背景(短波長化)に伴い、100nm以下とすることが必要であり、好ましくは30nm〜70nmであるものとする。
粒子サイズを30nm未満とすると、結合剤中において充分な分散性が確保できず、均一な磁性塗料が得られなくなるおそれがある。
次に、磁性層形成用の結合剤について説明する。
結合剤樹脂は、いずれも公知の材料が使用でき、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、またはこれらの混合物等が挙げられる。
特に、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等と剛性を付与するとされているセルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が望ましい。
次に、帯電防止剤について説明する。
帯電防止剤としては、カーボンブラックを適用できる。
カ−ボンブラックは、例えば「カ−ボンブラック便覧(カ−ボンブラック協会編)」に記載されているものを適宜用いることができ、何ら限定されない。
また、帯電防止剤としては、カーボンブラックの他に、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の公知の帯電防止剤が使用できる。
次に、研磨剤について説明する。
研磨剤としては、例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデン、磁性酸化鉄の原料を脱水、アニール処理した針状α酸化鉄、及び必要によりそれらをアルミ及び/又はシリカで表面処理したもの等が、単独または組み合せで使用される。
これら非磁性粉末の粒子サイズは、通常、0.01〜2μm、好ましくは、0.015〜1.00μm、更に好ましくは、0.015〜0.50μmの範囲であるが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせたりすることもできる。
タップ密度は、0. 05〜2g/ccであるものとし、好ましくは0.2〜1.5g/ccであるものとする。
比表面積は、1〜200m2 /gであるものとし、好ましくは5〜100m2 /g、更に望ましくは7〜80m2 /gであるものとする。
結晶子サイズは、0.01〜2μmであるものとし、好ましくは0.015〜1.00μm、更に好ましくは0.015〜0.50μmであるものとする。
DBPを用いた吸油量は、通常、5〜100ml/100gであるものとし、好ましくは10〜80ml/100g、更に望ましくは20〜60ml/100gであるものとする。
比重は1〜12であるものとし、好ましくは2〜8であるものとする。
粒子形状は、球状、サイコロ状、板状のいずれでも良い。
なお、研磨剤となる非磁性粉末は、必ずしも100%純粋である必要はなく、目的に応じて表面を他の化合物で処理してもよい。その際、純度は通常70%以上であれば効果を減ずることにはならない。例えば、酸化チタンを用いる場合、表面をアルミナで処理することが一般的に用いられている。
強熱減量は20%以下であることが望ましい。
なお、研磨剤の非磁性粉末のモース硬度は6以上とすることが望ましい。
また、研磨剤としては、例えば、α−アルミナ、β−アルミナ、溶融アルミナ、酸化チタン等を主成分にして、モース硬度6以上の公知の材料を、単独で、または組み合わせて使用することができる。
本発明において適用できる研磨剤の具体例としては、昭和電工製UA5600、UA5605、住友化学製AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−50、HIT−100、ZA−G1、日本化学工業社製G5、G7、S−1、戸田工業社製TF−100、TF−120、TF−140、DPN250BX、DBN270BX、石原産業製TTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、FT−1000、FT−2000、FTL−100、FTL−200、M−1、S−1、SN−100、チタン工業製ECT−52、STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、三菱マテリアル製T−1、日本触媒NS−O、NS−3Y,NS−8Y、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、堺化学製FINE X−25、BF−1、BF−10、BF−20、BF−1L、BF−10P、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、チタン工業製Y−LOPが挙げられる。
次に、潤滑剤について説明する。
潤滑剤としては、従来公知の材料を適用できる。例えば、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコン、フッ素含有シリコン、またはその他のフッ素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル、及び金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ化アルキルエーテル、アルキルカルボン酸アミン塩、及びフッ化アルキルカルボン酸アミン塩等のアミン系潤滑剤、並びに炭素数12〜24のアルコール類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかまわない)、炭素数12〜24の高級脂肪酸等がいずれも適用できる。
また、高級脂肪酸エステル成分としては、炭素数12〜32の高級脂肪エステル類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかまわない)が適用でき、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オレイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノール酸、リノレイン酸等のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、へプチルエステル、オクチルエステル等がある。具体的な化合物名としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸イソオクチル、パルミチン酸ブチル等が挙げられる。
なお、潤滑剤は、単独で用いても良く、複数の潤滑剤を混合して適用してもよい。
磁性層3中には、耐久性の向上を図るために、平均官能基数2以上のイソシアネート系硬化剤を含有させることが好ましい。
なお、ポリイソシアネートのポリメリック体やポリイソシアネートのポリオールアダクトは、いずれも使用できる。中でも、ジイソシアネートの三量体である環状の骨格を有するイソシアヌレートは、より反応性に富む硬化剤であり、耐久性向上効果が高い。
イソシアネート硬化剤としては、芳香族ポリイソシアネート、及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、これらと活性水素化合物との付加体が好適である。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等を挙げることができる。
また、脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等を挙げることができる。
これらと付加体を形成する活性水素化合物としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等があり、平均分子量は、100〜5000の範囲のものが好ましい。
上記硬化剤の添加量は、結合剤樹脂に対する重量比で、0〜20重量部とすることが一般的であり、好ましくは0〜10重量部であるものとする。
ここで理論上は、ポリウレタン樹脂組成物(もしくは結着剤樹脂組成物)中の活性水素と当量のイソシアネート量となる硬化剤重量で、充分な添加量となる。
しかしながら、実際の製造工程においては、水分等により硬化剤成分のイソシアネートが反応してしまうため、活性水素と当量のイソシアネート量のみでは、充分な効果が得られない場合が多く、このため活性水素当量より10%〜50%過剰量の硬化剤を添加することが望ましい。
さらに、ポリイソシアネートからなる硬化剤を使用した場合、磁性塗料をコーティング後、40℃〜80℃の温度で数時間硬化反応を促進させることにより、より強い接着性が得られる。
次に、磁性塗料を調整するための溶剤について説明する。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチルモノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロリド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶媒が挙げられる。
また上記の他にも、従来公知の有機溶媒を使用することができる。
磁性層3を形成する磁性塗料の調整方法としては、従来公知の方法が利用できる。
例えば、ロールミル、ボールミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、バスケットミル、ディスパー、ホモミキサー、ニーダー、連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー及び超音波分散機等を用いることができる。
本発明の磁気記録媒体においては、磁性層形成面と反対の面側に、非磁性のバックコート層4を設けてもよい。バックコート層4の膜厚は、0.3〜0.7μmとすることが好適である。
なお、バックコート層4の膜強度は、磁気ヘッドの当たり特性に影響を与えるが、バックコート層4は、膜厚が0.3〜0.7μmと薄層であるため、非磁性下層2の膜強度と非磁性支持体1の強度を最適化することで、バックコート層4や、磁性層3がヘッド当たり特性に与える影響は小さくなる。
但し、磁気テープのカッピングに関しては、バックコート層4が影響するため、1/2インチで±1.0mm以下となるようにバックコート層4の膜厚を制御することが望ましい。
なお、塗料を塗布する際には、非磁性支持体1上に直接行う前に、接着剤層等の下塗り層や、非磁性支持体1上に、コロナ放電処理や電子線照射処理等の前処理を施してもよい。
塗料の塗布方法としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、グラビアコート、トランスファーロールコート、キャストコート等の従来公知の方法をいずれも適用でき、これらに限定されず、押し出しコートによる同時重層塗布方法を適用してもよい。
本発明の磁気記録媒体について、具体的な実験結果に基づいて説明するが、本発明は以下に示す例に限定されるものではない。
〔実施例1〜20〕、〔比較例1〜11〕
下記に示す組成に基づき、磁性層を形成するための磁性塗料を調整した。
(磁性層形成用塗料の作製)
磁性粉末:100重量部
(平均長軸長:60nm、保磁力Hc:200kA/m、
飽和磁化σs:150Am2/kg、56Am2/g)
塩化ビニル系共重合体:8重量部
(日本ゼオン社製、商品名:MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂:8重量部
(イソフタル酸/テレフタル酸/ネオペンチルグリコール−MDI系ポリウレタン、数分子量25000、極性基=SO3Na、0.2wt%含有)
研磨剤:10重量部
(住友化学社製 HIT-50)
ポリイソシアネート:4重量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL。但し、ポリイソシアネートは塗布直前に混合した。)
ミリスチン酸:1重量部
ステアリン酸ブチル:1重量部
メチルエチルケトン:80重量部
シクロヘキサノン:80重量部
トルエン:80重量部
上記磁性粉末と、塩化ビニルと、ポリウレタン樹脂を加え、適宜、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエン=1/1/1の混合溶剤で希釈し、固形分60%で、三本ロールにて混練した。
その後、ペースト状の塗料をディスパーで、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエンの混合溶剤で希釈し、他の添加剤と共にサンドミルにて分散し塗料液とした。
次に、1μm口径のフィルターで濾過し2時間攪拌した。
そして、塗布直前工程において、硬化剤のポリイソシアネートを4重量部と、ミリスチン酸1重量部とを加え、磁性塗料とした。
下記に示す組成に基づき、非磁性下層2を形成するための非磁性塗料を調整した。
(非磁性下層用塗料の作製)
α−Fe23(ヘマタイト):変量(下記表1、表2に示す。)
(平均長軸長:150nm、比表面積:BET法で55m2/g)
塩化ビニル系共重合体:変量(下記表1、表2に示す。)
(日本ゼオン社製、商品名:MR−110)
ポリウレタン樹脂:変量(下記表1、表2に示す。)
(組成については、下記表1、表2、及び下欄に示す)
研磨剤:変量(下記表1、表2に示す。)
(住友化学社製 高純度アルミナ:HIT−50)
カーボンブラック:変量(下記表1、表2に示す。)
(ブラックパールズ(BLACK PEARLS)L(キャボット社製、粒径24nm、BET値250.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)
ポリイソシアネート:変量(下記表1、表2に示す。)
(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL。
但し、ポリイソシアネートは塗布直前に混合した。)
ステアリン酸 : 1重量部
ステアリン酸ブチル: 1重量部
メチルエチルケトン:80重量部
シクロヘキサノン :80重量部
トルエン :80重量部
上述した非磁性塗料組成物をニーダーに混練後、サンドミルで分散し、口径1ミクロンのフィルターで濾過した。
塗布直前にポリイソシアネート4重量部、ミリスチン酸1重量部を加え、非磁性下層形成用の塗料液とした。
下記に示す組成に基づき、バックコート層4を形成するための塗料を調整した。
(バックコート層形成用塗料の作製)
カーボンブラック:100重量部
(平均粒子経20nm)
カーボンブラック:5重量部
(平均粒子経350nm)
ポリウレタン樹脂:25重量部
(ポリカーボネートポリオール/ネオペンチルグリコールHDI系ポリウレタン、
数分子量35000、N−メチルジエタノールアミン=0.2wt%含有)
ニトロセルロース:15重量部
(旭化成社製、商品名:NC−1/2H)
ポリイソシアネート:20重量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL。
但し、ポリイソシアネートは塗布直前に混合した。)
メチルエチルケトン:180重量部
シクロヘキサノン :180重量部
トルエン :180重量部
上記バックコート層形成用材料を、三本ロールにて混練後、サンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネート20重量部を加え、1μmの平均口径を有するフィルターで濾過し、バックコート層形成用塗料とした。
上述のようにして作製した各々の塗料を、下記表1、表2に示す強度及び膜厚を有する非磁性支持体上に、ダイコートにより、Wet−on−Wet方式で塗布し、さらに、バックコート層を0.7μmの膜厚で塗布し、乾燥、カレンダー処理を行った。
得られた幅広の磁性フィルムを、キュアーした後、1/2インチ幅に裁断してビデオテープを作製した。
これをソニー製HDCAM−SR用のカセットに組込み、実施例1〜20及び比較例1〜11のカセットテープを作製した。
上述のようにして作製した実施例1〜20及び比較例1〜11のサンプルテープについて、電磁変換特性、当たり波形、電気抵抗、エッジダメージ、及びスチル耐久性のそれぞれについて、測定評価を行った。
(電磁変換特性の測定)
サンプルテープをHDCAM−SRのカセットに組み込んで、SONY社製HDCAM−SRビデオレコーダー(SRW−5000)でデジタルのビデオ信号77.33MHzでの出力と、76.33MHzでのC/Nを測定した。
なお、実施例1の測定値を0dB(基準値)とし、これとの相対値を測定値とした。
ここで、電磁変換特性の測定において、規準としたテープより−0.5dB以下では特性上劣るものと判断し、−1.0dB以下では各種のフォーマットでの規格を満足しないと判断した。
(当たり波形の測定)
上述した電磁変換特性の測定と同様の方法を適用し、横河電子社製デジタルオシロスコープDL1640Lを用いて、出力波形を確認し、波形の入口部、中央部、出口部の差を確認し、以下の規準で評価した。
○:入口部、中央部、出口部の出力差が0.3dB以下で、変動の無いもの。
△:入口部、中央部、出口部の出力差が0.3dB以上0.6dB以下で変動の無いもの
×:入口部、中央部、出口部の出力差が0.6dB以上もしくは、出力が変動するもの
(電気抵抗の測定)
電極間距離25.4mmの電極を用い、この電極上に、試験片(12.65mm幅)を磁性層形成面を下にして載せ、両端に0.8Nの荷重を加え、DC100Vの電圧を印加し、超絶縁抵抗計にて測定した。その測定値に1/2をかけて、電気抵抗値(Ω/sq)の測定値とした。
ここで、電気抵抗値が、1×1010以上であれば、静電気が高く、低湿度環境での貼り付き等の懸念があり、また、MRヘッドを適用する場合には、電気抵抗値が1×108以上でると静電破壊を起こしやすくなるということが確かめられた。
(エッジダメージの測定)
SONY社製HDCAM-SRビデオレコーダー(SRW−5000)を用いて、100時間分の記録再生を行い、走行後のテープエッジ部を光学顕微鏡(×200倍)で観察し、以下の規準で評価した。
○:エッジダメージのないもの
△:エッジ付近に走行による傷の確認できるもの
×:エッジ部の脱落があり、粉落ちが発生しているもの
(スチル耐久性の測定)
HDCAMカセットに組み込んだサンプルテープを、SONY社製HDCAM−SRビデオレコーダー(SRW−5000)において、5℃、15%RHの環境下において、スチルモードで100分間走行させ、テープ表面、及びエッジ部を目視で観察し、以下の規準で評価した。
○:100分間完走し、テープにダメージがないもの。
△:100分間完走するものの、チャンネルコンディションエーラーの発生が見られるもの。
×:100分間走行しないもの
下記表1、表2に、実施例1〜20及び比較例1〜11のサンプルテープの、非磁性下層の組成、非磁性下層の膜厚、非磁性支持体の材料、強度(EMD、ETD)、及び膜厚を示し、さらにサンプルテープの電磁変換特性、当たり波形、電気抵抗、エッジダメージ、及びスチル耐久性のそれぞれについての測定評価結果を示す。
Figure 2005276303
Figure 2005276303
本発明に係る磁気テープである実施例1〜20においては、いずれも、実用上充分な当たり波形が得られ、ヘッド当たりが良好であることが確かめられた。また、電磁変換特性、電気抵抗、エッジダメージ、及びスチル耐久性のそれぞれについても実用上充分な評価が得られた。
但し、実施例8〜12の結果から、非磁性下層の膜厚を2μm未満とすると、磁性層の表面がやや悪化するため、電磁変換特性が若干劣化することが分った。
また、実施例5は、非磁性下層中の結合剤として、Tgが80℃のポリウレタン樹脂のみを用い、硬化剤を使用しなかった例であるが、この場合、最も良好な電磁変換特性が得られた。
さらに、アルミナを15wt%使用した実施例20においては、表面粗度が悪化し、電磁変換特性が、やや劣化した。このことから、アルミナの構成比は2%以上15%未満とすることが、より望ましいことわかった。
一方、比較例1においては、非磁性下層中にカーボンブラックとα−アルミナ(研磨剤)を含有させなかったため、電気抵抗が高くなり、エッジダメージを発生し、スチル耐久性も悪化した。
比較例2においては、非磁性下層における、非磁性粉末と結合剤(O/B)が高すぎるため、ヘッド当たり波形が悪化し、実用上必要な出力が取れなかった。
比較例3においては、非磁性下層における、非磁性粉末と結合剤との比(O/B)が低すぎるため、ヘッド当たり波形が悪化し、実用上必要な出力が取れなかった。
比較例4においては、非磁性下層に含有されるポリウレタン樹脂として、Tgが低いものを使用したため、非磁性下層が軟化し、ヘッド当たりが悪くなり、電磁変換特性も劣化した。
比較例5は、非磁性下層に含有されるポリウレタン樹脂として、Tgが130℃と高いものと、Tgが150℃のニトロセルロースを組み合わせて使用した例であるが、これにおいては、非磁性下層の塗膜が硬くなり過ぎ、磁気ヘッド当たりが悪化し、電磁変換特性も劣化した。
比較例6においては、非磁性下層にカーボンブラックを含有させなかったため、電気抵抗値が高くなり、電磁変換特性が劣化し、また、MRヘッドを適用する場合には、静電破壊を引き起こした。
比較例7においては、非磁性下層にα−酸化鉄を含有させず、カーボンブラックを主原料とした場合であるが、この場合、電気抵抗値の低減化は図られたが、当たり波形は悪化し、充分なヘッド当たりが得られなかった。
比較例8においては、非磁性下層中の結合剤樹脂として、ポリウレタン樹脂を含有させず、塩化ビニル系共重合体のみを適用した場合であるが、この場合、当たり波形が悪化し、充分なヘッド当たりが得られず、また電磁変換特性も劣化した。
比較例9は、非磁性支持体としてポリエチレンナフタレートを用いた例であるが、この場合、長手方向のヤング率EMDが大きすぎ、かつ幅方向のヤング率ETDが小さすぎるため、ヘッド当たりが悪化した。
比較例10は、非磁性支持体としてポリエチレンテレフタレートを用いた例であるが、この場合、長手方向のヤング率EMDが大きすぎ、かつ幅方向のヤング率ETDが小さすぎるため、ヘッド当たりが悪化した。
比較例11は、非磁性支持体としてポリエチレンテレフタレートを用いた例であるが、長手方向のヤング率EMD、及び幅方向のヤング率ETDのいずれもが小さすぎるため、ヘッド当たりが悪化した。
本発明の磁気記録媒体の概略断面図を示す。
符号の説明
1……非磁性支持体、2……非磁性下層、3……磁性層、4……バックコート層、10……磁気記録媒体










Claims (4)

  1. 非磁性支持体上に、非磁性下層と、磁性層とが、順次重層形成されてなる磁気記録媒体であって、
    前記非磁性下層は、少なくとも、α−酸化鉄、カーボンブラック、及びα−アルミナにより構成される非磁性粉末と、ガラス転移点温度(Tg)が60℃以上130℃以下のポリウレタン樹脂を含有する結合剤よりなり、
    前記非磁性粉末の重量(O)と、前記結合剤の重量(B)の比(O/B)が、
    3.8≦O/B≦4.5であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記非磁性下層の膜厚Tが、2.0μm≦T≦3.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記非磁性支持体が長尺状のポリエチレンナフタレートフィルムであり、
    幅方向のヤング率をETDとし、長手方向のヤング率をEMDとしたとき、
    800kg/mm2≦ETD≦1100kg/mm2
    500kg/mm2≦EMD≦700kg/mm2
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記非磁性支持体が長尺状のポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
    幅方向のヤング率をETDとし、長手方向のヤング率をEMDとしたとき、
    700kg/mm2≦ETD≦800kg/mm2
    450kg/mm2≦EMD≦550kg/mm2
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。





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