JPH11185241A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH11185241A
JPH11185241A JP35477997A JP35477997A JPH11185241A JP H11185241 A JPH11185241 A JP H11185241A JP 35477997 A JP35477997 A JP 35477997A JP 35477997 A JP35477997 A JP 35477997A JP H11185241 A JPH11185241 A JP H11185241A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic layer
recording medium
nonmagnetic
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35477997A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kinoshita
喜裕 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP35477997A priority Critical patent/JPH11185241A/ja
Publication of JPH11185241A publication Critical patent/JPH11185241A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は記録時の自己減磁損失、再生時の厚
み損失が少なく、高周波記録においても出力が高く、か
つ、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供するものであ
る。 【解決手段】 可撓性の非磁性支持体上に、非磁性粉末
を含有する非磁性下地層を形成し、その上に強磁性粉
体、無機質フィラーおよび結着剤を含有する磁性層を積
層した磁気記録媒体において、非磁性下地層の膜厚(d
uc)が磁性層の膜厚(dmag )より大であり、無機質フ
ィラーはモース硬度が8以上で平均粒径(d)が下記式
(1)を満たし、かつ、磁性層表面の平均粗さ(Rz)
が300nm以下であることを特徴とする磁気記録媒
体。 0.3<d/(dmag +duc)<0.7

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、高密度記録に適した高周波での出力が高く、かつ耐
久性、耐候性に優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年磁気記録媒体は高密度化が進み、記
録波長も短くなっている。この高密度化の要求に対し、
磁性層に金属薄膜を用いた磁気記録媒体が検討されてい
るが、生産性、耐久性、腐食性等の点で塗布型の磁気記
録媒体が優れている。このため、塗布型磁気記録媒体の
電磁変換特性を向上するための検討が行われている。高
周波数での記録においては、記録時の自己減磁損失、再
生時の厚み損失の問題が大きくなっており、この問題を
回避するために塗布厚を薄くすることが行われている。
しかしながら、磁性層厚を単純に薄くすることは耐久
性、表面性を劣化させる。このため、従来から磁性粉末
を含有する層の下部に非磁性粉末を含有する下層を設け
てなる重層構造の磁気記録媒体が提案されている(例え
ば特開昭62−159338号、特開昭62−1542
25号公報)。
【0003】しかしながら、従来の技術では高密度記録
に十分な出力と耐久性を共に満足させることはできなか
った。特公平6−73176号公報には表面に酸化物に
よる被覆処理を施したモース硬度5以上の無機フィラー
を磁性層に配合し、該フィラーの存在割合が表面近傍に
おいて大となるようにすることで耐久性を改善すること
が提案されている。しかし、湿潤状態で重層塗布を行う
場合、ある程度以上に塗布厚みを薄くすると磁性層中の
無機フィラーが下層まで沈降し、界面が荒れ、電磁変換
特性が劣化するほか、界面の荒れが表面に影響を及ぼ
し、満足できる表面性は得られない。さらに、無機フィ
ラーの磁性層内と表面での存在割合を制御する場合、無
機フィラー量が不十分だと、いずれも耐久性が劣化す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、記録時の自
己減磁損失、再生時の厚み損失が少なく、高周波記録に
おいても出力が高く、かつ、耐久性に優れた磁気記録媒
体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題を解
決するために鋭意検討した結果、磁性層中に添加される
非磁性粉体をモース硬度8以上とし、その平均粒径を磁
性層膜厚と非磁性下地層膜厚から特定することにより高
密度記録に際して再生時の出力およびS/Nを損なうこ
となく、満足できる耐久性が得られることを見いだし、
本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、可撓性の
非磁性支持体上に、非磁性粉末を含有する非磁性下地層
を形成し、その上に強磁性粉体、無機質フィラーおよび
結着剤を含有する磁性層を積層した磁気記録媒体におい
て、非磁性下地層の膜厚(duc)が磁性層の膜厚(dma
g )より大であり、無機質フィラーはモース硬度が8以
上で平均粒径(d)が下記式(1)を満たし、かつ、磁
性層表面の平均粗さ(Rz)が300nm以下であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体。 0.3<d/(dmag +duc)<0.7
【0006】
【発明の実施の形態】本発明磁気記録媒体は、可撓性の
非磁性支持体上に非磁性下地層が形成され、その上に磁
性層が積層される。本発明の磁気記録媒体に用いる非磁
性支持体としては特に制限はなく、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
類、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
類、セルロースアセテート等のセルロース誘導体、ポリ
カーボネート、ポリアミド、ポリイミド等の各種プラス
チック類等を使用できる。中でも、優れた機械特性、耐
熱性、電気的特性及び耐薬品性等の理由からポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリ
エステル類が好ましい。しかし、これらポリエステルフ
ィルム類は結晶配向されているために磁性層、下地層と
の接着性に乏しい。従ってこれらの支持体にアルカリ水
溶液、アミン水溶液、トリクロロ酢酸、フェノール類等
の表面改質剤による処理を施してから磁気記録媒体の製
造に供しても良い。支持体厚みは4〜100μmで、例
えばテープでは4〜10μm、磁気ディスクでは30〜
100μmである。
【0007】本発明における非磁性下地層は、非磁性粉
末および結着剤を含有する。非磁性粉末としては、カー
ボンブラック、酸化チタン、α酸化鉄、αアルミナ、炭
酸ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、ゲータイト、コ
ランダム、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化スズ、酸化
マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが
挙げられる。形状は針状、球状、多面体状、板状のいず
れでも良い。粒径は磁性層に含まれる強磁性粉体の平均
粒径よりも小径であることが好ましく、また、特に好ま
しくは10〜200nmである。また、これらの中でも
カーボンブラックが潤滑剤の担持という理由から好まし
く、カーボンブラックと他のものとを併用して用いる場
合には、カーボンブラックを80%以上とするのが好ま
しい。更に好ましくは非磁性粉末をカーボンブラックの
みとする。
【0008】結着剤としては支持体との密着性や耐摩耗
性に優れ、ガラス転移点が−100〜150℃、数平均
分子量1000〜150000程度の樹脂を使用するの
が好ましい。使用される樹脂として例えば、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースアセテートブチ
レート、セルロースジアセテート、ニトロセルロース等
のセルロース誘導体、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニ
ル−アクリル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレ
ン−ブタジエン共重合体等の各種合成ゴム、エポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ、これらを単独で又は
2種以上を混合して使用することができる。結着剤は、
非磁性下地層中の非磁性粉末に対しての含有量が2〜1
00重量%、特に10〜80重量%となるように使用す
るのが好ましい。
【0009】非磁性下地層にはそのほかに、架橋剤、潤
滑剤、分散剤などを含ませることが出来、その量として
はこの発明を阻害する事がなければ特に制限はなく、種
類、分散法などに関しても磁性層に関する公知技術が適
応出来る。非磁性下地層中の非磁性粉末(P)と結着剤
(B)の重量比(P/B)は1.0以上が好ましく、更
に1.4〜4.0が好ましい。重量比(P/B)が1.
0未満の場合は、特に非磁性下地層塗布・乾燥後に磁性
層を塗布する、いわゆる逐次塗布工程の場合に磁性層塗
布時の磁性塗布剤により乾燥した非磁性下地層が溶けだ
して磁性層と非磁性下地層の界面を荒らし、さらに磁性
層が薄い場合には磁性層表面が粗面化してしまうことが
ある。
【0010】また、本発明においては非磁性下地層の膜
厚は磁性層膜厚よりも厚く形成する。好ましくは、磁性
層の1.1倍以上10倍以下である。更に好ましくは
0.4μm以上2.5μm以下である。下地層の膜厚が
磁性層膜厚以下の場合には、磁性層の潤滑剤保持量が増
え、磁性層の耐摩耗性が劣化することがある。非磁性下
地層を磁性層よりも厚く形成することにより、潤滑剤の
保持は非磁性下地層が主に行うことになり磁性層に過剰
に保持されることがなくなり、磁性層の耐研磨性を劣化
させることなく十分な潤滑剤を添加することができる。
【0011】非磁性下地層の上に磁性層が形成される。
磁性層に用いる強磁性粉体としては、従来より磁気記録
媒体用として知られているもののいずれも使用可能であ
り、例えばγ−Fe23 、Fe34 、これらの中間
的酸化物、Co含有γ−Fe 23 、Co含有Fe3
4 などの針状酸化鉄粉末、バリウムフェライト、ストロ
ンチウムフェライトなどの六方晶系板状フェライト粉
末、Fe、Co、Ni、これらの合金もしくはこれらと
他の金属あるいは少量に非金属原子を含む合金などから
なる金属粉末が挙げられる。
【0012】この中でも特に金属磁性粉末が好ましく、
高密度磁気記録をなしうる為には、比表面積が35m2
/g以上が好ましい。35m2 /g未満では磁気記録媒
体にした際に十分な表面性が得られず、高密度記録には
適さないことがある。また磁性層中の磁性粉の充填率も
十分に上がらないために高い出力が得られない。逆に比
表面積が65m2 /gを越えると磁性塗料中での分散性
が低下したり、磁気記録媒体の耐久性が低下することが
ある。また、強磁性粉体の平均粒径は0.5μm以下、
中でも0.15μm以下のものが好ましい。強磁性粉体
の使用量は磁性層中の含有量として、50〜90重量
%、特に60〜70重量%とするのが好ましい。50重
量%未満では磁性層中の強磁性粉体の充填率が低いため
に高い保磁力が得られず、高密度磁気記録媒体になりが
たく、逆に90重量%を越えると磁性塗布剤中での分散
性が低下したり、磁気記録媒体の耐久性が低下すること
がある。
【0013】磁性層は、通常、強磁性粉体と非磁性粉末
を結着剤中に分散させた磁気塗布剤を支持体上に塗布す
ることにより形成する。必要に応じて分散剤、潤滑剤、
帯電防止剤、を結着剤中に分散させても良い。結着剤と
しては支持体との密着性や耐摩耗性に優れるものが適宜
使用される。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロースアセテートブチレート、セルロースジ
アセテート、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−塩化
ビニリデン系共重合体、塩化ビニル−アクリル系共重合
体等の各種合成ゴム、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等
が挙げられる。これらを単独で、または2種以上を任意
の割合で混合して使用しても良い。結着剤使用量は、磁
性層中の含有量が通常2〜50重量%、特に5〜25重
量%とするのが好ましい。
【0014】更に磁性層中に、イソシアネート基を複数
個有するポリイソシアネート化合物を含有させることに
より、磁性層内に三次元網目構造を形成させ、その機械
的強度を向上させることができる。そのような低分子ポ
リイソシアネート化合物としては例えばトリレンジイソ
シアネートのトリメチロールプロパンアダクト体等が挙
げられる。このような低分子ポリイソシアネート化合物
は、結着剤に対して10〜50重量%の割合で使用する
のが好ましい。本発明において磁性層の厚みは任意であ
るが、高密度記録に際しては自己減磁損失、厚み損失な
どの問題で、1.0μm以下が好ましく、特に0.5μ
m以下が好ましい。ただし、磁性層厚みが0.05μm
に満たないと、磁気記録媒体の耐久性が低下することが
あるので0.05μm以上であることが望ましい。
【0015】本発明において、磁性層に添加される無機
質フィラーとしては、アルミナ、炭化珪素、酸化クロム
等のモース硬度が8以上のものである。その中でもアル
ミナが特に好ましい。また、無機質フィラーの平均粒子
径(d)は磁性層膜厚(dmag )と非磁性下地層膜厚
(duc)から、以下の式(1)によりその適当な範囲が
決定される。 0.3<d/(dmag +duc)<0.7 また、その中でも無機質フィラーの平均粒径は0.2μ
m以上2.0μm以下であることが好ましい。
【0016】無機質フィラーの平均粒径が式(1)の上
限を越えると磁性層表面への露呈量が多くなり過ぎ、表
面粗度、特にRzを悪化させ、再生出力やS/Nを低下
させたり、ヘッド走行中に無機質フィラーの欠落がおこ
りエラーの増加や耐久性の劣化が起こることがある。無
機質フィラーの平均粒径が式(1)の下限未満となると
磁性層表面への露呈量が少なくなり、耐久性が劣化する
ことがある。さらに、無機質フィラーの平均粒径が0.
2μm未満の場合には分散により無機質フィラーが磁性
層の内部へ沈み込むことがあり、2.0μmより大きい
場合には微粉末である強磁性粉末の分散を阻害し、その
ために再生出力、S/Nが低下することがある。無機質
フィラーの使用量は、磁性層中における含有量を1〜3
0重量%の範囲することが好ましい。
【0017】本発明において磁性層表面に露呈した無機
質フィラー存在面積率は0.2%以上3.0%以下であ
る。本発明において露呈した無機質フィラーの存在面積
率とは、後述のSEM写真で検出される無機質フィラー
の占める面積の磁性層表面に対する割合を示す。無機質
フィラー存在面積率が0.2%未満であると耐久性が著
しく劣化するほか、ヘッドのクリーニング性が落ちるた
め、ヘッドの目詰まり問題が起き、長時間の摺動中に電
磁変換特性が劣化し易くなる。また、無機質フィラーの
磁性層中の存在比率が高いにも関わらず表面での存在面
積率が0.2%未満では沈降した無機質フィラーにより
界面に乱れが発生し易い。
【0018】無機質フィラー存在面積率が3.0%を越
える場合、ヘッドの耐久性を著しく劣化させてしまうほ
か、表面から脱離する無機質フィラーの割合が高く、こ
の脱離したフィラーが磁性層表面を傷つけることで製造
歩留まりの低下、エラー発生率の上昇という問題が発生
する。無機質フィラー存在面積率は、磁性層表面に略垂
直の方向から撮ったSEM写真により、単位面積当たり
の無機質フィラーの占有面積を求めたものである。例え
ば、コンピューターを用い、SEM写真をコントラスト
の差で画像処理することによって簡単に計算することが
出来る。尚、磁性層表面とは凹凸を無視して表面が平坦
であるとしたときの表面(=磁性層に垂直な方向からの
投影面)を意味する。
【0019】また、該磁性塗料には必要に応じて潤滑
剤、分散剤、帯電防止剤等を添加して良い。ここで潤滑
剤としては脂肪族系、フッ素系、シリコーン系または炭
化水素系等の各種潤滑剤が使用できる。脂肪族系潤滑剤
としては、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸、これ
らとマグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カルシ
ウム等の金属との塩、前記脂肪酸のブチルエステル、オ
クチルエステル、あるいはグリセリド等の脂肪酸エステ
ルや、前記脂肪酸のアミドやリノール酸アミド、カプロ
ン酸アミド等が挙げられる。また、ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、パ
ルミチルアルコール、オレイルアルコール等の脂肪酸ア
ルコールや、ペルフルオロアルキルポリエーテル、ペル
フルオロアルキルカルボン酸等のフッ素系潤滑剤、シリ
コーンオイル、変性シリコーンオイル等のシリコーンオ
イル系潤滑剤、パラフィン、スクアラン、ワックス等の
炭化水素系潤滑剤が挙げられる。さらには、二硫化モリ
ブデン、二硫化タングステン等の固形滑剤や、リン酸エ
ステル類等も使用できる。
【0020】脂肪酸エステル系潤滑剤の使用量は、磁性
層中における含有量を、通常、0.1〜15重量%、好
ましくは1〜15重量%の範囲とする。潤滑剤量が0.
1重量%未満の場合には耐久性が不十分である。また、
15重量%を越えるとヘッドが潤滑剤で汚れる場合もあ
る。脂肪酸の量は0.1〜10重量%、更に好ましくは
1〜5重量%である。脂肪酸が少ない場合、走行性が低
下しやすく、10重量%を越えると耐久性劣化や出力低
下が生じやすくなる。
【0021】分散剤としては、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸等の炭素数
10〜18の脂肪酸やこれらのアルカリ金属塩またはア
ルカリ土類金属塩からなる金属石鹸、レシチン等が使用
される。分散剤の使用量は、通常、磁性層中の含有量を
0〜5重量%とする。磁性塗料の混練、分散、塗布等の
際に使用する溶剤としては、例えばメチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等のケト
ン類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の
脂肪族炭化水素等、従来公知の溶剤が挙げられる。
【0022】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
導電性金属およびその化合物や酸化物、サポニン等の天
然界面活性剤、アルキレンオキサイド系、グリセリン系
等のノニオン界面活性剤、高級アルキルアミン類、第4
級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類その他の複素環
塩類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸基、スルホン
酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノス
ルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステ
ル類等の両性界面活性剤等が使用される。尚、これらの
界面活性剤は、単独もくは混合して用い得る。
【0023】この中で、本発明に用いられるカーボンブ
ラックとしてはアセチレンブラック、カラー用ブラッ
ク、ファーネスブラック、サーマルブラック等を用いる
ことができる。具体例としては、キャボット社製BLACKP
EARLS 2000、1000、900 、800、MOGUL-L 、VULCAN XC-7
2、コロンビアンカーボン社製RAVEN 8800、8000、700
0、三菱化学社製#3750B、#3750 、#3250B、#3250 、#95
0、#850B 、#650B 、#45、#40 、#5、MA-77 、MA-7など
が挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独で、
あるいは複数組み合わせて用いることができる。また、
カーボンブラック表面分散剤等にて処理したり、一部を
グラファイト化してもよい。また、導電性金属およびそ
の化合物や酸化物としては、酸化スズ、インジウムスズ
酸化物等を用いることができる。帯電防止剤の使用量
は、通常、磁性層中の含有量が0.1〜10重量%の範
囲である。これらは帯電防止剤として用いられるもので
あるが、時としてその目的が、例えば潤滑性の改良とし
て使われる場合もある。
【0024】本発明の磁気記録媒体の製造においては、
従来技術により各層の構成材料を溶媒等と混練、分散し
て塗布剤とし、これを塗布方法を適宜選択して塗布すれ
ばよく、本発明の条件を満たすようにすればその手段は
任意である。
【0025】非磁性下地層と磁性層は逐次塗布や同時塗
布いずれの方法で製造しても良いが、逐次塗布の方が両
層の界面を均一に出来るという点で好ましく、その際に
は非磁性下地層を塗布、乾燥した上、磁性層を塗布する
のが好ましい。その際には非磁性下地層塗布後にカレン
ダー処理を施すことなく、該非磁性下地層上に磁性層
(単層でも複数層でも良い)を形成し、上層の磁性層を
塗布、乾燥したのちカレンダー処理をすることによって
電磁変換特性および耐久性が良好な磁気記録媒体を得る
ことが出来る。特に潤滑剤を担持し、磁性層表面に微量
づつ供給するという効果がある。好ましくは磁性層塗布
乾燥後にカレンダー処理を施し、さらに好ましくはその
処理条件が線厚300kg/cm以上かつ処理温度が6
0℃以上とされる。カレンダー処理は磁性層の表面平滑
性を向上させることができる。
【0026】
【効果】本発明は、非磁性下地層を磁性層より肉厚とす
ると共に無機質フィラーの平均粒径を特定の範囲内とす
ることによってカレンダー処理した場合の磁性層の表面
状態および無機質フィラーの分散構造が磁気記録媒体と
して好ましい状態を形成し、高出力で耐久性に優れた磁
気記録媒体が得られる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例によって制限されるものではない。なお、実施例
中「部」との表示は「重量部」を表す。電磁変換特性に
おける出力は、スピンスタンドにてMIGヘッドを使用
し、回転数2945rpm、測定位置R40mmにて記
録周波数を変化させて各記録密度にて測定を行った。耐
久性は上記スピンスタンドにて温度25℃、湿度50%
RHの雰囲気にて、回転数2945rpm、測定位置R
40mmにて120時間走行させた後に、出力を測定し
走行前の出力を100として評価した。
【0028】実施例1:下記材料組成物をそれぞれ混練
した後、サンドミルで分散した分散液にポリイソシアネ
ート(三菱化学(株)製AD30)を10重量部加え、
3μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し
た。得られた塗布剤を、厚さ62μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムに乾燥膜厚が0.5μmとなるよ
うに下層を塗布し、数分乾燥させる。 非磁性下地層用塗布剤 カーボンブラック (BET=25m2/g、DBP=72ml/100g 、平均粒径75nm) 100部 ポリエステルポリウレタン樹脂 40部 トリデシルステアレート 10部 オレイン酸 2部 メチルエチルケトン 300部 シクロヘキサノン 100部
【0029】 磁性層用塗布剤 金属磁性粉 (Fe/Co=85/15 、σs=150emu/g、Hc=1850 Oe、BET=40m2/g、粒径=0.135μm) 100部 塩化ビニル系共重合体 15部 ポリエステルポリウレタン樹脂 4部 α−アルミナ (平均粒径:0.5 μm 、モース硬度:9) 15部 カーボンブラック 8部 トリデシルステアレート 9部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 280部 シクロヘキサノン 120部
【0030】磁性層を作製するため、上記の材料組成物
をそれぞれ混練した後、サンドミルで分散し、塗布剤を
作成した。この分散液にポリイソシアネート(三菱化学
(株)製AD30)を5重量部加え、1μmの平均孔径
を有するフィルターを用いて濾過した。得られた塗布剤
を上記下地層上に、磁性層の乾燥厚さが0.4μmにな
るように塗布した。この後、カレンダー(温度:70
℃、線圧力:300kg/cm)処理を加え、直径3.
5インチのディスク状に打ち抜いた後に水平に置き50
℃で48時間静置し磁気記録媒体を作成して評価した。
【0031】実施例2:実施例1において非磁性下地層
の膜厚が1.5μm、磁性層中に使用する無機質フィラ
ーの粒径が0.8μmである他は、実施例1と同じ方法
で磁気記録媒体を作製した。 比較例1:実施例1において磁性層膜厚を0.6μm、
下地層膜厚を1.5μmとした他は、実施例1と同じ方
法で行った。 比較例2:実施例1において磁性層中に使用する無機質
フィラーの粒径が0.8μmである他は、実施例1と同
じ方法で行った。
【0032】比較例3:実施例2においてカレンダー工
程での温度が40℃である他は、実施例2と同じ方法で
行った。 比較例4:実施例1において磁性層厚みを0.6μmに
した他は、実施例1と同じ方法で行った。 比較例5:実施例1において磁性層中に使用する無機質
フィラーとして平均粒径が0.5μmの酸化珪素(モー
ス硬度:7)である他は、実施例1と同じ方法で行っ
た。
【0033】実施例3:実施例1において磁性層中に使
用する強磁性金属粉末が粒径0.06μm(Fe/Co
=80/20、σs=133emu/g、Hc=195
0 Oe、BET=64m2 /g、粒径=0.060μ
m)である他は、実施例1と同じ方法で行った。 実施例4:実施例1において非磁性下地層中に使用する
非磁性粉末が粒径0.30μmのFe23(BET=6
2m2 /g、粒径=0.30μm)である他は、実施例
1と同じ方法で行った。 実施例5:実施例1において非磁性下地層において分散
するウレタン樹脂の添加量が190重量部である他は、
実施例1と同じ方法で行った。
【0034】実施例6:実施例1においてカレンダー工
程での線圧力が200kg/cmである他は、実施例1
と同じ方法で行った。 実施例7:実施例1において磁性層中に使用する無機質
フィラーの粒径を0.3μm、磁性層膜厚を0.2μ
m、下地層膜厚を1.0μmとし、さらに磁性塗料の分
散時間を3倍行った他は、実施例1と同じ方法で行っ
た。 実施例8:実施例1において磁性層中に使用する無機質
フィラーを粒径0.5μmの炭化珪素(モース硬度:
9)とした他は、実施例1と同じ方法で行った。
【0035】実施例9:実施例1において磁性層中に使
用する無機質フィラーを粒径2.5μmのアルミナと
し、磁性層膜厚を2.0μm、下地層膜厚を3.0μm
とした他は、実施例1と同じ方法で行った。 実施例10:実施例1において磁性層中に使用する強磁
性金属粉末が粒径0.17μm(Fe/Co=90/1
0、σs=134emu/g、Hc=1680 Oe、
BET=57m2 /g、粒径=170μm)である他
は、実施例1と同じ方法で行った。
【0036】実施例11:実施例1において磁性層中に
使用する強磁性粉末が粒径0.035μm(σs=56
emu/g、Hc=1990 Oe、BET=45m2
/g、粒径=0.035μm、板状比=3)の六方晶バ
リウムフェライトである他は、実施例1と同じ方法で行
った。 実施例12:実施例2において磁性層厚みを0.2μ
m、下地層厚みを1.0μmとした他は実施例2と同じ
方法で行った。これ等実験の実施条件およびその結果を
表1、表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】出力は、実施例1の出力を100としたと
きの相対値にて表示耐久性はスピンスタンドにて120
時間走行させた後の出力を走行前の出力を100として
表示

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性の非磁性支持体上に、非磁性粉末
    を含有する非磁性下地層を形成し、その上に強磁性粉
    体、無機質フィラーおよび結着剤を含有する磁性層を積
    層した磁気記録媒体において、非磁性下地層の膜厚(d
    uc)が磁性層の膜厚(dmag )より大であり、無機質フ
    ィラーはモース硬度が8以上で平均粒径(d)が下記式
    (1)を満たし、かつ、磁性層表面の平均粗さ(Rz)
    が300nm以下であることを特徴とする磁気記録媒
    体。 0.3<d/(dmag +duc)<0.7
  2. 【請求項2】 非磁性下地層に含有される非磁性粉末の
    平均粒径が、磁性層に含有される強磁性粉体の平均粒径
    より小径である請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性下地層に含有される非磁性粉末が
    カーボンブラックである請求項1または2記載の磁気記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性下地層を構成する非磁性粉末
    (P)と結着剤(B)との重量比(P/B)が1.0以
    上である請求項1〜3いずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 磁性層表面に露呈した無機質フィラーの
    存在面積率が、磁性層表面の0.2%以上3.0%以下
    である請求項1〜4いずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 磁性層に含有される強磁性粉体の平均粒
    径が0.15μm以下である請求項1〜5いずれかに記
    載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 磁性層に含有される強磁性粉体が強磁性
    金属粉体である請求項1〜6いずれかに記載の磁気記録
    媒体。
JP35477997A 1997-12-24 1997-12-24 磁気記録媒体 Pending JPH11185241A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35477997A JPH11185241A (ja) 1997-12-24 1997-12-24 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35477997A JPH11185241A (ja) 1997-12-24 1997-12-24 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11185241A true JPH11185241A (ja) 1999-07-09

Family

ID=18439852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35477997A Pending JPH11185241A (ja) 1997-12-24 1997-12-24 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11185241A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276303A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sony Corp 磁気記録媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276303A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sony Corp 磁気記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000030237A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH11185242A (ja) 磁気記録媒体
JPH11185241A (ja) 磁気記録媒体
JPH0935245A (ja) 磁気記録媒体
JPH1166543A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH1196540A (ja) 磁気記録媒体
JPH05274645A (ja) 磁気記録媒体
JPH10162344A (ja) 磁気記録媒体及びその製造法
JPH10340445A (ja) 磁気記録媒体及びその製造法
JPH10208234A (ja) 磁気記録媒体
JP2001006148A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2667301B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH10134340A (ja) 磁気記録媒体
JPH0969224A (ja) 磁気記録媒体
JPH11283237A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH10134339A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH08194939A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH11203657A (ja) 磁気記録媒体
JPH11339253A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH11259848A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH10247318A (ja) 磁気ディスク及びその製造方法
JPH10154323A (ja) 磁気記録媒体及びその製造法
JPH0997415A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH04245017A (ja) 磁気記録媒体
JP2002050023A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040323

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040713