JPH04245017A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH04245017A
JPH04245017A JP1014491A JP1014491A JPH04245017A JP H04245017 A JPH04245017 A JP H04245017A JP 1014491 A JP1014491 A JP 1014491A JP 1014491 A JP1014491 A JP 1014491A JP H04245017 A JPH04245017 A JP H04245017A
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magnetic layer
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magnetic recording
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Application number
JP1014491A
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English (en)
Inventor
Isamu Michihashi
勇 道端
Hisato Kato
久人 加藤
Hiromichi Enomoto
洋道 榎本
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関し、
さらに詳しくは、たとえばフロッピ−ディスク用磁気記
録媒体として好適に用いられる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】磁気記録
媒体は、一般に、結合剤(バインダ−)といわれる高分
子材料(樹脂材料)中に、強磁性体の粉末、研磨剤、カ
−ボンブラックのような帯電防止剤、潤滑剤、硬化剤そ
の他の添加剤を均一に分散させたものに、必要に応じて
適宜に溶剤を添加して得られた磁性塗料を、非磁性支持
体上に塗布し、乾燥することによって製造される。
【0003】従来、強磁性金属の粉末あるいは平板状粒
子からなるバリウムフェライト(Ba−Fe)磁性体を
含む磁性層中に、磁性層の耐摩耗性の向上と表面比抵抗
の低減を計るためカーボンブラックを添加して成る磁気
記録媒体が知られている。
【0004】また、磁性層中に導電性粉末(カーボンブ
ラック、グラファイト、銀粉、ニッケル粉等)や界面活
性剤(天然、ノニオン、アニオン、カチオン、両性)を
添加し、表面電気抵抗を下げることが、特公昭46−2
2726号、同47−24881号、同47−2688
2号、同48−15440号、同48−26761号、
米国特許第22271623号、同第2240472号
、同第2288226号、同第2676122号、同第
2676924号、同第2676975号、同第269
1566号、同第2727860号、同第273049
8号、同第2742379号、同第2739891号、
同第3068101号、同第3158484号、同第3
201253号、同第3210191号、同第3294
540号、同第3415649号、同第3441413
号、同第3442654号、同第3475174号、同
第3545974号等に記載されている。
【0005】しかしながら、これらの従来技術では、磁
性層に導電性粉末を添加すること(磁気テープよりも多
量に添加)により、バリウムーフェライト磁性粉の充填
密度や分散性が低下するので、出力が低下して、ノイズ
が増大するという欠点がある。
【0006】しかも、界面活性剤の添加は表面電気抵抗
を下げる効果が小さく、添加量を増やすと、磁性層の耐
久性が劣化するという欠点がある。
【0007】また、磁性層中にカ−ボンブラックを含有
させると、磁性層の表面粗さの劣化並びに磁性体の充填
率の低下に起因して磁気記録媒体の電磁変換特性が低下
する。
【0008】他の従来技術として、支持体上にカ−ボン
ブラックを含有する下層と磁性粉を含有する上層よりな
る重層の磁気記録媒体が知られており、この場合、磁性
粉として針状のCo−γ酸化鉄が用いられている。
【0009】記憶容量および記録再生出力の高い磁気記
録媒体の要求に伴い、上層における針状の磁性粉に代わ
って板状の磁性粒子が用いられるようになり、平板状粒
子からなるバリウムフェライト(Ba−Fe)磁性体を
含む磁性層からなる重層の磁気記録媒体が知られている
【0010】しかしながら、これらの磁気記録媒体には
、磁気記録媒体の記憶容量の高容量化、記録再生出力の
高出力化、そして長期間に亙る耐久性の面等からいまだ
十分とは言い難いという問題点がある。
【0011】記憶容量を高めるためには、磁性層中の磁
性粉の充填密度の高密度化を図ることが必要である。
【0012】しかし、その場合に磁性粉を多量充填する
と、高密度化により磁性層表面の平滑性が劣化し、磁性
層の耐久性の面で問題点を有するようになる。
【0013】磁気記録媒体の長期に亙る耐久性を向上さ
せるには、潤滑剤やその他の任意成分を添加することに
より、磁性層表面の平滑性を保つとともに、磁気記録媒
体の表面を滑らかにして、磁気ヘッドと磁気記録媒体と
の間の繰り返しの摺動性に強い物質、たとえば、潤滑剤
の中でも特定の物質が磁気記録媒体中に含有されること
が必要である。
【0014】しかしながら、磁性粉の充填密度が高密度
化した一定の厚みを有する磁性層に潤滑剤あるいはその
他の任意成分を多量に添加した場合、磁性層は磁性粉に
よりその間隙が狭くなっていることから、磁性層表面に
前記潤滑剤等がブリ−ドアウトしてしまい、電磁変換特
性が悪化し、再生出力は悪化してしまうという問題点が
ある。
【0015】また、潤滑剤を添加した場合においても、
導電性を向上するために添加される導電性層中のカ−ボ
ンブラックにより潤滑剤が吸着され、磁気記録媒体の表
面に潤滑剤がしみ出して来ず、これによって所定の目的
を達成できないことがある。
【0016】また、従来、重層塗布においては、乾燥し
た下層の上に磁性塗料を重層塗布するいわゆるウェット
・オン・ドライ重層塗布方式が知られているが、生産性
が低い点と表面が荒れるのでウエット・オン・ウエット
方式よりも電磁変換特性が劣化してしまう点で不都合が
あり、ウェット・オン・ウェット重層塗布方式が取り入
れられている。
【0017】しかしながら、ウェット・オン・ウェット
重層塗布方式においても、乾燥されていない湿潤状態に
ある層の上に次の層を同時または逐次重ねて塗布するの
で、下層と上層の界面が乱れることから磁性層表面に凹
凸が生じ、その結果、磁気ヘッドとのスペ−シングロス
が大きくなり出力が低下するという問題点もある。
【0018】界面が乱れることを防止するためには、潤
滑剤およびその他の任意成分などの添加成分を用いない
方がよいが、潤滑剤を用いなければ、界面の荒れは良好
であっても磁気記録媒体の耐久性が低下するという問題
点がある。
【0019】このような様々の問題点を解決し、高出力
で、しかも耐久性の優れた磁気記録媒体がますます要求
されている。
【0020】本発明は前記の事情に基づいてなされたも
のである。
【0021】本発明の目的は、記録再生出力を高め、耐
久性を向上した、高密度記録可能なフロッピーディスク
用等に適した磁気記録媒体を提供することにある。
【0022】
【前記課題を解決するための手段】前記目的を達成する
ための請求項1に記載の発明は、非磁性支持体上に、カ
−ボンブラックを含有する導電性非磁性層を設け、さら
にその上に平板状であって、磁化容易軸が平板面にほぼ
垂直である磁性粒子を含む磁性層を設けてなると共に、
導電性非磁性層は、その導電性非磁性層に含有されるカ
−ボンブラックに対して2〜20重量%の脂肪酸エステ
ルを含有し、かつ磁性層は、その磁性層に含有される平
板状であって、磁化容易軸が平板面にほぼ垂直である磁
性粉に対して1〜10重量%の脂肪酸エステルを含有し
ていることを特徴とする磁気記録媒体である。
【0023】また、請求項2に記載の発明は、前記導電
性非磁性層および磁性層を構成する結合剤が、−SO3
 M、−OSO3 M、−COOM、−PO(OM1 
)2 および−OPO(OM1 )2 [ただし、Mお
よびM1 は水素原子、アルカリ金属原子またはアルキ
ル基である。一分子内に存在する2個のM1は互いに同
一であっても相違していても良い。]からなる群より選
ばれた少なくとも一種の極性基を有するポリウレタン系
樹脂である前記請求項1に記載の磁気記録媒体である。
【0024】また、請求項3に記載の発明は、前記導電
性非磁性層と磁性層がこの順にウェット・オン・ウェッ
ト方式で重層塗布された磁気記録媒体であることを特徴
とする前記請求項1に記載の磁気記録媒体である。
【0025】以下に本発明について詳述する。
【0026】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に、カ−ボンブラックを含有する導電性非磁性層と、強
磁性粒子を含有する磁性層とを、この順に塗設して形成
される。
【0027】そして本発明の磁気記録媒体は、前記導電
性非磁性層および前記磁性層に結合剤として特定量の脂
肪酸エステルを含有して形成される。
【0028】−非磁性支持体− 前記非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリエチレン−2, 6−ナフタレ−ト等のポリエ
ステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セル
ロ−ストリアセテ−ト、セルロ−スダイアセテ−ト等の
セルロ−ス誘導体、ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト等の
プラスチックが挙げられる。
【0029】また、Cu、Al、Zn等の金属、ガラス
、窒化硼素、Siカ−バイト等のセラミック等も使用で
きる。
【0030】これらの非磁性支持体の厚みはフィルム、
シ−ト状の場合は約3〜100μm程度、好ましくは3
0〜80μmであり、ディスク、カ−ド状の場合は30
μm〜10mm程度である。
【0031】ドラム状の場合は円筒状で用いられ、使用
するレコ−ダ−に応じてその形は決められる。
【0032】なお、非磁性支持体の表面には、接着性を
向上させるために中間層あるいは下引層を設けても良い
【0033】−導電性非磁性層−前記導電性非磁性層は
、非磁性支持体上に、カ−ボンブラックと結合剤(バイ
ンダ−)と後述する特定の潤滑剤とで形成することがで
きる。
【0034】導電性非磁性層層に用いるカーボンブラッ
クとしては、例えばコロンビアカーボン日本社のコンダ
クテックス(Conductex)975(比表面積2
50m2 /g、粒径24mμ)、コンダクテックス9
00(比表面積125m2 /g、粒径27mμ)、コ
ンダクテックス40−220(粒径20mμ)、コンダ
クテックスSC(粒径20mμ)、キャボット社製のバ
ルカン(Cabot  Vulcan) XC−72(
比表面積254m2 /g、粒径30mμ)、バルカン
P(粒径20mμ)(ラーベン1040、 420、ブ
ラックパールズL2000(粒径16mμ)、三菱化成
工業(株)の#44等の導電性カーボンブラックがある
【0035】これらのカーボンブラックはその吸油量が
90ml(DBP)/100g以上であることが、スト
ラクチャー構造をとり易く、より高い導電性を示す点で
望ましい。
【0036】この導電性非磁性層に含有させるカーボン
ブラックの平均粒径は通常5〜30mμであり、好まし
くは10〜25mμある。
【0037】また、前記平均粒径を有するカーボンブラ
ックの中でも、そのpHが5未満であるものを用いるこ
ともできる。
【0038】このようなカーボンブラックとしては、た
とえば米国キャボット社製のMONARCH  140
0(平均粒径;13.0mμ、pH;2.5)、MON
ARCH  1300(平均粒径;13.0mμ、pH
;2.5)、 MONARCH  1000(平均粒径
;16.0mμ、pH;2.5)、MOGUL  L(
BLACH  PEARLS  L、平均粒径;24.
0mμ、pH;3.0)、REGAL400R(REG
AL  400、平均粒径;25.0mμ、pH;3.
0)等、またコロンビアン・カ−ボン社製のROYAL
  SPECTRA(平均粒径;10.0mμ、pH;
4.0)、NEO  SPECTRA  MARKI(
平均粒径;11.0mμ、pH;4.0)、NEO  
SPECTRA  MARKII(平均粒径;13.0
mμ、pH;3.0)、NEOSPECTRA  AG
(平均粒径;13.0mμ、pH;3.0)、SUPE
RBA(平均粒径;15.0mμ、pH;3.2)、 
NEO  SPECTRA  MARKIV(平均粒径
;16.0mμ、pH;4.5)、 RAVEN  5
000(平均粒径;12.0mμ、pH;2.8)、 
RAVEN  7000(平均粒径;15.0mμ、p
H;2.1)、 RAVEN  5750(平均粒径;
15.0mμ、pH;2.1)、 RAVEN  52
50(平均粒径;20.0mμ、pH;2.2)、 R
AVEN3500(平均粒径;16.0mμ、pH;2
.5)、 RAVEN  1255(平均粒径;23.
0mμ、pH;2.5)、 RAVEN  1040(
平均粒径;28.0mμ、pH;2.8)、 RAVE
N  1035(平均粒径;27.0mμ、pH;3.
5)、 RAVEN  14  Powder(平均粒
径;59.0mμ、pH;3.0)などを挙げることが
できる。
【0039】従来、磁気記録媒体においては、導電性層
中のカ−ボンブラックにより、後述する潤滑剤が吸着さ
れ、潤滑剤を添加する所定の目的が達成されないことが
あり、このため、添加するカ−ボンブラックの吸油量を
限定して用いたりすることがある。
【0040】本発明においては、特定の脂肪酸エステル
を使用するので、従来のように特定のカーボンブラック
を選択して使用する必要はない。
【0041】カ−ボンブラックの添加量は、後述する結
合剤100重量部に対して通常、10〜400重量部、
好ましくは100〜350重量部である。
【0042】導電性非磁性層に用いられる好適な結合剤
としては、耐摩耗性のあるポリウレタン樹脂が挙げられ
る。
【0043】これは、他の物質に対する接着力が強く、
反復して加わる応力または屈曲に耐えて機械的に強靭で
あり、且つ耐摩耗性、耐候性を良好にする。
【0044】本発明においては、導電性非磁性層に用い
られる結合剤として−SO3 M、−OSO3 M、−
COOM、−PO(OM1 )2 、−OPO(OM1
 )2 [但し、MおよびM1 は水素原子、アルカリ
金属原子またはアルキル基である。一分子内に存在する
2個のM1 は互いに同一であっても相違していても良
い。]からなる群より選ばれた少なくとも一種の極性基
を有するポリウレタン系樹脂を使用するのが好ましい。
【0045】Mの具体例としては水素原子、アルカリ金
属(例えばリチウム、ナトリウムなど)、アルキル基を
挙げることができる。
【0046】また、M1 は水素原子、アルカリ金属(
例えばリチウム、カリウム、ナトリウムなど)、アルキ
ル基のいずれかである。
【0047】上記極性基を有するポリウレタン系樹脂は
、例えば、Cl−CH2 CH2 SO3 M、 Cl
−CH2 CH2 OSO2 M、Cl−CH2 CO
OM、Cl−CH2 −P(=O)(OM1 )2 (
ただし、MおよびM1 はそれぞれ前記と同じ意味であ
る。)などのように分子中に陰性官能基および塩素を含
有する化合物と、ポリウレタン樹脂とを脱塩酸反応によ
り縮合させて得ることができる。
【0048】上記ポリウレタン系樹脂はこれを単独で用
いてもよく、さらには他の樹脂と併用しても良い。
【0049】併用する好ましい樹脂としては、繊維素系
樹脂、塩化ビニル系共重合体、フェノキシ樹脂等が挙げ
られる。
【0050】繊維素系樹脂の具体例としては、セルロ−
スエ−テル、セルロ−ス無機酸エステル、セルロ−ス有
機酸エステル等を挙げることができる。
【0051】塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル−
酢酸ビニルを含む共重合体または塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−ビニルアルコ−ルを含む共重合体、塩化ビニル−プ
ロピオン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−マレイン酸ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル−マレイ
ン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体などが挙げられ
る。
【0052】上記の塩化ビニル系共重合体は、部分的に
は加水分解されていてもよい。
【0053】また、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体に、官能基、特に陰性官能基を導入する
ことにより変性された樹脂であってもよい。
【0054】本発明においては、前記極性基を有するポ
リウレタン樹脂と、必要に応じて非変性の塩化ビニル系
樹脂、ポリウレタン樹脂あるいはポリエステル樹脂と、
官能基により変性した塩化ビニル系樹脂とを混用するこ
ともできるし、更に繊維素系樹脂、フェノキシ樹脂等を
併用しても良い。
【0055】フェノキシ樹脂は機械的強度が大きく、寸
法安定性に優れ、耐熱、耐水、耐薬品性がよく、接着性
がよい等の長所を有する。
【0056】これらの長所は前記したポリウレタン樹脂
と長短相補って磁気記録媒体の物性の経時安定性を著し
く高めることができる。
【0057】さらに、本発明ではポリウレタン系樹脂を
特定の使用方式を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂等と併用してもよい
【0058】本発明において、導電性非磁性層に用いる
結合剤の量は、カ−ボンブラックに対して通常10〜3
00重量%、好ましくは30〜100重量%である。
【0059】本発明の磁気記録媒体において重要な点は
、磁気記録媒体の耐久性を向上させるための潤滑剤とし
て特定量の脂肪酸エステルを含有することである。
【0060】本発明に用いられる脂肪酸エステルは、融
点が5℃以下であり、かつ分子量が300以上であるも
のが好ましい。
【0061】磁気記録媒体に含有される脂肪酸エステル
の融点が5℃を越えると、磁気記録媒体の使用温度が通
常5〜40℃であるので、脂肪酸エステルが固化し液体
潤滑が出来なくなり、耐久性を向上させる潤滑剤として
の目的が達成されない。
【0062】前記脂肪酸エステルが分子量300以上の
高分子であると、それを含む磁気記録媒体は潤滑性が高
く、摺動によってもその潤滑性を良好に保持することが
できるので、フロッピ−ディスクとして好適に用いるこ
とができる。
【0063】本発明に用いられる脂肪酸エステルとして
は、たとえばオレイルオレート、イソセチルステアレー
ト、ジオレイルマレート、ブチルステアレート、ブチル
パルミテート、ブチルミリステート、オクチルミリステ
ート、オクチルパルミテート、ペンチルステアレート、
イソブチルオレート、ステアリルステアレート、ラウリ
ルオレエート、オクチルオレエート、オソブチルオレエ
ート、グリセリルトリオレエート、1−プロピルブチル
ミリステート、1−プロピルブチルステアレート、エチ
ルオレエート、イソトリデシルオレエート、2−エチル
ヘキシルステアレート、エチルステアレート、2−エチ
ルヘキシルパルミテート、イプロピルパルミテート、イ
ソプロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−
2−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエ
チルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシ
ルアジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキ
シルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペ
ンチルステアレート、ジエチレングリコール−モノブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテルパルミテート、エトキシエチルステアレー
ト、ブトキシエチルステアレート等を挙げることができ
る。
【0064】本発明において重要な点は、導電性非磁性
層に添加する前記脂肪酸エステルの量の含有量が、導電
性非磁性層に含有されるカ−ボンブラックに対して2〜
20重量%、好ましくは5〜10重量%になるように調
整されることである。導電性非磁性層中の前記脂肪酸エ
ステル量が前記範囲内にあると、導電性非磁性層中の脂
肪酸エステルが潤滑剤の供給源になって磁性層表面にお
ける脂肪酸エステル量が適正な値に維持され、磁性層表
面での潤滑作用が十分に営まれる。
【0065】ところが、脂肪酸エステル量がカ−ボンブ
ラックに対して2重量%未満であると、潤滑作用が不足
し、耐久性を著しく劣化させることになり、また前記脂
肪酸エステルの量が20重量%を超えると、磁性層の表
面に過剰の潤滑剤が存在するので面荒れを起こし、電磁
変換特性や耐久性を著しく劣化させることになる。
【0066】なお、本発明においては、潤滑剤として前
記脂肪酸エステルの他に、脂肪酸、シリコーンオイル、
グラファイト、フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二
硫化タングステン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキ
サイド等を併用しても良い。
【0067】本発明の磁気記録媒体における導電性非磁
性層は、更に任意成分を含有していても良い。
【0068】この任意成分として、無機フィラーを挙げ
ることができる。
【0069】その具体例としてγ−Fe2  O3 、
Co−γ−Fe2 O3 、メタル、Ba−フェライト
等の磁性粉、SiC、α− Al2 O3 、αFe2
 O3 、Cr2 O3 等の研磨剤、小BETタイプ
のカーボンブラック等を挙げることができる。
【0070】本発明の磁気記録媒体において上記導電性
非磁性層の乾燥膜厚は、通常、0.1〜4.0μmであ
り、好ましくは0.3〜2.0μmである。
【0071】−磁性層− 本発明の磁気記録媒体の磁性層においては、磁性粒子と
して強磁性バリウムフェライト(以下Ba−フェライト
と略する。)が用いられる。
【0072】好ましいBa−フェライト磁性粉は、Ba
−フェライト粉の、Feの一部が少なくともCoおよび
Znで置換された平均粒径(六方晶系フェライトの板面
の対角線の高さ)が400〜900Å、板状比(六方晶
系フェライトの板面の対角線の長さを板厚で除した値)
が2.0〜10.0、保磁力が350〜15000Oe
であるBa−フェライトである。
【0073】Ba−フェライト粉は、FeをCoで一部
置換することにより、保磁力が適正な値に制御されてお
り、さらにZnで一部置換することにより、Co置換の
みでは得られない高い飽和磁化を実現し、高い再生出力
を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ること
ができる。
【0074】また、さらにFeの一部をHbで置換する
ことにより、より高い再生出力を有する電磁変換特性に
優れた磁気記録媒体を得ることができる。
【0075】また、本発明のBa−フェライトは、さら
にFeの一部がTi、In、 Mn、Cu、Ge、Sn
等の遷移金属で置換されていても差支えない。
【0076】なお、本発明に使用するBa−フェライト
を一般式BaO・n((Fe1−m Mm )2 O3
 )[ただし、Mは置換金属、m>0.36(但し、C
o+Zn=0.08〜0.3、Co/Zn=0.5〜1
0) ]で表わしたとき、nが5.4〜6.0であって
、Mは平均個数が3となる2種以上の元素の組合せにな
る磁性粒子が好ましい。
【0077】本発明において、Ba−フェライトの平均
粒径、板状比、保磁力が前記好ましい範囲にあると良い
理由は、次のとおりである。
【0078】すなわち、平均粒径400Å未満の場合は
、磁気記録媒体としたときの再生出力が不十分となり、
逆に900Åを越えると、磁気記録媒体としたときの表
面平滑性が著しく悪化し、ノイズレベルが高くなりすぎ
ることがあり、また、板状比が2.0未満では、磁気記
録媒体としたときに高密度記録に適した垂直配向率が得
られず、逆に板状比が10.0を越えると磁気記録媒体
としたときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイズレベル
が高くなりすぎ、さらに、保磁力が350  Oe未満
の場合には、記録信号の保持が困難になり、15000
  Oeを越えると、ヘッド限界が飽和減少を起こし、
記録が困難となることがあるからである。
【0079】本発明に用いられる磁性粉の製造方法とし
ては、たとえば目的とするBa−フェライトを形成する
のに必要な各元素の酸化物、炭酸化物を、たとえばホウ
酸のようなガラス形成物質とともに溶融し、得られた融
液を急冷してガラスを形成し、ついでこのガラスを所定
温度で熱処理して目的とするBa−フェライトの結晶粉
を析出させ、最後にガラス成分を熱処理によって除去す
るというガラス結晶化法の他、共沈−焼成法、水熱合成
法、フラックス法、アルコキシド法、プラズマジェット
法等が適用可能である。
【0080】本発明においては、本発明の効果を損なわ
ない上で、磁性粒子としてBa−フェライトと共に、公
知の任意の磁性体を磁性層に含有させることもできる。
【0081】たとえば、γ−Fe2 O3 、Co含有
γ−Fe2 O3 またはCo被着γ−Fe2 O3 
のようなCo− γ−Fe2 O3 、Fe3O4、C
o含有Fe3 O4 またはCo被着Fe3 O4 の
ようなCo− γ− Fe3 O4、CrO2 等の酸
化物磁性体、Fe、Ni、 Fe− Ni合金、Fe−
Co合金、 Fe− Ni−P合金、Fe−Ni−Co
合金、Fe−Mn−Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、
Fe−Co−Ni−Cr合金、Fe−Co−Ni−P合
金、Co−P合金、Co−Cr合金等のFe、 Ni、
Coを主成分とするメタル磁性粉等を挙げることができ
る。
【0082】また、これらの金属磁性体に添加剤として
Si、Cu、Zn、Al、P、Mn、Cr等の元素また
はこれらの化合物を含ませてもよい。
【0083】本発明の磁性層を構成する結合剤としては
、前記導電性非磁性層で用いられた結合剤と同様の結合
剤、すなわち前記極性基を有するポリウレタン系樹脂を
好適に用いることができる。
【0084】このポリウレタン系樹脂は、前記導電性非
磁性層で用いられたのと同様の他の結合剤と併用して用
いてもよい。
【0085】磁性層における強磁性粉末に対する結合剤
の量は5〜30重量%である。
【0086】上記磁性層は前記強磁性粉末を前記結合剤
であるバインダ−樹脂で固着したものであるが、本発明
の磁気記録媒体においては、耐久性を高めるために脂肪
酸エステルを磁性層に含有させることが重要である。
【0087】この磁性層に含有される脂肪酸エステルと
しては、前記導電性非磁性層で用いられた脂肪酸エステ
ルと同様のものが用いられる。
【0088】本発明において重要な点は、磁性層に添加
する脂肪酸エステルが、Ba−フェライトに対して1〜
10重量%、好ましくは3〜7重量%となるように含有
されることである。
【0089】磁性層中の脂肪酸エステル量が前記範囲内
にあると、導電性非磁性層中の脂肪酸エステルの含有量
とあいまって磁性層表面の潤滑作用が十分なものになる
【0090】ところが、脂肪酸エステル量が磁性粒子に
対して1重量%未満であると、潤滑作用が不足し、耐久
性が著しく劣化する。
【0091】一方、脂肪酸エステルの量が10重量%を
超えると、磁性層の表面に過剰の潤滑剤が存在するので
下層と上層との界面で乱れが生じ、面荒れのため電磁変
換特性や耐久性を劣化させる。
【0092】また、磁性層には脂肪酸エステルの他、前
記導電性非磁性層で用いられた潤滑剤と同様の潤滑剤を
含有させても良い。
【0093】これらの脂肪酸エステル以外の潤滑剤は、
結合剤100重量部に対して0.2〜20重量部の範囲
で添加される。
【0094】なお、本発明の磁気記録媒体の磁性層の耐
久性を向上させるためには磁性塗料に各種硬化剤を含有
させておき、後述する方法で磁性層を形成しても良い。
【0095】このような硬化剤として、たとえば芳香族
イソシアナート、脂肪族イソシアナート等のイソシアナ
ートを挙げることができる。
【0096】芳香族イソシアナートとしては、例えばト
リレンジイソシアナート( TDI)等及びこれらイソ
シアナート活性水素化合物との付加体などがあり、平均
分子量としては100〜3000の範囲のものが好適で
ある。
【0097】また脂肪族イソシアナートとしては、ヘキ
サメチレンジイソシアナート( HMDI) 等及びこ
れらイソシアナートと活性水素化合物の付加体等が挙げ
られる。
【0098】これらの脂肪族イソシアナート及びこれら
イソシアナートと活性水素化合物の付加体などの中でも
、好ましいのは分子量が100〜3000の範囲のもの
である。脂肪族イソシアナートのなかでも非脂環式のイ
ソシアナート及びこれら化合物と活性水素化合物の付加
体が好ましい。
【0099】磁性層には、磁性層を形成するのに使用さ
れる磁性塗料に含有された分散剤が含まれていても良い
し、また必要に応じて研磨剤、帯電防止剤等の添加剤を
含有させてもよい。
【0100】本発明に使用される分散剤としては、燐酸
エステル、アミン化合物、アルキルサルフェート、脂肪
酸アミド、高級アルコール、ポリエチレンオキサイド、
スルホ琥珀酸、スルホ琥珀酸エステル、公知の界面活性
剤等及びこれらの塩があり、また、陰性有機基(例えば
−COOH)を有する重合体分散剤の塩を使用すること
も出来る。
【0101】分散剤としては、カプリル酸、カプリン酸
、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸等の炭素数12〜18個の脂肪酸、及
びこれらのアルカリ金属の塩又はアルカリ土金属の塩或
はこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドアルキル
リン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオレフィ
ンオキシ第四アンモニウム酸;カルボキシル基及びスル
ホン酸基を有するアゾ系化合物等が使用される。
【0102】これらの分散剤は強磁性粉末に対して0.
5〜5重量%の範囲内で添加される。
【0103】これらの分散剤は一種類のみで用いても、
あるいは2種類以上を併用してもよい。
【0104】また、磁性層は非磁性研磨材粒子を含有し
ていても良い。
【0105】非磁性研磨剤としては、一般に使用される
材料である熔融アルミナ、炭化珪素、酸化クロム、コラ
ンダム、人造コランダム、人造ダイヤモンド、ざくろ石
、エメリ(主成分:コランダムと磁鉄鉱)などが使用さ
れる。
【0106】これらの研磨剤は通常平均粒子径0.05
〜5μmの大きさのものが使用され、特に0.1〜2μ
mの大きさのものが好ましく用いられる。
【0107】これらの研磨剤は結合剤100重量部に対
して1〜20重量部の範囲で添加される。
【0108】上記磁性層には、通常の帯電防止剤を添加
する必要がない。
【0109】即ち、本発明によれば、磁性層と非磁性支
持体との間には、カーボンブラックを含有する導電性層
を設けているので、この導電性層によって磁性層の表面
電気抵抗を十分に低下させることができるからである。 そして、磁性層は、Ba−フェライト磁性粉の充填密度
や分散性が向上する。
【0110】もっとも、本発明の磁気記録媒体において
は、さらに、磁性層にカ−ボンブラックを添加すること
により、磁気記録媒体の耐久性を向上させることもでき
る。
【0111】この場合、磁性層に添加されるカ−ボンブ
ラックの粒径は、20〜500mμの範囲内であるのが
望ましく、好ましくは40〜100mμの範囲内である
の望まれる。
【0112】耐久性向上を目的として添加するカ−ボン
ブラックの具体例としては、米国キャボット社製のBL
ACK  PEARLS280(平均粒径;41mμ)
、BLACK  PEARLS  170(平均粒径;
50mμ)、BLACK  PEARLS  160(
平均粒径;50mμ)、BLACK  PEARLS 
 130(平均粒径;75mμ)、BLACKPEAR
LS  120(平均粒径;75mμ)等、またコロン
ビアン・カ−ボン社製のRAVEN  500(平均粒
径;52.9mμ)、 RAVEN  450(平均粒
径;75.4mμ)、 RAVEN  430(平均粒
径;82.1mμ)、 RAVEN  420(平均粒
径;85.7mμ)、 RAVEN  410(平均粒
径;100.6mμ)、 RAVEN  T230(平
均粒径;56.2mμ)、 RAVEN  H20  
Powder(平均粒径;59.9mμ)、 RAVE
N  22  Powder(平均粒径;82.6mμ
)、 RAVEN  16  Powder(平均粒径
;67.8mμ)、RAVEN14  Powder(
平均粒径;54.6mμ)、RAVEN  MT−P(
平均粒径;280.0mμ)等、三菱化成工業株式会社
製の#22B(平均粒径;40.0mμ)、 CF−9
(平均粒径;40mμ)、 #3500(平均粒径;4
0.0mμ)等、 デンカ製のHS−100(平均粒径
;53.0mμ)等、旭カーボン株式会社製のHS− 
500(平均粒径;76.0mμ)などを挙げることが
できる。
【0113】本発明における磁性層の乾燥膜厚は、0.
1〜4.0μmの範囲内であり、好ましくは0.1〜2
.0μmの範囲内である。
【0114】この磁性層の膜厚が4.0μmを超えると
、磁性層の表面比抵抗が高くなって、磁気記録媒体のド
ロップアウトが増加する。一方、磁性層の膜厚が0.1
μmよりも薄い場合は、導電性非磁性層の影響が強く現
われて、磁性層の表面が荒れ、磁気記録媒体のルミS/
NおよびクロマS/Nが低下する。
【0115】−磁気記録媒体の製造方法−本発明の磁気
記録媒体は、前記非磁性支持体上に、前記導電性非磁性
層と磁性層とをこの順にウェット・オン・ウェット方式
で重層塗布して製造するのが好ましい。
【0116】本発明の磁気記録媒体は、例えば図1に示
すように、非磁性支持体1の両面に、カーボンブラック
を含有する導電性非磁性層2と、たとえばBa−フェラ
イト磁性粉を含有する磁性層4と、必要あれば更にオー
バーコート層(図示せず)とがこの順に積層して設けら
れている。
【0117】なお、図1の磁気記録媒体は、導電性非磁
性層2と支持体1との間に下引き層(図示せず)を設け
たものであってよく、あるいは下引き層を設けなくても
よい(以下同様)。また支持体にコロナ放電処理を施し
てもよい。
【0118】次に、本発明の磁気記録媒体の好適な製造
方法の一例を図2に基いて説明する。
【0119】まず、供給ロール32から図示矢印方向D
に繰出したフィルム状支持体1を、エクストルージョン
方式の押し出しコーター10、11により各磁性塗料を
ウェット・オン・ウェット方式で重層塗布した後、無配
向化用磁石または垂直配向用磁石33を通過させ、乾燥
器34に導入し、ここで上下に配したノズルから熱風を
吹き付けて乾燥する。
【0120】次に、乾燥された各塗布層付きの支持体1
はカレンダーロール38の組合せからなるスーパーカレ
ンダー装置37に導かれ、ここでカレンダー処理された
後に、巻き取りロール39に巻き取られる。しかる後、
支持体1の他の面にも、上記したと同様にして導電性非
磁性層2、磁性層4を塗布、乾燥し、カレンダー処理を
行う。
【0121】このようにして得られた磁性フィルムを所
望の形状、例えば円盤状に打ち抜き、カセット内に収容
すれば、3.5インチフロッピーディスクを得ることが
できる。
【0122】上記の方法において、各塗料は図示しない
インラインミキサーを通して押し出しコーター10、1
1へと供給してもよい。
【0123】押し出しコーター10、11にはそれぞれ
液溜まり部13、14が設けられ、各コーターからの塗
料をウェット・オン・ウェット方式で重ねる。
【0124】即ち、導電性非磁性層用塗料を塗布した直
後(未乾燥状態のとき)に磁性層用塗料を重層塗布する
【0125】ウェットオンウェット重層塗布方法は、図
3に示す2基の押し出しコーター5a、5bのほか、図
4および図5のような型式の押し出しコーター5c、5
dを使用することもできる。
【0126】このほかに、リバースロールと押し出しコ
ーターとの組み合わせ、グラビアロールと押し出しコー
ターとの組み合わせなども使用することができる。
【0127】さらにはエアドクターコーター、ブレード
コーター、エアナイフコーター、スクィズコータ−、含
浸コーター、トランスファロールコーター、キスコータ
ー、キャストコーター、スプレイコーター等を組み合わ
せることもできる。
【0128】このウェット・オン・ウェット方式による
重層塗布においては、下層の導電性非磁性層が湿潤状態
になったままで上層の磁性層を塗布するので、下層の表
面(即ち、上層と境界面)が滑らかになるとともに上層
の表面性が良好になり、かつ、上下層間の接着性も向上
する。この結果、特に高密度記録のために高出力、低ノ
イズの要求されるたとえば磁気ディスクとしての要求性
能を満たしたものとなり、かつ、磁気テープ等とは違っ
て高耐久性の性能が要求されることに対しても膜剥離を
なくし、膜強度が向上し、耐久性が十分となる。
【0129】また、ウェット・オン・ウェット重層塗布
方式により、ドロップアウトも低減することができ、信
頼性も向上する。
【0130】上記ウェット・オン・ウェット重層塗布方
式によって形成される上下層間には、実質的に明確な境
界が存在する場合以外に、一定の厚みの、両層の成分が
混在した境界領域が存在する場合があるが、こうした境
界領域を除いた上側又は下側の層を上記の磁性層、導電
性非磁性層とするいずれの場合も、本発明の範囲に含ま
れる。
【0131】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール
、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールセノ
アセテート等のエステル類;グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライド、エ
チレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロ
ルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使用でき
る。これらの各種の溶媒は単独で使用することもできる
し、またそれらの二種以上を併用することもできる。
【0132】前記無配向化磁石あるいは垂直配向用磁石
における磁場は、交流または直流で約20〜5000ガ
ウス程度であり、乾燥器による乾燥温度は約30〜12
0℃であり、乾燥時間は約0.1〜10分間程度である
【0133】かくして得られる本発明の磁気記録媒体は
、非磁性支持体上に、カ−ボンブラックを含有する導電
性非磁性層と強磁性バリウム−フェライト粉を含有する
磁性層とを積層してなるので、記録再生出力が高められ
た磁気記録媒体である。
【0134】また、本発明の磁気記録媒体には特定量の
脂肪酸エステルが含有され、それが磁気記録媒体表面に
フリ−の状態でしみ出るので、磁気ヘッドと磁気記録媒
体との間で潤滑剤の役割を果す。
【0135】したがって、本発明の磁気記録媒体は繰り
返しの摺動性に強く、長期にわたる耐久性が向上した磁
気記録媒体である。
【0136】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下に示
す成分、割合、操作順序等は、本発明の範囲から逸脱し
ない範囲において種々変更しうる。なお、下記の実施例
において「部」はすべて重量部である。
【0137】(実施例1)以下に示す成分をディスパ−
ニーダー及びボールミルによって十分に混練、分散し、
次いで、塗布直前にポリイソシアネート化合物[コロネ
ートL:日本ポリウレタン(株)製)5部を添加し混合
して、磁性層用の磁性塗料(I) および導電性非磁性
層用カ−ボンブラック塗料(II)を調製した。
【0138】                       磁性塗
料(I) :      Ba−Fe磁性粉     
                       10
0部    (BET比表面積:32m2 /g、抗磁
力 (Hc) :      600  Oe)       ポリウレタン樹脂           
                     5部  
  [UR=8700:東洋紡績 (株) 製)   
   塩化ビニル系共重合体            
                8部    [日本
ゼオン (株) 製:MR110]      酸化ア
ルミナ(Al2 O3 )             
       10部      オレイルオレエ−ト
(潤滑剤)              表1記載量 
     シクロヘキサノン            
                100部     
 メチルエチルケトン               
           100部      トルエン
                         
           100部          
                         
                         
                         
         カーボンブラック塗料(II): 
     カーボンブラック            
                100部    (
MONARCH  1000  BLACK     
   PEARLS  1000:    米国   
   キャボラック社製  比表面積343m2 /g
m、      吸油量105cc/ 100gm) 
     ポリウレタン樹脂            
                  40部    
[UR−8700:東洋紡績 (株) 製]     
 塩化ビニル系共重合体              
            60部    (日本ゼオン
製:MR110)      オレイルオレエ−ト(潤
滑剤)              表1記載量   
   シクロヘキサノン              
              600部      メ
チルエチルケトン                 
         200部      トルエン  
                         
         200部次に、厚さ75μmのポリ
エチレンテレフタレートベースフィルム上に、上記の導
電性非磁性層用カーボンブラック塗料(II)、磁性塗
料(I) を順次に図3に示すようにエクストルージョ
ン方式の押し出しコーターでウェット・オン・ウェット
方式により塗布し、乾燥後にカレンダー処理を行った。
【0139】しかる後、上記ポリエチレンテレフタレー
トベースフィルムの逆の面にも、同様に各塗料(II)
および(I) を順次に塗布し、乾燥後にカレンダー処
理を行った。
【0140】このようにして得られた磁性フィルムを直
径86mmの円盤状に打ち抜き、カセット内に収容して
磁気ディスクを製造した。
【0141】得られた各磁気ディスクの特性を下記の項
目に従い評価した。
【0142】測定方法 (1)耐久性 記録再生装置に装填して、磁気ヘッドを(株)東芝製4
MB用ドライブPD− 211にて、圧力20g/cm
2 で摺接させ、ディスク回転速度300rpmで回転
させながら、再生出力が初期出力の70%になるまでの
走行時間を耐久性時間として温湿度を変えて評価した。
【0143】(2)再生出力 500KHZの正弦波信号で記録し、再生RF出力を測
定した。
【0144】ドライブ:TOSHIBA(株)製PD−
 211。
【0145】測定した再生RF出力を、実施例1で製造
したフロッピーディスクを100%としたときの相対値
として示す(なお、RF出力が大きい程、良好である。 )。
【0146】(3)面荒れ (株)小坂研究所製の三次元荒さ測定器SE−3FKで
測定した。
【0147】 〇:Ra=0.010μm以下 △:Ra=0.011〜0.020μm×:Ra=0.
021μm以上 評価の結果を表1に示す。
【0148】(比較例1〜8、実施例2〜9)磁性塗料
(I) および導電性非磁性層用カーボンブラック塗料
(II)中の脂肪酸エステルの量を表1に従って変化さ
せた他は実施例1と同様にして特性を評価した。
【0149】評価結果を表1に示す。
【0150】
【表1】
【0151】(比較例9〜16、実施例10〜18)潤
滑剤としてグリセリルトリオレエートを用い、その添加
量を表示のように変化させたこと以外は実施例1と同様
にして磁気ディスクを製造し、その特性を評価した。
【0152】評価の結果を表2に示す。
【0153】
【表2】
【0154】(比較例17〜19、実施例19〜21)
潤滑剤として2−エチルヘキシルパルミテート(比較例
17、実施例19)、ブトキシエチルステアレート(比
較例18、実施例20)、1−プロピルブチルミリステ
−ト(比較例19、実施例21)をそれぞれ用い、その
添加量を表示のように変化させたこと以外は実施例1と
同様にして磁気ディスクを製造し、その特性を評価した
【0155】評価の結果を表3に示す。
【0156】
【表3】
【0157】
【発明の効果】本発明により、面荒れのない、記録再生
出力の高い、高密度記録が可能な耐久性の向上した、フ
ロッピーディスク用として好適な磁気記録媒体を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である磁気記録媒体の断面を
示す断面図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体を製造することのできる
製造装置の一例を示す概略説明図である。
【図3】押出コーターの一例によるウェット・オン・ウ
ェット重層塗布方式を示す概略説明図である。
【図4】押出コーターの他の例によるウェット・オン・
ウェット重層塗布方式を示す概略説明図である。
【図5】押出コーターの更に他の例によるウェット・オ
ン・ウェット重層塗布方式を示す概略説明図である。
【符合の説明】
1  非磁性支持体 2  非磁性層 3  磁性層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非磁性支持体上に、カ−ボンブラック
    を含有する導電性非磁性層を設け、さらにその上に平板
    状であって、磁化容易軸が平板面にほぼ垂直である磁性
    粒子を含む磁性層を設けてなると共に、前記導電性非磁
    性層は、導電性非磁性層に含有されるカ−ボンブラック
    に対して2〜20重量%の脂肪酸エステルを含有し、か
    つ磁性層は、その磁性層に含有される前記磁性粒子に対
    して1〜10重量%の脂肪酸エステルを含有することを
    特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】  前記導電性非磁性層および/または磁
    性層を構成する結合剤が、−SO3 M、−OSO3 
    M、−COOM、−PO(OM1 )2 および−OP
    O(OM1 )2 [但し、MおよびM1 は水素原子
    、アルカリ金属原子またはアルキル基である。一分子内
    に存在する2個のM1 は互いに同一であっても相違し
    ていても良い。]からなる群より選ばれた少なくとも一
    種の極性基を有するポリウレタン系樹脂である前記請求
    項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】  前記導電性非磁性層と磁性層がこの順
    にウェット・オン・ウェット方式で重層塗布された磁気
    記録媒体である前記請求項1に記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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