JPH10247318A - 磁気ディスク及びその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク及びその製造方法

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JPH10247318A
JPH10247318A JP5013097A JP5013097A JPH10247318A JP H10247318 A JPH10247318 A JP H10247318A JP 5013097 A JP5013097 A JP 5013097A JP 5013097 A JP5013097 A JP 5013097A JP H10247318 A JPH10247318 A JP H10247318A
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JP
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magnetic
thickness
magnetic layer
magnetic disk
layer
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JP5013097A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kinoshita
喜裕 木下
Osamu Shimomura
理 下村
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型のカートリッジと組合せて用いるのに好
適な高密度記録のための磁気ディスクを提供する。 【解決手段】 可撓性非磁性支持体上に非磁性下地層を
設け、その上に比表面積が35m2 /g以上の強磁性金
属粉末を含有する厚さが0.5μm以下の磁性層を設け
てなる最大磁束反転密度が35kftpi以上の磁気デ
ィスクであって、厚みが10〜50μmであり、半径方
向のカール比が0.05以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ディスクに関す
るものであり、ヘッドタッチの改善によりエラーが低減
し、電磁変換特性が改善された、特に薄型のカートリッ
ジと組合わせるのに好適な磁気ディスクに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年携
帯用コンピューターの小型化や各種デジタルデータを取
り扱う携帯機器の普及により、そのデータ記録媒体の小
型化及び高密度化が図られている。その一環としてフロ
ッピーディスクの小型化、薄型化及び高密度化が図られ
ているが、ドライブの省電力化・カートリッジ内部の空
間厚み・媒体厚みの薄型化に伴いヘッドタッチの確保が
困難になっている。ヘッドタッチとは、広くは磁気ディ
スクと磁気記録再生ヘッドとの接触具合を意味するが、
主としてその安定性を指す。
【0003】すなわちヘッドタッチが良好な場合には、
ヘッドと磁気ディスクとのスペーシングが小さく出力が
高くなるだけではなく、その状態が安定している。逆に
ヘッドタッチが充分でない場合には、周期的または非周
期的に起こるヘッドと磁気ディスクとのスペーシングの
増大により、ドロップアウトが起こってエラーが増加し
たり、時には電磁変換特性も下がることになる。一般に
ヘッドタッチの影響は高密度記録になるにつれて大きく
なる。従って本発明は、良好なヘッドタッチ特性を有す
る、薄い高密度記録用の磁気ディスクを提供しようとす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気ディス
クは、非磁性可撓性支持体上に非磁性下地層を設け、そ
の上に比表面積が35m2 /g以上の強磁性金属粉末及
び結合剤を含有する厚さが0.5μm以下の磁性層を設
けてなる、最大磁束反転密度が35kftpi以上の磁
気ディスクであって、厚さが10〜50μmであり、半
径方向のカール比が0.05以下であることを特徴とす
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において磁気ディスクのカール比は、次のように
して測定する。先ず、磁気ディスクから磁気ディスクの
中心を通る線が中央に来るようにして、長さが磁気ディ
スクの直径の1/3で、幅が磁気ディスクの直径の1/
15の長方形の試料を切出す。この試料を室温で水平な
台上に24時間載置したのち、一方の端から1/6の長
さの部分までを水平な支持台上に固定具で支持し、残り
の5/6の長さの部分を非支持状態で10分間維持し
て、その先端の垂下量(=支持台表面から先端までの垂
直距離)を測定する。次いで試料を裏返しにして同様に
測定を行い、その垂下量の差の絶対値を磁気ディスクの
直径で除した値をもってカール比とする。測定は5点の
試料について室温で行い、その平均値を採用する。
【0006】本発明は小型の磁気ディスク、特に現在実
用化が進められつつある直径1.7インチの磁気ディス
クのような直径2インチ以下の磁気ディスクに適用する
のに好適であるが、直径の大きな磁気ディスクにも適用
することができる。本発明に係る磁気ディスクの厚さは
10〜50μmである。厚さが50μmを越えると十分
なヘッドタッチが確保できなくなる。また、厚さが10
μm未満では磁気ディスクを良好に回転させるのが困難
となる。磁気ディスクの好ましい厚さは20〜40μm
である。
【0007】本発明の磁気ディスクに用いる非磁性可撓
性支持体としては、従来からこの用途に用いることが提
案されているものを用いればよく、例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル類、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレ
フィン類、セルロースアセテートなどのセルロース誘導
体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等の各
種プラスチック類等が使用できる。中でも優れた機械特
性、耐熱性、電気的特性、耐薬品性などを有している点
よりしてポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナ
フタレート等のポリエステル類が好ましい。
【0008】しかしこれらのポリエステルフィルムのな
かには、高度に結晶配向されているために非磁性下地層
との接着性に乏しい場合がある。従ってこれらの支持体
は、アルカリ水溶液、アミン水溶液、トリクロロ酢酸、
フェノール類等の表面改質剤による処理を施してから磁
気ディスクの製造に供しても良い。また支持体の厚さ
は、磁気ディスクの厚さが10〜50μmとなる範囲で
あれば任意であるが、通常は9〜49μmであり、好ま
しくは19〜39μmである。また支持体のガラス転移
温度は50〜120℃が好ましい。ガラス転移点が50
℃未満では容易に軟化してしまい、耐久性、特に高温環
境下での耐久性が悪化する。また、ガラス転移点が12
0℃を越えると高剛性化するためにヘッドタッチの確保
が困難になってくる。
【0009】また、支持体の表面粗さ(Ra)は10n
m以下が好ましい。表面粗さ(Ra)が大きくなると、
これが磁性層表面の表面粗さに影響して磁性層表面が粗
面化する。その結果、スペーシングが増大して、低出力
化し、高密度記録に適さなくなる。磁性層に含有させる
強磁性金属粉末は、高密度記録をなしうるように、比表
面積が35m2 /g以上のものを用いる。35m2 /g
未満では磁気ディスクに充分な表面性が得られず、高密
度記録に適さないことがある。また磁性層中の強磁性金
属粉末の充填率も十分に上がらないために高い出力を得
られない。しかし比表面積が大きくなり過ぎて65m2
/gを越えると、磁性層を形成するための磁性塗料中で
の分散性が低下したり、磁気ディスクの耐久性が低下す
ることがある。従って強磁性金属粉末の比表面積は35
〜65m2 /gが好ましい。
【0010】強磁性金属粉末の平均長軸長は0.5μm
以下、特に0.3μm以下が好ましい。又、針状軸比は
磁性層における強磁性金属粉末の密度を増加させ、磁気
記録の高密度化をはかるために12以下が好ましい。磁
性層中の強磁性金属粉末の含有量は、50〜90重量
%、特に60〜70重量%が好ましい。50重量%未満
では磁性層中の強磁性金属粉末の充填率が低いために高
い保磁力が得られず、高密度記録に適さなくなる。逆に
90重量%を越えると磁性塗料中での分散性が低下した
り、磁気ディスクの耐久性が低下することがある。
【0011】磁性層に含有させる結合剤としては非磁性
下地層との密着性や耐磨耗性に優れるものを使用するの
が好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロースアセテートブチレート、セルロースジ
アセテート、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−塩化
ビニリデン系共重合体、塩化ビニル−アクリル系共重合
体等の塩化ビニル系樹脂、各種合成ゴム、エポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂等が用いられる。これらは単独で用
いてもよく、または2種以上を任意の割合で混合して使
用しても良い。結合剤は磁性層中の含有量が通常2〜4
5重量%、特に5〜25重量%となるようにするのが好
ましい。
【0012】なお、磁性層を形成する磁性塗料中には、
イソシアネート基を複数個有する低分子ポリイソシアネ
ート化合物を含有させることにより、磁性層内に三次元
網目構造を形成させ、その機械的強度を向上させること
ができる。そのような低分子ポリイソシアネート化合物
としては、例えばトリレンジイソシアネートのトリメチ
ロールプロパン付加体等が用いられる。このような低分
子ポリイソシアネート化合物は、結合剤に対して10〜
50重量%の割合で使用するのが好ましい。
【0013】本発明に係る磁気ディスクの磁性層の厚み
は、高密度記録に際しての自己減磁損失、厚み損失など
の問題を避けるため、0.5μm以下である。しかし、
磁性層厚みが0.01μmに満たないと磁気ディスクの
耐久性が低下することがあるので、磁性層の厚みは0.
01μm以上、特に0.05〜0.3μmであることが
好ましい。また、磁性層中には、必要に応じて、潤滑
剤、研磨剤、分散剤、帯電防止剤等の常用の助剤を含有
させてもよい。潤滑剤としては脂肪族系、フッ素系、シ
リコーン系又は炭化水素系等の各種潤滑剤が使用でき
る。脂肪族系潤滑剤としては、オレイン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸等の脂肪酸、これらとマグネシウム、アルミニウ
ム、ナトリウム、カルシウム等の金属との塩、これらの
ブチルエステル、オクチルエステル、グリセリド等の脂
肪酸エステル、これらのアミドやリノール酸アミド、カ
プロン酸アミド等の脂肪酸アミドなどが用いられる。
【0014】また、ラウリルアルコール、ステアリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコー
ル、オレイルアルコール等の脂肪族アルコールや、ペル
フルオロアルキルポリエーテル、ペルフルオロアルキル
カルボン酸等のフッ素系潤滑剤、シリコーンオイル、変
性シリコーンオイル等のシリコーンオイル系潤滑剤、パ
ラフィン、スクアラン等の炭化水素系潤滑剤も用いられ
る。さらには、二硫化モリブデン、二硫化タングステン
等の固形潤滑剤や、リン酸エステル類等も使用できる。
通常は脂肪酸エステル又はこれと他のもの、例えば脂肪
酸とを併用するのが好ましい。脂肪酸エステル系潤滑剤
は、磁性層中における含有量が0.1〜15重量%、好
ましくは1〜15重量%となるように用いられる。潤滑
剤量が少な過ぎると耐久性が不十分となる。また、15
重量%以上の場合はヘッドが潤滑剤で汚れる危険性があ
る。
【0015】脂肪酸は磁性層中における含有量が0.1
〜10重量%、好ましくは1〜5重量%となるように用
いられる。脂肪酸の含有量が少ないと走行性が低下しや
すく、逆に多過ぎると耐久性劣化や出力低下が生じやす
くなる。研磨剤としては、アルミナ、コランダム、炭化
珪素、酸化クロム、窒化珪素等の硬度の高いものがよ
い。また、研磨剤の平均粒子径は0.6μm以下である
ことが好ましい。研磨剤は、磁性層中における含有量が
1〜15重量%の範囲となるように用いるのが好まし
い。分散剤としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、オレイン酸、リノール酸等の炭素数10〜18
の脂肪酸やこれらのアルカリ金属塩またはアルカリ土類
金属塩からなる金属石鹸、レシチン等が使用される。分
散剤は、通常、磁性層中の含有量が0〜5重量%となる
ように用いられる。
【0016】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
金属およびその導電性化合物や酸化物、サポニン等の天
然界面活性剤、アルキレンオキサイド系、グリセリン系
等のノニオン界面活性剤、高級アルキルアミン類、第4
級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類その他の含窒素
複素環塩類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸基、ス
ルホン酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基
等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、ア
ミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸
エステル類等の両性界面活性剤等が使用される。これら
の界面活性剤は、単独で用いてもよく又は混合して用い
てもよい。
【0017】これらのなかでカーボンブラックとして
は、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマ
ルブラック等が用いられる。具体例としては、キャボッ
ト社製のBLACKPEARLS 2000、100
0、900、800、VULCAN XC−72、コロ
ンビアンカーボン社製のRAVEN 8800、800
0、7000、三菱化学社製の#3750B、#375
0、#3250B、# 3250、#950、#850
B、#650B、#45、#40、#5、MA−77、
MA−7等などがあげられる。これらのカーボンブラッ
クは、単独で又は複数組み合わせて用いることができ
る。また、カーボンブラックの表面を分散剤等で処理し
たり、一部をグラファイト化して用いてもよい。
【0018】また、金属及びその導電性化合物や酸化物
としては、酸化スズ、インジウムスズ酸化物等を用いる
ことができる。帯電防止剤は、通常、磁性層中の含有量
が0.1〜10重量%の範囲となるように用いられる。
なお、上記の説明からも明らかなように、一つの添加剤
がいくつもの効果を発揮することもある。磁性層を構成
する上述の各成分は、溶剤と混合し、混練、分散させて
磁性塗料とする。混練、分散はボールミルなど常用の装
置を用いて行うことができる。溶剤としては、例えばメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素など従来公知の溶剤が
挙げられる。
【0019】本発明では、可撓性非磁性支持体上に非磁
性下地層を介して磁性層を設ける。磁性層の下に非磁性
下地層を設けることにより、導電性の付与と潤滑剤の保
持によりエラーの低減や耐久性が向上する。非磁性下地
層の厚みは0.1μm以上が好ましく、特に0.2〜
5.0μmが好ましい。非磁性下地層は主として結合剤
と非磁性粒子とで構成する。非磁性粒子としては、金属
酸化物、金属炭酸塩、金属窒化物、金属炭化物などの無
機化合物及びカーボンブラックなどが用いられる。無機
化合物としてはグラファイト、酸化チタン、α−酸化
鉄、α−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリ
ウム、ゲータイト、コランダム、窒化ケイ素、二酸化ケ
イ素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二硫化モリブデンなどが挙げられる。この中で好ましい
のは二酸化チタン、α−酸化鉄、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、α−アルミナであり、更に好ましいのは二酸
化チタン、α−酸化鉄である。これらの非磁性粒子の形
状は針状、球状、多面体上、板状のいずれでも良い。こ
れらの非磁性粒子は所望により表面処理して用いてもよ
く、表面処理方法としては、従来から知られている方
法、例えば焼結防止の為の表面処理等で良い。
【0020】カーボンブラックとしてはアセチレンブラ
ック、ファーネスブラック、サーマルブラック等が用い
られる。具体例としては、キャボット社製のBLACK
PEARLS 2000、1000、900、800、
VULCAN XC−72、Mogul−L、コロンビ
アンカーボン社製のRAVEN 8800、8000、
7000、三菱化学社製の#3750B、#3750、
#3250B、#3250、#950、#850B、#
650B、#45、#40、#5、MA−77、MA−
7等などがあげられる。また、カーボンブラックの表面
を分散剤等で処理したり、一部をグラファイト化して用
いてもよい。通常はカーボンブラック又はこれと他のも
のとを併用する。
【0021】結合剤としては可撓性非磁性支持体との密
着性や耐摩耗性に優れ、ガラス転移点が−100〜15
0℃、数平均分子量1000〜150000程度のもの
を使用するのが好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、セルロースアセテートブチレート、
セルロースジアセテート、ニトロセルロース等のセルロ
ース誘導体、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化
ビニル−塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニル−アク
リレート系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体等の各種合成ゴム、エポキシ樹脂、
フェノキシ樹脂等が用いられ、これらは単独で又は2種
以上混合して使用することができる。結合剤は、非磁性
下地層中の含有量が2〜50重量%、特に5〜35重量
%となるように使用するのが好ましい。非磁性下地層に
は、上述の非磁性粒子と結合剤のほかに、所望により架
橋剤、潤滑剤、分散剤などを含有させてもよい。
【0022】これらの添加剤としては先に磁性層の添加
剤として説明したものを用いることができ、例えば潤滑
剤として脂肪酸エステルを含有させる。非磁性下地層を
構成する各成分は溶剤と混合し、混練、分散させて非磁
性下地層用の塗料とする。溶剤は磁性塗料の溶剤として
説明したものを用いることができ、また混練、分散も磁
性塗料の調製と同様に行うことができる。本発明に係る
磁気ディスクは、可撓性非磁性支持体上に上述の非磁性
下地層用の塗料及び磁性塗料を順次塗布して製造され
る。塗布方法としては、エアードクターコーティング、
ブレードコーティング、リバースロールコーティング、
グラビアコーティングなど常用の各種の方法を用いるこ
とができる。磁性層は非磁性下地層が湿潤状態のうちに
塗布してもよく、又は乾燥させてから塗布してもよい。
【0023】また非磁性下地層及び磁性層を塗布後、可
撓性非磁性支持体に、60℃以上の温度で0.1kg/
cm〜5kg/cm、好ましくは0.3kg/cm〜3
kg/cmの張力をかける工程を行うことによりカール
比を小さくすることが出来る。温度が低い場合には張力
をかける効果がでず、また張力が低い場合もその効果は
わずかである。また、張力を5kg/cmよりも高くす
ると可撓性非磁性支持体自身が切れたり、走行方向に皺
ができたりすることがある。この張力をかける工程は塗
布・乾燥・カレンダー・スリット・打ち抜きという従来
の磁気ディスク製造プロセスにおいていずれの工程間に
設けても効果を奏するが、特に打ち抜き前またはカレン
ダーの前に設けるのがよい。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に制限されるものではない。なお、実施例中
「部」の表示は「重量部」を表す。また、磁気ディスク
の評価項目中、出力は、磁気ディスクを厚さ2mmの薄
型カートリッジに納め、スピンスタンドにてMIGヘッ
ドを使用し、書き込み周波数500kHzにて回転数4
50rpm、測定位置R12mmにて測定した数値であ
り、実施例1の出力を100%とする相対値で表示し
た。
【0025】ヘッドタッチは、上記スピンスタンドにて
ガラスヘッドを使用し、回転数450rpm、測定位置
R21mmにて、ヘッド底部と磁気ディスク表面で白色
光を反射させることによって生じる干渉縞を観察するこ
とによって、浮上高さとヘッドタッチの安定性を◎・○
・△・×の4段階で評価した。ヘッドタッチが安定で3
分間の走行中に干渉縞の乱れが2回以内であった場合を
◎とし、同様に5回以内を○、またヘッドタッチが不安
定で干渉縞が安定せず絶えず揺らいでいる場合を△、そ
して1周に1回以上の干渉縞の乱れがあり、良好なヘッ
ドタッチを得られない場合を×とした。
【0026】耐久性は、上記スピンスタンドにて温度2
5℃、湿度50%RHの雰囲気にて、回転数450rp
m、測定位置R12mmにて48時間走行させた後、出
力を測定し、走行前の出力を100として評価した。ま
た、非磁性下地層用塗料及び磁性層用の磁性塗料は下記
により調製した。
【0027】非磁性下地層用塗料の調製;表1の各成分
を配合して混練したのちサンドミルで分散処理した。得
られた分散液にポリイソシアネート(トルエンジイソシ
アネートのトリメチロールプロパン付加体、三菱化学社
製 AD30)を6部加え、3μmの平均孔径を有する
フィルターで濾過して非磁性下地層用塗料とした。
【0028】
【表1】 表1 非磁性下地層用塗料の組成 カーボンブラック (BET 法による比表面積=138m2/g,DBP 吸収量=60ml/100g,平均粒径24nm) 100部 ポリエステルポリウレタン樹脂 20部 トリデシルステアレート 3部 オレイン酸 2部 メチルエチルケトン 300部 シクロヘキサノン 100部
【0029】磁性層用磁性塗料の調製;表2の各成分を
配合して混練したのちサンドミルで分散処理した。得ら
れた分散液にポリイソシアネート(AD30)を5部加
え、1μmの平均孔径を有するフィルターで濾過して磁
性塗料とした。
【0030】
【表2】 表2 磁性層用磁性塗料の組成 強磁性金属粉末 100部 塩化ビニル系共重合体 15部 ポリエステルポリウレタン樹脂 4部 α−アルミナ 10部 カーボンブラック 8部 トリデシルステアレート 9部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 280部 シクロヘキサノン 120部
【0031】実施例1〜7及び比較例1〜6 可撓性非磁性支持体に非磁性下地層用塗料を乾燥厚さが
0.7μmとなるように塗布し、0.3kg/cmの張
力をかけた状態で80℃の乾燥機で数分間乾燥させた。
この非磁性下地層の上に磁性層用磁性塗料を乾燥厚さが
0.3μmとなるように塗布し、同じく0.3kg/c
mの張力をかけた状態で乾燥機で80℃で数分間乾燥さ
せた。このものを80℃、約330kg/cmでカレン
ダー処理したのち、直径1.7インチのディスク状に打
抜いた。これを支持台上に水平に置き、50℃の雰囲気
中で48時間静置して両面に磁性層を有する磁気ディス
クとした。結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】 強磁性金属粉末A:Fe/Co=85/15 (原子比)、σS =150emu/g 、Hc=1700 Oe 、 BET 法による比表面積42m2/g B:Fe/Co=85/20 、σS =140emu/g 、Hc=1750 Oe 、BET 法によ る比表面積58m2/g C:σS =144emu/g 、Hc=1500 Oe 、BET 法による比表面積33m2 /g 可撓性非磁性支持体A:ガラス転移温度65℃、厚さ32μm、表面粗さ(Ra) 7nmのポリエチレンテレフタレートフィルム B:ガラス転移温度65℃、厚さ45μm、表面粗さ(Ra) 7nmのポリエチレンテレフタレートフィルム C:ガラス転移温度43℃、厚さ32μm、表面粗さ(Ra) 8nmのポリエチレンテレフタレートフィルム D:ガラス転移温度130℃、厚さ32μm、表面粗さ (Ra)7nmのポリイミドフィルム E:ガラス転移温度65℃、厚さ32μm、表面粗さ(Ra) 13nmのポリエチレンテレフタレートフィルム F:ガラス転移温度65℃、厚さ62μm、表面粗さ(Ra) 7nmのポリエチレンテレフタレートフィルム G:ガラス転移温度65℃、厚さ6.4μm、表面粗さ (Ra)7nmのポリエチレンテレフタレートフィルム *1 乾燥機内での乾燥を0.05kg/cmの張力をかけた状態で行った。 *2 カレンダー処理後、ロール状に巻いた状態で50℃で48時間静置して から直径1.7インチのディスク状に打抜いた。 *3 磁性層の乾燥厚みが1.0μmとなるように磁性塗料を塗布した。 *4 可撓性非磁性支持体上に非磁性下地層を設けずに磁性層を形成した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性非磁性支持体上に非磁性下地層を
    設け、その上に比表面積が35m2 /g以上の強磁性金
    属粉末及び結合剤を含有する厚さが0.5μm以下の磁
    性層を設けてなる最大磁束反転密度が35kftpi以
    上の磁気ディスクであって、厚さが10〜50μmであ
    り、半径方向のカール比が0.05以下であることを特
    徴とする磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 可撓性非磁性支持体がガラス転移温度が
    50〜120℃、表面粗さ(Ra)が10nm以下の樹
    脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の磁
    気ディスク。
  3. 【請求項3】 長尺状可撓性非磁性支持体上に非磁性下
    地層及び磁性層を塗布により設け、60℃以上の温度で
    0.1〜5kg/cmの張力をかける工程を経た後にデ
    ィスク形状とすることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の磁気ディスクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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