JPH117623A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH117623A
JPH117623A JP9160209A JP16020997A JPH117623A JP H117623 A JPH117623 A JP H117623A JP 9160209 A JP9160209 A JP 9160209A JP 16020997 A JP16020997 A JP 16020997A JP H117623 A JPH117623 A JP H117623A
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JP
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magnetic
layer
powder
binder
nonmagnetic
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JP9160209A
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Takao Kudo
孝夫 工藤
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Sony Corp
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    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上層磁性層が良好な表面性を有して形成され
るとともに、媒体表面で良好な潤滑性が長期間保持さ
れ、電磁変換特性に優れるとともにRFエンベロープの
形状も良好であり、またドロップアウトが抑えられ、走
行耐久性に優れた重層塗布型の磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 下層非磁性層2の非磁性粉末として長軸
長が0.2μm以下、かつ表面が酸性の非磁性粉末を用
い、結合剤としてスルホン酸塩基及び/又は4級アンモ
ニウム塩基と水酸基及びエポキシ基を有するとともに平
均重合度が100〜220の塩化ビニル系共重合体を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
ディスク等の磁気記録媒体に関し、特に重層塗布方式に
より製造される磁気記録媒体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオテープ、オーディオテー
プ、磁気ディスク等としては、強磁性酸化鉄、Co変成
酸化鉄、CrO2、強磁性合金粉末等の強磁性粉末を結
合剤中に分散させることで調製された磁性塗料を、非磁
性支持体上に塗布することで磁性層が形成される、いわ
ゆる塗布型の磁気記録媒体が広く用いられている。
【0003】近年、磁気記録の分野においては、記録の
高密度化、短波長化が進行しており、上記塗布型の磁気
記録媒体においても、そのような記録の高密度化、短波
長化に対応する特性を有することが求められるようにな
っている。
【0004】ここで、塗布型の磁気記録媒体において、
高密度記録領域での電磁変換特性を改善する手法として
は、磁性層の薄層化が挙げられる。磁性層を薄層化する
と、記録時の自己減磁損失や再生時の厚み損失が減少
し、電磁変換特性が効果的に改善されることになる。
【0005】しかしながら、この場合、磁性層の厚さを
例えば2μm以下に薄くすると、非磁性支持体の表面形
状が磁性層の表面に浮き出し易くなり、磁性層の表面が
粗れた状態になる。そうなると、スペーシングロスによ
って電磁変換特性が悪化したり、ドロップアウトが多発
するようになる。
【0006】そこで、塗布型の磁気記録媒体では、磁性
層と非磁性支持体の間に比較的厚さの厚い下層非磁性層
を介在させ、これによって非磁性支持体の表面形状が磁
性層表面に現れ難くした、重層塗布型構成が提案されて
いる。この重層塗布型の磁気記録媒体では、厚さの薄い
磁性層が平滑な表面で形成できるので、短波長領域にお
いて優れた電磁変換特性が得られることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この重
層塗布型の磁気記録媒体では、下層塗料の組成や調製法
に未だ改良の余地が残されている。
【0008】例えば、この重層塗布型の磁気記録媒体で
は、非磁性支持体の表面形状が磁性層表面に現れ難くで
きる反面、下層用非磁性塗料の調製法如何によっては却
って磁性層表面の平滑性が大きく損なわれる。このた
め、より平滑な磁性層表面を得るためには下層用非磁性
塗料の組成や調製条件が重要になるが、これまで適当な
組成や調製条件は見い出されていない。
【0009】また、このような塗布型の磁気記録媒体に
おいては、テープの走行性を確保する目的で脂肪酸系潤
滑剤が磁性塗料中に添加されるが、重層塗布型の磁気記
録媒体の場合、磁性層の厚みが薄いため、磁性層中に十
分量の潤滑剤を含ませることができない。このため、下
層非磁性層にも脂肪酸系潤滑剤を添加し、これによって
磁性層や磁性層表面に潤滑剤を補うようにした手法がし
ばしば採られる。しかしながら、下層非磁性層に脂肪酸
を添加すると、添加された脂肪酸が非磁性粉末表面に強
く吸着してしまい、期待する程には磁性層や磁性層表面
に潤滑性を補充することができない。しかも、重層塗布
型の磁気記録媒体では、磁性層に添加した潤滑剤も下層
の非磁性粉末に引き込まれる現象が見られ、テープの走
行耐久性を確保するのが難しいという問題がある。
【0010】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、上層磁性層が良好な表面
性を有して形成されるとともに、良好な潤滑性が長期間
保持され、電磁変換特性に優れるとともにRFエンベロ
ープの形状も良好であり、またドロップアウトが抑えら
れ、走行耐久性に優れた磁気記録媒体が高い歩留まりで
製造できる磁気記録媒体及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、下層非磁性
層に用いる非磁性粉末の粒子サイズ及び表面の化学的性
質、さらには結合剤の種類を特定することが重要である
との知見を得るに至った。本発明はこのような知見に基
づいて完成されたものである。
【0012】すなわち、本発明の磁気記録媒体は、重層
塗布型の磁気記録媒体であって、上記下層塗膜の結合剤
としてスルホン酸塩基及び/又は4級アンモニウム塩基
と水酸基及びエポキシ基を有するとともに平均重合度が
100〜220の塩化ビニル系共重合体を用い、また非
磁性粉末として、長軸長が0.2μm以下、かつ表面が
酸性の非磁性粉末を用いることを特徴とするものであ
る。
【0013】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性支持体上に、非磁性粉末と結合剤が溶剤に分
散された下層用塗料を塗布して下層塗膜を形成した後、
この下層塗膜上に、磁性粉末と結合剤が溶剤に分散され
た上層用塗料を塗布することで上層塗膜を形成するに際
して、上記下層用塗料を、長軸長が0.2μm以下、か
つ表面が酸性の非磁性粉末と、スルホン酸塩基及び/又
は4級アンモニウム塩基と水酸基及びエポキシ基を有す
るとともに平均重合度が100〜220の塩化ビニル系
共重合体を溶剤とともに混練した後、溶剤を添加し、希
釈分散することで調製することを特徴とするものであ
る。
【0014】下層塗膜に含有される非磁性粉末の表面が
酸性であると、下層塗膜や上層塗膜に添加した潤滑剤が
当該非磁性粉末に吸着するのが抑えられ、上層塗膜表面
に容易に移行し得るようになる。したがって、この潤滑
剤によって媒体表面に効果的に潤滑性が付与され、走行
性が改善される。
【0015】また、非磁性粉末の長軸長が0.2μm以
下であると、下層塗膜が平滑な表面で形成され、それに
よって上層塗膜の表面も平滑になる。その結果、磁気記
録媒体の電磁変換特性が改善される。
【0016】さらに、下層塗膜の結合剤として、所定の
官能基を有し、重合度が100〜220の塩化ビニル系
共重合体を用いると、下層塗膜用の塗料を混練する工程
で非磁性粉末が高度に分散されるとともに適正な粘度で
塗料が調製される。したがって、下層塗膜が平滑な表面
で形成され、それによって上層塗膜も平滑な表面で形成
される。また、塩化ビニル系共重合体の場合、当該重合
体の脱塩酸によって生じた塩酸による磁性層の錆が問題
になるが、ここで用いる塩化ビニル系共重合体ではエポ
キシ基が導入されることによって脱塩酸が抑えられ、磁
性層の錆の発生が防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
【0018】本発明が適用される磁気記録媒体は、図1
に示すように、非磁性支持体1上に、非磁性粉末と結合
剤を主体とする下層塗膜(下層非磁性層)2と、磁性粉
末と結合剤を主体とする上層塗膜(上層磁性層)3がこ
の順に形成されて構成される、いわゆる重層塗布型の磁
気記録媒体である。この重層塗布型の磁気記録媒体にお
いて、2層の塗膜2,3は、非磁性粉末及び結合剤を溶
剤とともに混練、分散させることで調製された非磁性塗
料を塗布して下層塗膜を形成した後、この下層塗膜上
に、磁性粉末及び結合剤を溶剤とともに混練、分散させ
ることで調製された磁性塗料を塗布することで形成され
る。
【0019】本発明では、このような磁気記録媒体にお
いて、非磁性塗膜の非磁性粉末として長軸長が0.2μ
m以下であり、かつ表面が酸性の非磁性粉末を用いると
ともに、結合剤としてスルホン酸塩基及び/又は4級ア
ンモニウム塩基と水酸基及びエポキシ基を有するととも
に平均重合度が100〜220の塩化ビニル系共重合体
を使用する。
【0020】まず、下層非磁性層に含有される非磁性粉
末の表面が酸性であると、下層非磁性層や上層磁性層に
添加した潤滑剤が当該非磁性粉末に吸着するのが抑えら
れ、上層磁性層表面に容易に移行し得るようになる。し
たがって、この潤滑剤によって媒体表面に効果的に潤滑
性が付与され、走行性が改善される。
【0021】また、非磁性粉末の長軸長が0.2μm以
下であると、下層非磁性層が平滑な表面で形成され、そ
れによって上層磁性層の表面も平滑になる。その結果、
磁気記録媒体の電磁変換特性が改善される。
【0022】ここで、非磁性粉末表面のpHは煮沸法に
よって測定される。煮沸法は、非磁性粉末サンプルに純
水を加えて懸濁させ、煮沸した後、その上澄み液のpH
を測定する方法である。このpHの測定にはガラス電極
によるpH測定器を使用する。
【0023】非磁性粉末としては、特にカーボンブラッ
ク、TiO2、α−Fe23、α−FeOOH等の無機
粉末が好ましく、なかでもα−Fe23が最も好まし
い。これら非磁性粉末はそれ自身酸性である場合にはそ
のまま使用して差し支えないが、酸性でないものは表面
処理を施すことによってpHを調整しても良い。pHの
調整方法としては、例えば粉末表面に元素を被着させる
方法や洗浄の際の条件を調整する方法が挙げられる。こ
のうち粉末表面に元素を被着させる方法の場合、例えば
Alの被着はpHをアルカリ側に変化させ、Siの被着
はpHを酸性側に変化させる。したがって、これら被着
量をコントロールすることによって、非磁性粉末表面
を、酸性側の所望のpH値に調整することができる。
【0024】この非磁性粉末の形状は、針状であるのが
望ましい。針状の非磁性粉末を用いることで、下層非磁
性層表面の平滑性が向上し、その結果、この上に積層さ
れる上層磁性層の表面も平滑になる。さらに上層磁性層
表面を平滑にする点からは、非磁性粉末の軸比(長軸径
/短軸径)は、2〜20、好ましくは5〜15、さらに
好ましくは5〜10が適当である。比表面積は10〜2
50m2/g、好ましくは20〜150m2/gであり、
さらに好ましくは30〜100m2/gであるのが良
い。
【0025】非磁性粉末の下層非磁性層への混合量は、
当該非磁性層を構成する全成分の合計量に対して、50
〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、さらに好
ましくは70〜95重量%とするのが適当である。非磁
性粉末の混合量をこの範囲とすることで、下層非磁性層
ひいては上層磁性層の表面性が良好なものになる。
【0026】一方、この下層非磁性層の結合剤として用
いられる塩化ビニル系共重合体において、スルホン酸塩
基、4級アンモニウム塩基は非磁性粉末の分散性を改善
するために導入される。
【0027】このうちスルホン酸塩基、4級アンモニウ
ム塩基の含有量は0.3〜3.0重量%であるのが望ま
しい。これら官能基の含有量が0.3重量%未満である
と非磁性粉末の分散性が低くなり、下層非磁性層表面、
さらには上層磁性層表面が粗れてしまい、電磁変換特性
が劣化する。また、この含有量が3.0重量%を越える
と塩化ビニル系共重合体の溶剤への溶解性が不良とな
り、塗料の塗布が良好に行われなくなる。
【0028】なお、このうち4級アンモニウム塩基は、
当該重合体の水酸基と硬化剤として添加されるイソシア
ネートとの反応の触媒としても作用する。この作用も、
4級アンモニウム塩基の含有量が0.3重量%以上であ
る場合に十分に発揮される。
【0029】水酸基は、硬化剤であるイソシアネートと
反応して架橋構造を形成するために導入される。この水
酸基の含有量は0.1〜1.5重量%であるのが望まし
い。水酸基の含有量が0.1重量%未満であると架橋性
が低くなり、テープ全体の強度が不足する。また、水酸
基の含有量が1.5重量%を越える場合には、下層用非
磁性塗料の粘度が高くなり、塗布性が不良になる。
【0030】エポキシ基は、塩化ビニル系共重合体の脱
塩酸を抑え、塩化ビニル系共重合体由来の塩酸によって
磁性塗膜に錆が発生されるのを防止するために導入され
る。このエポキシ基の含有量は1.0〜10.0重量%
であるのが望ましい。エポキシ基の含有量が1.0重量
%未満であると、塩化ビニル系共重合体の脱塩酸が十分
に抑えられず、磁性層に錆が発生する恐れがある。ま
た、エポキシ基の含有量が10.0重量%を越える場合
には、下層用非磁性塗料の粘度が高くなり、塗布性が不
良になる。
【0031】さらに、上記塩化ビニル系共重合体では、
平均重合度が100〜220と比較的小さく規制され
る。長軸長が0.2μm以下の非磁性粉末を分散させる
には、このように塩化ビニル系共重合体の平均重合度が
小さくなされていることが重要である。重合体の平均重
合度が220を越えて大きくなると、非磁性粉末に対す
る濡れ性が悪くなり、非磁性粉末を十分に分散させるこ
とができない。また、塗料粘度も高くなることから塗布
性が損なわれる。但し、平均重合度が100より低くな
ると、硬化剤を併用したとしても十分な強度が得られ
ず、耐久性が不足する。
【0032】なお、この非磁性層には結合剤に架橋構造
を形成するための硬化剤を添加することも可能である
が、この硬化剤としてはポリイソシアネート等が使用さ
れる。ポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジ
イソシアネート(TDI)と活性水素化合物との付加体
等の芳香族ポリイソシアネートや、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HMDI)と活性水素化合物との付加体
等の脂肪族ポリイソシアネート等がある。これらポリイ
ソシアネートの重量平均分子量は、100〜3,000
の範囲であることが望ましい。
【0033】また、下層非磁性層には、潤滑剤、帯電防
止剤及び導電性微粉末等の添加剤を添加しても良い。
【0034】潤滑剤としては、脂肪酸や脂肪酸エステル
等が単独あるいは混合して使用される。脂肪酸は、一塩
基酸であっても二塩基酸であってもよく、炭素数は6〜
30が好ましく、12〜22であるのがより好ましい。
【0035】これらの脂肪酸や脂肪酸エステルの添加量
は、非磁性粉末に対して0.2〜10重量%であるのが
好ましく、さらには0.5〜5重量%であるのが好まし
い。脂肪酸の添加量が0.2重量%未満である場合に
は、添加による走行性改善効果が十分に得られず、ま
た、10重量%を越えると、脂肪酸が磁性層の表面にし
み出したり、出力低下を生じ易くなる。一方、脂肪酸エ
ステルの添加量が0.2重量%未満であると、特にスチ
ル耐久性が不足する。また、10重量%を越えると、脂
肪酸エステルが磁性層の表面にしみ出したり、出力低下
を生じ易くなる。なお、脂肪酸と脂肪酸エステルとを併
用する場合、脂肪酸と脂肪酸エステルの比率は重量比で
10:90〜90:10が好ましい。
【0036】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステルととも
に、公知の潤滑剤を併用しても良い。併用する潤滑剤と
しては、シリコーンオイル、フッ化カーボン、脂肪酸ア
ミド、オレフィンオキサイド等が挙げられる。
【0037】帯電防止剤としては、第四級アミン等のカ
チオン界面活性剤、スルホン酸,硫酸,リン酸,リン酸
エステル,カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性
剤、アミノスルホン酸等の両性界面活性剤、サポニン等
の天然界面活性剤などが挙げられる。これらの帯電防止
剤の添加量は、結合剤に対して0.01〜40重量%の
範囲とするのが良い。
【0038】この他、導電性微粉末を帯電防止剤として
添加しても良い。導電性微粉末としては、例えばカーボ
ンブラック、グラファイト、酸化錫、銀粉、酸化銀、硝
酸銀、銀の有機化合物、銅粉等の金属粒子や、酸化亜
鉛、硫酸バリウム、酸化チタン等の金属酸化物等の顔料
を、酸化錫皮膜又はアンチモン固溶酸化錫皮膜等の導電
性物質でコーティング処理したものが挙げられる。これ
ら導電性微粉末の平均粒子径としては、5〜700n
m、好ましくは5〜200nmであるのが良い。また、
これら導電性微粉末の添加量は、磁性粉末100重量部
に対して1〜20重量部、好ましくは2〜7重量部が適
当である。
【0039】以上のような材料よりなる下層塗膜は、非
磁性粉末と上記塩化ビニル系共重合体及び各種添加剤を
溶剤とともに混練した後、溶剤や必要に応じて結合剤を
追加し、分散させることで下層塗料を調製し、この下層
塗料を非磁性支持体上に塗布することで形成される。
【0040】まず、塗料の混練工程において、溶剤とし
ては、この種の磁気記録媒体で通常用いられているもの
が用いられる。例えば、アセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等のケ
トン類、メタノール,エタノール,プロパノール,ブタ
ノール等のアルコール類、酢酸メチル,酢酸エチル,酢
酸ブチル,乳酸エチル,エチレングリコールセノアセテ
ート等のエステル類、グリコールジメチルエーテル,グ
リコールモノエチルエーテル,ジオキサン,テトラヒド
ロフラン等のエーテル類、ベンゼン,トルエン,キシレ
ン等の芳香族炭化水素、メチレンクロライド,エチレン
クロライド,四塩化炭素,クロロホルム,ジクロルベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。この溶剤
は、単独で用いても2種類以上を混合して用いても構わ
ない。
【0041】また、この混練工程では非磁性粉末を良好
に分散させるため分散剤を添加しても良い。分散剤とし
ては、炭素数12〜18の脂肪酸、これらのアルカリ金
属の塩またはアルカリ土類金属の塩あるいはこれらのア
ミド、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステ
ル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四
アンモニウム塩、カルボキシル基およびスルホン酸基を
有するアゾ系化合物などを挙げることができる。これら
の分散剤は、非磁性粉末に対して0.5〜5重量%の範
囲で用いるのが適当である。
【0042】混練に用いる混練機としては、例えば二本
ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミ
ル、コボルミル、トロンミル、サンドミル、サンドグラ
インダー、Sqegvariアトライター、高速インペ
ラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディ
スパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散
機、オープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダーな
どが挙げられる。
【0043】特に、0.05〜0.5kW(粉末1kg
当たり)の消費電力負荷が提供できることから、加圧ニ
ーダ、オープンニーダ、連続ニーダ、二本ロールミル、
三本ロールミルが適当であり、連続二軸混練機、多段階
で希釈が可能な連続二軸混練機がさらに好適である。
【0044】このようにして非磁性粉末、結合剤及び溶
剤を混練した後、さらに結合剤や溶剤を追加して希釈分
散を行う。
【0045】追加する結合剤は、混練工程で混合した塩
化ビニル系共重合体であってもよく、この他の結合剤で
あっても差し支えない。この他の結合剤としては、例え
ばポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、フェノール系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレ
ート、アクリル系樹脂、電子線硬化型樹脂等の有機高分
子化合物がいずれも使用可能である。
【0046】また、溶剤は、混練工程で用いる溶剤とし
て例示したものがいずれも使用可能である。
【0047】一方、上層塗膜は、強磁性粉末と結合剤を
主体として構成される。
【0048】強磁性粉末としては、γ−Fe23、Co
含有γ−Fe23、Co被着γ−Fe23、CrO2、ま
たマグネタイトに代表されるフェライト類、すなわちF
34、Co含有Fe34、Co被着Fe34等が挙げ
られる。
【0049】これらフェライトのうち、板状であって板
面に対して垂直方向に磁化容易軸を有するものが強磁性
粉末として好適である。そのような磁化容易軸を有する
フェライトとしては六方晶系フェライトが挙げられる。
【0050】六方晶系フェライトには、バリウムフェラ
イト、ストロンチウムフェライト等があり、鉄元素の一
部が他の元素(たとえば、Ti、Co、Zn、In、M
n、Ge、Nbなど)で置換されていても良い。なお、
六方晶系フェライトのなかでも、とりわけバリウムフェ
ライトが好ましく、さらにはFeの一部が少なくともC
o及びZnで置換されたバリウムフェライトであって平
均粒径(六方晶系フェライトの板面の対角線の長さ)が
300〜900オングストローム、板状比(六方晶系フ
ェライトの板面の対角線の長さを板厚で除した値)が
2.0〜10.0、保磁力が450〜1500Oeのも
のが好ましい。
【0051】また、強磁性粉末としては、金属磁性粉末
を用いるようにしても良い。
【0052】金属磁性粉末としては、Fe、Co等の金
属粉末の他、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe
−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−C
a系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni
−Co系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe−N
i−Si−Al−Zn系、Fe−Al−Si系、Fe−
Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−Ni−Si
系、Fe−Mn−Zn系、Fe−Co−Ni−P系、N
i−Co系等、Fe、Ni、Co等を主成分とする合金
粉末が挙げられる。
【0053】このうちFe系の磁性粉末は電気的特性に
優れている。また、耐蝕性および分散性の点では、Fe
−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−Ni系、
Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Ni
−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al−Mn
系等のFe−Al系の合金粉末が好ましい。
【0054】これら金属磁性粉末の形状は、平均長軸長
が0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.4μm、
さらに好ましくは0.01〜0.3μmであり、且つ軸
比(平均長軸長/平均短軸長)が12以下、好ましくは
10以下のものがよい。
【0055】このように強磁性粉末には、酸化物磁性粉
末や金属磁性粉末が使用できるが、いずれにおいても飽
和磁化量(σs)が70emu/g以上であることが好
ましい。飽和磁化量が70emu/g未満であると、十
分な電磁変換特性が得られないことがある。また、高密
度記録領域での記録再生を可能にする点から、BET法
による比表面積が45 m2/g以上であることが好まし
い。
【0056】次に、結合剤としては、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系共重合体等の塩化
ビニル系樹脂等が代表的である。なお、上層磁性層に
も、スルホン酸塩基及び/又は4級アンモニウム塩基と
水酸基及びエポキシ基を有するとともに平均重合度が1
00〜220の塩化ビニル系共重合体を用いるようにし
ても良い。これにより、上層磁性層においても、粉末成
分が良好に分散するようになり、また高い塗膜強度が得
られる。
【0057】ここで他の樹脂を用いる場合、これらの樹
脂には−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO
(OM’)2(但し、Mは水素原子またはNa、K、L
i等のアルカリ金属を表わし、M’は水素原子またはN
a、K、Li等のアルカリ原子、アルキル基を表わす)
及びスルホベタイン基から選ばれる少なくともー種の極
性基を有する繰返し単位を含有していることが好まし
い。これら極性基は、強磁性粉末の分散性を向上させる
作用があり、含有率は0.1〜8.0モル%、さらには
0.2〜6.0モル%であるのが好ましい。極性基の含
有率が0.1モル%未満であると、磁性粉末の分散性が
低下する。逆に含有率が8.0モル%が超えていると、
磁性塗料がゲル化し易くなる。また、樹脂の重量平均分
子量は、15,000〜50,000の範囲であるのが
好ましい。
【0058】なお、極性基を含有する塩化ビニル系共重
合体は、例えば塩化ビニルービニルアルコール共重合体
等の水酸基を有する共重合体と、極性基及び塩素原子を
有する化合物との付加反応により合成することができ
る。
【0059】また、ポリエステルは、ポリオールと多塩
基酸との反応により合成される。なお、他の極性基を導
入したポリエステルも公知の方法で合成することが可能
である。
【0060】ポリウレタンは、ポリオールとポリイソシ
アネートとの反応により合成される。このポリオールと
しては、ポリオールと多塩基酸との反応によって得られ
るポリエステルポリオールが一般に使用される。なお、
極性基を有するポリエステルポリオールを原料として用
いれば、極性基を有するポリウレタンを合成することが
できる。
【0061】これらの樹脂は、一種類単独であってもよ
く、二種類以上を組み合わせて用いても良い。例えば、
ポリウレタン及び/又はポリエステルと、塩化ビニル系
樹脂とを混合して用いる場合、その重量比は90:10
〜10:90、好ましくは70:30〜30:70の範
囲であるのが良い。
【0062】さらに、下記の樹脂を全結合剤の50重量
%以下の使用量で併用するようにしても良い。
【0063】併用する樹脂としては、重量平均分子量が
10,000〜200,000の塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニル
ブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース
等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルム
アミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0064】これら結合剤の上層磁性層への混合量は、
強磁性金属粉末100重量部に対して8〜25重量部が
適当であり、10〜20重量部であるのが好ましい。
【0065】また、上層塗膜には、媒体の走行耐久性等
を改善する目的で、通常、この種の磁気記録媒体で用い
られる研磨剤、潤滑剤、耐久性向上剤、分散剤、帯電防
止剤及び導電性微粉末等の添加剤を添加しても良い。
【0066】研磨剤としては、α−アルミナ、溶融アル
ミナ、酸化クロム、酸化チタン、α−酸化鉄、酸化ケイ
素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭化モリブデン、
炭化ホウ素、コランダム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸
化マグネシウム、窒化ホウ素などが挙げられる。この研
磨剤の平均粒子径は、0.05μm〜0.6μm、好ま
しくは0.05μm〜0.5μm、さらに好ましくは
0.05μm〜0.3μmであるのが良い。また、この
研磨剤の添加量は、磁性粉末100重量部に対して3〜
20重量部、好ましくは5〜15重量部、さらに好まし
くは5〜10重量部とするのが適当である。
【0067】潤滑剤、分散剤、帯電防止剤としては、下
層用非磁性塗料で例示したものがいずれも使用可能であ
る。このとき上層下層にそれぞれ添加する各添加剤の種
類や量は異なっていても同一であっても良い。
【0068】以上のような材料よりなる上層塗膜は、磁
性粉末と結合剤及び各種添加剤を溶剤とともに混練した
後、溶剤及び必要に応じて結合剤を追加し、分散させる
ことで上層塗料を調製し、この上層塗料を下層塗膜上に
塗布することで形成される。
【0069】この塗料の混練、分散工程で用いる溶剤や
混練機等としては、下層塗料の調製工程の説明で例示し
たものがいずれも使用可能である。
【0070】また、塗料が塗布される非磁性支持体とし
ては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリ
プロピレン等のポリオレフイン類、セルローストリアセ
テート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導
体、ポリアミド、アラミド(芳香族ポリアミド)樹脂、
ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げられる。こ
れら非磁性支持体は、単層構造であっても多層構造であ
ってもよい。また、例えば、コロナ放電処理等の表面処
理が施されていてもよい。
【0071】非磁性支持体の厚みは、特に制限されない
が、例えば、媒体がフィルム状やシート状の場合には、
2〜100μm、好ましくは3〜50μmとするのが適
当である。また、ディスク状やカード状の場合は、30
μm〜10mm程度、ドラム状の場合にはレコーダ等の
設計に応じて適宜に選択される。
【0072】次に下層塗料、上層塗料の具体的な塗布方
法について説明する。
【0073】上層磁性層、下層非磁性層を形成するに
は、例えば図2に示すような塗膜形成システムが用いら
れる。
【0074】すなわち、この塗膜形成システムは、塗膜
が形成される非磁性支持体11が供給ロール13から巻
取りロール12に向かって搬送されるようになされてお
り、この搬送方向に沿って塗布装置14、配向用磁石1
5、乾燥機16、カレンダー装置17がこの順に配置さ
れている。
【0075】このような塗膜形成システムでは、先ず塗
布装置14によって上層用磁性塗料及び下層用非磁性塗
料が非磁性支持体11上に重層塗布される。
【0076】この塗布装置14は、図3に示すように、
下層用塗料を塗布するための下層用押し出しコーター1
8と、上層用塗料を塗布するための上層用押し出しコー
ター19が、上層用押し出しコーター19が非磁性支持
体11の送り出し側、下層用押し出しコーター18が非
磁性支持体11の導入側となるように配置されて構成さ
れている。
【0077】これら下層用押し出しコーター18と上層
用押し出しコーター19には、その先端部に塗料が押し
出されるスリット部20,22が形成され、このスリッ
ト部20,22の背面側に塗料が供給される塗料溜まり
21,23が設けられている。このような押し出しコー
ター18,19では、塗料溜まり21,23に供給され
た塗料が、スリット部20,22を介してコーター先端
部に押し出される。
【0078】一方、塗料が塗布される支持体11は、こ
の下層用押し出しコーター18及び上層用押し出しコー
ター10の先端面に沿って、下層用押し出しコーター1
8から上層用押し出しコーター19に向かって図中矢印
D方向に搬送される。
【0079】このようにして搬送される非磁性支持体1
1には、まず下層用押し出しコーター18を通過する際
に、この下層用押し出しコーター18のスリット部20
から押し出された下層用塗料が表面に塗布され下層塗膜
24が形成される。そして、上層用押し出しコーター1
9を通過する際に、この上層用押し出しコーター19の
スリット部22から押し出された上層用塗料が湿潤状態
の下層塗膜24上に塗布され、2層の塗膜24,25が
逐次形成される。
【0080】なお、これら押し出しコーター18,19
への塗料の供給はインラインミキサーを介して行うよう
にしても良い。
【0081】以上のようにして形成された下層塗膜24
と上層塗膜25は、配向用磁石15、乾燥器16、カレ
ンダー装置17に順次搬送される。
【0082】配向用磁石15では、上層塗膜が磁場配向
処理される。なお配向用磁石15としては、長手配向用
磁石あるいは垂直配向用磁石が上層塗膜に含有される磁
性粉末の種類に応じて適宜選択される。これら配向用磁
石の磁場は、20〜10,000ガウス程度であるのが
望ましい。
【0083】乾燥器16では、当該乾燥器16内の上下
に配されたノズルからの熱風によって、下層塗膜、上層
塗膜が乾燥される。このとき乾燥条件は、温度が約30
〜120℃、乾燥時間が約0.1〜10分間程度とする
のが良い。
【0084】そして、乾燥器16を通過した下層塗膜と
上層塗膜は、さらにカレンダー装置17に導かれ、表面
平滑処理される。このカレンダー装置17による表面平
滑処理条件では、温度、線圧力及び搬送スピード等が重
要となる。すなわち、温度は50〜140℃、線圧力は
50〜1000kg/cm2、搬送スピードは20〜1
000m/分であるのが好ましい。これらの条件を満足
しない場合には、上層の表面性が損なわれる虞れがあ
る。
【0085】なお、この塗布システムでは、下層用塗
料、上層用塗料が分離された別々のコーターで塗布され
るが、図4に示すように、下層用押し出しコーターと上
層用押し出しコーターが一体化した形の押し出しコータ
ー26を用いるようにしても良い。
【0086】さらに押し出しコーターの他、リバースロ
ール、グラビアロール、エアドクターコーター、ブレー
ドコーター、エアナイフコーター、スクィズコーター、
含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコー
ター、キャストコーター、スプレイコーター等を用いる
ようにしても良い。このとき下層用塗料と上層用塗料の
塗布方式は同じであっても異なっていても良い。したが
って、例えばリバースロールと押し出しコーターとを組
合せたり、グラビアロールと押し出しコーターとを組合
わせて上層用塗料、下層用塗料を塗布することも可能で
ある。
【0087】また、以上の構成では、下層用非磁性塗料
と上層用磁性塗料が、互いにある程度離れたスリットを
介して逐次的に塗布されるが、2つのスリットが近接し
て形成された押し出しコーターを用い、この押し出しコ
ーターによって下層用塗料、上層用塗料を同時に塗布す
るようにしても良い。
【0088】すなわち、図5に示すように、同時重層塗
布方式で用いる押し出しコーター27は、先端部に塗料
が押し出される2つのスリット部(下層用スリット部2
8,上層用スリット部30)が近接して形成され、この
2つのスリット部28,30の背面側にそれぞれ下層用
塗料、上層用塗料が供給される下層用塗料溜まり29,
上層用塗料溜まり31が設けられている。この押し出し
コーター27では、この塗料溜まり29,31に供給さ
れた下層用塗料、上層用塗料がスリット28,30を介
して当該コーター先端部に押し出される。一方、塗料が
塗布される支持体11は、上記押し出しコーターの先端
面に沿って下層用スリット部28から上層用スリット部
30に向かって図中D方向に搬送される。
【0089】このようにして搬送される非磁性支持体1
1には、下層用スリット部28及び上層用スリット部3
0を通過する際に、この下層用スリット部28から押し
出された下層用塗料が塗布され、この下層用塗料の上
に、上層用スリット30から押し出された上層用塗料が
塗布され、2層の塗膜24,25が同時に形成される。
【0090】このようにして下層非磁性層、上層磁性層
が形成された磁性フィルムは、この後、バーニッシュ処
理あるいはブレード処理等が必要に応じて行われ、所望
の媒体形状とされることで磁気記録媒体となる。
【0091】媒体形状は、テープ状、フィルム状、シー
ト状、カード状、ディスク状、ドラム状等、磁気記録媒
体において通常用いられている形状がいずれも採用可能
である。
【0092】このようにして製造される磁気記録媒体
は、上層の表面性が良好であることから、電磁変換特性
に優れるとともにRFエンベロープの形状も良好であ
り、またドロップアウトが抑えられる。また、下層に添
加した脂肪酸系潤滑剤が効果的に媒体表面に移行し、か
つ上層に添加した脂肪酸系潤滑剤も下層に引き込まれる
ことがないので、優れた走行耐久性が得られる。なお、
高密度記録領域における電磁変換特性を改善するには、
上層磁性層の膜厚が0.3μm以下、好ましくは0.1
〜0.3μmとされているのが望ましい。上層磁性層の
厚さが0.3μmを越えていると、電気的特性が劣化
し、例えばデジタル記録方式に適用する媒体としては不
十分になる。
【0093】また、以上が基本的な構成の磁気記録媒体
の製造工程であるが、さらに非磁性支持体上の上層下層
が設けられていない面にバックコート層を設けたり、さ
らに下層と非磁性支持体との間に下引き層を設けるよう
にしても良い。これらバックコート層、下引き層は通常
の方法に準じて形成される。
【0094】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験結果に基づいて
説明する。
【0095】磁気テープの製造 ここで、後に示す実施例及び比較例で製造した磁気テー
プの製造工程を説明する。
【0096】まず、上層用磁性塗料の各成分を下記の組
成に準じて計りとり、連続二軸混練機及びサンドミルを
用いて混練分散することで上層用磁性塗料を調製する。
【0097】 <上層用磁性塗料> 強磁性鉄微粉末 100重量部 (保磁力Hc:2200Oe、BET法による比表面積:50m2/g、長軸 長:0.1μm、針状比:3 飽和磁化量δs:145emu/g) 結合剤:スルホン酸カリウム塩含有塩化ビニル系樹脂 20重量部 α−アルミナ 5重量部 ミリスチン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 溶剤 350重量部 (メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキサノン(重量比)=1:1:1 なる組成の混合溶剤) 続いて、下層用非磁性塗料の各成分を計りとり、連続二
軸混練機に投入して混練を行う。
【0098】 <下層用非磁性塗料の組成(混練時)> α−Fe23 100重量部 結合剤:塩化ビニル系共重合体 20重量部 溶剤 26重量部 (メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキサノン(重量比)=1:1:1 なる組成の混合溶剤) なお、非磁性粉末の長軸長,表面のpH及び塩化ビニル
系共重合体に導入する官能基は各実施例あるいは比較例
毎に変えるようにした。
【0099】次に、得られた混練物をサンドミルに移
し、さらにブチルステアレート1重量部、ミリスチン酸
1重量部、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン:シク
ロヘキサノン(重量比)=1:1:1なる組成の混合溶
剤)194重量部を投入し、希釈分散を5時間行う。
【0100】このようにして調製された上層用磁性塗料
及び下層用非磁性塗料のそれぞれに、ポリイソシアネー
ト化合物5重量部を添加した後、この上層用磁性塗料、
下層用非磁性塗料を、ウェット・オン・ウェット塗布方
式によって、厚さ7.5μmのポリエチレンテレフタレ
ート支持体上に重層塗布し、塗膜が未乾燥状態である間
に磁場配向処理を行い、続いて乾燥、カレンダーによる
表面平滑処理を行うことで下層非磁性層、上層磁性層を
形成する。なお、膜厚構成(乾燥膜厚)は下層非磁性層
が1.5μm、上層磁性層が0.15μmとする。
【0101】さらに、上記ポリエチレンテレフタレート
支持体の、下層非磁性層及び上層磁性層を形成した側と
は反対側の面に、下記の組成を有するバックコート用塗
料を塗布、乾燥、カレンダーによる表面平滑処理を行う
ことで厚さ0.8μmのバックコート層を形成し、広幅
の原反磁気テープを作製する。
【0102】 <バックコート用塗料の組成> カーボンブラック 40重量部 (平均粒径26nm) 硫酸バリウム 10重量部 (平均粒径300nm) ニトロセルロース 25重量部 ポリウレタン樹脂 25重量部 ポリイソシアネート化合物 10重量部 溶剤 900重量部 (メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキサノン(重量比)=1:1:1 なる組成の混合溶剤) このようにして得られた原反磁気テープを、8mmのテ
ープ幅に裁断し、磁気テープを作製する。
【0103】以下の実施例,比較例ではこの工程に沿っ
て磁気テープを作製した。
【0104】混練工程で用いる結合剤の検討 非磁性塗料の結合剤として、表1に示すような官能基、
重合度を有する塩化ビニル系共重合体を用い、上述の製
造工程で磁気テープ(実施例1〜実施例6,比較例1〜
比較例10)を作成した。非磁性粉末はα−Fe2
3(BET法による比表面積:52m2/g、長軸長:
0.15μm、針状比:6)であり、表面のpHは5.
3である。
【0105】
【表1】
【0106】作製した磁気テープについて、面粗れ状
態、表面粗さRa、電磁変換特性、RFエンベロープ及
びドロップアウト個数を測定した。なお、測定方法は以
下の通りである。
【0107】面粗れ状態:テープ表面を微分干渉式顕微
鏡を用いて観察した。このとき、表面がかなり平滑な状
態であると判断された場合を○、やや荒れていると判断
された場合を△、かなり荒れていると判断された場合を
×と記録した。
【0108】表面粗さRa(nm):JIS B 06
01で規定される中心線平均粗さRaである。この表面
粗さRaはテーラーホプソン社製のタリーステップ粗さ
計を用いて測定した。測定条件は、スタイラスが2.5
×0.1μm、針圧が2mg、カット・オフ・フィルタ
ーが0.33Hz、測定スピードが2.5μm/s、基
準長が0.5mmである。なお、粗さ曲線においては、
0.01μm以上の凹凸はカットした。
【0109】電磁変換特性(RF出力):サンプルテー
プを、データ8ミリドライブ(EXABYTE社製 商
品名EXB−8505XL)上で走行させ、その際に磁
気ヘッドに生じる8.5MHzの出力成分を測定するこ
とで評価した。測定データは、比較例8のサンプルテー
プでの値を0dBとしたときの相対値として記録した。
【0110】RFエンベロープ:サンプルテープを、8
ミリデッキ(ソニー社製 商品名S−550)上で走行
させ、そのときのRFエンベロープをオシロスコープに
映し出し、エンベロープの最大値と最小値の比率を求め
ることで評価した。
【0111】ドロップアウト個数:シバソク社製 商品
名VHO1BZの測定機によって、1分間あたりに検出
される−12dB/5μsの出力低下の回数(ドロップ
アウト個数)を測定した。
【0112】これらの測定結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】表2に示すように、混練工程で、スルホン
酸塩基及び/又は4級アンモニウム塩基と水酸基及びエ
ポキシ基を有するとともに平均重合度が100〜220
の塩化ビニル系共重合体を用いた実施例1〜実施例6の
磁気テープは、いずれも良好な表面性を有し、また電磁
変換特性やRFエンベロープも良好であり、ドロップア
ウトも十分に抑えられる。
【0115】これに対して、重合度が所定範囲外の塩化
ビニル系共重合体を用いた比較例1,比較例2及び比較
例6,比較例7の磁気テープや、スルホン酸塩基あるい
は4級アンモニウム塩基、水酸基のいずれかが欠けてい
る塩化ビニル系共重合体を用いた比較例3,比較例4及
び比較例8の磁気テープは、上層磁性層の表面が荒れて
いたり、塗膜の強度が不足しており、このため電磁変換
特性が不十分であり、あるいはドロップアウトが多発す
る。また、RFエンベロープの形状も不良である。ま
た、エポキシ基を有していない塩化ビニル系共重合体を
用いた比較例5及び比較例9の磁気テープは、評価結果
は実用レベルであるものの、焼却後に塩酸の発生が認め
られた。この塩酸は塩化ビニル系共重合体に由来するも
のであり、塩化ビニル系共重合体の脱塩酸によって磁性
塗膜が腐食することが懸念される。さらに、比較例10
では、塩化ビニル系共重合体に水酸基、エポキシ基とと
もに親水性基としてカルボン酸基が導入されているが、
やはり良好な特性は得られない。
【0116】このことから、混練工程で用いる結合剤と
しては、塩化ビニル系共重合体であって、スルホン酸塩
基及び/又は4級アンモニウム塩基と水酸基及びエポキ
シ基を有するとともに、平均重合度が100〜220の
ものが好適であることがわかった。
【0117】なお、表2には、実施例4において下層非
磁性層で用いた結合剤を、下層と上層の両方に用いたサ
ンプルテープ(実施例7)の測定結果も併せて示した。
この実施例7のサンプルテープは、表2に示すように実
施例4のサンプルテープに比べて良好な特性が得られて
いる。このことから、塩化ビニル系共重合体であって、
スルホン酸塩基及び/又は4級アンモニウム塩基と水酸
基及びエポキシ基を有するとともに平均重合度が100
〜220のの塩化ビニル系共重合体を、下層非磁性層と
ともに上層磁性層にも用いると、媒体の特性がさらに改
善されることがわかった。
【0118】非磁性粉末の長軸長の検討 非磁性塗料の非磁性粉末として、長軸長が表3に示す値
のα−Fe23を用い、上述の製造工程で磁気テープを
作成した。なお、α−Fe23の表面のpHは5.3で
ある。また、結合剤には塩化ビニル系共重合体(重合
度:150,塩化ビニル:85重量%,スルホン酸塩
基:1.5重量%,水酸基:0.4重量%、エポキシ
基:2.0重量%)を使用した。
【0119】作製した磁気テープについて、面粗れ状
態、表面粗さRa、電磁変換特性、RFエンベロープ及
びドロップアウト個数を測定した。
【0120】これらの測定結果を表3に示す。
【0121】
【表3】
【0122】表3に示すように、下層用非磁性塗料に使
用する非磁性粉末として、長軸長が0.2μm以下のも
のを用いた実施例8〜実施例10の磁気テープは、良好
な表面性を有し、また電磁変換特性やRFエンベロープ
も良好であり、ドロップアウトも十分に抑えられてい
る。
【0123】これに対して、下層用非磁性塗料に使用す
る非磁性粉末として、長軸長が0.2μmより大きいも
のを用いた比較例11の磁気テープは上層磁性層の表面
が荒れており、このため電磁変換特性は不十分であり、
またドロップアウトが多発する。また、RFエンベロー
プの形状も不良である。
【0124】このことから、下層用非磁性塗料に使用す
る非磁性粉末として、長軸長が0.2μm以下のものを
用いることが特性の良好な重層塗布型の磁気記録媒体を
製造する上で有効であることがわかった。
【0125】非磁性粉末の表面pHの検討 非磁性塗料の非磁性粉末として、表面のpH、長軸長が
表4に示す値のα−Fe23を用い、上述の製造工程で
磁気テープを作成した。なお、結合剤には塩化ビニル系
共重合体(重合度:150,塩化ビニル:85重量%,
スルホン酸塩基:1.5重量%,水酸基:0.4重量
%、エポキシ基:2.0重量%)を使用した。
【0126】作製した磁気テープについて、走行耐久性
及びドロップアウト個数を測定した。なお、走行耐久性
の測定方法は以下の通りである。
【0127】走行耐久性:サンプルテープを、データ8
ミリドライブ上で1000回走行させ、その際の出力低
下を測定することで評価した。測定データは走行開始直
後のサンプルテープの出力を0dBとしたときの相対値
として記録した。
【0128】これらの測定結果を表4に示す。
【0129】
【表4】
【0130】表4に示すように下層用非磁性塗料に使用
する非磁性粉末として、表面のpHが7未満のものを用
いた実施例11〜実施例13の磁気テープは、良好な走
行耐久性を有し、またドロップアウトも十分に抑えられ
ている。
【0131】これに対して、下層用非磁性塗料に使用す
る非磁性粉末として、表面pHが7以上のものを用いた
比較例12〜比較例14の磁気テープは、走行耐久性が
不十分であり、またドロップアウトも多発する。これは
塗料中に添加した脂肪酸系潤滑剤がテープ表面に十分供
給されないためと思われる。
【0132】このことから、上層磁性層表面で良好な潤
滑性を維持し、テープの走行耐久性を改善するために
は、下層非磁性層に使用する非磁性粉末の表面のpHを
7未満とする必要があることがわかった。
【0133】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、重層塗布型の磁気記録媒体において、下層塗膜
に含有させる非磁性粉末の長軸長と表面pHを規制する
とともに、下層塗膜の結合剤としてスルホン酸塩基及び
/又は4級アンモニウム塩基と水酸基及びエポキシ基を
有し、重合度が100〜220の塩化ビニル系共重合体
を用いるので、下層塗膜、上層塗膜が平滑な表面で形成
でき、良好な電磁変換特性が得られる。また、上層塗膜
表面で長期間良好な潤滑性が得られ、優れた走行耐久性
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す要部概略断面図である。
【図2】ウェット・オン・ウェット塗布方式で下層非磁
性層、上層磁性層を形成するための塗膜形成システムを
示す模式図である。
【図3】上記塗膜形成システムの塗布装置の一例を示す
模式図である。
【図4】塗布装置の他の例を示す模式図である。
【図5】塗布装置のさらに他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 下層非磁性層、3 上層磁性層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、非磁性粉末と結合剤
    を主体とする下層塗膜と、磁性粉末及び結合剤を主体と
    する上層塗膜が形成されてなり、 上記下層塗膜の結合剤は、スルホン酸塩基及び/又は4
    級アンモニウム塩基と水酸基及びエポキシ基を有すると
    ともに平均重合度が100〜220の塩化ビニル系共重
    合体であり、 非磁性粉末は、長軸長が0.2μm以下、かつ表面が酸
    性の非磁性粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 下層塗膜に、脂肪酸が添加されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に、非磁性粉末と結合剤
    が溶剤に分散された下層用塗料を塗布して下層塗膜を形
    成した後、この下層塗膜上に、磁性粉末と結合剤が溶剤
    に分散された上層用塗料を塗布することで上層塗膜を形
    成するに際して、 上記下層用塗料を、長軸長が0.2μm以下、かつ表面
    が酸性の非磁性粉末と、スルホン酸塩基及び/又は4級
    アンモニウム塩基と水酸基及びエポキシ基を有するとと
    もに平均重合度が100〜220の塩化ビニル系共重合
    体を溶剤とともに混練した後、溶剤を添加し、希釈分散
    することで調製することを特徴とする磁気記録媒体の製
    造方法。
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