JP3513769B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3513769B2 JP22736492A JP22736492A JP3513769B2 JP 3513769 B2 JP3513769 B2 JP 3513769B2 JP 22736492 A JP22736492 A JP 22736492A JP 22736492 A JP22736492 A JP 22736492A JP 3513769 B2 JP3513769 B2 JP 3513769B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関し、特
にその磁性層塗料の物性及び塗布性に関する。 【0002】 【発明の背景】高性能磁気記録媒体(以後磁気テープで
総称する)の性能調整には磁性粉をはじめとするフィラ
ー類の微粒化、高分散のみならず磁性層の表面平滑性が
必要である。塗布液を塗布して形成する磁気テープにお
いては、塗布液の液組成、液物性は塗布安定性、塗布面
粗さを左右し、磁気テープの電磁変換特性に重大な影響
を及す。 【0003】液物性としては水系塗布液で屡々問題とな
る表面張力は有機溶媒系塗布液では制御の埓外であり、
従来粘度が主体に問題にされて来た(特開平1-237929号
等)。 【0004】更に物性については使用するフィラーと物
性助剤との吸着関係についての注意が必要で、分散剤、
潤滑剤等は表面活性の大きいメタル磁性粉を用いると表
面潤滑性が失われることが多い。 【0005】しかしながら塗布液物性によっては、重層
化に伴う磁性層表面の面粗れが避け難く、重層による広
域周波数特性を得られないばかりではなく、スペーシン
グロス、RF出力不良、走行性、耐久性の劣化、ドロッ
プアウトの増大なども引き起こす原因となっていた。 【0006】この重層化による面粗れは、単層だけで塗
布した場合にはなんら兆候の現れない粗れであり、重層
する事により、はじめて発現する種類のものであった。 【0007】これについては、乾燥条件の検討、塗料中
の溶媒の調整、粘度の検討など種々の面から対策がとら
れていたが、これといった決め手もなかった。 【0008】 【発明の目的】本発明の目的は、磁性層を有する磁気記
録媒体において、塗布性が良好で表面粗さが小さく、R
F出力、走行性が良好であり、ドロップアウトが少く、
また広域周波数での電磁変換特性の良好な磁気記録媒体
の提供にある。 【0009】 【発明の構成】前記した本発明の目的は;非磁性支持体
に磁性層塗料を塗布して形成される磁気記録媒体におい
て、前記塗料は固形分濃度が20〜40wt%であり、かつ液
温20±1℃、振動周波数0.1Hz、ストレイン0.01の測定
条件で動的弾性率(G′)が1〜100Paである磁性層
塗料を非磁性支持体に塗布されて成ることを特徴とする
磁気記録媒体によって達成される。 【0010】本発明において、固形分が20wt%未満の場
合には特性の調整が困難であり、40wt%を超えると塗布
性が損われ、表面が粗れ特に重層塗布に不都合を生ず
る。 【0011】また本発明は磁性塗布液を塗布する際に
は、塗布液の静的な粘弾性的物性と同時に被膜形成過程
における引張り、収縮による被膜のオシレーションが根
幹的に関与することに着目し、塗布液を動的粘弾性物性
から規定しようとするものである。 【0012】周知のように完全弾性体においては図1
(a)に示すように被膜に加わるストレスσとストレイ
ンγとの間には位相差(PD)がなく、また完全粘性体に
おいては図1(b)の如く90°のPDを生ずることが知ら
れている。更に粘弾性体においては図1(c)に示すよ
うに位相差は0°<PD<90°となる。 【0013】粘弾性体において被膜に与えたストレスσ
の波形とストレインγの波形に位相差δが生じた場合に
は次の関係があることが知られている。 【0014】複素弾性率 G*=σ/γ 動的弾性率 G′=G*cosδ;弾性要素 損失弾性率 G″=G*sinδ;粘性要素 尚本発明においては前記G′の測定は下記諸元の下にえ
られたものである。 【0015】装置:ストレス制御式粘度計 (キャメリ社(英国);レオメータCSL−100) 測定モード:オシレーションモード 周波数0.1Hz ストレイン0.01固定動的粘弾性測定 測定ジェオメトリ:ステンレス製;φ4cmパラレルプレ
ート ギャップ;500μm 本発明においては、塗布液のG′を前記諸元の下に1.0
〜100Paに規定するものである。 【0016】前記要件G′=1.0〜100は、バインダの種
類、分子量及び磁性粉その他のフィラーの含有量並びに
混合分散度合を調整することによって調えることができ
る。G′が1.0未満及び100を超える範囲では塗布性が甚
だ悪い。 【0017】尚粘度は500〜4000cpの範囲が好ましい。 【0018】以下に本発明の磁気記録媒体について詳述
する。 【0019】−非磁性支持体− 前記非磁性支持体を形成する材料としては、たとえばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダ
イアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリ
カーボネート等のプラスチックなどを挙げることができ
る。 【0020】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。 【0021】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜10
0μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクやカード
状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合はレコー
ダ等に応じて適宜に選択される。 【0022】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。また、この
非磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理
を施されたものであってもよい。 【0023】なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設け
られていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の
向上、帯電防止および転写防止などを目的として、バッ
クコート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性
支持体との間には、下引き層を設けることもできる。 【0024】−磁性層に用いられる磁性粉− 本発明に用いられる強磁性粉末としては、磁気記録媒体
の強磁性粉末として通常使用されているものを用いるこ
とができる。強磁性粉末の例としては、γ-Fe2O3、Co含
有γ-Fe2O3、Co被着γ-Fe2O3、CrO2等の酸化物磁性体、
マグネタイトに代表されるフェライト類、即ちFe3O4、C
o含有Fe3O4、Co被着Fe3O4等の磁性体が挙げられる。 【0025】前記フェライト中板状で板面に垂直な方向
に磁化容易軸を有するものは好適な強磁性粉末として使
用することができる。このような強磁性粉末としては、
たとえば、六方晶系フェライトを挙げることができる。 【0026】このような六方晶系フェライトは、バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライト等からなり、
鉄元素の一部が他の元素(たとえば、Ti、Co、Zn、In、
Mn、Ge、Nbなど)で置換されていても良い。このフェラ
イト磁性体については、IEEETrans.on MAG-18 16(1982)
に詳しく述べられている。 【0027】本発明において、好ましい「板状であって
板面に垂直な磁化容易軸を有する強磁性粉末」として
は、バリウムフェライト(以下、Ba-フェライトと記
す)磁性粉を挙げることができる。 【0028】本発明で用いることのできる好ましいBa-
フェライト磁性粉は、Ba-フェライト粉の、Feの一部が
少なくともCoおよびZnで置換された平均粒径(六方晶系
フェライトの板面の対角線の長さ)300〜900Å、板状比
(六方晶系フェライトの板面の対角線の長さを板厚で除
した値)2.0〜10.0、保磁力450〜1500OeのBa-フェライ
トである。 【0029】更に磁性層に用いられる強磁性金属粉末と
して、Fe、Coをはじめ、Fe-Al系、Fe-Al-Ni系、Fe-Al-Z
n系、Fe-Al-Co系、Fe-Al-Ca系、Fe-Ni系、Fe-Ni-Al系、
Fe-Ni-Co系、Fe-Ni-Si-Al-Mn系、Fe-Ni-Si-Al-Zn系、Fe
-Al-Si系、Fe-Ni-Zn系、Fe-Ni-Mn系、Fe-Ni-Si系、Fe-M
n-Zn系、Fe-Co-Ni-P系、Ni-Co系、Fe、Ni、Co等を主成
分とするメタル磁性粉等の強磁性粉が挙げられる。中で
も、Fe系金属粉が電気的特性に優れる。 【0030】他方、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe-Al系、Fe-Al-Ca系、Fe-Al-Ni系、Fe-Al-Zn系、F
e-Al-Co系、Fe-Ni-Si-Al-Zn系、Fe-Ni-Si-Al-Mn系のFe-
Al系金属粉が好ましい。 【0031】本発明に用いられる好適な強磁性金属粉末
は、透過型電子顕微鏡により観測されるその平均長軸長
が0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.4μm、更に好ましく
は0.01〜0.3μmで、かつ、軸比(平均長軸長/平均短軸
長)が12以下、好ましくは10以下のものがよい。 【0032】本発明に用いられる強磁性金属粉末の好ま
しい具体例としては、Fe-Al系強磁性金属粉末(Fe:Al
重量比=100:5、平均長軸長0.16μm,Hc:1580 Oe、
σS:120emu/g)を挙げることができる。 【0033】前述した平均長軸長及び軸比が特定の範囲
にある強磁性金属粉末及び板状であって板面に垂直な方
向に磁化容易軸を有する強磁性合金粉末のいずれにおい
ても、その強磁性金属粉末は、磁気特性である飽和磁化
量(σs)が通常、70emu/g以上であることが好まし
い。この飽和磁化量が70emu/g未満であると、電磁変
換特性が劣化することがある。 【0034】さらに本発明においては、記録の高密度化
に応じて、BET法による比表面積で45m2/g以上の強
磁性金属粉末が好ましく用いられる。 【0035】−本発明に使用されるバインダ− この発明に用いるバインダとしては、例えば、ポリウレ
タン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビ
ニル系樹脂等が代表的なものであり、これらの樹脂は-S
O3M、-OSO3M、-COOM、-PO(OM1)2および〔(-)(-)(-)N〕+
(CH2)n−SO3 -(n=1〜10)から選ばれた少なくとも一
種の極性基を有する繰返し単位を含むことが好ましい。
ただし、上記極性基において、M、M 1 は各々水素原子
あるいはNa、K、Li等のアルカリ金属を表す。 【0036】上記極性基は強磁性粉末の分散性を向上さ
せる作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0モル%、
好ましくは0.5〜6.0モル%である。この含有率が0.1モ
ル%未満であると、強磁性粉末の分散性が低下し、また
含有率が8.0モル%を超えると、磁性塗料がゲル化し易
くなる。なお、前記各樹脂の重量平均分子量は、15,000
〜50,000の範囲が好ましい。 【0037】バインダの磁性層における含有率は、強磁
性粉末100重量部に対して通常、10〜40重量部、好まし
くは15〜30重量部である。 【0038】バインダは一種単独に限らず、二種以上を
組合せて用いることができるが、この場合、ポリウレタ
ンおよび/またはポリエステルと塩化ビニル系樹脂との
比は、重量比で通常、90:10〜10:90であり、好ましく
は70:30〜30:70の範囲である。 【0039】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。 【0040】エポキシ基を導入する場合、エポキシ基を
有する繰返し単位の共重合体中における含有率は、1〜
30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましい。 【0041】エポキシ基を導入するためのモノマーとし
ては、たとえばグリシジルアクリレートが好ましい。 【0042】次に、ポリエステルについては、一般にポ
リオールと多塩基酸との反応により得られる。 【0043】この公知の方法を用いて、ポリオールと一
部に極性基を有する多塩基酸から、極性基を有するポリ
エステル(ポリオール)を合成することができる。 【0044】なお、他の極性基を導入したポリエステル
も公知の方法で合成することができる。 【0045】次に、ポリウレタンについては、ポリオー
ルとポリイソシアネートとの反応から得られる。 【0046】ポリオールとしては、一般にポリオールと
多塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオ
ールが使用されている。 【0047】したがって、極性基を有するポリエステル
ポリオールを原料として用いれば、極性基を有するポリ
ウレタンを合成することができる。 【0048】また、極性基を有するポリウレタンの他の
合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基
および塩素原子を有する化合物との付加反応も有効であ
る。 【0049】本発明においては、バインダとして下記の
樹脂を全バインダの20wt%以下の使用量で併用すること
ができる。 【0050】その樹脂としては、重量平均分子量が10,0
00〜200,000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリ
ロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セル
ロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹
脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂、各種の合
成ゴム系樹脂等が挙げられる。 【0051】−その他の成分− この発明では磁性層の品質の向上を図るため、耐久性向
上剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤および充填
剤などの添加剤をその他の成分として含有させることが
できる。 【0052】耐久性向上剤としては、ポリイソシアネー
トを挙げることができ、ポリイソシアネートとしては、
たとえばトリレンジイソシアネート(TDI)等と活性
水素化合物との付加体などの芳香族ポリイソシアネート
と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と
活性水素化合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネ
ートがある。なお、前記ポリイソシアネートの重量平均
分子量は、100〜3,000の範囲にあることが望ましい。 【0053】分散剤としては、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪酸;これ
らのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩ある
いはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドアルキ
ルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオレフ
ィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基および
スルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げることが
できる。これらの分散剤は、通常、強磁性粉に対して0.
5〜5wt%の範囲で用いられる。 【0054】潤滑剤としては、脂肪酸および/または脂
肪酸エステルを使用することができる。この場合、脂肪
酸の添加量は強磁性粉に対し0.2〜10wt%が好ましく、
0.5〜5wt%がより好ましい。添加量が0.2wt%未満であ
ると、走行性が低下し易く、また10wt%を超えると、脂
肪酸が磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易
くなる。また、脂肪酸エステルの添加量も強磁性粉に対
して0.2〜10wt%が好ましく、0.5〜5wt%がより好まし
い。その添加量が0.2wt%未満であると、スチル耐久性
が劣化し易く、また10wt%を超えると、脂肪酸エステル
が磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くな
る。脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑効果をよ
り高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステルは重量比
で10:90〜90:10が好ましい。 【0055】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、たとえばシリコーンオイル、グラファイ
ト、弗化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タングス
テン、脂肪酸アミド、α-オレフィンオキサイドなども
使用することができる。 【0056】次に、研磨剤の具体例としては、α-アル
ミナ、熔融アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、α-酸
化鉄、酸化珪素、窒化珪素、炭化タングステン、炭化モ
リブデン、炭化硼素、コランダム、酸化亜鉛、酸化セリ
ウム、酸化マグネシウム、窒化硼素などが挙げられる。
研磨剤としては、平均粒子径が0.05〜0.6μmのものが好
ましく、0.1〜0.3μmのものがより好ましい。 【0057】また本発明においては帯電防止剤を使用す
ることができる。即ちカーボンブラック、グラファイト
等の導電性粉末の他に、第四級アミン等のカチオン界面
活性剤;スルホン酸、硫酸、燐酸、燐酸エステル、カル
ボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性剤;アミノスル
ホン酸等の両性界面活性剤;サポニン等の天然界面活性
剤などを挙げることができる。上述した帯電防止剤は、
通常、バインダに対して0.01〜40wt%の範囲で添加され
る。 【0058】−磁気記録媒体の製造− この発明の磁気記録媒体には、従来周知の塗布方法を用
いることができるが磁性層の塗設を、押出しコータ方式
で下層が湿潤状態にあるときに重層する所謂ウェット・
オン・ウェット方式で塗設されることが好ましい。この
ウェット・オン・ウェット方式は、公知の重層構造型の
磁気記録媒体の製造に使用される方法を適宜に採用する
ことができる。 【0059】たとえば、一般的には強磁性粉、導電性素
材、バインダ、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等
と溶媒とを混練して高濃度磁性層塗料を調製し、次いで
これら塗料を希釈して塗料を調製した後、この塗料を非
磁性支持体の表面に塗布する。 【0060】上記溶媒としては、たとえばアセトン、メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを用
いることができる。 【0061】非磁性支持体上に、磁性層を重層塗布する
には、具体的には、図2に示すように、まず供給ロール
32から繰出したフィルム状支持体40に、エクストルージ
ョン方式の押し出しコータ41、42により、各塗料をウェ
ット・オン・ウェット方式で重層塗布した後、配向用磁
石または垂直配向用磁石33に通過し、乾燥器34に導入
し、ここで上下に配したノズルから熱風を吹き付けて乾
燥する。次に、乾燥した各塗布層付きの支持体40をカレ
ンダロール38の組合せからなるスーパカレンダ装置37に
導き、ここでカレンダ処理した後に、巻取りロール39に
巻き取る。このようにして得られた磁性フィルムを所望
幅のテープ状に裁断してたとえば8mmビデオカメラ用磁
気記録テープを製造することができる。 【0062】上記の方法において、各塗料は、図示しな
いインラインミキサを通して押し出しコータ41、42へと
供給してもよい。なお、図中、矢印Dは非磁性ベースフ
ィルムの搬送方向を示す。押し出しコータ41、42には夫
々、液溜り部43、44が設けられ、各コータからの塗料を
ウェット・オン・ウェット方式で重ねる。即ち、下層磁
性層塗料の塗布直後(未乾燥状態のとき)に磁性層塗料
を重層塗布する。 【0063】コータヘッドは、図3に示した(c)のヘ
ッドが本発明においては好ましい。 【0064】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールセ
ノアセテート等のエステル類;グリコールジメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使
用できる。これらの各種の溶媒は単独で使用することも
できるし、またそれらの二種以上を併用することもでき
る。 【0065】前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石にお
ける磁場は、20〜5,000ガウス程度であり、乾燥器によ
る乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間は約0.1〜10
分間程度である。 【0066】なお、本発明における塗布方式としては、
リバースロールと押し出しコータとの組合せ、グラビア
ロールと押し出しコータとの組合せなども使用すること
ができる。さらにはエアドクタコータ、ブレードコー
タ、エアナイフコータ、スクィズコータ、含浸コータ、
トランスファロールコータ、キスコータ、キャストコー
タ、スプレイコータ等を組合せることもできる。 【0067】このウェット・オン・ウェット方式による
重層塗布の場合には、上層の下側に位置する層が湿潤状
態になったままで上層の磁性層を塗布するので、下層の
表面(即ち、上層との境界面)が滑らかになるとともに
最上層の表面性が良好になり本発明には好都合であり、
かつ、上下層間の接着性も向上する。この結果、特に高
密度記録のために高出力、低ノイズの要求されるたとえ
ば磁気テープとしての要求性能を満たしたものとなりか
つ、高耐久性の性能が要求されることに対しても膜剥離
をなくし、膜強度が向上し、耐久性が十分となる。ま
た、ウェット・オン・ウェット重層塗布方式により、ド
ロップアウトも低減することができ、信頼性も向上す
る。 【0068】−表面の平滑化− この発明においては、次にカレンダリングにより表面平
滑化処理を行うのも良い。その後は、必要に応じてバー
ニッシュ処理またはブレード処理を行なってスリッティ
ングされる。 【0069】表面平滑化処理においては、カレンダ条件
として温度、線圧力、C/S(コーティングスピード)
等を挙げることができる。 【0070】この発明においては、通常、上記温度を50
〜120℃、上記線圧力を50〜400kg/cm、上記C/Sを20
〜600m/分に保持することが好ましい。 【0071】上記のように処理した結果の上層の層厚
は、0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下にする。 【0072】非磁性支持体上に塗布された磁性層は、磁
場配向処理しながら乾燥される。次に、カレングリング
により表面平滑化処理が行われる。その後、必要に応じ
てバーニッシュ処理或いはブレード処理を行ってスリッ
ティングされる。 【0073】なお、本発明は磁気テープをはじめ、磁気
ディスク等にも適用可能である。 【0074】 【実施例】以下、本発明を具体的な実施例につき説明す
る。 【0075】以下に示す成分、割合を表1に示すように
本発明の範囲を基準にして固形分(NV)wt%、G′値
並びに粘度、磁性粉の飽和磁化量(σ)を変更し、実施
例1〜6並びに比較例(1)〜(5)を作成し、その特
性を表1に併記した。 【0076】実施例1 強磁性金属粉末 100重量部 Fe−Al系、Fe:Al=100:5(原子数比)−全体 Fe:Al= 50:5(原子数比)−表層 長軸:0.16μm、Hc:1580Oe、σ120emu/g BET比表面積:57m2/g スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン 10重量部 スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 (日本ゼオン社製のMR−110) 10重量部 α−アルミナ 8重量部 ステアリン酸 1重量部 ブチルステアレート 1重量部 シクロヘキサノン 100重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 上記組成物をボールミルにて50時間分散し、0.5μmフィ
ルタで濾過し、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウ
レタン社製のコロネートL)5重量部を添加し、磁性塗
料を得た。この塗料を非磁性支持体上に塗布し、その
後、配向(4000ガウス)乾燥し、80℃でカレンダ処理を
行い、ビッカース硬度60の磁性層を2.5μm厚に形成し
た。この後下記組成のバックコート用塗料をボールミル
に入れ、70時間混練分散した後1μmフィルタで濾過
し、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製
のコロネートL)20重量部を添加して調製し、これを磁
性層の反対側の面に0.5μmに塗布し、更に8mm幅にスリ
ットして8mmビデオテープを作成した。 【0077】 バックコート層用塗布液組成: カーボンブラック(A) 70重量部 (平均粒子径 30nm) カーボンブラック(B) 30重量部 (平均粒子径 60nm) ニトロセルロース 30重量部 ポリウレタン系樹脂 30重量部 シクロヘキサノン 200重量部 メチルエチルケトン 200重量部 トルエン 200重量部 【0078】 【表1】 【0079】表1に明かなように固形分20〜40wt%、
G′1.0〜100の範囲において、塗布性が良好で粗さも小
さく、かつRFアウトにおいて優れた特性を示す。 【0080】これら試料の評価条件は次の通りである。 【0081】(a)表面粗さ タリステップ表面粗さ計(テイラーホブソン社製)を使
用し、以下の測定条件での中心線平均粗さを求めた。測
定長を1mm、触針速度を0.025mm/秒、カットオフを0.3
3Hzとした。 【0082】(b)RFアウト シバソク製ノイズメータ925Cを用い8mmビデオムービ
V900(ソニー製)を用いて測定した。 【0083】(c)塗布性 目視判定による。 【0084】○:良好、△:やや面荒れ、×:面荒れ 【0085】 【発明の効果】本発明の如く固形分20〜40wt%、動的弾
性率G′を1.0〜100Paに規定することによって塗布性
並びに平面性の良好な磁気記録媒体がえられる。
【図面の簡単な説明】 【図1】動的粘弾性体のストレス及びストレン位相関係
図。 【図2】押出しコータ方式塗布の説明図。 【図3】押出しコータ方式塗布に用いるヘッドの説明
図。 【符号の説明】 32 供給ロール 33 垂直配向用磁石 34 乾燥器 37 スーパカレンダ装置 38 カレンダロール 39 巻取ロール 40 支持体 41 押し出しコータ 42 押し出しコータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−366422(JP,A) 特開 平4−129027(JP,A) 特開 平3−63926(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 非磁性支持体に磁性層塗料を塗布して、
    形成される磁気記録媒体において、前記塗料は固形分の
    濃度が20〜40wt%であり、かつ液温20±1℃、振動周波
    数0.1Hz、ストレイン0.01の測定条件での動的弾性率
    (G′)が1〜100Paである磁性層塗料を非磁性支
    持体に塗布されて成ることを特徴とする磁気記録媒体。
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