JPH09245338A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH09245338A
JPH09245338A JP8052084A JP5208496A JPH09245338A JP H09245338 A JPH09245338 A JP H09245338A JP 8052084 A JP8052084 A JP 8052084A JP 5208496 A JP5208496 A JP 5208496A JP H09245338 A JPH09245338 A JP H09245338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
alumina
layer
recording medium
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8052084A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Wakana
重昭 若菜
Toshio Yamazaki
登志夫 山崎
Satoshi Nagai
智 永井
Masaru Yoshizawa
賢 吉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP8052084A priority Critical patent/JPH09245338A/ja
Publication of JPH09245338A publication Critical patent/JPH09245338A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性に優れ、且つヘッドコンタミネ
ーション及びエッジダメージを改良した磁気記録媒体を
提供すること。 【解決手段】 本発明は、非磁性支持体、中間層、磁性
層(最上層)を具備する磁気記録媒体において、該中間
層はアルミナを含有し、その粒径頻度分布曲線が粒径
0.1〜0.5μmの間で、粒径0.1μm以上0.
3μm以下の間に少なくとも1ピークが存在し、該アル
ミナ全体中の上記の粒径のアルミナの含有量が10〜
95重量%で、上記磁性層はアルミナを含有し、その粒
径頻度分布曲線が粒径0.1〜0.5μmの間で、粒
径0.1μm以上0.2μm未満及び粒径0.2μm
以上0.3μm以下の間に各々少なくとも1ピークが存
在し、該アルミナ全体中の上記の粒径のアルミナの含
有量が10〜95重量%、上記の粒径のアルミナの含
有量が10〜95重量%で、上記磁性層中のアルミナ全
体の重量>上記中間層中のアルミナ全体の重量である磁
気記録媒体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁変換特性に優
れ、且つヘッドコンタミネーション及びエッジダメージ
を改良した磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、磁気記録媒体は、テープ、ディスク、ドラム或いは
シート等の形態で汎用されている。このような磁気記録
媒体は、通常、ポリエステルフィルムのような非磁性支
持体上に、磁性粉及び結合剤を主成分とする磁性塗料を
塗布することにより製造されている。そして、特に近年
においては、磁気記録媒体に対し、その小型化と共に記
録の高密度化が要求されている。斯る要求に応えるため
に、例えば、磁性層と非磁性支持体との間に中間層とし
て他の磁性層や非磁性層を設けた多層構造の磁気記録媒
体が提案されている。
【0003】しかし、上記の磁気記録媒体は、電磁変換
特性が低く、ヘッドコンタミネーションやエッジダメー
ジが多いという問題がある。
【0004】従って、本発明の目的は、電磁変換特性に
優れ、且つヘッドコンタミネーション及びエッジダメー
ジを改良した磁気記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、非磁性支持体と中
間層と磁性層とを具備し、該中間層及び磁性層がそれぞ
れ特定の粒径頻度分布を有するアルミナを特定の重量関
係で含有する磁気記録媒体が、上記目的を達成し得るこ
とを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、非磁性支持体と、該非磁性支持体上に位置する中
間層と、該中間層上に位置する最上層としての磁性層と
を具備する磁気記録媒体において、上記中間層は、アル
ミナを含有し、該アルミナの粒径頻度分布曲線が粒径
0.1〜0.5μmの間に少なくとも1つのピークを有
し、該ピークが粒径0.1μm以上0.3μm以下の間
に存在し、該アルミナ全体に対する粒径0.1μm以上
0.3μm以下のアルミナの含有量が10〜95重量%
であり、上記磁性層は、アルミナを含有し、該アルミナ
の粒径頻度分布曲線が粒径0.1〜0.5μmの間に少
なくとも2つのピークを有し、第1のピークが粒径0.
1μm以上0.2μm未満の間に存在し、第2のピーク
が粒径0.2μm以上0.3μm以下の間に存在し、該
アルミナ全体に対する粒径0.1μm以上0.2μm未
満のアルミナの含有量が10〜95重量%であり、粒径
0.2μm以上0.3μm以下のアルミナの含有量が1
0〜95重量%であり、且つ上記磁性層中のアルミナ全
体の重量が上記中間層中のアルミナ全体の重量よりも大
きいことを特徴とする磁気記録媒体を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体につ
いて詳細に説明する。先ず、図1を参照して、本発明の
磁気記録媒体の好ましい構成を例示して説明する。
【0008】図1に示す本発明の磁気記録媒体1は、非
磁性支持体2と、該非磁性支持体2上に位置する中間層
3と、該中間層3上に位置する最上層としての磁性層4
とからなる。また、上記非磁性支持体2の裏面には、必
要に応じてバックコート層5が設けられる。
【0009】尚、本発明の磁気記録媒体には、上記非磁
性支持体、上記中間層、上記磁性層及び上記バックコー
ト層以外に、更に、非磁性支持体と中間層又はバックコ
ート層との間に設けられるプライマー層や、長波長信号
を使用するハードシステムに対応してサーボ信号等を記
録するために設けられる他の磁性層等の他の層を設けて
もよい。
【0010】本発明の磁気記録媒体において用いられる
上記非磁性支持体は、通常公知のものを特に制限される
ことなく用いることができるが、具体的には、高分子樹
脂からなる可撓性フィルムやディスク;Cu,Al,Z
n等の非磁性金属、ガラス、磁器、陶器等のセラミック
等からなるフィルム、ディスク、カード等を用いること
ができる。
【0011】上記可撓性フィルムや上記ディスクを形成
する上記高分子樹脂としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンビスフェノキシカルボキシレート等
のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン類、セルロースアセテートブチレート、
セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘
導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル
系樹脂、或いはポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリスルフォン、ポリエーテル・エーテルケト
ン、ポリウレタン等が挙げられ使用に際しては、単独若
しくは2種以上併用して用いることができる。
【0012】また、本発明の磁気記録媒体において上記
非磁性支持体の裏面に必要に応じて設けられる上記バッ
クコート層は、公知のバックコート塗料を特に制限なく
用いて形成することができる。
【0013】次に、本発明の磁気記録媒体において上記
非磁性支持体上に位置する上記中間層について説明する
と、該中間層は、磁性を有する層であっても、磁性を有
しない層であってもよい。上記中間層は、該中間層が磁
性を有しない層である場合には、磁性粉末を含有しない
非磁性の層であって、上記非磁性支持体上に非磁性の塗
料を塗布して形成され、該中間層が磁性を有する層であ
る場合には、磁性粉末を含有する磁性の層であって、上
記非磁性支持体上に磁性の塗料を塗布して形成される
(以下、上記の非磁性の塗料及び上記の磁性の塗料を総
称して「中間塗料」という)。
【0014】上記中間層の形成に用いられる上記中間塗
料は、アルミナを含有し、該アルミナの粒径頻度分布曲
線が粒径0.1〜0.5μmの間に少なくとも1つのピ
ークを有し、該ピークが粒径0.1μm以上0.3μm
以下の間に存在し、該アルミナ全体に対する粒径0.1
μm以上0.3μm以下のアルミナの含有量が10〜9
5重量%、好ましくは20〜90重量%である。
【0015】ここで、上記分布曲線が粒径0.1〜0.
5μmの間にピークを全く有さない場合、又は上記分布
曲線が粒径0.1〜0.5μmの間に少なくとも1つの
ピークを有するが、該ピークが粒径0.1μm以上0.
3μm以下の間に存在しない場合には、テープエッジが
ダメージを受けやすくなったり、表面粗さが大きくなる
ため出力が低下する。
【0016】また、上記分布曲線のピークが上記の粒径
0.1μm以上0.3μm以下の間に存在することによ
り、アルミナ全体(以下、この中間塗料中のアルミナ全
体の集合体を「アルミナa」という)に対する粒径0.
1μm以上0.3μm以下のアルミナの含有量が上記の
10〜95重量%の範囲となる。該含有量が10重量%
未満であると、エッジダメージを受けやすくなり、95
重量%を超えると、表面粗さが大きくなり出力が低下す
る。なお、この含有量は、中間層を灰化した後、無機元
素の元素定量分析法により鉄等との相対含有量を算出す
ることによって測定することができる。
【0017】また、上記アルミナaの形状は、上記の条
件を満たし得る形状であれば特に制限されないが、球状
でないことが好ましい。
【0018】上記中間塗料としては、非磁性粉末又は磁
性粉末、結合剤及び溶剤を主成分とし、研磨剤として、
上記アルミナaを含有する塗料が好ましく用いられる。
ここで、上記中間塗料が非磁性の塗料である場合には、
上記非磁性粉末が用いられ、上記中間塗料が磁性の塗料
である場合には、上記磁性粉末が用いられる。
【0019】上記中間塗料における上記アルミナaの配
合割合は、上記非磁性粉末又は磁性粉末100重量部に
対して、1〜14重量部が好ましく、4〜10重量部が
更に好ましい。
【0020】また、上記中間塗料が非磁性の塗料である
場合に用いられる上記非磁性粉末としては、非磁性であ
れば特に制限されないが、カーボンブラック、グラファ
イト、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、二硫化タングステン、二硫化モ
リブデン、窒化ホウ素、二酸化錫、二酸化珪素、非磁性
の酸化クロム、炭化珪素、酸化セリウム、コランダム、
人造ダイヤモンド、非磁性の酸化鉄、ザクロ石、ガーネ
ット、ケイ石、窒化珪素、炭化モリブデン、炭化ホウ
素、炭化タングステン、炭化チタン、ケイソウ土、ドロ
マイト、樹脂性の粉末等が挙げられ、中でも、カーボン
ブラック、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、α−酸化鉄のような非磁性の酸化鉄等が好ましく用
いられる。
【0021】上記非磁性粉末の形状は、球状、板状、針
状、無定形のいずれでもよく、また、その大きさは、球
状、板状、無定形のものにおいては、5〜200nmで
あるのが好ましく、また、針状のものにおいては、長軸
長が20〜300nmで、軸比が3〜20であるのが好
ましい。
【0022】なお、本発明においては、上記非磁性粉末
の分散性等を向上させるために、該非磁性粉末に表面処
理を施してもよい。上記表面処理は、「Characterizati
on of Powder Surfaces 」;Academic Pressに記載され
ている方法等と同様の方法により行うことができ、例え
ば上記非磁性粉末の表面を無機質酸化物で被覆する方法
が挙げられる。この際、用いることができる上記無機質
酸化物としては、Al2 3 、SiO2 、TiO2 、Z
rO 2 、SnO2 、Sb2 3 、ZnO等が挙げられ、
使用に際しては、単独若しくは2種以上混合して用いる
ことができる。上記表面処理は、上記の方法以外に、シ
ランカップリング処理、チタンカップリング処理及びア
ルミニウムカップリング処理等の有機処理により行うこ
ともできる。
【0023】また、上記中間塗料が磁性の塗料の場合に
用いられる磁性粉末としては、強磁性粉末が好ましく用
いられ、該強磁性粉末としては、酸化物軟磁性粉末、金
属軟磁性粉末等の軟磁性粉末や、硬磁性金属粉末、硬磁
性酸化物粉末、六方晶系フェライト粉末等の硬磁性粉末
のいずれも好ましく用いられ、使用に際しては単独又は
二種以上併用することができる。これらの磁性粉末に
は、必要に応じて、稀土類元素や遷移金属元素を含有さ
せることもできる。なお、本発明においては、上記磁性
粉末の分散性等を向上させるために、該磁性粉末に、上
述の非磁性粉末に施した表面処理と同様の表面処理を施
すことができる。
【0024】上記中間層を形成する中間塗料に用いられ
る上記結合剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
及び反応型樹脂等が挙げられ、使用に際しては単独又は
混合物として用いることができる。上記結合剤の具体例
としては、塩化ビニル系の樹脂、ポリエステル、ポリウ
レタン、ニトロセルロース、エポキシ樹脂等が挙げら
れ、その他にも、特開昭57−162128号公報の第
2頁右上欄19行〜第2頁右下欄19行等に記載されて
いる樹脂等が挙げられる。さらに、上記結合剤は、分散
性等向上のために極性基を含有してもよい。上記結合剤
の配合割合は、上記非磁性粉末又は磁性粉末100重量
部に対して、5〜200重量部が好ましく、5〜100
重量部が更に好ましい。
【0025】また、上記中間層を形成する中間塗料に用
いられる上記溶剤としては、ケトン系の溶剤、エステル
系の溶剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素系の溶
剤、及び塩素化炭化水素系の溶剤等が挙げられ、具体的
には、特開昭57−162128号公報の第3頁右下欄
17行〜第4頁左下欄10行等に記載されている溶剤を
用いることができる。上記溶剤の配合割合は、上記中間
塗料を調製する際の固形分濃度に応じて適宜選択される
が、上記非磁性粉末又は磁性粉末100重量部に対し
て、80〜500重量部が好ましく、100〜350重
量部が更に好ましい。
【0026】また、上記中間塗料には、分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及び硬化剤
等の通常磁気記録媒体に用いられている添加剤を、必要
に応じて添加することができる。上記添加剤としては、
具体的には、特開昭57−162128号公報の第2頁
左上欄6行〜第2頁右上欄10行及び第3頁左上欄6行
〜第3頁右上欄18行等に記載されている種々の添加剤
を挙げることができる。
【0027】上記中間層を形成する上記中間塗料を調製
するには、例えば、上記非磁性粉末又は上記磁性粉末、
上記結合剤、及び上記研磨剤等の添加剤を溶剤の一部と
共にプラネタリーミキサー等の粉体混合機に投入し、固
形分濃度を60〜95重量%として予備混合して混合物
を得、得られた混合物を連続式2軸混練用押出し装置等
の固練り機で分散・混練し、次いで、溶剤により固形分
濃度を30〜80重量%としてグレンミル等のミリング
装置により分散・混練し、潤滑剤及び溶剤を添加して固
形分濃度を20〜50重量%とした後、濾過し、更に硬
化剤や残りの溶剤を混合する方法等を挙げることができ
る。
【0028】上記非磁性支持体上に上記中間塗料を塗布
して形成される上記中間層の膜厚は、0.5〜4.0μ
mであるのが好ましく、1.0〜3.0μmであるのが
更に好ましく、1.5〜2.5μmであるのが最も好ま
しい。0.5μm未満であると、得られる磁気記録媒体
のこしの強さが弱くなる場合があり、4.0μmを超え
ると、得られる磁気記録媒体のこしが強くなり過ぎた
り、カッピングやカーリングを生じてヘッド当たりが低
下する場合がある。
【0029】次に、本発明の磁気記録媒体において上記
中間層上に位置する上記磁性層について説明すると、該
磁性層は、磁気記録媒体の最上層、即ち、磁気記録媒体
の表面に位置する層として設けられる層であり、上記中
間層上に磁性塗料を塗布することにより形成される。
【0030】上記磁性層の形成に用いられる上記磁性塗
料は、アルミナを含有し、該アルミナの粒径頻度分布曲
線が粒径0.1〜0.5μmの間に少なくとも2つのピ
ークを有し、第1のピークが粒径0.1μm以上0.2
μm未満の間に存在し、第2のピークが粒径0.2μm
以上0.3μm以下の間に存在し、該アルミナ全体に対
する粒径0.1μm以上0.2μm未満のアルミナの含
有量が10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%
であり、粒径0.2μm以上0.3μm以下のアルミナ
の含有量が10〜95重量%、好ましくは20〜90重
量%である。
【0031】ここで、上記分布曲線が粒径0.1〜0.
5μmの間にピークを全く有さないか若しくは1つ有す
る場合、又は上記分布曲線が粒径0.1〜0.5μmの
間に少なくとも2つのピークを有するが、粒径0.1μ
m以上0.2μm未満の間と粒径0.2μm以上0.3
μm以下の間との両方若しくは何れか一方に存在しない
場合には、ヘッドコンタミネーションを発生し易くな
る。
【0032】また、上記分布曲線における上記第1のピ
ークが上記の粒径0.1μm以上0.2μm未満の間に
存在し、上記第2のピークが上記の粒径0.2μm以上
0.3μm以下の間に存在することにより、アルミナ全
体(以下、この磁性塗料中のアルミナ全体の集合体を
「アルミナb」という)に対する粒径0.1μm以上
0.2μm未満のアルミナの含有量が上記の10〜95
重量%の範囲となり、粒径0.2μm以上0.3μm以
下のアルミナの含有量が上記の10〜95重量%の範囲
となる。上記粒径0.1μm以上0.2μm未満のアル
ミナの含有量が10重量%未満であると、ヘッドコンタ
ミネーションを発生し易くなり、95重量%を超える
と、表面粗さが大きくなり出力が低下する。また、上記
粒径0.2μm以上0.3μm以下のアルミナの含有量
が10重量%未満であると、エッジダメージを発生し易
くなり、95重量%を超えると、表面粗さが大きくなり
出力が低下する。なお、この含有量は、磁性層を灰化し
た後、無機元素の元素定量分析法により鉄等との相対含
有量を算出することによって測定することができる。
【0033】また、上記アルミナbの形状は、上記の条
件を満たし得る形状であれば特に制限されないが、球状
でないことが好ましい。該アルミナbの形状は、上記ア
ルミナaの形状と同一でも異なっていてもよい。
【0034】上記磁性塗料としては、磁性粉末、結合剤
及び溶剤を主成分とし、研磨剤として、上記アルミナb
を含有する塗料が好ましく用いられる。
【0035】上記磁性塗料における上記アルミナbの配
合割合は、上記磁性粉末100重量部に対して、1〜1
6重量部が好ましく、2〜14重量部が更に好ましい。
【0036】また、上述のアルミナa及びアルミナbに
ついての粒径に関する条件により、上記磁性塗料から形
成される磁性層中のアルミナb全体の重量及び上記中間
塗料から形成される中間層中のアルミナa全体の重量が
影響を受ける。本発明においては、上記磁性層中のアル
ミナb全体の重量は、上記中間層中のアルミナa全体の
重量よりも大きく、好ましくは該アルミナa100重量
部に対して、110〜300重量部である。該磁性層中
のアルミナb全体の重量が該中間層中のアルミナa全体
の重量以下であると、コンタミネーションが発生し易く
なる。
【0037】上記磁性塗料に用いられる上記磁性粉末と
しては、鉄を主体とする強磁性金属粉末又は上記六方晶
系フェライト粉末が用いられる。上記強磁性粉末として
は、金属分が70重量%以上であり、該金属分の80重
量%以上がFeである鉄を主体とした硬磁性金属粉末が
挙げられ、該硬磁性金属粉末の具体例としては、例え
ば、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni
−Al、Fe−Co−Ni、Fe−Ni−Al−Zn、
Fe−Al−Si等が挙げられる。また、該硬磁性酸化
物粉末としては、FeOx (4/3≦x≦3/2)で表
わされる酸化鉄系の強磁性粉末、該FeOx にCr、M
n、Co、Ni等の二価の金属が添加された酸化鉄粉
末、該FeOx にCo被着させてなるCo被着Fe
x 、二酸化クロム、又は該二酸化クロムにNa、K、
FeあるいはMn等の金属、P等の半導体若しくは該金
属の酸化物が添加されてなる酸化物粉末などが挙げられ
る。また、該硬磁性金属粉末及び硬磁性酸化物粉末の形
状は、針状又は紡錘状で、その長軸長が好ましくは0.
05〜0.25μm、更に好ましくは0.05〜0.2
μmであり、好ましい針状比が、3〜20、好ましいX
線粒径が、130〜250Åであるのが望ましい。
【0038】また、上記六方晶系フェライト粉末として
は、微小平板状のバリウムフェライト及びストロンチウ
ムフェライト並びにそれらのFe原子の一部がTi、C
o、Ni、Zn、V等の原子で置換された磁性粉末等が
挙げられる。また、該六方晶系フェライト粉末の形状
は、板径が0.02〜0.09μmで板状比が2〜7で
あるのが好ましい。
【0039】また、本発明においては、上記磁性粉末の
分散性等を向上させるために、該磁性粉末に、前述の中
間塗料が非磁性の塗料である場合に含有する非磁性粉末
に施した表面処理と同様の表面処理を施すことができ
る。
【0040】上記強磁性金属粉末の保磁力は、1500
〜2500Oe以上であるのが好ましく、1600〜2
400Oeであるのが更に好ましい。また、上記六方晶
系フェライト粉末の保磁力は、1500〜2500O
e、好ましくは1600〜2400Oeであるのが好ま
しい。上記強磁性金属粉末及び六方晶系フェライトの上
記保磁力が、それぞれ、上記の下限未満であると、減磁
し易いため短波長RF出力が低下する場合があり、上記
の上限を超えると、ヘッド磁界が不十分となり書き込み
能力が不足する場合がある。また、上記強磁性金属粉末
の飽和磁化は、100〜180emu/gであるのが好まし
く、110〜160emu/gであるのが更に好ましい。ま
た、上記六方晶系フェライト粉末の飽和磁化は、30〜
70emu/gであるのが好ましく、45〜70emu/gであ
るのが更に好ましい。
【0041】上記磁性塗料により形成される磁性層の保
磁力は、好ましくは1500Oe以上、更に好ましくは
1600〜2500Oeである。該磁性層の保磁力が1
500Oe未満であると、減磁し易いため短波長RF出
力が低下する場合がある。また、上記磁性層の飽和磁束
密度は、好ましくは2500〜4500ガウス、更に好
ましくは3000〜4000ガウスである。
【0042】また、上記磁性層を形成する磁性塗料に用
いられる上記結合剤及び上記溶剤は、上記中間層を形成
する上記中間塗料に用いられる上記結合剤及び上記溶剤
と同じものを用いることができる。上記結合剤の使用量
は、上記磁性粉末100重量部に対して約5〜100重
量部とするのが好ましく、5〜70重量部とするのが特
に好ましい。また、上記溶剤の使用量は、上記磁性粉末
100重量部に対して、80〜500重量部が好まし
く、100〜350重量部が更に好ましい。
【0043】また、上記磁性塗料には、分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及び硬化剤
等の通常磁気記録媒体に用いられている添加剤を、必要
に応じて添加することができる。上記添加剤としては、
上記中間層を形成する上記中間塗料に用いられる上記添
加剤と同じものを用いることができる。
【0044】上記磁性塗料を調製するには、例えば、上
記磁性粉末、上記結合剤、及び上記研磨剤等の添加剤を
溶剤の一部と共にプラネタリーミキサーやヘンシェルミ
キサー等の粉体混合機に投入し、固形分濃度を70〜9
5重量%として予備混合して混合物を得、得られた混合
物を連続式2軸混練用押出し装置等の固練り機で分散・
混練し、次いで、溶剤により固形分濃度を30〜70重
量%として竪型式サンドミル等のミリング装置により分
散・混練し、潤滑剤及び溶剤を添加して固形分濃度を2
0〜45重量%とした後、濾過し、更に硬化剤や残りの
溶剤を混合する方法等を挙げることができる。
【0045】また、上記磁性塗料から形成される磁性層
の膜厚は、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは
0.05〜0.4μmである。該磁性層の膜厚が0.3
μmを超えると、表面粗さが大きくなり、スペーシング
ロスが生じ、低波長RF出力が低下する場合がある。ま
た、上記磁性層の中心線表面粗さ(Ra)は、好ましく
は6nm以下、更に好ましくは1.0〜5.5nmであ
る。
【0046】また、本発明の磁気記録媒体における上記
中間層及び上記磁性層の残留溶剤量は、該中間層及び磁
性層の全重量に対して、好ましくは2000ppm以
下、更に好ましくは10〜500ppmである。
【0047】また、本発明の磁気記録媒体における上記
中間層及び上記磁性層は、連続式2軸混練用押出し装置
により混練して得られた中間塗料及び磁性塗料を、ウエ
ット・オン・ウエット方式により同時重層塗布すること
により形成されるのが好ましい。
【0048】本発明の磁気記録媒体は、8mmビデオテ
ープやDATテープ等の磁気テープとして好適である
が、フロッピーディスク等の他の磁気記録媒体としても
適用することができる。
【0049】次に、本発明の磁気記録媒体を製造する方
法の概略を述べる。まず、上記非磁性支持体の塗布面を
除塵処理、コロナ放電処理した後、該非磁性支持体上に
上記中間層を形成する中間塗料と上記磁性層を形成する
磁性塗料とを、中間層及び磁性層の乾燥厚みがそれぞれ
前記の厚みとなるようにウエット・オン・ウエット方式
により同時重層塗布して、中間層及び磁性層の塗膜を形
成する。即ち、上記磁性層は、上記中間層の湿潤時に塗
設・形成されているのが好ましい。ここで、同時重層塗
布する際の上記中間塗料の固形分濃度は20〜45重量
%であるのが好ましく、上記磁性塗料の固形分濃度は2
0〜45重量%であるのが好ましい。次いで、該塗膜に
対して、配向処理、配向固定化処理を行った後、乾燥処
理を行い巻き取る。この後、除塵、帯電防止処理した直
後、カレンダー処理(鏡面化処理)を行う。更に必要に
応じてバックコート層を形成する。次いで、種々の用途
に応じて所望の幅にスリットする。そして、必要に応じ
て、磁性層表面の研磨やクリーニング工程等の仕上げ工
程を施す。
【0050】上記同時重層塗布方法は、特開平5−73
883号公報の第42欄31行〜第43欄31行等に記
載されており、上記中間層を形成する上記中間塗料が乾
燥する前に上記磁性層を形成する上記磁性塗料を塗布す
る方法であって、上記中間層と上記磁性層との境界面が
滑らかになると共に上記磁性層の表面性も良好になるた
め、ドロップアウトが少なく、高密度記録に対応でき且
つ塗膜(中間層及び磁性層)の耐久性にも優れた磁気記
録媒体が得られる。
【0051】また、上記配向処理及び上記配向固定化処
理は、上記中間塗料及び上記磁性塗料が乾燥する前に行
われる。上記配向処理は、例えば、本発明の磁気記録媒
体が磁気テープの場合には、上記磁性塗料の塗布面に対
して平行方向に、磁束密度1,000〜10,000ガ
ウスの永久磁石を印加する方法や、上記中間塗料及び上
記磁性塗料が湿潤状態のうちに上記永久磁石の中を通過
させる方法等により行うことができる。上記配向固定化
処理は、例えば、本発明の磁気記録媒体が磁気テープの
場合には、上記磁性塗料の塗布面に対して平行方向に、
磁束密度1,000〜10,000ガウスのソレノイド
電磁石を印加させ、温度30〜120℃の乾燥機を使用
する方法や、上記中間塗料及び上記磁性塗料が湿潤状態
のうちに上記ソレノイド電磁石の中を通過させ、上記乾
燥機を使用する方法等により行うことができる。
【0052】上記乾燥処理は、例えば、加熱された気体
の供給により行うことができ、この際、気体の温度とそ
の供給量を制御することにより塗膜の乾燥程度を制御す
ることができ、温度30〜120℃の乾燥機を使用する
ことが好ましい。
【0053】また、上記カレンダー処理は、メタルロー
ル及びコットンロール若しくは合成樹脂ロール、メタル
ロール及びメタルロール等の2本のロールの間を通すス
ーパーカレンダー法等により行うことができる。
【0054】また、必要に応じて設けられる上記バック
コート層は、上記非磁性支持体の裏面(上記中間層及び
上記磁性層を設けていない側の面)に設けられるもので
あり、通常バックコート層の形成に用いられているバッ
クコート塗料を上記非磁性支持体上に塗布することによ
り得られるものである。
【0055】尚、本発明の磁気記録媒体の製造に際して
は、また、上記中間塗料及び磁性塗料の塗布は、通常公
知の逐次重層塗布方法により行うこともできる。
【0056】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、以下の例中、「部」は特に断
らない限り「重量部」を表す。
【0057】〔実施例1〕下記配合の塗料(中間塗料及
び磁性塗料)を用いて下記(1)〜(3)の工程を行う
ことにより、磁気記録媒体としての磁気テープを得た。
【0058】 <塗料の配合> 中間塗料の配合 ・非磁性粉末(α−酸化鉄:針状,平均長軸長0.18μm) 100部 ・研磨剤(アルミナ:下記〔表1〕参照) 16部 ・帯電防止剤(カーボンブラック:平均一次粒径20nm) 2部 ・結合剤〔「MR110」日本ゼオン(株)製(塩化ビニル系共重合体樹脂)〕 11部 〔「UR8300」東洋紡績(株)製(ウレタン系樹脂)〕 4部 ・潤滑剤(ミリスチン酸) 2部 (ブチルステアレート) 2部 ・硬化剤〔コロネートL(イソシアネート系硬化剤)〕 4部 ・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン: 300部 混合比1/1/1の混合溶剤)
【0059】 磁性塗料の配合 ・強磁性粉末(保磁力1850Oe,飽和磁化130emu/g , 100部 平均長軸長0.10μm,) ・研磨剤(アルミナ:下記〔表1〕参照) 20部 ・帯電防止剤(カーボンブラック:平均一次粒径20nm) 7部 ・結合剤〔「MR110」日本ゼオン(株)製(塩化ビニル系共重合体樹脂)〕 11部 〔「UR8300」東洋紡績(株)製(ウレタン系樹脂)〕 7部 ・潤滑剤(ミリスチン酸) 4部 (ブチルステアレート) 2部 ・硬化剤〔コロネートL(イソシアネート系硬化剤)〕 4部 ・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン: 300部 混合比1/1/1の混合溶剤)
【0060】(1)塗料調製・塗料供給工程中間塗料の調製 非磁性粉末、研磨剤、帯電防止剤及び結合剤を、溶剤に
より固形分濃度が85重量%となるように調整し、粉体
混合機(井上製作所製プラネタリーミキサー)で混合し
て混合物とした。次に、該混合物を、強力な剪断を付加
できる固練り機(栗本鉄工所製連続式2軸混練用押出し
装置)で分散した後、溶剤により固形分濃度が38重量
%となるように調整し、粒径0.8mmのチタニアビー
ズを備えたミリング装置(浅田鉄工製竪型式サンドミ
ル)で更に分散して混練物とした。次いで、該混練物
に、潤滑剤を添加した後、溶剤により固形分濃度が塗料
を塗布するために必要な濃度である35重量%となるよ
うに調整し、攪拌機で1時間攪拌した後、絶対濾過精度
1μmの濾過フィルターを用いて濾過した。その後、濾
過した混練物を予め攪拌機で攪拌しておき、そこへ硬化
剤を添加することにより、中間塗料を調製した。
【0061】磁性塗料の調製 強磁性粉末、研磨剤、帯電防止剤及び結合剤を、溶剤に
より固形分濃度が83重量%となるように調整し、粉体
混合機(三井鉱山製ヘンシェルミキサー)で混合して混
合物とした。次に、該混合物を、強力な剪断を付加でき
る固練り機(栗本鉄工所製連続式2軸混練用押出し装
置)で分散した後、溶剤により固形分濃度が35重量%
となるように調整し、粒径0.8mmのチタニアビーズ
を備えたミリング装置(浅田鉄工製竪型式サンドミル)
で更に分散して混練物とした。次いで、該混練物に、潤
滑剤を添加した後、溶剤により固形分濃度が塗料を塗布
するために必要な濃度である30重量%となるように調
整し、攪拌機で1時間攪拌した後、絶対濾過精度1μm
の濾過フィルターを用いて濾過した。その後、濾過した
混練物を予め攪拌機で攪拌しておき、そこへ硬化剤を添
加することにより、磁性塗料を調製した。
【0062】中間塗料及び磁性塗料の供給 調製された中間塗料及び磁性塗料は、塗料供給装置に貯
蔵させておき、該塗料供給装置から、高性能ギアポンプ
を用いて定量的にエクストルージョンタイプ塗布装置
(ダブルタイプ)に送液した。そして、該塗布装置から
中間塗料及び磁性塗料を送液し、塗布直前に、塗料送液
ラインに設置した絶対濾過精度1μmの濾過装置を用い
て濾過した後、塗料塗布工程に供給した。
【0063】(2)塗料塗布・カレンダー・バックコー
ト塗布工程 非磁性支持体(厚さ6μmのPETフィルム)を、速度
100m/分で送り出し、先ず該非磁性支持体の表面
(塗布面)を除塵処理し、次いでコロナ放電処理した。
そして、処理した非磁性支持体の表面上に、塗料供給装
置から送液し濾過した中間塗料と磁性塗料とを、エクス
トルージョンタイプ塗布装置を用いて、該中間塗料の乾
燥膜厚(中間層の膜厚)が1.95μm、該磁性塗料の
乾燥膜厚(磁性層の膜厚)が0.25μmとなるよう
に、ウエット・オン・ウエット方式により同時重層塗布
を行い、中間層及び磁性層の塗膜を形成した(下側が中
間層、上側が磁性層となるように形成した)。次に、塗
膜が湿潤状態のうちに、磁束密度5000ガウスの永久
磁石を用いて配向処理を行い、更に磁束密度5000ガ
ウスのソレノイド電磁石と、熱風温度が30℃に調整さ
れた塗工ライン中の乾燥機とを用いて配向固定化処理を
行った。その後、磁気記録媒体中の残留溶剤を規定の値
(対中間層及び磁性層重量;好ましくは2000ppm
以下)にするために、熱風温度が50〜80℃に調整さ
れた塗工ライン中の乾燥機で乾燥処理を行った後、巻き
取った。
【0064】次に、除塵処理及び帯電防止処理を行った
後、その表面性を規定の値(中心線表面粗さRa;好ま
しくは6nm以下)にするために、カレンダー処理(鏡
面化処理)を行った。該カレンダー処理の条件は、7段
式スーパーカレンダーを用い、線速を100m/mi
n、線厚を300kgf/cm、温度を95℃として行
なった。なお、上記除塵処理及び帯電防止処理は、上記
カレンダー処理の直前で行なった。
【0065】次に、上記中間塗料及び磁性塗料中に添加
した硬化剤の硬化反応を完了させるために、常温、常湿
(例えば、23℃、50%RH)の部屋で、24時間放
置した。その後、ドライブ中での走行安定性を確保する
ために、非磁性支持体の裏面上に、結合剤中に均一に分
散させたカーボンブラックを主成分とする下記配合のバ
ックコート塗料を乾燥膜厚(バックコート層の膜厚)が
0.5μmとなるように塗布し、30〜120℃にて乾
燥処理を行なった後、巻き取り、磁気記録媒体の原反を
得た。 バックコート塗料の配合 ・カーボンブラック(平均一次粒径;17nm) 40部 ・結合剤〔「ニッポラン2301」日本ポリウレタン工業(株)製 20部 (ポリウレタン)〕 ・ニトロセルロース(Hercules Powder Co製) 20部 ・ポリイソシアネート(武田薬品工業(株)製 4部 商品名「D−250N」)
【0066】(3)スリット・研磨・検査・組立て工程 得られた原反を、ドライブに合わせてハーフインチ(1
2.67mm)にスリットし、パンケーキとした。この
パンケーキを、必要な部品とともに組立て、全長が18
00ftのテープ長さである磁気記録媒体としての磁気
テープを得た。
【0067】上述のようにして得られた磁気テープにつ
いて、下記〔測定・評価法〕に従い、中心線平均粗さR
a及び出力を測定し、エッジダメージ及びヘッドコンタ
ミネーションを評価した。それらの結果を下記〔表1〕
に示す。
【0068】〔測定・評価法〕 ◎中心線平均粗さRa 得られた磁気テープについて、Zygo社製 表面粗さ
形状測定器「Mayim 3D5700」を使用し、F
zou 40Xレンズを用いて、通常の方法により表面
粗さを測定した。このとき、測定器における「Remo
ved」を「Cylinder」に設定した。また、サ
ンプルは、スライドガラス状にテープが湾曲しないよう
に固定した。尚、Ra(中心線平均粗さ)は、粗さ曲線
からその中心線の方向に測定長Lの部分を抜き取り、こ
の抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸と
し、粗さ曲線をy=f(x)で表した時、次の式によっ
て求られる値を〔nm〕で表したものである。
【0069】
【数1】
【0070】◎出力(記録波長1.8μm及び0.45
μm) 磁気テープをテープカセットに装填し、試験用のテープ
カセットを得た。得られた試験用テープカセットとMedi
a Logic 製、商品名「Tape Evaluator Model 4500 」と
を用いて、上記磁気テープに記録波長1.8μm及び
0.45μmの信号を記録し、これを再生した際の出力
(再生出力)を測定した。なお、リファレンス・テープ
として実施例2の磁気テープを用い、これに記録波長
1.8μmの信号を記録し、再生した際の出力を100
%とした相対値で表した。
【0071】◎ヘッドコンタミネーション及びエッジダ
メージ 磁気テープをテープカセットに充填して、固定ヘッド上
を24時間連続走行させた。その後、固定ヘッドを取り
外し、テープの磁気ヘッド上に存在するコンタミネーシ
ョンを顕微鏡で観察した。また、連続走行後のテープの
エッジダメージの度合いも顕微鏡で観察した。なお、ヘ
ッドコンタミネーション及びエッジダメージの評価は、
5段階で行い、良い方から順に5、4、3、2、1とし
た。なお、磁気テープの走行速度は100inch/s
ecとして行なった。
【0072】〔実施例2〜4及び比較例1〜3〕中間塗
料及び磁性塗料において用いた研磨剤(アルミナ)を、
下記〔表1〕に示すアルミナに代えた以外は、実施例1
と同様にして磁気テープを得、得られた磁気テープにつ
いて、実施例1と同様の評価をした。それらの結果を下
記〔表1〕に示す。
【0073】
【表1】
【0074】なお、上記各アルミナの配合量の算出は、
中間層又は磁性層を灰化した後、無機元素の元素定量分
析法により行った。
【0075】上記〔表1〕の結果から明らかなように、
本発明の磁気記録媒体(実施例1〜4)は、低域から高
域に渡ってバランスのとれた周波数特性(記録波長1.
8μm及び0.45μmにおける出力間の差が小さい)
を示し、しかも、ヘッドコンタミネーション及びエッジ
ダメージも少ないことが判る。
【0076】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、電磁変換特性
に優れ、且つヘッドコンタミネーション及びエッジダメ
ージを改良したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の磁気記録媒体の構造を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体 2 非磁性支持体 3 中間層 4 磁性層 5 バックコート層
フロントページの続き (72)発明者 吉沢 賢 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と、該非磁性支持体上に位
    置する中間層と、該中間層上に位置する最上層としての
    磁性層とを具備する磁気記録媒体において、 上記中間層は、アルミナを含有し、該アルミナの粒径頻
    度分布曲線が粒径0.1〜0.5μmの間に少なくとも
    1つのピークを有し、該ピークが粒径0.1μm以上
    0.3μm以下の間に存在し、該アルミナ全体に対する
    粒径0.1μm以上0.3μm以下のアルミナの含有量
    が10〜95重量%であり、 上記磁性層は、アルミナを含有し、該アルミナの粒径頻
    度分布曲線が粒径0.1〜0.5μmの間に少なくとも
    2つのピークを有し、第1のピークが粒径0.1μm以
    上0.2μm未満の間に存在し、第2のピークが粒径
    0.2μm以上0.3μm以下の間に存在し、該アルミ
    ナ全体に対する粒径0.1μm以上0.2μm未満のア
    ルミナの含有量が10〜95重量%であり、粒径0.2
    μm以上0.3μm以下のアルミナの含有量が10〜9
    5重量%であり、且つ上記磁性層中のアルミナ全体の重
    量が上記中間層中のアルミナ全体の重量よりも大きいこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記磁性層の膜厚が、0.3μm以下で
    ある請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記磁性層の保磁力が、1500Oe以
    上である請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記中間層及び上記磁性層が、連続式2
    軸混練用押出し装置により混練して得られた中間塗料及
    び磁性塗料を、ウエット・オン・ウエット方式により同
    時重層塗布することにより形成される請求項1〜3の何
    れかに記載の磁気記録媒体。
JP8052084A 1996-03-08 1996-03-08 磁気記録媒体 Pending JPH09245338A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8052084A JPH09245338A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8052084A JPH09245338A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09245338A true JPH09245338A (ja) 1997-09-19

Family

ID=12904972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8052084A Pending JPH09245338A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09245338A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276303A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sony Corp 磁気記録媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276303A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sony Corp 磁気記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09134522A (ja) 磁気記録媒体
JP3882180B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH09245338A (ja) 磁気記録媒体
JP2790994B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2815834B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3130436B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3975367B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3111841B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH11120540A (ja) 磁気記録媒体
JPH1027330A (ja) 磁気記録媒体
JP3012190B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH09265622A (ja) 磁気記録媒体
JPH09198650A (ja) 磁気記録媒体
JPH0845065A (ja) 磁気記録媒体
JPH0830960A (ja) 磁気記録媒体
JPH0836734A (ja) 磁気記録媒体
JPH10312530A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH0817045A (ja) 磁気記録媒体
JPH0845057A (ja) 磁気記録媒体
JPH09147350A (ja) 磁気記録媒体
JPH08180377A (ja) 磁気記録媒体
JPH11144228A (ja) 磁気記録媒体
JPH08255335A (ja) 磁気記録媒体
JPH09180172A (ja) 磁気記録媒体
JPH09219013A (ja) 磁気記録媒体