JPH0830960A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0830960A
JPH0830960A JP16701394A JP16701394A JPH0830960A JP H0830960 A JPH0830960 A JP H0830960A JP 16701394 A JP16701394 A JP 16701394A JP 16701394 A JP16701394 A JP 16701394A JP H0830960 A JPH0830960 A JP H0830960A
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彰 石川
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英比古 中山
Kazutaka Yamashita
和孝 山下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録が可能で、特に出力特性に優れた
磁気記録媒体を提供すること。 【構成】 非磁性支持体1と、少なくとも、該非磁性支
持体1上に設けられた非磁性層2と、該非磁性層2上に
設けられた磁性層3とを具備する磁気記録媒体であっ
て、上記非磁性層2及び上記磁性層3は、それぞれ粉体
を含有しており、上記磁性層3が単位体積あたりに含有
する全粉体の全表面積α1 (全粉体の全表面積/上記磁
性層3の全体積)〔m2/cm3 〕は、130<α1 <18
0であり、上記非磁性層2が単位体積あたりに含有する
全粉体の全表面積α2 (全粉体の全表面積/上記非磁性
層2の全体積)〔m2/cm3 〕は、100<α2 <160
であり、α1 /α2 は、0.8<α1 /α2 <1.3で
あることを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録が可能で、
特に、出力特性に優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体は、テープ、デ
ィスク、ドラムあるいはシート等の形態で汎用されてい
る。このような磁気記録媒体は、通常、ポリエステルフ
ィルムのような非磁性支持体上に、磁性粉及び結合剤を
主成分とする磁性塗料を塗布することにより製造されて
いる。そして、特に近年において磁気記録媒体に対しそ
の小型化と共に記録の高密度化が要求されるようにな
り、斯る要求に応えるために、例えば、保磁力や飽和磁
化を向上させる試みや磁性層の厚さを薄くする提案がな
されている。また、上記の要求に加えて、高品質の磁気
記録媒体の要求に応えるために、特に出力特性に優れた
磁気記録媒体が強く望まれている。従って、本発明の目
的は、高密度記録が可能で、特に出力特性に優れた磁気
記録媒体を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、非磁性層及び磁性層にそれぞれ含有される粉
体の表面積及びそれらの比を特定の範囲とした磁気記録
媒体が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0004】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、非磁性支持体と、少なくとも、該磁性支持体上に
設けられた非磁性層と、該非磁性層上に設けられた磁性
層とを具備する磁気記録媒体であって、上記非磁性層及
び上記磁性層は、それぞれ粉体を含有しており、上記磁
性層が単位体積あたりに含有する全粉体の全表面積α 1
(全粉体の全表面積/上記磁性層の全体積)〔m2/c
m3 〕は、130<α1 <180であり、上記非磁性層
が単位体積あたりに含有する全粉体の全表面積α2(全
粉体の全表面積/上記非磁性層の全体積)〔m2/cm3
は、100<α2 <160であり、α1 /α2 は、0.
8<α1 /α2 <1.3である、ことを特徴とする磁気
記録媒体を提供するものである。
【0005】以下、本発明の磁気記録媒体について詳細
に説明する。本発明に係る磁気記録媒体は、図1に示す
ように、非磁性支持体1と、磁性支持体1上に設けられ
た非磁性層2と、非磁性層2上に設けられた磁性層3と
を具備しており、これに必要に応じて、非磁性支持体1
の裏面にバックコート層4が設けられている。
【0006】上記非磁性支持体1は、少なくとも、マト
リックス成分又は該マトリックス成分とフィラー成分を
具備するものである。
【0007】上記マトリックス成分は、熱可塑性樹脂等
からなり、該熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレ
フタレート、ポリエチレンビスフェノキシカルボキシレ
ート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン類、セルロースアセテートブチレ
ート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロ
ース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の
ビニル系樹脂、或いはポリアミド、ポリイミド、ポリカ
ーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテル・エーテル
ケトン、ポリウレタン等が用いられる。これらの樹脂成
分は、単独、若しくは併用して使用することもできる。
【0008】また、上記フィラー成分は、上記非磁性支
持体の外表面の表面性及び走行性等を所定のものに制御
するために用いられるものであり、該フィラー成分とし
ては、非磁性層の形成に用いられる後述する非磁性粉体
と同様のものが挙げられるが、その粒径は、好ましくは
0.8μm以下、更に好ましくは0.01〜0.5μm
のものであり、その含有量(配合量)は、好ましくは5
重量%以下、更に好ましくは0.001〜2重量%であ
る。
【0009】なお、本発明においては、上記フィラー成
分の分散性等を向上させるために、該フィラー成分に表
面処理を施してもよい。上記表面処理は、「Characteri
zation of Powder Surfaces 」;Academic Pressに記載
されている方法等と同様の方法により行うことができ、
例えば上記フィラー成分の表面を無機質酸化物で被覆す
る方法が挙げられる。この際、用いることができる上記
無機質酸化物としては、Al2 3 、SiO2 、TiO
2 、ZrO2 、SnO2 、Sb2 3 、ZnO等が挙げ
られ、使用に際しては、単独若しくは2種以上混合して
用いることができる。上記表面処理は、上記の方法以外
に、シランカップリング処理、チタンカップリング処理
及びアルミナカップリング処理等の有機処理により行う
こともできる。
【0010】ここで、上記非磁性支持体全体の好ましい
厚さは、1〜300μmである。また、上記非磁性支持
体は、上層及び下層の2層以上の層構造を有し、該上層
と該下層との表面粗さがそれぞれ異なる形態としてもよ
い。
【0011】上記非磁性支持体上に設けられる上記非磁
性層は、上記非磁性支持体上に非磁性塗料を塗布して形
成される層である。上記非磁性層を形成する際に用いら
れる上記非磁性塗料は、粉体とバインダと溶剤とからな
る塗料、又は上記バインダと上記溶剤とからなる塗料が
好ましく用いられる。ここで、上記非磁性塗料に用いら
れる上記粉体の比表面積は、好ましくは1〜1000m2
/g 、更に好ましくは5〜800m2/g である。
【0012】上記非磁性塗料に用いられる粉体として
は、非磁性粉体が挙げられる。上記非磁性粉体として
は、非磁性であれば特に制限されないが、カーボンブラ
ック、グラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化
亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、二硫化タングステ
ン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、二酸化錫、二酸化
珪素、非磁性の酸化クロム、アルミナ、炭化珪素、酸化
セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、非磁性の酸
化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化珪素、炭化
モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタ
ン、ケイソウ土、ドロマイト、樹脂性の粉末等が挙げら
れ、中でも、カーボンブラック、酸化チタン、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、アルミナ、非磁性の酸化鉄等が
好ましく用いられる。また、上記非磁性粉体には、該非
磁性粉体の分散性等を向上させるために、該非磁性粉体
に上述の表面処理を施してもよい。
【0013】また、非磁性層に非磁性粉体を含有せしめ
る場合、該非磁性粉体の粒径は、好ましくは0.001
〜3μm、更に好ましくは0.005〜2μm、最も好
ましくは0.005〜1.0μmである。また、上記非
磁性粉体は、上記非磁性塗料を塗布して形成される上記
非磁性層中に、好ましくは5〜99重量%、更に好まし
くは30〜95重量%、最も好ましくは50〜95重量
%含有されるように、上記非磁性塗料中に配合するのが
望ましい。
【0014】また、上記バインダとしては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、及び反応型樹脂等が挙げられ、使用
に際しては単独又は混合物として用いることができる。
上記バインダとしては、具体的には、塩化ビニル系の樹
脂、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、その他に
も、特開昭57−162128号公報の第2頁右上欄1
9行〜第2頁右下欄19行等に記載されている樹脂等が
挙げられる。さらに、上記バインダは各種官能基、極性
基を架橋や分散性向上のために含有していてもよい。上
記バインダの使用量は、上記非磁性粉体100重量部に
対して約5〜100重量部とするのが好ましく、5〜7
0重量部とするのが特に好ましい。
【0015】上記溶剤としては、ケトン系の溶剤、エス
テル系の溶剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素系の
溶剤、及び塩素化炭化水素系の溶剤等が挙げられ、具体
的には、特開昭57−162128号公報の第3頁右下
欄17行〜第4頁左下欄10行に記載されている溶剤等
が挙げられる。
【0016】また、上記非磁性塗料には、分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及びアミン
化合物や酸無水物等の硬化剤等の通常磁気記録媒体に用
いられている添加剤を、必要に応じて添加することがで
きる。上記添加剤としては、具体的には、特開昭57−
162128号公報の第2頁左上欄6行〜第2頁右上欄
10行及び第3頁左上欄6行〜第3頁右上欄18行等に
記載されている種々の添加剤を挙げることができる。
【0017】上記非磁性塗料を調製するには、例えば、
上記非磁性粉体及び上記バインダを溶剤の一部と共にナ
ウターミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、得
られた混合物を連続式加圧ニーダー等により混練し、次
いで、それを溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用い
て分散処理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過
し、更に残りの溶剤及び硬化剤等を混合する方法を挙げ
ることができる。
【0018】上記非磁性層上に設けられる上記磁性層
は、上記非磁性層上に磁性塗料を塗布して形成される層
である。上記磁性層を形成する際に用いられる上記磁性
塗料は、粉体とバインダと溶剤とを主成分とする塗料が
好ましく用いられる。ここで、上記磁性塗料に用いられ
る上記粉体の比表面積は、好ましくは1〜1000m2
g 、更に好ましくは5〜800m2/g である。上記磁性
塗料に用いられる粉体としては、磁性粉体及びその他の
粉体が挙げられる。上記磁性粉体としては、強磁性酸化
鉄、強磁性二酸化クロム、及び強磁性金属粉末等が挙げ
られる。
【0019】上記強磁性酸化鉄は、FeOx (1.33
≦x≦1.5)にCr、Mn、Co、Ni等の金属を添
加したものを用いることができる。また、上記強磁性二
酸化クロムは、CrO2 又は該CrO2 にNa、K、F
e、Mn等の金属若しくは該金属の酸化物、P等の非金
属元素を添加したものを用いることができる。上記強磁
性金属粉末は、金属分が70重量%以上であり、金属分
の80重量%以上が少なくとも一種の強磁性金属(例え
ば、Fe,Co,Ni等)である強磁性金属粉末が挙げ
られる。該強磁性金属粉末の具体例としては、例えば、
Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−A
l、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Ni−Al
−Zn、Fe−Al−Si等が挙げられる。
【0020】また、上記磁性粉体には、必要に応じて、
稀土類元素や遷移金属元素を含有せしめることもでき
る。また、上記磁性粉体としては、微小平板上のバリウ
ムフェライト及びそのFe原子の一部がTi、Co、Z
n、V等の原子で置換された磁性粉等も用いることがで
きる。また、上記その他の粉体としては、上記非磁性粉
体と同じものを適宜選択して用いることができる。ま
た、上記粉体は、上記磁性塗料を塗布して形成される上
記磁性層中に、好ましくは5〜99重量%、更に好まし
くは30〜95重量%、最も好ましくは50〜95重量
%含有されるように配合するのが望ましい。尚、上記磁
性粉末は、該磁性粉末の分散性等を向上させるために、
上述の表面処理を施してもよい。
【0021】磁性塗料に用いられる上記バインダ及び上
記溶剤は、上記非磁性塗料に用いられる上記バインダ及
び上記溶剤と同様のものを用いることができる。また、
上記バインダの使用量は、上記磁性粉体100重量部に
対して約5〜100重量部とするのが好ましく、5〜7
0重量部とするのが特に好ましい。また、上記磁性塗料
には、上記非磁性塗料に用いられる上記添加剤を添加す
ることもできる。
【0022】上記磁性塗料を調製するには、例えば、上
記磁性粉体及び上記バインダを溶剤の一部と共にナウタ
ーミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、得られ
た混合物を連続式加圧ニーダー等により混練し、次い
で、溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用いて分散処
理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過し、更に
ポリイソシアネート、酸無水物及びアミン化合物等の硬
化剤や残りの溶剤を混合する方法等を挙げることができ
る。本発明に係る磁気記録媒体において、上記磁性層の
乾燥厚みは、好ましくは0.05〜1.5μm、更に好
ましくは0.05〜1.2μm、最も好ましくは0.1
〜1μmであり、上記非磁性層の乾燥厚みは、好ましく
は0.5〜4μm、更に好ましくは0.5〜3.5μ
m、最も好ましくは0.5〜3μmである。
【0023】而して、本発明の磁気記録媒体において
は、上記磁性層が単位体積あたりに含有する全粉体の全
表面積α1 〔m2/cm3 〕は、130<α1 <180、好
ましくは135<α1 <180、更に好ましくは135
<α1 <175であり、上記非磁性層が単位体積あたり
に含有する全粉体の全表面積α2 〔m2/cm3 〕は、10
0<α2 <160、好ましくは105<α2 <160、
更に好ましくは105<α2 <155であり、α1 /α
2 は、0.8<α1 /α2 <1.3、好ましくは0.8
5<α1 /α2 <1.3、更に好ましくは0.85<α
1 /α2 <1.25である。上記α1 ,α2 及びα1
α2 が上記範囲外であると、表面性が悪化し出力が低下
する。
【0024】次に、本発明の磁気記録媒体を製造する方
法の概略を述べる。まず、上記非磁性支持体上に上記非
磁性塗料と上記磁性塗料とを非磁性層及び磁性層の乾燥
厚みがそれぞれ前記の厚みとなるようにウエット・オン
・ウエット方式により同時重層塗布を行い、非磁性層及
び磁性層の塗膜を形成する。次いで、該塗膜に対して、
磁場配向処理を行った後、乾燥処理を行い巻き取る。こ
の後、必要に応じてカレンダー処理を行った後、更に必
要に応じてバックコート層を形成する。次いで、必要に
応じて、例えば、磁気テープを得る場合には、40〜7
0℃下にて、6〜72時間エージング処理し、所望の幅
にスリットする。
【0025】上記同時重層塗布方法は、特開平5−73
883号公報の第42欄31行〜第43欄31行等に記
載されており、上記非磁性層を形成する上記非磁性塗料
が乾燥する前に上記磁性層を形成する上記磁性塗料を塗
布する方法であって、上記非磁性層と上記磁性層との境
界面が滑らかになると共に磁性層の表面性も良好になる
ため、ドロップアウトが少なく、高密度記録に対応でき
且つ塗膜(磁性層及び非磁性層)の耐久性にも優れた磁
気記録媒体が得られる。
【0026】また、上記磁場配向処理は、上記磁性塗料
が乾燥する前に行われ、例えば、本発明の磁気記録媒体
が磁気テープの場合には、上記磁性塗料の塗布面に対し
て平行方向に約500Oe以上、好ましくは約1000
〜10000Oeの磁界を印加する方法や、磁性塗料が
湿潤状態のうちに1000〜10000Oeのソレノイ
ド等の中を通過させる方法等により行うことができる。
【0027】上記乾燥処理は、例えば、30〜120℃
に加熱された気体の供給により行うことができ、この
際、気体の温度とその供給量を制御することにより塗膜
の乾燥程度を制御することができる。
【0028】また、上記カレンダー処理は、メタルロー
ル及びコットンロール若しくは合成樹脂ロール、メタル
ロール及びメタルロール等の2本のロールの間を通すス
ーパーカレンダー法等により行うことができる。また、
上記カレンダー処理の条件は、60〜140℃、100
〜500kg/cmとすることができる。
【0029】また、必要に応じて設けられる上記バック
コート層は、上記非磁性支持体の裏面(上記非磁性層及
び上記磁性層を設けていない側の面)に設けられるもの
であり、通常バックコート層の形成に用いられているバ
ックコート塗料を上記非磁性支持体上に塗布することに
より得られるものである。上記バックコート塗料は、上
記非磁性塗料において詳述した上記非磁性粉体、バイン
ダー、分散剤、潤滑剤、硬化剤及び溶剤等を適宜選択し
て混合することにより得られるものである。上記バック
コート塗料は、通常公知のバックコート塗料の製造方法
により調製することができる。
【0030】尚、本発明の磁気記録媒体の製造に際して
は、必要に応じ、磁性層表面の研磨やクリーニング工程
等の仕上げ工程を施すこともできる。また、上記非磁性
塗料及び上記磁性塗料の塗布は、通常公知の逐次重層塗
布方法により行うこともできる。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。
【0032】<実施例1>
【0033】〔磁性塗料A〜F、非磁性塗料G〜M及び
バックコート塗料の調製〕それぞれ、下記の各塗料の配
合のうち、ポリイソシアネート、脂肪酸、脂肪酸エステ
ルを除く成分を溶剤の一部と共にナウターミキサーに投
入し予備混合して混合物を得、得られた混合物を連続式
加圧ニーダーにより混練した。次いで、それぞれ、溶剤
の一部で希釈し、サンドミルにて分散処理した後、脂肪
酸および脂肪酸エステルを混合して、濾過し、更に残り
の溶剤及びポリイソシアネートを混合して、磁性塗料A
〜F、非磁性塗料G〜M及びバックコート塗料をそれぞ
れ得た。
【0034】(磁性塗料A〜Fの配合)磁性塗料A〜F
の配合は、それぞれ下記〔表1〕に示す配合とした。
【0035】
【表1】
【0036】尚、表中、メタル粉、カーボン1、カーボ
ン2、アルミナ、バインダー、潤滑剤及び溶剤は、それ
ぞれ、下記の通りである。 ・メタル粉;鉄を主体とする針状金属磁性粉(Fe:A
l:Ca:Si:Ni:Co=85:2:1:1:3:
8,保磁力1860Oe,飽和磁化137emu/g,
平均長軸長0.1μm,比表面積60m2/g) ・カーボン1;比表面積200m2/g ・カーボン2;比表面積1000m2/g ・アルミナ;平均粒径0.3μm,比表面積11m2/g ・バインダー;スルホン酸基含有塩化ビニル系樹脂(ス
ルホン酸基含有量1.5×10-4eq/g)、スルホン
酸基含有ポリウレタン(GPC数平均分子量2500
0,スルホン酸基含有量1.9×10-4eq/g)、及
びポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)
製、商品名「コロネートL」〕〔重量比10:10:
4〕 ・潤滑剤;n−ブチルステアレート及びステアリン酸
(重量比1:1) ・溶剤;メチルエチルケトン、トルエン及びシクロヘキ
サノン(重量比1:1:1)
【0037】(非磁性塗料G〜Mの配合)非磁性塗料G
〜Mの配合は、それぞれ下記〔表2〕に示す配合とし
た。
【0038】
【表2】
【0039】尚、表中、α−Fe2 3、TiO2 、カ
ーボン1、カーボン2、アルミナ、バインダー、潤滑剤
及び溶剤は、それぞれ、下記の通りである。 ・α−Fe2 3;平均長軸長0.07μm,比表面積
39m2/g ・TiO2 ;ルチル型,,平均粒径0.03μm,比表
面積41m2/g ・カーボン1;〔表1〕のカーボン1と同じ ・カーボン2;〔表2〕のカーボン2と同じ ・アルミナ;平均粒径0.3μm,比表面積11m2/g ・バインダー;スルホン酸基含有塩化ビニル系樹脂(ス
ルホン酸基含有量1.5×10-4eq/g)、スルホン
酸基含有ポリウレタン(GPC数平均分子量2500
0,スルホン酸基含有量1.9×10-4eq/g)、及
びポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)
製、商品名「コロネートL」〕〔重量比10:10:
4〕 ・潤滑剤;n−ブチルステアレート及びステアリン酸
(重量比1:1) ・溶剤;メチルエチルケトン、トルエン及びシクロヘキ
サノン(重量比1:1:1)
【0040】 (バックコート塗料の配合) カーボンブラック(平均一次粒径0.028μm) 32重量部 カーボンブラック(平均一次粒径0.062μm) 8重量部 「ニッポラン2301」〔商品名,日本ポリウレタン工業(株)製のポリウレタ ン〕 20重量部 ニトロセルロース(Hercules Powder Co.製の粘度表示 1/2秒のもの) 20重量部 ポリイソシアネート(武田薬品工業社製、商品名「D−250N」) 4重量部 銅フタロシアニン 5重量部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 120重量部 トルエン 120重量部 シクロヘキサノン 120重量部
【0041】〔磁気記録媒体の製造〕非磁性支持体(ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、膜厚10μm)の
表面上に上記非磁性塗料Gと上記磁性塗料Aとを乾燥厚
みが、それぞれ2.5μm及び0.3μmとなるよう
に、ウエット・オン・ウエット方式により同時重層塗布
を行い、非磁性層及び磁性層の塗膜を形成した。次い
で、塗膜が湿潤状態のうちに5000Oeのソレノイド
中を通過させて磁場配向処理を行い、80℃にて乾燥処
理を行った後巻き取った。次いで、85℃、350kg
/cmの条件でカレンダー処理を行い、非磁性層及び磁
性層を形成した後、上記磁性支持体の裏面上にバックコ
ート塗料を乾燥厚さが0.5μmになるよう塗布し、9
0℃にて乾燥処理を行った後、巻き取った。その後、5
0℃下にて、16時間エージング処理し、3.81mm幅
にスリットして、3.81mm幅の磁気テープを得た。得
られた磁気テープについて、下記測定方法に従って、出
力(4.7MHz)を測定した。その結果を〔表3〕に
示す。
【0042】〔測定方法〕 ◎出力(4.7MHz) 得られた3.81mm幅の磁気テープをDAT用カセット
に装填し、試験用DATテープカセットを得た。得られ
た試験用DATテープカセットをMediaLogic
製、商品名「Tape Evaluator Mode
l 4500」に装填して、上記磁気テープに4.7M
Hzの信号を記録し、これを再生した際の出力(再生出
力)を測定した。尚、4.7MHzの記録波長は0.6
7μmであった。
【0043】<実施例2及び比較例1〜5>磁性塗料及
び非磁性塗料として〔表1〕に示す磁性塗料及び表2に
示す非磁性塗料をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同
様にして得られた磁気テープを、実施例1の方法に準じ
て評価した。その結果を〔表3〕に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、高密度化が可
能で、特に出力特性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る磁気記録媒体の構成を示
す概略断面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と、少なくとも、該磁性支
    持体上に設けられた非磁性層と、該非磁性層上に設けら
    れた磁性層とを具備する磁気記録媒体であって、 上記非磁性層及び上記磁性層は、それぞれ粉体を含有し
    ており、 上記磁性層が単位体積あたりに含有する全粉体の全表面
    積α1 (全粉体の全表面積/上記磁性層の全体積)〔m2
    /cm3 〕は、130<α1 <180であり、 上記非磁性層が単位体積あたりに含有する全粉体の全表
    面積α2 (全粉体の全表面積/上記非磁性層の全体積)
    〔m2/cm3 〕は、100<α2 <160であり、 α1 /α2 は、0.8<α1 /α2 <1.3である、こ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
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