JP2006228311A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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篤 加藤
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基介 平井
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Abstract

【課題】走行安定性、耐久性に優れ、バック層から磁性層への形状転写が抑制され、電磁変換特性に優れた高密度記録型の磁気記録媒体を得る。
【解決手段】バックコート層4を構成する非磁性塗料は、少なくとも、平均粒径15nm〜30nmの第一のカーボンブラックと、平均粒径50nm〜120nmの第二のカーボンブラックと、結合剤樹脂と、イソシアネート硬化剤とを含有しているものとし、結合剤には、ガラス転移温度(Tg)が、10℃以上70℃未満であるポリウレタン樹脂が含有されており、ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度が、1.0mmol/g〜3.0mmol/gであるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、長尺形状で、いわゆる塗布型の磁気記録媒体に関するものであり、詳しくは、バックコート層の材料組成や形状設計により、走行性、及び電磁変換特性の向上を図った磁気記録媒体に関する。
近年、ハイビジョンVTRやデジタルVTRに代表される磁気記録技術の高性能化に伴い、磁気記録媒体の特性については、一層の向上が要求されている。
また、コンピュータ用のデータをバックアップするためのデータストレージテープの需要は、インターネットの普及に伴い年々増大しており、一つのカートリッジに記録されるデータ容量も、数年前の数GBレベルから、現在では数百GBとなっており、今後、TBクラスの記録容量を有するテープメディアが開発されると予想されている。
上述したような現状を踏まえ、今後、一層の高密度大容量化を目指し、記録波長の短波長化、記録層構成用の磁性粉末の微粒子化、記録トラックの幅狭化、データの転送速度の高速化(ヘッドの摺動速度の高速化)が進行するものと考えられている。
一般的に、磁気テープ等の長尺形状の磁気記録媒体においては、磁性層(記録層)形成面の反対側の主面に、カーボンブラックを主成分としたバックコート層が設けられている。
このバックコート層は、走行系の摩擦を安定化させるために有効なものとして、従来から磁気テープの構成要素として適用されている。
ところで、上述したような高容量高密度化への要求の高まりに伴い、磁気テープとヘッドとの相対速度は高速化し、特にリニア方式のデータストレージの機器においては、5m/sec以上もの高速でドライブ内を走行するものもある。
このため、バックコート層に求められる走行安定化機能についても、多数回、連続、高速走行という観点において、より厳しいものとなってきている。
また、磁気テープのような長尺形状の磁気記録媒体においては、バックコート層形成面が、ロールに巻回された状態において磁性層面と接触するようになることから、磁性層表面の形状に影響を及ぼすおそれがある。
例えば、走行系との摩擦を安定化するために、バックコート層の表面に所定の粗度を設けた場合、巻回された状態で長時間保存すると、応力緩和(クリーピング現象)により磁性層形成面の表面粗度に大きな影響を与えることになる。これにより磁性層の表面粗度が粗くなると、ヘッドとの間のスペーシングロス等の発生により電磁変換特性の劣化を招来する。
また、バックコート層表面に粗大な粒子があると、巻回により磁性層面と接触することにより、磁性層表面に凹みを生じさせたり、また、粒子が磁性層形成面に転写・付着したりし、ドロップアウトの増加の原因となるおそれがある。
また、走行耐久性の向上を図るためには、バックコート層に主成分のカーボンブラック以外にも、少量のアルミナや酸化チタン等を添加することが行われるが、この場合、特にバックコート層表面から磁性層面への形状転写が生じやすくなる。
上述したような不都合を回避するため、従来においては、バックコート層を形成する非磁性塗料の水分量をコントロールする手法が提案された(例えば、特許文献1参照。)。
また、バックコート層の結合剤に電子線硬化樹脂を適用し、ドロップアウトの低減化を図る方法についての提案もなされた(例えば、特許文献2参照。)。
特に、バックコート層の表面に存する粗大な突起は、磁性層表面に形状を転写するばかりでなく、磁性層表面に傷をつけてしまい、磁性層自体が脆くなり、ヘッドとの高速摺動に際して磁性粉末の脱落(粉落ち)が引き起こされ、更にはヘッドの目詰まり(ヘッドクロッグ)の原因にもなる。
このため、優れた電磁変換特性を実現し、かつ高い走行耐久性を維持し、粉落ちやドロップアウトの低減化を図るためには、バックコート層の材料組成や表面形状に関する検討が重要であると考えられている。
また、近年においては、磁気テープのトラック密度の向上を図る手段として、サーボトラッキング方式が採用されており、例えば、磁気記録面のデータトラックと同じトラックにサーボ信号を書込む方式(埋め込みサーボ方式)や、磁気記録面に専用のサーボトラックを設ける方法等が提案されている。
また、バックコート層に、レーザーにより一定の大きさのピット(凹部)を形成し、光学検出方式によりサーボトラックとする方法についても提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
ところで、レーザーを用いてサーボピットを形成する場合、ピットのサイズを一定にコントロールし、さらにはその光学的な濃淡の差(SN)を一定の値に正確にコントロールすることは、従来、技術的に極めて困難であった。
かかる点に鑑み、従来からピットの大きさやサイズのばらつきをコントロールする方法が必要とされていた。
特開平11−279443号公報 特開2002−133644号公報 特開平11−213384号公報
そこで、本発明においては、特にバックコート層を形成する塗料組成や表面形状に関しての検討を行い、高い走行耐久性、走行安定性を維持しつつ、磁性層面への形状転写を抑制し、かつサーボピットの形成条件を最適化し、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することとした。
本発明の磁気記録媒体は、長尺状の非磁性支持体の一主面上に、少なくとも磁性粉末と結合剤樹脂とを含有する磁性層を有し、磁性層形成面の反対側の主面上に、非磁性塗料を塗布することにより形成されたバックコート層を有し、バックコート層には、近赤外レーザー光を照射することにより形成された、光学的にコントラストを生じさせ得るサーボピットを構成する凹部を有するものである。
バックコート層を構成する非磁性塗料は、少なくとも、平均粒径15nm〜30nmの第一のカーボンブラックと、平均粒径50nm〜120nmの第二のカーボンブラックと、 結合剤樹脂と、イソシアネート硬化剤とを含有しており、結合剤には、ガラス転移温度(Tg)が、10℃以上70℃未満であるポリウレタン樹脂が含有されており、ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度が、1.0mmol/g〜3.0mmol/gであるものとする。
本発明によれば、バックコート層を構成する塗料の組成や表面形状に関しての検討を行ったことにより、高い走行耐久性、走行安定性を維持しつつ、磁性層面への形状転写を抑制でき、かつサーボピットの形成条件が最適化され、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得られた。
本発明の磁気記録媒体の具体的な実施形態について、以下、図を参照して説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
磁気記録媒体の一例の概略断面図を図1に示す。
磁気記録媒体10は、長尺形状の非磁性支持体1上に、下層非磁性層2及び磁性層3が順次塗布形成されており、磁性層形成面とは反対側にバックコート層4が形成されている構成を有している。
以下、各層について説明する。
非磁性支持体1は、一般にテープ状磁気記録媒体のベースとして使用されているものをいずれも適用できる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他のプラスチック、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合金等が挙げられる。
次に、下層非磁性層2について説明する。
下層非磁性層2は、無機粒子、結合剤樹脂、その他各種添加剤を、有機溶剤を用いて混合、調製した塗料を塗布することによって形成されたものである。
下層非磁性層2を構成する無機粒子としては、従来公知の磁気記録媒体において、磁性層の下層として形成する非磁性層用の無機微粒子粉末をいずれも使用することができる。
具体的には、アルミナ、酸化鉄、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、ゲータイト、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、あるいは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機粒子の形状は、針状、球状、板状、サイコロ状のいずれでもよい。
また、最終的に得られる磁気記録媒体に適用する高感度型磁気ヘッド(MRヘッドやGMRヘッド)の静電破壊を抑制するため、導電剤を添加することが好ましい。導電剤は公知のものいずれも使用可能であり、例えばカーボンブラックや導電性酸化チタン等が挙げられる。
下層非磁性層2を構成する結合剤樹脂としては、従来公知のバインダー樹脂がいずれも適用可能である。
例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒト樹脂またはこれらの混合物等が挙げられる。
特に、柔軟性を付与する効果のあるポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等と、剛性を付与する効果のあるセルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。これらは、イソシアネート化合物を架橋剤としてより耐久性を向上させてもよく、任意の極性基を導入させたものであってもよい。
塗料調整用の有機溶剤としては、従来公知の溶剤をいずれも適用可能である。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
次に、磁性層3について説明する。
磁性層3は、少なくとも磁性粉末と結合剤樹脂とを、有機溶剤を用いて、混合、調製した塗料を、塗布することによって形成される。
磁性粉末としては、従来塗布型の磁気記録媒体用に適用されている強磁性粒子をいずれも適用可能である。
例えば、強磁性酸化鉄粒子、強磁性二酸化クロム、今日磁性バリウムフェライト、強磁性合金粉末、強磁性白金鉄、強磁性窒化鉄等が挙げられる。
具体的には、γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトなどの公知の強磁性材料が使用できる。
また、これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、Sr、Bなどの原子を含んでもよい。
磁性層3形成用の結合剤は、塗布型の磁気記録媒体に適用されるバインダーであれば、いずれも適用することができる。具体的には、上述した下層非磁性層形成用の結合剤樹脂をいずれも適用できる。
また、磁性塗料調製用の有機溶剤としては、従来、塗料調製用の溶剤として用いられているものをいずれも適用可能であり、上述した下層非磁性層形成用の有機溶剤をいずれも適用できる。
なお、磁性層3は、本発明において得られる磁気記録媒体を高感度型の磁気ヘッドを用いたシステムに好適なものとするため、膜厚は0.3μm以下に形成することが望ましい。
上記下層非磁性層2、及び磁性層3には、上述した主成分の他、必要に応じて、研磨剤、潤滑剤、帯電防止剤、カップリング剤等の添加剤を含有させてもよい。
研磨剤としては、例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデン、磁性酸化鉄の原料を脱水、アニール処理した針状α酸化鉄及び必要によりそれらをアルミ及び/又はシリカで表面処理したもの等が単独または組み合せて使用することができる。
粒子サイズは、通常、0.01〜2μm、好ましくは、0.015〜1.00μm、更に好ましくは、0.015〜0.50μmの範囲であるが、必要に応じてサイズの異なるものを組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。
タップ密度は、通常、0. 05〜2g/cc、好ましくは0.2〜1.5g/ccである。比表面積は、通常、1〜200m2/g、望ましくは5〜100m2/g、更に望ましくは7〜80m2/gである。
結晶子サイズは、通常、0.01〜2μm、好ましくは、0.015〜1.00μm、更に好ましくは、0.015〜0.50μmの範囲である。
DBPを用いた吸油量は、通常、5〜100ml/100g、望ましくは10〜80ml/100g、更に望ましくは20〜60ml/100gである。
比重は通常、1〜12、好ましくは2〜8である。
形状は針状、球状、サイコロ状、板状のいずれでも良い。
粉末は必ずしも100%純粋のものである必要はなく、目的に応じて表面を他の化合物で処理してもよい。
その際、純度は通常、70%以上であれば効果を減ずることにはならない。例えば、酸化チタンを用いる場合、表面をアルミナで処理することが一般的に用いられている。強熱減量は、20%以下であることが望ましい。本発明に用いられる上記無機粉体のモース硬度は6以上のものが望ましい。
また、研磨剤は、α−アルミナ、β−アルミナ、溶融アルミナ、酸化チタン等を主成分にして、モース硬度6以上の公知の材料を、単独または組み合せて適用できる。
具体的には、昭和電工製UA5600、UA5605、住友化学製AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−50、HIT−100、ZA−G1、日本化学工業社製、G5、G7、S−1、戸田工業社製、TF−100、TF−120、TF−140、DPN250BX、DBN270BX、石原産業製TTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、FT−1000、FT−2000、FTL−100、FTL−200、M−1、S−1、SN−100、チタン工業製ECT−52、STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、三菱マテリアル製T−1、日本触媒NS−O、NS−3Y,NS−8Y、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、堺化学製FINE X−25、BF−1、BF−10、BF−20、BF−1L、BF−10P、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、チタン工業製Y−LOPが挙げられる。
潤滑剤としては、従来公知のものを適宜使用できる。
例えば、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコン、弗素含有シリコン、またはその他の弗素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル、及び金属塩、ポリフェニルエーテル、弗化アルキルエーテル、アルキルカルボン酸アミン塩及び弗化アルキルカルボン酸アミン塩等のアミン系潤滑剤、並びに炭素数12〜24のアルコール類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかまわない)、炭素数12〜24の高級脂肪酸等が挙げられる。
上記高級脂肪酸エステル成分としては、炭素数12〜32の高級脂肪エステル類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかまわない)が挙げられ、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オレイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノール酸、リノレイン酸等のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、へプチルエステル、オクチルエステル等がある。具体的な化合物名としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸イソオクチル、パルミチン酸ブチル等がある。
また潤滑剤は、複数の潤滑剤と混合してもよい。
帯電防止剤としては、カーボンブラックの他、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の公知の帯電防止剤が適用できる。
また、本発明においては、必要に応じて公知のカップリング剤を含有させてもよい。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
ここで、カップリング剤は、磁性粉末100部に対し、0.05〜10.00部が好適であり、更には、0.1〜5.00部とすることが望ましい。
シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプリピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン化合物や、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン化合物や、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメキシシラン等のアミノシラン化合物や、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物等が好適である。
チタネート系カップリング剤としては、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、ビス[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノレート][2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノレート−0](2−プロパノレート)チタニウム、トリス(イソオクタデカノエート−0)(2−プロパノレート)チタニウム、ビス(ジトリデシルホスファイト−0'')テトラキス(2−プロパノレート)ジハイドロゼンチタネート、ビス(ジオクチルホスファイト−0'')テトラキス(2−プロパノレート)ジハイドロゼンチタネート、トリス(ジオクチルホスファイト−0")(2−プロパノレート)チタニウム、ビス(ジオクチルホスファイト−0")[1,2−エタンジオレート(2−)−0,0']チタニウム、トリス(ドデシルベンゼンスルフォネート−0)(2−プロパノレート)チタニウム、テトラキス[2,2−ビス[(2−プロペニルオキシ)メチル]−1−ブタノレートチタネート等が挙げられ、商品としては、味の素社製、プレンアクトKR TTS、KR 46B、KR 55、KR 41B、KR 38S、KR 138S、KR 238S、338X、KR 12、KR 44、KR 9SA、KR 34S等が好適である。
アルミニウム系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、商品としては、味の素社製、プレンアクトAL−M等が好適である。
次に、本発明のバックコート層4について説明する。
バックコート層4は、カーボンブラック、結合剤樹脂、その他の添加剤を有機溶媒中に分散させた非磁性塗料により構成されており、結合剤樹脂をイソシアネート硬化剤により架橋させることにより硬化したものとする。
なお、イソシアネート硬化剤は結合剤樹脂中の活性水素と反応し、コーティング後の塗膜の硬度を高める効果を有する。
バックコート層4を構成するカーボンブラックとしては、その製法により、アセチレンブラック、ファーネスブラック等があり、これらのいずれも適用できる。
但し、本発明においては、特に、平均粒径15nm〜30nmの第一のカーボンブラックと、平均粒径50nm〜120nmの第二のカーボンブラックとを混合して使用した。これにより、バックコート層の表面性が適切にコントロールされ、摩擦特性の安定化を図ることができた。
ここで、従来技術として挙げた上記特許文献1においては、平均粒径200nm以上のカーボン、例えばサーマルカーボン等を使用することにより、走行摩擦の安定性を高めることが開示されているが、極めて薄層の磁性層を具備する高記録密度型の磁気記録媒体においては、バックコート層側に平均粒径200nm以上ものカーボンブラックが添加されていると、磁性層面への形状転写痕が大きくなり、ドロップアウトやエラーレートの悪化を招来する。
上述したことに鑑みて、カーボンブラックの平均粒径について検討したところ、平均粒径50〜120nmのカーボンブラックを5〜30重量%程度、上記小粒子径カーボンブラックと混合させることにより、優れた走行安定性が得られることが確かめられた。
本発明において適用するカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧(カーボンブラック協会編)」を参考にすることができ、カーボンの種類に関して何ら限定されるものではない。
また、カーボンブラックは、親油性を示すDBP吸油量が30〜150ml/100g、好ましくは50〜150ml/100gで、BET法による比表面積が40〜300m2/g、更には100〜250m2/gであるものが好適である。
また、かさ密度を示すタップ密度は、0.1〜1g/cc、pHは2.0〜10が好適である。
DBP吸油量が多いカーボンブラックは、粘度が高くなり、分散性が著しく劣化する。一方において、DBP吸油量が少ない場合は、分散性が悪くなるため、分散工程に時間がかかるようになる。
また、平均粒子径が小さいものほど分散時間がかかるが表面性がよく、大きくなるほど表面性が悪くなる傾向がある。
上述した条件に鑑みて、好適なカーボンブラックを具体的に挙げる。
例えば、コロンビアカーボン社製ラーベン(RAVEN)1250(粒径23nm、BET値135.0m2/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、1255(粒径23nm、BET値125.0m2/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、1020(粒径27nm、BET値95.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、1080(粒径28nm、BET値78.0m2/g、DBP吸油量65.0ml/100g)、ラーベン1035、ラーベン1040、ラーベン1060、ラーベン3300、ラーベン450、ラーベン780等、あるいは、コダクテック(CONDUCTEX)SC(粒径20nm、BET値220.0m2/g、DBP吸油量115.0ml/100g)でもよい。また、旭カーボン社製#80(粒径23nm、BET値117.0m2/g、DBP吸油量113.0ml/100g)、キャボット社製ブラックパールズ(BLACK PEARLS)L(粒径24nm、BET値250.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、ブラックパールズ800(粒径17nm、BET値240.0m2/g、DBP吸油量75.0ml/100g)、ブラックパールズ1000、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ700、ブラックパールズ905等でもよい。
また、より大きな粒径のカーボンとしては、テグサ社製 PrinteX 25(粒径56nm、BET値45m2 /g、DBP吸油量45ml/100g)、PrinteX 200(粒径56nm、BET値46m2/g、DBP吸油量45ml/100g)、PrinteX G(粒径51nm、BET値30m2/g、DBP吸油量96ml/100g)、Special Black 101(粒径95nm、BET値20m2 /g、DBP吸油量117ml/100g)、旭カーボン社製 旭サーマル(粒径100nm、BET値17m2/g、DBP吸油量25ml/100g)、旭#55(粒径70nm、BET値32m2/g、DBP吸油量85ml/100g)、旭#50(粒径92nm、BET値28m2/g、DBP吸油量61ml/100g)、旭#35(粒径100nm、BET値23m2/g、DBP吸油量50ml/100g)等が挙げられる。
次に、バックコート層4を構成する結合剤樹脂について説明する。
結合剤樹脂の剛性は、磁性層側への形状転写に影響する因子であるため、特に本発明においては、イソシアネート硬化剤の量を含めた総量との相関を規定することとした。
本発明においては、ガラス転移温度(Tg)が150℃前後の樹脂であるニトロセルロースと、ガラス転移温度(Tg)が10℃以上70℃未満のポリウレタン樹脂、並びにイソシアネート硬化剤を組み合わせて用いることとした。
このような組み合わせを行うことにより、磁性層面への形状転写を低減化でき、ドロップアウトを抑制し、エラーレートの改善が図られることが確かめられた。
ニトロセルロースは、ポリウレタン樹脂との相溶性も良好で、かつ塗膜を堅牢にするために効果的な材料である。
特に、磁気テープを長期間、高温多湿条件下で保存した時にしばしば発生する磁性層とバックコート層との粘着を抑制するために効果的である。
このため、磁気テープは、バックコート層の結合剤中のニトロセルロースの比率を70%以上とすることが従来から検討されていた。
しかしながら、結合剤中のニトロセルロースの含有量を増加させると、バックコート層の表面が硬くなり、磁気テープをリールに巻き込んだ状態で保存したとき、磁性層への突起の転写痕が大きくなった。
特にリニアテープフォーマットのように、数万回もの多数回に亘って、巻回を繰り返すシステムにおいては、磁性層への転写痕の発生頻度が膨大になる。このため、ドロップアウトが増加し、エラーレートの悪化を招来する。
本発明においては、保存による粘着特性と磁性層への転写痕の発生を、効果的に低減化できる条件についての検討を行い、その結果、ニトロセルロースを重量比で40%〜50%範囲とし、さらに組み合わせる結合剤として、ガラス転移温度Tgを指標として硬さを規定したポリウレタン樹脂を選定することとした。
バックコート層の堅牢さを決定する上の影響を考えると、イソシアネート硬化剤の量についても規定が必要となる。
イソシアネート硬化剤とポリウレタン樹脂と同じイソシアネート誘導体であることから、ポリウレタン樹脂とイソシアネート効果剤との総量を決めることで、磁性層への転写による影響をコントロールできることが確かめられた。
本発明においては、上述した点に鑑み、バックコート層を構成する結合剤が、二トロセルロースとポリウレタン樹脂から構成されてなるものとし、かつポリウレタン樹脂とイソシアネート硬化剤との総量をAとし、二トロセルロースの含有量をBとしたとき、これらの比R(=B/A)が、0.40以上0.50以下、更には、0.45以上0.48以下に選定することにより、磁性層への粘着や転写発生を、効果的に低減化できることを見出した。
上記比Rが、0.40未満、すなわちニトロセルロースの量が少ない場合、高温多湿条件下において保存した場合、磁性層とバックコート層との接着により粘着状態が発生し、保存特性が悪化する。
一方、上記比Rが、0.50よりも大であると、磁性層とバックコート層との接着により、磁性層面への形状転写の発生が多くなり、多数回走行でのエラーレート上昇や粉落ちの発生や、ドロップアウトの増加が多くなるという問題を生じる。
ニトロセルロースとしては、例えばセルノバBTH 1/16、セルノバBTH1/4、セルノバBTH1/2、セルノバBTH1、セルノバBT−SL、セルノバBTK 1/8、セルノバBTH−SL(旭化成(株)製、湿潤剤:メチルイソブチルケトン及びトルエンの混合物)、H1/166、H1/8、H1/4、H1/2、H1、H5、H20、L1/8(太平化学薬品製)等が挙げられる。
また、本発明においては、活性水素化合物とジイソシアネートからなる樹脂化合物であるポリウレタン樹脂と、イソシアネート硬化剤を使用するが、ポリウレタン樹脂に使用される活性水素化合物としては、ポリエステルやポリエーテル、ε−カプロラクトン、ポリカーボネート等の水酸基含有樹脂や、グリコール、及び極性基導入源として、アミン誘導体やスルホン酸アルカリ金属塩含有のグリコールが挙げられる。
具体的なグリコール成分としては、エチレングリコール(EG)、1,3−プロピレングリコール(PG)、1,2−PG、1,4−ブタンジオール(BG)、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール(HG)、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール(NPG)、3,3−ジメタノールヘプタン(DMH)、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロール、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド、またはプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物は、ポリウレタン樹脂のTgを調整することができる。
構造的にリジットなジイソシアネートを使用ことによりTgを高くすることができる。
具体的には、2,4−トルエンジイソシアネート(以下2,4−TDIと略称する)、2,6−トルエンジイソシアネート(以下2,6−TDIと略称する)、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略称する)、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジフェニルプロパン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシジフェニル−4,4'−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂のTgを調整する方法として、原料のポリエステルにフタル酸系のポリエステル(フタレート)を組み合わせること等も有効である。
フタレートはベンゼン環を有することより、アジペート等と比較してリジットな分子構造となり、樹脂のTgが高くなる。
また、ポリウレタン樹脂のTgを調整する他の方法としては、原料となる活性水素化合物の平均分子量を変化させることで、ポリウレタン樹脂のウレタン基の量を変化させる方法が挙げられる。
ウレタン基は樹脂骨格中での凝集力が高いことから、ウレタン基濃度を高くするとよりTgは高くなるが、有機溶媒に対する溶解性は悪化し、ニトロセルロースとの相溶性も悪くなる。
上述したことを考慮して、本発明においては、結合剤樹脂のTgを好適な範囲に調整し、かつ有機溶媒に対する良好な溶解性を確保するべくウレタン基濃度の規定を行うこととし、0.3mmol/g〜4.0mmol/g、更には、0.8mmol/g〜2.0mmol/gがより好ましいことを見出した。
ポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は10℃以上70℃未満が好ましく、更には、20℃以上50℃以下がより好ましい。
ガラス転移温度が10℃未満のポリウレタン樹脂を使用した場合、バックコート層は柔軟化するため、40℃以上の高温環境下において数万回以上という多数回走行を繰り返すと、表面の塗膜の構成物が塑性流動を引き起こし、表面が平滑化して摩擦が急上昇し、磁気テープの走行性が悪化する。また、高温環境下における長期間保管により粘着性が悪化し、特に磁気テープのエッジ部より粘着状態となる。
一方において、Tgが70℃よりも高いと、バックコート層が硬くなるため、磁性層との接触により、バックコート層の突起の転写が著しく発生する。
硬化剤としては、芳香族ポリイソシアネート及び脂肪族ポリイソシアネートが適用でき、これらと活性水素化合物との付加体が好適である。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等が挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
これらと付加体を形成する活性水素化合物としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等があり、平均分子量は、100〜5000の範囲のものが好適である。
硬化剤は、結合剤樹脂との重量比で0部〜20部が一般的であり、好ましくは5〜10部とする。
理論上は、ポリウレタン樹脂組成物(もしくは結着剤樹脂組成物)中の活性水素と当量のイソシアネート量となる硬化剤重量で、充分な添加量となる。
しかしながら実際の製造上においては、水分等により硬化剤成分のイソシアネートが反応してしまうため、活性水素と当量のイソシアネート量では、不充分となる場合が多く、このため活性水素当量より10%〜50%過剰量の硬化剤を添加する。
次に、バックコート層の表面粗度について説明する。
バックコート層の表面粗度は、走行安定性、走行耐久性を向上させるために重要な要素であり、ドライブやVTR等のパス系、走行系、ガイドの種類等を考慮して決定される。
一般に、表面粗度が粗いほうが走行安定性や耐久性は良好となる。表面が平滑であると、摩擦の上昇による耐久性が悪化する。
従来公知の技術(特開2004−227649号公報)においては、バックコート層側の非磁性支持体の突起高さの最大値が350nm以下で、かつ0.1mm2当たりの個数を100<h≦350とする方法が開示されており、また、他の従来公知の技術(特開平9−77892号公報)においては、非磁性支持体を構成するポリエステルフィルムの表面の微細突起の制御方法等が開示されている。
従来においては、高さが100nmを超える突起をバックコート層に形成することで、摩擦の低減化を図っていたが、今後、更なる高密度記録化が進んだ磁気テープにおいては、記録波長が一層短くなることから、100nm以上の突起が磁性層形成面に転写することで生じる磁性層の凹みが、ドロップアウトの原因になり、エラーレートの悪化を引き起こす。
このことから、特に高密度記録型の磁気記録媒体を作製する場合においては、バックコート層の、高さ100nm以上の突起は低減化させることが必要となる。
本発明においては、走行安定性を満足し、磁性層形成面への転写を抑制するべく、接触式表面粗度計による中心線平均粗さRa十点平均粗さRzは、6nm≦Ra≦11nmで且つ、50≦Rz≦100nmであり、より好ましくは6nm≦Ra≦9nmで、かつ60nm≦Rz≦80nmであるものとする。
Rzが100nmを超えると、磁性層面への転写が多くなり、ドロップアウトが増加し、エラーレートが悪化する。
また、Rzが50nm未満であると、多数回走行時や高湿環境下における摩擦上昇が著しくなり、耐久性が悪化する。
バックコート層形成用の非磁性塗料の調整方法としては、従来公知の方法をいずれも適用できる。例えば、三本ロールミル、ボールミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、バスケットミル、ディスパー、ホモミキサー、ニーダー、連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、及び超音波分散機等が適用できる。
バックコート層形成用の非磁性塗料を調整する際に、予め、カーボンブラックと結合剤及び研磨剤とを、固形分90wt%〜50wt%の範囲で混練機により混練し、ペースト状にすることで、カーボンブラックの分散性を向上させることができる。
バックコート層形成用の塗料を、塗布する方法としては、エアードクタコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、グラビアコート、トランスファーロールコート、キャストコート等の方法が挙げられ、更には押し出しコートによる同時重層塗布方式も適用できる。
なお、本発明の磁気記録媒体においては、非磁性支持体、磁性層、下層非磁性層に混入される、結合剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、あるいは磁性塗料を調整するのに使用される溶剤については、上述したもの以外に従来公知のものがいずれも適応可能で何ら限定されない。
また、接着強度を向上させたり、各種機能を付加させたりするために、任意の下塗り層を設けてもよく、コロナ放電処理や電子線照射処理等の前処理を施してもよい。
本発明の磁気記録媒体10においては、バックコート層4に、光学的にコントラストを生じさせ得る凹部、すなわちサーボピットが形成されているものとする。
図2にサーボピットの形成の一例の工程を示した概略図を示す。
サーボピット12は、磁気記録媒体10のバックコート層形成面側を、レーザー発信機11に対向させて、図中の矢印A方向に所定の速度(例えば5〜10m/s)で走行させて、近赤外レーザー光Lを照射することによって形成される。
図3Aにサーボピットの概略平面図を示し、図3Bに概略断面図を示す。サーボピット12は、直径wが例えば10〜15μmで、深さdが200〜400nmに形成することができる。
図4にサーボピット12の具体的な形成状態を示す。なお図4Aは、図4B中の楕円で囲んだ領域の拡大図を示す。
すなわち、この例においては、磁気記録媒体のバックコート層形成面に、径cが10〜15μmのサーボピット12が、横の間隔a=141μm、縦の間隔b=24μmをもって形成されているものとする。
本発明の磁気記録媒体について、具体的な実施例および比較例を挙げて、詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%は、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
〔実施例1〜17〕、〔比較例1〜10〕
先ず、下記に示す組成に基づき、磁性層を形成するための磁性塗料を調整した。
(磁性層形成用塗料の組成)
強磁性粉末:100部
(飽和磁化σs:150Am2/kg、Hc=110kA/m、BET法による比表面積:55m2/g)
塩化ビニル系共重合体:15部
(日本ゼオン社製、商品名:MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂:5部
(イソフタル酸/テレフタル酸/ネオペンチルグリコール−MDI系ポリウレタン、数分子量25000、極性基=SO3Na、0.2wt%含有)
研磨剤:10部
(α−Al23、住友化学社製 HIT−50)
カーボンブラック:3部
(テグサ社製、商品名Printex25)
ポリイソシアネート:4部
(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL)
ミリスチン酸:1部
ステアリン酸ブチル:1部
メチルエチルケトン:80部
シクロヘキサノン:80部
トルエン:80部
上記材料を連続ニーダーで混練したのち、サンドミル分散を行い、ポリイソシアネート4部、ミリスチン酸1部を加え、1μmの平均口径を有するフィルターで濾過し、磁性塗料液を調製した。
下記に示す組成に基づき、下層非磁性層2を形成するための非磁性塗料を調整した。
(下層非磁性層用塗料の組成)
α−Fe23(ヘマタイト):100部
(平均長軸長:150nm、比表面積:BET法で55m2/g)
塩化ビニル系共重合体:15部
(日本ゼオン社製、商品名:MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂:10部
(イソフタル酸/テレフタル酸/ネオペンチルグリコール MDI系ポリウレタン分子量25000、極性基=SO3Na=0.2wt%含有)
研磨剤:10部
(住友化学社製 高純度アルミナ:AKP−50)
カーボンブラック:15部
(ブラックパールズ(BLACK PEARLS)L(キャボット社製、粒径24nm、BET値250.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)
ポリイソシアネート:5部
(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL。但し、ポリイソシアネートは塗布直前に混合した。)
ステアリン酸 : 2部
ステアリン酸ブチル: 2部
メチルエチルケトン:80部
シクロヘキサノン :80部
トルエン :80部
上述した非磁性塗料組成物をニーダーを用いて混練し、その後サンドミルで分散し、口径1μmのフィルターで濾過した。
塗布直前にポリイソシアネート4部、ミリスチン酸2部を加え、非磁性下層形成用の塗料液とした。
下記に示す組成に基づき、バックコート層4を形成するための塗料を調整した。
(バックコート層形成用塗料の作製)
第一のカーボンブラック:変量(下記表1参照。)
(平均粒子経15nm〜30nm)
第2のカーボンブラック:変量(下記表1参照)
(平均粒子径50nm〜120nm)
ポリウレタン樹脂:変量(下記表1参照)
ニトロセルロース:変量(下記表1参照)
ポリイソシアネート:変量(下記表1参照)
アミノシラン:3部
シリコーンオイル:0.5部
メチルエチルケトン:180重量部
シクロヘキサノン :180重量部
トルエン :180重量部
上記材料を、三本ロールにて混練後、サンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネート5部を加え、1μmの平均口径を有するフィルターで濾過し、バックコート層形成用塗料とした。
上述のようにして作製した各層形成用の塗料を、ダイコートにより、ウェット・オン・ウェット塗布方式により、膜厚6.0μmのPENフィルムに、磁性層0.3μm、下層非磁性層2.1μmの膜厚で塗布し、更に、バックコート層を0.7μmの膜厚に塗布した。
その後、乾燥処理、カレンダー処理を施し、幅広の原反フィルムをキュアーした後、1/2インチ幅に裁断し、磁気テープとした。
これをDLT−IV用のカセットに組み込み、実施例1〜17、及び比較例1〜10のサンプルカセットテープを作製した。
作製したサンプル磁気テープのバックコート層側に、Spectra-Physics 社製ModelJ20Iを用いて、近赤外レーザー(波長1.064のNd:YAGレーザー)を用いて、出力0.28〜0.29μJouleでサーボピットを形成した。
次に、上記のようにして作製した実施例1〜17、及び比較例1〜10のサンプル磁気テープに対する特性評価を行った。
(電磁変換特性の測定方法)
電磁変換特性の測定に関しては、ドラムテスターを適用した。
ドラムテスターには、記録用の電磁誘導型ヘッド(トラック幅40μm、ギャップ0.2μm)と、再生用のMRヘッド(トラック幅8.0μm)を搭載し、信号の記録、及び再生を行った。
なお、記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドは、回転ドラムに対して異なる場所に設置されており、両ヘッドを上下方向に操作することで、トラッキングを合わせることができるようになされているものとする。
なお、測定は、サンプル磁気テープから12.65mm×35cmの大きさに切り取り、これを回転ドラムの外周に巻きつけて行うこととし、波長0.28μmの周波数における出力値を、比較例1テープの値との相対値をとして算出した。
(ドロップアウト(D.O.)の測定)
DLTドライブ(カンタム社製、商品名DLT8000)を用いて、3.5MHz信号を記録し、シバソク社製SHIBASOKU VTRドロップアウトカウンターにより、−6dB、0.5μsec以上の再生信号の欠落個数を測定した(初期のドロップアウト)。
更に、サンプルカセットを40℃、80%RHの環境下で300時間走行させ、その後、同様の方法により、ドロップアウトを測定した(走行後のドロップアウト)。
(耐久性の測定)
DLTドライブ(カンタム社製、商品名VS−80)を用いて、40℃、20%RHの環境下で500時間分の信号の記録と再生を行い、エラーレートの測定を行い、以下に示す規準により評価を行った。
○:エラーレートの上昇がないもの。
△:エラーレートの上昇傾向が見られるが、ドライブは停止せずに稼動しつづけたもの。
×:エラーレートの上昇によりドライブがストップしてしまったもの。
(バックコート層の粗度測定)
接触式表面粗度計を用いて、バックコート層の表面の、中心線平均粗さRaと、十点平均粗さを求めた。
なお、Raは、JIS−B0601に準じて測定されるものであり、具体的には、被測定面上で接触端曲率半径2μmの触針を摺動させたときの接触子の上下の変位から測定する。
本例においては、測定長を0.25mmとし、測定速度0.03mm/s、カットオフ0.08mmの条件で、同一面を3回測定し、測定値の平均値を算出し、それを測定データとした。
なお、測定サンプルにおいては、バックコート層表面に形成したサーボピットを含まないエリアを選定した。
(粘着性の測定)
上述のようにして作製した実施例1〜17、及び比較例1〜10のサンプルを、DLTのカセットのリールに、長さ500m巻いたものを、60℃の恒温水槽で4時間浸した。
その後、常温環境下で24時間乾燥させ、更に、減圧乾燥機を用いて、25℃で4時間乾燥処理を行った。
その後、サンプルテープの膜の剥離度合いについての観察を行い、粘着の有無について下記に基準により評価した。
○:粘着部が全くないもの。
△:エッジ部に一部粘着した部分が発生したもの。
×:巻をほどく際にテープの切れが発生するもの、粘着してほどけないもの。
(バックコート層側に形成したサーボピットサイズの測定)
AFM(原子間力顕微鏡):セイコーインスツルメンツ社製 Nanopics 2100、NPX200を用いて、n=30個のサーボピットの直径サイズの、テープの長手方向で最も長いものを測定し、測定値の算術平均値と標準偏差を求めた。
磁気テープのサーボピットの実用的な機能を考慮すると、目標の平均値としては、12.5μmがセンターとなるものとした。
(サーボの測定)
実施例1〜17、及び比較例1〜10の磁気テープを、SDLT1用のカートリッジに組み込み、Quantum社製 SDLT320ドライブを使用して、フルトラックでのWrite−Readを行い、サーボエラーの発生の有無、発生回数を測定した。
実施例1〜17、及び比較例1〜10の磁気テープの作製条件(バックコート層を構成する第一、及び第二のカーボンブラック、結合剤(ニトロセルロース、ポリウレタン)、硬化剤、及びポリウレタン樹脂とイソシアネート硬化剤との総量(A)と、ニトロセルロースの含有量(B)との比R(=B/A)、すなわちNC比)を下記表1に示し、各磁気テープの特性(出力、表面粗度、ドロップアウト、耐久性評価、粘着性評価、サーボピットのサイズ、サーボエラーの発生数)を下記表2に示した。
Figure 2006228311
カーボンブラック
A ブラックパールズ800
(粒径17nm、BET値240.0m2/g、DBP吸油量75.0ml/100g)
B RAVEN1250
(粒径23nm、BET値135.0m2/g、DBP吸油量58.0ml/100g)
C BLACK PEARLS L
(粒径24nm、BET値250.0m2/g、DBP吸油量60.0ml/100g)
D RAVEN1080
(粒径28nm、BET値78.0m2/g、DBP吸油量65.0ml/100g)
E PrinteX G
(粒径51nm、BET値30.0m2/g、DBP吸油量96.0ml/100g)
F PrinteX 25
(粒径56nm、BET値45.0m2/g、DBP吸油量45.0ml/100g)
G 旭#55
(粒径70nm、BET値32.0m2/g、DBP吸油量85.0ml/100g)
H 旭#35
(粒径100nm、BET値23.0m2/g、DBP吸油量50.0ml/100g)
I MTカーボン
(コロンビアカーボン社、粒子径350nm)
ニトロセルロース
a セルノバBTH1/2
(旭化成(株)製、湿潤剤:メチルイソブチルケトン及びトルエンの混合物)
b セルノバBT−SL
(旭化成(株)製、湿潤剤:メチルイソブチルケトン及びトルエンの混合物)
ポリウレタン樹脂
c イソフタル酸/アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール IPDI系ポリウレタン
(数平均分子量60000 極性基:SO3Na=0.2wt%含有、Tg=−5℃、ウレタン基濃度0.8mmol/g)
d イソフタル酸/アジピン酸/ネオペンチルグリコールMDI系ポリウレタン
(数平均分子量55000、極性基:SO3Na=0.2wt%含有、Tg=23℃、ウレタン基濃度1.1mmol/g)
e イソフタル酸/アジピン酸/1,4−ブタンジオール MDI系ポリウレタン
(数平均分子量55000、極性基:SO3Na=0.2wt%含有、Tg=32℃、ウレタン基濃度1.8mmol/g)
f イソフタル酸/テレフタル酸/ネオペンチルグリコール MDI系ポリウレタン
(数平均分子量50000、極性基:SO3Na=0.2wt%含有、Tg=45℃、ウレタン基濃度2.0mmol/g)
g イソフタル酸/テレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ネオペンチルグリコール MDI系ポリウレタン
(数平均分子量23000、極性基:SO3Na=0.2wt%含有、Tg=65℃、ウレタン基濃度1.9mmol/g)
h イソフタル酸/テレフタル酸/シクロヘキサンジメタノール/ネオペンチルグリコール MDI系ポリウレタン
(数平均分子量56000、極性基:SO3Na=0.2wt%含有、Tg=73℃、ウレタン基濃度2.8mmol/g)
i アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール/ジメタノールヘプタン MDI系ポリウレタン
(数平均分子量30000、極性基:SO3Na=0.2wt%含有、Tg=45℃、ウレタン基濃度3.3mmol/g)
j ジメタノールヘプタン/ネオペンチルグリコール MDI系ポリウレタン
(数平均分子量30000、極性基:SO3Na=0.2wt%含有、Tg=110℃、ウレタン基濃度4.0mmol/g)
硬化剤
k コロネートL(日本ポリウレタン社製 TDI系硬化剤)
l コロネートHL(日本ポリウレタン社製 HDI系硬化剤)
Figure 2006228311
上記表1、及び上記表2に示すように、バックコート層を構成する非磁性塗料に、平均粒径15nm〜30nmの第一のカーボンブラックと、平均粒径50nm〜120nmの第二のカーボンブラックと、結合剤樹脂と、イソシアネート硬化剤とを含有し、非磁性塗料の結合剤には、ガラス転移点温度(Tg)が、10℃以上70℃未満であるポリウレタン樹脂が含有され、このポリウレタン樹脂のウレタン基濃度は、1.0mmol/g〜3.0mmol/gであるものとした実施例1〜17においては、いずれもバックコート層の表面の中心線平均粗さRaと、十点平均粗さRzが、それぞれ、6nm≦Ra≦11nm、かつ50≦Rz≦100nmとなり、磁性層側と接触しても形状転写による出力値の悪化が生じず、実用上充分な出力値が得られ、ノイズも抑制され、また、走行安定性や耐久性も良好で、長時間走行によるドロップアウトの発生が抑制された。
また、バックコート層形成用の非磁性塗料の結合剤の総量Aと、結合剤中に含有されているニトロセルロースの含有量Bとの比R(R=B/A)に関し、0.40≦R≦0.50に特定したことにより、極めて好適なサイズのサーボピットを、好適な標準偏差をもって形成でき、高密度の信号記録を行った場合においても、サーボエラーの発生数の効果的な低減効果を得ることができた。
一方、比較例1においては、バックコート層中のニトロセルロースの含有量が高すぎるため、レーザーを照射して形成したサーボピットのサイズが大きくなってしまい、初期及び多数回走行後の両方において、ドロップアウトの増加を招来した。また、膜硬度が高いため、長時間走行による耐久性についても良好な評価は得られなかった。
比較例2においては、バックコート層中のポリウレタンの含有量が高すぎるため、磁性層とバックコート層との接触による粘着が生じやすく、保存特性が劣化した。
比較例3においては、バックコート層の結合剤のガラス転移温度が−5℃と極めて低いため、磁性層とバックコート層との接触による粘着性が悪化した。
比較例4においては、バックコート層の結合剤のガラス転移温度が高すぎ、バックコート層の硬度が高く、磁性層との接触により、磁性層の表面に、形状転写が生じやすく、ドロップアウトの増加を招来した。
比較例5、6においては、結合剤樹脂中のポリウレタンのウレタン基の濃度が高すぎるため、結合剤樹脂のTgが好適な範囲に調整できず、バック層の磁性層への形状転写が生じてしまい、ドロップアウトの増加を招来した。
また、サーボピットの大きさのばらつきが大きくなり、サーボエラーの発生が増加した。
特に比較例6においては、バックコート層の結合剤のガラス転移温度が高すぎ、バックコート層の硬度が高く、磁性層との接触により、磁性層の表面に、形状転写が生じやすく、ドロップアウトの著しい増加を招来した。
比較例7においては、バックコート層において、小粒子径のカーボンブラックのみを使用したため、表面粗度(Ra)が、4.9nmと小さく、極めて表面平滑性が高いため、走行時における摩擦が高くなりすぎ、走行耐久性が悪化した。
比較例8、9においては、バックコート層中に、粗大なカーボンブラックを含有させたため、表面突起が高くなり、磁性層への形状転写が起こり、特に走行後におけるドロップアウトの著しい増加を招来した。
また、表面特性も悪いことから、ノイズが増加し、電磁変換特性が劣化した。
また、比較例10においては、十点平均粗度Rzの値が高すぎるため、多数回走行によって磁性層側への形状転写が起こり、特に走行後におけるドロップアウトの著しい増加を招来した。
本発明の磁気記録媒体の概略断面図を示す。 バックコート層へのサーボピットの形成工程図を示す。 Aはサーボピットの概略平面図を示す。Bはサーボピットの概略断面図を示す。 Aはサーボピットの形成状態の概略平面図を示す。Bは磁気記録媒体のバックコート層形成面の概略平面図を示す。
符号の説明
1……非磁性支持体、2……非磁性下層、3……磁性層、4……バックコート層、10……磁気記録媒体、11……レーザー発信機、12……サーボピット

Claims (4)

  1. 長尺状の非磁性支持体の一主面上に、少なくとも磁性粉末と結合剤樹脂とを含有する磁性層を有し、
    前記磁性層形成面の反対側の主面上に、非磁性塗料を塗布することにより形成されたバックコート層を有し、
    前記バックコート層には、近赤外レーザー光を照射することにより形成された、光学的にコントラストを生じさせ得るサーボピットを構成する凹部を有する磁気記録媒体であって、
    前記バックコート層を構成する前記非磁性塗料は、少なくとも、
    平均粒径15nm〜30nmの第一のカーボンブラックと、
    平均粒径50nm〜120nmの第二のカーボンブラックと、
    結合剤樹脂と、
    イソシアネート硬化剤とを含有しており、
    前記非磁性塗料の結合剤には、ガラス転移温度(Tg)が、10℃以上70℃未満であるポリウレタン樹脂が含有されており、当該ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度が、1.0mmol/g〜3.0mmol/gであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記バックコート層形成用の非磁性塗料の結合剤は、ニトロセルロースとポリウレタン樹脂とからなり、
    前記ポリウレタン樹脂と、前記イソシアネート硬化剤との総量(A)と、前記ニトロセルロースの含有量(B)との比R(=B/A)は、0.40≦R≦0.50であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記バックコート層の表面の、中心線平均粗さRaと、十点平均粗さRzが、
    6nm≦Ra≦11nmで、かつ50nm≦Rz≦100nm
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記非磁性支持体と、前記磁性層との間に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性塗料を塗布した下層非磁性層が形成されており、
    前記磁性層の膜厚が、0.3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
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