JP2008027548A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間の保存特性に優れ、多数回走行時の耐久性を改善することができる磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】非磁性支持体2上に、非磁性粉末が結合剤中に分散されてなる非磁性下層3aと、磁性粉末が結合剤中に分散されてなる磁性層3bとが、順次重層形成されてなる磁気記録媒体であって、前記非磁性支持体2は、ガラス転移点温度(Tg)値が125℃以上のポリエチレンテレフタレートであり、磁気記録媒体全厚(T)に占める非磁性支持体厚み(t)が70%以上85%以下であり、好ましくは前記非磁性支持体2は、長手方向のヤング率が6000N/mm2以上、幅方向のヤング率が4000N/mm2以上のポリエチレンテレフタレートである。
【選択図】図1

Description

本発明は、大容量のデータを長期間保存するデータストレージ系の磁気記録媒体に係り、汎用な塗布型のデータ用磁気記録媒体に関する。
近年、コンピュータの普及により、大容量のデジタルデータを長期間保存する磁気記録媒体の開発ならびに、磁気記録媒体の特性向上が求められている。
塗布型の磁気記録媒体の高密度記録化を実現するためには、強磁性粉末として金属微粒子を用いるとともに、媒体表面を超平滑化し、スペーシングロスを最小限に抑えると同時に、記録減磁による出力ロスを低減することも重要である。これら目的を達成する手法としては、強磁性粉末の保磁力や飽和磁化の増大、強磁性粉末の保磁力分布の均一化、垂直異方性の付与、磁性層の薄膜化等が挙げられる。
このうち、強磁性粉末の改良は出力を直接的に向上させる手法である。このような保磁力や飽和磁化に関する改良については、強磁性粉末の元素組成等の検討が行われ、保磁力が160kA/mを越える金属微粒子、さらには飽和磁化が140Am2/kgを越える金属微粒子も開発されるようになっている。また、保磁力分布には強磁性粉末の粒子サイズ分布が反映されるが、この粒子サイズを均一化することで保磁力分布も著しく改善されている。
また垂直異方性の付与は、垂直磁気記録による高密度化のための手法である。これに関しては、塗布型の磁気記録媒体の場合、強磁性粉末の磁気配向の制御によるところが大きい。例えば針状粒子を用いる場合には、塗膜に対して垂直配向処理あるいは斜方配向処理を施すことが試みられている。しかし、配向制御の難しさ、配向による塗膜表面の乱れ等の問題から、これらの配向処理は実用的となるまでには至っていない。
また磁性層の薄膜化については、自己減磁損失を低減する方法として非常に有効であると考えられる。ここで、磁性層の膜厚を、例えば1μm以下に単純に薄膜化すると、磁性層表面に非磁性支持体の表面形状が現れ易くなり、磁性層表面の平滑化が困難になる。このため、磁性層を薄膜化する場合には、非磁性支持体と磁性層の間に非磁性の塗布層を介在させる重層塗布型構成が採られる場合が多くなっている。このように非磁性層を介在させることで非磁性支持体表面と磁性層表面の間に厚さが稼がれ、非磁性支持体の表面形状が磁性層表面に現れ難くなる。したがって、厚さの薄い磁性層が平滑な表面形状で形成されることになる。
この重層塗布型の磁気記録媒体については、各種改良が提案されており、例えば、下層非磁性層の塗布厚みを0.5μm〜3.5μmとする方法(下記特許文献1参照)や、下層非磁性層に適当量のカーボンブラックを含有させる方法(下記特許文献2参照)、下層非磁性層の非磁性酸化物の表面を無機物で被覆する方法(下記特許文献3参照)、下層非磁性層に大きさの異なる2種類以上の非磁性粉末を用いる方法(下記特許文献4参照)、上層磁性層の厚みの標準偏差を特定の範囲内に規制する方法(下記特許文献5参照)、上層磁性層を2層以上の磁性層で構成する方法(下記特許文献6、7)等が報告されている。
また、公知の下層非磁性層としては、ヘマタイトを主流とした非磁性の酸化鉄を主成分として、酸化チタンやアルミナ等の研磨剤や、磁気記録媒体の電気抵抗を低減する目的で、カーボンブラックなどの帯電防止剤、および潤滑剤と結合剤からなるもの(下記特許文献8参照)や、ゲーサイト(オキシ水酸化鉄)を主成分とした微粉末を使用した技術(下記特許文献9、10参照)が報告されている。
特開昭63−187418号公報 特開平4−238111号公報 特開平5−182177号公報 特開平5−274651号公報 特開平5−298653号公報 特開平6−162485号公報 特開平6−162489号公報 特開2005-259276号公報 特開平11-3517号公報 特開2005-228377号公報 特開2005-196944号公報 特開2002−358629号公報 特開平11−283234号公報 特開2004-310899号公報 特開2006-73047号公報
なかでも、汎用データストレージ用の磁気テープはGB当たりのコストを重視するといった市場の要求のため、磁気記録媒体の高密度化が要求されている。高密度記録化のためには、記録波長を短くし、記録トラックを小型化することが有用である。しかしながら、記録トラックを小型化すると、磁気テープの走行時における熱やテープ保存時の熱変形により、記録トラックのずれが起こりやすくなるという問題点がある。したがって、テープ使用環境での熱寸法安定性および保存安定性といった特性の改善に対する要求がますます強まっている。
また、非磁性支持体の性能は、重層の塗布型磁気記録媒体において、DLT(デジタルリニアテープ)やLTO(リニアテープオープン)といったリニア記録のテープメディアでは、数万回〜数十万回といった多数回走行に耐える高耐久性と高信頼性を付与するために重要となっている。
リニア記録のテープメディアは、転送レートを稼ぐために、同時に複数のヘッドで記録し、さらに高速で安定してヘッドとテープが摺動するため、ドライブ内でのテープに与えるテンションは1インチ当たりで200g程度と、VTRやDDSに代用されるヘリカルスキャン方式のテープドライブと比べて2倍から3倍の応力が磁気テープにかかることになる。
このため、磁気テープはドライブ内でのテンションを受けることで、非磁性支持体の強度が弱いテープでは、記録・再生の間で寸法が変化してしまうことで、記録したトラックをうまく追従できないことで発生するオフトラックによる出力の低下が発生しやすくなる。このため、一方では、磁気サーボ方式や光学サーボ方式などに代表されるサーボ技術が検討されている。長期間の保存などの影響で寸法変化しやすい非磁性支持体を使用すると、サーボ技術を駆使しても、オフトラックの影響を受けやすく、信頼性、耐久性を満足できない。
従来、この非磁性支持体の強度や寸法特性を満足させるため、例えば、前記特許文献11では、ポリエステルフイルムの両面に金属層を設けることで、非支持体の機械強度を高めるとともに、寸法安定性を確保する手法が開示されている。また、前記特許文献12、13では、非磁性支持体である高分子フィルム上に真空薄膜形成技術により金属補強層を形成することで、磁気テープの薄層化と適切な機械強度を保つ手法が提案されている。金属補強層は、同じ厚さの高分子フィルムよりも飛躍的に機械強度に優れており、わずかな厚みでも効果があり、結果として磁気テープの薄層化が可能とする手法が開示されている。
同様に前記特許文献14では、寸法安定性に優れながらも優れたスリット性も兼備するポリエステルフイルムの表面にガスバリア層を設けたポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2、6−ナフタレートなどのポリエステルの事例も開示してある。
しかしながら、金属膜を蒸着するためには、多大なコストがかかることから、塗布型磁気記録媒体のメリットである安価で生産性が良い点が失われてしまうことになる。同様の観点から、非磁性支持体には、強度、寸法安定性の点から剛性の高い芳香族ポリアミドが用いられることもあるが、芳香族ポリアミドは高価格でコストがかかり、汎用記録媒体の支持体としては現実的ではない。
また、前記特許文献15では、非磁性支持体ロールの熱収縮と巻芯の熱膨張によって生じる応力による寸法変化による品質悪化や歩留まり低下を防ぐため、特定の温度、圧力条件でロールの巻き条件をコントロールする手法や、保存特性を安定させるために、結合剤のガラス転移点温度(Tg)をコントロールする方法や、硬化剤の種類や量をコントロールする方法など数多くの検討がなされてきている。
本発明は、このような状況に鑑み、多数回走行や長期間の保存特性を満足し、さらに工業的に安価な材料を用いることができ、特に、長期間の保存特性に優れ、多数回走行時の耐久性を改善することができる磁気記録媒体を提供することを目的としている。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体として、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)に高融点成分を添加したフィルムであり、従来のPETフィルムのTg(ガラス転移点温度115℃から120℃)よりも高いTg点を持つPETフィルムを使用する。また、そのPETフィルムのMD/TDの強度(長手/幅方向の強度;ヤング率)と、非磁性支持体と磁性面およびバック面の厚み構成の比率をある範囲とすることで、磁気記録媒体の破断強度を高めることができる。
すなわち、請求項1に記載の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、非磁性粉末が結合剤中に分散されてなる非磁性下層と、磁性粉末が結合剤中に分散されてなる磁性層とが、順次重層形成されてなる磁気記録媒体であって、前記非磁性支持体は、ガラス転移点温度(Tg)値が125℃以上のポリエチレンテレフタレートであり、磁気記録媒体全厚(T)に占める非磁性支持体厚み(t)が70%以上85%以下であることを特徴としている。
また請求項2に記載の磁気記録媒体は、請求項1において、前記非磁性支持体は、長手方向のヤング率が6000N/mm2以上、幅方向のヤング率が4000N/mm2以上のポリエチレンテレフタレートであることを特徴としている。
また請求項3、4に記載の磁気記録媒体は、請求項1または2において、前記非磁性支持体の厚みが7ミクロン以下であることを特徴としている。
本発明によれば、破断強度が高く、耐久性と生産性に優れ、高密度・大容量な塗布型の磁気記録媒体を得ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
図1は本発明の一実施形態例に基づく磁気記録媒体の概略断面図である。図1において、磁気記録媒体1は、非磁性支持体2の一方の面上に、非磁性下層3a及び磁性層3bがこの順に塗布形成され、また、磁性面の裏面(非磁性支持体2の他方の面)に、磁気記録媒体の走行安定性を確保する目的で、バックコート層4が適宜設けられる。
<PETベースについて>
非磁性支持体2として、本発明では高融点成分を含む強化PETを使用する。PETのガラス点移転温度(Tg)は通常樹脂単体では70℃から80℃であるが、磁気記録媒体の非磁性支持体に使用される厚さ4ミクロンから15ミクロンのフィルムでは、製膜時の延伸による分子の配向の影響や、他の高融点樹脂を加えることでポリマーアロイの効果やフィラー成分の効果などにより110℃から120℃となる。
従来、LTOフォーマットに代表されるリニアテープでは、フィルム強度(ヤング率)も高く、走行耐久性、保存特性にすぐれ、Tgも150℃から155℃のPETより高いポリエチレンナフタレート(以下、PENと称する)が使用されている。しかしながら、PENは、分子の平面性が強いため、一定の方向に切れやすい性質があることから、特に、製造工程の中で吸湿することでフィルム面同士が粘着しやすく、塗布工程や裁断工程時に端面から切断されてしまう現象が多く発生する。
また、強度が高いため裁断性がPETと比較して悪く、裁断後のパンケーキの端面が盛り上がるハイエッジ現象や、エッジ部がヒラヒラ状になるエッジダメージを発生することや、裁断のナイフライフも短いなどの生産性に及ぼす影響が大きかった。
本発明者は、これらPENの持つ問題を解決し、より汎用性の高い樹脂であるPETでのPEN以上の特性を達成するための技術開発を行った。
本発明では、PETのTgをより高くするため高融点成分を含む強化PETを使用する。このため、PETフィルムを製膜する前段階において、PET樹脂にTgの高い樹脂成分を加え、押出し機にて十分の混合される必要がある。
PET樹脂中に含まれるTgの高い樹脂成分としては、たとえば、パラ系の芳香族ポリアミド(アラミド)樹脂や、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどTgが150℃を超える高融点樹脂でPETとの相溶性を有するポリマーをPETに1重量%〜50重量%ブレンドすることで達成できる。溶融成形性及び、ポリエステルイミド樹脂としては、ポリエーテルイミド樹脂としては、たとえば、ジーイープラスチックス社 ウルテムや、三菱樹脂株式会社 スペリオUT などがあり適宜PET樹脂と混合される。
また、ヤング率を高める目的で高融点樹脂成分のほかに、アルミナ粒子、湿式又は乾式シリカ粒子及び/又は架橋シリコン樹脂粒子ならびに架橋シリコン樹脂粒子及び架橋ポリスチレン粒子を適宜含有することで、本発明に必要とされるMD/TDのヤング率の範囲が達成できる。
以上のようにして、本発明で使用される高TgのPETフィルムとしては、たとえば、東レ製二軸延伸PETフィルムルミラー(SPALTAN)などがあり、本発明では非磁性支持体単体でのTgが、汎用のPETフィルムより10℃から20℃高い130℃前後以上となる。これにより、45℃環境下での走行テスト(ドライブ内の温度は55℃前後となる)に代表される高温環境下での走行テストや、60℃での高温環境下での保存テストにおいてもPEN同等以上の耐久性、保存性が達成できる。
また、テープの温湿度の環境変化とテンション変化による寸法安定性(Transverse dimensional stability)は、再生時のオフトラックに対するマージンを測る上で重要な特性のひとつである。本発明では、特に、磁気記録媒体のフィルムと塗膜の厚み構成と、非磁性支持体のMD/TDのヤング率の範囲を規定することで、1200ppm以下に抑えることが出来ることができ、記録後のデータカートリッジの長期間保存時のデータの再現性を高めることができる。本明細書における「磁気記録媒体のMD方向及びTD方向」は、磁気記録媒体が磁気テープの場合、磁気記録媒体の長手方向をMD方向とし、磁気記録媒体の幅方向をTD方向とする。
ベース厚は、そのストレージデバイスのフォーマットにより決定されるが、1/2インチのリニアテープの各フォーマットにおけるドライブテンションは100gf前後であることら、破断強度などを加味し、4ミクロンから7ミクロンの範囲がより有効となる。また、磁気記録媒体の全厚に対して、ベースの厚みは70%以上85%以下でかつ、MDが6000 N/mm2以上、TDが4000 N/mm2以上とすることで、TDSの測定値で1200ppm以内が達成され、より保存安定性に優れた磁気記録媒体を提供できる。
その他、本発明にかかわる磁気記録媒体において、磁性層に混入される強磁性粉末、結合剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、あるいは磁性塗料を調整するのに使用される溶剤は従来公知のものがいずれも適応可能で何ら限定されない。
例えば、本発明で使用される強磁性粉末としては、γ-FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γ-FeOx(x=1.33〜1.5)、FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトなど公知の強磁性材料が使用できる。またこれらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。
本発明においてより有用な磁性粉は強磁性の微粒子メタル粉であり、σs=100Am2/kgから200Am2/kg、BET法による比表面積45から60m2/g、抗磁力150kA/mから300kA/mで顕著な効果がみられる。
本発明で使用できる結合剤の具体的な例としては、いずれも公知の材料が使用でき、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルーブタジエンーメタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂またはこれらの混合物などが挙げられる。なかでも、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等と剛性を付与するとされているセルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が望ましい。
本発明では、帯電防止として、カーボンブラックも使用できる。カ−ボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便覧(カ−ボンブラック協会編)」を参考にすることができ、カーボンの種類に関して何ら限定されない。
また、本発明で使用されるカーボンブラックは、DBP吸油量が、30〜150 ml / 100g 、好ましくは50〜150ml/100gで、且つ、平均粒子径が5〜150nm、好ましくは15〜50nmで、BET法による比表面積が、40〜300m2/ g、好ましくは 100〜250m2/ gであるものが効果的である。また、タップ密度は、0.1〜1g / cc 、pHは2.0〜10が好ましい。DBP吸油量がより多いカーボンブラックは、粘度が高くなり、分散性が著しく悪化する。少ない場合では、分散性が悪いため分散工程に時間がかかる。平均粒子径は、より小さいもの程分散時間がかかるが表面性が良く、大きくなる程表面性が悪くなる。このため、先述の範囲が好ましい。
以上のような条件を満たすカーボンブラックとしては、例えば、コロンビアンカーボン社製ラーベン(RAVEN)1250(粒径23nm、BET値135.0m2/ g、DBP吸油量58.0ml / 100g)、1255(粒径23nm、BET値125.0m2/ g、DBP吸油量58.0ml / 100g)、1020(粒径27nm、BET値95.0m2/ g、DBP吸油量60.0ml / 100g)、1080(粒径28nm、BET値78.0m2/ g、DBP吸油量65.0ml / 100g)、ラーベン1035、ラーベン1040、ラーベン1060、ラーベン3300、ラーベン450、ラーベン780等、または、コンダクテック(CONDUCTEX)SC(粒径20nm、BET値220.0m2/ g、DBP吸油量115.0ml / 100g)でもよい。また、旭カーボン社製#80(粒径23nm、BET値117.0m2/ g、DBP吸油量113.0ml / 100g)、三菱化成製#22B(粒径40nm、BET値5.0m2/ g、DBP吸油量131.0ml / 100g)、#20B(粒径40nm、BET値56.0m2/ g、DBP吸油量115.0ml / 100g)、キャボット社製ブラックパールズ(BLACK PEARLS) L(粒径24nm、BET値250.0m2/ g、DBP吸油量60.0ml / 100g)、ブラックパールズ800(粒径17.0nm、BET値240.0m2/ g、DBP吸油量75.0ml / 100g)、ブラックパールズ1000、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ700、ブラックパールズ905等でも良い。また、より大きな粒径のカーボンとしてはMTカーボン(コロンビアンカーボン社、粒子経350nm)、サーマックスMT等も使用できる。
本発明で使用できる研磨剤としては、例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデン、磁性酸化鉄の原料を脱水、アニール処理した針状α酸化鉄及び必要によりそれらをアルミ及び/又はシリカで表面処理したもの等が単独または組合せで使用される。
これら非磁性粉末の粒子サイズは、通常、0.01〜2μm、好ましくは、0.015〜1.00μm、更に好ましくは、0.015〜0.50μmの範囲であるが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。タップ密度は、通常、0. 05〜2g/cc、好ましくは0.2〜1.5g/ccである。
比表面積は、通常、1〜200m2 /g、望ましくは5〜100m2 /g、更に望ましくは7〜80m2 /gである。結晶子サイズは、通常、0.01〜2μm、好ましくは、0.015〜1.00、更に好ましくは、0.015〜0.50μmの範囲である。DBPを用いた吸油量は、通常、5〜100ml/100g、望ましくは10〜80ml/100g、更に望ましくは20〜60ml/100gである。比重は通常、1〜12、好ましくは2〜8である。
形状は針状、球状、サイコロ状、板状のいずれでも良い。上記の非磁性粉末は必ずしも100%純粋である必要はなく、目的に応じて表面を他の化合物で処理してもよい。その際、純度は通常、70%以上であれば効果を減ずることにはならない。例えば、酸化チタンを用いる場合、表面をアルミナで処理することが一般的に用いられている。強熱減量は、20%以下であることが望ましい。本発明に用いられる上記無機粉体のモース硬度は6以上のものが望ましい。
また、研磨剤としては、例えば、α-アルミナ、β-アルミナ、溶融アルミナ、酸化チタン等を主成分にして、モース硬度6以上の公知の材料が単独または組合せて使用される。本発明に用いられる研磨剤の具体的な例としては、昭和電工製UA5600、UA5605、住友化学製AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−50、HIT−100、ZA−G1、日本化学工業社製、G5、G7、S−1、戸田工業社製、TF−100、TF−120、TF−140、DPN250BX、DBN270BX、石原産業製TTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、FT−1000、FT−2000、FTL−100、FTL−200、M−1、S−1、SN−100、チタン工業製ECT−52、STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、三菱マテリアル製T−1、日本触媒NS−O、NS−3Y,NS−8Y、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、堺化学製FINE X−25、BF−1、BF−10、BF−20、BF−1L、BF−10P、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、チタン工業製Y−LOPが挙げられる。
本発明において用いる潤滑剤としては公知のものが使用できる。例えば、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコン、弗素含有シリコン、またはその他の弗素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよび金属塩、ポリフェニルエーテル、弗化アルキルエーテル、アルキルカルボン酸アミン塩及び弗化アルキルカルボン酸アミン塩等のアミン系潤滑剤、並びに炭素数12〜24のアルコール類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかまわない)、炭素数12〜24の高級脂肪酸などが使用出来る。
また、本発明において使用される高級脂肪酸エステル成分としては、炭素数12〜32の高級脂肪エステル類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもかまわない)であり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オレイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノール酸、リノレイン酸等のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、へプチルエステル、オクチルエステル等がある。具体的な化合物名としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸イソオクチル、パルミチン酸ブチル等がある。また潤滑剤は、複数の潤滑剤と混合してもかまわない。
同様に、帯電防止剤としては、先述のカーボンブラックの他に、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の公知の帯電防止剤が使用できる。
本発明では、より耐久性を持たせるため平均官能基数2以上のイソシアネート系硬化剤を含む。すなわち、ポリイソシアネートのポリメリック体やポリイソシアネートのポリオールアダクトは、いずれも本発明において好適に使用できる。中でも、ジイソシアネートの三量体である環状の骨格を有するイソシアヌレートはより反応性に富む硬化剤であり、耐久性向上については効果的である。
また、イソシアネート硬化剤としては、芳香族ポリイソシアネート及び脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、これらと活性水素化合物との付加体が好ましい。芳香族ポリイソシアネートとしてはトルエンジイソシアネート(TDI)、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等を挙げることができる。また、脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等を挙げることができる。これらと付加体を形成する活性水素化合物としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等があり、平均分子量は、100〜5,000の範囲のものが好ましい。
硬化剤の添加量としては、バインダー樹脂の重量比で0部〜20部が一般的であり、好ましくは0〜10部である。ここで、理論上は、ポリウレタン樹脂組成物(もしくは結着剤樹脂組成物)中の活性水素と当量のイソシアネート量となる硬化剤重量で、十分な添加量となる。しかしながら実際の製造上では、水分などにより硬化剤成分のイソシアネートが反応してしまうため、活性水素と当量のイソシアネート量では、不十分である場合が多く、このため活性水素当量より10%〜50%過剰量の硬化剤を添加するのが効果的である。
さらに、ポリイソシアネートからなる硬化剤を使用した場合、磁性塗料をコーティング後、40℃〜80℃の温度で数時間硬化反応を促進させることにより、より強い接着性が得られる。
また、磁性塗料を調整するための溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチルモノエチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロリド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶媒が挙げられる。またその他従来公知の有機溶媒を使用することが出来る。
磁性塗料を調整する方法としては、いずれも公知の方法が利用できる。例えば、ロールミル、ボールミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、バスケットミル、ディスパー、ホモミキサー、ニーダー、連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー及び超音波分散機等を用いることが出来る。
本発明の磁気記録媒体において、例えば図1のように、非磁性支持体2の磁性層3b側と反対の面に、非磁性のバックコート層4を設けても構わない。バックコート層4の厚みは0.3〜1.0μmであり、公知のものが使用できる。
磁性塗料の塗布では、非磁性支持体上に直接行う前に、接着剤層等の下塗り層や、非磁性支持体上に、コロナ放電処理や電子線照射処理等の前処理をほどこしても構わない。
非磁性支持体上への塗布の方法としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、グラビアコート、トランスファーロールコート、キャストコート等の方法を挙げることができ、これら以外の方法も使用でき、さらに、押し出しコートによる同時重層塗布でもよい。
ここで、場合によっては、接着強度を上げる等の理由で、非磁性支持体と下層との間に、先述した公知の結合剤を主成分とする層(下塗り層)を設けても構わない。

(実施例)
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<磁性層の作製>
下記に示した組成に基づき、各磁性層を構成する各塗料を調製した。
<上層磁性層塗料の作製>
メタル磁性粉 100重量部
(平均長軸長:65 nm、保磁力Hc:210kA/m、
飽和磁化σs:130Am2/kg
Co含有率 24at%、
Al含有率 4.7wt%
Y 含有率 7.9at%)

塩化ビニル系共重合体 10重量部
(日本ゼオン社製、商品名:MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂 8重量部
(フタレート系ポリエステルポリウレタン、数分子量25000、
極性基=SO3Na、0.2wt%含有)
研磨剤 10重量部
(住友化学社製 HIT-50)
ポリイソシアネート 4重量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL。但し、ポリイソシアネートは塗布直前に混合した。)
ミリスチン酸 1重量部
ステアリン酸ブチル 1重量部
メチルエチルケトン 80重量部
シクロヘキサノン 80重量部
トルエン 80重量部
上述した磁性粉に塩ビとポリウレタン樹脂を加え、適宜、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエン=1/1/1の溶剤で希釈し、固形分60%で三本ロールにて混練した。
その後、ペースト状の塗料をディスパーで残こったメチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエンで希釈し、他の添加剤と共にサンドミルにて分散し、塗料液とした。塗料化後に、1μm口径のフィルターで濾過し、2時間攪拌した。
塗布直前にポリイソシアネート4重量部、ミリスチン酸1重量部を加え、上層磁性塗料液とした。
<下層非磁性層塗料の作製>
α-Fe23(ヘマタイト) 100重量部
平均長軸長:70nm、比表面積:BET法で55m2/g
塩化ビニル系共重合体 15重量部
(日本ゼオン社製、商品名:MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂 8重量部
(イソフタル酸/テレフタル酸/ネオペンチルグリコール−MDI系ポリウレタン 分子量25000、極性基=SO3Na=0.2wt%含有)
研磨剤 10重量部
(住友化学社製アルミナ:HIT-50)
カーボンブラック 20重量部
(昭和キャボット社製:BP-L)
ポリイソシアネート 4重量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL。但し、ポリイソシアネートは塗布直前に混合した。)
ミリスチン酸 2重量部
ステアリン酸ブチル 2重量部
メチルエチルケトン 120重量部
シクロヘキサノン 120重量部
上述した非磁性粉末とシランカップリング剤をプラネタリーミキサーで混合したのち、塩ビとポリウレタン樹脂を加え、二軸エクストルーダーにて混練した。
その後、ペースト状の塗料をディスパーでメチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエンで希釈し、他の添加剤と共にサンドミルにて分散し、塗料液とした。塗料化後に1μm口径のフィルターで濾過し、2時間攪拌した。
塗布直前にポリイソシアネート4重量部、ミリスチン酸1重量部を加え、下層非磁性塗料液とした。
<バックコート用非磁性塗料の作製>
カーボンブラック 90重量部
(平均粒子径20nm)
カーボンブラック 10重量部
(平均粒子径70nm)
ポリウレタン樹脂 25重量部
(MDI系ポリエステルポリウレタン、分子量25000、
3級アミン=0.2wt%含有)
ニトロセルロース 25重量部
(旭化成社製、商品名:NC−1/2H)
ポリイソシアネート 20重量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL。但し、ポリイソシアネートは塗布直前に混合した。)
メチルエチルケトン 180重量部
シクロヘキサノン 180重量部
トルエン 180重量部
上述したバックコート塗料組成を三本ロールにて混練後、サンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネート20重量部を加え、1μmの平均口径を有するフィルターで濾過し、バックコート用非磁性塗料液とした。
完成した塗料液を、ダイコートにより、下記表1に示したフィルムに、磁性層0.13μm、非磁性下層(厚みは表1参照)の厚み構成でWet-on-Wetで塗布した。さらに、バックコートを0.5μmの厚みで塗布し、乾燥した。広幅の原反を110℃−350kg/Nの7段カレンダー処理を行い、鏡面化した。得られた幅広の磁性フィルムを、60℃で10時間キュアーした後、1/2インチ幅に裁断したのち、LTO3のサーボ信号を記録し、LTO3のデータカートリッジに組み込みサンプルを作成した。
Figure 2008027548
<測定方法>
(電磁変換特性の測定)
電磁変換特性については、固定ヘッド式電特測定機を用いて測定した。この測定機は、回転するドラムとこれに接触するヘッドとから構成されており、磁気テープがこのドラムに巻き付けられる。
下記の条件にて、先ず各磁気テープの最適記録電流で13MHzの矩形波信号を記録した。次に、スペクトラムアナライザーにより13MHzの出力レベルを検出し、0.195μmのキャリア値を媒体出力Cとした。
また0.195μmの矩形波を書き込んだときに、記録波長0.195μm以上に相当するスペクトルの成分から、出力及びシステムノイズを差し引いた値の積分値をノイズ値Nとして用いて両者の比をとってC/Nとし、それぞれ比較例2の値を0dBとして計算した。
線記録密度:260kfci (λ= 0.195um)
最短記録周波数:13MHz
線速度:100ips (2.53m/sec)
(表面粗度の測定)
作製した1/2インチのサンプルを5mm×5mmにサンプリングし、SII Nanotechnology 社製 AFM Nanopics2100 Compact Tabletop Probe Microscopeを用いて下記の条件で表面粗度を測定し、中心線平均粗さ(SRa)と十点平均粗さ(SRz)を測定した。
Spring Constant 40 N/m
Resonant Frequency 250-300 kHz
Cantilever Length 120 um
Cantilever Configuration Single Beam
Scanned Area 40um x 40um
Scan Line 256 Line/Scan Area

Scan Speed / Scan Area 90 sec
(耐久性測定)
作製したテープを用いてLTO3のカートリッジを作製しHP社製LTO3ドライブ(Ultrium960)を用いてテストモードにて記録・再生することにより走行前のエラーレート(ERT)を求め、さらに、40℃、80%RH環境下で、全長、全トラックを600時間走行させた後に再生してエラーレートを求めた。
(保存特性の測定)
作製したテープを用いてLTO3のカートリッジを作製しHP社製LTO3ドライブ(Ultrium960)を用いてテストモードにて常温で200GBのデータを記録した後、45℃80%RH環境の恒温槽で1週間保管した。(通常の環境での30年保存に当たる環境と考えられる)。保存後、室温で24時間放置した。その後、HP社製LTO3ドライブ(Ultrium960)を用いて再生し、データを確認した。
○;バックアップデータがハードエラーなく再生できたもの
△;一部のトラックでテープの変形に伴うオフトラックによりエラーレートの悪化が見られるもの
×;ハードエラーの発生によりデータがすべて再生できなかったもの
(TDS(Transverse dimensional stability)の測定)
恒温槽にLTO3ドライブをいれ、LTO規格 Ultrium Generation3 16-Channel Format Specification Document U-316 Section 9.17 の方法に従いTDS(寸法安定性)を測定した。
Ultrium Generation3の規格は1.2%(1200ppm以下)である。
(生産性の確認・切り口)
テープの裁断後の断面の切り口を光学顕微鏡 200倍で確認し、以下の指標で評価した。
○;切り口部にクラックが少なく良好
△;クラックの発生があるものの、ハイエッジの発生はないもの
×;ハイエッジが発生し、メディアとして使用不可のもの
(ブロッキング特性)
塗布後の原反ロール(約1000m)を5℃で24時間保存後、40℃80%RH環境で結露を生じさせた。
その後、常温環境(23℃50%RH)で24時間放置後、1/2インチでの裁断機によりブロッキングの発生の有無を確認した。
○;ブロッキングの発生がなかったもの
×;ブロッキングの発生により、裁断途中で分割されたもの
(Tgの測定)
各々の非磁性支持体フィルムを5mm*40mmに切り出し、ORIENTEC社製 動的粘弾性測定器 RHEOVIBRON MODEL RHEO-2000で測定周波数3.5Hz、昇温速度2.0℃/minで測定し、Tgを求めた。
(ヤング率の測定)
JIS-K7133、ASTM D882に基づき、サンプル幅6.25mm×サンプル実行長100mm、引っ張り速度200mm/minで測定し、1%伸びを与える抗張力を初期フィルム断面積で割った値をE(ヤング率)とした。
表1において、比較例1から比較例3では、ポリエチレン2,6-ナフタレート(PEN)の非磁性支持体を使用した例である。比較例1では、磁性層0.22ミクロン、全厚8.82ミクロンで塗布した例であるが、ほぼ同じ厚み構成で作成した本発明の実施例1と比較して、電磁変換特性も多少劣り、エラーレートも悪い傾向がある。特に、PENフィルムを使用した比較例1から3すべてで、ブロッキングの発生が見られ、PETフィルムより劣る結果である。
また、比較例4及び比較例5は、Tgが120℃前後のPETフィルムを使用した結果であるが、高温高湿環境下での保存において、保存後のサンプルにエッジ部の変形が見られ、エッジ部に近い記録トラックにおいてエラーレートの局部的な悪化が見られた。
比較例6、比較例7、比較例8では比較例4と同様に、Tgの低いPETフィルムの例であり、いずれの場合も保存後のエラーレートの悪化が見られる結果である。
比較例9では4.7ミクロンと薄いPETフィルムを使用し、ベースの強度比(MD-TD比)が逆転しているベースフィルムの例である。ベースの長手の強度が低いため、ドライブでの走行において伸びが発生しやすく、耐久性走行時でエラーレートが上昇し、100時間以内で走行できなくなった。
比較例10では長手方向のベース強度が弱い分、ベース厚みを厚くすることで改善されるかを確認した結果であるが、走行時のベースの変形は少なくなる。しかしながら、全厚が厚いことで、体積当たりの記録容量が実施例2などと比較して30%以上減ることになり、実用的な解決策とはならない。
これに対して、本発明の実施例1から13では、いずれのサンプルも良好な結果が得られており、本発明を支持している。すなわち、実施例1、実施例2ではTg130℃のPETフィルムを使用した例であるが、比較例1、比較例2で見られたようなブロッキングは見られず、また、電磁変換特性や、耐久性などの実用特性も比較例1、比較例2と比較して良好な結果が得られている。
また、実施例10と比較例11では、全厚に占めるベース厚の割合が少ない場合であるが、特に0.7より低い比較例11では塗膜を含めたテープ全体の剛性が硬くなりすぎることで、ヘッドとへの当たり(コンタククト性)が厳しくなることで、多数回走行でのエラーレートの上昇が見られる結果となる。
同様に、実施例11と比較例12では全厚に対して塗布厚を薄くしすぎた場合であるが、潤滑剤の供給源となる下層を含む塗布厚が薄くなることで、多数回走行での摩擦の上昇に伴い、エラーレートの上昇とベース面の素地のうねりの影響をもろに受けるため、CNも悪くなることがわかる。このため、本発明の厚み構成の範囲である、全厚に占める非磁性支持体の厚みが70%か85%でより効果的であるといえる。
実施例4から実験例9では、Tgが125℃以上のPETフィルムを使用した本発明の実施例をしており、いずれも、各特性を満足している。たとえば、実施例5から実施例7ではベースの幅の強度比を高めた例であるが、実施例4と比べてTDSが10から20ppm改善傾向が見られる。
実施例12、実施例13においても、PETフィルムのTD方向の強度を弱くした例であるが、実施例13では実施例4と比較してTDSが100ppm程度悪くなることから、LTO3としての規格を満足するためにはTD方向のヤング率を4000n/mm2以上とすることが必要となる。同様に、実施例14はMDとTDの強度がほぼ同じサンプルであるが、MD(長手)方向の強度が弱くなることで、先述の比較例9や比較例10と同じ理由で、多数回走行時のエラーレートが悪化する傾向が見られる。
本発明の一実施形態例による磁気記録媒体の概略断面図。
符号の説明
1…磁気記録媒体、2…非磁性支持体、3a…非磁性下層、3b…磁性層、4…バックコート層。

Claims (4)

  1. 非磁性支持体上に、非磁性粉末が結合剤中に分散されてなる非磁性下層と、磁性粉末が結合剤中に分散されてなる磁性層とが、順次重層形成されてなる磁気記録媒体であって、
    前記非磁性支持体は、ガラス転移点温度(Tg)値が125℃以上のポリエチレンテレフタレートであり、磁気記録媒体全厚(T)に占める非磁性支持体厚み(t)が70%以上85%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記非磁性支持体は、長手方向のヤング率が6000N/mm2以上、幅方向のヤング率が4000N/mm2以上のポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記非磁性支持体の厚みが7ミクロン以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記非磁性支持体の厚みが7ミクロン以下であることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体。
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