JP3923187B2 - 積層二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は積層二軸配向ポリエステルフイルムに関する。さらに詳しくは、フイルムの巻取り性、ハンドリング性に優れ、かつ高密度磁気記録媒体、特にデジタル記録型磁気記録媒体のベースフイルムとして用いたときに優れた電磁変換特性を付与する積層二軸配向ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートフイルムに代表される二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れた物理的、化学的特性の故に広い用途に、特に磁気記録媒体のベースフイルムとして用いられている。
【0003】
近年、磁気記録媒体においては、高密度化、高容量化が進められており、それに伴ってベースフイルムの表面平滑性、及び厚みの薄膜化が要望されている。特に最近蒸着テープに匹敵する性能を有する重層メタル方式のテープが開発され、ベースフイルムに対する表面平滑化の要求はより一層高まってきている。
【0004】
しかしながら、優れた電磁変換特性を維持するために、ベースフイルムの表面を平滑化すると、滑り性またはエアースクイズ性が悪くなり、ロール状に巻き上げる場合にシワが入ったり、ブツが入りやすくなり、巻き上げることが非常に難しくなる。また、フイルム加工工程においても滑り性が悪いと接触する金属ロールとの摩擦が増加し、フイルムにシワが入り、磁性層をうまく塗布できなくなったり、またカレンダーがうまくかけられなくなったりする。
【0005】
一般に、ポリエステルフイルムの滑り性の改良には、(i)原料ポリマー中にその製造過程で触媒残渣から不活性粒子を析出させる方法や、(ii)不活性粒子を添加する方法等によってフイルム表面に微細凹凸を付与する方法が採用されている。これらフイルム中の粒子は、その大きさが大きい程、また、その含有量が多い程、滑り性の改良が大きいのが一般的である。
【0006】
一方、前述のように、電磁変換特性向上の点よりベースフイルムの表面はできるだけ平滑であることが求められている。ベースフイルムの表面粗さが粗いと、磁気記録媒体に加工する場合、ベースフイルムの表面凹凸が磁性層塗布後にも磁性層面に突き出し、電磁変換特性を悪化させる。この場合、ベースフイルム中の粒子の大きさが大きい程また、その含有量が多い程、表面の粗さが粗くなり、電磁変換特性は悪化する。
【0007】
この滑り性の改良と電磁変換特性の向上という相反する特性を両立させる手段として、積層フイルムにすることによって、磁性層を塗布する面は平滑にして電磁変換特性を改善し、反対面は粗面化して滑り性を向上させる手段が広く知られている。
【0008】
しかしながら、上記のような積層二軸配向ポリエステルフイルムを用い、磁性層を塗布する面の反対面(以下、粗面と称する)を粗化した場合でも、ベース厚が薄いが故に、粗面側に添加する滑剤の量、種類、粒径によっては、磁性層を塗布する面(平滑面)にまで影響をおよぼし、平滑な面にうねり等を生じさせ、その平滑性を悪くするという問題を生じる。
【0009】
特に、最近の高密度磁気記録媒体では、磁性層の更なる平滑化が求められ、線厚の高いメタルカレンダーが使用される様になり、粗面側から、平滑面の突起の突き上げによる表面性への悪影響が大きくなってきている。
【0010】
粗面側からの、平滑面の突起の突き上げを少なくするためには、粗面側に含有させる滑剤の粒径を小さくする方法、あるいは粒径の大きいものを少し含有させる方法が提案されている。しかし、前者の場合には形成される突起の高さが低いが故に、十分なエアースクイズ性が得られず、また後者の場合には形成される突起頻度が少ないが故に十分なフイルムの滑り性が得られない。更にフイルムをロール状に巻いたとき、前者の場合は縦シワが入り、また後者の場合はブツが発生し、十分な製品歩留りが得られない、という問題が生じている。
【0011】
また一方、電磁変換特性向上のため、磁性層面側のフイルム表面の更なる平滑化が求められる様になり、実質的に滑剤を含まない平滑層が提案されているが、この場合テープ加工時の平滑面側の搬送性が不良となり、その工程でシワが入り、製品歩留りが大きく低下するという新たな問題が生じている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、かかる問題を同時に解決するフイルムを開発すべく鋭意検討した結果、フイルムを積層二軸配向ポリエステルフイルムとし、粗面側および平滑面側に添加する滑剤の粒径、添加量を特定の値にし、かつ層厚みの構成、粗面側および平滑面の表面粗さ、さらにフイルムの摩擦係数を特定の値にすることによって高密度磁気記録媒体用ベースとして優れた電磁変換特性を有し、かつベースフイルムとしての巻取り性、搬送性にも優れた積層二軸配向ポリエステルフイルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ポリエステルB層の上にポリエステルA層を積層してなる積層二軸配向ポリエステルフイルムであって、(1) ポリエステルA層は平均粒径の異なる滑剤I、IIを含む2種以上の滑剤を含有し、該滑剤Iの平均粒径(dI)が0.2〜0.4μmで、滑剤Iの平均粒径(dI)と滑剤IIの平均粒径(dII)の差(dI−dII)が0.1〜0.3μmであり、滑剤Iの含有量が0.1〜0.4wt%で、滑剤IIの含有量が0.1〜0.8wt%であり、(2) ポリエステルA層の厚みtA(μm)とポリエステルA層に含まれる滑剤の平均粒径(dA)の比(tA/dA)が10〜25であり、(3) ポリエステルB層は平均粒径0.05〜0.2μmの滑剤を0.005〜0.1wt%含有し、(4) ポリエステルA層の中心面平均粗さ(WRaA)が8〜15nm、10点平均粗さ(WRzA)が100〜200nmであり、そしてポリエステルB層の中心面平均粗さ(WRaB)が1〜3.5nm、10点平均粗さ(WRzB)が20〜80nmであり、そして(5) ポリエステルA層表面とポリエステルB層表面とのフイルム摩擦係数(μkf)が0.5以下であることを特徴とする積層二軸配向ポリエステルフイルムである。
【0014】
本発明におけるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。このポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム形成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールあるいは1,4―シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。
【0015】
本発明においては、ポリエステルとしてはアルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレン―2,6―ナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましい。
【0016】
これらポリエステルのうちでも特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレートはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好ましい。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸および/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジピン酸、セバチン酸等の如き脂環族ジカルボン酸;シクロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であることができる。また全グリコール成分の20モル%以下はエチレングリコール以外の上記グリコールであることができ、また例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4―ジヒドロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)等であることもできる。就中、ポリエチレン―2,6―ナフタレートが好ましい。
【0017】
また、本発明におけるポリエステルには、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合あるいは結合するものも包含される。
【0018】
さらに本発明におけるポリエステルには、実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール等を共重合したものも包含される。
【0019】
上記ポリエステルは、それ自体公知であり、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。上記ポリエステルとしては、O―クロロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜0.9のものが好ましく、0.5〜0.7のものがさらに好ましく、0.55〜0.65のものが特に好ましい。
【0020】
本発明における積層二軸配向ポリエステルフイルムは、ポリエステルA層とポリエステルB層の2層より構成される。2層のポリエステルは同じものでも違ったものでもよいが、同じものが好ましい。
【0021】
本発明における積層二軸配向ポリエステルフイルムは、全体の厚みが2〜10μmである。好ましくは3〜7μm、更に好ましくは4〜6μmである。この厚みが10μmを超えると、テープ厚みが厚くなり、例えばカセットに入れるテープ長さが短くなり、十分な磁気記録容量が得られない。一方、2μm未満ではフイルム厚みが薄いが故に、フイルム製膜時にフイルム破断が多発し、またフイルムの巻取り性が不良となり、良好なフイルムロールが得られない。また平滑層の厚みが薄くなり、粗面側からの平滑面への表面性の影響が大きくなり、満足し得る平滑面の表面性も得られなくなる。
【0022】
本発明における積層二軸配向ポリエステルフイルムは縦方向のヤング率が500〜1000kg/mm2 、横方向のヤング率が500〜1400kg/mm2 で縦方向と横方向のヤング率の和が1300〜2000kg/mm2 であることが好ましい。また、ヘリカル方式の磁気記録媒体用テープとして供する場合は、該テープと磁気ヘッドとの当たりの向上の観点から、横方向のヤング率が縦方向ヤング率より大きい方がより好ましい。ここで縦方向のヤング率が500kg/mm2 未満であると、磁気テープの縦方向強度が弱くなり、記録・再生時縦方向に強い力がかかると、容易に破断してしまう。また横方向のヤング率が500kg/mm2 未満であると、磁気テープの横方向強度が弱くなり、該テープと磁気ヘッドとの当たりが弱くなり、満足し得る電磁変換特性が得られない。一方、縦方向のヤング率が1000kg/mm2 を超えると、横方向の強度が低下し、該テープと磁気ヘッドとの当たりが弱くなり、満足し得る電磁変換特性が得られ難い。また横方向のヤング率が1400kg/mm2 を超えると、縦方向の強度が低下し、記録・再生時に縦方向に強い力がかかると容易に破断してしまう。
【0023】
また縦方向と横方向のヤング率の和が1300kg/mm2 未満であると、該テープと磁気ヘッドとの当たりが弱くなり、満足し得る電磁変換特性が得られない。一方、2000kg/mm2 を超えると、フイルム製膜時、延伸倍率が高くなり、フイルム破断が多発し、製品歩留りが著しく悪くなる。
【0024】
本発明におけるポリエステルA層は、少なくとも平均粒径の異なる滑剤I、滑剤IIの2種以上の滑剤を含有したものが好ましい。単一系の滑剤系では相反する巻取り性と電磁変換特性の両立がむずかしくなる。
【0025】
本発明における積層二軸配向ポリエステルフイルムのポリエステルA層は、平均粒径の異なる滑剤I、IIを含む2種以上の滑剤を含有し、該滑剤Iの平均粒径(dI )が0.2〜0.4μmで、滑剤Iの平均粒径(dI )と滑剤IIの平均粒径(dII)の差(dI −dII)が0.1〜0.3μmであり、滑剤Iの含有量が0.1〜0.4wt%で、滑剤IIの含有量が0.1〜0.8wt%である必要がある。
【0026】
単成分の滑剤系では、粒径の大きなものを使用した場合、電磁変換特性の観点から、添加量を少なくする必要があり、フイルムの摩擦係数が高くなり、ロール状に巻いた時、ブツが発生し、うまく巻けない。また粒径の小さなものを使用した場合、添加量を多くすることはできるが、十分なエアースクイズ性が得られず、フイルムをロール状に巻いたとき、縦シワが発生し、うまく巻けない。そして、ブツと縦シワの発生の関係から、単成分系では粒径と添加量の適正領域をとることができない。
【0027】
前記ポリエステルA層の滑剤系は、平均粒径の異なる少なくとも滑剤I、IIを含有した2種以上の滑剤系からなる。そして滑剤Iの平均粒径は0.2μm以上0.4μm未満である。好ましくは0.25μm以上0.35μm未満、特には約0.3μmが好ましい。この平均粒径が0.2μm未満では、エアースクイズ性が不足し、縦シワが発生し、うまく巻けない。一方0.4μm以上であると、最新の超高密度磁気記録媒体用のベースとして供するには、電磁変換特性の観点から添加量をあまり大きくできずフイルムの摩擦係数が高くなり、ブツが発生し、うまく巻けない。また滑剤Iの添加量は0.1〜0.4wt%である必要がある。この量が0.1wt%未満ではフイルムの摩擦係数が高く、ロール状に巻いた時、ブツが発生しうまく巻けない。一方、0.4wt%以上では満足し得る電磁変換特性が得られない。
【0028】
また、滑剤IIの平均粒径は、滑剤Iの平均粒径より0.1〜0.3μm小さい範囲にあることが必要である。その差が0.1μm未満であると、単成分系に近くなり、単成分系と同様の問題を生じる。一方、0.3μmより大きいと、滑剤IIの平均粒径が小さくなりすぎ、地肌の突起形成が小さすぎ、フイルムの摩擦係数が高くなり、ロール状に巻いた時、ブツが発生し、うまく巻けない。
【0029】
また滑剤IIの添加量は0.1〜0.8wt%の範囲にある必要がある。好ましくは0.15〜0.5wt%、さらに好ましくは0.2〜0.3wt%がよい。0.1wt%未満ではフイルムの摩擦係数が高くなり、ロール状に巻いた時、ブツが発生し、うまく巻けない。一方、0.8wt%より大きいと、表面粗さが粗くなり、満足し得る電磁変換特性が得られない。
【0030】
本発明におけるポリエステルB層は平均粒径0.05〜0.2μmの滑剤を0.005〜0.1wt%含有する必要がある。この平均粒径が0.05μm未満、また含有量が0.005wt%未満では、平滑面側の表面が平滑になりすぎ、金属ロールとの摩擦係数が高くなり、フイルムがうまく走行せず、シワが入ったり、磁性層をうまく塗布できなくなったり、またうまくカレンダーをかけられなくなってしまう。一方、平均粒径が0.2μmを超えたり、また含有量が0.1wt%を超えると、満足し得る電磁変換特性が得られない。
【0031】
本発明の積層ポリエステルフイルムの層厚み構成はポリエステルA層の厚みtA とポリエステルA層に含まれる滑剤の平均粒径DA の比が10〜25、好ましくは10〜20、さらに好ましくは10〜15がよい。この比が10未満の場合、粒子が脱落しやすくなり、ベースが削れやすくなるという弊害が生じ、一方25を超えると、ポリエステル層Aと反対側のポリエステルB層表面にA層中の粒子の影響を受け、表面が粗くなり、電磁変換特性を悪化させるため好ましくない。
【0032】
またポリエステルA層およびB層の表面粗さは、
WRaA=6〜15(nm)、WRzA=100〜200(nm)、
WRaB=1〜3.5(nm)、WRzB=20〜80(nm)、
(但し、WRaAはポリエステルA層の中心面平均粗さ、WRaBはポリエステルB層の中心面平均粗さ、WRzAはポリエステルA層の10点平均粗さ、WRzBはポリエステルB層の10点平均粗さである。)、
好ましくは
WRaA=8〜15(nm)、WRzA=100〜180(nm)、
WRaB=1〜3.5(nm)、WRzB=20〜60(nm)、
さらに好ましくは
WRaA=10〜15(nm)、WRzA=100〜150(nm)、
WRaB=1〜2.5(nm)、WRzB=20〜50(nm)
がよい。
【0033】
ポリエステルA層の中心面平均粗さWRaAが6nm未満であると、フイルムをロール状に巻いたとき、フイルムのすべりが悪くなり、ブツが発生し、うまく巻けない。また、WRzAが100nm未満であると、エアースクイズ性が悪くなり、縦シワが発生し、うまく巻けない。一方、WRaAが15nmより大きい場合、またはWRzAが200nmより大きい場合、カレンダー工程で平滑面への突起の突き上げ、またキュアリング工程で磁性面への突起の転体があり、磁性面が粗れ電磁変換特性が悪化する。
【0034】
またポリエステルB層の表面粗さWRaBが1nm未満、あるいはWRzBが20nm未満であると、金属ロールに対する摩擦係数が高くなり、フイルムがうまく走行できず、シワが入ったり、磁性層をうまく塗布できなくなったり、またうまくカレンダーをかけられなくなってしまう。一方、WRaBが3.5nmまたはWRzBが80nmを超えると、磁性面の表面が粗くなり、満足し得る電磁変換特性が得られなくなる。
【0035】
本発明におけるフイルムの摩擦係数(平滑面と粗面の摩擦係数)は0.5以下である必要がある。好ましくは0.45以下、さらに好ましくは0.4以下がよい。このフイルム摩擦係数が0.5を超えると、ロール状にフイルムを巻いた時、ブツが入り、うまく巻けない。
【0036】
本発明におけるポリエステルA層あるいはポリエステルB層に含有される滑剤は粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2の範囲にある球状不活性粒子が好ましい。
【0037】
かかる不活性粒子としては耐熱性高分子粒子、無機粒子が好ましく挙げられる。
【0038】
上記耐熱性高分子粒子としては、例えば架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋スチレン―アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、メラミン樹脂粒子等が好ましくはあげられる。この中でも架橋ポリスチレン樹脂粒子や架橋シリコーン樹脂粒子を用いると、本発明の効果が一層顕著となるので好ましい。
【0039】
また、無機粒子としては球状シリカ粒子が好ましい。
【0040】
本発明におけるポリエステルA層および/又はポリエステルB層は、好ましくはポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン―2,6―ナフタレートからなり、さらに好ましくはポリエチレン―2,6―ナフタレートからなる。特にフイルム全体の厚みが6μm以上の場合はポリエチレンテレフタレートからなってもよいが、6μm未満になるとヤング率をより高くできるポリエチレン―2,6―ナフタレートが好ましい。
【0041】
本発明における積層二軸配向ポリエステルフイルムは、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積されている方法に準じて製造することができる。例えば、先ず積層未配向フイルムを製造し、次いで該フイルムを二軸配向させることで得ることができる。この積層未配向フイルムは、従来から蓄積された積層フイルムの製造法で製造することができる。例えば、ポリエステルA層と、反対面を形成するポリエステルB層とを、ポリエステルの溶融状態又は冷却固化された状態で積層する方法を用いることができる。さらに具体的には、例えば共押出し、エクストルージョンラミネート等の方法で製造できる。上述の方法で積層されたフイルムは、更に従来から蓄積された二軸配向フイルムの製造法に準じて行ない、二軸配向フイルムとすることができる。例えば、融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度でポリエステルを溶融・共押出して積層未延伸フイルムを得、該積層未延伸フイルムを一軸方向(縦方向又は横方向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向にTg〜(Tg+70)℃の温度で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸するのが好ましい。さらに必要に応じて縦方向および/又は横方向に再度延伸してもよい。このようにして全延伸倍率は、面積延伸倍率として9倍以上が好ましく、12〜35倍がさらに好ましく、15〜30倍が特に好ましい。さらにまた、二軸配向フイルムは、(Tg+70)〜(Tm−10)℃の温度で熱固定することができ、例えば180〜250℃で熱固定するのが好ましい。熱固定時間は1〜60秒が好ましい。
【0042】
本発明の積層二軸配向ポリエステルフイルムは、優れた平滑性、滑り性、巻き取り性等を有し、高密度磁気記録媒体、特にデジタル記録型磁気機記録媒体のベースフイルムとして好ましく用いられる。
【0043】
本発明の積層二軸配向ポリエステルフイルムは、ポリエステルB層の表面に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法により、鉄、コバルト、クロム又はこれらを主成分とする合金もしくは酸化物より成る強磁性金属薄膜層を形成し、またその表面に、目的、用途、必要に応じてダイアモンドライクカーボン(DLC)等の保護層、含フッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、更にポリエステルA層側の表面に公知のバックコート層を設けることにより、特に短波超長領域の出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体とすることができる。この蒸着型電磁記録媒体は、アナログ信号記録用Hi8、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセットレコーダー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV用テープ媒体として極めて有用である。
【0044】
本発明の積層二軸配向ポリエステルフイルムは、また、ポリエステルB層の表面に、鉄又は鉄を主成分とする針状微細磁性粉をポリ塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布し、特に短波長領域での出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用メタル塗布型磁気記録媒体とすることができる。また、必要に応じて該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散し、塗設することもできる。このメタル塗布型磁気記録媒体は、アナログ信号記録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、W―VHS、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセットコーダー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV、ディジタルβカム、D2、D3、SX等用テープ媒体として極めて有用である。
【0045】
本発明の積層二軸配向ポリエステルフイルムは、また、ポリエステルB層の表面に、酸化鉄又は酸化クロム等の針状微細磁性粉、又はバリウムフェライト等の板状微細磁性粉をポリ塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布し、特に短波長領域での出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用塗布型磁気記録媒体とすることができる。また、必要に応じてB層の上に、該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することもできる。この酸化物塗布型磁気記録媒体は、ディジタル信号記録用データストリーマー用QIC等の高密度酸化物塗布型磁気記録媒体として有用である。
【0046】
上述のW―VHSはアナログのHDTV信号記録用VTRであり、またDVCはディジタルのHDTV信号記録用として適用可能なものであり、本発明のフイルムはこれらHDTV対応VTR用磁気記録媒体に極めて有用なベースフイルムと言うことができる。
【0047】
なお、本発明における種々の物性値および特性は、以下の如く測定されたものである。
【0048】
(1)粒子の平均粒径(d)
島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とする(Book「粒度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、頁242〜247参照)。
【0049】
なお、製膜された二軸配向ポリエステルフイルムにおける滑剤の平均粒径については、次の方法にて求める。
【0050】
フイルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法(例えばヤマト科学製、PR―503型)で除去し、粒子を露出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(例えば、ケンブリッジインストルメント製、QTM900)に結びつけ、観察箇所を変えて粒子数5000個以上で次式(1)の数値処理を行い、それによって求めた数平均粒径dを平均粒径とする。
【0051】
【数1】
d=Σd1 /n ……(1)
ここで、d1 は粒子の円相当径、nは個数である。
【0052】
(2)粒子の含有量
ポリエステルは溶解し、粒子は溶解させない溶媒を選択し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0053】
(3)層厚み
2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ3000nm迄の範囲のフイルム中の粒子の内もっとも高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。そして一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、これを表層厚さとする。
【0054】
条件は次のとおりである。
▲1▼測定装置
2次イオン質量分析装置(SIMS)
▲2▼測定条件
1次イオン種 :O2 +
1次イオン加速電圧:12KV
1次イオン電流:200nA
ラスター領域 :400μm□
分析領域 :ゲート30%
測定真空度 :6.0×10-3Torr
E―GUN :0.5KV―3.0A
【0055】
なお、表層から深さ3000nm迄の範囲にもっとも多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプロファイルを測定し、表層厚さを求めてもよい。
【0056】
(4)ヤング率
フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件でインストロンタイプの万能引張試験装置にて引張る。得られる荷重―伸び曲線の立上がり部の接線よりヤング率を計算する。
【0057】
(5)表面粗さ(WRa、WRz)
WYKO社製非接触式三次元粗さ計(NT―2000)を用いて測定倍率40倍、測定面積246.6μm×187.5μm(0.0462mm2 )の条件にて、測定数(n)10以上で測定を行ない、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトにより、中心面平均粗さ(WRa)、および10点平均粗さ(WRz)を求める。
【0058】
(A)中心面平均粗さ(WRa)
【0059】
【数2】
【0060】
Zjkは測定方向(244.6μm)、それと直行する方向(187.5μm)をそれぞれm分割、n分割したときの各方向のj番目、k番目の位置における2次元粗さチャート上の高さである。
【0061】
(B)10点平均粗さ(WRz)
ピーク(HP)の高い方から5点と谷(Hv)の低い方から5点をとり、その平均粗さをWRzとする。
【0062】
【数3】
【0063】
(6)巻取り性
フイルムを1000mm幅で、6000mロール状に巻いたときの2mmφ以上の大きさのブツの発生個数(図1参照)および縦シワの発生状況(図2参照)を測定し、ブツの個数については製品幅1m当りに比例換算する。なお評価は10本以上巻いた時の1本当りの平均値を求め、下記のように評価する。
(A)ブツ
◎:0〜2 ケ/m
○:3〜5 ケ/m
△:6〜10ケ/m
×:11 ケ/m以上
(B)縦シワ
◎:0〜10 %未満
○:10〜20%未満
△:20〜30%未満
×:30 %以上
【0064】
(7)フイルム厚み
ゴミが入らないようにフイルムを10枚重ね、打点式電子マイクロメータにて厚みを測定し、1枚当たりのフイルム厚みを計算する。
【0065】
(8)搬送性
原反巾1000mmのロールをテープ化する時の磁性層塗布工程あるいはカレンダー工程でのフイルム平滑面と金属ロールとのすべり性不良による工程シワの発生を下記のように判定する。
◎:シワの発生が全くなし
○:シワの発生は少しあるが工程上問題なし
△:シワの発生はあるが工程上、使いこなせる
×:シワの発生が、強く使いこなせない
【0066】
(9)電磁変換特性
下記市販の機器を用いて、周波数7.4MHZの信号を記録し、その再生信号の6.4MHZと7.4MHZの値の比をそのテープのC/Nとし、比較例1のC/NをOdBとし、相対値で表す。
◎:+3dB以上
○:+1dB以上+3dB未満
×:+1dB未満
[使用機器]
8mmビデオレコーダ:ソニー(株)製 EDV―6000
C/N測定:シバソク(株)製ノイズメータ
【0067】
(10)フイルム摩擦係数
重ね合わせた2枚のフイルムの下側に固定したガラス板を置き、重ね合わせたフイルムの下側(ガラス板と接しているフイルム)のフイルムを低速ロールにて引取り(約10cm/分)、上側のフイルムの一端(下側フイルムの引取り方向と逆端)に検出器を固定してフイルム/フイルム間のスタート時の引張力を検出する。尚、そのときに用いるスレッドは重さ1kg、下側面積100cm2 のものを使用する。
なお摩擦係数(μs)は次式より求めた。
【0068】
【数4】
【0069】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに説明する。
【0070】
[実施例1〜2、比較例1〜2]
ジメチル―2,6―ナフタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示す添加粒子を添加して常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.61のA層用及びB層用ポリエチレン―2,6―ナフタレート(PEN)を得た。
【0071】
このポリエチレン―2,6―ナフタレートのペレットを170℃で6時間乾燥後、2台の押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いてB層の片側にA層を積層させ、表面仕上げ0.3S程度、表面温度60℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み105μmの積層未延伸フイルムを得た。なお2台の押出機の吐出量は表1に示す層厚み構成になるよう調整した。
【0072】
このようにして得られた積層未延伸フイルムを120℃に予熱し、更に低速、高速のロール間で15mm上方より900℃の表面温度のIRヒーターにて加熱して4.0倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、145℃にて横方向に5.0倍に延伸した。得られた二軸延伸フイルムを210℃の熱風で4秒間熱固定し、厚み5.2μmの二軸配向積層ポリエステルフイルムを得た。これらのフイルムのヤング率は縦方向600kg/mm2 、横方向900kg/mm2 であった。
【0073】
なお、磁気テープの製造法は次のとおり行なった。
【0074】
下記に示す組成物をボールミルに入れ、16時間混練、分散した後、イソシアネート化合物(バイエル社製のデスモジュールL)5部を加え、1時間高速剪断分散して磁性塗料とする。
磁性塗料の組成:
針状Fe粒子 100重量部
塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体 15重量部
(積水化学製エスレック7A)
熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部
酸化クロム 5重量部
カーボンブラック 5重量部
レシチン 2重量部
脂肪酸エステル 1重量部
トルエン 50重量部
メチルエチルケトン 50重量部
シクロヘキサノン 50重量部
【0075】
この磁性塗料を二軸配向積層ポリエステルフイルムの片面(B層)に、塗布厚0.5μmとなるように塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中で配向処理を行ない、100℃で加熱乾燥後、スパーカレンダー処理(線圧300kg/cm、温度80℃)を行ない、巻き取った。この巻き取ったロールを55℃のオーブン中に3日間保持した後、8mm巾に裁断して磁気テープを得た。
【0076】
[実施例3]
表1に示す添加粒子をポリエステルA層およびポリエステルB層に添加し、またフイルムのヤング率が縦方向550kg/mm2 、横方向1200kg/mm2 になるように縦方向および横方向の延伸倍率を変える以外は実施例1と同じように行って、積層二軸配向ポリエステルフイルムを得、その後実施例1と同様な方法にて磁気テープを得た。
【0077】
[比較例3]
表1に示す添加粒子を単層系にて実施した以外は実施例1と同様な方法にて磁気テープを得た。
【0078】
【表1】
【0079】
表1から明らかなように、本発明によるものは、優れた電磁変換特性を示しつつ、優れた巻取り性、搬送性の特性を有している。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた電磁変換特性を有し、かつ優れた巻取り性、搬送性等の特性を有した積層二軸配向ポリエステルフイルムを提供することができる。このポリエステルフイルムは、磁気記録媒体のベースフイルムとして、特に1/2インチビデオテープ、8mmビデオテープ、データカートリッジテープ、デジタル方式のビデオテープ等の磁気テープのベースフイルムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フイルムをロール状に巻いたときのブツの発生状況を模式的に示す説明図である。
【図2】フイルム縦シワの発生状況とこの比率を求める模式的説明図である。
Claims (10)
- ポリエステルB層の上にポリエステルA層を積層してなる積層二軸配向ポリエステルフイルムであって、
(1) ポリエステルA層は平均粒径の異なる滑剤I、IIを含む2種以上の滑剤を含有し、該滑剤Iの平均粒径(dI)が0.2〜0.4μmで、滑剤Iの平均粒径(dI)と滑剤IIの平均粒径(dII)の差(dI−dII)が0.1〜0.3μmであり、滑剤Iの含有量が0.1〜0.4wt%で、滑剤IIの含有量が0.1〜0.8wt%であり、
(2) ポリエステルA層の厚みtA(μm)とポリエステルA層に含まれる滑剤の平均粒径(dA)の比(tA/dA)が10〜25であり、
(3) ポリエステルB層は平均粒径0.05〜0.2μmの滑剤を0.005〜0.1wt%含有し、
(4) ポリエステルA層の中心面平均粗さ(WRaA)が8〜15nm、10点平均粗さ(WRzA)が100〜200nmであり、そしてポリエステルB層の中心面平均粗さ(WRaB)が1〜3.5nm、10点平均粗さ(WRzB)が20〜80nmであり、そして
(5) ポリエステルA層表面とポリエステルB層表面とのフイルム摩擦係数(μkF)が0.5以下である
ことを特徴とする積層二軸配向ポリエステルフイルム。 - ポリエステルA層に含まれる滑剤I、滑剤IIが球状不活性粒子である請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
- ポリエステルA層に含まれる滑剤I、滑剤IIが球状シリカ粒子である請求項2記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
- ポリエステルA層に滑剤I、IIよりさらに平均粒径が小さい滑剤III を含有する請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
- ポリエステルB層に含まれる滑剤が不活性粒子である請求項4記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
- ポリエステルB層に含まれる滑剤が球状シリカ粒子である請求項5記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
- フイルムの縦方向のヤング率が500〜1000kg/mm2、横方向のヤング率が500〜1400kg/mm2で、縦方向と横方向のヤング率の和が1300〜2000kg/mm2である請求項1〜6のいずれか1項記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
- フイルムの横方向のヤング率が縦方向のヤング率よりも大きい請求項7記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
- ポリエステルA層およびポリエステルB層がポリエチレン―2,6―ナフタレートからなる請求項1、7又は8記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
- デジタル記録方式の磁気記録テープに用いられる請求項1または7記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。
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