JP2000043214A - 積層二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

積層二軸配向ポリエステルフイルム

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JP2000043214A JP21250998A JP21250998A JP2000043214A JP 2000043214 A JP2000043214 A JP 2000043214A JP 21250998 A JP21250998 A JP 21250998A JP 21250998 A JP21250998 A JP 21250998A JP 2000043214 A JP2000043214 A JP 2000043214A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フイルムの巻取り性、ハンドリンク性に優
れ、かつ高密度磁気記録媒体、特にデジタル記録型磁気
記録媒体のベースフイルムとして優れた電磁気変換特性
を付与する積層二軸配向ポリエステルフイルムを提供す
る。 【解決手段】 (1)ポリエステルA層は平均粒径0.
2〜0.4μmと0.1〜0.3μmの滑剤I,IIを
含有し、平均粒径の差が0.1〜0.3μm、滑剤I,
IIの含有量が0.1〜0.4、0.1〜0.8wt%
である。(2)A層の厚みと滑剤の平均粒径の比が10
〜25である。(3)B層は平均粒径0.05〜0.2
μmの滑剤を0.005〜0.1wt%含有する。
(4)A層の中心面平均粗さが6〜15nm、10点平
均粗さが100〜20nm、B層の中心平均粗さが1〜
3.5nm、10点平均粗さが20〜80nmである。
(5)A層表面とB層表面との摩擦係数が0.5以下で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層二軸配向ポリエ
ステルフイルムに関する。さらに詳しくは、フイルムの
巻取り性、ハンドリング性に優れ、かつ高密度磁気記録
媒体、特にデジタル記録型磁気記録媒体のベースフイル
ムとして用いたときに優れた電磁変換特性を付与する積
層二軸配向ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフイルムに
代表される二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れ
た物理的、化学的特性の故に広い用途に、特に磁気記録
媒体のベースフイルムとして用いられている。
【0003】近年、磁気記録媒体においては、高密度
化、高容量化が進められており、それに伴ってベースフ
イルムの表面平滑性、及び厚みの薄膜化が要望されてい
る。特に最近蒸着テープに匹敵する性能を有する重層メ
タル方式のテープが開発され、ベースフイルムに対する
表面平滑化の要求はより一層高まってきている。
【0004】しかしながら、優れた電磁変換特性を維持
するために、ベースフイルムの表面を平滑化すると、滑
り性またはエアースクイズ性が悪くなり、ロール状に巻
き上げる場合にシワが入ったり、ブツが入りやすくな
り、巻き上げることが非常に難しくなる。また、フイル
ム加工工程においても滑り性が悪いと接触する金属ロー
ルとの摩擦が増加し、フイルムにシワが入り、磁性層を
うまく塗布できなくなったり、またカレンダーがうまく
かけられなくなったりする。
【0005】一般に、ポリエステルフイルムの滑り性の
改良には、(i)原料ポリマー中にその製造過程で触媒
残渣から不活性粒子を析出させる方法や、(ii)不活性
粒子を添加する方法等によってフイルム表面に微細凹凸
を付与する方法が採用されている。これらフイルム中の
粒子は、その大きさが大きい程、また、その含有量が多
い程、滑り性の改良が大きいのが一般的である。
【0006】一方、前述のように、電磁変換特性向上の
点よりベースフイルムの表面はできるだけ平滑であるこ
とが求められている。ベースフイルムの表面粗さが粗い
と、磁気記録媒体に加工する場合、ベースフイルムの表
面凹凸が磁性層塗布後にも磁性層面に突き出し、電磁変
換特性を悪化させる。この場合、ベースフイルム中の粒
子の大きさが大きい程また、その含有量が多い程、表面
の粗さが粗くなり、電磁変換特性は悪化する。
【0007】この滑り性の改良と電磁変換特性の向上と
いう相反する特性を両立させる手段として、積層フイル
ムにすることによって、磁性層を塗布する面は平滑にし
て電磁変換特性を改善し、反対面は粗面化して滑り性を
向上させる手段が広く知られている。
【0008】しかしながら、上記のような積層二軸配向
ポリエステルフイルムを用い、磁性層を塗布する面の反
対面(以下、粗面と称する)を粗化した場合でも、ベー
ス厚が薄いが故に、粗面側に添加する滑剤の量、種類、
粒径によっては、磁性層を塗布する面(平滑面)にまで
影響をおよぼし、平滑な面にうねり等を生じさせ、その
平滑性を悪くするという問題を生じる。
【0009】特に、最近の高密度磁気記録媒体では、磁
性層の更なる平滑化が求められ、線厚の高いメタルカレ
ンダーが使用される様になり、粗面側から、平滑面の突
起の突き上げによる表面性への悪影響が大きくなってき
ている。
【0010】粗面側からの、平滑面の突起の突き上げを
少なくするためには、粗面側に含有させる滑剤の粒径を
小さくする方法、あるいは粒径の大きいものを少し含有
させる方法が提案されている。しかし、前者の場合には
形成される突起の高さが低いが故に、十分なエアースク
イズ性が得られず、また後者の場合には形成される突起
頻度が少ないが故に十分なフイルムの滑り性が得られな
い。更にフイルムをロール状に巻いたとき、前者の場合
は縦シワが入り、また後者の場合はブツが発生し、十分
な製品歩留りが得られない、という問題が生じている。
【0011】また一方、電磁変換特性向上のため、磁性
層面側のフイルム表面の更なる平滑化が求められる様に
なり、実質的に滑剤を含まない平滑層が提案されている
が、この場合テープ加工時の平滑面側の搬送性が不良と
なり、その工程でシワが入り、製品歩留りが大きく低下
するという新たな問題が生じている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、かかる問
題を同時に解決するフイルムを開発すべく鋭意検討した
結果、フイルムを積層二軸配向ポリエステルフイルムと
し、粗面側および平滑面側に添加する滑剤の粒径、添加
量を特定の値にし、かつ層厚みの構成、粗面側および平
滑面の表面粗さ、さらにフイルムの摩擦係数を特定の値
にすることによって高密度磁気記録媒体用ベースとして
優れた電磁変換特性を有し、かつベースフイルムとして
の巻取り性、搬送性にも優れた積層二軸配向ポリエステ
ルフイルムが得られることを見出し、本発明に到達し
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リエステルB層の上にポリエステルA層を積層してなる
積層二軸配向ポリエステルフイルムであって、(1)
ポリエステルA層は平均粒径の異なる滑剤I、IIを含む
2種以上の滑剤を含有し、該滑剤Iの平均粒径(dI
が0.2〜0.4μmで、滑剤Iの平均粒径(dI )と
滑剤IIの平均粒径(dII)の差(dI −dII)が0.1
〜0.3μmであり、滑剤Iの含有量が0.1〜0.4
wt%で、滑剤IIの含有量が0.1〜0.8wt%であ
り、(2) ポリエステルA層の厚みtA (μm)とポ
リエステルA層に含まれる滑剤の平均粒径(dA )の比
(tA /dA )が10〜25であり、(3) ポリエス
テルB層は平均粒径0.05〜0.2μmの滑剤を0.
005〜0.1wt%含有し、(4) ポリエステルA
層の中心面平均粗さ(WRaA)が6〜15nm、10
点平均粗さ(WRzA)が100〜20nmであり、そ
してポリエステルB層の中心面平均粗さ(WRaB)が
1〜3.5nm、10点平均粗さ(WRzB)が20〜
80nmであり、そして(5) ポリエステルA層表面
とポリエステルB層表面とのフイルム摩擦係数(μ
f )が0.5以下であることを特徴とする積層二軸配
向ポリエステルフイルムである。
【0014】本発明におけるポリエステルとは、芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルである。この
ポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム形
成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳香
族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6
―ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカ
ルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセ
ンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコ
ールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチ
レングリコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレン
グリコールあるいは1,4―シクロヘキサンジメタノー
ルの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。
【0015】本発明においては、ポリエステルとしては
アルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレン―
2,6―ナフタレートを主たる構成成分とするものが好
ましい。
【0016】これらポリエステルのうちでも特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタ
レートはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の
80モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6―ナ
フタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80
モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好ま
しい。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸
および/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の上
記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばア
ジピン酸、セバチン酸等の如き脂環族ジカルボン酸;シ
クロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジカ
ルボン酸等であることができる。また全グリコール成分
の20モル%以下はエチレングリコール以外の上記グリ
コールであることができ、また例えばハイドロキノン、
レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)
プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4―ジヒドロキ
シジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオー
ル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキ
レングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)等
であることもできる。就中、ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートが好ましい。
【0017】また、本発明におけるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオ
キシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重
合あるいは結合するものも包含される。
【0018】さらに本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポ
リヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエ
リスリトール等を共重合したものも包含される。
【0019】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
上記ポリエステルとしては、O―クロロフェノール中の
溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜
0.9のものが好ましく、0.5〜0.7のものがさら
に好ましく、0.55〜0.65のものが特に好まし
い。
【0020】本発明における積層二軸配向ポリエステル
フイルムは、ポリエステルA層とポリエステルB層の2
層より構成される。2層のポリエステルは同じものでも
違ったものでもよいが、同じものが好ましい。
【0021】本発明における積層二軸配向ポリエステル
フイルムは、全体の厚みが2〜10μmである。好まし
くは3〜7μm、更に好ましくは4〜6μmである。こ
の厚みが10μmを超えると、テープ厚みが厚くなり、
例えばカセットに入れるテープ長さが短くなり、十分な
磁気記録容量が得られない。一方、2μm未満ではフイ
ルム厚みが薄いが故に、フイルム製膜時にフイルム破断
が多発し、またフイルムの巻取り性が不良となり、良好
なフイルムロールが得られない。また平滑層の厚みが薄
くなり、粗面側からの平滑面への表面性の影響が大きく
なり、満足し得る平滑面の表面性も得られなくなる。
【0022】本発明における積層二軸配向ポリエステル
フイルムは縦方向のヤング率が500〜1000kg/
mm2 、横方向のヤング率が500〜1400kg/m
2で縦方向と横方向のヤング率の和が1300〜20
00kg/mm2 であることが好ましい。また、ヘリカ
ル方式の磁気記録媒体用テープとして供する場合は、該
テープと磁気ヘッドとの当たりの向上の観点から、横方
向のヤング率が縦方向ヤング率より大きい方がより好ま
しい。ここで縦方向のヤング率が500kg/mm2
満であると、磁気テープの縦方向強度が弱くなり、記録
・再生時縦方向に強い力がかかると、容易に破断してし
まう。また横方向のヤング率が500kg/mm2 未満
であると、磁気テープの横方向強度が弱くなり、該テー
プと磁気ヘッドとの当たりが弱くなり、満足し得る電磁
変換特性が得られない。一方、縦方向のヤング率が10
00kg/mm2 を超えると、横方向の強度が低下し、
該テープと磁気ヘッドとの当たりが弱くなり、満足し得
る電磁変換特性が得られ難い。また横方向のヤング率が
1400kg/mm2 を超えると、縦方向の強度が低下
し、記録・再生時に縦方向に強い力がかかると容易に破
断してしまう。
【0023】また縦方向と横方向のヤング率の和が13
00kg/mm2 未満であると、該テープと磁気ヘッド
との当たりが弱くなり、満足し得る電磁変換特性が得ら
れない。一方、2000kg/mm2 を超えると、フイ
ルム製膜時、延伸倍率が高くなり、フイルム破断が多発
し、製品歩留りが著しく悪くなる。
【0024】本発明におけるポリエステルA層は、少な
くとも平均粒径の異なる滑剤I、滑剤IIの2種以上の滑
剤を含有したものが好ましい。単一系の滑剤系では相反
する巻取り性と電磁変換特性の両立がむずかしくなる。
【0025】本発明における積層二軸配向ポリエステル
フイルムのポリエステルA層は、平均粒径の異なる滑剤
I、IIを含む2種以上の滑剤を含有し、該滑剤Iの平均
粒径(dI )が0.2〜0.4μmで、滑剤Iの平均粒
径(dI )と滑剤IIの平均粒径(dII)の差(dI −d
II)が0.1〜0.3μmであり、滑剤Iの含有量が
0.1〜0.4wt%で、滑剤IIの含有量が0.1〜
0.8wt%である必要がある。
【0026】単成分の滑剤系では、粒径の大きなものを
使用した場合、電磁変換特性の観点から、添加量を少な
くする必要があり、フイルムの摩擦係数が高くなり、ロ
ール状に巻いた時、ブツが発生し、うまく巻けない。ま
た粒径の小さなものを使用した場合、添加量を多くする
ことはできるが、十分なエアースクイズ性が得られず、
フイルムをロール状に巻いたとき、縦シワが発生し、う
まく巻けない。そして、ブツと縦シワの発生の関係か
ら、単成分系では粒径と添加量の適正領域をとることが
できない。
【0027】前記ポリエステルA層の滑剤系は、平均粒
径の異なる少なくとも滑剤I、IIを含有した2種以上の
滑剤系からなる。そして滑剤Iの平均粒径は0.2μm
以上0.4μm未満である。好ましくは0.25μm以
上0.35μm未満、特には約0.3μmが好ましい。
この平均粒径が0.2μm未満では、エアースクイズ性
が不足し、縦シワが発生し、うまく巻けない。一方0.
4μm以上であると、最新の超高密度磁気記録媒体用の
ベースとして供するには、電磁変換特性の観点から添加
量をあまり大きくできずフイルムの摩擦係数が高くな
り、ブツが発生し、うまく巻けない。また滑剤Iの添加
量は0.1〜0.4wt%である必要がある。この量が
0.1wt%未満ではフイルムの摩擦係数が高く、ロー
ル状に巻いた時、ブツが発生しうまく巻けない。一方、
0.4wt%以上では満足し得る電磁変換特性が得られ
ない。
【0028】また、滑剤IIの平均粒径は、滑剤Iの平均
粒径より0.1〜0.3μm小さい範囲にあることが必
要である。その差が0.1μm未満であると、単成分系
に近くなり、単成分系と同様の問題を生じる。一方、
0.3μmより大きいと、滑剤IIの平均粒径が小さくな
りすぎ、地肌の突起形成が小さすぎ、フイルムの摩擦係
数が高くなり、ロール状に巻いた時、ブツが発生し、う
まく巻けない。
【0029】また滑剤IIの添加量は0.1〜0.8wt
%の範囲にある必要がある。好ましくは0.15〜0.
5wt%、さらに好ましくは0.2〜0.3wt%がよ
い。0.1wt%未満ではフイルムの摩擦係数が高くな
り、ロール状に巻いた時、ブツが発生し、うまく巻けな
い。一方、0.8wt%より大きいと、表面粗さが粗く
なり、満足し得る電磁変換特性が得られない。
【0030】本発明におけるポリエステルB層は平均粒
径0.05〜0.2μmの滑剤を0.005〜0.1w
t%含有する必要がある。この平均粒径が0.05μm
未満、また含有量が0.005wt%未満では、平滑面
側の表面が平滑になりすぎ、金属ロールとの摩擦係数が
高くなり、フイルムがうまく走行せず、シワが入った
り、磁性層をうまく塗布できなくなったり、またうまく
カレンダーをかけられなくなってしまう。一方、平均粒
径が0.2μmを超えたり、また含有量が0.1wt%
を超えると、満足し得る電磁変換特性が得られない。
【0031】本発明の積層ポリエステルフイルムの層厚
み構成はポリエステルA層の厚みtA とポリエステルA
層に含まれる滑剤の平均粒径DA の比が10〜25、好
ましくは10〜20、さらに好ましくは10〜15がよ
い。この比が10未満の場合、粒子が脱落しやすくな
り、ベースが削れやすくなるという弊害が生じ、一方2
5を超えると、ポリエステル層Aと反対側のポリエステ
ルB層表面にA層中の粒子の影響を受け、表面が粗くな
り、電磁変換特性を悪化させるため好ましくない。
【0032】またポリエステルA層およびB層の表面粗
さは、WRaA=6〜15(nm)、WRzA=100
〜200(nm)、WRaB=1〜3.5(nm)、W
RzB=20〜80(nm)、(但し、WRaAはポリ
エステルA層の中心面平均粗さ、WRaBはポリエステ
ルB層の中心面平均粗さ、WRzAはポリエステルA層
の10点平均粗さ、WRzBはポリエステルB層の10
点平均粗さである。)、好ましくはWRaA=8〜15
(nm)、WRzA=100〜180(nm)、WRa
B=1〜3.5(nm)、WRzB=20〜60(n
m)、さらに好ましくはWRaA=10〜15(n
m)、WRzA=100〜150(nm)、WRaB=
1〜2.5(nm)、WRzB=20〜50(nm)が
よい。
【0033】ポリエステルA層の中心面平均粗さWRa
Aが6nm未満であると、フイルムをロール状に巻いた
とき、フイルムのすべりが悪くなり、ブツが発生し、う
まく巻けない。また、WRzAが100nm未満である
と、エアースクイズ性が悪くなり、縦シワが発生し、う
まく巻けない。一方、WRaAが15nmより大きい場
合、またはWRzAが200nmより大きい場合、カレ
ンダー工程で平滑面への突起の突き上げ、またキュアリ
ング工程で磁性面への突起の転体があり、磁性面が粗れ
電磁変換特性が悪化する。
【0034】またポリエステルB層の表面粗さWRaB
が1nm未満、あるいはWRzBが20nm未満である
と、金属ロールに対する摩擦係数が高くなり、フイルム
がうまく走行できず、シワが入ったり、磁性層をうまく
塗布できなくなったり、またうまくカレンダーをかけら
れなくなってしまう。一方、WRaBが3.5nmまた
はWRzBが80nmを超えると、磁性面の表面が粗く
なり、満足し得る電磁変換特性が得られなくなる。
【0035】本発明におけるフイルムの摩擦係数(平滑
面と粗面の摩擦係数)は0.5以下である必要がある。
好ましくは0.45以下、さらに好ましくは0.4以下
がよい。このフイルム摩擦係数が0.5を超えると、ロ
ール状にフイルムを巻いた時、ブツが入り、うまく巻け
ない。
【0036】本発明におけるポリエステルA層あるいは
ポリエステルB層に含有される滑剤は粒径比(長径/短
径)が1.0〜1.2の範囲にある球状不活性粒子が好
ましい。
【0037】かかる不活性粒子としては耐熱性高分子粒
子、無機粒子が好ましく挙げられる。
【0038】上記耐熱性高分子粒子としては、例えば架
橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架
橋アクリル樹脂粒子、架橋スチレン―アクリル樹脂粒
子、架橋ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、メラミン
樹脂粒子等が好ましくはあげられる。この中でも架橋ポ
リスチレン樹脂粒子や架橋シリコーン樹脂粒子を用いる
と、本発明の効果が一層顕著となるので好ましい。
【0039】また、無機粒子としては球状シリカ粒子が
好ましい。
【0040】本発明におけるポリエステルA層および/
又はポリエステルB層は、好ましくはポリエチレンテレ
フタレート又はポリエチレン―2,6―ナフタレートか
らなり、さらに好ましくはポリエチレン―2,6―ナフ
タレートからなる。特にフイルム全体の厚みが6μm以
上の場合はポリエチレンテレフタレートからなってもよ
いが、6μm未満になるとヤング率をより高くできるポ
リエチレン―2,6―ナフタレートが好ましい。
【0041】本発明における積層二軸配向ポリエステル
フイルムは、従来から知られている、あるいは当業界に
蓄積されている方法に準じて製造することができる。例
えば、先ず積層未配向フイルムを製造し、次いで該フイ
ルムを二軸配向させることで得ることができる。この積
層未配向フイルムは、従来から蓄積された積層フイルム
の製造法で製造することができる。例えば、ポリエステ
ルA層と、反対面を形成するポリエステルB層とを、ポ
リエステルの溶融状態又は冷却固化された状態で積層す
る方法を用いることができる。さらに具体的には、例え
ば共押出し、エクストルージョンラミネート等の方法で
製造できる。上述の方法で積層されたフイルムは、更に
従来から蓄積された二軸配向フイルムの製造法に準じて
行ない、二軸配向フイルムとすることができる。例え
ば、融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で
ポリエステルを溶融・共押出して積層未延伸フイルムを
得、該積層未延伸フイルムを一軸方向(縦方向又は横方
向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但
し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5倍
以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記
延伸方向と直角方向にTg〜(Tg+70)℃の温度で
2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸するの
が好ましい。さらに必要に応じて縦方向および/又は横
方向に再度延伸してもよい。このようにして全延伸倍率
は、面積延伸倍率として9倍以上が好ましく、12〜3
5倍がさらに好ましく、15〜30倍が特に好ましい。
さらにまた、二軸配向フイルムは、(Tg+70)〜
(Tm−10)℃の温度で熱固定することができ、例え
ば180〜250℃で熱固定するのが好ましい。熱固定
時間は1〜60秒が好ましい。
【0042】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、優れた平滑性、滑り性、巻き取り性等を有し、高
密度磁気記録媒体、特にデジタル記録型磁気機記録媒体
のベースフイルムとして好ましく用いられる。
【0043】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、ポリエステルB層の表面に、真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティング等の方法により、鉄、コ
バルト、クロム又はこれらを主成分とする合金もしくは
酸化物より成る強磁性金属薄膜層を形成し、またその表
面に、目的、用途、必要に応じてダイアモンドライクカ
ーボン(DLC)等の保護層、含フッ素カルボン酸系潤
滑層を順次設け、更にポリエステルA層側の表面に公知
のバックコート層を設けることにより、特に短波超長領
域の出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ド
ロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用蒸着
型磁気記録媒体とすることができる。この蒸着型電磁記
録媒体は、アナログ信号記録用Hi8、ディジタル信号
記録用ディジタルビデオカセットレコーダー(DV
C)、データ8ミリ、DDSIV用テープ媒体として極め
て有用である。
【0044】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、また、ポリエステルB層の表面に、鉄又は鉄を主
成分とする針状微細磁性粉をポリ塩化ビニール、塩化ビ
ニール・酢酸ビニール共重合体等のバインダーに均一分
散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1
μmとなるように塗布し、特に短波長領域での出力、S
/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウ
ト、エラーレートの少ない高密度記録用メタル塗布型磁
気記録媒体とすることができる。また、必要に応じて該
メタル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒
子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダ
ー中に分散し、塗設することもできる。このメタル塗布
型磁気記録媒体は、アナログ信号記録用8ミリビデオ、
Hi8、βカムSP、W―VHS、ディジタル信号記録
用ディジタルビデオカセットコーダー(DVC)、デー
タ8ミリ、DDSIV、ディジタルβカム、D2、D3、
SX等用テープ媒体として極めて有用である。
【0045】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、また、ポリエステルB層の表面に、酸化鉄又は酸
化クロム等の針状微細磁性粉、又はバリウムフェライト
等の板状微細磁性粉をポリ塩化ビニール、塩化ビニール
・酢酸ビニール共重合体等のバインダーに均一分散し、
磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmと
なるように塗布し、特に短波長領域での出力、S/N,
C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラ
ーレートの少ない高密度記録用塗布型磁気記録媒体とす
ることができる。また、必要に応じてB層の上に、該メ
タル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子
等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー
中に分散、塗設することもできる。この酸化物塗布型磁
気記録媒体は、ディジタル信号記録用データストリーマ
ー用QIC等の高密度酸化物塗布型磁気記録媒体として
有用である。
【0046】上述のW―VHSはアナログのHDTV信
号記録用VTRであり、またDVCはディジタルのHD
TV信号記録用として適用可能なものであり、本発明の
フイルムはこれらHDTV対応VTR用磁気記録媒体に
極めて有用なベースフイルムと言うことができる。
【0047】なお、本発明における種々の物性値および
特性は、以下の如く測定されたものである。
【0048】(1)粒子の平均粒径(d) 島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティ
クル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle S
ize Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲
線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲
線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取
り、この値を上記平均粒径とする(Book「粒度測定技
術」日刊工業新聞発行、1975年、頁242〜247
参照)。
【0049】なお、製膜された二軸配向ポリエステルフ
イルムにおける滑剤の平均粒径については、次の方法に
て求める。
【0050】フイルムからポリエステルをプラズマ低温
灰化処理法(例えばヤマト科学製、PR―503型)で
除去し、粒子を露出させる。処理条件はポリエステルは
灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択す
る。これをSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子
の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナ
ライザー(例えば、ケンブリッジインストルメント製、
QTM900)に結びつけ、観察箇所を変えて粒子数5
000個以上で次式(1)の数値処理を行い、それによ
って求めた数平均粒径dを平均粒径とする。
【0051】
【数1】d=Σd1 /n ……(1) ここで、d1 は粒子の円相当径、nは個数である。
【0052】(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し、粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0053】(3)層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nm迄の範囲のフイルム中の粒子の内も
っとも高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭
素元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面か
ら深さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層
では表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠
ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。そして一旦極大値
となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲
線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2となる深さ
(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、こ
れを表層厚さとする。
【0054】条件は次のとおりである。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-3Torr E―GUN :0.5KV―3.0A
【0055】なお、表層から深さ3000nm迄の範囲
にもっとも多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合は
SIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングし
ながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光
法)などで上記同様のデプスプロファイルを測定し、表
層厚さを求めてもよい。
【0056】(4)ヤング率 フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャ
ック間100mmにして、引張速度10mm/分、チャ
ート速度500mm/分の条件でインストロンタイプの
万能引張試験装置にて引張る。得られる荷重―伸び曲線
の立上がり部の接線よりヤング率を計算する。
【0057】(5)表面粗さ(WRa、WRz) WYKO社製非接触式三次元粗さ計(NT―2000)
を用いて測定倍率40倍、測定面積246.6μm×1
87.5μm(0.0462mm2 )の条件にて、測定
数(n)10以上で測定を行ない、該粗さ計に内蔵され
た表面解析ソフトにより、中心面平均粗さ(WRa)、
および10点平均粗さ(WRz)を求める。
【0058】(A)中心面平均粗さ(WRa)
【0059】
【数2】
【0060】Zjkは測定方向(244.6μm)、それ
と直行する方向(187.5μm)をそれぞれm分割、
n分割したときの各方向のj番目、k番目の位置におけ
る2次元粗さチャート上の高さである。
【0061】(B)10点平均粗さ(WRz) ピーク(HP)の高い方から5点と谷(Hv)の低い方
から5点をとり、その平均粗さをWRzとする。
【0062】
【数3】
【0063】(6)巻取り性 フイルムを1000mm幅で、6000mロール状に巻
いたときの2mmφ以上の大きさのブツの発生個数(図
1参照)および縦シワの発生状況(図2参照)を測定
し、ブツの個数については製品幅1m当りに比例換算す
る。なお評価は10本以上巻いた時の1本当りの平均値
を求め、下記のように評価する。 (A)ブツ ◎:0〜2 ケ/m ○:3〜5 ケ/m △:6〜10ケ/m ×:11 ケ/m以上 (B)縦シワ ◎:0〜10 %未満 ○:10〜20%未満 △:20〜30%未満 ×:30 %以上
【0064】(7)フイルム厚み ゴミが入らないようにフイルムを10枚重ね、打点式電
子マイクロメータにて厚みを測定し、1枚当たりのフイ
ルム厚みを計算する。
【0065】(8)搬送性 原反巾1000mmのロールをテープ化する時の磁性層
塗布工程あるいはカレンダー工程でのフイルム平滑面と
金属ロールとのすべり性不良による工程シワの発生を下
記のように判定する。 ◎:シワの発生が全くなし ○:シワの発生は少しあるが工程上問題なし △:シワの発生はあるが工程上、使いこなせる ×:シワの発生が、強く使いこなせない
【0066】(9)電磁変換特性 下記市販の機器を用いて、周波数7.4MHZの信号を
記録し、その再生信号の6.4MHZと7.4MHZの
値の比をそのテープのC/Nとし、比較例1のC/Nを
OdBとし、相対値で表す。 ◎:+3dB以上 ○:+1dB以上+3dB未満 ×:+1dB未満 [使用機器] 8mmビデオレコーダ:ソニー(株)製 EDV―60
00 C/N測定:シバソク(株)製ノイズメータ
【0067】(10)フイルム摩擦係数 重ね合わせた2枚のフイルムの下側に固定したガラス板
を置き、重ね合わせたフイルムの下側(ガラス板と接し
ているフイルム)のフイルムを低速ロールにて引取り
(約10cm/分)、上側のフイルムの一端(下側フイ
ルムの引取り方向と逆端)に検出器を固定してフイルム
/フイルム間のスタート時の引張力を検出する。尚、そ
のときに用いるスレッドは重さ1kg、下側面積100
cm2 のものを使用する。なお摩擦係数(μs)は次式
より求めた。
【0068】
【数4】
【0069】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0070】[実施例1〜2、比較例1〜2]ジメチル
―2,6―ナフタレートとエチレングリコールとを、エ
ステル交換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として
三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤
として表1に示す添加粒子を添加して常法により重合
し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.
61のA層用及びB層用ポリエチレン―2,6―ナフタ
レート(PEN)を得た。
【0071】このポリエチレン―2,6―ナフタレート
のペレットを170℃で6時間乾燥後、2台の押出機ホ
ッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、
マルチマニホールド型共押出ダイを用いてB層の片側に
A層を積層させ、表面仕上げ0.3S程度、表面温度6
0℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み105μmの積
層未延伸フイルムを得た。なお2台の押出機の吐出量は
表1に示す層厚み構成になるよう調整した。
【0072】このようにして得られた積層未延伸フイル
ムを120℃に予熱し、更に低速、高速のロール間で1
5mm上方より900℃の表面温度のIRヒーターにて
加熱して4.0倍に延伸し、急冷し、続いてステンター
に供給し、145℃にて横方向に5.0倍に延伸した。
得られた二軸延伸フイルムを210℃の熱風で4秒間熱
固定し、厚み5.2μmの二軸配向積層ポリエステルフ
イルムを得た。これらのフイルムのヤング率は縦方向6
00kg/mm2 、横方向900kg/mm2であっ
た。
【0073】なお、磁気テープの製造法は次のとおり行
なった。
【0074】下記に示す組成物をボールミルに入れ、1
6時間混練、分散した後、イソシアネート化合物(バイ
エル社製のデスモジュールL)5部を加え、1時間高速
剪断分散して磁性塗料とする。 磁性塗料の組成: 針状Fe粒子 100重量部 塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体 15重量部 (積水化学製エスレック7A) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部 酸化クロム 5重量部 カーボンブラック 5重量部 レシチン 2重量部 脂肪酸エステル 1重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0075】この磁性塗料を二軸配向積層ポリエステル
フイルムの片面(B層)に、塗布厚0.5μmとなるよ
うに塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中で配向
処理を行ない、100℃で加熱乾燥後、スパーカレンダ
ー処理(線圧300kg/cm、温度80℃)を行な
い、巻き取った。この巻き取ったロールを55℃のオー
ブン中に3日間保持した後、8mm巾に裁断して磁気テ
ープを得た。
【0076】[実施例3]表1に示す添加粒子をポリエ
ステルA層およびポリエステルB層に添加し、またフイ
ルムのヤング率が縦方向550kg/mm2 、横方向1
200kg/mm2 になるように縦方向および横方向の
延伸倍率を変える以外は実施例1と同じように行って、
積層二軸配向ポリエステルフイルムを得、その後実施例
1と同様な方法にて磁気テープを得た。
【0077】[比較例3]表1に示す添加粒子を単層系
にて実施した以外は実施例1と同様な方法にて磁気テー
プを得た。
【0078】
【表1】
【0079】表1から明らかなように、本発明によるも
のは、優れた電磁変換特性を示しつつ、優れた巻取り
性、搬送性の特性を有している。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、優れた電磁変換特性を
有し、かつ優れた巻取り性、搬送性等の特性を有した積
層二軸配向ポリエステルフイルムを提供することができ
る。このポリエステルフイルムは、磁気記録媒体のベー
スフイルムとして、特に1/2インチビデオテープ、8
mmビデオテープ、データカートリッジテープ、デジタ
ル方式のビデオテープ等の磁気テープのベースフイルム
として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フイルムをロール状に巻いたときのブツの発生
状況を模式的に示す説明図である。
【図2】フイルム縦シワの発生状況とこの比率を求める
模式的説明図である。
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月23日(1999.4.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リエステルB層の上にポリエステルA層を積層してなる
積層二軸配向ポリエステルフイルムであって、(1)
ポリエステルA層は平均粒径の異なる滑剤I、IIを含む
2種以上の滑剤を含有し、該滑剤Iの平均粒径(dI
が0.2〜0.4μmで、滑剤Iの平均粒径(dI)と
滑剤IIの平均粒径(dII)の差(dI−dII)が0.1
〜0.3μmであり、滑剤Iの含有量が0.1〜0.4
wt%で、滑剤IIの含有量が0.1〜0.8wt%であ
り、(2) ポリエステルA層の厚みtA(μm)とポ
リエステルA層に含まれる滑剤の平均粒径(dA)の比
(tA/dA)が10〜25であり、(3) ポリエステ
ルB層は平均粒径0.05〜0.2μmの滑剤を0.0
05〜0.1wt%含有し、(4) ポリエステルA層
の中心面平均粗さ(WRaA)が6〜15nm、10点
平均粗さ(WRzA)が100〜200nmであり、そ
してポリエステルB層の中心面平均粗さ(WRaB)が
1〜3.5nm、10点平均粗さ(WRzB)が20〜
80nmであり、そして(5) ポリエステルA層表面
とポリエステルB層表面とのフイルム摩擦係数(μkf
が0.5以下であることを特徴とする積層二軸配向ポリ
エステルフイルムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20A AA20B AK41A AK41B AK42A AK42B BA02 CA19A CA19B DE04A DE04B EJ38 GB41 JA20A JA20B JK07 JK14A JK14B JK16 YY00A YY00B 4J002 BC022 BC072 BG032 CC182 CF002 CF041 CF061 CF071 CF081 CF091 CF141 CM042 CP032 DJ016 FD172 FD176 GS01 5D006 CB01 CB05 CB06 CB07 CB08 FA00 FA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルB層の上にポリエステルA
    層を積層してなる積層二軸配向ポリエステルフイルムで
    あって、(1) ポリエステルA層は平均粒径の異なる
    滑剤I、IIを含む2種以上の滑剤を含有し、該滑剤Iの
    平均粒径(dI )が0.2〜0.4μmで、滑剤Iの平
    均粒径(dI )と滑剤IIの平均粒径(dII)の差(dI
    −dII)が0.1〜0.3μmであり、滑剤Iの含有量
    が0.1〜0.4wt%で、滑剤IIの含有量が0.1〜
    0.8wt%であり、(2) ポリエステルA層の厚み
    A (μm)とポリエステルA層に含まれる滑剤の平均
    粒径(dA )の比(tA /dA )が10〜25であり、
    (3) ポリエステルB層は平均粒径0.05〜0.2
    μmの滑剤を0.005〜0.1wt%含有し、(4)
    ポリエステルA層の中心面平均粗さ(WRaA)が6
    〜15nm、10点平均粗さ(WRzA)が100〜2
    0nmであり、そしてポリエステルB層の中心面平均粗
    さ(WRaB)が1〜3.5nm、10点平均粗さ(W
    RzB)が20〜80nmであり、そして(5) ポリ
    エステルA層表面とポリエステルB層表面とのフイルム
    摩擦係数(μkf )が0.5以下であることを特徴とす
    る積層二軸配向ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルA層に含まれる滑剤I、滑
    剤IIが球状不活性粒子である請求項1記載の積層二軸配
    向ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルA層に含まれる滑剤I、滑
    剤IIが球状シリカ粒子である請求項2記載の積層二軸配
    向ポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルA層に滑剤I、IIよりさら
    に平均粒径が小さい滑剤III を含有する請求項1記載の
    積層二軸配向ポリエステルフイルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルB層に含まれる滑剤が不活
    性粒子である請求項4記載の積層二軸配向ポリエステル
    フイルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステルB層に含まれる滑剤が球状
    シリカ粒子である請求項5記載の積層二軸配向ポリエス
    テルフイルム。
  7. 【請求項7】 フイルムの縦方向のヤング率が500〜
    1000kg/mm2 、横方向のヤング率が500〜1
    400kg/mm2 で、縦方向と横方向のヤング率の和
    が1300〜2000kg/mm2 である請求項1〜6
    のいずれか1項記載の積層二軸配向ポリエステルフイル
    ム。
  8. 【請求項8】 フイルムの横方向のヤング率が縦方向の
    ヤング率よりも大きい請求項7記載の積層二軸配向ポリ
    エステルフイルム。
  9. 【請求項9】 ポリエステルA層およびポリエステルB
    層がポリエチレン―2,6―ナフタレートからなる請求
    項1、7又は8記載の積層二軸配向ポリエステルフイル
    ム。
  10. 【請求項10】 デジタル記録方式の磁気記録テープに
    用いられる請求項1、7または10記載の積層二軸配向
    ポリエステルフイルム。
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