JPH10315415A - 積層二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
積層二軸配向ポリエステルフィルムInfo
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- JPH10315415A JPH10315415A JP12954497A JP12954497A JPH10315415A JP H10315415 A JPH10315415 A JP H10315415A JP 12954497 A JP12954497 A JP 12954497A JP 12954497 A JP12954497 A JP 12954497A JP H10315415 A JPH10315415 A JP H10315415A
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Abstract
と、テープ走行時の耐エッジダメージ性に優れた磁気記
録媒体用ベースフィルムとして好適な積層二軸配向ポリ
エステルフィルムを提供すること 【解決手段】 ポリエステル層A,Bからなる積層二軸
配向ポリエステルフィルムであって、該ポリエステル層
Aに耐熱性高分子粒子、球状シリカ粒子などの滑剤を2
種含有し、その滑剤粒子Iの平均粒径dIが0.3 〜1.0
μm 、含有量が0.005 〜0.15重量%で、滑剤粒子IIの平
均粒径dII がポリエステル層Aの厚みt(μm)の0.01〜
0.25倍で、含有量が0.1 〜1.0 重量%であり、dI>d
IIとする。
Description
ステルフィルムに関し、さらに詳しくは平坦性、巻取り
性に優れ、磁気記録媒体として用いた場合、走行時にエ
ッジダメージが少ない積層二軸配向ポリエステルフィル
ムに関する。
化、高容量化が進められており、また使用するハードの
小型化がなされている。ハードの小型化は磁気記録媒体
に対するストレスをより増大させるものであり、特に接
触するガイドロールでのエッジダメージが問題となって
おり、改良が切望されている。
きの幅方向の強度不足、およびガイドロールとそれに接
触するフィルム表面との滑りすぎ(蛇行)によるガイド
ロールのツバとテープエッジとの当りによるものであ
る。改良する手段として、ベースの幅方向の強度を向上
させることは、強度をかなり向上させなくてはならず、
このようなフィルムはかなり高価なものとなるため、磁
気記録媒体用のベースフィルムとしてはあまり採用され
ていない。また、幅方向の強度を上げると、テープのス
リット性が難しくなるという問題もある。また、ガイド
ロールとの摩擦係数を下げる手段については、滑り性の
不足から、フィルムロールに巻き上げることが難しくな
ったり、ベースフィルムが削がれやすくなるといった問
題を生じる。
フィルムの平坦性、および厚みの薄膜化が要望されてい
る。しかしながら、優れた電磁変換特性を維持するため
ベースフィルムの表面を平坦化すると、滑り性およびエ
アスクイズ性が不足し、例えばロール状に巻き上げる場
合にシワが入ったり、ブロッキングを起こし、フィルム
ロールの表面が凹凸になって製品の歩留りを下げたり、
巻き上げるときの張力、接圧、速度の適正範囲が狭くな
り、巻き上げることが非常に難しくなる。
性の向上という相反する特性を両立させる手段として
は、積層フィルムにすることによって、磁性層を塗布す
る面は平坦にして電磁変換特性を改善し、反対面は粗化
して巻取り性を向上させる手段が広く知られている。
31号公報では平均粒径がフィルムの厚みの0.1〜1
0倍の不活性粒子を高濃度で含有する層を積層してなる
フィルムが提案されている。しかしながら、上記フィル
ムでは粒子を高濃度で添加しているため、滑り性の向上
によって巻取り性の向上ははかれるが、摩擦係数が低い
ことによって、テープ走行時に蛇行を起こしやすく、エ
ッジダメージを生じてしまう。また、粒子濃度を調整
し、平坦化することで、摩擦係数を下げた場合、エッジ
ダメージは改善できるが、巻取り性が悪くなってしま
う。このように、エッジダメージの改良と巻取り性の両
立という点ではいまだ十分な改良はなされていない。
は、磁気記録媒体としたときに電磁変換特性に優れ、エ
ッジダメージの改良と巻取り性の両立できるフィルムを
提供することを目的とする。
テープ走行時のエッジダメージを同時に解決するフィル
ムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、フィルムを積層
二軸配向ポリエステルフィルムとし、かつその走行面に
含有する滑剤粒子を2成分とし、粒径、添加量を特定の
範囲とすることによって、平坦性、製造工程での巻取り
性、テープとしたときの走行時のエッジダメージ防止を
同時に満足させ得ることを見出し、本発明に到達した。
片面に滑剤粒子I,IIを含有するポリエステル層Aが積
層されている積層二軸配向ポリエステルフィルムであっ
て、滑剤粒子Iの平均粒径dIが0.3〜1.0μm
で、かつ含有量が0.005〜0.15重量%であり、
滑剤粒子IIは平均粒径dIIがポリエステル層Aの厚みt
(μm)の0.01〜0.25倍でかつ含有量が0.1
〜1.0重量%であり、更にdI>dIIであることを特
徴とする積層二軸配向ポリエステルフィルムを提供する
ものである。
は、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グ
リコールを主たるグリコール成分とするポリエステルで
ある。かかるポリエステルは実質的に線状であり、そし
てフィルム形成性、特に溶融成形によるフィルム形成性
を有する。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフ
ェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ア
ンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪
族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ト
リメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペ
ンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
デカメチレングリコールなどの如き炭素数2〜10のポ
リメチレングリコールあるいはシクロヘキサンジメタノ
ールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。
レンテレフタレートおよび/またはアルキレンナフタレ
ートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられ
る。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートはもちろんのこと、例えば
全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸お
よび/または2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、
全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコー
ルである共重合体が特に好ましい。その際、全酸成分の
20モル%以下はテレフタル酸および/または2,6−
ナフタレンジカルボン酸以外の上記芳香族ジカルボン酸
であることができ、また、例えばアジピン酸、セバチン
酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1,
4−ジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等である
ことができる。また、全グリコール成分の20モル%以
下はエチレングリコール以外の上記グリコールであるこ
とができ、また例えばハイドロキノン、レゾルシン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の
如き芳香族ジオール;1,4−ジヒドロキシジメチルベ
ンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオール;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等の如きポリアルキレングリコー
ル(ポリオキシアルキレングリコール)等であることも
できる。
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω−
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオ
キシカルボン酸成分の総量に対し、20モル%以下で共
重合あるいは結合するものも包含される。
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し、
2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸また
はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペン
タエリスリトール等を共重合したものも包含される。
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が0.4〜0.9のものが好ましい。0.5〜0.7
のものがさらに好ましく、0.55〜0.65のものが
特に好ましい。
ムは、ポリエステル層Aとポリエステル層Bの2層より
構成される。2層のポリエステルは同じものでも違った
ものでもよいが、同じものが好ましい。
ムにおいて、ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子Iの
平均粒径dIは0.3〜1.0μmであり、好ましくは
0.4〜0.8μmである。また、滑剤粒子Iの含有量
は0.005〜0.15重量%、好ましくは0.01〜
0.1重量%である。滑剤粒子の平均粒径が1.0μm
を超える、あるいは含有量が0.15重量%を超えると
ガイドロールとの摩擦係数が小さく成りすぎ、エッジダ
メージを引き起し、一方、平均粒径が0.3μm未満、
あるいは含有量が0.005重量%未満になると、フィ
ルム間のエアスクイズ性が著しく悪化し、フィルム製造
工程での巻取り性が悪化するので好ましくない。
おいて、ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子IIは、平
均粒径dIIがポリエステル層Aの厚みt(μm)の0.
01〜0.25倍、好ましくは0.02〜0.1倍であ
り、含有量は0.1〜1.0重量%、好ましくは0.1
5〜0.5重量%である。平均粒径dIIがポリエステル
層Aの厚みの0.01倍未満、あるいは含有量が1.0
重量%を超えると、ガイドロールとの摩擦係数が小さく
なりすぎ、エッジダメージを引き起こし、一方平均粒径
dIIがポリエステル層Aの厚みの0.25倍を超える、
あるいは含有量が0.1重量%未満になるとフィルム間
の摩擦係数が大きくなりすぎ、フィルム製造工程での巻
取り性が著しく悪化するので好ましくない。
ムにおいて、ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子I,
IIのうち、少なくとも一種が耐熱性高分子粒子および球
状シリカ粒子から選ばれたものであると、本発明の効果
がより一層顕著になるので好ましい。
リスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ア
クリル樹脂粒子、架橋スチレン−アクリル樹脂粒子、架
橋ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、メラミン樹脂粒
子などが挙げられる。この中でも架橋ポリスチレン樹脂
粒子や架橋シリコーン樹脂粒子を含有させると、本発明
の効果がより一層顕著となるので好ましい。
ムは、ポリエステル層Aの表面粗さが、中心面平均粗さ
WRa(以下、ポリエステル層AのWRaをWRaAと
いう)で2〜15nm(0.002〜0.015μm)
であることが好ましい。また、ポリエステル層Bの表面
粗さが、中心面平均粗さWRa(以下、ポリエステル層
BのWRaをWRaBという)で0.1〜8nm(0.
0001〜0.008μm)であることが好ましい。
Bは、WYKO社製、非接触式3次元粗さ計(TOPO
−3D)を用いて、測定倍率40倍、測定面積242μ
m×239μm(0.058mm2 )の条件で測定した
ものである。
μm未満であると、フィルム走行性が悪化し、一方0.
015μmを超えると、耐削れ性が悪化し、また、フィ
ルム加工工程でバックコートを施しても、かなり粗化し
てしまい、キュアリング時の裏写り現象によって電磁変
換特性が悪化してしまうので好ましくない。また、上記
中心面平均粗さWRaBが0.0001μm未満である
と、フィルム間でブロッキングが大きくなり巻取り性を
悪化させたり、フィルム加工工程での金属ロールなどの
摩擦係数が高くなり、走行不良などを引き起し、一方
0.008μmを超えると、著しく電磁変換特性を悪化
させるので好ましくない。
ムにおいて、ポリエステル層Bは不活性粒子を含有して
いる必要は特にないが、不活性粒子を含有する場合は、
平均粒径が0.005〜1μm、特に0.05〜0.6
μmの不活性粒子を、0.001〜0.3重量%、さら
に0.005〜0.2重量%、特に0.005〜0.1
重量%含有するのが好ましい。これにより、摩擦係数が
より一層良好となるのみならず、フィルムの巻姿も良好
となる。この不活性粒子としてはポリエステル層Aに含
有させる滑剤粒子として例示したものを好ましく挙げる
ことができる。ポリエステル層A;Bに含有させる滑剤
粒子の種類や大きさは同じものでも異なっていてもよ
い。
ムは、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積さ
れている方法に準じて製造することができる。例えば、
先ず未配向積層フィルムを製造し、次いで、該フィルム
を二軸配向させることで製造することができる。この未
配向積層フィルムは、従来から蓄積された積層フィルム
の製造法で製造することができる。例えば、ポリエステ
ル層Aと、反対面を形成するポリエステル層Bとを、ポ
リエステルの溶融状態または冷却固化された状態で積層
する方法を用いることができる。さらに具体的には、例
えば、共押し出し、エクストルージョンラミネート等の
方法で製造できる。
に従来から蓄積された二軸配向フィルムの製造法に準じ
て、二軸配向フィルムとすることができる。例えば、融
点(Tm:℃)乃至(Tm+70)℃の温度でポリエス
テルを溶融・共押し出しして未延伸積層フィルムを得、
該未延伸積層フィルムを一軸方向(縦方向または横方
向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但
し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5倍
以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記
延伸方向と直角方向にTg〜(Tg+70)℃の温度で
2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸するの
が好ましい。さらに必要に応じて縦方向および/または
横方向に再度延伸してもよい。このようにして、全延伸
倍率は、面積延伸倍率として9倍以上が好ましく、12
〜35倍がさらに好ましく、15〜25倍が特に好まし
い。さらにまた、二軸配向フィルムは(Tg+70)℃
〜(Tm−10)℃の温度で熱固定することができ、例
えば180〜250℃で熱固定するのが好ましい。熱固
定時間は1〜60秒が好ましい。
エステルフィルムは、その長手方向(MD)および幅方
向(TD)のヤング率がそれぞれ400kg/mm2 以
上、2000kg/mm2 以下であることが好ましい。
このヤング率が400kg/mm2 未満だと磁気テープ
と磁気ヘッドとの当りが不足し、電磁変換特性の低下を
まねき好ましくない。一方、ヤング率が2000kg/
mm2 を超えるとフィルムの製膜性が低下し、好ましく
ない。MDのヤング率は400〜900kg/mm2 で
あり、TDのヤング率は550〜1500kg/mm2
であることが特に好ましい。
ムにおいては、ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子
I,II の凝集率がそれぞれ0(%)を超え、20%未満
であることが好ましい。この凝集率は、さらに好ましく
は3%以上15%未満、特に好ましくは3%以上10%
未満であり、これにより一層本発明の効果が顕著とな
る。
合、粒子が脱落しやすく、耐削れ性が著しく悪化し、ま
た凝集粒子で生じた粗大突起が磁性層側表面に影響し、
うねり等を生じさせ、電磁変換特性の低下を引き起こす
ので好ましくない。
ムは、その全体の厚みが2〜10μmであることが好ま
しい。また、ポリエステル層Aの厚みは0.5〜2μm
であることが好ましい。
ムは、上記した特性から、磁気記録媒体、さらには磁気
テープの支持体(ベースフィルム)として、特にデイジ
タル記録用磁気テープの支持体、またはデータ記録用磁
気テープの支持体、さらにはDLTの支持体として好ま
しく用いられる。
のが例示される。第1に、積層二軸配向ポリエステルフ
ィルムのポリエステル層Bの上に真空蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーテイング等の方法により、鉄、コバ
ルト、クロムまたはこれらを主成分とする合金もしくは
酸化物よりなる強磁性金属薄膜層を形成し、また、その
表面に、目的、用途、必要に応じてダイアモンドライク
カーボン(DLC)等の保護層、含フッ素カルボン酸系
潤滑層を順次設け、さらにポリエステル層A側の表面に
公知のバックコート層を設けることにより、特に短波長
領域の出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優れ、
ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用蒸
着型磁気記録媒体としたもの。この蒸着型電磁記録媒体
は、アナログ信号記録用Hi8、デイジタル信号記録用
デイジタルビデオカセットレコーダー(DVC)、デー
タ8ミリ、DDSIV用テープ媒体として極めて有用であ
る。
ムのポリエステル層Bの上に鉄または鉄を主成分とする
針状微細磁性粉を塩化ビニール、塩化ビニール−酢酸ビ
ニール共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚
みが2.5μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなる
ように塗布し、さらにポリエステル層A側の表面に公知
の方法でバックコート層を設けることにより、特に短波
長領域での出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優
れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録
用メタル塗布型磁気記録媒体としたもの。また、必要に
応じて層Bの上に、該メタル粉含有磁性層の下地層とし
て微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層
と同様の有機バインダー中に分散、塗設することもでき
る。このメタル塗布型磁気記録媒体は、アナログ信号記
録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、W−VHS、
デイジタル信号記録用デイジタルビデオカセットコーダ
ー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV、デイジタルβ
カム、D2、D3、SX、DLT等用テープ媒体として
極めて有用である。
ムのポリエステル層Bの上に酸化鉄または酸化クロム等
の針状微細磁性粉、またはバリウムフェライト等の板状
微細磁性粉を塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニー
ル共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが
2.5μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるよう
に塗布し、さらにポリエステル層Aの表面に公知の方法
でバックコート層を設けることにより、特に短波長領域
での出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優れ、ド
ロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用塗布
型磁気記録媒体としたもの。また、必要に応じて層Bの
上に、該酸化物粉含有磁性層の下地層として微細な酸化
チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機
バインダー中に分散、塗設することもできる。この酸化
物塗布型磁気記録媒体は、デイジタル信号記録用データ
ストリーマー用DLT、QIC等の高密度酸化物塗布型
磁気記録媒体として有用である。
記録用磁気テープの場合、さらにDLT(デイジタルリ
ニアテープ)の場合、その効果がより一層顕著となるの
で好ましい。
特性は以下の如く測定されたものであり、かつ定義され
る。
(例えばヤマト科学製、PR−503型)で除去し、粒
子を露出させる。処理条件はポリエステルは灰化される
が粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをS
EM(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子
によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(例
えば、ケンブリッジインストルメント製、QTM90
0)に結びつけ、観察箇所を変えて粒子数5000個以
上で次式(1)の数値処理を行い、それによって求めた
数平均粒径Dを平均粒径とする。
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
用いて測定倍率40倍、測定面積242μm×239μ
m(0.058mm2 )の条件にて測定を行い、同粗さ
計の内蔵ソフトによる表面解析より、WRaは下記式
(2)により計算されアウトプットされた値を用いる。
行する方向(239μm)をそれぞれM分割、N分割し
た時の各方向のj番目、k番目の位置における2次元粗
さチャート上の高さである。
フィルムをガラス板に固定する。このとき、ポリエステ
ル層A側とポリエステル層B側が接するように重ね合わ
せる。上側のフィルムの一端には張力を検出する検出機
を取付ける。この2枚のフィルムの上に富士写真フィル
ム(株)製、プレスケールマットの凹凸面がフィルム側
にくるようにセットし、さらに金属板とおもりをのせ
る。このとき、プレスケールマットと金属板、おもりの
重量が300gになるように調整し、プレスケールマッ
トの面積は100cm2 とする。このような状態から下
側のガラス板を10cm/分の速度で引き取り、上側の
フィルムに取付けた張力計で引っ張り張力を検出し、3
00gで除した値をブロッキング指数とする。この方法
によりプレスケールマットの凹部で荷重が集中し、ブロ
ッキングの程度が精度よく測定できる。
図1中、1は巻き出しリール、2はテンションコントロ
ーラ、3,5,6,8,9および11はフリーローラ、
4はテンション検出機(入口)7はステンレス鋼SUS
304製の固定棒(外径5mmφ、表面粗さRa=20
nm、ツバの高さ2mm)、10はテンション検出機
(出口)、12はガイドローラ、13は巻取りリールを
それぞれ示す。
ープの非磁性面を7の固定棒に角度θ=(152/18
0)πラジアン(152°)で接触させて毎分200c
mの速さで移動(摩擦)させる。入口テンションT1 が
35gとなるようにテンションコントローラ2を調整
し、フィルムが50往復走行したのちに、テープ両エッ
ジのエッジダメージを下記通り3段階で評価した。 評価基準 ○:エッジダメージがない。 △:部分的に軽いエッジダメージ有り。 ×:エッジに強い(わかめ状)のエッジダメージ有り。
ら深さ3000nmまでの範囲のフィルム中の粒子の内
最も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素
元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から
深さ3000nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では
表面という界面のために粒子濃度は低く、表面から遠ざ
かるにつれて粒子濃度は高くなる。そして一旦極大値と
なった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線
をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2となる深さ(こ
の深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、これを
表層厚さとする。
まれる粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定
が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し、表層厚さを求めてもよ
い。
製、プラズマリアクターPR3を用い、次の条件にてエ
ッチングを行い、 高周波電力(W) :50 酸素流量(ml/分) :30 エッチング時間(hr):0.5 エッチングした表面をエリオニクス(株)社製、EMM
3000を用い、倍率10000倍にてSEM観察を行
い、滑剤粒子の凝集率を測定する。ここで粒子の凝集率
とは、フィルム面内1mm2 当たり、2個以上の粒子が
凝集している凝集粒子の数をX(個)、粒子の総数をY
(個)とすると、下記式(3)によって求められる値で
ある。
子の数(a1 )と3個の粒子が凝集している凝集粒子の
数(a2 )と、非凝集の粒子の数(a3 )とが有る場
合、X=a1 +a2 、Y=a1 +a2 +a3 となること
を理解すべきである。
磁気テープのS/N比を測定し、表1に示す実施例6の
テープに対するS/N比の差を求める。使用するVTR
はソニー(株)、EDV−6000である。
説明する。
タレートとエチレングリコールとを、エステル交換触媒
として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモ
ンを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示
す添加粒子を添加して、常法により重合し、固有粘度
(o−クロロフェノール、35℃)0.61の層A用お
よび層B用ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PE
N)を得た。
のペレットをそれぞれ170℃で6時間乾燥後、2台の
押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で
溶融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いて、層
Bの片側に層Aを積層させ、表面仕上げ0.3S程度、
表面温度60℃の回転冷却ドラム上に押し出し、厚み1
20μmの積層未延伸フィルムを得た。
ムを120℃に予熱し、さらに低速、高速のロール間で
15mm上方より900℃の表面温度のIRヒーターに
て加熱して4.0倍に延伸し、急冷し、続いてステンタ
ーに供給し、145℃にて横方向に5.0倍に延伸し
た。得られた二軸延伸フィルムを210℃の熱風で4秒
間熱固定し、厚み6.5μmの積層二軸配向ポリエステ
ルフィルムを得た。これらのフィルムのヤング率は縦方
向600kg/mm2 、横方向900kg/mm2 であ
った。得られたフィルムのブロッキング指数を測定し
た。結果は表2に示す。
フィルムの層B側に下記磁性塗料を塗布厚3μmとなる
ように塗布した。磁性塗料は、下記に示す組成物をボー
ルミルに入れ、16時間混練、分散させた後、イソシア
ネート化合物(バイエル社製のデスモジュールL)5重
量部を加え、1時間高速剪断分散させて作成した。 磁性塗料の組成: 針状Fe粒子 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15重量部 (積水化学製、エスレック7A) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部 酸化クロム 5重量部 カーボンブラック 5重量部 レシチン 2重量部 脂肪酸エステル 1重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 シクロヘキサノン 50重量部 磁性塗料を塗布したフィルムを2500ガウスの直流磁
場中で配向処理を行い、100℃で加熱乾燥後、スーパ
ーカレンダー処理(線圧300kg/cm、温度80
℃)を行い、巻き取った。この巻き取ったロールを55
℃のオーブン中に3日間放置した後、1/2インチ幅に
裁断して磁気テープを得た。得られた磁気テープについ
て、表2記載の特性を調べた。結果を表2に示す。
す粒子を使用し、ジメチル−2,6−ナフタレートの代
わりにジメチルテレフタレートを使用した以外は実施例
1と同様の方法でポリエステル層A,B用のポリエチレ
ンテレフタレート(PET)を得た。
トをそれぞれ170℃で3時間乾燥後、実施例1と同様
にして積層未延伸フィルムを得た。但し、回転冷却ドラ
ムの表面温度を20℃とした。
ムを78℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で
15mm上方より850℃の表面温度のIRヒーターに
て加熱して2.3倍に延伸し、急冷し、続いてステンタ
ーに供給し、110℃にて横方向に3.6倍延伸した。
さらに引き続いて、110℃にて予熱し、低速・高速の
ロール間で2.0倍に縦方向に延伸し、さらにステンタ
ーに供給し、90℃にて横方向に1.5倍延伸し、得ら
れた二軸延伸フィルムを220℃の熱風で4秒間熱固定
し、厚み6.5μmの積層二軸配向ポリエステルフィル
ムを得た。各層の厚みについては、2台の押出機の吐出
量を変えることにより調整した。このフィルムのヤング
率は縦方向600kg/mm2 、横方向610kg/m
m2 であった。
1と同様にして磁気テープを作成し、表2記載のフィル
ム特性を測定した。結果を表2に示す。
気テープは優れた電磁変換特性を示しつつ、製造工程で
の巻取り性、テープ走行時の耐エッジダメージに優れて
いる。
巻取り性、テープ走行時のエッジダメージ防止を同時に
満足し得る積層二軸配向ポリエステルフィルムを提供す
ることができる。このポリエステルフィルムは、磁気記
録媒体のベースフィルムとして、特に、1/2インチビ
デオテープ、8mmビデオテープ、データカートリッジ
テープ、DLT、デイジタル方式のビデオテープ等の磁
気テープのベースフィルムとして有用である。
の装置を示す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 ポリエステル層Bの片面に滑剤粒子I,
IIを含有するポリエステル層Aが積層されている積層二
軸配向ポリエステルフィルムであって、滑剤粒子Iの平
均粒径dIが0.3〜1.0μmで、かつ含有量が0.
005〜0.15重量%であり、滑剤粒子IIは平均粒径
dIIがポリエステル層Aの厚みt(μm)の0.01〜
0.25倍でかつ含有量が0.1〜1.0重量%であ
り、更にdI>dIIであることを特徴とする積層二軸配
向ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 滑剤粒子IIの平均粒径dIIがポリエステ
ル層Aの厚みt(μm)の0.02〜0.1倍であり、
含有量が0.15〜0.5重量%である請求項1記載の
積層二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項3】 滑剤粒子Iの平均粒径dIが0.4〜
0.8μmで、かつ含有量が0.01〜0.1重量%で
ある請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項4】 滑剤粒子I,IIのうち、少なくとも一種
が耐熱性高分子粒子および球状シリカ粒子から選ばれる
請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】 ポリエステル層Aの表面の中心面平均粗
さWRaAが2〜15nmである請求項1記載の積層二
軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項6】 ポリエステル層Bの表面の中心面平均粗
さWRaBが0.1〜8nmである請求項1記載の積層
二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項7】 積層フィルムの全体厚みが2〜10μm
である請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項8】 ポリエステル層Aの厚みが0.5〜2.
5μmである請求項7記載の積層二軸配向ポリエステル
フィルム。 - 【請求項9】 積層フィルムの長手方向および幅方向の
ヤング率がそれぞれ400〜2000kg/mm2 であ
る請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項10】 滑剤粒子I,IIの凝集率がそれぞれ0
(%)を超え、20%未満である請求項1〜4のいずれ
か1項記載の積層二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項11】 請求項1記載の積層二軸配向ポリエス
テルフィルムをベースフィルムとする磁気記録媒体。 - 【請求項12】 デイジタル記録用磁気テープである請
求項11記載の磁気記録媒体。 - 【請求項13】 データ用磁気テープである請求項11
または12記載の磁気記録媒体。 - 【請求項14】 DLT(デイジタルリニアテープ)で
ある請求項11〜13のいずれか1項記載の磁気記録媒
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12954497A JPH10315415A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 積層二軸配向ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12954497A JPH10315415A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 積層二軸配向ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10315415A true JPH10315415A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15012147
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12954497A Pending JPH10315415A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 積層二軸配向ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10315415A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004038703A1 (ja) * | 2002-10-24 | 2004-05-06 | Teijin Dupont Films Japan Limited | 二軸配向ポリエステルフィルムおよびフレキシブルディスク |
-
1997
- 1997-05-20 JP JP12954497A patent/JPH10315415A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004038703A1 (ja) * | 2002-10-24 | 2004-05-06 | Teijin Dupont Films Japan Limited | 二軸配向ポリエステルフィルムおよびフレキシブルディスク |
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