JPH1191053A - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体

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JPH1191053A
JPH1191053A JP25519197A JP25519197A JPH1191053A JP H1191053 A JPH1191053 A JP H1191053A JP 25519197 A JP25519197 A JP 25519197A JP 25519197 A JP25519197 A JP 25519197A JP H1191053 A JPH1191053 A JP H1191053A
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film
polyester film
tape
thin film
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JP25519197A
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Masaaki Ono
雅章 小野
Itsuki Okazaki
厳 岡崎
Sunao Harada
直 原田
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】DO個数の少ない、繰返し走行での耐久性に優
れたデジタルビデオテープを高速に生産性良く作成する
ために適切なベースフィルムを提供すること。 【解決手段】平均粒子径が100〜500nmのケイ酸
アルミニウム粒子を含み一方の表面AのSRa値が2〜
4nm、SRz値が10〜40nmであり、他の表面B
が前記のケイ酸アルミニウムにより形成された表面突起
を有する磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リエステルフィルム、特にデジタルビデオカセットテー
プ用、データストレージテープ用等のデジタルデータを
記録する強磁性金属薄膜型磁気記録媒体を生産性良く製
造するためのベースフィルムとして好適なポリエステル
フィルムおよびそれを用いて得られる磁気記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】1995年に実用化された民生用デジタ
ルビデオテープはベースフィルム上にCoの金属磁性薄
膜を真空蒸着により設け、その表面にダイヤモンド状カ
ーボン膜をコーティングしてなり、Hi8用ME(蒸
着)テープに比べて表面性が更に平滑化したにもかかわ
らず、良好な耐久性をもつ。そのベースフィルムとして
は(1)ポリエステルフィルムと、該フィルムの少なくと
も片面に密着された不連続皮膜と該皮膜中及び皮膜表面
に存在する微粒子からなるポリエステルフィルム(例え
ば特公昭62−30105号公報)、(2)熱可塑性樹脂
からなる層Aと、微粒子が含有された熱可塑性樹脂から
なる層Bとが積層された複合フィルムであり、層B外側
に滑剤易滑層が形成されたポリエステルフィルム(例え
ば特公平1−26337号公報)、(3)熱可塑性樹脂か
らなる層Aと、微粒子が含有された熱可塑性樹脂からな
る層Bとが積層された複合フィルム(例えば特公平1−
26338号公報)、(4)易接着性樹脂と微細粒子を含
むポリマーブレンド体を主体とした不連続皮膜が形成さ
れたポリエステルフィルム(例えば特公昭63−572
38号公報)、(5)微細突起を有する連続薄膜が片面
に、易滑面を形成する連続薄膜が他面に形成されたポリ
エステルフィルム(例えば特開平6−297662号公
報)、等が用いられ、Hi8MEテープ用ベースに比
べ、更に金属磁性膜形成表面粗度の小さいベースフィル
ムが利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
に非常に平滑な民生用デジタルビデオテープは、その磁
性面の表面性の変動により電磁変換特性が非常に変化
し、また平滑なベースフィルムを使用するため、加工速
度を上げるとフィルムが削れやすくなり、また帯電が起
こり、大量生産することが難しい。
【0004】すなわち、デジタルビデオテープ用の強磁
性金属薄膜を真空蒸着により設けてなるためのベースフ
ィルムとして、上記の(1)、(4)は高密度磁気記録特性を
与えるが、ハンドリング性が不良で、民生用デジタルビ
デオテープの大量生産には不適当である、上記の(2)、
(5)は真空蒸着の工程で加工速度を上げると、冷却キャ
ンで走行面側易滑層が削れたり、易滑層内の異物が冷却
キャンに付着、堆積したりして、真空蒸着過程でベース
フィルムの熱負け現象を起こし、テープのドロップアウ
ト個数が増大し、民生用デジタルビデオテープの大量生
産には不適当である、上記(3)より作成したテープは、
テープ磁性面の表面うねりのバラツキが大で、電磁変換
特性のバラツキが大となりがちである。また(3)のポリ
エステルフィルムは高速に加工した場合は工程内のロー
ル、冷却キャンでB面が削れ、テープのドロップアウト
個数が増大し、民生用デジタルビデオテープの大量生産
には不適当である、従って本発明は、真空蒸着速度を高
速にしても走行面側の削れ、フィルムの熱負けがなく、
得られた磁気テープの表面うねりが小さく、ドロップア
ウトの少ない磁気テープとなる大量生産に適した磁気記
録媒体用ポリエステルフィルムを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決するた
めに、本発明は以下の構成からなる。
【0006】すなわち本発明は、平均粒子径が100〜
500nmのケイ酸アルミニウム粒子を含み、一方の表
面AのSRa値が2〜4nm、SRz値が10〜40n
mであり、他の表面Bが前記のケイ酸アルミニウム粒子
により形成された表面突起を有することを特徴とする磁
気記録媒体用ポリエステルフィルム、および該ポリエス
テルフィルムの表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設け
てなる磁気記録媒体である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとは
分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであ
れば良いが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートが好ましい。すなわち、その
構成成分の80%以上がエチレンテレフタレート、エチ
レンナフタレートであるポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートである。エチレン
テレフタレート、エチレンナフタレート以外のポリエス
テル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成
分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官
能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸など
が挙げられる。
【0008】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度に混合してもよい。
【0009】本ポリエステルフィルムの片側表面AのS
Ra値は表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金
属薄膜膜の記録・再生時のビデオヘッドによる磨耗を極
力少なくし、およびDVCテープの出力特性を良好に保
つために2〜4nm、好ましくは2〜3nmであり、S
Rz値はデジタルビデオテープレコーダー内の多数回に
わたる繰返し記録、再生でDVCテープの強磁性薄膜の
耐久性を保ち、DVCテープの小さなドロップアウトを
極力少なくするために10〜40nm、好ましくは20
〜40nmである。
【0010】SRa値が2nm未満であると、表面A上
に真空蒸着により形成される強磁性金属薄膜層が平滑す
ぎて、デジタルビデオテープレコーダー内の記録、再生
時にビデオヘッドによりビデオテープの強磁性金属薄膜
が磨耗してしまい好ましくない。SRa値が4nmを超
えると、該強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、ビデオテー
プの出力特性が低下し好ましくない。
【0011】SRz値が10nm未満であると、該強磁
性金属薄膜層が平滑すぎて、デジタルビデオテープレコ
ーダー内の多数回にわたる繰返し記録、再生でビデオテ
ープの強磁性薄膜の耐久性が低下し好ましくない。SR
z値が40nmを超えると、該強磁性金属薄膜層が粗面
になりすぎて、ビデオテープの小さなドロップアウト
(DO)個数が増加し好ましくない。
【0012】本ポリエステルフィルムの片側表面Bには
ポリエステルフィルム内に存在する平均粒径が100〜
500nmのケイ酸アルミニウム粒子により表面突起が
形成されている。前記表面BのSRa値はポリエステル
フィルムを製膜した後、ポリエステルフィルムを所定の
幅にスリットする際、巻姿の良い製品を採取しやすく
し、ポリエステルフィルムの片側表面A上に強磁性薄膜
を設けた後にロール状の巻取りにより片側表面Bの粗さ
が転写し強磁性薄膜層にうねり状の変形が起きるのを最
小限にするために、8〜20nm、より好ましくは10
〜18nmとするのが望ましい。ポリエステルフィルム
の製膜後、ポリエステルフィルムをスリットした後のロ
ール状の製品の巻姿を良好に保ち、ポリエステルフィル
ムの片側表面A上に強磁性薄膜を設けた後にロール状の
巻取りにより片側表面Bの粗さが転写し強磁性薄膜層に
うねり状の変形が起きるのを最小限にするために、Sz
値は100〜500nm、より好ましくは140〜36
0nmとするのが望ましい。ケイ酸アルミニウム粒子の
平均粒径が100nm未満であると、表面Bが平滑にな
りすぎ、本ポリエステルフィルム製品を巻出し強磁性金
属を真空蒸着するときフィルムの帯電が大になりすぎ、
フィルムからの放電が起こり、真空蒸着ができなくなり
好ましくない。ケイ酸アルミニウム粒子の平均粒径が5
00nmを超えると強磁性金属を真空蒸着するときに片
側表面Bが冷却キャンに密着不足となりフィルムを冷却
できなくなりポリエステルフィルムの熱負けが起き好ま
しくない。
【0013】本発明におけるケイ酸アルミニウム粒子と
はケイ素、アルミニウムおよび少なくとも一種のアルカ
リ金属を主たる構成成分とする複合酸化物であって、ケ
イ素(Si)、アルミニウム(Al)および少なくとも
一種のアルカリ金属(M)の含有量が下記(1)〜
(3)を満たす化合物で、実質的に非晶質の長径/短径
比が1.0〜1.2である球形粒子である。
【0014】 10重量%≦Si≦45重量%・・・(1) 3重量%≦Al≦30重量%・・・(2) 0.5重量%≦M ≦20重量%・・・(3) またケイ酸アルミニウム粒子のケイ素原子/アルミニウ
ム原子のモル比は0.25〜10であり、アルカリ金属
はナトリウムであるのが特に好ましい。
【0015】ケイ素とアルミニウムより成り立っている
ため粒子は硬く、ポリエステルとの親和性も良く片側表
面Bに形成される表面突起の耐削れ性が良好でポリエス
テルフィルム製膜時ならびにポリエステルフィルムを真
空蒸着、DLC膜コート時に表面突起が削れ、付着物と
なることがない。アルカリ金属が含有されているため、
本ポリエステルフィルム製品を巻出し強磁性金属を真空
蒸着するときフィルムの帯電が低くなり好ましい。高速
度で蒸着しても、フィルムからの放電が起こりにくくな
り好ましい。
【0016】なお前述のB面のSRa、SRz値が満足
される限り、片側表面Bにポリエステルフィルム内に存
在する平均粒径が500〜1000nmの微粒子による
表面突起が若干併用されていてもよい。
【0017】本発明のポリエステルフィルムは厚さ7μ
m未満が好ましく、5.5〜6.9μmがさらに好まし
い。
【0018】ポリエステルフィルム表面Aには平均粒径
が5〜30nm、より好ましくは8〜30nmの微細粒
子を0.5〜12.0重量%、より好ましくは0.6〜
10.0重量%含む有機化合物からなる被覆層が形成さ
れているのが望ましい。微細粒子としてはシリカ、炭酸
カルシウム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチレ
ン球、有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラ
ガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、
水溶性ポリエステル、ポリウレタン等の有極性高分子こ
れらのブレンド体が使用できるが、これらに限定されな
い。
【0019】また磁性層の耐久性を更に増すためには、
表面Aを形成するポリエステル層内には平均粒径が30
〜150nm、好ましくは40〜100nmの微細粒子
を0.01〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.
8重量%含ませ表面A上に表面突起をもたせるのが好ま
しい。
【0020】本磁気記録媒体は本発明のポリエステルフ
ィルム表面A(表面A上に被覆層が形成されている場合
にはその被覆層)上に真空蒸着により形成される強磁性
金属薄膜層を設けてなることを特徴とする。使用する金
属薄膜は公知のものを使用でき、特に限定されないが、
鉄、コバルト、ニッケル、またはそれらの合金の強磁性
体からなるものが好ましい。金属薄膜層の厚さは100
〜300nmである。
【0021】本磁気記録媒体は表面B上に固体微粒子お
よび結合剤からなり、必要に応じて各種添加剤を加えた
溶液を塗布することにより形成されるバックコート層を
設ける。固体微粒子、結合剤、添加剤としては公知のも
のを使用でき、特に限定されない。バックコート層の厚
さは0.3〜1.5μm程度である。
【0022】次に本発明のフィルムおよび磁気テープの
製法を説明する。
【0023】本発明のポリエステルフィルムは溶融、成
形、二軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィ
ルム製造工程において、共押出し技術の使用により含有
粒子を可能な限り除いた層A用の原料と平均粒子径が1
00〜500nmのケイ酸アルミニウム粒子を0.05
〜1.5重量%含有させた層B用の原料を用いたA/B
積層フィルムを押出し、縦、横方向に90〜140℃で
2.7〜3.2倍、3.5〜7.0倍延伸し、180〜
220℃の温度で熱固定を行い、製造することができ
る。
【0024】一方向に延伸後の平滑なポリエステルフィ
ルムのA面側に、平均粒径が5〜30nm、好ましくは
8〜30nmの微細粒子を0.5〜12.0重量%、好
ましくは0.6〜10.0重量%含む有機化合物からな
る塗液を塗布して表面A側に被覆層を形成させるのが好
ましい。
【0025】A層は磁気テープの磁気ヘッドによる耐久
性を更に増すために、その内部に微細粒子を含ませても
良い。
【0026】表面AのSRa、SRzは表面A上に形成
させた被覆層内の微粒子、成分、A層内部の微細粒子の
調整により調整することができる。
【0027】本発明のポリエステルフィルムは磁気記録
媒体のベースフィルムとして、特にデジタルビデオテー
プ用途に使用すると優れた結果を得ることができ好適で
ある。またデータストレージテープ用途に使用しても優
れた結果を得ることができ好適である。
【0028】本発明の磁気テープは本発明のポリエステ
ルベースフィルムの片側表面AにCo等の強磁性金属薄
膜を真空蒸着により膜厚み100〜300nmと形成
し、この金属薄膜上に10nm程度の厚みのダイヤモン
ド状カーボン膜をコーティングし、更にその上に潤滑剤
処理し、かつ片側表面Bには固体微粒子および結合剤か
らなり、必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布す
ることによりバックコート層を設けて作成する。
【0029】
【実施例】本実施例で用いた測定法を下記に示す。
【0030】(1)SRa値、SRz値 表面粗さSRa値、SRz値は、JIS B 0601
で規定する中心線平均粗さ(Ra)、十点平均粗さ(R
z)に相当する中心線面平均粗さ、十点平均面粗さであ
り、次の方法により測定されたものである。
【0031】小坂研究所製の光触針式(臨界角焦点エラ
ー検出方式)の3次元粗さ計(ET−30HK)を使用
して測定した。SRa、SRz値の測定は試料表面にA
l蒸着を施し光の反射率を増大させて行った。測定方向
は幅方向とし、カットオフ値は0.08mm、測定長は
0.1〜0.25mm、送りピッチは0.2μm、測定
スピードは20μm/s、測定本数は100本とした。
単位はnmとした。
【0032】(2)本発明フィルムに強磁性体薄膜を設
けた本発明磁気テープ(DVCテープ)の特性評価は、
市販のカメラ一体型デジタルビデオテープレコーダーの
LPモードを用いて静かな室内で録画、再生し、ドロッ
プアウト(DO)個数を求めることにより行った。DO
個数の測定は、作成した本DVCテープを市販のカメラ
一体型デジタルビデオテープレコーダーで録画し、1分
間の再生をして画面にあらわれたブロック状のモザイク
個数を数えることによって行った。
【0033】DO個数は常温常湿(25℃、60%R
H)でテープ製造後の初期特性を最初に調べた。室温で
テープ走行を100回くり返した後のDO個数も測定し
た。
【0034】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0035】実施例1 実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタ
レートと平均粒径60nmのシリカを0.03重量%含
有させた原料Aと実質的に不活性粒子を含有しないポリ
エチレンテレフタレートと平均粒径190nmのケイ酸
アルミニウムを0.50重量%含有させた原料Bとを厚
み比5:1の割合で共押出しし、ロール延伸法で110
℃で3.0倍に縦延伸した。
【0036】縦延伸の後の工程で、片側表面Aの外側に
下記水溶液を塗布した。
【0037】 A面外側:メチルセルロース 0.10重量% 水溶性ポリエステル 0.30重量% (テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸30 モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) アミノエチルシランカップリング剤 0.01重量% 平均粒径 12nmの極微細シリカ 0.03重量% 固形分濃度 20mg/m2 その後、ステンターにて横方向に102℃で4.2倍に
延伸し、215℃で熱処理し中間スプールに巻き、スリ
ッターで小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻
取り、厚さ6.3μmのロール状ポリエステルフィルム
を得た。
【0038】このポリエステルフィルム表面Aに真空蒸
着にコバルト−酸素薄膜を1100nmの膜厚で従来
(30m/分)より高速の50m/分の速度で形成でき
た。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリング法
によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚みで従
来(10m/分)より高速の30m/分の速度で形成で
きた。続いてカーボンブラック、ポリウレタン、シリコ
ーンからなるバックコート層を500nm設け、スリッ
ターにより幅6.35mmにスリットしリールに巻き取
り磁気テープ(DVCビデオテープ、LPモード)を作
成した。
【0039】得られたポリエステルフィルム及び磁気テ
ープの特性を表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1のベースフィルム製造において、原料Aに含有
させたシリカを除き、原料B中のケイ酸アルミニウムの
粒子径を300nmとし、含有量を0.30重量%とし
た。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポ
リエステルフィルムロールを得た。その他は実施例1と
同様にして幅6.35mmの磁気テープを作成した。得
られたポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表
1に示す。
【0041】実施例3 実施例1のベースフィルム製造において、ポリエチレン
テレフタレートをポリエチレン−2,6−ナフタレート
と変更し、原料B内のケイ酸アルミニウムの含有量を
1.1重量%とし、縦延伸温度、倍率を135℃で5.
0倍とし、横延伸温度、倍率を135℃、6.5倍と
し、200℃で熱処理と変更し、その他は同様にして、
厚さ4.2μmの複合ポリエステルフィルムロールを得
た。その他は実施例1と同様にして幅6.35mmの磁
気テープを作成した。得られたポリエステルフィルム及
び磁気テープの特性を表1に示す。
【0042】比較例1 実施例1のベースフィルム製造において、水溶液塗布の
固形分濃度を10mg/m2とした。その他は実施例1
と同様にして厚さ6.3μmの複合ポリエステルフィル
ムロールを得、幅6.35mmの磁気テープを作成し
た。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁気テープ
の特性を表1に示す。
【0043】比較例2 実施例1のベースフィルム製造において、塗布水溶液の
メチルセルロース濃度を0.15重量%とした。その他
は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの複合ポリエス
テルフィルムロールを得、幅6.35mmの磁気テープ
を作成した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。
【0044】比較例3 実施例1のベースフィルム製造において、塗布水溶液内
の極微細シリカの濃度を0.02重量%とした。その他
は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの複合ポリエス
テルフィルムロールを得、幅6.35mmの磁気テープ
を作成した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。
【0045】比較例4 実施例1のベースフィルム製造において、原料Aに含有
させたシリカの平均粒径を90nmに変更した。その他
は実施例1と同様にして厚さ6.3μmの複合ポリエス
テルフィルムロールを得、幅6.35mmの磁気テープ
を作成した。得られた複合ポリエステルフィルム及び磁
気テープの特性を表1に示す。
【0046】比較例5 実施例1のベースフィルム製造において、原料B中のケ
イ酸アルミニウムを平均粒子径200nmのシリカ粒子
に変更した。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3
μmの複合ポリエステルフィルムロールを得、幅6.3
5mmの磁気テープを作成した。得られた複合ポリエス
テルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0047】比較例6 実施例1のベースフィルム製造において、原料B中のケ
イ酸アルミニウムの平均粒子径を80nmに変更した。
その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポリエ
ステルフィルムロールを得た。このポリエステルフィル
ム表面Aに真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を50m
/分の速度で形成させようとしたが、ポリエステルフィ
ルム製品が帯電し、放電がはげしく、フィルムが切れて
しまい蒸着ができなかった。得られた複合ポリエステル
フィルムの特性を表1に示す。 比較例7 実施例1のベースフィルム製造において、原料B中のケ
イ酸アルミニウムの平均粒子径を570nmに変更し
た。その他は実施例1と同様にして厚さ6.3μmのポ
リエステルフィルムロールを得た。このポリエステルフ
ィルム表面Aに真空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を5
0m/分の速度で形成させようとしたが、ポリエステル
フィルムの片側表面Bが冷却キャンに密着不足となりフ
ィルムが冷却できなくなりポリエステルフィルムの熱負
けが起き、蒸着が不可能であった。得られた複合ポリエ
ステルフィルムの特性を表1に示す。 比較例8 実施例1のベースフィルム製造において、原料B中のケ
イ酸アルミニウムを平均粒子径150nmの酸化アルミ
ニウム粒子に変更した。その他は実施例1と同様にして
厚さ6.3μmの複合ポリエステルフィルムロールを得
た。このポリエステルフィルム表面Aに真空蒸着により
コバルト−酸素薄膜を50m/分の速度で形成させよう
としたが、ポリエステルフィルム製品が帯電し、放電が
はげしく、フィルムが切れてしまい蒸着ができなかっ
た。得られた複合ポリエステルフィルムの特性を表1に
示す。 比較例9 実施例1のベースフィルム製造において、原料B中のケ
イ酸アルミニウムを平均粒子径400nmの硫酸バリウ
ム粒子に変更した。その他は実施例1と同様にして厚さ
6.3μmの複合ポリエステルフィルムロールを得、幅
6.35mmの磁気テープを作成した。得られた複合ポ
リエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示
す。
【0048】比較例10 実施例1のベースフィルム製造において、原料B中のケ
イ酸アルミニウムを平均粒子径300nmの炭酸カルシ
ウム粒子に変更した。その他は実施例1と同様にして厚
さ6.3μmの複合ポリエステルフィルムロールを得、
幅6.35mmの磁気テープを作成した。得られた複合
ポリエステルフィルム及び磁気テープの特性を表1に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】表1の特性から明らかな様に、本発明ポ
リエステルフィルムの片側表面Aに強磁性金属薄膜層が
設けられた磁気テープはDO個数の少ない、繰返し走行
での耐久性に優れたデジタルビデオテープとなり得る。
なお本発明のポリエステルフィルムは生産性の優れた蒸
着型磁気テープ用ベースとして使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が100〜500nmのケイ酸
    アルミニウム粒子を含み、一方の表面AのSRa値が2
    〜4nm、SRz値が10〜40nmであり、他の表面
    Bが前記のケイ酸アルミニウム粒子により形成された表
    面突起を有することを特徴とするポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】ポリエステルがポリエチレンテレフタレー
    トまたはポリエチレン−2、6−ナフタレートである請
    求項1記載のポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】デジタル記録方式の磁気記録媒体用に用い
    られることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のポリエス
    テルフィルムの表面Aの外側に強磁性金属薄膜層を設け
    てなることを特徴とする磁気記録媒体。
JP25519197A 1997-09-19 1997-09-19 磁気記録媒体用ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 Pending JPH1191053A (ja)

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