JP2003345000A - フォトレジスト用積層フィルム - Google Patents

フォトレジスト用積層フィルム

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JP2003345000A
JP2003345000A JP2002155290A JP2002155290A JP2003345000A JP 2003345000 A JP2003345000 A JP 2003345000A JP 2002155290 A JP2002155290 A JP 2002155290A JP 2002155290 A JP2002155290 A JP 2002155290A JP 2003345000 A JP2003345000 A JP 2003345000A
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polyester film
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photoresist
laminated
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JP2002155290A
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Takeshi Asada
毅 浅田
Tetsuo Ichihashi
哲夫 市橋
Kei Mizutani
圭 水谷
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Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細な印刷回路板を収率良く生産すること
が可能であり、フォトレジスト用フィルムに用いた際に
解像度の向上と不良品率の減少に寄与する、優れたフォ
トレジスト用積層フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルム(A)の少なくと
も片面にポリエステルフィルム(B)を積層した多層ポ
リエステルフィルムの片面に、感光層(C)、更にその
表面上に保護フィルム(D)を積層してなるフォトレジ
スト用積層フィルムであって、該多層ポリエステルフィ
ルム中に存在する20μm以上の粗大異物の個数Xが0
≦X≦10(個/m2 )の範囲であり、且つポリエステ
ルフィルム(B)が平均粒径0.8〜2.5μmの粒子
(I)を0.01〜0.1重量%及び平均粒径0.01
〜0.2μmの粒子(II)を0.1〜0.8重量%を含
有することを特徴とするフォトレジスト用積層フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフォトレジスト用積
層フィルムに関し、更に詳しくは解像度向上と不良品率
の減少に寄与する、優れたフォトレジスト用積層フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷配線回路板などの製造に、フ
ォトレジストフィルムが用いられるようになってきてい
る。フォトレジストフィルムは、通常、支持体層、フォ
トレジスト層、保護層からなる積層構造体であり、この
支持体層として、機械的、化学的、光学的特性に優れた
ポリエステルフィルムが用いられている。
【0003】フォトレジストフィルムを用いて導電性の
回路を形成させる場合、まず、フォトレジストフィルム
の保護層を剥離し、露出したフォトレジスト層を、基板
に貼り付けた導電性基材の上に密着させた後、支持体側
に、回路を印刷したガラス板を密着させる。次いで、こ
のガラス板側から光を照射して、フォトレジスト層の感
光性樹脂を露光、反応させ、その後、フォトレジスト層
の未反応部分を溶剤などで除去する。更に酸などでエッ
チングを行なうと、フォトレジスト層の除去により露出
した導電性基材が除去され、感光性樹脂が反応して、溶
剤等により除去されなかった部分の導電性基材は、その
まま残ることになる。その後、残ったフォトレジスト層
を適当な手段で除去すれば、基板上に導電性基材層が回
路として形成される。
【0004】この支持体層として用いられるポリエステ
ルフィルムは、異物が少ないことが要求される。例えば
特開平10−46012号公報では50μm以上の粗大
異物の個数を制限し、回路欠陥を少なくすることが開示
されている。このような異物の原因として考えられてい
るのは通常、ポリエステルフィルムに含まれている滑剤
の凝集や原料投入時混入する外部異物、熱劣化したポリ
マーの塊等、幾つか挙げることができるが、上記公報で
はフィルターの強化及び滑剤種を適切に選定することで
異物問題の解決を試みている。
【0005】一方、近年では電気、電子機器の小型化、
薄型化が進み、回路パターンの細線化が著しくなってい
る。このため従来ならば回路欠陥の原因とはならないレ
ベルの異物も問題になることが判ってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解消し、回路の細線化に有用なフォトレ
ジスト用積層フィルムを提供することを課題とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来考えられてい
たポリエステルフィルム中の異物よりもさらに小さな異
物が回路欠陥の原因となっていること、及びポリエステ
ルフィルム中に、特定範囲の平均粒径をもつ粒子を含有
させないことが解像度向上につながることを見出し、こ
のポリエステルフィルムを用いれば、高解像度のフォト
レジスト用積層フィルムを作成できることを見出し本発
明に到達した。
【0008】即ち、本発明によれば、本発明の目的は、
(1)ポリエステルフィルム(A)の少なくとも片面に
ポリエステルフィルム(B)を積層した多層ポリエステ
ルフィルムの片面に、感光層(C)、更にその表面上に
保護フィルム(D)を積層してなるフォトレジスト用積
層フィルムであって、該多層ポリエステルフィルム中に
存在する20μm以上の粗大異物の個数Xが0≦X≦1
0(個/m2 )の範囲であり、且つポリエステルフィル
ム(B)が平均粒径0.8〜2.5μmの粒子(I)を
0.01〜0.1重量%及び平均粒径0.01〜0.2
μmの粒子(II)を0.1〜0.8重量%を含有するこ
とを特徴とするフォトレジスト用積層フィルムにより達
成される。
【0009】また、本発明の好ましい実施形態として、
(2)多層ポリエステルフィルムが二軸配向多層ポリエ
ステルフィルムである(1)に記載のフォトレジスト用
積層フィルム、(3)多層ポリエステルフィルムの感光
層(C)を積層しない側にポリエステルフィルム(B)
が積層されている(1)に記載のフォトレジスト用積層
フィルム、(4)多層ポリエステルフィルムの感光層
(C)を積層しない側の表面の粗大突起数Nが0≦N≦
5(個/10cm2 )である(1)に記載のフォトレジ
スト用積層フィルム、(5)多層ポリエステルフィルム
表面のエア抜け指数Sが5≦S≦40(mmHg/h
r)を満たす(1)または(2)に記載のフォトレジス
ト用積層フィルム、(6)多層ポリエステルフィルムの
平行光透過率Tが、波長365nmにおいて75≦T≦
90(%)である(1)ないし(3)の何れかに記載の
フォトレジスト用積層フィルムを挙げることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】[ポリエステル]本発明において、ポリエ
ステルフィルム(A)及びポリエステルフィルム(B)
に用いるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸を主たる
酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分
とする熱可塑性ポリエステルである。かかるポリエステ
ルは実質的に線状であり、そしてフィルム形成性、特に
溶融成形によるフィルム形成性を有するものである。
【0012】芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル
酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルジカル
ボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニル
スルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン
酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができ
る。
【0013】脂肪族グリコールとしては、例えばエチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素
数2〜10のポリメチレングリコールあるいは1,4−
シクロヘキサンジメタノールの如き脂肪族ジオール等を
挙げることができる。
【0014】本発明においては、ポリエステルとして、
アルキレンテレフタレートを主たる構成成分とするもの
が好ましく用いられる。かかるポリエステルのうちで
も、ポリエチレンテレフタレートの単独重合体、全ジカ
ルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸であり、
全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコー
ルであるポリエチレンテレフタレート共重合体が好まし
い。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸以
外の上記芳香族ジカルボン酸成分であることができ、或
いは例えばアジピン酸、セバチン酸などの如き脂肪族ジ
カルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の
如き脂環族カルボン酸等であることができる。また、全
グリコール成分の20モル%以下はエチレングリコール
以外の上記グリコールであることができ、或いは例えば
ハイドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシジフェニル)プロパン等の如き芳香族ジオール;
1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンの如き芳香環を有
する脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等
の如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレ
ングリコール)等であることもできる。
【0015】ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカル
ボキシレートを主たる構成成分とするポリエステルは、
感光性樹脂を構造変化させるために使用する光源がg線
(波長436nm)の場合は、ポリエチレンテレフタレ
ートに近い光線透過率が得られるが、主として用いられ
る光源のi線(波長365nm)の場合は光線透過率が
10%近辺であり、支持体フィルム側から紫外線を照射
する方式が用いられる限り、フォトレジスト支持体フィ
ルムとしてポリエチレンテレフタレートより劣ってい
る。
【0016】また、本発明におけるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸;ω−
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分および
オキシカルボン酸成分の総量に対して20モル%以下で
共重合あるいは結合するものも包含される。
【0017】更に本発明におけるポリエステルには、実
質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モ
ル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポリ
ヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリ
スリトール等を共重合したものを包含される。
【0018】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、且つそれ自体公知の方法で製造することができる。
また、本発明に用いるポリエステルとしては、o−クロ
ロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固
有粘度が約0.4〜0.9dl/gの範囲のものが好ま
しい。尚、ポリエステルフィルム(A)及びポリエステ
ルフィルム(B)に用いるポリエステルは、上記のポリ
エステルであれば同一のものであっても良く、異なるも
のであっても良い。
【0019】[多層ポリエステルフィルム]本発明のフ
ォトレジスト用積層フィルムに用いる多層ポリエステル
フィルムは、ポリエステルフィルム(A)の少なくとも
片面にポリエステルフィルム(B)を積層したものであ
って、二軸配向した多層ポリエステルフィルムとして用
いることが好ましい。
【0020】本発明において、多層ポリエステルフィル
ム中に存在する20μm以上の粗大異物の個数Xが0≦
X≦10(個/m2 )の範囲であることが必要である。
【0021】本発明において20μm以上の粗大異物と
は、フィルムについて万能投影機を用い、透過照明にて
20倍に拡大し、20μm以上の最大長をもつ異物とし
て観察されるものである。かかる粗大異物は、例えば最
大長が20μm以上の単粒子、最大長が20μm以上の
凝集粒子、最大長が20μm以上のポリエステルの劣化
物などである。
【0022】多層ポリエステルフィルム中に存在する2
0μm以上の粗大異物の個数Xは、好ましくは0≦X≦
5(個/m2 )、更に好ましくは0≦X≦3(個/
2 )である。20μm以上の大きさの粗大異物の個数
が10個/m2 より多いと、レジスト硬化の際、紫外線
の光路を遮断し、回路欠陥の原因となる。特に最大長が
50μm以上の粗大異物はレジストとフォトマスクの密
着不良の原因となり解像度にも悪影響を与えるため、こ
のような粗大異物は2個/m2 以下であることが好まし
い。
【0023】多層ポリエステルフィルム中の粗大異物の
個数を10個/m2 以下にする為には、多層ポリエステ
ルフィルムの製膜時に溶融ポリエステルを線径15μm
以下のステンレス鋼細線よりなり、平均目開き50〜2
5μm、好ましくは10〜20μmの不織布型フィルタ
ーで濾過することが好ましく、かかるフィルターを2段
にするとさらに効果が大きい。使用するフィルターの目
開きが25μmを超えると溶融ポリマー中の粗大異物を
減少させる効果がなく、一方目開きが5μm未満の場合
は濾過時の圧力及び圧力上昇が大となり、フィルターと
して工業上実用化することは困難である。また線径が1
5μmを超えると、平均目開き5〜25μmでは粗大異
物は捕集できない。
【0024】また、本発明において、多層ポリエステル
フィルムを構成するポリエステルフィルム(B)は、平
均粒径0.8〜2.5μmの粒子(I)を0.01〜
0.1重量%及び平均粒径0.01〜0.2μmの粒子
(II)を0.1〜0.8重量%を含有することが必要で
ある。
【0025】このポリエステルフィルム(B)(以下
『表層』ということがある)は、ポリエステルフィルム
(A)(以下『芯層』ということがある)の少なくとも
片面に形成させるがが、芯層の両面に形成させてもよ
い。ポリエステル(B)を多層ポリエステルフィルムの
両面の最表層に形成させる場合は、両表層中の粒子の種
類、含有量が同じであっても、異なっていてもよい。更
に多層ポリエステルフィルムは、芯層としてポリエステ
ル(A)以外のポリエステル層を内層として形成させ
た、四層以上の積層フィルムであってもよい。多層ポリ
エステルフィルムの芯層は粒子を含有していてもよく、
粒子を含有していなくてもよいが、表層の粒子の含有量
より少ない方が好ましい。これは、作業性と光線透過率
を両立させるためである。その意味では、ポリエステル
フィルム(B)/ポリエステルフィルム(A)/ポリエ
ステルフィルム(B)の3層積層構造が好ましい。
【0026】なお、ポリエステルフィルム(B)の厚み
は、含有する粒子(I)の粒径から、脱落を考慮して、
決めることが好ましく、通常0.2〜5μm、好ましく
は、0.5〜3μmである。また、多層ポリエステルフ
ィルムの厚みは、10〜25μmの範囲が好適である。
フィルムの厚みが25μmを超えると解像度が低下する
傾向があり、10μm未満では剥離時に破断しやすく好
ましくない。また、多層ポリエステルフィルムの表面に
は、本発明の効果を損なわない限り、接着性、滑り性向
上などを目的として、コロナ放電処理、各種塗剤の塗布
等の表面改質処理が行われていてもよい。
【0027】[粒子]本発明において、多層ポリエステ
ルフィルムの表層に含有させる粒子(I)及び粒子(I
I)としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム、タルク、ゼオライト、カオリン等の無
機粒子、架橋高分子、シリコーン等の有機粒子を挙げる
ことができる。かかる粒子の中でも、特に高度の透明性
と滑り性を得るためには、シリカ粒子、シリコーン粒
子、アルミナ粒子が好ましい。なお、粒子(I)及び粒
子(II)は、同種類であっても、異種類であってもよ
い。
【0028】本発明において、ポリエステルフィルム
(B)には、平均粒径の異なる粒子(I)及び粒子(I
I)を含有させる。粒子(I)は平均粒径0.8〜2.
5μmの粒子であり、好ましくは1.0〜2.0μmで
ある。また、粒子(II)は平均粒径0.01〜0.2μ
mの粒子であり、好ましくは0.05〜0.15μmで
ある。これは平均粒径が0.2〜0.8μmの粒子の存
在が、露光時の波長365nmの光線透過率に最も悪影
響を与えるためである。その観点からは、0.8μmを
超える大きな粒子(I)のみを含有させるか、あるいは
0.2μm未満の小さな粒子(II)を含有させる選択も
考えられるが、本発明においては互いに異なる2種の平
均粒径をもつ粒子の含有が必要であり、これにより、フ
ィルムに滑り性と透明性を両立させることが可能とな
る。
【0029】例えば粒子(I)のみを添加しても、フィ
ルム表面には地肌を粗くする小さな突起が不足して、微
細な傷の原因となる。また粒子(II)のみを添加した場
合、粒径が小さいためフィルムの滑り性は向上しない。
【0030】この粒子(I)の平均粒径が、2.5μm
を超えると、フィルム表面に大きな突起が存在するた
め、フォトマスクとの密着性が不足し、解像度低下が生
じる等の問題が発生する。またフィルム表面の地肌に微
細な突起を付与できないため、微小なスクラッチ等の原
因ともなる。一方0.8μm未満では前述の如く、解像
度に悪影響を与える。
【0031】粒子(II)の平均粒径が、0.01μmに
満たないと、フィルム表面に微細な突起を付与できない
ため、滑り性、フィルムの耐削れ性の改善が見られな
い。一方、粒子(II)の平均粒径が0.2μmをこえる
と、滑り性は改善されるが、前述の如く、解像度に悪影
響を与える。
【0032】また、本発明のポリエステルフィルム
(B)には、フィルムの滑り性と透明性の両立の観点か
ら、平均粒径0.8〜2.5μmの粒子(I)を、0.
01〜0.1重量%含有させることが必要であり、0.
02〜0.07重量%を含有させることが好ましい。ま
た、平均粒径0.01〜0.2μmの粒子(II)を、
0.1〜0.8重量%含有させることが必要であり、
0.2〜0.6重量%含有させることが好ましい。
【0033】本発明に用いる粒子の粒度分布はシャープ
なものが好ましい。即ち、本発明のフォトレジスト用積
層フィルムの支持体用ポリエステルフィルムBにおいて
は、前述の如く、特定範囲の平均粒径を持つ粒子が含有
されない、または可能な限り少ないことを特徴とする。
ブロードな粒度分布を持つ粒子は平均粒径を一見しただ
けでは判らないが、実際には平均粒径からかなりはずれ
た粒径をもつ粒子も含まれており好ましくない。粒度分
布のシャープ差を表す指標である粒度分布値(d25/
d75)は、2以下が好ましく、さらに、1.8以下が
更に好ましい。かかる粒度分布のシャープな粒子して
は、例えば、球状シリカ粒子、球状シリコーン粒子等が
挙げられる。上記中のd25、d75は、粒子群の積算
体積を大粒子側から計測し、それぞれの総体積の25
%、75%に相当する粒径(μm)を表す。
【0034】[粗大突起数]本発明において、多層ポリ
エステルフィルムの感光層(C)を積層しない側の表面
における粗大突起数Nは、0≦N≦5(個/10c
2)であることが好ましい。このようにすることによ
りフォトマスクとの密着性を上昇させ、解像度を上げる
ことが可能となる。ここで言う粗大突起とは後述の測定
により求められる高さが0.58μm以上のものを意味
する。
【0035】[エア抜け指数]本発明において、フォト
レジスト用積層フィルムの高速でのハンドリングを可能
にするために、多層ポリエステルフィルム表面のエア抜
け指数Sを5≦S≦40、好ましくは10≦S≦38、
さらに好ましくは15≦S≦35(mmHg/hr)に
すると良い。S≦5では滑り性が不足して高速での巻取
り性に劣り、S≧40では逆に滑りが良すぎて端面ずれ
等のロール欠点因となる。
【0036】[平行光透過率]本発明において、多層ポ
リエステルフィルムの波長365nmにおける平行光透
過率は75%〜90%、好ましくは80%〜87以上、
さらに好ましくは82〜85%である。平行光透過率と
は、フィルムを透過してくる光線の平行な成分を意味す
る。この平行光透過率が高ければ高いほど拡散光成分が
少ないため露光によりシャープな形状のレジストを形成
することが可能となり、レジストパターンの細線化に貢
献する。その意味で理想的にはフィルム中の滑剤を0に
するのが好ましいが、滑り性を持たせるために表層には
最低限の滑剤添加は必要であり、平行光透過率の上限値
は滑剤添加量に依存する。また、ポリマーの種類にも依
存し、ポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエ
ステルフィルムは上記の平行光透過率を得る事ができる
が、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートを主体とするフィルムは、上記の平行光透過率を得
る事が困難である。
【0037】[ポリエステルフィルムの製膜方法]本発
明に用いる多層ポリエステルフィルムは、基本的には、
前記ポリエステルを溶融製膜して二軸延伸し、更に熱処
理することによって製膜されるが、これら各工程の方
法、条件自体は各々に公知の方法、条件のうちから採用
することができる。更に詳細に説明すれば、まず、先に
説明した滑剤を含有するポリエステルフィルム(B)用
のポリエステルを押出機で溶融し、一方、滑剤を含有し
ないか含有量の少ないポリエステルフィルム(A)用の
ポリエステルを別の押出機で溶融し、それぞれ前記のフ
ィルターで濾過した後、3層のスリット状のダイから表
層にポリエステルフィルム(B)が配置されるようにし
てシート状に押出し、キャスティングドラムで冷却固化
して未延伸シートを形成し、この未延伸シートを延伸温
度70〜120℃、延伸倍率3〜5倍で縦及び横方向に
各々延伸し、しかる後200〜250℃で熱処理する。
【0038】本発明において、多層ポリエステルフィル
ム(支持体層)の表層には、平均粒径0.8〜2.5μ
mの有機球状粒子及び0.01〜0.2μmの球状シリ
カ粒子を含有していることが好ましい。従来ポリエステ
ルの滑剤として知られている多孔質シリカ粒子の凝集体
は、凝集粒子が粗大異物を形成するため、本発明の如き
レベルまで異物サイズ、量を低下させるのは困難であ
る。
【0039】有機球状粒子、及び球状シリカ粒子は、通
常、ポリエステルを形成する為の反応時、例えばエステ
ル交換法による場合のエステル交換反応中ないし重縮合
反応中の任意の時期、また直接重合法による場合の任意
の時期に、反応系中に好ましくは、グリコール中のスラ
リーとして添加される。特に、重縮合反応の初期、例え
ば固有粘度が約0.3dl/gに至るまでの期間に、該
粒子を反応系中に添加するのが好ましい。
【0040】このようにして得られた多層ポリエステル
フィルムは、フォトレジスト用積層フィルムに用いた際
に、レジストとの密着性、透明性、滑り性が共に優れて
おり、フォトレジスト用支持体フィルムとして好適に用
いることができる。
【0041】本発明においては、多層ポリエステルフィ
ルムを支持体層として使用し、これに感光層(C)及び
保護フィルム(D)を常法により積層することによりフ
ォトレジスト用積層フィルムとすることができる。
【0042】[感光層(C)]本発明における感光層
(C)には、公知の感光性樹脂組成物を用いることがで
きるが、希アルカリ水での現像を考慮し、必須成分とし
て(E)バインダーポリマー、(F)光重合開始剤及び
分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和
基を有する(G)光重合化合物を含むものが好ましい。
【0043】上記(E)バインダーポリマーとしては、
例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系
樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド
系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、特にアクリル
系樹脂が好ましい。
【0044】また、(F)光重合開始剤としては、例え
ば、芳香族ケトン、ベンゾインエーテル、ベンゾイン、
ベンジル誘導体等を挙げることができる。
【0045】更に、(G)光重合化合物としては、36
5nm波長の光線にて重合反応する化合物が使用され
る。例えば、多価アルコールにα、β−不飽和カルボン
酸を反応させて得られる化合物等を挙げることができ
る。
【0046】本発明における感光層(C)は、支持体層
の片面に上記感光性樹脂組成物を通常メタノール、エタ
ノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン等の
有機溶剤に溶解し、この溶液を乾燥後の厚みが例えば1
〜100μmとなるよう塗布した後、溶媒を乾燥除去す
ることにより設けることができる。
【0047】この感光層(C)は、例えば、多層ポリエ
ステルフィルムがポリエステルフィルム(A)とポリエ
ステルフィルム(B)の2層フィルムの場合は、ポリエ
ステルフィルム(A)の表面上に、多層ポリエステルフ
ィルムがポリエステルフィルム(A)の両面にポリエス
テルフィルム(B)を積層した3層フィルムの場合は、
ポリエステルフィルム(B)の一方の表面上に、前記感
光性樹脂組成物の溶液を塗布し、乾燥して塗設すること
ができる。
【0048】[保護フィルム(D)]本発明のフォトレ
ジスト用積層フィルムは、レジスト層保護の目的で、感
光層(C)の上に保護フィルム(D)が積層されてい
る。保護フィルム(D)としては、ラミネート時に剥離
されることを考慮すると、離形性が良好なポリオレフィ
ンフィルムが好ましい。尚、フォトレジスト用積層フィ
ルムの作成は、感光層(C)と保護フィルム(D)の積
層フィルムの感光層(C)面と多層ポリエステルフィル
ムとを貼り合せることにより作成することもできる。
【0049】[プリント配線板の製造]本発明のフォト
レジスト用積層フィルムを用いてプリント配線板を製造
するには、前記フォトレジスト用積層フィルムから保護
フィルム(D)を剥離した後、感光層(C)と支持体層
からなる積層フィルムを感光層(C)と導電性基板とが
接するように基板上にラミネートし、次いで支持体層上
に回路パターンをネガ印刷したガラス板を密着させ、露
光、現像する。露光時の光源には通常365nmの紫外
線を含むものが用いられる。
【0050】現像工程は、例えば炭酸ナトリウム水溶液
等のアルカリ性溶液等を露光した後の感光層(C)に接
触させ、未露光部を溶解して除去する。
【0051】上記工程にて最終的に基板上にレジストパ
ターンが形成され、この後、常法により、エッチング又
はめっきを行い、次いでレジストパターンを強アルカリ
性の水溶液等で剥離することにより、プリント配線板が
得られる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。な
お、実施例中の各特性は、次の方法で求めた。
【0053】(1)ポリエステルフィルム中の粗大異物
の個数 多層ポリエステルフィルムについて万能投影機を用い、
透過照明にて20倍に拡大し、20μm以上の最大長を
もつ粒子数を粗大異物の個数としてカウントした。測定
面積は1m2 とした。
【0054】(2)ポリエステルフィルムの粗大突起数 10cm×10cmの多層ポリエステルフィルムを2枚
重ね合わせて、ナトリウムD線(波長0.58nm)を
下からあて、観察される干渉リングの数により突起高さ
を判定した。なお干渉リングは1リングにつき突起高さ
0.29μmを表しており、3リング以上の干渉リング
を有する突起の単位面積あたりの数を算出し粗大突起数
とした。
【0055】(3)ポリエステルフィルムのエア抜け指
数 8cm×5cmに切り取った多層ポリエステルフィルム
片を20枚重ね、そのうち下19枚には中央に1辺2m
mの正三角形の穴をあけてデジタルベック平滑度試験機
(東洋精機製)を用いて単位時間あたりのエア抜け指数
(mmHg/hr)を測定した。
【0056】(4)ポリエステルフィルムの平行光透過
率 積分球式分光光度計(島津製作所製MPC−3100)
を用いて多層ポリエステルフィルム一枚の365nm波
長の光線透過率を測定した、その際、サンプルを積分球
入り口より30cmの距離に置き、拡散光成分が積分球
に入らないようにすることで平行光線の透過率を求め
た。
【0057】(5)粒子の平均粒径 多層ポリエステルフィルムの最外層(感光層(C)を積
層しない側)表面をプラズマエッテュングし、金スパッ
ター装置によりこの表面に金属蒸着膜を厚み200〜3
00オングストロームで形成せしめ、走査型電子顕微鏡
にて10000〜30000倍で観察し、日本レギュレ
ーター(株)製ルーゼックス500にて画像処理し、1
00個の粒子から平均粒径を求めた。
【0058】(6)滑り性(巻取り性) 製膜時のスリットを含めた巻取り工程、上記フォレジス
トフイルムを作成する工程を通して、滑り性を以下の3
段階で評価した。 ○:フィルムにしわの発生もなく、問題もなかった。 △:フィルムに時々しわが入った。 ×:常にフィルムの一部、又は全面にしわが入った。
【0059】(7)フォトレジスト用積層フィルム特性 [感光層の作製]バインダーにメタクリル酸/メタクリ
ル酸メチル/スチレン共重合体、光重合開始剤に芳香族
ケトン、光重合化合物にウレタンアクリレートを用いこ
れらをメチルエチルケトンからなる混合溶媒に溶解し、
感光性樹脂組成物溶液とする。この溶液を用いて多層ポ
リエステルフィルムの片面上の感光層を塗設する。
【0060】[フォトレジスト用積層フィルムの作製]
保護フィルムとして厚み30μmのポリエチレンフィル
ムを用い、その上に、上記感光性樹脂組成物溶液を塗布
して感光層を作成した後、この感光層面に支持体層(多
層ポリエステルフィルム)を被覆してフォトレジスト用
積層フィルムを作製した。
【0061】[プリント回路板の作製と解像度評価]ガ
ラス基板上に厚み30μmの銅はくを片面に積層した銅
張積層板の上に、前記フォトレジスト用積層フィルムか
ら保護フィルムを剥離したものを感光層が銅箔に接する
ように向けてラミネートした後、支持体層(支持体フィ
ルム)上に、配線パターンを有するネガマスクを密着さ
せ、露光機(水銀ショートアークランプ)を用いて露光
した。
【0062】次いで、支持体フィルムを除去し、炭酸ナ
トリウム水溶液で未硬化部を除去し、基板上にレジスト
パターンを形成した。得られたレジストパターンの、現
像残りの無い最小スペース幅の値を解像性として測定し
た。なお、この値が小さいほど解像性が優れたものであ
る。
【0063】[レジストパターン評価]次いで、エッチ
ング液(塩化第2銅/HCl水溶液)にてレジストで保
護されていない部分の銅を溶解し、さらに、レジストパ
ターンを剥離液(NaOH水溶液)で剥離し、基板上に
銅のラインが形成されたプリント配線板を作製した。レ
ジストパターンを剥離する前にレジストパターンの形状
を走査型電子顕微鏡で観察した。観察結果を下記○×基
準で評価した。 ○:レジストパターン形状が良好 ×:レジストに欠け発生 ××:パターンが形成されない
【0064】[実施例1] [支持体層(多層ポリエステルフィルム)の作製]ジメ
チルテレフタレートとエチレングリコールにエステル交
換触媒として酢酸マンガン、重合触媒として三酸化アン
チモン、安定剤として亜燐酸、更に表1に示す種類、量
の滑剤を添加させた後、エステル交換及び重縮合反応を
行い、固有粘度0.65dl/gの表層用ポリエチレン
テレフタレート(表層用PET)を準備した。
【0065】また芯層用ポリエステルには、実際の生産
時にはフィルム屑の再生ペレットが入ってくることを考
慮し、滑剤を表層用ポリエステルの1/4とした他は表
層用ポリエステルと同様の手法にて固有粘度0.65d
l/gの芯層用ポリエチレンテレフタレートペレット
(芯層用PET)を準備した。
【0066】次に、上記表層用PETと芯層用PETの
ペレットをそれぞれ170℃において3時間乾燥後、2
台の押出機のホッパーに別々に供給し、溶融温度290
℃で溶融し、線径12μmのステンレス細線よりなる平
均目開き20μmの不織布型フィルターで濾過し、表層
用PETが両表層になるようにマルチマニホールドダイ
で合流させて回転ドラム上にキャスティングして、未延
伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィ
ルムを100℃で縦方向に3.3倍、110℃で横方向
に3.6倍延伸し、220℃で熱処理して表1に示す厚
み構成の多層ポリエステルフィルムを得た。フィルムの
厚み及び層構成は2台の押出し機の回転数比にて調整し
た。得られた多層ポリエステルフィルムの評価結果を表
1に示す。表1に示す結果から明らかなように、実施例
1の多層ポリエステルフィルムは巻取り性が優れるたも
のであった。
【0067】次いで、この多層ポリエステルフィルムを
支持体層とし、前記の方法でフォトレジスト用積層フィ
ルムを作製した。このフォトレジスト用積層フィルムの
評価結果を表1に示す。表1に示した結果から明らかな
ように、実施例1のフォトレジスト用積層フィルムは解
像性、レジストパターン形状が優れたものであった。
【0068】[実施例2〜7]表層用ポリエステルに添
加する滑剤を表1に示す通りとした以外は実施例1と同
様にして表1に示す層構成の多層ポリエステルフィルム
を得た。この多層ポリエステルフィルム及び実施例1と
同様に行なったフォトレジスト用積層フィルムの評価結
果を表1に示す。表1に示した結果から明らかなよう
に、実施例2〜7の多層ポリエステルフィルムは巻取り
性が良好であり、実施例2〜7のフォトレジスト用積層
フィルムは解像性、レジストパターン形状が優れる。
【0069】[実施例8]保護フィルムに厚み25μm
の未延伸ポリエチレンフィルムを用い、表層用ポリエス
テルに添加する滑剤を表1に示す通りとした以外は実施
例1と同様にフォトレジスト用積層フィルムを作製し
た。この多層ポリエステルフィルム及びフォトレジスト
用積層フィルムの評価結果を表1に示す。表1に示した
結果から明らかなように、実施例8の多層ポリエステル
フィルムは巻取り性が良好であり、実施例8のフォトレ
ジスト用積層フィルムは解像性、レジストパターン形状
が優れたものであった。
【0070】[比較例1]ポリエステルを溶融押出しす
る際に、平均目開き20μmの不織布型フィルターに替
えて平均目開き30μmの不織布型フィルターを用いた
以外は実施例1と同様にして表1に示す層構成の多層ポ
リエステルフィルムを得た。この多層ポリエステルフィ
ルムを実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。表
1に示した結果から明らかなように、比較例1の多層ポ
リエステルフィルムはサイズ20μm以上の異物が多
く、これを用いたフォトレジスト用積層フィルムはレジ
スト形状に欠けが発生した。
【0071】[比較例2]表層用ポリエステルに添加す
る滑剤を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様に
して表1に示す層構成の多層ポリエステルフィルムを得
た。この多層ポリエステルフィルムを実施例1と同様に
評価した結果を表1に示す。表1に示した結果から明ら
かなように、表層用ポリエステルに大粒子のみを用いた
比較例2の多層ポリエステルフィルムはフィルムの表面
に微細傷が多く発生し、巻取り性がやや不十分であり、
これを用いたフォトレジスト用積層フィルムは解像性が
不十分であった。
【0072】[比較例3]表層用ポリエステルに添加す
る滑剤を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様に
して表1に示す層構成の多層ポリエステルフィルムを得
た。この多層ポリエステルフィルムを実施例1と同様に
評価した結果を表1に示す。表1に示した結果から明ら
かなように、表層用ポリエステルに小粒子のみを用いた
比較例3の多層ポリエステルフィルムは、巻取り性が不
十分であった。
【0073】[比較例4、5]表層用ポリエステルに添
加する滑剤を表1に示す通りとした以外は実施例1と同
様にして表1に示す層構成の多層ポリエステルフィルム
を得た。この多層ポリエステルフィルムを実施例1と同
様に評価した結果を表1に示す。表1に示した結果から
明らかなように、表層用ポリエステルに平均粒径0.2
〜0.8μmの粒子を含有させた比較例4、5の多層ポ
リエステルフィルムは巻取り性がやや不十分であり、こ
れを用いたフォトレジスト用積層フィルムは解像性が不
十分であった。
【0074】[比較例6]表層用ポリエステルに添加す
る滑剤を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様に
して表1に示す層構成の多層ポリエステルフィルムを得
た。この多層ポリエステルフィルムを実施例1と同様に
評価した結果を表1に示す。表1に示した結果から明ら
かなように、表層用ポリエステルに大粒子として平均粒
径2.7μmの粒子を含有させた比較例6の多層ポリエ
ステルフィルムは巻取り性がやや不十分であり、これを
用いたフォトレジスト用積層フィルムはフォトマスクと
の密着性が悪く、解像性が不十分であった。
【0075】[比較例7]表層用ポリエステルに添加す
る滑剤を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様に
して表1に示す層構成の多層ポリエステルフィルムを得
た。この多層ポリエステルフィルムを実施例1と同様に
評価した結果を表1に示す。表1に示した結果から明ら
かなように、表層用ポリエステルに小粒子として平均粒
径0.03μmの粒子を含有させた比較例7の多層ポリ
エステルフィルムは、フィルムの滑り性が悪化して、表
面傷が発生し、これを用いたフォトレジスト用積層フィ
ルムは解像性が低下した。
【0076】[比較例8]表層用ポリエステルに添加す
る滑剤を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様に
して表1に示す層構成の多層ポリエステルフィルムを得
た。この多層ポリエステルフィルムを実施例1と同様に
評価した結果を表1に示す。表1に示した結果から明ら
かなように、表層用ポリエステル中の大粒子の添加量を
0.005重量%とした比較例8の多層ポリエステルフ
ィルムは、巻取り性が悪く、これを用いたフォトレジス
ト用積層フィルムは解像性が低下した。
【0077】[比較例9]ポリエステルにポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用い、縦延
伸を130℃で3.8倍、横延伸を140℃で4.1
倍、熱固定温度を235℃とし、表層用ポリエステルに
添加する滑剤を表1に示す通りとした以外は実施例1と
同様にして表1に示す層構成の多層ポリエステルフィル
ムを得た。この多層ポリエステルフィルムを実施例1と
同様に評価した結果を表1に示す。表1に示した結果か
ら明らかなように、表層用ポリエステル中の小粒子の添
加量を0.1重量%とした比較例9の多層ポリエステル
フィルムは、巻取り性が悪い。また、これを用いたフォ
トレジスト用積層フィルムは365nmの透過率が低
く、パターン形成ができなかった。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】本発明のフォトレジスト用積層フィルム
により、高精細な印刷回路板を収率良く生産することが
可能であり、工業的価値の高いものである。
フロントページの続き (72)発明者 市橋 哲夫 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 (72)発明者 水谷 圭 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AB11 AB15 AC01 AD01 BC42 BC43 CA01 CB13 CB14 DA01 DA19 DA20 FA03 FA17 FA40 FA43 FA48 4F100 AA20 AK01D AK04 AK25 AK41A AK41B AK41E AK42 AK52 AR00C AT00D BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA10E CA19 DD07E DE01A DE01B DE01C DE01D DE01E EH20 EH46 EJ05 EJ38 EJ38A EJ38B EJ38E GB90 JK15A JK15D JK15E JK16 JL02 JN01A JN01B JN01E JN08A JN08B JN08E JN17C YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルム(A)の少なくと
    も片面にポリエステルフィルム(B)を積層した多層ポ
    リエステルフィルムの片面に、感光層(C)、更にその
    表面上に保護フィルム(D)を積層してなるフォトレジ
    スト用積層フィルムであって、該多層ポリエステルフィ
    ルム中に存在する20μm以上の粗大異物の個数Xが0
    ≦X≦10(個/m2 )の範囲であり、且つポリエステ
    ルフィルム(B)が平均粒径0.8〜2.5μmの粒子
    (I)を0.01〜0.1重量%及び平均粒径0.01
    〜0.2μmの粒子(II)を0.1〜0.8重量%を含
    有することを特徴とするフォトレジスト用積層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 多層ポリエステルフィルムが二軸配向多
    層ポリエステルフィルムである請求項1に記載のフォト
    レジスト用積層フィルム。
  3. 【請求項3】 多層ポリエステルフィルムの感光層
    (C)を積層しない側にポリエステルフィルム(B)が
    積層されている請求項1に記載のフォトレジスト用積層
    フィルム。
  4. 【請求項4】 多層ポリエステルフィルムの感光層
    (C)を積層しない側の表面の粗大突起数Nが0≦N≦
    5(個/10cm2 )である請求項1に記載のフォトレ
    ジスト用積層フィルム。
  5. 【請求項5】 多層ポリエステルフィルム表面のエア抜
    け指数Sが5≦S≦40(mmHg/hr)を満たす請
    求項1または2に記載のフォトレジスト用積層フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 多層ポリエステルフィルムの平行光透過
    率Tが、波長365nmにおいて75≦T≦90(%)
    である請求項1ないし3の何れか1項に記載のフォトレ
    ジスト用積層フィルム。
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