JP2003340953A - ドライフィルムレジスト用支持体フィルムおよびそれを用いたドライフィルムレジスト - Google Patents

ドライフィルムレジスト用支持体フィルムおよびそれを用いたドライフィルムレジスト

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JP2003340953A
JP2003340953A JP2002152480A JP2002152480A JP2003340953A JP 2003340953 A JP2003340953 A JP 2003340953A JP 2002152480 A JP2002152480 A JP 2002152480A JP 2002152480 A JP2002152480 A JP 2002152480A JP 2003340953 A JP2003340953 A JP 2003340953A
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Yukio Kawazu
幸雄 河津
Kozo Takahashi
弘造 高橋
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 解像性と走行性を飛躍的に向上させるドライ
フィルムレジスト用支持体フィルムを提供する。 【解決手段】 基材フィルムの少なくとも片面に剥離可
能層を有してなる支持体フィルムであって、該基材フィ
ルムと剥離可能層との剥離強度が1mN/cm以上50
mN/cm以下、該剥離可能層のヘイズ値が1%以下で
あり、かつ支持体フィルムの剥離可能層側とその反対面
を対向させたときの動摩擦係数が0.6以下であるドラ
イフィルムレジスト用支持体フィルムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般にドライフィ
ルムレジストと呼ばれる、フィルム状のフォトレジス
ト、およびその支持体フィルムとして用いられるドライ
フィルムレジスト用支持体フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ドライフィルムレジストは、光透過性の
支持体フィルムの少なくとも片面にレジスト層(感光性
樹脂組成物層)を積層し、場合によりその上にポリエチ
レン等からなるカバーフィルムを設けたものが用いられ
る。
【0003】使用する際には、先ずカバーフィルムが除
去され、露出されたレジスト層をプリント配線板作製用
基体等の対象物上に貼着される。この状態で、支持体フ
ィルム上にネガフィルムを密着させ、該ネガフィルム側
から基材フィルムを透過させるように紫外線等の活性光
線を照射するなどしてレジストを所定のパターンに露光
した後、支持体フィルムを剥離除去し、現像して対象物
上に目標とするパターンを形成する。従って、この支持
体フィルムとしては、機械特性に優れるとともに透明性
が高くヘイズ値が低いことが要求されるためポリエステ
ルフィルム、なかでも2軸延伸ポリエステルフィルムが
多く用いられている。
【0004】このようなドライフィルムレジストにおい
て、近年、プリント配線板の回路の微細化、液晶ディス
プレイ配線への応用展開、さらには半導体の直接実装等
により、益々高解像度化が求められているが、支持体ポ
リエステルフィルムの透明性に限界があるため、ライン
・アンド・スペース=3μm/3μm以下といった高精
細なパターンニングは非常に困難であった。
【0005】これは以下の理由による。
【0006】レジスト層を露光する場合、光は支持体フ
ィルムを通過するので、支持体フィルムの透明性が低い
とフォトレジスト層が十分に露光されなかったり、光が
散乱したりして、解像度が悪化するなどの問題が生ず
る。しかし、透明性の高い支持体フィルムは、すべり性
が悪化するためにフィルムにキズが入りやすく、欠点が
増大して結局実用的なものは得られないというジレンマ
があった。
【0007】さらにまた、支持体フィルムには、巻取ロ
ールに巻き取る際の巻き性、レジストをコーティングす
る際のフィルム走行性あるいはフォトレジストフィルム
自身の走行性などが重要である。これらの性能が劣る
と、フイルムにしわが発生するなどの不具合が生じ、フ
ォトレジスト用基材フイルムとしては致命的な問題とな
る。従って基材フィルムのポリエステルフィルムは、適
度な滑り性を有していることが必要となる。
【0008】そこで従来より、解像性とフィルムのすべ
り性の特性バランスを向上させることが種々検討されて
おり、ポリエステルフィルム中に無機又は有機の粒子を
含有させ、フィルム表面に突起を形成させる方法が用い
られている。
【0009】例えば、特開平7−333853号公報に
は、少なくとも片側の最外層に、平均粒径0.01〜
3.0μmの粒子(球状または不定形シリカ粒子、球状
架橋高分子粒子等)を含有し、該最外層表面のRaが
0.005μm以上、Rtが1.5μm未満であり、か
つ、フィルムヘイズが1.5%以下であるフォトレジス
ト用二軸配向積層ポリエステルフィルムが提案されてい
る。また、特開平10−46012号公報には平均粒径
が0.01〜0.1μmの一次粒子の凝集体であって、
細孔容積が0.5〜2.0ml/g、平均粒径が0.1
〜5μmの多孔質シリカ粒子を0.01〜0.1重量%
含有し、該多孔質シリカ粒子のうち50μm以上の大き
さの粗大凝集粒子の個数が10個/m2以下であること
を特徴とするフォトレジスト用ポリエステルフイルムが
開示されている。
【0010】さらにまた、特開2001−117237
号公報では、少なくとも2種類のポリエステル組成物が
積層されてなり、不活性粒子の平均粒径、添加量を規定
した二軸配向積層ポリエステルフィルムが開示されてい
るが、本手法も実質的に粒子を添加することのみにより
透明性と取扱い性のバランスを図ろうとするものであ
り、自ずと限界があった。
【0011】ドライフィルムレジスト(以下、「DF
R」と略称することがある。)の解像性は、上述したよ
うに支持体フィルムを介してレジストが露光されるため
に、支持体フィルムの透明性や欠点に支配されると考え
られていた。これは、高解像性レジストは酸素存在下で
は大きく、その感度が低下するために、支持体フィルム
でカバーされた状態で露光する必要があると考えられて
いたためである。一方で、支持体フィルムは、フィルム
やDFRの走行性に代表されるすべり性に関する特性も
満足させる必要があるために、どうしてもその表面を粗
面化する必要がある。しかし表面を粗面化することは、
ヘイズが上昇することを意味しており、ヘイズは、ほぼ
レジストを露光する際の光線の直進性を支配するため
に、DFRの解像性の低下を招く結果となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解消し、解像性と走行性を飛躍的に向上
させるドライフィルムレジスト用支持体フィルムを提供
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この常識
と考えられていた支持体フィルムの限界を打破する検討
を進めた結果、支持体フィルムに求められている二律背
反となっている性能、すなわち走行性と透明性は、支持
体フィルムを少なくとも2層に分離可能なものとしてお
き、それぞれに機能を分担させることによって本質的に
課題を解消できることを見いだしたものである。
【0014】すなわち、かかる課題を解決するための本
発明の支持体フィルムは、基材フィルムの少なくとも片
面に剥離可能層を有してなり、該基材フィルムと剥離可
能層との剥離強度が1mN/cm以上50mN/cm以
下、該剥離可能層のヘイズ値が1%以下であり、かつ支
持体フィルムの剥離可能層側とその反対面を対向させた
ときの動摩擦係数が0.6以下であることを特徴とする
ドライフィルムレジスト用支持体フィルムである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において基材フィルムは、
特に限定されないが、2軸延伸ポリエステルフィルム
が、その優れた機械的強度の点から好ましい。とりわ
け、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ま
たは、2軸延伸ポリエチレンナフタレートが好ましい。
2軸延伸ポリエステルフィルムの機械的強度を向上させ
る技術としては、延伸倍率を大きくするなど、従来より
種々提案されており、いずれも本発明に採用することが
できる。
【0016】また、DFR用支持体フィルムに求められ
る基本的な特性として、DFR製造工程やDFR使用時
に、多少強く引っ張ってもしわが入らないことが必要で
ある。従って、支持体フィルムは一定以上の機械的強度
と曲げ剛性があることが好ましく、余り薄いフィルムだ
と両者を満足できないために、全体厚みが6μm以上で
あること、さらには10μm以上であること好ましい。
しかし、余り厚すぎると小さい半径のロール上を走行す
ることが困難になるので、全体厚みは75μm以下であ
ることが好ましい。
【0017】本発明のDFR用支持体フィルムは、上記
基材フィルムの少なくとも片面に剥離可能層を有する。
本発明で「剥離可能」とは、基材フィルムと剥離可能層
が積層された状態から、機械的にそれぞれ独立したフィ
ルムとして分離可能であることを言う。
【0018】「剥離可能」に積層する方法としては、別
々に用意された基材フィルムと剥離可能層を熱および/
または圧力によって接着する方法、別々に用意された基
材フィルムと剥離可能層の少なくとも一方に粘着剤を塗
布して貼り合わせる方法、基材フィルム上にコーティン
グによって剥離可能層を形成する方法、基材フィルムと
なる樹脂と剥離可能層となる樹脂を溶融状態にて合流さ
せ、一つの口金から同時に押し出す共押出しによる方法
など、従来より公知の積層フィルムの製造方法を採用す
ることができる。
【0019】これらのうち、後述するように、剥離可能
層は薄膜であることが好ましい点から、コーティングに
よる方法、もしくは共押出による方法を好ましく採用す
ることができる。
【0020】コーティングによる方法、共押出による方
法において、剥離可能層を剥離可能に形成するために
は、基材フィルムを構成する樹脂と剥離可能層を構成す
る樹脂の組み合わせを種々選択することが必要である。
その組み合わせを例示すると、基材フィルムがポリエチ
レンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートフ
ィルムである場合、剥離可能層に用いる樹脂としては、
ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、エチレ
ン・ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合樹脂、エチレン・アクリル酸共重合樹脂、エチ
レン・アクリル酸エチル共重合樹脂、ポリエチレンやポ
リプロピレンおよびそれらの共重合体、ポリメチルペン
テン、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアク
リル樹脂、アクリル酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシ
カルボン酸樹脂等が好ましく用いられる。
【0021】中でも、レジスト現像液に対する溶解性の
点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン
・酢酸ビニル共重合樹脂から選ばれた少なくとも1種、
あるいはポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸樹脂が
より好ましく用いられる。
【0022】本発明において、剥離可能層の厚みは0.
2〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.
5〜3μmである。剥離可能層が厚すぎると、支持体フ
ィルム全体厚みが必要以上に厚くなりすぎ同じ大きさの
フィルムロールで巻き長さが少なくなってしまい効率が
低下する場合がある。しかし、あまり薄すぎると連続的
に剥離することが困難になるからである。
【0023】本発明のDFR用支持体フィルムにおける
基材フィルムと剥離可能層との剥離強度は、1mN/c
m以上50mN/cm以下であることが肝要である。好
ましくは剥離強度が1mN/cm以上30mN/cm以
下である。剥離強度が1mN/cm未満であると、支持
体フィルムの製造工程やDFR製造工程中で基材フィル
ムと剥離可能層の層間で剥がれや浮きが発生して正常に
巻き取ることができないという問題が生じる。一方、剥
離強度が50mN/cmより大きいと、DFRの製造工
程において支持体フィルムから基材フィルムを剥離する
段階で、剥離可能層とフォトレジスト層間で剥がれや浮
きが発生して層間に空気が入り込んで解像度が低下する
という問題が生じる。
【0024】基材フィルムと剥離可能層との剥離強度
を、1mN/cm以上50mN/cm以下とするには、
いかなる手段を用いてもよいが、上記したように基材フ
ィルムを構成する樹脂と剥離可能層を構成する樹脂との
組み合わせを選択することにより達成できる。さらに、
基材フィルムあるいは剥離可能層のいずれか一方にシリ
コーン成分あるいはワックス成分を含有せしめたり、基
材フィルムの剥離可能層形成面にシリコーン含有層ある
いはワックス含有層を積層したり、基材フィルムの剥離
可能層形成面にシリコーン成分やワックス成分を含む塗
布層を設けたりすることによって、剥離強度を1mN/
cm以上50mN/cm以下に調整することができる。
【0025】上記のシリコーン成分としては、アミノ
基、カルボキシル基、ポリオキシアルキレン基のうち、
少なくとも1つの基を導入した変性シリコーンであるの
が好ましい。また、ワックス成分としては、石油系ワッ
クスまたは植物性ワックス、およびその混合物が好まし
く用いられる。石油系ワックスとしては、パラフィンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス
等を好ましく用いることができる。また、植物性ワック
スとしてはカルナウバワックス、キャンデラワックス、
木ロウ、オリキューリーワックス、さとうきびロウ等を
好ましく用いることができる。
【0026】本発明の基材フィルムと剥離可能層を分離
した後の、剥離可能層単独でのヘイズ値は1%以下であ
ることが肝要である。好ましくはヘイズ値が0.5%以
下である。剥離可能層単独でのヘイズ値が1%を越える
と、レジスト露光時の光線の直進性が損なわれて解像度
が低下する。ヘイズ値を1%以下とすることによって、
レジスト層本来の解像性を引き出すことができ、DFR
としての解像性を高めることができる。
【0027】また剥離可能層単独の全光線透過率は70
%以上であることが好ましい。より好ましくは80%以
上である。光線透過率が70%未満では大きな露光エネ
ルギーが必要となる。
【0028】本発明において、支持体フィルムの剥離可
能層側とその反対面を対向させたときの動摩擦係数は
0.6以下であることが肝要である。好ましくは動摩擦
係数が0.5以下である。動摩擦係数が0.6を越える
と、すべり性が低下するため、巻き取りロールに巻き取
る際の巻き取り性、レジストをコーティングする際のフ
ィルム走行性あるいはフォトレジスト自身の走行性が低
下して、フィルムにしわが発生するなどの不具合が生じ
る。動摩擦係数を0.6以下とすることにより、極めて
走行性のよい支持体フィルムとすることができ、その結
果、支持体フィルムをより高速で走行させることができ
るとともに、レジスト層のコーティングやDFR使用時
にしわが発生することがない。
【0029】支持体フィルムの剥離可能層側とその反対
面を対向させたときの動摩擦係数を0.6以下とするた
めには、従来よりフィルムの動摩擦係数を低減させる手
法として知られている微粒子添加法が好ましく用いられ
る。
【0030】微粒子を添加する場合、微粒子の種類、粒
径、添加量は特に制限されるものではないが、種類とし
て例示するなら湿式シリカ、コロイダルシリカ、タル
ク、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナやジルコニ
ア等のセラミックあるいはガラス、架橋高分子などが挙
げられる。また粒径については、平均粒径にして0.0
1μm〜3μm程度のものが好ましく用いられる。
【0031】また、基材フィルム自体を積層フィルムと
し、剥離可能層を積層しない側の表面をより強く粗面化
すること、あるいは基材フィルム表面に形成される突起
高さを制御することも好ましい。これによって剥離可能
層が形成される側の表面に形成される突起高さが制御さ
れ、該表面の粗大突起数を激減させることができるた
め、該剥離可能層を剥離する際の剥離欠点の生成を防ぐ
こともできる。
【0032】さらにまた、上記微粒子を添加した基材フ
ィルムに、上記のシリコーン成分やワックス成分を添加
することも動摩擦係数を低減する手法として有効であ
る。
【0033】本発明のDFR用支持体フィルムは、上記
の基材フィルムと剥離可能層によって構成されており、
レジスト露光時には該基材フィルムを剥離除去すること
ができるため、従来、走行性は良好になるものの解像性
を犠牲にするために採用できなかった技術を採用するこ
とができる。言い換えれば、表面粗面化するなどして走
行性を向上させた時でも解像性は影響を受けない。すな
わち、従来の技術では不可能であった解像性と走行性の
二律背反する特性を併せ持ったDFR用支持体フィルム
が実現される。
【0034】次に本発明のドライフィルムレジストにつ
いて説明する。
【0035】本発明のドライフィルムレジストは、上述
した本発明の支持体フィルムの、剥離可能層上にレジス
ト層を設けたものである。
【0036】このような構成とすることによって、走行
性に代表される取り扱い性が非常に優れていながら、同
時に極めて解像性の高いドライフィルムレジストとする
ことができる。
【0037】すなわち、本発明の支持体フィルムは、走
行性の極めて良好な基材フィルム層と、ヘイズの極めて
小さい剥離可能層が剥離可能に積層されているので、該
剥離可能層の上にレジスト層を形成しておくことによ
り、露光するまでは基材フィルムが付いたまま取り扱う
ことで走行性が良く取り扱いのしやすいドライフィルム
レジストであり、またプリント基板材料などの対象物に
貼り付けた後、露光前に基材フィルムを剥離除去するこ
とで、露光時には極めてヘイズの低い剥離可能層だけを
介して露光することが出来るのでレジスト本来の解像性
を発揮させることができるのである。
【0038】さらに剥離可能層は、レジスト層の現像液
で溶解するものとしておくことが好ましい。例えば、使
用するレジストの現像液が弱アルカリ溶液である場合、
剥離可能層もまた、アクリル酸樹脂やポリ乳酸、ポリビ
ニルアルコール系樹脂などの弱アルカリに可溶性の樹脂
で構成しておくと、露光後、該剥離可能層を除去しなく
とも、そのまま現像液に浸漬した際に、まず剥離可能層
が溶解除去されたのちレジスト層が現像されるために、
従来のDFRで必要であった露光後の支持体フィルム除
去工程が不要になる。
【0039】これによって、従来のDFR使用時の工程
数と変わらない工程数で加工することが出来るようにな
る。すなわち、従来のDFRでは、(1)DFR貼り付
け、(2)露光、(3)支持体フィルム除去(剥離)、(4)現
像という工程であったものが、この構成による本発明の
DFRにおいては、(1)DFR貼り付け、(2)基材フィル
ム剥離除去、(3)露光、(4)現像となり、貼り付けから現
像に至る工程でのコストアップを防ぐことが出来る。
【0040】なお、このレジスト層の現像液によって剥
離可能層を溶解する方法を採用する場合、該剥離可能層
の厚みはレジスト層の1/5以下、さらに好ましくは1
/10以下としておくことが、現像液の現像性変動を抑
制できる点で好ましい。
【0041】以下に本発明のドライフィルムレジスト用
支持体フィルムおよびドライフィルムレジストの製造方
法について、好ましい例を説明する。
【0042】基材フィルムとなる2軸延伸ポリエステル
フィルムは、従来のドライフィルムレジスト用支持体フ
ィルムに用いられる2軸延伸ポリエステルフィルムと同
様の方法で製造することができ、一例を挙げるなら以下
の通りである。
【0043】まずポリエステル樹脂ペレットを乾燥後、
溶融押出装置に投入し、フィルタにて異物を除去したの
ちスリット状の口金から押し出し、回転する冷却ドラム
上で急冷して実質的に非晶状態のまま固化させてシート
化する。
【0044】得られたシートを予熱ロール群に導きガラ
ス転移温度近くまで昇温し、続く延伸ロールでガラス転
移温度以上に昇温し、後続する周速の速い引き延ばしロ
ールとの間でフィルム流れ方向に延伸する。続いて、フ
ィルム両端部をクリップで把持してステンターに導入
し、オーブンにてガラス転移温度以上に昇温しながら徐
々にクリップ間隔を幅方向に拡げていくことによりフィ
ルム幅方向に延伸する。両端をクリップに把持したま
ま、ガラス転移温度以上融点以下に設定されたオーブン
に導き熱固定を行い冷却したのちクリップを解放し、2
軸延伸ポリエステルフィルムが得られる。
【0045】本発明のドライフィルムレジスト用支持体
フィルムは、このようにして得られる基材フィルムの少
なくとも片面に剥離可能層を設けたものであるが、該剥
離可能層は上記の2軸延伸ポリエステルフィルムの製造
工程の中のいずれかの段階で積層することが生産性の点
から好ましい。
【0046】この方法として二つの好ましい方法があ
る。一つは、ポリエステルを口金から押し出すより前の
溶融状態にある段階で、別の溶融押出装置によって溶融
された剥離可能層となる樹脂と合流させて口金から同時
に押し出す方法であり、もう一つは、フィルム幅方向の
延伸が行われるより前に剥離可能層を積層し、テンター
式延伸機にて基材フィルムと共延伸する方法である。こ
れらの方法によれば、従来のドライフィルムレジスト用
支持体フィルムの生産効率を低下させることなく、また
新たな工程を殆ど追加することなく本発明のドライフィ
ルムレジスト用支持体フィルムを得ることが出来る。
【0047】さらにフィルム幅方向の延伸が行われるよ
り前に剥離可能層を積層する方法としては、剥離可能層
となる樹脂を口金から溶融押出して基材フィルム上に積
層する方法と、剥離可能層となる樹脂を溶媒に溶解して
おき基材フィルム上に塗布し、続くテンター内で基材フ
ィルムの予熱と同時に剥離可能層を乾燥して形成する方
法が好ましく用いられる。
【0048】本発明のドライフィルムレジストは、上記
のようにして得られた本発明のドライフィルムレジスト
用支持体フィルムの剥離可能層が積層された表面にレジ
スト層を形成することで得ることが出来る。
【0049】レジスト層の形成方法もまた従来知られて
いるドライフィルムレジストにおけるレジスト層形成方
法を採用することが出来る。すなわち、もっとも代表的
な例としては、支持体フィルム上に溶媒に溶解したレジ
スト樹脂を塗布し、続いてオーブンにて乾燥する方法が
挙げられる。
【0050】このようにしてレジスト層を形成した後、
必要に応じてレジストを保護するための保護フィルムを
貼り合わせて本発明のドライフィルムレジストが得られ
る。
【0051】[特性の評価方法] (1)剥離強度 厚さ2mmの表面平滑なアクリル板に、支持体フィルム
の基材フィルム面を両面テープで貼り付け、剥離可能層
表面にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製N
o.31B、幅19mm)を貼り付けて、粘着テープの
一端をテンシロン引張試験機(東洋測器(株)UTMII
I)で、速度100mm/minで180度方向に引張り、基
材フィルムと剥離可能層間の剥離力を測定した。剥離強
度(mN/cm)は、SSカーブの立ち上がり部分を除
いた剥離長さ50mm以上の平均剥離力(T[mN])か
ら、次式により算出し、 剥離強度(mN/cm)=T/W サンプル数5個の平均値を採用した。ここで、T(m
N):平均剥離力、W(cm):サンプル幅を表す。た
だし、サンプル幅は1.9cmに固定した。
【0052】(2)動摩擦係数 JISK7125に準拠して、東レ式スリップテスター
200G−15C(MAKINO SEISAKUSHO製)を用いて測
定した。
【0053】(3)ヘイズおよび全光線透過率 JISK7361−1に準拠して、スガ試験機(株)
製、ヘイズメーターHGM−2DPにより測定した。
【0054】(4)走行性 フィルムスリッターの巻きだし軸に評価するフィルムロ
ールを装着し、スリットせずに巻き取り軸で巻き取り、
巻き取り速度を徐々に200m/分まで上げていき、フ
ィルムの走行状態を観察して、以下のように判定した。
【0055】フィルムが蛇行したりしわが入ることなく
安定して巻き取れた:○ フィルムが蛇行したが、しわにはならず巻き取れた:△ フィルムにしわが入って、巻き取れなかった:× △、○が実用に供するレベルとした。
【0056】(5)解像性 シリコンウェハ上にドライフィルムレジストを貼り付け
て支持体フィルムを剥がし、アライナーを用いて、テス
トパターンが形成されたフォトマスクを介して紫外線を
露光したのち、レジストの最も良好な解像性が得られる
適切な現像液、現像条件によって現像した後、テストパ
ターン(ライン/スペース=5/5μmの繰り返しスト
ライプパターン)のエッジ部分の直線性を電子顕微鏡に
よって観察し、以下のように判定した。
【0057】 良好な直線性が得られた :○ 一部、凹凸がみられるものの断線やブリッジはない :△ テストパターン中に断線またはブリッジが見られた :× △、○が実用に供するレベルとした。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。
【0059】実施例1 (支持体フィルムの作製)平均粒径1.1μmの炭酸カ
ルシウム0.2重量%、平均粒径0.3μmのシリカ粒
子0.1重量%を添加したポリエチレンテレフタレート
原料を乾燥してTダイ口金で溶融押出し、表面温度25
℃のキャストドラム上にキャストして未延伸フィルムを
作製し、該未延伸フィルムをロール式延伸機に導き、8
5℃の予熱ロールで予熱した後、温度95℃の周速差の
あるロール間で長手方向に3.5倍に延伸し、一旦室温
まで冷却した。
【0060】次いで、該フィルムをテンター式横延伸機
に送り込み、温度95℃で幅方向に3.8倍に延伸し
た。さらにテンターの熱処理ゾーンで200℃の雰囲気
下で5秒間の熱処理を施して、厚さ16μmの2軸延伸
ポリエステルフィルムを作製した。
【0061】上記2軸延伸ポリエステルフィルムを基材
フィルムとして、片面にポリビニルアルコール10重量
%水溶液(日本合成化学工業(株)製“ゴーセノール”
GH-17、鹸化度:86.5〜89%)をグラビアコーターで、
乾燥後の厚さで2μmとなるようにコーティングして剥
離可能層を形成し、本発明のドライフィルムレジスト用
支持体フィルムを作製した。
【0062】該支持体フィルムと剥離可能層(ポリビニ
ルアルコール層)との剥離強度を測定したところ、剥離
強度は40mN/cmであった。また、剥離可能層単独
のヘイズ値は0.2%、全光線透過率は90%であっ
た。さらに、上記支持体フィルムの基材フィルム面と剥
離可能層面を重ね合わせたときの動摩擦係数は0.4で
あった。
【0063】(レジスト層の形成)上記支持体フィルム
の剥離可能層(ポリビニルアルコール層)面上に、フォ
トレジスト(東京応化製 PMER N−HC600)
を積層して、本発明のドライフィルムレジストを得た。
【0064】(走行性)上記支持体フィルムの走行性を
評価したところ、巻き取り速度200m/分で、フィル
ムの蛇行やしわの発生がなく、走行性は○であった。
【0065】(解像性)上記ドライフィルムレジストの
解像性を評価したところ、レジストのエッジ部は非常に
良好な直線となっており、○であった。
【0066】実施例2 (支持体フィルムの作製)実施例1において、2軸延伸
ポリエステルフィルムの片面に、ワックス3重量%水溶
液(広栄化学(株)製“KEK−T”)を乾燥後の厚さ
で0.05μmとなるように塗布したのち、該ワックス
塗布面の上から、ポリビニルアルコール10重量%水溶
液(日本合成化学工業(株)製“ゴーセノール”GH-1
7、鹸化度:86.5〜89%)に界面活性剤(エアープロダ
クツジャパン(株)製“サーフィノール”504)を
0.5重量%添加した塗布液を、乾燥後の厚さで3μm
となるようにコーティングして剥離可能層を形成したこ
と以外は、実施例1と同様にして本発明のドライフィル
ムレジスト用支持体フィルムおよびドライフィルムレジ
ストを作製した。
【0067】該支持体フィルムと剥離可能層(ポリビニ
ルアルコール層)との剥離強度を測定したところ、剥離
強度は2mN/cmであった。また、剥離可能層単独の
ヘイズ値は0.2%、全光線透過率は90%であった。
さらに、上記支持体フィルムの基材フィルム面と剥離可
能層面を重ね合わせたときの動摩擦係数は0.4であっ
た。
【0068】(走行性)上記支持体フィルムの走行性を
評価したところ、巻き取り速度200m/分で、フィル
ムの蛇行やしわの発生がなく、走行性は○であった。
【0069】(解像性)上記ドライフィルムレジストの
解像性を評価したところ、レジストのエッジ部は非常に
良好な直線となっており、○であった。
【0070】実施例3 (支持体フィルムの作製)実施例1と同じポリエチレン
テレフタレート(PET)原料を乾燥して押出機1に、
また120℃で乾燥したポリヒドロキシカルボン酸を主
成分とするポリ乳酸(PLA)原料(無粒子)を押出機
2にそれぞれ供給して加熱溶融し、平均濾過精度10μ
mの不織布型焼結フィルターで濾過しつつ2層のマニホ
ールドを通過させた後にT型口金から押し出し、表面温
度25℃のキャストドラム上にキャストしてPET/P
LAの2層構成の未延伸フィルムを作製した。該未延伸
フィルムをロール式延伸機に導き、85℃の予熱ロール
で予熱したあと、温度95℃の周速の異なるロール間で
長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却し
た。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導
き、熱風温度90℃で加熱しつつ幅方向に3.3倍延伸
し、さらにテンター内で200℃で熱処理して、厚さ1
8μm(PET16μm/PLA2μm)の本発明のド
ライフィルムレジスト用支持体フィルムを作製した。
【0071】こうして得られた支持体フィルムのPET
層と剥離可能層(PLA層)との剥離強度を測定したと
ころ、剥離強度は20mN/cmであった。また、剥離
可能層単独のヘイズ値は0.1%、全光線透過率は93
%であった。さらに、上記支持体フィルムの基材フィル
ム面と剥離可能層面を重ね合わせたときの動摩擦係数は
0.3であった。
【0072】(レジスト層の形成)上記支持体フィルム
の剥離可能層(PLA層)面上に、実施例1と同様にし
てレジストを積層して、ドライフィルムレジストを作製
した。
【0073】(走行性)上記支持体フィルムの走行性を
評価したところ、巻き取り速度200m/分で、フィル
ムの蛇行やしわの発生がなく、走行性は○であった。
【0074】(解像性)上記ドライフィルムレジストの
解像性を評価したところ、レジストのエッジ部は非常に
良好な直線となっており、○であった。
【0075】実施例4 (支持体フィルムの作製)実施例1と同じポリエチレン
テレフタレート(PET)原料を乾燥して押出機1に、
また該PET原料にカルナウバワックスを0.5重量%
ドライブレンドして乾燥した原料を押出機2にそれぞれ
供給して加熱溶融し、平均濾過精度10μmの不織布型
焼結フィルターで濾過しつつ2層のマニホールドを通過
させた後にT型口金から押し出し、表面温度25℃のキ
ャストドラム上にキャストしてPET層/ワックスブレ
ンド層の2層構成からなる未延伸フィルムを作製した。
該未延伸フィルムをロール式延伸機に導き、85℃の予
熱ロールで予熱したあと、温度95℃の周速の異なるロ
ール間で長さ方向に3.5倍延伸した後、一旦室温まで
冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機
に導き、熱風温度90℃で加熱しつつ幅方向に3.7倍
延伸し、さらにテンター内で200℃で熱処理して、厚
さ18μm(PET層16μm/ワックスブレンド層2
μm)の2軸延伸積層ポリエステルフィルムを作製し
た。
【0076】こうして得られた積層フィルムを基材フィ
ルムとして、ワックスブレンド層面にポリビニルアルコ
ール10重量%水溶液(日本合成化学工業(株)製“ゴ
ーセノール”GH-17、鹸化度:86.5〜89%)に界面活性
剤(エアープロダクツジャパン(株)製“サーフィノー
ル”504)を0.5重量%添加した塗布液を、グラビ
アコーターで、乾燥後の厚さで3μmとなるようにコー
ティングして剥離可能層を形成し、本発明のドライフィ
ルムレジスト用支持体フィルムを作製した。
【0077】得られた支持体フィルムの基材フィルムと
剥離可能層(ポリビニルアルコール層)との剥離強度を
測定したところ、剥離強度は10mN/cmであった。
また、剥離可能層単独のヘイズ値は0.3%、全光線透
過率は91%であった。さらに、上記支持体フィルムの
基材フィルム面と剥離可能層面を重ね合わせたときの動
摩擦係数は0.3であった。
【0078】(レジスト層の形成)上記支持体フィルム
の剥離可能層(ポリビニルアルコール層)面上に、実施
例1と同様にしてレジストを積層して、本発明のドライ
フィルムレジストを得た。
【0079】(走行性)上記支持体フィルムの走行性を
評価したところ、巻き取り速度200m/分で、フィル
ムの蛇行やしわの発生がなく、走行性は○であった。
【0080】(解像性)上記ドライフィルムレジストの
解像性を評価したところ、レジストのエッジ部は非常に
良好な直線となっており、○であった。
【0081】比較例1 (支持体フィルムの作製)実施例1で作製した厚さ16
μmの2軸延伸ポリエステルフィルムをドライフィルム
レジスト用支持体フィルムとした。
【0082】該支持体フィルムのヘイズを測定したとこ
ろ、2.3%であった。また、全光線透過率は85%で
あった。
【0083】また、該支持体フィルムの一方の面と反対
面を対向させたときの動摩擦係数は0.25であった。
【0084】(走行性)上記支持体フィルムの走行性を
評価したところ、巻き取り速度200m/分で、フィル
ムの蛇行やしわの発生がなく、走行性は○であった。
【0085】(解像性)ドライフィルムレジストの解像
性を評価したところ、レジストに断線とブリッジが発生
しており、×であった。
【0086】比較例2 (支持体フィルムの作製)実施例1において、2種類の
粒子のうち、平均粒径0.3μmのシリカ粒子のみを
0.1重量%を添加したこと以外は、実施例1と同様に
してドライフィルムレジスト用支持体フィルムおよび該
フィルムを用いてドライフィルムレジストを作製した。
【0087】上記支持体フィルムと剥離可能層(ポリビ
ニルアルコール層)との剥離強度を測定したところ、剥
離強度は45mN/cmであった。また、剥離可能層単
独のヘイズ値は0.2%、全光線透過率は90%であっ
た。
【0088】また、上記支持体フィルムの基材フィルム
面と剥離可能層面を重ね合わせたときの動摩擦係数は
0.75であった。
【0089】(走行性)上記支持体フィルムの走行性を
評価したところ、巻き取り速度100m/分で、フィル
ムが蛇行し、正常な巻き取りができず、走行性は×であ
った。
【0090】(解像性)上記ドライフィルムレジストの
解像性を評価したところ、レジストのエッジ部は非常に
良好な直線となっており、○であった。
【0091】比較例3 (支持体フィルムの作製)実施例1において、剥離可能
層を形成するポリビニルアルコールを“ポバール”PV
A420((株)クラレ、鹸化度:78〜81%)に変
更したこと以外は、実施例1と同様にしてドライフィル
ムレジスト用支持体フィルムおよび該フィルムを用いて
ドライフィルムレジストを作製した。
【0092】上記支持体フィルムの基材フィルムと剥離
可能層(ポリビニルアルコール層)との剥離強度を測定
したところ、剥離強度は70mN/cmであった。ま
た、剥離可能層単独のヘイズ値は0.2%、全光線透過
率は90%であった。
【0093】また、上記支持体フィルムの基材フィルム
面と剥離可能層面を重ね合わせたときの動摩擦係数は
0.45であった。
【0094】(走行性)上記支持体フィルムの走行性を
評価したところ、巻き取り速度200m/分で、フィル
ムの蛇行やしわの発生がなく、走行性は○であった。
【0095】(解像性)上記ドライフィルムレジストの
解像性を評価するため、支持体フィルムから基材フィル
ムを剥がそうとしたが、基材フィルムと剥離可能層との
密着性が強すぎて、剥離可能層とフォトレジスト層の間
が部分的に浮き上がり、層間に空気が入り込んだため、
解像性は×であった。
【0096】
【表1】 表1に示すように、実施例1〜4の本発明のドライフィ
ルムレジスト用支持体フィルムは走行性に優れるととも
に、該フィルムを用いたドライフィルムレジストは解像
性に優れる。すなわち、走行性と解像性を同時に満足で
きるものであった。これに対して、剥離可能層を設けて
いない比較例1は走行性は良好なものの解像性に劣り、
動摩擦係数の大きい比較例2は解像性は良好なものの走
行性に劣り、また、剥離強度の大きい比較例3は走行性
は良好なものの解像性に劣るものであった。
【0097】
【発明の効果】本発明のドライフィルムレジスト用支持
体フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に剥離可
能層を設け、該基材フィルムと剥離可能層との剥離強度
を1mN/cm以上50mN/cm以下とし、該剥離可
能層のヘイズ値を1%以下とし、かつ支持体フィルムの
剥離可能層側とその反対面を対向させたときの動摩擦係
数を0.6以下となるようにしたので、高い解像性と安
定した走行性を同時に満足することができる。
【0098】すなわち、本発明の支持体フィルムは、走
行性の極めて良好な基材フィルム層と、ヘイズの極めて
小さい剥離可能層が適度な剥離強度で剥離可能に積層さ
れているので、該剥離可能層の上にレジスト層を形成し
ておくことにより、露光するまでは基材フィルムが付い
たまま取り扱うことで走行性が良く、取り扱いのしやす
いドライフィルムレジストとすることができる。また、
プリント基板材料などの対象物に貼り付けた後、露光前
に基材フィルムを剥離除去することで、露光時には極め
てヘイズの低い剥離可能層だけを介して露光することが
出来るのでレジスト本来の解像性を発揮させることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AJ11D AK01A AK02B AK02C AK21B AK21C AK41A AK68B AK68C AK69B AK69C AK70B AK70C BA02 BA03 BA10A BA10C EJ38A JK06B JK06C JK16A JL14B JL14C JN01B JN01C YY00B YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも片面に剥離可
    能層を有してなる支持体フィルムであって、該基材フィ
    ルムと剥離可能層との剥離強度が1mN/cm以上50
    mN/cm以下、該剥離可能層のヘイズ値が1%以下で
    あり、かつ支持体フィルムの剥離可能層側とその反対面
    を対向させたときの動摩擦係数が0.6以下であること
    を特徴とするドライフィルムレジスト用支持体フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 基材フィルムが2軸延伸ポリエステルフ
    ィルムである請求項1に記載のドライフィルムレジスト
    用支持体フィルム。
  3. 【請求項3】 基材フィルムの剥離可能層形成面に、ワ
    ックス成分を含む層が形成されている請求項1または請
    求項2に記載のドライフィルムレジスト用支持体フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 剥離可能層が、ポリビニルアルコール、
    ポリビニルピロリドン、エチレン・ビニルアルコール共
    重合樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
    ・アクリル酢共重合樹脂、エチレン・アクリル酸エチル
    共重合樹脂、ポリ乳酸などのポリヒドロキシカルボン酸
    樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる請求項1〜3
    のいずれかに記載のドライフィルムレジスト用支持体フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のドライ
    フィルムレジスト用支持体フィルムの、剥離可能層上に
    レジスト層を設けたことを特徴とするドライフィルムレ
    ジスト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015018834A (ja) * 2013-07-08 2015-01-29 日立化成株式会社 樹脂層の積層方法及びそれに用いられる樹脂積層体
KR101739730B1 (ko) * 2010-06-25 2017-05-26 코오롱인더스트리 주식회사 드라이필름 포토레지스트
JP2019191518A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 富士フイルム株式会社 感光性転写材料、レジストパターンの製造方法、回路配線の製造方法

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